JPH11222756A - 繊維構造体 - Google Patents

繊維構造体

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JPH11222756A
JPH11222756A JP10028628A JP2862898A JPH11222756A JP H11222756 A JPH11222756 A JP H11222756A JP 10028628 A JP10028628 A JP 10028628A JP 2862898 A JP2862898 A JP 2862898A JP H11222756 A JPH11222756 A JP H11222756A
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Japan
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fiber
heat
hollow
fusible
core
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JP10028628A
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English (en)
Inventor
Hironori Aida
裕憲 合田
Mikio Tashiro
幹雄 田代
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 織布に近い柔らかい風合を呈し、しかも嵩高
性、保温性、隠蔽性などの特性も良好な、特に衛材表面
材用途に適した繊維構造体を提供する。 【解決手段】 芯部に中空率40〜70%の中空部が存
在し、繊度が0.1〜1.5デニール、複合比が25/
75〜75/25の熱融着性複合繊維30〜100重量
%と、非熱融着性繊維70〜0重量%とから構成され、
嵩密度が0.01〜0.10g/cm3 、カンチレバー
値が10cm以下、引張強力が300g/5cm以上で
ある繊維構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高中空率の熱融着
性芯鞘型複合繊維を使用した、風合がソフトで、かつ嵩
高性、保温性、隠蔽性などに優れ、特に衛材表面材用途
に適した繊維構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙おむつやナプキンなどの衛材用
不織布としては、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリ
エステル/ポリエチレン、ポリエステル/低融点ポリエ
ステルなどの熱融着性複合繊維で構成されたものが主に
使用されている。なかでも、ポリプロピレン/ポリエチ
レンまたはポリエステル/ポリエチレンの複合繊維から
なる不織布は、ポリエステル/ポリエステル系複合繊維
に比べてソフトな風合を呈することから、衛材用不織布
素材の90%以上のシェアを占めている。
【0003】しかしながら、これらのポリオレフィンを
熱融着成分とする複合繊維は繊維がヘタリ易いため、例
えば不織布シートをロール状態で保管する際にシートの
嵩高さが低下しやすいという問題がある。さらには、前
記従来の熱融着性複合繊維からなる不織布は、製品化の
工程でエンボスまたはフラットカレンダー加工工程を経
ると、ペーパーライクなシートになりやすいという問題
もある。これらの理由により、従来の衛材用不織布は、
未だ織布のような肌触りまでは至っていないのが実情で
あり、これを改善すべく長年研究が進められてきてい
る。
【0004】例えば風合を改善する方法としては、構成
繊維の繊度を小さくする方法が試みられている。しか
し、通常の溶融紡糸方法では2.0デニール以下の細繊
度複合繊維を製造することは困難であるため、十分な風
合改善効果は実現されておらず、一方、分割型複合繊維
を製糸後に機械的に分割する方法では、分割後の繊維が
集合として挙動するために得られる不織布は緻密なもの
となりやすく、やはり全体としては風合が硬くなるとい
う問題の解消は依然として不十分である。
【0005】また別の方法として、繊維断面を偏平にす
る方法が提案されているが、風合は柔らかくなるもの
の、カード通過性が低下して安定に不織布を製造するこ
とが困難になるために生産コストが高くなりすぎるとい
う問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、織布に近い柔
らかい風合を呈し、しかも嵩高性、保温性、隠蔽性など
にも優れた、特に衛材表面材用途に好適に使用すること
