JPH11223043A - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JPH11223043A
JPH11223043A JP3802398A JP3802398A JPH11223043A JP H11223043 A JPH11223043 A JP H11223043A JP 3802398 A JP3802398 A JP 3802398A JP 3802398 A JP3802398 A JP 3802398A JP H11223043 A JPH11223043 A JP H11223043A
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building
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electromagnetic
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Akitoshi Kitamura
明俊 北村
Haruhiko Kawasaki
治彦 川崎
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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高層建築物が各階における地震や風の影響を
受けないようにすることで、全体として地震や風の影響
を受けないようにして、その汎用性の向上を期待し得る
ようにし、特に、超高層建築物に装備するのに最適とな
る。 【解決手段】 多層階の壁スペースに配在されて建築物
における耐震性を向上させるブレース1に接続の伸縮体
2における伸縮の可不可でブレース1の効き不効きを選
択すると共に、伸縮体2の伸縮の可不可をロジック弁4
の作動で制御する制振装置において、ロジック弁4の作
動を制御する制御手段がロジック弁4の背後側に配在さ
れる電磁開閉弁5と、この電磁開閉弁5とロジック弁4
との間に配在される定常状態切換弁6とを有してなり、
この定常状態切換弁6および上記の電磁開閉弁5に対す
る選択された切換作動で伸縮体2の伸縮の可不可を選択
し、ブレースの効き不効きを選択し得るように設定され
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物に装備さ
れる制振装置に関し、特に、高層建築物が地震などの外
力作用の影響を受けないようにする制振装置の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】建築物に装備されて建築物が地震などの
外力作用の影響を受けないようにする制振装置として
は、従来から種々の提案があるが、その中で、たとえ
ば、図4に示すように、地盤B側などに立設されて左右
で一対となる柱P1,P2とこの左右の柱P1,P2間
に配在の梁などの上方の横架材B1および上記の地盤G
側とで形成される壁スペース(符示せず)に配在されて
建築物における耐震性を向上させるブレース1に接続さ
れる伸縮体2が伸縮可能状態あるいは伸縮不能状態のい
ずれかに選択的に制御されることでブレース1の効き不
効きを選択し得るように設定されてなるものがある。
【0003】ちなみに、ブレース1は、図示するところ
では、二本のブレース部材11,12からなるV字形に
設定されていて、適宜の相関間隔を有する各ブレース部
材11,12の上端からなる一端が上方の横架材B1側
に連設されるのに対して、各ブレース部材11,12の
収斂する下端からなる他端が下方の地盤B側に対向する
状態に配在されてなるとしている。
【0004】そして、伸縮体2は、図示するところで
は、シリンダ体21の両端からそれぞれロッド体22が
突出する両ロッド型の油圧シリンダの態様に設定されて
おり、この伸縮体2における一端側を構成するシリンダ
体21が上記の地盤B側に連結されるのに対して、この
伸縮体2における他端側を構成するロッド体22が上記
のブレース1の下端たる収斂する他端に連結されてなる
としている。
【0005】なお、建築物が二層,三層となる場合に
は、地盤Bが梁などの下方の横架材B2に代わるのはも
ちろんである(図1参照)。
【0006】また、この伸縮体2は、たとえば、図5に
示すように、ロッド体22に連設のピストン23がシリ
