JPH11217954A - 制震装置 - Google Patents

制震装置

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Publication number
JPH11217954A
JPH11217954A JP3542298A JP3542298A JPH11217954A JP H11217954 A JPH11217954 A JP H11217954A JP 3542298 A JP3542298 A JP 3542298A JP 3542298 A JP3542298 A JP 3542298A JP H11217954 A JPH11217954 A JP H11217954A
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JP
Japan
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cylinder body
brace
building
valve
damping device
Prior art date
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Pending
Application number
JP3542298A
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English (en)
Inventor
Takeji Shizume
武治 鎮目
Kunio Furukawa
邦雄 古川
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物などが地震などに起因する振動の影響
を受けないようにするのはもちろんのこと、その設置に
際して大きなスペースを占有することがなく、その汎用
性の向上を期待するのに最適となる。 【解決手段】 左右に配在の柱P1,P2とこの左右の
柱P1,P2間の上下に配在の梁などの横架材B1,B
2とで形成される壁スペースに配在されて建築物におけ
る耐震性を向上させるブレース1に接続される伸縮体2
が伸縮可能状態あるいは伸縮不能状態のいずれかに選択
的に制御されることでブレース1の効き不効きを選択し
得るように設定されてなる制振装置において、伸縮体2
を構成するシリンダ体21が単筒体からなると共に、こ
のシリンダ体21の正面視で上下方向となる端部であっ
てこのシリンダ体21の平面視で上下方向となる径方向
寸法内の外周に伸縮体2の伸縮の可不可を選択的に制御
するバルブ類を収装したバルブブロック6が連設されて
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物に装備さ
れて建築物が地震などに起因する振動の影響を受けない
ようにする制振装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物に装備されて建築物が地震などに
起因する振動の影響を受けないようにする制振装置とし
ては、従来から種々の提案があるが、その中で、たとえ
ば、図6に示すように、左右に配在の柱P1,P2とこ
の左右の柱P1,P2間の上下に配在の梁などの横架材
B1,B2とで形成される壁スペース(符示せず)に配
在されて建築物における耐震性を向上させるブレース1
に接続される伸縮体2が伸縮可能状態あるいは伸縮不能
状態のいずれかに選択的に制御されることでブレース1
の効き不効きを選択し得るように設定されてなるものが
ある。
【0003】ちなみに、ブレース1は、四本のブレース
部材11,12,13,14からなるいわゆるクロス構
造に設定されてなるもので、伸縮体2は、このブレース
1の中央部分たるクロス部分に配在されるとしている。
【0004】ところで、この伸縮体2は、図示するとこ
ろでは、シリンダ体21の両端からそれぞれロッド体2
2が突出する両ロッド型の油圧シリンダの態様に設定さ
れており、シリンダ体21が図6中で下方側となるブレ
ース部材13,14にブラケット15を介して連結され
ると共に、ロッド体22が図6中で上方側となるブレー
ス部材11,12にブラケット16を介して連結されて
なるとしている。
【0005】そして、この伸縮体2は、たとえば、図7
に示すように、ロッド体22に連設のピストン23がシ
リンダ体21を構成する内筒21a内を図7中で左行す
るときには、一方の油室R1の油がチェック弁31,流
出路L1,ロジック弁5,流入路L2およびチェック弁
