JP3562667B2 - 伸縮性長繊維不織布の製造方法 - Google Patents

伸縮性長繊維不織布の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全体に波状起伏を具備してなる伸縮性長繊維不織布の製造方法に関し、特に伸縮性,柔軟性及び嵩高性に優れた伸縮性長繊維不織布の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、伸縮性不織布としては、弾性のあるポリウレタン系繊維を集積してなる不織布や、捲縮繊維を集積してなる不織布が知られている。しかしながら、前者の不織布は、比較的繊度が大きく、また比重も重く、更に剛性の大きいポリウレタン系繊維を使用してなるものであるため、このポリウレタン系繊維の物性に由来して、柔軟性や嵩高性のある不織布を得ることは困難であった。また、後者の不織布は、捲縮繊維を使用しているため、前者の不織布に比べて、嵩高性や柔軟性を与えることは可能であると考えられ、捲縮繊維を使用した種々の不織布が提案されている(特開昭48−1471号公報、特公昭52−37097号公報、特公昭62−1026号公報、特開昭63−282351号公報)。
【0003】
しかしながら、これらの方法はいずれも、既に捲縮している顕在捲縮長繊維を集積させて不織布を得るという方法であるため、顕在捲縮長繊維が均一に集積されないという憾みがあった。即ち、顕在捲縮長繊維を均一に集積させるためには、この長繊維を十分に開繊しなければならない。しかし、長繊維の捲縮によって、長繊維相互間が絡みやすく、十分な開繊が困難であった。従って、得られた不織布には、開繊不良による斑が発生し、不均一な不織布しか得ることができなかった。
【0004】
このため、長繊維を集積させる段階では、長繊維に捲縮が発現しておらず、集積させた後に捲縮を発現させて、捲縮繊維を使用した不織布を得ることも提案されている。即ち、収縮率の異なる二成分がサイドバイサイド型に複合されてなる潜在捲縮性複合繊維、又は偏心芯鞘型に複合されてなる潜在捲縮性複合繊維を集積させて不織フリースを得た後、熱処理を行って、潜在捲縮性複合繊維に捲縮を発現させて不織布を得るというものである。この場合には、比較的均一な伸縮性不織布が得られるものの、嵩高性及び柔軟性に劣る不織布しか得られないという欠点があった。この理由は、潜在捲縮性複合繊維を集積させた不織フリースに嵩高性及び柔軟性を与えたとしても、その後捲縮を発現させるため、捲縮に伴う複合繊維の収縮によって、不織フリースも収縮し、その結果、得られる不織布が緻密化してしまうからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、伸縮性,嵩高性及び柔軟性に優れた、比較的均一な長繊維不織布を得ることを目的としてなされたものである。このような目的を達成するための本発明の基本的技術的思想は、捲縮繊維でも潜在捲縮性繊維でもない非捲縮の熱可塑性繊維を集積させて、均一な繊維フリースを得た後、この繊維フリースに強制的に曲げモーメントを作用させ、繊維フリース自体の持っている嵩高性や柔軟性を損なうことなく、熱可塑性繊維に二次元的捲縮を与え、更にこの二次元的捲縮によって伸縮性はもとより、嵩高性及び柔軟性をも一層向上させようというものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、熱可塑性長繊維を集積して繊維ウェブを得た後、該繊維ウェブの所定の区域に、熱及び圧力を作用させて、所定の間隔を置いて点融着区域を作成して繊維フリースを得、次いで、該繊維フリースの縦方向に座屈処理を施した後、該繊維フリースが未だ座屈している間に、該繊維フリースに該熱可塑性長繊維の融点以下の温度で且つ無押圧下で熱処理を行うことにより、該熱可塑性長繊維に二次元的捲縮を付与することを特徴とする、全体に亙って縦方向に進行する波状起伏を具備していると共に、該縦方向における伸長回復率が30%以上であり、更に嵩密度が0.1g/cm 3 以下である伸縮性長繊維不織布の製造方法に関するものである。
【0007】
まず、本発明において使用する熱可塑性長繊維について説明する。この熱可塑性長繊維は、捲縮長繊維でも潜在捲縮性長繊維でもない通常の長繊維である。即ち、ポリオレフィン系重合体,ポリアミド系重合体或いはポリエステル系重合体等の繊維形成性重合体を溶融紡糸し、牽引・延伸して得られた状態の長繊維である。従って、溶融紡糸後繊維ウェブ作成前において、捲縮処理を施した捲縮繊維は、本発明では用いることはできない。また、熱収縮率の異なる熱可塑性樹脂を、サイドバイサイド型や偏心芯鞘型に複合し溶融紡糸して得られる潜在捲縮性長繊維も、本発明では用いることはできない。しかしながら、複合溶融紡糸した場合であっても、同心円状の芯鞘型に複合して長繊維を得たような場合には、潜在捲縮性とならないので、本発明で使用することができる。なお、本発明においては、一般的には、一成分の繊維形成性重合体を溶融紡糸した熱可塑性長繊維が使用される。また、長繊維断面の形状は、断面円形又は断面異形等の任意の形状が採用される。
