JP3941377B2 - 免振対象物のロッキング防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベースに設置された弾性体にて免振支持された免振対象物のロッキング防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、地震などから建物を保護するために免振装置が用いられている。この免振装置は、地盤や床などの振動が入力されるベースと、このベース上に設置される免振対象物たる建物との間に、積層ゴムなどの弾性体を設けて構成され、ベースに入力される振動の周期よりも免振対象物側の固有周期を長周期化して、ベースから免振対象物へと入力される振動を低減するものである。
【0003】
しかし、空気ばねなど、前記弾性体によっては、免振対象物のロッキング振動、すなわち鉛直面内での回転振動が起こり易い場合がある。このため、これに対応すべく、本願出願人等は、ロッキング防止装置を組み込んだ免振装置を開発し、先に出願した(特願2000−199506)。
【0004】
図5はこの先の出願に係る免振装置の一例を示す概念図であって、図5(a)にその側面断面図を、また図5(b)に、図5(a)中のB−B線矢視の平面断面図を各々示す。尚、図5(b)にあっては免振対象物の外形を想像線で示している。
【0005】
該免振装置1は、横断面矩形状の免振対象物3とそのベース5との間に、免振用の弾性体としての空気ばね7、およびロッキング防止装置11を介在して概略構成される。そして、このロッキング防止装置11は、図5(b)に示すように免振対象物3の左右方向両端部に各々1台ずつが、前後方向のロッキング振動防止用として前記矩形断面の対向辺に沿って配され、また前後方向両端部にも各々1台ずつが、左右方向のロッキング振動防止用として残る対向辺に沿って配され、合計4台が配置される。
【0006】
図5(a)に示すように、各々のロッキング防止装置11は、主にロッキング振動の揺動中心の両側に一対の油圧シリンダー13、13aが配されて構成される。図示例では、免振対象物3の揺動中心たる、その左部と右部との中点を挟んで左右に一対の油圧シリンダー13a、13が配されて前記左右方向のロッキング振動防止用の前記装置が構成され、また、もう一つの揺動中心である、免振対象物3の前部と後部との中点を挟んで前後に一対の油圧シリンダー13a、13が配されて、前記前後方向のロッキング振動防止用の前記装置が構成されている。
【0007】
この油圧シリンダー13、13aは、作動油を封入したシリンダー部15と、このシリンダー部15内に摺動自在に嵌合されるピストン17と、このピストン17に結合されてシリンダー部15から出没されるピストンロッド17a、17bとを備えて構成され、上記シリンダー部15内はピストン17によって上側油圧室15aと下側油圧室15bとに画成される。
【0008】
前記シリンダー部15は、ベース5の上面に一体に取付けられるとともに、該シリンダー部15から上方に突出する前記ピストンロッド17aの先端部には受座19が取付けられ、この受座19は水平移動案内手段としてのリニアーベアリングガイド21を介して免振対象物3の下面に固定される。該リニアーベアリングガイド21は上下2段に直交されて、前後左右の水平移動を自在に案内するように構成されている。
【0009】
また、前記対をなす油圧シリンダー13、13aのうち一方の油圧シリンダー13の上側油圧室15aと他方の油圧シリンダー13aの下側油圧室15bとは連通管23によって連通されるとともに、前記一方の油圧シリンダー13の下側油圧室15bと前記他方の油圧シリンダー13aの上側油圧室15aとも連通管23aにて連通されている。
【0010】
以上の構成により、上下並進振動および水平振動に対しては、空気ばね7によって免振対象物3の長周期化が図られる。
また、前後方向または左右方向のロッキング振動、つまり免振対象物3の前後の両端部、または左右の両端部が逆位相で上下揺動される振動が発生した際には、前記ロッキング防止装置11の油圧シリンダー13、13aの上側油圧室15aおよび下側油圧室15b内の油圧でこれに抵抗するようになっている。
【0011】
例えば、左右方向のロッキング振動が生じて、免振対象物3の左右が、前記左右の中点を揺動中心として逆位相で上下揺動した場合には、ロッキング防止装置11の左右一対の油圧シリンダー13、13aのピストン17も互いに逆位相で上下に振動する。この時、前記連通管23a、23によって連通された、一方の、例えば左の油圧シリンダー13aの上側油圧室15aと、他方の、例えば右の油圧シリンダー13の下側油圧室15bとは共に加圧または減圧されるとともに、左の油圧シリンダー13aの下側油圧室15bと右の油圧シリンダー13の上側油圧室15aとは共に減圧または加圧されようになっている。このため、該ロッキング振動時には、いずれの油圧室に封入された作動油も動けず、かつ該作動油はその非圧縮性のため体積変化もできないので、対をなす油圧シリンダー13a、13のそれぞれのピストン17は上下に移動できない。