32を介して他方の油室R2に流入するように構成され
ており、また、上記と逆にピストン23が内筒21a内
を図7中で右行するときには、他方の油室R2の油がチ
ェック弁33,流出路L1,ロジック弁4,流入路L2
およびチェック弁34を介して一方の油室R1に流入す
るように構成されている。
【0006】なお、ロジック弁4は、たとえば、いわゆ
るノーマルクローズの態様に設定された電磁開閉弁5が
いわゆるオフ状態にあるときにその作動が阻止されて流
出路L1の流入路L2への連通を阻止し、図示するよう
に、上記の電磁開閉弁5が励磁作動されていわゆるオン
作動するときにその作動が許容されて流出路L1を流入
路L2に連通させるように設定されている。
【0007】したがって、この伸縮体2にあっては、電
磁開閉弁5の作動を選択する、すなわち、オンオフを選
択することで、この伸縮体2を伸縮可能状態あるいは伸
縮不能状態たるいわゆるロック状態のいずれかに制御す
ることが可能になる。
【0008】それゆえ、この伸縮体2を有する従来提案
としての制振装置にあっては、建築物において、たとえ
ば、地震に起因する振動で上下の横架材B1,B2が逆
位相となる左右方向たる横方向に振動するとき、すなわ
ち、図6中に矢印で示すように、下方の横架材B2が横
方向に水平振動するときに、伸縮体2をロック状態にす
れば、ブレース1が言わばブレースとして機能すること
になり、したがって、建築物が地震に起因する振動の影
響を受けることを阻止し得ることになる。
【0009】そして、この従来提案によれば、建築物に
おいて、たとえば、建築物がその建築物内に設置の機械
類の振動に起因していわゆる共振する状態になるとき
に、伸縮体2を伸縮可能状態にして、ブレース1が機能
し得ない状態にし、その結果、建築物が機械振動の影響
を受けることを阻止し得ることになる。
【0010】その結果、上記の制振装置が建築物におけ
る互いに直交することになる壁スペースにそれぞれ装備
されることで、また、建築物に作用する振動の種類など
に基づいて伸縮体2の作動を選択できるように設定する
ことで、建築物が地震などに起因する振動の影響を受け
なようにすることが可能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来提案としての制振装置にあっては、以下の不具合
があると指摘される可能性がある。
【0012】すなわち、上記の伸縮体2にあっては、各
チェック弁31,32,33,34が高速および大流量
の油の通過を許容し易くするように環状リーフバルブか
らなるとする一方で、この各チェック弁31,32,3
3,34が言わばシリンダ体21を構成する内筒21a
内に配在されてなるとするから、シリンダ体21におい
て、内筒21aの径方向の寸法を必然的に大きくするこ
とになり、その結果、シリンダ体21の径方向の寸法、
すなわち、伸縮体2の径方向の寸法を大きくする傾向が
ある。
【0013】また、この伸縮体2にあっては、シリンダ
体21において、流入路L2を形成するために内筒21
aの外周に外筒21bを有すると共に、流出路L1を形
成するために外筒21bの外周にさらにサブブロック2
1cを有する構成とされているから、これによってもシ
リンダ体21の径方向の寸法、すなわち、伸縮体2の径
方向の寸法を一層大きくする傾向にある。
【0014】そして、この伸縮体2にあっては、各チェ
ック弁31,32,33,34が内筒21a内でいわゆ
る積層された位置関係に配在されるとしているから、シ
リンダ体21の長さ方向の寸法が大きくなり、したがっ
て、伸縮体2の長さ方向の寸法を大きくする傾向もあ
る。
【0015】さらに、この伸縮体2を有する制振装置に
あっては、その所定位置への設置時に、ブレース1の中
央部分たるクロス部分に配在される伸縮体2の外周にこ
れを挟むように隣接されるブラケット15が連結される
ことでブレース1に連結されるとしている。
【0016】したがって、この従来例とされる制振装置
にあっては、伸縮体2自体が長さ寸法および径方向寸法
が大きくなって言わば嵩張る傾向にあり、その所定位置
たる壁スペースへの配在の際に、たとえば、壁材で隠蔽
する場合には、壁厚をいたずらに大きくさせる可能性が
あり、さらには、この制振装置を配在する際のブレース
1との採り合いを考慮すると、壁厚をいたずらに一層大
きくさせることになる不具合がある。
【0017】また、この制振装置を設置するについて、
仮に、壁材などで隠蔽せずして露呈させたままにすると
しても、その占有するスペースが大きいがゆえに、その