ンダ体21内を図中で左行するときには、ピストン23
によってシリンダ体21内に区画される一方の油室R1
の油がチェック弁31,ロジック弁4およびチェック弁
32を介して他方の油室R2に流入すると共に、上記と
逆にピストン23がシリンダ体21内を図中で右行する
ときには、同じくピストン23によってシリンダ体21
内に区画される他方の油室R2の油がチェック弁33,
ロジック弁4およびチェック弁34を介して一方の油室
R1に流入するように構成されている。
【0007】なお、上記のチェック弁32,34には、
それぞれ減衰バルブ35,36が並列されており、した
がって、シリンダ体21内をピストン23が摺動すると
き、すなわち、この油圧シリンダの態様に設定の伸縮体
2が伸縮の際にダンパ機能を発揮するように設定されて
いる。
【0008】また、ロジック弁4は、図示しない外部の
コントローラからの指令信号でオン状態たる連通ポジシ
ョンに切り換わる常閉型に設定の電磁開閉弁5が図示す
る遮断ポジションたるオフ状態にあるときに、その作動
が阻止されてこのロジック弁4を介しての上流側の下流
側への連通を阻止し、図示しないが、上記の電磁開閉弁
5が励磁作動されてオン状態にあるときに、その作動が
許容されてこのロジック弁4を介しての上流側の下流側
への連通を許容するように設定されている。
【0009】したがって、上記の伸縮体2にあっては、
電磁開閉弁5の作動を選択する、すなわち、オンオフを
選択することで、この伸縮体2を伸縮可能状態あるいは
伸縮不能状態たるいわゆるロック状態のいずれかに制御
することが可能になる。
【0010】なお、この伸縮体2にあっては、電磁開閉
弁5がオフ状態にあってこの伸縮体2をロック状態にす
るときにも、完全なるロック状態にはならないから、ブ
レース1を完全な不効き状態にするのではなく、減衰バ
ルブ35,36の設定如何でブレース1の不効き状態に
おけるその程度を変化させ得ることになる。
【0011】それゆえ、この伸縮体2を有する従来提案
としての制振装置にあっては、電磁開閉弁5をオフ状態
のままにして伸縮体2のロック状態を維持しておけば、
ブレース1が言わばブレースとして機能して建築物にお
ける剛性を高くしていることになる。
【0012】その結果、たとえば、地震に起因する振動
で地盤B側が上方の横架材B1に対して逆位相となる左
右方向たる横方向に振動するとき、すなわち、図4中に
矢印で示すように、地盤B側が横方向に水平振動すると
きにも、建築物におおける剛性が高められているがゆえ
に建築物が地震の影響を受ける、すなわち、建築物が崩
れたりすることを阻止し得ることになる。
【0013】また、この従来の制振装置にあっては、電
磁開閉弁5をオフ状態からオン状態に切り換える場合に
は、伸縮体2のロック状態が解除されてブレース1がブ
レースとして機能し得ない状態になり、建築物における
剛性を低下させ得ることになる。
【0014】その結果、たとえば、上記の地震に起因す
る地盤B側の振動が極めて小さいときに、この振動エネ
ルギーを建築物自体に吸収させるようにして、建築物が
地震の影響を受ける、すなわち、建築物が揺れることを
阻止し得ることになる。
【0015】また、この従来制振装置では、伸縮体2が
ロック状態に維持されるとしてもブレース1が完全な不
効き状態になるのではなく、ブレース1の不効き状態に
おけるその程度を変化させることが可能になるから、た
とえば、地震の大きさによってブレース1をダンパ機能
たる減衰作用を伴う不効き状態にして建築物に地震エネ
ルギーを吸収させるようにして、建築物への地震による
影響を顕在化させないことも可能になる。
【0016】その結果、上記の制振装置を建築物におけ
る互いに直交することになる壁スペースにそれぞれ装備
することで、また、建築物に作用する地震などの外力の
種類や大きさなどに基づいて常閉型の電磁開閉弁5を開
放作動することで、伸縮体2の伸縮可能状態あるいは伸
縮不能状態を選択してブレース1の効き不効きを選択
し、建築物が地震や風などの外力作用による影響を受け
なようにすることが可能になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来提案としての制振装置にあっては、以下の不具合
があると指摘される可能性がある。
【0018】すなわち、上記の制振装置にあって、伸縮
体2を伸縮可能状態あるいは伸縮不能状態のいずれかに
選択的に制御することでその効き不効きが選択されるブ