【0008】
本発明において、熱可塑性長繊維を使用する理由は、不織布に点融着区域を設けるためである。即ち、熱可塑性長繊維を部分的に軟化又は溶融させて、集積された熱可塑性長繊維相互間を融着させるためである。また、繊維フリース作成後に熱可塑性長繊維に二次元的捲縮を与え、更にこの二次元的捲縮を保持するためである。即ち、繊維フリースに曲げモーメントを与えることによって、熱可塑性長繊維に二次元的捲縮を与え、この状態で熱処理して、熱可塑性長繊維に恒久的な二次元的捲縮を保持させるためである。熱可塑性長繊維の繊度は、2〜12デニールであるのが好ましい。熱可塑性長繊維の繊度を2デニール未満にすると、溶融紡糸及び牽引・延伸の工程上、生産性が低下する傾向となる。また、繊度が12デニールを超えると、得られる不織布の地合が不均一になる傾向が生じ、外観的に商品価値が低下する。更に、熱可塑性長繊維の剛性が大きくなって、二次元的捲縮を与えにくくなる傾向が生じる。
【0009】
熱可塑性長繊維の溶融紡糸に使用される繊維形成性重合体としては、ポリオレフィン系重合体,ポリアミド系重合体又はポリエステル系重合体が一般的に使用される。ポリオレフィン系重合体としては、炭素原子数が2〜18の脂肪族α−モノオレフィンが好ましく、具体的にはエチレン,プロピレン,ブテン−1,ペンテン−1,3−メチルブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1,ドデセン−1,オクタデセン−1等のホモポリオレフィン又はこれらの共重合ポリオレフィンを使用するのが好ましい。また、炭素原子数が2〜18の脂肪族α−モノオレフィンと、その他のオレフィン及び/又は少量(重合体重量の約10重量%まで)の他のエチレン系不飽和モノマーとの共重合体を使用しても良い。エチレン系不飽和モノマーとしては、ブタジエン,イソプレン,ペンタジエン−1・3,スチレン,α−メチルスチレン等が採用される。特に、ポリエチレン系重合体であって、重合体重量の約10%まで、プロピレン,ブタン−1,ヘキセン−1,オクテン−1又はその他の高級α−オレフィンを共重合させたものを使用するのが、最も好ましい。
【0010】
ポリアミド系重合体としては、ナイロン−4,ナイロン−46,ナイロン−6,ナイロン−66,ナイロン−610,ナイロン−11,ナイロン−12,ポリメタキシリレンアジパミド(MXD−6),ポリパラキシリレンデカンアミド(PXD−12),ポリビスシクロヘキシルメタンデカンアミド(PCM−12)等を使用するのが好ましい。また、これらの重合体を得る際のモノマーを適宜共重合させた共重合ポリアミドを使用することも好ましい。
【0011】
ポリエステル系重合体としては、テレフタル酸,イソフタル酸,フタル酸,ナフタリン−2・6−ジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸又はこれらのエステル類、アジピン酸やセバシン酸等の脂肪族系ジカルボン酸又はこれらのエステル類等の酸成分と、エチレングリコール,ジエチレングリコール,1・4−ブタンジオール,ネオペンチルグリコール,シクロヘキサン−1・4−ジメタノール等のアルコール成分とを縮合して得られるポリエステルを採用するのが好ましい。また、これらの酸成分を複数使用したり或いはアルコール成分を複数使用し、共縮重合して得られるポリエステルを採用するのも好ましい。更に、これらのポリエステルに、パラオキシ安息香酸,5−ソジュームスルフォイソフタル酸,ポリアルキレングリコール,ペンタエリスリトール,ビスフェノールA等が共縮重合されていてもよい。
【0012】
また、本発明においては、上記した各種の重合体を混合して使用してもよい。例えば、二種の異なるポリアミド系重合体を混合して溶融紡糸して、熱可塑性長繊維を得ても良いし、ポリエステル系重合体とポリプロピレン系重合体を混合して溶融紡糸して、熱可塑性長繊維を得ても良い。特に、後者の場合、未配向で低結晶化のポリエステル系重合体に起因する収縮を抑制するのに効果的である。
【0013】
