JPH11226945A - アクリル系樹脂のペレット化方法、アクリル系樹脂のペレット化装置およびアクリルフィルムの製造方法 - Google Patents

アクリル系樹脂のペレット化方法、アクリル系樹脂のペレット化装置およびアクリルフィルムの製造方法

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JPH11226945A
JPH11226945A JP10028828A JP2882898A JPH11226945A JP H11226945 A JPH11226945 A JP H11226945A JP 10028828 A JP10028828 A JP 10028828A JP 2882898 A JP2882898 A JP 2882898A JP H11226945 A JPH11226945 A JP H11226945A
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acrylic
polymer
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pelletizing
film
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JP10028828A
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Kaoru Matsuda
薫 松田
Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
Hideaki Makino
英顯 牧野
Kazuaki Hayashida
和明 林田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染などがなく、光学特性などの品質に優れ
たアクリルフィルムを簡易で作業性に優れ、低コストで
製造する方法、その為のアクリル系樹脂のペレット化方
法及び装置。 【解決手段】 乳化重合で得られたアクリル系重合体の
含水重合体を圧搾しながら、生じる液体および気化物を
排出して脱水し、さらに加熱溶融後に押し出して切断し
てペレットとし、これを押出機で溶融し、押し出してフ
ィルム状に成形する。樹脂汚染がなく、高品質なアクリ
ルフィルムを製造できる上、その方法は、工程が少なく
簡易であり、ランニングコストが小さく、製造ロスが少
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低コストで品質上優
れたアクリルフィルムの製造方法、その為のアクリル系
樹脂のペレット化方法およびペレット化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルフィルムを製造する場合、一般
的に、原料としてペレットを使用し、押出機を用いて成
膜する。原料としてペレットでなく粉体を使用すること
も考えられるが、粉体を使用した場合、押出機への供給
が不安定になり、均一な厚みをもつフィルムが得られに
くいなどの問題点がある。成膜の原料となるペレット
は、乳化重合で得られる重合体ラテックスを凝固し、洗
浄・脱水の各工程を経て得られる湿潤状重合体を気流乾
燥機あるいは流動乾燥機で乾燥させて粉体として取り出
し、ついで、押出機によりペレット状に賦形して製造す
るのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなアクリルフィルムの製造方法においては、乳化重合
体が一旦粉体として取り出されるために、多様の工程が
必要となり、ランニングコストが大きく、また、工程中
の重合体のロスが多い。さらに、場合によっては、異物
が混入する可能性がある等の多様の問題がある。このよ
うな諸問題を解決し得るものとして圧搾脱水押出機を利
用する方法がある。しかしながら、圧搾脱水押出機は、
ABS樹脂などの比較的に溶融しやすい軟質な重合体に
は適しているものの、アクリル系樹脂のような硬質な重
合体には不適当である。特に、多層構造のアクリル系重
合体では、アルキルアクリレート等のゴム状成分の割合
が大きいと、温度に対する屈折率の変化が大きくなり、
光沢や透明性などの光学特性が損なわれるので、ゴム状
成分の含有割合を少なくし、メタクリル酸アルキルエス
テルなどの硬質単量体成分の割合を比較的大きくする必
要がある。このように特に硬質な多層構造重合体は、凝
固時に乳化ラテックス中のポリマー粒子同しの融着が起
こりにくく、回収した湿潤状での重合体の含水率が高く
なる。その結果、圧搾脱水押出機で乾燥させるには、多
大な熱量を要することになり、生産性が低く、好ましく
ない。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、汚染などがなく、光学特性などの品質に優れ