レース1は、本来的には、一対の柱P1,P2と上方の
横架材B1および地盤B側あるいは下方の横架材B2と
で構成される壁スペースに配在されて、建築物における
剛性を高めるようにして建築物における耐震性を向上さ
せるために配在されるものである。
【0019】それゆえ、建築物が平屋建や二階建あるい
は三階建の低層である場合には、その壁スペースに配在
されるブレース1は、これがブレースとして機能すると
きに建築物における剛性を高めて建築物における耐震性
を向上させるのに有効であると言い得ることになるが、
建築物が高層になる場合には、特に、近年多く見られる
超高層を含めて高層建築物とされる場合には、上記の制
振装置をそのまま利用することはできない。
【0020】すなわち、特に、超高層建築物の場合に顕
著になるが、高層建築物は、たとえば、地震の際に鞭が
しなうがごとくに建築物全体がいわゆる波打つように揺
れると周知されていて、また、このように波打つように
揺れることで、高層建築物が地震の影響を受けない、す
なわち、高層建築物が地震で崩れたりしないことになる
と周知されている。
【0021】しかりとすれば、地震によって揺れている
高層建築物において、各階の揺れ方は一様ではなく、た
とえば、揺れの向きが反対であったり、揺れのストロー
クが異なったりと、区々になることが容易に想定され
る。
【0022】したがって、このような状況にあるとき
に、上記した制振装置で一義的に対処するとすれば、す
べての階で所期の目的を達成できることにはならず、高
層建築物に地震の影響を与えないようにすることも実現
できなくなると容易に想定される。
【0023】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、高層建築
物が各階における地震や風の影響を受けないようにする
ことで、全体として地震や風の影響を受けないようにし
て、その汎用性の向上を期待し得るようにし、特に、超
高層建築物に装備するのに最適となる制振装置を提供す
ることである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、基本的には、左右に配在の
柱とこの左右の柱間の上下に配在の梁などの横架材とで
形成される壁スペースに配在されて建築物における耐震
性を向上させるブレースに接続される伸縮体を有してな
り、この伸縮体を伸縮不能状態とすることでブレースを
効き状態にしあるいは伸縮可能状態とすることでブレー
スを不効き状態にし得るように設定されてなる制振装置
において、伸縮体が多層階の壁スペースにそれぞれ配在
されると共に、この伸縮体を構成するシリンダ体内に摺
動可能に収装されながらシリンダ体に対して出没可能に
挿通されるロッド体に連設のピストンによってシリンダ
体内に区画される二つの油室がシリンダ体の外部に配在
の油通路およびこの油通路に配在されて開放作動するロ
ジック弁を介して互いに連通可能とされてなり、かつ、
このロジック弁の開放作動を可能にする制御手段がロジ
ック弁の背後側に配在される電磁開閉弁と、この電磁開
閉弁とロジック弁との間に配在の定常状態切換弁とを有
してなり、この定常状態切換弁および上記の電磁開閉弁
に対する選択された切換作動で伸縮体の伸縮可能状態あ
るいは伸縮不能状態にしてブレースの効き状態あるいは
不効き状態にし得るように設定されてなるとする。
【0025】そして、上記の構成において、より具体的
には、電磁開閉弁が方向切換弁からなりながら常閉型あ
るいは常開型のいずれかに設定されると共に、定常状態
切換弁が手動操作などの外力操作で切り換わる方向切換
弁からなるとするのが好ましい。
【0026】それゆえ、この制振装置にあっては、たと
えば、電磁開閉弁が常閉型に設定されていて、いわゆる
遮断ポジションにあってオフ状態にあるときには、定常
状態切換弁がロジック弁側と電磁開閉弁側との連通を許
容する一方のいわゆる連通ポジションにあるとしても、
ロジック弁が開放作動し得ず、伸縮体が伸縮不能状態に
なり、ブレースがブレースとして機能する効き状態にな
る。
【0027】そして、このときに、電磁開閉弁がいわゆ
る連通ポジションになるオン状態に切り換えられると、
定常状態切換弁が一方の連通ポジションのままにあるこ
とから、ロジック弁が開放作動し得ることになり、伸縮
体が伸縮可能状態になって、ブレースがブレースとして
機能し得ない不効き状態になる。
