JPH11224672A - 非水電解質二次電池およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池およびその製造方法

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JPH11224672A
JPH11224672A JP10027360A JP2736098A JPH11224672A JP H11224672 A JPH11224672 A JP H11224672A JP 10027360 A JP10027360 A JP 10027360A JP 2736098 A JP2736098 A JP 2736098A JP H11224672 A JPH11224672 A JP H11224672A
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resin
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secondary battery
electrolyte secondary
acid
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JP10027360A
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Shiro Hamamoto
史朗 濱本
Keiichi Uno
敬一 宇野
Tadashi Inukai
忠司 犬飼
Tomoharu Kurita
智晴 栗田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル特性の向上した非水電解質二次電池
を提供する。 【解決手段】 電極活物質担体をバインダー成分を用い
て成形した電極層を備える非水電解質二次電池であっ
て、該バインダー成分が反応性官能基を有する樹脂およ
び該樹脂の官能基と反応する官能基を有する多官能イソ
シアネートとを反応させてなる樹脂組成物からなること
を特徴とする非水電解質二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充放電特性に優れ
た非水電解質二次電池に関する。さらに詳しくは、電極
活物質担体をバインダー成分を用いて成形した電極層を
備える非水電解質二次電池であって、特にバインダー成
分に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯用電子機器の高性能化、小型
化、軽量化の進展や、電気自動車の実用化に向けた研究
開発の進展に伴って高エネルギー密度二次電池に対する
要求が強まっている。従来から、広く使用されてきた二
次電池としては、ニッケル・カドミウム電池や鉛電池等
が挙げられるが、これらの電池は体積あたりあるいは重
量あたりの放電容量が小さく、放電電圧も低いため、高
エネルギー密度電池の要求に十分には応えることができ
なかった。
【0003】最近、これらの要求を満たす電池システム
として、金属リチウムまたはリチウムイオンを吸蔵放出
可能な物質を負極とする非水電解質二次電池が注目さ
れ、盛んに研究が行われている。しかし、金属リチウム
を負極とする非水電解質二次電池の場合、金属リチウム
の溶解、析出時のデンドライトの生成や、析出リチウム
の微細化のために、内部短絡や電極の活性の低下などが
生じ、十分なサイクル特性が得られないという問題があ
る。
【0004】電極活物質担体として、リチウムイオンを
吸蔵放出可能な物質、例えば炭素質材料を負極に用いた
リチウムイオン非水電解質二次電池は、金属リチウム負
極を使用した場合に近い高い放電電圧が得られ、かつ充
放電サイクルが進行しても、金属リチウム負極のように
デンドライトの生成や析出リチウムの微細化などがな
く、内部短絡を起こしにくく、サイクル特性の低下が少
ない優れた電池性能を示す。
【0005】このような非水電解質二次電池の負極は電
極活物質担体の粉末とバインダー樹脂とを溶剤に均一に
分散させてペースト状にし、これを金属箔上に塗布し乾
燥・圧着することにより作成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような非水電解質二次電池では、電極活物質担体と金属
箔との密着力が小さく、充放電を繰り返すうちに剥離が
生じ、サイクル特性が十分とはいえず、さらなる改善が
求められている。
【0007】本発明は、上記のような課題を解決しよう
とするものであり、電極活物質担体をバインダー成分を
用いて成形した電極層を備える非水電解質二次電池のサ
イクル特性を向上させることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者が鋭意研究を行った結果、バインダー成分
に反応性官能基を有する樹脂および該樹脂の官能基と反
応する多官能イソシアネートとを反応させてなる樹脂組
成物を用いることが有用であることを見出し、本発明に
到達した。
【0009】すなわち、本発明は以下のような構成から
成る。 (1)電極活物質担体にバインダー成分を用いて成形し
た電極層を備える非水電解質二次電池であって、該バイ
ンダー成分が反応性官能基を有する樹脂および該樹脂の
官能基と反応する多官能イソシアネートとを反応させて
なる樹脂組成物からなることを特徴とする非水電解質二
次電池 (2)反応性官能基を有する樹脂がポリアミドイミド樹
脂である(1)記載の非水電解質二次電池 (3)反応性官能基を有する樹脂に対する多官能イソシ
アネートの含有量が0.1〜50重量%である(1)ま
たは(2)に記載の非水電解質二次電池 (4)電極活物質担体およびバインダー成分がN−メチ
ル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキ
サノン、キシレンからなる群より選ばれた少なくとも1
種を含む溶剤に混合、分散されて得たペーストを金属箔
に塗布、乾燥して電極層を形成することを特徴とする
(1)〜(3)のいずれかに記載の非水電解質二次電池
の製造方法
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の非水電解質二次電池においては、反応性官能基
を有する樹脂に多官能イソシアネートを反応させてなる
樹脂組成物をバインダー樹脂として使用することによ
り、電極活物質担体同士あるいは電極活物質担体と集電
体である金属箔との密着性を向上させる。これにより、
非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させることが
できる。
【0011】本発明において、電極活物質担体とは、リ
チウムイオンを吸蔵・放出可能な物質をいうものであ
る。また、バインダー成分とは、電極層を形成するため
の結着剤をいうものである。
【0012】本発明における非水電解質二次電池は、バ
インダー成分は反応性官能基を有する樹脂と該樹脂の官
能基と反応する多官能イソシアネートとを反応させてな
る樹脂組成物からなることを特徴とする。ここで、樹脂
の反応性官能基としてはイソシアネート基と互いに結合
を形成できるものであれば特に制限されないが、例えば
カルボキシル基、無水ジカルボン酸、アミノ基、ヒドロ
キシル基などが挙げられる。
【0013】上記のような反応性官能基を有する樹脂は
多官能イソシアネートと反応して結合を形成することが
できる。このように多官能イソシアネートが反応した樹
脂組成物をバインダー樹脂として使用することにより、
電極活物質担体同士あるいは電極活物質担体と集電体で
ある金属箔との密着性が向上し、繰り返しの充放電にお
いても電極層の劣化や電極活物質担体の集電体からの剥
離が抑制される。これにより非水電解質二次電池のサイ
クル特性を改善することができる。
【0014】反応性官能基を有しない樹脂、あるいは反
応性の低い官能基を有する樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、ニトリ
ルブタジエンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
フッ化ビニリデン等を用いた場合、樹脂と多官能イソシ
アネートとの間の相互作用が小さく、サイクル特性向上
の効果が十分ではない。
【0015】反応性官能基を有する樹脂としてはポリア
ミドイミド樹脂が特に好ましい。ポリアミドイミド樹脂
は、耐電解液性、耐熱性に優れ、非水電解質二次電池用
電極材のバインダー樹脂として優れた特性を有してい
る。ポリアミドイミド樹脂は、酸成分としてのトリカル
ボン酸と、アミン成分としてのジアミンまたはジイソシ
アネートから合成される。
【0016】上記ポリアミドイミド樹脂の合成に用いら
れる酸成分のトリカルボン酸としては、例えばトリメリ
ット酸、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタ
レン−1,2,4−トリカルボン酸等が挙げられ、通
常、これらの無水物、酸塩化物等として用いられる。好
ましくは無水トリメリット酸である。
【0017】上記トリカルボン酸の一部を、下記に示す
ようなジカルボン酸、多価カルボン酸および、それらの
無水物や酸塩化物に置き換えることができる。
【0018】ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
【0019】また、脂肪族ジカルボン酸としては、例え
ばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデ
カン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸およびこれらの酸塩化物等が挙げら
る。好ましくはアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸
である。
【0020】芳香族ジカルボン酸としては、例えばイソ
フタル酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカル
ボン酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−4,4’−
ジカルボン酸、ジフェニルメタン−2,4−ジカルボン
酸、ジフェニルメタン−3,4−ジカルボン酸、ジフェ
ニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、1,2−ジフェ
ニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタ
ン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,4
−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジカル
ボン酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロ
パン、2−(2−カルボキシフェニル)−2−(4−カ
ルボキシフェニル)プロパン、2−(3−カルボキシフ
ェニル)−2−(4−カルボキシフェニル)プロパン、
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテル−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルエー
テル−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−