設置場所の選択如何では、建築物内に大きないわゆるデ
ッドスペースを作り出すことになる不具合がある。
【0018】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、建築物な
どが地震などに起因する振動の影響を受けないようにす
るのはもちろんのこと、その設置に際して大きなスペー
スを占有することがなく、その汎用性の向上を期待する
のに最適となる制振装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、基本的には、左右に配在の
柱とこの左右の柱間の上下に配在の梁などの横架材とで
形成される壁スペースに配在されて建築物における耐震
性を向上させるブレースに接続される伸縮体が伸縮可能
状態あるいは伸縮不能状態のいずれかに選択的に制御さ
れることでブレースの効き不効きを選択し得るように設
定されてなる制振装置において、伸縮体を構成するシリ
ンダ体が単筒体からなると共に、このシリンダ体の正面
視で上下方向となる端部であってこのシリンダ体の平面
視で上下方向となる径方向寸法内の外周に伸縮体の伸縮
の可不可を選択的に制御するバルブ類を収装したバルブ
ブロックが連設されてなるとする。
【0020】このとき、シリンダ体内には、シリンダ体
と共に伸縮体を構成するロッド体に連設されてこのシリ
ンダ体内に摺動可能に収装されたピストンによっていわ
ゆる伸側と圧側の二つの油室が区画されてなるとし、こ
の二つの油室は、バルブブロック内に配在のバルブ類を
介して互いに連通されてなるとする。
【0021】そして、上記の構成において、より具体的
には、シリンダ体の軸線方向の端部に連設されてこのシ
リンダ体をブレースに連結させるブラケットがシリンダ
体の平面視で上下方向となる径方向寸法内に配在されな
がら、シリンダ体がブレースに連結される際のシリンダ
体の軸芯線を中心にする回転方向の位置決め部材とされ
てなるとする。
【0022】それゆえ、伸縮体においては、シリンダ体
内へのピストンの収装でこのシリンダ体内に二つの油室
を形成するのみとなり、この二つの油室を連通させる油
通路およびバルブ類が言わばシリンダ体の外部のバルブ
ブロック内に収装されるとすることで、シリンダ体の径
方向寸法および軸線方向寸法を小さくすることが可能に
なる。
【0023】このとき、バルブブロックがシリンダ体の
いわゆる上端あるいは下端となる径方向寸法内の外周に
連設されているから、伸縮体における平面視で上下方向
となる径方向の寸法をシリンダ体の径方向寸法内に納め
ることが可能になる。
【0024】また、伸縮体をブレースに連結するために
シリンダ体に連設されるブラケットがブレースとの連結
を前提にした上で所定の態様に連設されることで、この
伸縮体を所定位置に配在するときに、上記のバルブブロ
ックがシリンダ体の正面視で上下方向となる端部に位置
決められることになる。
【0025】ちなみに、伸縮体は、単なる油圧シリンダ
の態様に構成されるとしても良く、あるいは、伸縮作動
時に所定の減衰作用を発揮するダンパの態様に構成され
るとしても良く、また、油圧シリンダの態様に構成され
る場合に、シリンダ体内の二つの油室を連通可能にする
シリンダ体の外部に配在の油通路中に、すなわち、バル
ブブロック中に形成の油通路中に減衰バルブを配在する
ことで伸縮体にダンパ機能を具有させるとしても良い。
【0026】また、伸縮体がダンパの態様に構成される
場合には、たとえば、シリンダ体内の二つの油室を連通
可能にするバルブブロック中に形成の油通路中に減衰バ
ルブを配在する一方で、シリンダ体内に二つの油室を区
画するピストンに最高リリーフ圧を設定するリリーフバ
ルブを配在するとするのが好ましい。
【0027】そして、伸縮体がダンパ機能を発揮するよ
うに設定される場合には、ブレースを効き不効きのいず
れかに選択するのみでなく、ブレースの不効き状態にお
けるその程度を変化させることが可能になり、たとえ
ば、地震に起因する振動の大きさによってブレースを減
衰作用を伴う不効き状態にして、地震による建築物への
影響を回避し得るように設定することが可能になる。
【0028】また、伸縮体が単なる油圧シリンダ態様に
構成されるとする場合に、両ロッド型あるいは片ロッド
型のいずれに設定されるとしても良く、特に、片ロッド
型に設定される場合には、伸側作動および圧側作動のい
ずれにあっても油の流量を同じにして、この伸縮体にお
ける伸縮ストロークが同一なるように構成されるのが好
ましい。
【0029】なお、この制振装置にあっては、建築物