ができる繊維構造体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記目的は、「繊維形成性重合体を芯成分とし、該
芯成分の融点よりも20℃以上低い温度で熱融着し得る
熱可塑性重合体を鞘成分とする複合繊維で、その芯部に
は中空率40〜70%の中空部が存在し、かつ繊度が
0.1〜1.5デニール、複合比率(鞘/芯重量比)が
25/75〜75/25である熱融着性中空芯鞘型複合
繊維(A)30〜100重量%と、非熱融着性繊維
(B)70〜0重量%とから構成され、該複合繊維
(A)の鞘成分の熱融着によって前記繊維間が部分的に
接合されている繊維構造体であって、該繊維構造体の嵩
密度が0.01〜0.10g/cm3 、カンチレバー値
が10cm以下、引張強力が300g/5cm以上であ
ることを特徴とする繊維構造体」により達成できること
が見出された。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の繊維構造体を構成する熱
融着性中空芯鞘型複合繊維(A)の芯成分としては、繊
維形成性重合体であれば任意の重合体を使用することが
でき、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィ
ンなどを、繊維構造体の使用目的に応じて適宜選択設定
すればよい。具体的には、ポリエステルとしては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ−1,4
−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、およびこれ
らを主成分とする共重合体などが例示できる。またポリ
アミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
46、ナイロン10、およびこれらを主成分とする共重
合体などが例示でき、さらにポリオレフィンとしては、
ポリプロピレンを例示することができる。なかでも、得
られる繊維構造体の耐久性(耐ヘタリ性)が向上する点
よりポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが
好ましい。
【0009】また、熱融着性中空芯鞘型複合繊維(A)
の鞘成分としては、上記芯成分に用いられた繊維形成性
重合体の融点より20℃以上、好ましくは40℃以上低
い温度で熱融着(融解または軟化)し得る、さらに好ま
しくは該熱融着温度が60〜200℃の範囲にある熱可
塑性重合体である必要がある。熱可塑性重合体の熱融着
温度が(繊維形成性重合体の融点−20℃)を越える場
合には、エンボスロールなどで熱融着処理して繊維構造
体を製造する際、芯成分も熱軟化して繊維構造体の強力
が低下するだけでなく、風合も硬化し、またエンボスロ
ールに繊維構造体が巻き付くなどのトラブルが多発する
ようになるので好ましくない。
【0010】鞘成分の熱融着温度が上記を満足すれば任
意の熱可塑性重合体を用いることができ、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−
1、およびこれらのランダムもしくはブロック共重合
体、あるいは、さらにメタクリル酸、アクリル酸、フマ
ル酸、クロトン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸
類を共重合したポリオレフィン系重合体;テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸成分と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ポリエチレングリコールなどのジオール成分と
からなるポリエステル系重合体;ナイロン10、ナイロ
ン12、あるいはこれらの共重合体などのポリアミド系
重合体;さらにはポリ(メタ)アクリル酸エステル、あ
るいはこれらの共重合体、オレフィン・酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、アイオノマー樹脂、ポリスチレ
ンなどを例示することができる。なかでもポリオレフィ
ン系重合体は、得られる繊維構造体の柔らかな風合が特
に良好なので好ましい。
【0011】また、該鞘成分としてポリオレフィン系エ
ラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの弾性熱
可塑性重合体、特にポリエステル系エラストマーを用い
ると、耐ヘタリ性が向上するだけでなく、繊維構造体に
伸縮性などの機能を付与できるので好ましい。
【0012】好ましく用いられるポリオレフィン系エラ
ストマーとしては、ビニル芳香族化合物をハード成分と
し、共役ジエン化合物をソフト成分とするブロック共重