3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,
4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,4−ジ
カルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4−ジカルボン
酸、ジフェニルスルホン−3,3’−ジカルボン酸、ベ
ンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノ
ン−3,3’−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4
−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン
酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ビス〔(4−カルボキシ)フタルイミド〕−
4,4’−ジフェニルエーテル、ビス〔(4−カルボキ
シ)フタルイミド〕−α,α’−メタキシレン等、およ
びこれらの酸塩化物等が挙げられる。好ましくは、イソ
フタル酸、テレフタル酸である。
【0021】多価カルボン酸としては、例えばブタン−
1,2,3,4−テトラカルボン酸、ピロメリット酸、
ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン
酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラ
カルボン酸、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラ
カルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカル
ボン酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン
酸、ナフタレン−1,2,5,8−テトラカルボン酸等
が挙げらる。また、これらの無水物、塩化物等も挙げら
れる。好ましくはピロメリット酸である。
【0022】これらの酸成分は一種でも二種以上の混合
物としても、本発明におけるバインダー樹脂としての特
性を損なわない範囲で前記カルボン酸と共に用いること
ができる。
【0023】一方、アミン成分としてはジアミンおよび
ジイソシアネートが挙げられるが、特に制限されない。
【0024】ジアミンとしては、例えばm−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジ
アミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ナフタレン
ジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフ
タレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2
−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフ
ェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−
ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェ
ニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−
ジアミノベンゾフェノン、イソプロピリデンジアニリ
ン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルス
ルフィド等の芳香族ジアミン;メチレンジアミン、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサフルオロメチ
レンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミ
ン等の脂肪族ジアミン;イソホロンジアミン、4,4’
−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環族ジアミン
等が挙げられる。
【0025】また、ジイソシアネートとしては、上記の
ジアミンのアミノ基を−N=C=O基で置き換えたもの
などが挙げられる。これらの中では、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジアミン、またはこれらのジイ
ソシアネートが、反応性、溶解性、コスト等の点から好
ましい。
【0026】上記酸成分およびアミン成分は、通常、等
モル混合してポリアミドイミド樹脂の合成に用いられる
が、必要に応じて一方の成分を多少増減させることもで
きる。
【0027】本発明において、ポリアミドイミド樹脂
は、上記酸成分と上記アミン成分とから合成され、合成
方法としては特に限定されないが、例えば溶融重合法、
溶液重合法等が挙げられる。
【0028】本発明において、ポリアミドイミド樹脂に
は必要に応じて種々の添加成分を加えてもよい。添加成
分としては例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド、アクリル、NBR、SBR、PVDF等の合成樹
脂界面活性剤、可塑剤等が挙げられる。これら添加成分
は、上記ポリアミドイミド樹脂合成時に上記酸成分およ
び/または上記アミン成分の一部を置き換え、共重合に
供してもよいし、あるいは合成した上記ポリアミドイミ
ド樹脂に混合することにより添加してもよい。
【0029】多官能イソシアネートとしては、2官能イ
ソシアネート、3官能イソシアネートおよび、これらイ
ソシアネートのブロック体などが挙げられるが、上記の
反応性官能基と結合を形成できるものであれば特に制限