【0028】一方、電磁開閉弁が常開型に設定されてい
て、連通ポジションにあってオン状態にあり、しかも、
定常状態切換弁が上記の一方の連通ポジションのままに
あるときには、ロジック弁が開放作動することで伸縮体
が伸縮可能状態になり、ブレースが不効き状態になる。
【0029】そして、このときに、電磁開閉弁が遮断ポ
ジションになるオフ状態に切り換えられると、定常状態
切換弁が一方の連通ポジションにあるとしても、ロジッ
ク弁が開放作動し得なくなり、伸縮体が伸縮不能状態に
なって、ブレースが効き状態になる。
【0030】そしてまた、上記のブレース効き状態およ
び不効き状態は、定常状態切換弁が手動操作などの外力
操作で切り換えられると、それぞれが反対の状態に切り
換わることになる。
【0031】ちなみに、ブレースが効き状態にある場合
には、建築物における剛性が高くなって建築物が地震の
影響を受け得なくなり、また、ブレースが不効き状態に
ある場合には、建築物における剛性が低くなり、たとえ
ば、建築物に振動エネルギーを吸収させて、建築物にお
ける振動の影響を顕在化させないようにすることが可能
になる。
【0032】したがって、上記の制振装置が建築物にお
ける互いに直交することになる多層階の壁スペースにそ
れぞれ装備されることで、また、建築物に作用する振動
の種類や大きさなどに基づいて電磁開閉弁を切換作動す
ることで、さらには、定常状態切換弁を外力操作で切換
作動することで、各壁スペースに配在の伸縮体の伸縮の
可不可を任意に選択し得ることになり、これによってブ
レースの効き不効きが選択されて、建築物が地震などに
起因する振動の影響を受けないようにすることが可能に
なる。
【0033】その結果、たとえば、超高層の場合を含む
高層建築物において、あらかじめのシュミレーションで
高層建築物が地震や風でどのような揺れ方をするかを判
別した結果に基づくなどして、多層階となる壁スペース
における各ブレースをブレースとして機能する状態とし
得ない状態とに適宜に選択するようにセットすること
で、地震の際に鞭がしなうがごとくに高層建築物全体が
いわゆる波打つように揺れることが許容されることにな
り、高層建築物が地震の影響を受けない、すなわち、高
層建築物が地震で崩れたりしないようにし得ることにな
る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、図示したところに基づい
て、この発明を説明するが、この発明による制振装置に
あっても、いわゆる外観的には、前記した従来例として
の制振装置と同様に構成されている。
【0035】それゆえ、この発明による制振装置にあっ
て、その構成が従来例と同一となるところについては、
図中に同一の符号を付するのみとして、必要な場合を除
き、その詳しい説明を省略し、以下には、この発明にお
いて特徴となるところを中心に説明する。
【0036】ちなみに、この発明による制振装置は、建
築物が超高層を含む場合の高層建築物に利用されるとし
ていることから、左右に配在の柱P1,P2間の上下に
複数配在される梁などの横架材B1,B2の内、最下階
における横架材B2は、地盤B側とされるが、基本的な
内容を変更させるものではない。
【0037】また、ブレース1は、この実施の形態で
は、二本のブレース部材11,12からなるV字形に設
定されてなるとするが、伸縮体2を介在させながら結果
として所期の目的を達成するものであれば、自由な構成
とされても良い。
【0038】また、伸縮体2は、伸縮時にダンパ機能を
発揮するように構成されていれば良く、図示するところ
では、シリンダ体21の両端からそれぞれロッド体22
が突出する両ロッド型のダンパの態様に設定されている
が、これに代えて、前記した従来例のように、チェック
弁32,34に並列する減衰バルブ35,36を有する
ことを条件に両ロッド型の油圧シリンダの態様に設定さ
れるとしても良い。
【0039】そして、伸縮体2がダンパの態様に構成さ
れる場合に、図示する実施の形態では、図2に示すよう
に、シリンダ体21内の二つの油室R1,R2を上記の
減衰バルブ35,36を介して連通可能にする一方で、
シリンダ体21内に収装のピストン23に最高リリーフ
圧を設定するリリーフバルブ24,25を配在してなる
としている。
【0040】このように、伸縮体2が、減衰バルブ3
5,36の他にリリーフバルブ24,25を有するよう
に設定される場合には、基本的には伸縮体2がロック状