合体に水素を付加した水添ブロック共重合体を例示する
ことができ、具体的には、ビニル芳香族化合物としてポ
リスチレン、α−メチルスチレンなど、また共役ジエン
化合物としてイソプレン、1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエンなどを用いたものが挙げられる。
【0013】一方ポリエステル系エラストマーとして
は、ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アル
キレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとする
ポリエーテルエステル共重合体を例示することができ、
具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、ビフェニル−4.4‘−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソ
フタル酸ナトリウムなどの芳香族カルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン
酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ド
デカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸などから選ばれた
少なくとも一種のジカルボン酸成分と、1,4−ブタン
ジオール、エチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、
あるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、トリシ
クロデカンジメタノール等の脂環族ジオールから選ばれ
た少なくとも一種のジオール成分、および平均分子量が
400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキ
シドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキ
シドとテトラヒドロフランとの共重合体などのポリ(ア
ルキレンオキシド)グリコールのうち少なくとも1種か
ら構成される共重合体を例示することができる。なかで
も、ポリテトラメチレンテレフタレートセグメントをハ
ードセグメントとし、ポリ(テトラメチレンオキシド)
グリコールセグメントをそフトセグメントとするポリエ
ーテルエステル共重合体が好ましい。
【0014】なお、上記芯成分および鞘成分を構成する
重合体には、曳糸性、延伸性、中空率アップ、鞘成分膠
着防止などのための工程安定化剤;制電剤、酸化防止
剤、熱安定剤、光安定剤、抗菌剤、消臭剤、遠赤外線放
射剤、耐久親水剤などの各種機能付与剤;二酸化チタ
ン、二酸化珪素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カ
ルシウムなどの艶消剤;その他平滑剤、難燃剤、顔料な
どの各種添加剤を配合してもよい。
【0015】上述の芯成分と鞘成分の複合繊維(A)に
おける複合比率(重量比)は、芯/鞘が25/75〜7
5/25、好ましくは30/70〜70/30とする必
要がある。鞘成分の割合が75重量%を越える場合に
は、繊維形成成分である芯成分の割合が少なくなりすぎ
て繊維強力が低下し、繊維構造体の強力が不十分となる
ので好ましくない。一方鞘成分の割合が25重量%未満
の場合には、熱圧着しても繊維間の融着が不十分とな
り、繊維構造体の強力が低下するだけでなく耐ヘタリ性
も不十分となるので好ましくない。
【0016】また複合繊維(A)は、その芯部に中空率
40〜70%、好ましくは50〜60%の中空部が存在
している必要がある。芯部の中空率が40%未満の場合
には、嵩高性が低下し、また保温性が低下するだけでな
く、得られる繊維構造体の風合も硬いものとなるので好
ましくない。一方70%を越える場合には、製糸時の中
空破断が多いため、熱カレンダー加工などで熱融着して
繊維構造体を製造する際、熱融着成分が中空部に入り込
んで風合を硬くするので好ましくない。なおここでいう
中空率は、複合繊維の全横断面積(繊維断面外周が形成
する図形の面積)を基準とするものである。
【0017】また複合繊維(A)の繊度は0.1〜1.
5デニール、好ましくは0.5〜1.0デニールの範囲
である必要がある。繊度が1.5デニールを越える場合
には、中空率が高いことと相俟って繊維外形が大きくな
るため、繊維構造体の柔軟性が低下するため好ましくな
い。一方0.1デニール未満の場合には、繊維構造体の
耐ヘタリ性が低下する上に、またカード工程を経る繊維