たアクリルフィルムを簡易で作業性に優れ、低コストで
製造する方法、その為のアクリル系樹脂のペレット化方
法及び装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等はこ
のような状況を鑑み、鋭意研究を進めた結果、アクリル
フィルムを製造するにあたり、アクリル系重合体の含水
重合体を特定方法で溶融、可塑化し、ペレット状にし、
次いで、このペレットをフィルム状に成形することで上
記問題点が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明のアクリル系樹脂のペレット化方法
は、乳化重合で得られたアクリル系重合体の含水重合体
を圧搾しながら、生じる液体および気化物を排出して脱
水し、さらに加熱溶融後に押し出して切断することを特
徴とするものである。
【0006】本発明のアクリル系樹脂のペレット化装置
は、原料供給口の形成されたシリンダと、該シリンダに
設けられ、原料供給口から供給されたアクリル系重合体
の含水重合体を圧搾する圧搾機構と、シリンダ内の液体
及び又は気体を排出する排出部と、アクリル系重合体を
加熱溶融する加熱部と、加熱溶融されたアクリル系重合
体が押し出されるダイスと、該押し出されたアクリル系
重合体を切断するカッティング機構とを有していること
を特徴とするものである。ここで、排出部としては、脱
液部と脱気部とからなり、該脱液部は、シリンダ内に供
給されたアクリル系重合体の含水重合体が圧搾される圧
搾部よりも上流側に位置し、脱気部は圧搾部よりも下流
側に位置していることが望ましい。本発明のアクリルフ
ィルムの製造方法は、乳化重合で得られたアクリル系重
合体の含水重合体を圧搾しながら、生じる液体および気
化物を排出して脱水し、さらに加熱溶融後に押し出して
切断してペレットとし、これを押出機で溶融し、押し出
してフィルム状に成形することを特徴とするものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる原料としての
アクリル系重合体としては、乳化重合で得られたアクリ
ル系重合体ラテックスを凝固、脱水してなる湿潤状のも
のであれば特に限定されないが、フィルムに成形した際
の柔軟性、透明性に優れ、製造時や後加工時の加工性に
富んだものが望ましく、多層アクリル系重合体ラテック
スが適用できる。例えば、特公昭62−19309号公
報、特公昭63−20459号公報、特開昭63−77
963号公報などに記載されたアクリル系重合体が好適
なものとして挙げられる。例えば、多層アクリル系重合
体として、軟質重合体からなる内層(アクリル系ゴム状
弾性体からなる重合体層)と、硬質重合体からなる外層
(メタクリル系硬質重合体層)とからなる2層構成、最
内層が硬質重合体層、中間層が軟質重合体層、最外層が
硬質重合体層の3層構成、第1層が軟質重合体層、第2
層が硬質重合体層、第3層が軟質重合体層、第4層が硬
質重合体層の4層構成のものなどが挙げられる。より具
体的には、アルキルアクリレート及び又はアルキルメタ
クリレート、これと共重合可能な二重結合をもつ単量
体、多官能性単量体、グラフト交叉剤からなる最内層重
合体と、アルキルアクリレート、これと共重合可能な二
重結合をもつ単量体、多官能性単量体、グラフト交叉剤
からなる架橋弾性重合体と、アルキルメタクリレート、
これと共重合可能な二重結合をもつ単量体からなる最外
層重合体と、アルキルアクリレート、アルキルメタクリ
レート、これらと共重合可能な二重結合をもつ単量体、
多官能性単量体、グラフト交叉剤からなる中間層重合体
とからなる多層構造重合体が挙げられる。原料となるア
クリル系重合体に含まれるゴム状弾性体の含有量は65
重量%以下であることが好ましい。ゴム状弾性体の含有
量が65重量%よりも多いと、樹脂の溶融粘度が高くな
り、圧搾脱水押出機の負荷が大きくなり好ましくない。
また、このアクリル系重合体に、必要に応じて、メタク
リル系重合体、及び又は、リン系化合物、ヒンダードフ
ェノール系化合物及びヒンダードアミン系化合物などの
有機系安定剤を混合させたものを用いてもよい。
【0008】本発明においては、この乳化重合で得られ
たアクリル系重合体の含水重合体を圧搾しながら、生じ
る液体および気化物を排出して脱水し、さらに加熱溶融
後に押し出して切断してペレット化し、この得られたペ
レットを用いてフィルム状に成形する。そのようなペレ
ット化法においては、例えば、原料供給口の形成された
シリンダと、該シリンダに設けられ、原料供給口から供
給されたアクリル系重合体の含水重合体を圧搾する圧搾
機構と、シリンダ内の液体及び又は気体を排出する排出
部と、アクリル系重合体を加熱溶融する加熱部と、加熱
溶融されたアクリル系重合体が押し出されるダイスと、
該押し出されたアクリル系重合体を切断するカッティン