まず、本発明に係る方法で得られた伸縮性長繊維不織布について説明する。本発明に係る伸縮性長繊維不織布は、上記したような熱可塑性長繊維が集積されてなるものである。そして、この不織布には、熱可塑性長繊維の軟化又は溶融によって形成された点融着区域11が間隔を置いて設けられている。点融着区域11の個々の大きさは、任意に設定しうる事項であるが、一般的に0.1〜3.0mm2程度が好ましい。また、個々の点融着区域11の形状としては、どのような形状であっても差し支えなく、例えば円形,三角形,楕円形,正方形や菱形等の四辺形,スリット状等の任意の形状を採用することができる。また、点融着区域11の密度も、任意に設定しうる事項であるが、一般的に2〜100個/cm2であるのが好ましく、特に4〜60個/cm2であるのが最も好ましい。更に、不織布全面に対する点融着区域11の割合も、任意に設定しうる事項であるが、一般的に5〜50%であるのが好ましく、特に5〜20%であるのが最も好ましい。点融着区域11は集積した熱可塑性長繊維相互間を、その区域で融着させて繋ぎ留めておく役割を果たすものであることから、個々の面積が0.1mm2未満であったり、密度が2個/cm2未満であったり、或いはその割合が5%未満であると、熱可塑性長繊維を繋ぎ留めておく役割が低下する傾向が生じる。また、個々の面積が3.0mm2を超えたり、密度が100個/mm2を超えたり、或いはその割合が50%を超えると、点融着区域11外の区域、即ち非融着区域において二次元的捲縮が発現する熱可塑性長繊維の割合が相対的に少なくなって、伸縮性,嵩高性及び柔軟性の低下した不織布しか得られない傾向となる。
【0014】
本発明に係る伸縮性長繊維不織布は、図1に示す如く、全体に亙って縦方向に進行する波状起伏を具備するものである。ここで、縦方向とは、伸縮性長繊維不織布を製造する際における、不織布の流れ方向のことであり、機械方向と呼ばれることもある。また、縦方向に進行する波状起伏とは、縦方向に波立っているということであり、換言すれば、一つの波の山及び谷は横方向に連続しているということである。また、全体に亙ってとは、不織布の一部分に波状起伏があるのではなく、不織布の全体に波状起伏が設けられているということである。この波状起伏の高さ、即ち波の山と谷との距離(無荷重下における波の山と谷との距離である。)は、1〜3mmであるのが好ましい。波状起伏の高さが1mm未満であると、不織布に大きな伸縮性を与えることができなくなる傾向が生じる。また、波状起伏の高さが3mmを超えると、不織布をシート状として取り扱いにくくなる傾向が生じる。
【0015】
この波状起伏の形態は、不織布を構成している熱可塑性長繊維の二次元的捲縮の発現によって保持されているものである。ここで、二次元的捲縮とは、三次元的な捲縮である螺旋型を排除する趣旨であり、熱可塑性長繊維の繊維軸が上下に振幅しているという趣旨である。代表的には、熱可塑性長繊維を一対の歯車に噛み合わせて、その形態で固定したときに生じる、ギザギザ状の捲縮のことを意味している。本発明においては、この熱可塑性長繊維に二次元的捲縮によって、波状起伏の形態が保持されているのである。従って、熱可塑性長繊維の二次元的捲縮の捲縮振幅は、波状起伏の高さと同様に、1〜3mmであるのが好ましい。この熱可塑性長繊維の捲縮振幅は、不織布を構成している熱可塑性長繊維を拡大投影機にて任意に20箇所を選択して、捲縮部の振幅(山と谷との距離)を測定し、その平均値を求めたものである。また、捲縮数は5〜30個/インチであるのが好ましい。捲縮数が5個/インチ未満になると、波状起伏の山と山との間隔(又は谷と谷との間隔)が長くなって、伸縮性に劣る傾向が生じる。また、捲縮数が30個/インチを超えると、伸縮性は大きくなるが、熱可塑性長繊維に極めて過大な曲げモーメントを付加しなければそのような捲縮を与えることができず、捲縮を与えるときに熱可塑性長繊維が切断したり、或いは損傷する恐れがある。この熱可塑性長繊維の捲縮数は、不織布を形成している熱可塑性長繊維を拡大投影機にて任意に20箇所を選択し、インチあたりの捲縮数を数え、その平均値を求めたものである。
【0016】
本発明に係る長繊維不織布の伸縮性は、この波状起伏によって生じるものである。従って、この伸縮性は、長繊維不織布の縦方向に生じる。そして、本発明の場合、不織布の縦方向における伸長回復率は、30%以上とする。伸長回復率が30%未満になると、本発明で目的とするような伸縮性を得ることができない。ここで、伸長回復率(%)の測定方法は、以下のとおりである。即ち、長さ方向が縦方向となるように切断採取された長さlの試料に、JIS L−1018法に基づいて1.5kg荷重をかける。そして、伸長率の80%まで伸長して試料の長さを測定し、この長さをlとする。伸長した状態で、1分間放置した後、除重して3分間放置する。そして、試料の長さを測定し、その長さをlとする。以上のようにして測定した試料の長さl,l,lを用いて、次式によって伸長回復率を算出する。伸長回復率=[(l−l)/(l−l)]×100。なお、伸長回復率(%)を測定する際に使用する伸長率は、JIS L−1018法に基づき、1.5kg荷重をかけて測定したものである。