されない。
【0030】上記2官能イソシアネートとしては、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、オルソトリジンジイソシアネート、m−キシレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0031】また、上記3官能イソシアネートとして
は、トリメチロールプロパンと2,4−トリレンジイソ
シアネートとのアダクト体、トリメチロールプロパンと
ヘキサメチレンジイソシアネートとのアダクト体、トリ
メチロールプロパンとイソホロンジイソシアネートとの
アダクト体、ジフェニルメタンジイソシアネートの初期
縮合物、ヘキサメチレンジイソシアネートの環状3量体
などが挙げられる。
【0032】本発明において、反応性官能基を有する樹
脂に対する多官能イソシアネートの含有量は、好ましく
は0.1〜50重量%の範囲であり、さらに好ましくは
0.5〜25重量%の範囲である。多官能イソシアネー
トの含有量が0.1重量%より少ないと、多官能イソシ
アネート添加の効果によるサイクル特性向上の効果が小
さく好ましくない。また、多官能イソシアネートの含有
量が50重量%より多いと、バインダー樹脂による電極
層の密着力が小さく好ましくない。
【0033】本発明の電極層は、上記バインダー成分
(未反応および/または反応状態)と粒状の電極活物質
担体とを溶剤に混合、分散させたペースト状の合剤を金
属箔に塗布、乾燥して形成される。
【0034】上記合剤に使用する溶剤としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シクロヘ
キサノン、キシレンのうちの少なくとも1種を含むこと
が好ましい。特に好ましくは、溶解性の点から、N−メ
チル−2−ピロリドンである。
【0035】本発明の電極層およびその製造方法は、非
水電解質二次電池の負極、および正極のいずれか、また
は双方に適用可能である。電極活物質担体としては負極
材料、正極材料として知られる種々の材料が使用可能で
あり、その種類は特に限定されないが、例えば炭素質材
料、リチウム、リチウム−アルミニウム合金、スズ酸化
物、二酸化チタン、五酸化バナジウム、コバルト酸リチ
ウム、ニッケル酸リチウム、過マンガン酸リチウム等の
遷移金属リチウム複合酸化物、導電性高分子、ジスルフ
ィド化合物などが挙げられる。負極材料として好ましく
は炭素質材料である。正極材料として好ましくは遷移金
属リチウム複合酸化物である。
【0036】負極材料として炭素質材料を使用する場合
には、炭素質材料としては、2000℃以下の比較的低
い温度で焼成して得られる低結晶性炭素材料や、結晶化
しやすい原料を3000℃近くの高温で処理した高結晶
性炭素材料を好ましく使用することができる。例えば、
熱分解炭素類、コークス類、メソフェーズピッチ系炭素
類、人造黒鉛類、天然黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高
分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭などを使用するこ
とができる。なかでも、(002)面の面間隔が3.7
0オングストローム以上、真比重が1.70g/cc未
満、且つ空気気流中における示差熱分析で700℃以上
にピークを持たない低結晶性炭素材料や、負極合剤充填
性の高い真比重が2.10g/cc以上の高結晶性炭素
材料を好ましく使用することができる。
【0037】また、炭素質材料の平均粒径は公知の値で
よいが、好ましくは5〜100μm程度、より好ましく
は10〜50μmの範囲である。
【0038】本発明の電極合剤層中のバインダー成分と
電極活物質担体との重量比は、好ましくは3:97〜2
0:80、より好ましくは5:95〜10:90であ
る。電極活物質担体の含有量が上記範囲より多いと、電
極合剤層にクラックが発生したり、金属箔等の集電体か
ら電極合剤層が剥離し易くなる傾向がある。また、炭素
質材料の含有量が上記範囲より少ないと、電池としたと
きの充放電サイクル特性が低下しやすくなる傾向があ
る。
【0039】本発明の非水電解質二次電池において使用
する非水電解液の非水溶媒としては、従来種々の非水電
解質二次電池において使用されている非水溶媒を好まし
く使用することができる。例えば、リチウムイオン非水
電解質二次電池の場合には、高誘電率溶媒である炭酸プ
ロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、γ−ブチロラ
クトン等や、低粘度溶媒である1,2−ジメトキシエタ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、炭酸ジメチル、炭
酸メチルエチル、炭酸ジエチル等を使用することができ
る。
【0040】以上のような非水溶媒に溶解させて非水電
解液を調製する際に使用する電解質としては、一般に伝
導イオン種により異なるが、伝導イオン種がリチウムイ
オンである場合には、LiClO4 、LiAsF6 、L
iPF6 、LiBF4 、LiCl、LiBr、CH3
3 Li、CF3 SO3 Li等を好ましく使用すること
ができる。これらは単独でも2種類以上を混合して用い
ることができる。
【0041】本発明の非水電解質二次電池のセパレー
タ、電池缶、PTC素子などの他の構成については、従
来のリチウムイオン非水電解質二次電池などと同様とす
ることができる。
【0042】本発明の非水電解質二次電池の電池形状に
ついては、特に限定されず、必要に応じて円筒型形状、
角形形状、コイン型形状、ボタン型形状等の種々の形状
とすることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の非水電解質二次電池を実施例