態に維持される場合であっても、この伸縮体2に作用す
る外力の大きさでこの伸縮体2が減衰力発生を伴いなが
ら伸縮可能な状態になり、たとえば、ブレース1におけ
る剛性を維持することで招来されることことがある弊害
の発生を回避できることになる。
【0041】その結果、たとえば、建築物が地震に起因
する振動の影響を受ける状況になるときに、ブレース1
を完全なる効き状態に維持するのではなく、ブレース1
を伸縮体2たるダンパによる減衰作用を伴う不効き状態
にして、地震による建物への影響を回避する、すなわ
ち、地震の規模によっては、あえて不効き状態にして地
震エネルギーを建築物に吸収させることで、地震を体感
させない、すなわち、地震の影響を体感させないように
することが可能になる。
【0042】ところで、上記の伸縮体2は、以下のよう
に構成されてなるとするもので、まず、この伸縮体2
は、原理的には、図2に示すように、たとえば、ロッド
体22に連設のピストン23がシリンダ体21内を図2
中で左行するときには、一方の油室R1の油がチェック
弁31,ロジック弁4,制御手段(符示せず)およびチ
ェック弁32を介して他方の油室R2に流入するように
構成されている。
【0043】また、この伸縮体2は、上記と逆に、ピス
トン23がシリンダ体21内を図2中で右行するときに
は、他方の油室R2の油がチェック弁33,ロジック弁
4,制御手段およびチェック弁34を介して一方の油室
R1に流入するように構成されている。
【0044】なお、ロジック弁4は、図示する実施の形
態では、図2および図3に示すように、後述する制御手
段における油の流通が阻止されるときに、ポペット41
の前進が阻止されて、このロジック弁4における油の流
通を阻止すると共に、図示しないが、上記の制御手段に
おける油の流通が許容されてポペット41の上流側と下
流側との間に差圧が発生されるときに、附勢ばね42の
附勢力に抗してのポペット41の前進が許容されて、こ
のロジック弁4における油の流通を可能にように設定さ
れている。
【0045】一方、上記の制御手段は、この実施の形態
にあって、図2および図3にも示すように、ロジック弁
4の背後側に配在される常閉型に設定の電磁開閉弁5
と、この電磁開閉弁5とロジック弁4との間に配在され
る定常状態切換弁6とを有してなるとしている。
【0046】少し説明すると、まず、電磁開閉弁5は、
図示する実施の形態では、方向切換弁からなり、平時は
スプリング51の附勢力でスプール52をいわゆる後退
状態に維持して図示する遮断ポジション(符示せず)に
ある。
【0047】そして、この電磁開閉弁5は、遮断ポジシ
ョンにあるときにこの電磁開閉弁5における油の流通を
阻止する一方で、図示しない外部のコントローラからの
指令信号の入力でソレノイド53が励磁されてスプリン
グ51の附勢力に抗してスプール52がいわゆる前進す
るときには連通ポジション(符示せず)になり、このと
きに、この電磁開閉弁5における油の流通を許容すると
している。
【0048】なお、この電磁開閉弁5は、この実施の形
態におけるように、常閉型に設定されてなるとするのに
代えて、常開型に設定されてなるとしても良いこともち
ろんであり、また、方向切換弁からなるのに代えて、他
の構造のものが利用されるとしても良い。
【0049】つぎに、定常状態切換弁6は、この実施の
形態では、方向切換弁からなり、しかも、上記の電磁開
閉弁5がいわゆる電磁弁からなるのに対して、たとえ
ば、操作部61への手動操作などの外力操作によってス
プール62が摺動するときに、図示する一方の連通ポジ
ション(符示せず)あるいは図示しない他方の連通ポジ
ション(符示せず)のいずれかに切り換るように設定さ
れている。
【0050】すなわち、操作部61への手動操作でスプ
ール62が附勢ばね63の附勢力で後退状態にあるとき
に図示する一方の連通ポジション(符示せず)となっ
て、この定常状態切換弁6における油の流通を許容する
一方で、操作部61への人力操作でスプール62が附勢
ばね63の附勢力に抗して前進するときには図示しない
他方の連通ポジション(符示せず)に切り換って、この
ときにも、この定常状態切換弁6における油の流通を許
容するるように設定されている。
【0051】ちなみに、操作部61は、図示するところ
では、スプール62に向かって進退する操作ロッド61
aの進退状態がロックナット61bの螺装で維持される