が、たとえば、地震に起因する振動で建築物において上
下の横架材が逆位相となる左右方向たる横方向に水平振
動するときには、基本的には、伸縮体をロック状態にす
ることで、ブレースをブレースとしての機能を発揮する
効き状態にして、建築物が地震に起因する振動の影響を
受けることを阻止することになる。
【0030】また、この制振装置にあっては、建築物
が、たとえば、内部に設置の機械類からの振動でいわゆ
る共振する状態になるときには、伸縮体を伸縮可能な状
態にすることで、ブレースをブレースとして機能し得な
い不効き状態にして、建築物が機械振動の影響を受ける
ことを阻止することになる。
【0031】したがって、上記の制振装置が建築物にお
ける互いに直交することになる壁スペースにそれぞれ装
備されることで、また、建築物に作用する振動の種類な
どに基づいて伸縮体の作動不作動を選択することで、建
築物が地震などに起因する振動の影響を受けなようにす
ることが可能になる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、図示したところに基づい
て、この発明を説明するが、この発明による制振装置に
あっても、基本的には、前記した従来例としての制振装
置と同様に構成されている。
【0033】すなわち、この発明による制振装置は、図
1に原理的に示すように、左右に配在の柱P1,P2と
この左右の柱P1,P2間の上下に配在の梁などの横架
材B1,B2とで形成される壁スペース(符示せず)に
配在されて建築物における耐震性を向上させるブレース
1に接続される伸縮体2が伸縮可能状態あるいは伸縮不
能状態、すなわち、ロック状態のいずれかに選択的に制
御されることでブレース1の効き不効きを選択し得るよ
うに設定されている。
【0034】ちなみに、図示する実施の形態では、ブレ
ース1が四本のブレース部材11,12,13,14か
らなるいわゆるクロス構造に設定されており、また、伸
縮体2がブレース1のクロス部分たる中央部分に配在さ
れてなるとしているが、この発明による制振装置が意図
するところからすれば、ブレース1の態様が異なり、ま
た、このブレース1に対する伸縮体2の連繋態様が異な
るとしても、伸縮体2が伸縮可能状態あるいは伸縮不能
状態の選択でブレース1における効き不効きを選択する
限りには、この発明による制振装置の実施が可能にな
る。
【0035】そして、伸縮体2は、図示する実施の形態
にあって、単なる油圧シリンダの態様に構成されてなる
としているが、これに代えて、図示しないが、伸縮作動
時に所定の減衰作用を発揮するダンパの態様に構成され
てなるとしても良い。
【0036】なお、伸縮体2が単なる油圧シリンダの態
様に構成されるとする場合に、図示する両ロッド型に代
えて、図示しないが、片ロッド型に設定されてなるとし
ても良く、この場合には、伸側作動および圧側作動のい
ずれにあっても、油の流量を同じにして、この伸縮体2
における伸縮ストロークが同一なるように構成されるの
が好ましい。
【0037】ところで、伸縮体2が油圧シリンダの態様
に構成される場合に、たとえば、図2に示すように、シ
リンダ体21内に摺動可能に収装されながらシリンダ体
21と共に伸縮体2を構成するロッド体22に連設のピ
ストン22が区画する二つの油室R1,R2をシリンダ
体21の外部に配在の油通路(符示せず)中に後述する
チェック弁32,34にそれぞれ並列する減衰バルブ3
5,36を配在させることでダンパ機能を具有させると
しても良い。
【0038】また、伸縮体2がダンパの態様に構成され
る場合には、たとえば、上記の減衰バルブ35,36の
配在に加えて、図示しないが、シリンダ体21内に二つ
の油室R1,R2を区画するピストン22に最高リリー
フ圧を設定するリリーフバルブを配在するとするのが好
ましい。
【0039】そして、伸縮体2がダンパ機能を発揮する
ように設定される場合には、ブレース1を効き不効きの
いずれかに選択するのみでなく、ブレース1の不効き状
態におけるその程度を変化させることが可能になり、た
とえば、地震に起因する振動の大きさによってブレース
1を減衰作用を伴う不効き状態にして、地震による建築
物への影響を回避し得るように設定することが可能にな
る。
【0040】その結果、たとえば、建築物が地震に起因
する振動の影響を受ける状況になるときに、ブレース1
を完全なる効き状態に維持するのではなく、ブレース1
を伸縮体2たるダンパによる減衰作用を伴う不効き状態
にして、地震による建物への影響を回避する、すなわ
ち、地震の規模によっては、あえて不効き状態にして地