【0017】
また、本発明に係る伸縮性長繊維不織布の嵩密度は、0.1g/cm以下である。嵩密度が0.1g/cmを超えると、本発明で目的とする嵩高性を実現できない。ここで、伸長性長繊維不織布の嵩密度は以下のようにして測定されるものである。即ち、試料幅5cm,試料長10cmの試料片を5個準備し、個々の試料片ごとに目付(g/m)を測定した後、大栄科学精機製作所製厚さ測定機を用いて、4.5g/cmの荷重を印加し、10秒放置した後の厚さ(cm)を測定する。そして、次式によって各々5個の嵩密度を算出し、その平均値を本発明における嵩密度とした。嵩密度(g/cm)=[目付(g/m)]/[厚さ(cm)]/1000。
【0018】
また、本発明に係る伸縮性長繊維不織布の熱水収縮率は、10%以下であるのが好ましい。熱水収縮率が10%を超えると、用途によっては、不織布が収縮する恐れがあり、寸法安定性に欠けるという事態が生じる。ここで、熱水収縮率の測定方法は、以下のとおりである。即ち、伸縮性長繊維不織布から25cm四方の試料(試料面積S)を切断採取し、これを沸騰水中に3分間浸漬した後、乾燥し試料の面積Sを測定して、次式によって熱水収縮率を測定する。熱水収縮率(%)=[1−(S/S)]×100。
【0019】
本発明に係る伸縮性長繊維不織布の目付は、任意に決定し得る事項であるが、一般的には、15g/m〜130g/m程度であるのが好ましい。特に、比較的低目付の伸縮性長繊維不織布は、ベッドシーツ,枕カバー等の寝具類,生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の衛生材料の吸収材若しくは表面材,家庭用若しくは工業用の油吸着材として好適に使用しうるものである。また、比較的高目付の不織布は、フィルター,寝袋や寝具等の中入れ綿,増量材,カーペットや人工皮革用基布,園芸や苗床等の肥料吸収材,建築物の壁内等に収納する保温材として好適に使用しうるものである。
【0020】
以上説明した本発明に係る伸縮性長繊維不織布の製造方法は、以下のとおりである。まず、上記したようなポリオレフィン系重合体,ポリアミド系重合体又はポリエステル系重合体等の繊維形成性重合体を準備する。この繊維形成性重合体を紡糸口金を備えた溶融紡糸装置に供給して、従来公知の溶融紡糸法によって、一成分からなる熱可塑性長繊維又は二成分からなる熱可塑性複合長繊維(但し、この複合長繊維は潜在捲縮性のないものである。)を得る。ここで、溶融紡糸温度は、使用した繊維形成性重合体の融点に20〜60℃を加えた温度とするのが好ましい。溶融紡糸温度が低すぎると、紡糸速度を速くすることが困難になる傾向が生じ、比較的細デニールの熱可塑性長繊維を得にくくなる傾向が生じる。逆に、溶融紡糸温度が高すぎると、重合体の流動性が大きくなって、溶融紡糸時において、糸切れが多発する傾向が生じる。糸切れが起こると、切断端部が玉状の塊となり、これが不織布中に混在して、品位的に欠点のある不織布となる傾向が生じる。また、重合体の流動性が大きくなると、紡糸孔付近が汚れやすくなって、紡糸孔の洗浄が必要となって、操業性が低下する傾向が生じる。
【0021】
溶融紡糸して長繊維を得、この長繊維を冷却した後、エアーサッカーに導入する。エアーサッカーは、通常エアージェットとも呼ばれエアーの吸引と送り出し作用により、繊維を吸引し、繊維中の結晶を部分配向させて、熱的に安定な繊維構造とするものである。このエアーサッカーによって、得られた長繊維群は牽引作用により延伸される。引き続き、エアーサッカーの出口に設けられた開繊装置によって、長繊維群を開繊する。開繊方法としては、通常用いられているコロナ放電方法や衝突板に長繊維を衝突させる摩擦帯電方法等があり、いずれの方法でも構わない。次に、開繊された長繊維を移動する金網製の捕集コンベアー上に堆積し、繊維ウェブとする。なお、本発明においては、溶融紡糸し開繊されるまでの間において、長繊維には捲縮を与えない。捲縮を与えると、開繊工程で長繊維が十分に開繊されず、得られる繊維ウェブが不均一になる。
【0022】