としているが、スプール62における所定のストローク
を確保できる限りには、これに代えて、任意の構成を採
用できることはもちろんである。
【0052】また、この定常状態切換弁6にあっては、
操作部61の状況、すなわち、この定常状態切換弁6が
一方の連通ポジションにあるのか他方の連通ポジション
にあるのかが図示しない前記のコントローラに入力され
るとしている。
【0053】それゆえ、上記した制御手段にあっては、
定常状態切換弁6が、たとえば、手動操作による外力操
作でロジック弁4側と上記した同じく制御手段を構成す
る常閉型の電磁開閉弁5側との連通を許容する一方の連
通ポジションにあるときに、上記の電磁開閉弁5がいわ
ゆる連通ポジションに切り換えられることで、ロジック
弁4の開放作動が可能になり、伸縮体4における伸縮を
可能な状態にすることになる。
【0054】そして、この制振手段にあっては、上記の
定常状態切換弁6が上記の一方の連通ポジションにある
ときに、上記の常閉型に設定の電磁開閉弁5がそのまま
の状態たるいわゆる遮断ポジションに維持されること
で、ロジック弁4の開放作動を阻止することが可能にな
り、伸縮体2をロック状態にすることになる。
【0055】また、上記の定常状態切換弁6が手動操作
などの外力操作でロジック弁4側と電磁開閉弁5側との
連通をいわゆる他のルートで許容する他の連通ポジショ
ンに切り換えられるときには、上記の常閉型に設定の電
磁開閉弁5が連通ポジションに切り換えられない限り
に、ロジック弁4が開放作動し得なくなり、伸縮体2が
ロック状態になることになる。
【0056】そして、このときに、上記の常閉型に設定
の電磁開閉弁5が連通ポジションに切り換えられると、
ロジック弁4が開放作動することになって、伸縮体2が
伸縮可能な状態になる。
【0057】ちなみに、電磁開閉弁5が常閉型に設定の
ものから常開型に設定のものに変更される場合には、上
記した制御モードを逆の状態に設定し得ることになり、
あらかじめの設定とは異なることになる建築物の実態に
基づいた制御モードを選択することを可能にすることに
なる。
【0058】それゆえ、以上のように形成された制御手
段をロジック弁4や各チェック弁31,32,33,3
4と共に有する伸縮体2にあっては、制御手段における
電磁開閉弁5を常閉型に設定するか常開型に設定するか
で、また、電磁開閉弁5をいずれに設定するとしても制
御手段における定常状態切換弁6の制御如何で、伸縮体
2を伸縮可能状態あるいは伸縮不能状態たるロック状態
のいずれかに設定し得ることになり、ブレース1がブレ
ースとして機能する効き状態あるいは不効き状態のいず
れかに設定することが可能になる。
【0059】したがって、この伸縮体2を有する制振装
置にあっては、多層階となる高層建築物の壁スペースに
配在の全てのブレース1がブレースとして機能する状態
にある場合には、高層建築物が全体として剛性を高くす
ることになるが、多層階となる壁スペースにおいてブレ
ース1がブレースとして機能する状態とし得ない状態と
に適宜に選択する場合には、高層建築物が多層階の部分
階において剛性を高くしながら、別の部分階において剛
性を低くすることが可能になる。
【0060】その結果、たとえば、超高層の場合を含む
高層建築物において、あらかじめのシュミレーションで
高層建築物が地震や風でどのような揺れ方をするかを判
別した結果に基づくなどして、多層階となる壁スペース
における各ブレース1をブレースとして機能する状態と
し得ない状態とに適宜に選択するように伸縮体2をセッ
トすることで、地震の際に鞭がしなうがごとくに高層建
築物全体がいわゆる波打つように揺れることを許容する
ことになり、高層建築物が地震の影響を受けない、すな
わち、高層建築物が地震で崩れたりしないようにし得る
ことになる。
【0061】前記したところは、高層建築物が地震の影
響を受けないようにする場合を例にして説明したが、頭
書に述べたように、高層建築物が風の影響を受けないよ
うにする場合にも利用し得ることはもちろんであり、そ
の場合の作用効果も異ならないことももちろんである。
【0062】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、建
築物における耐震性を向上させるブレースに接続される
伸縮体が伸縮可能状態あるいは伸縮不能状態のいずれか
に選択されることでブレースの効き不効きが選択される
とするときに、この伸縮体の伸縮を制御するロジック弁