震エネルギーを建築物に吸収させることで、地震を体感
させない、すなわち、地震の影響体感的に受けないよう
にすることが可能になる。
【0041】それゆえ、この発明による制振装置にあっ
ては、たとえば、地震に起因する振動で、図1中に矢印
で示すように、建築物において下方の横架材B2が左右
方向となる横方向に振動するときには、伸縮体2をロッ
ク状態にして、ブレース1をブレースとしての機能を発
揮する効き状態にし、建築物が地震に起因する振動の影
響を受けることを阻止し得ることになる。
【0042】また、たとえば、建築物が内部に設置の機
械類からの振動でいわゆる共振する状態になるときに
は、伸縮体2を伸縮可能な状態にして、ブレース1をブ
レースとして機能し得ない不効き状態にし、建築物が機
械振動に起因する振動の影響を受けることを阻止し得る
ことになる。
【0043】なお、この制振装置は、図示しないが、建
築物が複数階建に構成されている場合には、各階の壁ス
ペースに配在されるのはもちろんのこと、いわゆる直交
などする方向の壁スペースにも配在されるのが常態とさ
れる。
【0044】したがって、この制振装置が建築物におけ
る互いに直交することになる壁スペースにそれぞれ装備
されることで、また、建築物に作用する振動の種類など
に基づいて伸縮体2の作動不作動を選択することで、建
築物が地震などに起因する振動の影響を受けないように
し得ることになる。
【0045】ところで、上記の伸縮体2は、この発明に
あって、以下のように構成されている点に特徴を有して
いる。
【0046】すなわち、この伸縮体2は、まず、この実
施の形態では、詳しくは図示しないが、図3に示すよう
に、シリンダ体21の両端からそれぞれロッド体22が
突出する両ロッド型の油圧シリンダの態様に設定されて
おり(図4参照)、一方で前記した図1中で下方側とな
るブレース部材13,14にブラケット15を介して連
結されるのに対して、他方で図1中で上方側となるブレ
ース部材11,12にブラケット16を介して連結され
てなるとしている。
【0047】このとき、シリンダ体21は、その軸線方
向の端部に連設されてこのシリンダ体21をブレース1
に、すなわち、ブレース部材13,14側のブラケット
15に連結させるブラケット24を有してなるとしてい
る。
【0048】そして、このブラケット24は、シリンダ
体21の平面視で上下方向となる径方向寸法内に配在さ
れてなる(図4参照)として、シリンダ体21がブレー
ス1に連結される際のシリンダ体21の軸芯線を中心に
する回転方向の位置決め部材とされてなるとしている。
【0049】それゆえ、この実施の形態にあっては、伸
縮体2をブレース1に連結するための上記のブラケット
24がブレース1側のブラケット15との連結を前提に
した上で所定の態様に連設されることで、この伸縮体2
を所定位置に配在する際に、後述するバルブブロック6
がシリンダ体21の正面視で上下方向となる端部に位置
決められることになる。
【0050】ちなみに、上記のブラケット24は、図示
する実施の形態では、いわゆる縦になるように配在され
てなるとしており、これによって、仮にこのブラケット
24が縦方向に大きく形成されることになっても、シリ
ンダ体21の平面視で上下方向となる径方向寸法内から
逸脱させない用にすることが可能になる。
【0051】つぎに、この伸縮体2は、原理的には、図
2に示すように、たとえば、ロッド体22に連設のピス
トン23がシリンダ体21内を図2中で左行するときに
は、図2中に実線矢印で示すように、一方の油室R1の
油がチェック弁31,ロジック弁4,およびチェック弁
32を介して他方の油室R2に流入するように構成され
ている。
【0052】また、この伸縮体2は、上記と逆に、ピス
トン23がシリンダ体21内を図2中で右行するときに
は、図2中に破線矢印で示すように、他方の油室R2の
油がチェック弁33,ロジック弁4,およびチェック弁
34を介して一方の油室R1に流入するように構成され
ている。
【0053】なお、ロジック弁4は、図示する実施の形
態では、ノーマルクローズの態様に設定されている電磁
開閉弁5が励磁作動するときに、作動が許容されてこの
ロジック弁4における油の流通を可能にすると共に、電
磁開閉弁5が解磁作動するときに、作動が阻止されてこ
のロジック弁4における油の流通を阻止するように設定
されている。
【0054】さらに、この伸縮体2は、図示しないが、
ロッド体22と共にこの伸縮体2を構成するシリンダ体
21が単筒体からなると共に、図3の正面図および図4