次いで、この繊維ウェブは、加熱された凹凸ロールと平滑ロール間に導入して、凹凸ロールの凸部によって繊維ウェブの所定の区域に、熱及び圧力を作用させる。凹凸ロールの凸部は、所定の間隔を置いてロール上に配設されているものであるから、熱及び圧力は、繊維ウェブに所定の間隔を置いて所定の区域に施される。そして、この熱及び圧力によって、所定の区域内における熱可塑性長繊維を溶融又は軟化させて、点融着区域を形成することができる。ここで、加熱された凹凸ロールの加熱温度は、熱可塑性長繊維の融点よりも10℃以上低い温度であるのが好ましい。加熱温度がこれよりも高いと、熱可塑性長繊維の溶融が激しく、点融着区域に孔が開いてしまう恐れがある。ここで、熱可塑性長繊維の融点よりも10℃以上低い温度で処理することによって、熱可塑性長繊維が軟化又は溶融する理由は、圧力が併用されているからである。従って、この圧力(線圧)の程度は、凹凸ロールの加熱温度にもよるが、加熱温度が低いほど高い圧力を付与するのが一般的である。具体的には、10〜150kg/cmの範囲で適宜決定される。なお、熱可塑性長繊維の融点は、以下の如き方法で測定される。即ち、パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点とした。
【0023】
以上のようにして、繊維ウェブに点融着区域が設けられた繊維フリースを得た後、繊維フリースの縦方向(機械方向)に座屈処理を施す。座屈処理は、例えば、繊維フリースを縦方向に一定の供給速度で進行させて、この供給速度よりも遅い速度で排出させることによって行うことができ、この速度差に応じて、繊維フリースに曲げモーメントが働き、座屈処理が行われるのである。具体的には、図2に示す如き装置を用いれば、容易に座屈処理を行うことができる。この装置は、マイクレックス社製のマイクロクレーパー機であり、繊維フリース5の縦方向を進行方向として、繊維フリース5を一対の供給ローラー1,2を通し、レターダー3,4に押し込む。この際、一対の供給ローラー1,2の表面を若干加熱(例えば50〜100℃程度)しておいて、繊維フリース5中の熱可塑性長繊維が座屈しやすいようにしておいてもよい。これによって、繊維フリース5の縦方向に座屈処理が施されて、波状起伏が生じる。従って、波状起伏の高さやピッチ(山と山との距離)は、供給速度と排出速度の差及びレターダー3,4の間隔等によって、任意に決定できるのである。従ってまた、波状起伏が生じる源泉でもある、熱可塑性長繊維の捲縮振幅及び捲縮数も、供給速度と排出速度の差及びレターダー3,4の間隔等によって、任意に決定できるのである。また、この座屈処理時において、繊維フリースを構成する熱可塑性長繊維は、点融着区域によって部分的に固定されているので、繊維フリースが緻密化しにくく、柔軟性や嵩高性の低下を防止することができる。
【0024】
そして、この座屈処理による波状起伏が生じている間に(波状起伏が消失しないうちに)、熱処理装置7に通して熱処理を行う。熱処理は、繊維フリース5を構成している熱可塑性長繊維の融点以下の温度で行う。融点以上の温度で熱処理を行うと、熱可塑性長繊維が溶融する恐れがあり、非融着区域における熱可塑性長繊維相互間が融着し、得られる不織布の柔軟性が低下する恐れがある。ここで、熱可塑性長繊維の融点は、前記した方法で測定するものである。また、熱処理は、無押圧下で行う。押圧すると、繊維フリース5に生じた波状起伏が消失してしまう恐れがある。更に、繊維フリース5が圧縮されて、柔軟性に欠ける不織布しか得られない恐れもある。この熱処理によって、二次元的捲縮が発現している熱可塑性長繊維は、その形態に保持され、波状起伏もその形態に保持されるのである。更に、この熱処理によって、熱可塑性長繊維の結晶構造が安定化され、熱水収縮率を低く抑えることができる。以上のような座屈処理及び熱処理を繊維フリースに施すことによって、本発明に係る伸縮性長繊維不織布を得ることができる。なお、繊維フリース5に座屈処理を行う場合、繊維フリース5を得る工程と直列に接続して座屈処理を行い、伸縮性長繊維不織布を連続生産してもよいし、繊維フリース5を得る工程と、座屈処理を行う工程とを別工程とし、非連続的に伸縮性長繊維不織布を生産してもよい。
【0025】
以上のようにして得られた伸縮性長繊維不織布は、伸縮性,嵩高性及び柔軟性を兼ね備えたものであり、そのままで、上記したような種々の用途に使用することができる。また、伸縮性等を損なわない範囲内で、ステッチボンド法やキルト加工法等によって、縫い目を設けてもよい。本発明に係る伸縮性長繊維不織布には、点融着区域が設けられているので、ある程度の実用的な引張強力を持つものであるが、ステッチボンド法等で縫い目を設けた場合には、更に高い引張強力を実現できるのである。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。ここで、実施例中に示した物性値等の測定方法は、次のとおりである。なお、ここに挙がっていない物性値等の測定方法については、前述したとおりの方法を採用したものである。