よって、ベース5に対して免振対象物3の上下変位を拘束してロック状態にできて、免振対象物3のロッキング振動を抑制することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のようなロッキング防止装置11にて、免振対象物3の前後左右方向のロッキング振動を安定して抑制するには、該免振対象物3の下面3aを平面で拘束する、つまり三点以上で拘束する必要があり、よって、少なくとも3台以上のロッキング防止装置11が必要となる。しかしながら、このロッキング防止装置11では1台当たり油圧シリンダーを2つ用いることから、合計6つ以上という多くの油圧シリンダーが不可欠となるとともに、また一対の油圧シリンダー13、13aの上側・下側油圧室を互いにたすきがけ状に連通するために連通管の必要配管数も多くなってしまう。このため、これら部品点数が多いことに伴って製作費が嵩むとともに、その設置には大きなスペースを要してしまう。
【0013】
本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、ベースに設置された弾性体にて免振支持された免振対象物のロッキング防止装置において、ロッキング防止装置の構成を簡略化し、その部品点数を減らせるとともに、大きな設置スペースを要しない安価な免振対象物のロッキング防止装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、ベースに設置された弾性体にて免振支持された免振対象物のロッキング防止装置において、前記ベースと前記免振対象物との間に、ピストンにて油圧室が上下に画成された油圧シリンダーを4つ併設して、これらは互いにロッキング振動の揺動中心を挟んで配し、右後油圧シリンダーの上側油圧室と左前油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、左前油圧シリンダーの上側油圧室と右前油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、右前油圧シリンダーの上側油圧室と左後油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、左後油圧シリンダーの上側油圧室と右後油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通して、全ての油圧シリンダーを環状に連鎖させたことを特徴とする。
【0015】
かかる目的を達成するために請求項2に示す発明は、ベースに設置された弾性体にて免振支持された免振対象物のロッキング防止装置において、前記ベースと前記免振対象物との間に、ピストンにて油圧室が上下に画成された油圧シリンダーを4つ併設して、これらは互いにロッキング振動の揺動中心を挟んで配し、右前油圧シリンダーの上側油圧室と左後油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、左後油圧シリンダーの上側油圧室と左前油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、左前油圧シリンダーの上側油圧室と右後油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、右後油圧シリンダーの上側油圧室と右前油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通して、全ての油圧シリンダーを環状に連鎖させたことを特徴とする。
【0016】
請求項3に示す発明は、請求項1又は請求項2に記載の免振対象物のロッキング防止装置において、前記免振対象物が横断面矩形状であるとともに、該免振対象物下面の四隅に、各々前記油圧シリンダーを配置したことを特徴とする。
【0017】
上記発明によれば、横断面矩形状の免振対象物の下面の四隅に、各々油圧シリンダーを配置したので、該免振対象物のロッキング振動の揺動中心を、これら4つの油圧シリンダーのいずれか二つの間に確実に入れることができる。よって、ロッキング振動を確実に防止できる。
【0018】
請求項4に示す発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の免振対象物のロッキング防止装置において、前記油圧シリンダーと前記ベースまたは前記免振対象物との間に、これらの水平方向相対移動を案内する水平移動案内手段を設けたことを特徴とする。
【0019】
上記発明によれば、前記油圧シリンダーと前記ベースまたは前記免振対象物との間に、これらの水平方向相対移動を案内する水平移動案内手段を設けているので、免振対象物の水平振動を油圧シリンダーにて阻害することはない。したがって、前記弾性体による免振の内、特に水平免振を有効に作用させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のロッキング防止装置の一参考例を示す概念図であって、図1(a)はその側面断面図、図1(b)は、図1(a)中のB−B線矢視の平面断面図である。尚、図1(b)にあっては建物3の外形を想像線で示している。また、以下で説明に引用される全図に亘って、免振用の弾性体は図示していない。