の平面図に示すように、このシリンダ体21の正面視で
上下方向となる端部であってこのシリンダ体21の平面
視で上下方向となる径方向寸法内となる外周にバルブブ
ロック6が連設されてなるとしている。
【0055】このように、シリンダ体21が単筒体から
なるとすることで、内部には、いわゆる伸側と圧側の二
つの油室R1,R2を区画するのみとなり、前記した従
来例の場合に比較して、各チェック弁31,32,3
3,34を内装させないから、シリンダ体21の径方向
寸法および軸線方向寸法を小さくし得て、結果として、
伸縮体2にいたずらな嵩張りを招来させることを防止し
得ることになる。
【0056】また、このとき、バルブブロック6内に
は、バルブ類、すなわち、図4に示すように、前記した
各チェック弁31,32,33,34およびロジック弁
4が収装されてなるとする一方で、図5に示すように、
ロジック弁4の作動を選択する電磁開閉弁5が連設され
てなるとしている。
【0057】なお、上記の電磁開閉弁5は、これがバル
ブブロック6内に収装されてなるとしても良いこともち
ろんであり、この場合には、図3中で上下方向となるこ
の伸縮体2におけるいわゆる高さを小さくできる点で有
利となる。
【0058】そして、このバルブブロック6がシリンダ
体21のいわゆる上端あるいは下端となる径方向寸法内
の外周に連設されてなるとすることで、伸縮体2におけ
る平面視で上下方向となる径方向の寸法をシリンダ体2
1の径方向寸法内に納めることが可能になり、たとえ
ば、伸縮体2の壁スペース内への配在を実現可能にし得
ることになる。
【0059】そしてまた、このバルブブロック6内に上
記した各チェック弁31,32,33,34およびロジ
ック弁4が収装されてなるとし、さらに、このバルブブ
ロック6上に電磁開閉弁5を配在する場合には、上記し
たシリンダ体21の径方向寸法を大きくさせないことに
なる。
【0060】ちなみに、バルブブロック6内に収装され
ている各チェック弁31,32,33,34は、この実
施の形態では、図4に示すように、それぞれいわゆる油
通路を開閉可能にするポペット31a,32a,33
a,34aと、このポペット31a,32a,33a,
34aをいわゆる背後側から附勢するスプリング31
b,32b,33b,34bとからなるとしている。
【0061】なお、上記のポペット32a,34aに
は、前記した減衰バルブ35,36を構成する絞り(符
示せず)が開穿されている。
【0062】それゆえ、図示する実施の形態にあって
は、各チェック弁31,32,33,34が環状リーフ
バルブからなりながらシリンダ体21内に配在される前
記した従来例の場合に比較して、その占有によるシリン
ダ体21の大型化を招来せずして、高速かつ大流量の油
の流れを可能にし得ることになる点で有利となる。
【0063】また、バルブブロック6内に収装のロジッ
ク弁4は、図5に示すように、いわゆる油通路を開閉可
能にするポペット41と、このポペット41をいわゆる
背後側から附勢するスプリング42とからなるとしてい
る。
【0064】そして、このロジック弁4の開閉を制御す
る電磁開閉弁5は、スプリング51の附勢力でポペット
52をいわゆる前進状態に維持して、上記のロジック弁
4の背後側に差圧が発生することを阻止するノーマルク
ローズの態様に設定されてなると共に、ソレノイド53
が励磁されてスプリング51の附勢力に抗してポペット
52をいわゆる後退させるときに、上記のロジック弁4
の背後側に差圧を発生させて、このロジック弁4の開放
作動を許容する態様に設定されいる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、建
築物における耐震性を向上させるブレースに接続されて
伸縮可能状態あるいは伸縮不能状態のいずれかに選択的
に制御されることでブレースの効き不効きを選択する伸
縮体がシリンダ体を単筒体からなるとするから、伸縮体
においては、シリンダ体内に二つの油室を形成するのみ
となり、また、このシリンダ体のいわゆる上端あるいは
下端となる径方向寸法内の外周に伸縮体の伸縮の可不可
を選択的に制御するバルブ類、すなわち、上記の二つの
油室を連通させるバルブ類を収装するバルブブロックを
連設させてなるとするから、シリンダ体の径方向寸法お
よび軸線方向寸法を小さくすることが可能になる。
【0066】そして、この発明にあっては、シリンダ体
の軸線方向の端部に連設されてこのシリンダ体をブレー
スに連結させるブラケットがシリンダ体の平面視で上下
方向となる径方向寸法内に配在されながら、シリンダ体