[繊維形成性重合体の融点]:パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点とした。
[ポリプロピレンのメルトフローレート値(以下、単に「MFR」と言う)]:ASTM−D1238(L)に記載の方法により測定した。
[ポリエチレンのメルトインデックス値(以下、単に「MI」と言う)]:ASTM−D1238(E)に記載の方法により測定した。
[ポリエチレンテレフタレートの相対粘度]:フェノール/四塩化エタンの1/1重量比の混合溶媒にポリエチレンテレフタレートを溶解して、0.5g/100ccの濃度に調整し、20℃の温度で測定した。
[ナイロン6の相対粘度]:96%硫酸100mlに、1gのナイロン6を溶解し、25℃で常法によって測定した。
【0027】
[不織布の引張強力]:東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−100を用い、JIS−L−1096に記載のストリップ法にしたがい、試料幅5cm,試料長10cmの試料片を10個準備し、引張速度10cm/分の条件で最大引張強力を個々に測定し、その平均値を不織布の引張強力とした。
[不織布の引張伸度]:上記方法で測定した最大引張強力時の伸度を個々に測定し、その平均値を不織布の引張伸度とした。
[不織布の圧縮剛軟度]:試料幅5cm,試料長10cmの試料片を5個準備し、個々の試料片を長手方向に曲げて円筒状とし、その端部を接合して試料とした後、東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−100を用い、圧縮速度5cm/分の条件で試料を円筒の軸方向に圧縮し、その最大荷重時の応力を個々に測定し、その平均値を不織布の圧縮剛軟度とした。
【0028】
実施例1
融点が256℃、相対粘度が1.38のポリエチレンテレフタレートを、繊維形成性重合体として準備した。そして、このポリエチレンテレフタレートを、ノズル口金孔数162個を持つ錘数2個建ての単相紡糸機台に次の条件で供給した。即ち、紡糸温度を290℃とし、単孔吐出量を1.6g/分とした。そして、1錘あたりに6個のエアーサッカーを配設し、紡糸した長繊維を牽引した。引き続いて、牽引した長繊維をコロナ放電により開繊し、12m/minの速度で移動するコンベアーネット上に堆積して繊維ウェブを得た。繊維ウェブを構成している熱可塑性長繊維の繊度は2.6デニールであり、従って、換算紡糸速度は5600m/分であった。
【0029】
この繊維ウェブを、245℃に加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に導入し、線圧30kg/cmで点融着区域を設けて、繊維フリースを得た。この点融着区域の個々の面積は0.68mmであり、その密度は16/cmであった。また、点融着区域の面積の合計は、繊維フリースの全体の面積に対して、7.6%であった。次に、この繊維フリースを図2に示したマイクレックス社製のマイクロクレーパーII型を用いて、100m/分で動く一対のローラー(表面温度90℃)を通し、1.5mmの間隔を持つ一対のレターダー内に押し込んで座屈処理を施した。なお、繊維フリースは、縦方向に進行しており、縦方向に座屈処理が施された。そして、座屈した状態の繊維フリースを、直ちに、熱処理機に導入し180℃で熱処理して伸縮性長繊維不織布を得た。この伸縮性長繊維不織布は、縦方向に進行する波状起伏を持つものであり、また不織布を構成している熱可塑性長繊維にも、捲縮振幅が1.6mmで捲縮数が19.1個/インチの二次元的捲縮が生じていた。得られた伸縮性長繊維不織布の物性は、表1に示したとおりであった。
【0030】
実施例2
一対のレターダーの間隔を2.5mmにした他は、実施例1と同様にして伸縮性長繊維不織布を得た。この伸縮性長繊維不織布は、縦方向に進行する波状起伏を持つものであり、また不織布を構成している熱可塑性長繊維にも、捲縮振幅が2.8mmで捲縮数が7.4個/インチの二次元的捲縮が生じていた。得られた伸縮性長繊維不織布の物性は、表1に示したとおりであった。
【0031】
実施例3