グ機構とを備えたペレット化装置を利用することが望ま
しい。
【0009】そのようなペレット化装置としては、例え
ば図1に示す圧搾脱水押出機10と、図示略のカッティ
ング機構とを備えたものが好適である。図示例の圧搾脱
水押出機10でのシリンダ12には、その一端近傍に、
原料供給口14が形成されている。この原料供給口14
には、ホッパー15が取り付けられ、ホッパー15の上
方には図示しない原料投入装置が配設されている。シリ
ンダ12の他端にはこのシリンダ12内で処理されたア
クリル系樹脂が押し出されるダイス16が設けられてい
る。図示例のシリンダ12は10個のバレルブロック1
8,20,22,24,26,28,30,32,3
4,36から構成されている。
【0010】このシリンダ12には、原料供給口14か
ら供給されたアクリル系樹脂を圧搾する圧搾機構が設け
られている。圧搾機構は、アクリル系樹脂に剪断力を加
える種々のスクリュと、そのスクリュを駆動する駆動部
から概略構成される。スクリュとしては、特に限定され
るものではなく、例えば、多種のスクリュ構成および長
さをもつスクリュブロック及びニーディングディスクを
適宜組合わせて構成することができる。例えば、図2に
示すスクリュ38を用いることができる。図示例のスク
リュ38は、捩れ方向が右回りのスクリュブロック39
〜56、捩れ方向が左回りのスクリュブロック57〜6
0、捩れ方向が右回りのニーディングディスクブロック
61〜65からなる。スクリュブロック39の先端に
は、スクリュ38の長さを調整する為のOリング71が
取り付けられている。このスクリュ38の基端は変速機
能を備える駆動部に連結されている。本例では、このス
クリュを2本用いて、軸芯を平行にして互いに噛み合っ
た状態とした二軸押出機としている。このスクリュ38
がシリンダ12内に配備されることにより、バレルブロ
ック24からバレルブロック26の前部と、バレルブロ
ック28の後部と、バレルブロック30の後部からバレ
ルブロック32とが、それぞれニーディングディスク6
1,62,63,64,65及び逆スクリュブロック5
7,57,59,60が位置する圧搾部67,69,7
1となる。
【0011】本発明における圧搾脱水押出機10におい
ては、シリンダ12内のアクリル系重合体を加熱、溶融
する加熱部が設けられる。加熱部はシリンダ12に種々
のヒータを設けることによりなされ、この例では、バレ
ルブロック32,36に設けられる。加熱部ではシリン
ダ内のアクリル系樹脂を常温から400℃までの温度域
に滞留、保持する。加熱温度としては220〜300℃
が好ましく、240〜280℃であればより好ましい。
220℃未満では、得られるペレットの混練効果が小さ
く、成膜性が悪くなりやすく、300℃を超えると、重
合体の一部が熱分解し、機械的物性や色調などの品質が
低下する傾向にある。加熱部は圧搾脱水押出機10の比
較的下流側に設けられ、圧搾部及び脱液部により大部分
の水分が除去された後のアクリル系樹脂を加熱できる位
置、即ち、圧搾部よりも下流側に設けることが好まし
い。
【0012】また、本発明における圧搾脱水押出機10
においては、シリンダ12内の液体及び又は気体を外部
に排出する排出部が設けられている。そのような排出部
として、図示例の圧搾脱水押出機10では、液体及び気
体のみを排出するスリットが形成されることにより構成
される脱液部66,68,70と、気体を排気する脱気
部72,74が設けられている。脱液部は圧搾部の上流
近傍に設けることが好ましく、脱気部は加熱部に設ける
ことが好ましい。これらの排出部が設けられていること
により、シリンダ12内で、アクリル系重合体から圧搾
されることにより生じる水分などの液体は脱液部66,
68,70から排出され、また、加熱されることにより
生じる気化物、例えばアクリル樹脂中の残存水分や残存
モノマーなどの気体は脱気部72,74から排気され、
脱水、乾燥が促進される。このような脱液部や脱気部か
らなる排出部に、コンプレッサ等を用いて強制的に排
水、排気させることにより、排出効率をより高めること
ができる。図示例の圧搾脱水押出機10では、適所に、
シリンダ12内のアクリル系樹脂の温度を測定する測温
計76,77,78が配備されている。
【0013】さらに、ダイス16には、図示略のカッテ
ィング機構が付設されており、ダイスから押し出される
アクリル系樹脂からなるストランドを適当な大きさに切
断し、所定状のペレットとする。カッティング機構とし
ては、押し出されたストランドをホットカット装置によ
り直ちに切断するか、あるいは、冷却槽で冷却してカッ
ターで切断する等の機構を採用できる。
【0014】このペレット化装置にてアクリル系樹脂の
ペレットを製造するには、まず、原料である乳化重合に
より凝固後に脱水して得られたアクリル系重合体の含水
重合体、または場合によっては、これと共にメタクリル