がブレースに連結される際のシリンダ体の軸芯線を中心
にする回転方向の位置決め部材とされてなるとするか
ら、伸縮体をブレースに連結するためにシリンダ体に連
設されるブラケットがブレースとの連結を前提にした上
で所定の態様に連設されることで、この伸縮体を所定位
置に配在するときに、上記のバルブブロックがシリンダ
体の正面視で上下方向となる端部に位置決められること
になる。
【0067】したがって、この制振装置をその所定位置
たる壁スペースへの配在の場合に、たとえば、壁材で隠
蔽するとしても、壁厚をいたずらに大きくさせる不具合
がなく、仮に、この制振装置を配在する際のブレースと
の採り合いを考慮しても、壁厚をいたずらに一層大きく
させないことになる。
【0068】また、この制振装置を設置するについて、
仮に、壁材などで隠蔽せずして露呈させたままにすると
しても、その占有するスペースが小さいゆえに、その設
置場所の選択如何にかかわらず、建築物内に大きないわ
ゆるデッドスペースを作り出す不具合がないことにな
る。
【0069】さらに、この発明にあっては、伸縮体がダ
ンパ機能を発揮するように設定される場合には、ブレー
スを効き不効きのいずれかに選択するのみでなく、ブレ
ースの不効き状態におけるその程度を変化させることが
可能になり、たとえば、地震に起因する振動の大きさに
よってブレースを減衰作用を伴う不効き状態にして、地
震による建築物への影響を回避し得るように設定するこ
とが可能になる。
【0070】その結果、この発明によれば、建築物など
が地震などに起因する振動の影響を受けないようにする
のはもちろんのこと、その設置に際して大きなスペース
を占有することがなく、その汎用性の向上を期待するの
に最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による制振装置を原理
的に示す正面図である。
【図2】図1に示す制振装置を回路で原理的に示す図で
ある。
【図3】図1に示す制振装置における伸縮体を具体化し
た一実施の形態を示す正面図である。
【図4】図3における伸縮体の両側端部を破断すると共
にバルブブロック内を示す部分平面横断面図である。
【図5】図3中のX−X線で示すバルブブロックの縦断
面図である。
【図6】従来例としての制振装置を図1と同様に示す図
である。
【図7】図6における従来例としての伸縮体を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 ブレース 2 伸縮体 4 ロジック弁 5 電磁開閉弁 6 バルブブロック 11,12,13,14 ブレース部材 15,16,24 ブラケット 21 シリンダ体 22 ロッド体 23 ピストン 31,32,33,34 チェック弁 31a,32a,33a,34a,41,52 ポペッ
ト 31b,32a,33b,34b,42,51 スプリ
ング 35,36 減衰バルブ 53 ソレノイド B1,B2 横架材 P1,P2 柱 R1,R2 油室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右に配在の柱とこの左右の柱間の上下
    に配在の梁などの横架材とで形成される壁スペースに配
    在されて建築物における耐震性を向上させるブレースに
    接続される伸縮体が伸縮可能状態あるいは伸縮不能状態
    のいずれかに選択的に制御されることでブレースの効き
    不効きを選択し得るように設定されてなる制振装置にお
    いて、伸縮体を構成するシリンダ体が単筒体からなると
    共に、このシリンダ体の正面視で上下方向となる端部で
    あってこのシリンダ体の平面視で上下方向となる径方向
    寸法内の外周に伸縮体の伸縮の可不可を選択的に制御す
    るバルブ類を収装したバルブブロックが連設されてなる
    ことを特徴とする制振装置
  2. 【請求項2】 シリンダ体の軸線方向の端部に連設され
    てこのシリンダ体をブレースに連結させるブラケットが
    シリンダ体の平面視で上下方向となる径方向寸法内に配
    在されながら、シリンダ体がブレースに連結される際の
    シリンダ体の軸芯線を中心にする回転方向の位置決め部
    材とされてなる請求項1の制振装置
JP3542298A 1998-02-02 1998-02-02 制震装置 Pending JPH11217954A (ja)

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