が電磁開閉弁および定常状態切換弁を有する制御手段で
制御されるとするから、電磁開閉弁および定常状態切換
弁の切換作動を種々に選択することで、様々な状況に応
じてブレースをブレースとして機能する効き状態あるい
はブレースがブレースとして機能しない不効き状態のい
ずれかに選択できることになり、多層階となる高層建築
物の壁スペースに配在の全てのブレースにおいて、これ
が効き状態と不効き状態とに適宜に選択されて、高層建
築物が多層階の部分階において剛性を高くしながら、別
の部分階において剛性を低くすることが可能になる。
【0063】それゆえ、たとえば、超高層の場合を含む
高層建築物において、あらかじめのシュミレーションで
高層建築物が地震や風でどのような揺れ方をするかを判
別した結果に基づくなどして、多層階となる壁スペース
における各ブレースをブレースとして機能する状態とし
得ない状態とに適宜に選択するように伸縮体をセットす
ることで、地震の際に鞭がしなうがごとくに高層建築物
全体がいわゆる波打つように揺れることを許容すること
になり、高層建築物が地震の影響を受けない、すなわ
ち、高層建築物が地震で崩れたりしないようにし得るこ
とになる。
【0064】そして、この発明にあっては、制御手段を
構成する電磁開閉弁および定常状態切換弁がそれぞれ方
向切換弁からなるとするから、その具現化にあっていた
ずらなコスト高を招来することがなく安価な制振装置を
提供し得ることになる。
【0065】その結果、この発明によれば、高層建築物
が各階における地震や風の影響を受けないようにするこ
とで、全体として地震や風の影響を受けないようにし、
しかも、安価にしてその汎用性の向上を期待し得るよう
にし、特に、超高層建築物に装備するのに最適となる利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による制振装置を原理
的に示す正面図である。
【図2】図1に示す制振装置を回路で原理的に示す図で
ある。
【図3】図2に示す制振手段を具体化して概略して示す
ロジック弁と共に示す断面図である。
【図4】従来例としての制振装置を図1と同様に示す図
である。
【図5】図4における従来例としての伸縮体を図2と同
様に示す図である。
【符号の説明】
1 ブレース 2 伸縮体 4 ロジック弁 5 制御手段を構成する電磁開閉弁 6 制御手段を構成する定常状態切換弁 11,12 ブレース部材 21 シリンダ体 22 ロッド体 23 ピストン 24,25 リリーフバルブ 31,32,33,34 チェック弁 35,36 減衰バルブ 41 ポペット 42,51,63 スプリング 52,62 スプール 53 ソレノイド 61 操作部 B 地盤 B1,B2 横架材 P1,P2 柱 R1,R2 油室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右に配在の柱とこの左右の柱間の上下
    に配在の梁などの横架材とで形成される壁スペースに配
    在されて建築物における耐震性を向上させるブレースに
    接続される伸縮体を有してなり、この伸縮体を伸縮不能
    状態とすることでブレースを効き状態にしあるいは伸縮
    可能状態とすることでブレースを不効き状態にし得るよ
    うに設定されてなる制振装置において、伸縮体が多層階
    の壁スペースにそれぞれ配在されると共に、この伸縮体
    を構成するシリンダ体内に摺動可能に収装されながらシ
    リンダ体に対して出没可能に挿通されるロッド体に連設
    のピストンによってシリンダ体内に区画される二つの油
    室がシリンダ体の外部に配在の油通路およびこの油通路
    に配在されて開放作動するロジック弁を介して互いに連
    通可能とされてなり、かつ、このロジック弁の開放作動
    を可能にする制御手段がロジック弁の背後側に配在され
    る電磁開閉弁と、この電磁開閉弁とロジック弁との間に
    配在の定常状態切換弁とを有してなり、この定常状態切
    換弁および上記の電磁開閉弁に対する選択された切換作
    動で伸縮体の伸縮可能状態あるいは伸縮不能状態にして
    ブレースの効き状態あるいは不効き状態にし得るように
    設定されてなることを特徴とする制振装置
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