【0021】
参考例のロッキング防止装置41は、免振対象物としての横断面矩形状の建物3と、そのベースとしての基礎5との間に介装されており、同じく介装されて前記建物3を支持しこれを三次元免振する弾性体(図示なし)と共同して免振装置を構成する。すなわち、該弾性体によって、建物3の固有周期を長周期化するとともに、ロッキング防止装置41によって建物3のロッキング振動を防止するようになっている。
【0022】
前記弾性体は建物3の重量を支持してこれを三次元免振可能なように適宜数が適宜間隔で、建物3と基礎5との間に並設される。この弾性体としては、上下、水平方向に自在に変位可能な空気ばねなどが適用され、三次元免振、すなわち上下振動および水平振動の免振が達成される。この空気ばねは、密閉されたゴム膜内に空気が封入されたものでありベロース型やダイアフラム型などが用いられる。
【0023】
前記ロッキング防止装置41は、主に、建物3と基礎5との間に並設される4つの油圧シリンダー43a、43b、43c、43dにて構成される。そして、これら油圧シリンダー43a、43b、…は、該建物3の左右方向および前後方向のロッキング振動の揺動中心が、各々建物下面3aの左部と右部との中点、および前部と後部との中点であることから、いずれか一方の中点を、いずれかの2つの油圧シリンダーにて互いに挟むように建物下面3aの四隅に、それぞれ一つずつ配置される。すなわち、建物下面3aの右部の前後の隅には、各々右前油圧シリンダー43aおよび右後油圧シリンダー43bが配され、また同下面3aの左部の前後の隅には、各々左前油圧シリンダー43cおよび左後油圧シリンダー43dが配されている。
【0024】
図1(a)に示すように、各々の油圧シリンダー43a、43b、…は、作動油を封入したシリンダー部45と、このシリンダー部内45に摺動自在に嵌合されるピストン47と、このピストン47に結合されてシリンダー部45から出没されるピストンロッド47a、47bとを備えて構成され、上記シリンダー部内45はピストン47によって上方油圧室45aと下方油圧室45bに画成される。
【0025】
前記シリンダー部45は、基礎5の上面に固定される取付座39に一体に取付けられるとともに、該シリンダー部から上方に突出する上記ピストンロッド47aの先端部には受座49が取付けられ、この受座49は水平移動案内手段としてのリニアーベアリングガイド51を介して建物3の下面3aに固定される。該リニアーベアリングガイド51は上下2段に直交されて、前後左右の水平移動を自在に案内するように構成されている。
【0026】
また、図1(a)に示すように、前記各油圧シリンダー43a、43b、…の上側油圧室45aは、他のいずれか一つの油圧シリンダーの下側油圧室45bのみに各々連通させて、全ての油圧シリンダー43a、43b、…が環状に連鎖されている。すなわち、右前油圧シリンダー43aの上側油圧室45aと左前油圧シリンダー43cの下側油圧室45bとが連通管53にて連通され、同左前油圧シリンダー43cの上側油圧室45aと左後油圧シリンダー43dの下側油圧室45bとが連通管53にて連通され、同左後油圧シリンダー43dの上側油圧室45aと右後油圧シリンダー43bの下側油圧室45bとが連通管53にて連通され、同右後油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと右前油圧シリンダー43aの下側油圧室45bとが連通管53にて連通されていて、かかる連通によって、全油圧シリンダー43a、43b、…は建物下面3aの外周に沿って環状に連鎖されている。
【0027】
ここで、かかる構成からなる本参考例のロッキング防止装置41の作用について、建物3に左右方向のロッキング振動が生じて、つまり該建物下面3aの左部右部が互いに逆位相で上下にシーソーの如く揺動している場合を例に説明する。
【0028】
建物3が左右方向にロッキング振動すると、図1(a)に示すように、建物下面3aの右部に位置する右前油圧シリンダー43aおよび右後油圧シリンダー43bのピストン47同士は、互いに同位相で上下振動し、また左部に位置する左前油圧シリンダー43cおよび左後油圧シリンダー43dのピストン47同士は、互いに同位相で上下振動する。よって、前記右後油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと、これに連通された右前油圧シリンダー43aの下側油圧室45bとの両者は、互いに逆タイミングで加圧または減圧されていて、つまり、連通路53を介して加圧側の油圧室から減圧側の油圧室へと作動油が、ピストン47の上下振動と同期して移動するのみであり、ピストン47の上下振動は一切阻止されない。また、左前油圧シリンダー43cの上側油圧室45aと、これに連通された左後油圧シリンダー43dの下側油圧室45bとの両者も、互いに逆タイミングで加圧または減圧されていて、上記と同様にピストン47の上下振動は阻止されない。