融点が225℃、相対粘度が2.60のナイロン6を、繊維形成性重合体として準備した。そして、このナイロン6を使用して、実施例1と同一の条件で繊維ウェブを得た。繊維ウェブを構成している熱可塑性長繊維の繊度は2.8デニールであり、従って、換算紡糸速度は5100m/分であった。この繊維ウェブを、190℃に加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に導入する他は、実施例1と同一の条件で繊維フリースを得た。そして、更にローラーの表面温度を70℃とする他は、実施例1と同一の条件で座屈処理を施し、直ちに、熱処理機に導入し150℃で熱処理して伸縮性長繊維不織布を得た。この伸縮性長繊維不織布は、縦方向に進行する波状起伏を持つものであり、また不織布を構成している熱可塑性長繊維にも、捲縮振幅が1.1mmで捲縮数が18.9個/インチの二次元的捲縮が生じていた。得られた伸縮性長繊維不織布の物性は、表1に示したとおりであった。
【0032】
実施例4
融点が160℃、MFR50のポリプロピレンを、繊維形成性重合体として準備した。そして、このポリプロピレンを、ノズル口金孔数210個を持つ錘数2個建ての単相紡糸機台に次の条件で供給した。即ち、紡糸温度を210℃とし、単孔吐出量を1.4g/分とした。そして、1錘あたりに6個のエアーサッカーを配設し、紡糸した長繊維を牽引した。引き続いて、牽引した長繊維をコロナ放電により開繊し、15m/minの速度で移動するコンベアーネット上に堆積して繊維ウェブを得た。繊維ウェブを構成している熱可塑性長繊維の繊度は3.1デニールであり、従って、換算紡糸速度は4200m/分であった。
【0033】
この繊維ウェブを、135℃に加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に導入する他は、実施例1と同一の条件で繊維フリースを得た。次に、ローラーの表面温度を60℃とする他は、実施例1と同一の条件で座屈処理を施し、直ちに、熱処理機に導入し125℃で熱処理して伸縮性長繊維不織布を得た。この伸縮性長繊維不織布は、縦方向に進行する波状起伏を持つものであり、また不織布を構成している熱可塑性長繊維にも、捲縮振幅が1.4mmで捲縮数が16.4個/インチの二次元的捲縮が生じていた。得られた伸縮性長繊維不織布の物性は、表1に示したとおりであった。
【0034】
実施例5
鞘成分として、融点が132℃、MIが20g/10分のポリエチレンを使用し、芯成分として実施例1で用いたのと同様のポリエチレンテレフタレートを使用した。そして、同心円状の芯鞘型複合長繊維が得られる複合紡糸孔210個を持つ紡糸口金を備えた錘数2個建ての複合紡糸機台を用いて、次の条件で溶融紡糸を行った。即ち、ポリエチレンの紡糸温度を230℃とし、ポリエチレンテレフタレートの紡糸温度を285℃とし、各重合体の単孔吐出量を1.5g/分とした。従って、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートの複合比は1:1である。そして、1錘あたりに6個のエアーサッカーを配設し、紡糸した同心円状の芯鞘型複合長繊維を牽引した。引き続いて、牽引した複合長繊維をコロナ放電により開繊し、20m/minの速度で移動するコンベアーネット上に堆積して繊維ウェブを得た。繊維ウェブを構成している熱可塑性長繊維の繊度は2.9デニールであり、従って、換算紡糸速度は4700m/分であった。
【0035】
この繊維ウェブを、125℃に加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に導入する他は、実施例1と同一の条件で繊維フリースを得た。この繊維フリースを一旦巻き取った後、再び巻き戻して、ローラーの表面温度を60℃とする他は、実施例1と同一の条件で座屈処理を施した。この後直ちに、熱処理機に導入し110℃で熱処理して伸縮性長繊維不織布を得た。この伸縮性長繊維不織布は、縦方向に進行する波状起伏を持つものであり、また不織布を構成している熱可塑性長繊維にも、捲縮振幅が1.2mmで捲縮数が18.1個/インチの二次元的捲縮が生じていた。なお、この熱可塑性長繊維は、同心円状の芯鞘型複合長繊維であるため、製造中に加熱されても、芯成分と鞘成分との熱収縮率の差による捲縮は殆ど生じなかった。得られた伸縮性長繊維不織布の物性は、表1に示したとおりであった。
【0036】
実施例6