系重合体及び又は有機系安定剤を圧搾脱水押出機10の
原料供給口14からシリンダ12内に供給する。供給さ
れたアクリル系樹脂は、スクリュ38の回転により他端
側に送給されると共に、圧搾部67,69,71にて圧
搾されつつ水分が脱液部66,68,70から排水され
脱水される。そして、その大部分の液体が脱水された後
のアクリル系樹脂は、加熱部にて加熱溶融され、ダイス
16から押し出される。また、この際、加熱されること
により生じる気化物は脱気部72,74から排気され
る。ダイス16から押し出されたアクリル系樹脂は、カ
ッティング機構にて切断されてペレットとなる。
【0015】この方法によるペレット化であると、従来
既知の圧搾脱水押出機に比して格段に脱水効率が高いの
で、硬質なアクリル系重合体にも適用することができ、
多大な熱量を要することもなく、生産性にも優れてい
る。しかも、製造過程において、乳化重合体が粉体とし
て取り出されることがないので、工程が少なく、ランニ
ングコストが小さく、また、工程中の重合体のロスも少
ない。また、異物の混入のおそれもない。
【0016】得られたペレット化したアクリル系重合体
は押出機を用いた溶融押出法によりフィルム状に成形さ
れる。溶融押出法としては、Tダイ法あるいはインフレ
ーション法があり、いずれを用いてもよいが、製造安定
性の面から、Tダイ法が好ましい。フィルム状に成形す
る際には、必要に応じて、紫外線吸収剤、熱安定剤、光
安定剤、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、艶消し剤、染
料、顔料等の添加剤を添加することができる。これらの
添加剤をアクリル系重合体に混合する際には、インライ
ン化された自動計量混合装置を用いるのが好ましい。こ
れらの混合をオフラインで行なった場合、人手によるコ
ストがかかるだけでなく、安定して連続生産する為には
アクリル系重合体をストックするためのバッファータン
クが必要になり、スペース的にも不利である。また、ア
クリル系重合体は吸湿性があり、水分が高いとフィルム
製造時に発泡やダイラインなどの欠陥の原因となる為、
予め乾燥しておく必要がある。
【0017】
【実施例】(1)多層アクリル系重合体ラテックスの製
造 冷却管付き重合容器内に、イオン交換水を250重量
部、スルフォコハク酸のエステルソーダ塩を2重量部、
ソジウムフォルムアルデヒドスルホキシレートを0.2
重量部、FeSO4を0.0005重量部、EDTAを
0.002重量部を仕込み、窒素下で十分に攪拌後、最
内層重合体として下記表1に示す組成割合の混合物を系
内に投入した。
【0018】
【表1】
【0019】70℃に昇温後、60分間保持した後、予
め、窒素置換しておいた下記表2に示す組成割合の混合
物を60分間かけて滴下し、架橋弾性重合体を形成し
た。
【表2】 続いて、予め窒素置換しておいた下記表3に示す組成割
合の混合物3を系中に投入し、中間層の形成を行なっ
た。
【0020】
【表3】
【0021】最後に、予め窒素置換しておいた下記表4
に示す組成割合の混合物4を系中に投入し、最外層ない
しマトリクス重合体の形成を行ない、重合を完了した。
【表4】 こうして、マトリクス重合体中に、最内層重合体層、架
橋弾性重合体層、中間層、最外層の4層体が分散した構
成の多層アクリル系重合体ラテックスを製造した。
【0022】(2)アクリル系含水重合体の調製 ステンレス製容器に回収剤として1.4重量%酢酸カル
シウム水溶液を仕込み、混合攪拌下90℃に昇温して上
記調製したラテックスを連続的に添加し、30分間保持
した。室温まで冷却した後、ポリマーを脱イオン水で洗
浄しながら遠心脱水機で濾別して、含水率が40重量%
である白色の湿潤状のアクリル系含水重合体を製造し
た。尚、含水率(Wc)は、アクリル系含水重合体5g
を180℃で1時間熱風乾燥して、乾燥重量(WD)を
測定し、次式により求めた。 Wc={(5−WD)/WD}×100
【0023】(3)アクリル系樹脂ペレットの調製 次に、この湿潤状のアクリル系含水重合体を用いて、上
述した図1,2に示した圧搾脱水押出機を利用して、ペ
レット状のアクリル系樹脂を製造した。圧搾脱水押出機
は、圧搾脱水押出機(東芝機械(株)製「TEM-35B」二
軸型方式)を利用したもので、その諸条件は次の通りで
ある。 原料供給量:16.7kg/hr バレル口径:35mm 脱液部のスリット間隙:0.2mm 脱気部の圧力:脱気部72;常圧 脱気部74;常圧 シリンダ設定温度:バレルブロック18;常温 バレルブロック20;常温 バレルブロック22;100℃ バレルブロック24;130℃ バレルブロック28;150℃ バレルブロック32;230 バレルブロック34;230℃ バレルブロック36;230℃ ダイス温度:230℃ 樹脂温度:測温計76;110℃ 測温計77;210℃ 測温計78;255℃ スクリュ長:1244mm スクリュ回転数:50〜400rpm