【0029】
しかしながら、右前油圧シリンダー43aと左前油圧シリンダー43cとは、互いのピストン47が逆位相で上下振動する。よって、右前油圧シリンダー43aの上側油圧室45aと、これに連通された左前油圧シリンダー43cの下側油圧室45bとは、共に同じタイミングで加圧または減圧される。このため、いずれの油圧室45a、45bに封入された作動油も動けず、かつ該作動油は非圧縮性であるため、両ピストン47の移動は阻止され、結果これら二つの油圧シリンダー43a、43cのピストン47が逆位相で上下振動するのを抑制する。
また、右後油圧シリンダー43bの下側油圧室45bと、これに連通された左後油圧シリンダー43dの上側油圧室45aとも、共に同じタイミングで加圧または減圧されていて、上記と同様に、両ピストン47の移動は阻止され、結果これら二つの油圧シリンダー43b、43dのピストン47が逆位相で上下振動するのを抑制する。
したがって、基礎5に対して建物3の上下変位を阻止してロック状態にできて、建物3の左右方向のロッキング振動を防止することができる。
尚、前後方向のロッキング振動に対する作用は、その対称性から、ロッキング振動防止に寄与する二つのペアの油圧室が前述した左右方向の場合と異なるだけなので、その説明は省略する。
【0030】
また、建物3に上下並進振動および水平振動が生じた際には、基本的に前記弾性体によって建物3の長周期化が図られるが、この時、前記ロッキング防止装置41は、この免振動作を阻害しないようになっている。
つまり、水平振動の免振時には、建物3と油圧シリンダー43a、43b、…との間は水平方向に相対変位するが、その際には、前記上下2段のリニアベアリングガイド51によって、油圧シリンダー43a、43b、…と建物3との間の水平方向相対移動が許容される。よって、建物3の水平振動を抑制するような抵抗は生じない。
【0031】
また、上下並進振動の免振時には、該ロッキング防止装置41の全油圧シリンダー43a、43b、…のピストン47は、互いに同位相で上下に振動する。この時、各油圧シリンダーの上側油圧室45aは、他のいずれか一つの油圧シリンダーの下側油圧室45bのみに連通されているので、全油圧シリンダー43a、43b、…の作動油は、連通管53を介して前記上側油圧室45aと下側油圧室45bとの間を、ピストン47の上下振動と同期して移動するのみである。したがって、ピストン47の上下振動は阻害されず、よって建物3の上下並進振動に対して前記油圧シリンダー43a、43b、…は抵抗にならない。
【0032】
以下に示す本発明の実施形態の基本構成は前述した参考例と同じであるため、同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0033】
===本発明の実施形態===
前記参考例にあっては、図1(b)に示すように、建物3の四隅に配された油圧シリンダーを、該建物下面3aの外周に沿って順次上側油圧室45aと下側油圧室45bとを連通し、全油圧シリンダー43a、43b、…を環状に連鎖させた。しかしながら、以下に示す二つの連通パターンでも、各油圧シリンダーの上側油圧室45aを、他のいずれか一つの油圧シリンダーの下側油圧室45bのみに連通させつつ、全油圧シリンダー43a、43b、…を環状に連鎖させることができて、前述と同様にロッキング振動防止作用を得ることができる。
【0034】
すなわち、図2(a)および図2(b)に示すように、右後油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと左前油圧シリンダー43cの下側油圧室45bとを連通管53にて連通し、同左前油圧シリンダー43cの上側油圧室45aと右前油圧シリンダー43aの下側油圧室45bとを連通管53にて連通し、同右前油圧シリンダー43aの上側油圧室45aと左後油圧シリンダー43dの下側油圧室45bとを連通管53にて連通し、同左後油圧シリンダー43dの上側油圧室45aと右後油圧シリンダー43bの下側油圧室45bとを連通管53にて連通して、全油圧シリンダー43a、43b、…を環状に連鎖させてもよい。
【0035】
この場合、建物3に左右方向のロッキング振動が発生しても、右後油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと、これに連通された、左前油圧シリンダー43cの下側油圧室45bとの両者が、共に同じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピストン47の移動は阻止される。また、左前油圧シリンダー43cの上側油圧室45aと、これに連通された、右前油圧シリンダー43aの下側油圧室45aの両者も、共に同じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピストン47の移動は阻止される。