構造体形成方法においては、そのカード通過性が不十分
となるので好ましくない。
【0018】上述の熱融着性中空芯鞘型複合繊維(A)
は、抗菌性、親水性、耐久親水性、撥水性などの機能を
付与するために、繊維表面に各種処理剤を付与しても、
また放電処理などの表面加工を施してもよい。
【0019】本発明の繊維構造体を構成するもう一方の
成分である非熱融着性繊維(B)は、前記熱融着性複合
繊維(A)の熱融着温度よりも20℃以上高い融点を有
する重合体からなるものであれば、木綿などの天然繊
維、レーヨンなどの半合成繊維、ポリプロピレン繊維、
ポリエステル繊維などの合成繊維のいずれでもよいが、
特にポリエチレンテレフタレート繊維は耐ヘタリ性が向
上するのでより好ましい。また、該非熱融着性繊維Bの
繊度は、得られる繊維構造体の風合(柔軟性)および嵩
高性の観点から0.1〜1.5デニール、好ましくは
0.3〜1.0デニールの範囲が適当である。さらに、
中空率40〜80%の中空部が存在すると、繊維構造体
の嵩高性はさらに向上して、軽量性および保温性の優れ
たものが得られる。
【0020】かかる非熱融着性繊維(B)の、繊維構造
体を構成する繊維に対する割合は、0〜70重量%、好
ましくは0〜50重量%、特に好ましくは0〜30重量
%とする必要がある。繊維(B)の割合が70重量%を
越える場合には、繊維間を十分に熱融着させることがで
きなくなり、繊維構造体の強力が不十分となるので好ま
しくない。
【0021】なお、上記の複合繊維(A)および繊維
(B)はいずれも、短繊維、長繊維どちらでもよく、繊
維構造体の使用目的および用途に応じて適宜選択すれば
よい。例えば短繊維不織布として使用する場合には、捲
縮数を5〜30個/25mm、好ましくは8〜25個/
25mm、捲縮率を8〜50%、繊維長を20〜100
mm程度とするのが、カード工程の安定性および得られ
る繊維構造体の品位の点から適当である。
【0022】本発明の繊維構造体においては、上記の要
件に加えて、複合繊維(A)の鞘成分の熱融着によって
前記繊維間が部分的に接合され、その嵩密度が0.01
〜0.10g/cm3 、好ましくは0.03〜0.07
g/cm3 、カンチレバー値が10cm以下、好ましく
は5〜8cm、かつ引張強力が300g/5cm以上、
好ましくは500〜4000g/cmの範囲にあること
が肝要であり、かくすることにより、風合がソフトで、
かつ嵩高性、保温性、隠蔽性などにも優れ、例えば衛材
表面材として好適に使用することがものが得られる。
【0023】ここで嵩密度が0.01g/cm3 未満の
場合には、繊維構造体の破断強力が不十分になるだけで
なく、嵩高性の耐久性(耐へたり性)が不十分になる。
一方0.10g/cm3 を越える場合には、繊維構造体
が緻密になりすぎて風合が硬いものになる。またカンチ
レバー値が10cmを越える場合にも風合が硬くなり、
さらに引張強力が300g/5cm未満の場合には、繊
維構造体の耐久性が低下して本発明の目的を達成するこ
とができなくなる。
【0024】以上に述べた本発明の繊維構造体の製造方
法を、短繊維を使用した場合を例に挙げて、以下に説明
する。
【0025】先ず捲縮が付与された熱融着性中空芯鞘型
複合繊維(A)と非熱融着性繊維(B)とを所定の割合
で混綿し、これをカード機にかけてカードウェブとな
す。次いで得られたウェブは、所望の目付となるように
必要に応じて複数枚積層し、さらに必要に応じてニード
ルパンチやウォータージェットニードルなどで交絡を付
与した後、複合繊維(A)の芯成分の融点以下の温度で
かつ鞘成分が熱融着する温度で熱処理することにより、
該鞘成分の熱融着により繊維間が部分的に接合した繊維
構造体となす。
【0026】ここで熱処理方法としては、加熱雰囲気中
無加圧で処理する方法、加熱されたローラーで加圧熱処
理(フラットカレンダーまたはエンボスカレンダー)す
る方法いずれでもよく、また、熱処理に先立ち無加熱で
加圧処理した後に熱処理してもよい。特に、加圧熱処理
または加圧処理後に熱処理する方法で得られる繊維構造
体は、図1に示されるように繊維構造体表層部の中空繊
維が偏平化するので、風合は極めてソフトなものとな
り、一方内部の中空繊維は形状保持して高中空率のまま
なので嵩高性、保温性、隠蔽性といった特性の低下はほ
とんどない。また、表面層の熱融着性中空複合繊維が偏
平化することにより、繊維間隙が緻密となって液体の透
過性が低下するので、特に紙おむつやナプキンなどの衛
材表面材用として好適となる。
【0027】しかし加圧熱処理による熱融着では、熱処
理温度、圧力によっては逆に風合が硬くなる場合がある
が、その場合には、熱処理温度を低下させる、圧力を低
下させる、あるいはエンボスカレンダー加工の場合には
圧着面積率を変更するなどによって容易に改善すること