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】(4)アクリルフィルムの製造 得られたペレットを乾燥後、Tダイ付きφ40押出機
(シリンダ設定温度:220℃、Tダイ設定温度:23
0℃)に供給し、混練してTダイより押し出し、厚さ5
0μmのアクリルフィルムを得た。
【0027】[比較例]上記調製したアクリル系含水重
合体を流動乾燥した後、得られた粉体を二軸押出機を用
いて240℃で押し出し、ペレット化した。得られたペ
レットを乾燥後、上記実施例と同様の条件で成膜し、厚
さ50μmのアクリルフィルムを得た。
【0028】[試験例]上記得られた実施例および比較
例の各アクリルフィルムについて、全透(全光線透過
率)、曇価、引張破断伸度を測定した。測定結果を表7
に示した。全光線透過率は、ASTM−D−1003に
準拠して測定した。曇価は、ASTM−D−1003に
準拠して測定した。引張破断伸度は、厚さ50μmの各
フィルムについて、幅1.5cm、測定長5cmの測定
サンプルを用意し、引張強度試験機(「STROGRAPH-T」
(株)東洋精機製)にて測定した。
【0029】
【表7】
【0030】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、樹脂汚染が
なく、高品質なアクリルフィルムを製造できる上、その
方法は、工程が少なく簡易であり、ランニングコストが
小さく、製造ロスが少なく、作業性に優れ、低コストで
ある。このアクリルフィルムの製造方法は、本発明のア
クリル系樹脂のペレット化方法により容易になされ、こ
のペレット化方法は本発明のペレット化装置により容易
に実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 圧搾脱水押出機の一例を示す側面図である。
【図2】 スクリュの構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 圧搾脱水押出機 12 シリンダ 14 原料供給口 16 ダイス 38 スクリュ 66 脱液部 67 圧搾部 68 脱液部 69 圧搾部 70 脱液部 71 圧搾部 72 脱気部 74 脱気部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 和明 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合で得られたアクリル系重合体の
    含水重合体を圧搾しながら、生じる液体および気化物を
    排出して脱水し、さらに加熱溶融後に押し出して切断す
    ることを特徴とするアクリル系樹脂のペレット化方法。
  2. 【請求項2】 原料供給口の形成されたシリンダと、該
    シリンダに設けられ、原料供給口から供給されたアクリ
    ル系重合体の含水重合体を圧搾する圧搾機構と、シリン
    ダ内の液体及び又は気体を排出する排出部と、アクリル
    系重合体を加熱溶融する加熱部と、加熱溶融されたアク
    リル系重合体が押し出されるダイスと、該押し出された
    アクリル系重合体を切断するカッティング機構とを有し
    ていることを特徴とするアクリル系樹脂のペレット化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記排出部は、脱液部と脱気部とからな
    り、該脱液部は、シリンダ内に供給されたアクリル系重
    合体の含水重合体が圧搾される圧搾部よりも上流側に位
    置し、脱気部は圧搾部よりも下流側に位置していること
    を特徴とする請求項2記載のアクリル系樹脂のペレット
    化装置。
  4. 【請求項4】 乳化重合で得られたアクリル系重合体の
    含水重合体を圧搾しながら、生じる液体および気化物を
    排出して脱水し、さらに加熱溶融後に押し出して切断し
    てペレットとし、これを押出機で溶融し、押し出してフ
    ィルム状に成形することを特徴とするアクリルフィルム
    の製造方法。
JP10028828A 1998-02-10 1998-02-10 アクリル系樹脂のペレット化方法、アクリル系樹脂のペレット化装置およびアクリルフィルムの製造方法 Withdrawn JPH11226945A (ja)

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JP2011235655A (ja) * 2007-08-21 2011-11-24 Nippon Shokubai Co Ltd アクリル系樹脂ペレットの貯蔵方法
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