更には、右前油圧シリンダー43aの上側油圧室45aと、これに連通された、左後油圧シリンダー43dの下側油圧室45bとの両者が、共に同じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピストン47の移動は阻止される。また、左後油圧シリンダー43dの上側油圧室45aと、これに連通された、右後油圧シリンダー43bの下側油圧室45bとの両者が、共に同じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピストン47の移動は阻止される。すなわち、この連通パターンにあっては、左右方向のロッキング振動に対しては、事実上同じタイミングで加圧または減圧される各油圧室を4本の連通管にて連通しているため、前記参考例の2倍の抑止効果がある。尚、前後方向のロッキング振動の抑止効果は、前記参考例と同じである。
【0036】
また、別の連通パターンを図3(a)および図3(b)に示すが、右前油圧シリンダー43aの上側油圧室45aと左後油圧シリンダー43dの下側油圧室45bとを連通管53にて連通し、同左後油圧シリンダー43dの上側油圧室45aと左前油圧シリンダー43cの下側油圧室45bとを連通管53にて連通し、同左前油圧シリンダー43cの上側油圧室45aと右後油圧シリンダー43bの下側油圧室45bとを連通管53にて連通し、同右後油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと右前油圧シリンダー43aの下側油圧室45bとを連通管53にて連通して、全油圧シリンダー43a、43b、…を環状に連鎖させてもよい。
【0037】
この場合、建物3に前後方向のロッキング振動が発生しても、右後油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと、これに連通された、右前油圧シリンダー43aの上側油圧室45aとの両者が、共に同じタイミングで加圧または減圧されるので、両ピストン47の移動は阻止される。また、右前油圧シリンダー43aの上側油圧室45aと、これに連通された、左後油圧シリンダー43dの下側油圧室45bの両者も、共に同じタイミングで加圧または減圧されるので、両ピストン47の移動は阻止される。更には、左後油圧シリンダー43dの上側油圧室45aと、これに連通された、左前油圧シリンダー43cの下側油圧室45bとの両者が、共に同じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピストン47の移動は阻止される。また、左前油圧シリンダー43cの上側油圧室45aと、これに連通された、右後油圧シリンダー43bの下側油圧室45bとの両者が、共に同じタイミングで加圧または減圧されていて、両ピストン47の移動は阻止される。すなわち、この連通パターンにあっては、前後方向のロッキング振動に対しては、事実上同じタイミングで加圧または減圧される各油圧室を4本の連通管にて連通しているため、前記参考例の2倍の抑止効果がある。尚、左右方向のロッキング振動の抑止効果は前記参考例と同じである。
【0038】
===参考例2===
前記参考例および前記実施形態のロッキング防止装置は、横断面矩形状の建物のロッキング振動を安定して抑制できるように、該建物下面の四隅に各々油圧シリンダーを設けて4点で建物下面を拘束するようにしたが、本参考例2は、図4に示すように、横断面三角形状の建物4の下面4aの各角に油圧シリンダー43a、43b、43cを各々一つずつ配置して、該下面4aを3点で拘束するようにしている。
【0039】
図4(b)に示すように、横断面三角形状の建物下面4aの一辺を底辺とする頂角部に、および二つの底角部に油圧シリンダーが各々配置されている。
そして、図4(a)および図4(b)に示すように、頂角部に位置する頂角部油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと、右の底角部に位置する右底角部油圧シリンダー43aの下側油圧室45bとは連通管53にて連通され、同右底角部油圧シリンダー43aの上側油圧室45aと、左の底角部に位置する左底角部油圧シリンダー43cの下側油圧室45bとは連通管53にて連通され、同左底角部油圧シリンダー43cの上側油圧室45aと、前記頂角部油圧シリンダー43bの下側油圧室45bとは連通管53にて連通されることで、全油圧シリンダー43a、43b、43cは環状に連鎖されている。
【0040】
この場合、建物下面4aに、その底辺と頂角とが互いに逆位相で上下揺動するロッキング振動が発生しても、頂角部油圧シリンダー43bの上側油圧室45aと、これに連通された、右底角部油圧シリンダー43aの下側油圧室45bとの両者は、共に同じタイミングで加圧または減圧されるので、両ピストン47の移動は阻止される。また、頂角部油圧シリンダー43bの下側油圧室45bと、これに連通された、左底角部油圧シリンダー43cの上側油圧室45aの両者も、共に同じタイミングで加圧または減圧されるので、両ピストン47の移動は阻止される。以上から、前記ロッキング振動は防止される。