により具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例
によって制限されるものではない。
【0044】(実施例1) (1)バインダー樹脂の合成 反応容器に無水トリメリット酸96g、セバシン酸10
1g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナ
ート265g、フッ化カリウム1gをN−メチル−2−
ピロリドン900gと共に仕込み、200℃に昇温して
5時間反応させた後、冷却しながらさらにN−メチル−
2−ピロリドン950gを加えて、固形分濃度が20重
量%のポリアミドイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶液
の固形分98.75重量部に対して1.25重量部の
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを多官能
イソシアネートとして添加し、80℃に昇温して1時間
反応させて、バインダー樹脂溶液を得た。
【0045】(2)炭素質材料の調製 メソフェーズピッチ小球体を不活性ガス中1200℃で
焼成したものをさらに分級し、粒径1〜30μmの範囲
とすることにより炭素質材料を得た。
【0046】(3)電極の作成 (2)で調製した炭素質材料93重量部および(1)で
合成したバインダー樹脂35重量部(固形分で7重量
部)を混合して、N−メチル−2−ピロリドンで固形分
濃度が50重量%となるように希釈して分散、混練りし
てペースト状合剤を調製した。得られたペースト状合剤
を、厚さ10μmの銅箔の一方の面に乾燥膜厚が250
μmとなるように塗布、乾燥した後、200℃の熱ロー
ルプレスでプレスし、銅箔を含む厚さが125μmであ
る電極を作成した。
【0047】(比較例1)多官能イソシアネートを反応
させない以外は実施例1と同様にして電極を作成した。
【0048】<電池の作成>このようにして作成した実
施例1及び比較例1の電極を0.8cm2 の面積に切り
出し、厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンフィルムを
介してリチウム箔と対面するようにして、ニッケルメッ
キした鉄製の電池缶容器に入れ、炭酸エチレンと炭酸ジ
メチルの等容量混合物にLiClO4 を1モル/リット
ルの割合で溶解した非水電解液を注入し、密封して非水
電解質二次電池を作成した。
【0049】上記実施例1および比較例1で作成した電
極の密着力およびこれら電極を用いて作成した非水電解
質二次電池の電池性能について、以下のようにして評価
を行った。
【0050】<密着力>東洋ボールドウィン社製のテン
シロンを用いて、電極層と銅箔官の180°方向の剥離
強度を測定した。
【0051】<電池の性能評価>実施例1及び比較例1
の電極を用いて作成した非水電解質二次電池について、
電流密度0.5mA/cm2 の定電流で、折り返し電圧
0Vと2Vの間で充放電サイクルテストを行った。この
充放電サイクルテストの2サイクル時の放電容量で、5
サイクル時の放電容量を除した値を容量維持率(%)と
した。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1の結果から、実施例1の電極は、比較
例1の電極に比べ密着力が向上していることが示され
る。また、実施例1の電極を用いて作成した非水電解質
二次電池は、比較例1の電極を用いて作成した非水電解
質二次電池に比べ容量維持率が向上していることが示さ
れる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明の非水電解質二次
電池は、電極活物質担体同士の密着性および電極活物質
担体と集電体である金属箔との密着性が向上し、これに
より、充放電サイクル特性が向上したものとなってい
る。したがって、各種小型機器の電源をはじめとして、
特にサイクル安定性が要求される電力貯蔵用や電気自動
車用の電源として適したものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗田 智晴 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極活物質担体にバインダー成分を用い
    て成形した電極層を備える非水電解質二次電池であっ
    て、該バインダー成分が反応性官能基を有する樹脂およ
    び該樹脂の官能基と反応する多官能イソシアネートとを
    反応させてなる樹脂組成物からなることを特徴とする非
    水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 反応性官能基を有する樹脂がポリアミド
    イミド樹脂である請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 反応性官能基を有する樹脂に対する多官
    能イソシアネートの含有量が0.1〜50重量%である
    請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 電極活物質担体およびバインダー成分が
    N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、シ
    クロヘキサノン、キシレンからなる群より選ばれた少な
    くとも1種を含む溶剤に混合、分散されて得たペースト
    を金属箔に塗布、乾燥して電極層を形成することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次
    電池の製造方法。
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