実施例5で得られた繊維フリースを一旦巻き取ることなく、連続して座屈処理及び熱処理を行って、伸縮性長繊維不織布を得た。座屈処理及び熱処理の条件は、マイクレックス社製のマイクロクレーパーII型に備えられた一対のローラー(表面温度60℃)の表面速度を、20m/分とした他は、実施例5と同一の条件で行った。この伸縮性長繊維不織布は、縦方向に進行する波状起伏を持つものであり、また不織布を構成している熱可塑性長繊維にも、捲縮振幅が1.3mmで捲縮数が25.6個/インチの二次元的捲縮が生じていた。なお、この熱可塑性長繊維は、同心円状の芯鞘型複合長繊維であるため、製造中に加熱されても、芯成分と鞘成分との熱収縮率の差による捲縮は殆ど生じなかった。得られた伸縮性長繊維不織布の物性は、表1に示したとおりであった。
【0037】
比較例1
実施例1で得られた繊維フリースに、座屈処理及び熱処理を施さずに、そのまま不織布とした。従って、この不織布(繊維フリース)を構成している熱可塑性長繊維には、二次元的捲縮は生じておらず、捲縮振幅0mmで捲縮数0個/インチであった。この不織布の物性は、表1に示したとおりであった。
【0038】
比較例2
実施例4で得られた繊維フリースに、座屈処理及び熱処理を施さずに、そのまま不織布とした。従って、この不織布(繊維フリース)を構成している熱可塑性長繊維には、二次元的捲縮は生じておらず、捲縮振幅0mmで捲縮数0個/インチであった。この不織布の物性は、表1に示したとおりであった。
【0039】
【表1】
Figure 0003562667
【0040】
実施例1〜6及び比較例1,2を対比すれば明らかな通り、実施例1〜6に係る方法で得られた伸縮性長繊維不織布は、比較例1及び2に係る方法で得られた不織布に比べて、伸縮性に優れ、柔軟性(圧縮剛軟度)にも優れ、嵩高性にも優れていることが分かる。また、実施例1〜6に係る方法で得られた伸縮性長繊維不織布は、熱水収縮率も十分に低くなっていることが分かる。これは、座屈処理した後の熱処理によって、熱水収縮率が低く抑えられていると考えられる。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係る方法で得られた伸縮性長繊維不織布は、熱可塑性長繊維の二次元的捲縮によって発現した、全体に亙って縦方向に進行する波状起伏を具備しているので、縦方向に良好な伸縮性を有するという効果を奏するものである。また、この伸縮性長繊維不織布は、その嵩密度が0.1g/cm3以下に調整されているので、嵩高性及び柔軟性にも優れるという効果を奏するものである。〔発明の名称〕伸縮性長繊維不織布の製造方法
【0042】
また、本発明に係る伸縮性長繊維不織布の製造方法は、繊維フリースに座屈処理及び熱処理を施して、熱可塑性長繊維に二次元的捲縮を付与するものであるため(即ち、繊維フリース自体の形態を変えて二次元的捲縮を発現させるものであるため)、繊維フリースの形態をそのままにして熱可塑性長繊維に捲縮を発現させる場合とは異なり、繊維フリース自体が収縮して緻密化し柔軟性が低下したり、或いは嵩高性が低下したりすることを防止できるという効果を奏する。そして、更に座屈処理及び熱処理によって付与された、熱可塑性長繊維の二次元的捲縮によって、より一層、柔軟性及び嵩高性が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る伸縮性長繊維不織布の模式的斜視図である。
【図2】本発明に係る伸縮性長繊維不織布の製造方法における、座屈処理及び熱処理工程の一例を示した模式的側面図である。
【符号の説明】
1 供給ローラー
2 供給ローラー
3 レターダー
4 レターダー
5 繊維フリース
6 伸縮性長繊維不織布
7 熱処理装置
11 点融着区域

Claims (3)

  1. 熱可塑性長繊維を集積して繊維ウェブを得た後、該繊維ウェブの所定の区域に、熱及び圧力を作用させて、所定の間隔を置いて点融着区域を作成して繊維フリースを得、次いで、該繊維フリースの縦方向に座屈処理を施した後、該繊維フリースが未だ座屈している間に、該繊維フリースに該熱可塑性長繊維の融点以下の温度で且つ無押圧下で熱処理を行うことにより、該熱可塑性長繊維に二次元的捲縮を付与することを特徴とする、全体に亙って縦方向に進行する波状起伏を具備していると共に、該縦方向における伸長回復率が30%以上であり、更に嵩密度が0.1g/cm 3 以下である伸縮性長繊維不織布の製造方法。
  2. 熱可塑性長繊維の繊度が2〜12デニールである請求項記載の伸縮性長繊維不織布の製造方法。
  3. 熱可塑性長繊維の融点よりも10℃以上低い温度による熱及び圧力を作用させて、所定の間隔を置いて点融着区域を作成し、且つ該点融着区域の占める合計の面積が、繊維フリース全体の面積に対して5〜50%である請求項又は記載の伸縮性長繊維不織布の製造方法。
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