【0041】
尚、以上説明してきた前記参考例および前記実施形態では、水平移動案内手段としてリニアーベアリングガイドを用い、これを油圧シリンダーと基礎との間に配置したが、これに限ることなく油圧シリンダーと建物との間に配置することもできる。勿論、水平移動案内手段としては水平方向の移動抵抗を少なくできる装置であれば、リニアーベアリングガイドに限らない。
【0042】
また、前記参考例および前記実施形態とも、建物の隅に油圧シリンダーを配置したが、これら配置は、二つの油圧シリンダーが、ロッキング振動の揺動中心を挟む位置に配置されていればよく、これに限るものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、左右方向のロッキング抑止効果、又は、前後方向のロッキング抑止効果を効果的に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のロッキング防止装置の一参考例を示す概念図であって、図1(a)はその側面断面図、図1(b)は、図1(a)中のB−B線矢視の平面断面図である。
【図2】 本発明のロッキング防止装置の実施形態を示す概念図であって、図2(a)はその側面断面図、図2(b)は、図2(a)中のB−B線矢視の平面断面図である。
【図3】 本発明のロッキング防止装置の実施形態のバリエーションを示す概念図であって、図3(a)はその側面断面図、図3(b)は、図3(a)中のB−B線矢視の平面断面図である。
【図4】 本発明のロッキング防止装置の参考例2を示す概念図であって、図4(a)はその側面断面図、図4(b)は、図4(a)中のB−B線矢視の平面断面図である。
【図5】 本願出願人の先の出願に係る免振装置を示す概念図であって、図5(a)はその側面断面図、図5(b)は、図5(a)中のB−B線矢視の平面断面図である。
【符号の説明】
3 免振対象物、建物
5 ベース、基礎
43a、43b、43c、43d 油圧シリンダー
45 シリンダー部
45a 上側油圧室
45b 下側油圧室
53 連通管

Claims (4)

  1. ベースに設置された弾性体にて免振支持された免振対象物のロッキング防止装置において、
    前記ベースと前記免振対象物との間に、ピストンにて油圧室が上下に画成された油圧シリンダーを4つ併設して、これらは互いにロッキング振動の揺動中心を挟んで配し、
    右後油圧シリンダーの上側油圧室と左前油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、
    左前油圧シリンダーの上側油圧室と右前油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、
    右前油圧シリンダーの上側油圧室と左後油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、
    左後油圧シリンダーの上側油圧室と右後油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通して、
    全ての油圧シリンダーを環状に連鎖させたことを特徴とする免振対象物のロッキング防止装置。
  2. ベースに設置された弾性体にて免振支持された免振対象物のロッキング防止装置において、
    前記ベースと前記免振対象物との間に、ピストンにて油圧室が上下に画成された油圧シリンダーを4つ併設して、これらは互いにロッキング振動の揺動中心を挟んで配し、
    右前油圧シリンダーの上側油圧室と左後油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、
    左後油圧シリンダーの上側油圧室と左前油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、
    左前油圧シリンダーの上側油圧室と右後油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通し、
    右後油圧シリンダーの上側油圧室と右前油圧シリンダーの下側油圧室とを連通管にて連通して、
    全ての油圧シリンダーを環状に連鎖させたことを特徴とする免振対象物のロッキング防止装置。
  3. 前記免振対象物が横断面矩形状であるとともに、該免振対象物下面の四隅に、各々前記油圧シリンダーを配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の免振対象物のロッキング防止装置。
  4. 前記油圧シリンダーと前記ベースまたは前記免振対象物との間に、これらの水平方向相対移動を案内する水平移動案内手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の免振対象物のロッキング防止装置。
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