ができる。
【0028】
【実施例】以下実施例をあげて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中における各評価項目は、下記の測定
方法にしたがった。
【0029】<中空率>単繊維の横断面写真を撮影して
求めた。 <カード通過性>短繊維をローラーカードに速度20m
/分で通してウェブとなし、この時のカード通過性を3
段階評価し、下記基準で表した。 正常に運転可能:○、 一応運転可能:△、 運転不可
能:× <嵩密度>JIS−L1096 6.5に準拠し、荷重
2Kpaで測定した厚さ(mm)と、目付(g/m2
から次式によって算出した。 嵩密度(g/cm3 )=目付(g/m2 )/[厚さ(m
m)×1000]
【0030】<引張強力>JIS−L1096 6.1
2.1 A法により測定した。 <隠蔽性>繊維構造体(シート)下に、白地にエンジ色
の塗りつぶし円を描いた画用紙を敷き、その輪郭識別可
否の度合いを目視で判別した。 識別が可能(隠蔽性不十分):× 何とか識別が可能 :△ 識別が困難(隠蔽性良好) :○ <風合>得られた繊維構造体(シート)を、カンチレバ
ー法(JIS−L1096 6.19 A法)により評
価した。
【0031】[実施例1〜7、比較例1〜8]表1およ
び2記載のとおり熱融着性中空芯鞘型複合繊維(A)
(単に繊維Aと記す)、非熱融着性繊維(B)(単に繊
維Bと記す)を混綿し、ローラーカードに通してウェブ
となし、最終的に得られる繊維構造体(不織布シート)
の目付が50g/m2 となるように調整した後、圧着面
積率が11%、圧着面形状が菱形のエンボスロールを用
い、温度125℃、圧力30Kg/cm2 で熱圧着して
不織布を得た。結果を表1および2にまとめて示す。
【0032】なお表中、HDPEは高密度ポリエチレン
(融点135℃)、PETはポリエチレンテレフタレー
ト(融点260℃)、RAYONはレーヨン、cPES
は共重合ポリエステル(融点135℃)、POELはポ
リオレフィン系エラストマー(軟化点125℃)、PE
TEはポリエーテルエステル系エラストマー(融点15
5℃)を表す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の繊維構造体は、従来のものより
風合いがソフトで織布のような触感を呈し、しかも嵩高
性、保温性、隠蔽性などにも優れているので、特に衛材
用シートとして好適に使用することができる。また、加
圧処理した後または加圧と同時に熱融着処理することに
より得られる繊維構造体は、繊維表層部の中空繊維が偏
平化してさらに風合はソフトなものとなり、また表層部
の繊維間隙が緻密化することによって耐液透過性も低下
するので、極めて衛材表面材用途に好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維構造体の、表層部の中空繊維が偏
平化した繊維構造体の1模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 8/14 D01F 8/14 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性重合体を芯成分とし、該芯成
    分の融点よりも20℃以上低い温度で熱融着し得る熱可
    塑性重合体を鞘成分とする複合繊維で、その芯部には中
    空率40〜70%の中空部が存在し、かつ繊度が0.1
    〜1.5デニール、複合比率(鞘/芯重量比)が25/
    75〜75/25である熱融着性中空芯鞘型複合繊維
    (A)30〜100重量%と、非熱融着性繊維(B)7
    0〜0重量%とから構成され、該複合繊維(A)の鞘成
    分の熱融着によって前記繊維間が部分的に接合されてい
    る繊維構造体であって、該繊維構造体の嵩密度が0.0
    1〜0.10g/cm3 、カンチレバー値が10cm以
    下、引張強力が300g/5cm以上であることを特徴
    とする繊維構造体。
  2. 【請求項2】 非熱融着性繊維(B)の繊度が0.1〜
    1.5デニールである請求項1記載の繊維構造体。
  3. 【請求項3】 非熱融着性繊維(B)が、中空率40〜
    80%の中空繊維である請求項2記載の繊維構造体。
  4. 【請求項4】 熱融着性中空芯鞘型複合繊維(A)の芯
    部がポリエステル系重合体、鞘部がポリオレフィン系重
    合体である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の繊
    維構造体。
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