JPH11222534A - 塩化ビニル系樹脂廃棄物の処理方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂廃棄物の処理方法

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JPH11222534A
JPH11222534A JP2622498A JP2622498A JPH11222534A JP H11222534 A JPH11222534 A JP H11222534A JP 2622498 A JP2622498 A JP 2622498A JP 2622498 A JP2622498 A JP 2622498A JP H11222534 A JPH11222534 A JP H11222534A
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JP
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vinyl chloride
chloride resin
dehydrochlorination
resin waste
waste
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JP2622498A
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Yoichi Takeyama
洋一 武山
Sasagu Imaizumi
奉 今泉
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】処理物が融着して塊状になるのを防止し、設備
の閉塞、熱分解率や脱塩化水素率の低下による運転不能
を回避し、効率よく塩化ビニル系樹脂廃棄物を処理する
方法を提供する。 【解決手段】塩化ビニル系樹脂廃棄物に固着防止剤とし
て二価金属の化合物を加え、これを酸素濃度0〜12容
量%、温度200〜400℃の雰囲気下、流動状態又は
転動状態にて脱塩化水素率が70%以上になるように熱
分解・脱塩化水素処理し、非固着性の残渣炭化物を生成
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
廃棄物の処理方法の改良に関するものである。さらに詳
しくは、本発明は、塩化ビニル系樹脂廃棄物を熱分解・
脱塩化水素処理するに際し、処理物が融着して塊状にな
るのを防止し、設備の閉塞、熱分解率や脱塩化水素率の
低下による運転不能を回避することにより、効率よく塩
化ビニル系樹脂廃棄物を処理する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂廃棄物を燃焼すると、
塩化水素の発生により、人体に悪影響を及ぼしたり、廃
棄物燃焼設備が腐食するおそれがあるため、従来、まず
廃棄物の中から、塩化ビニル系樹脂廃棄物を分別処理し
て特定の処置が施されており、この分別処理に手間がか
かるのを免れないという問題があった。このようにして
分別された一般廃棄物中の塩化ビニル系樹脂廃棄物や塩
化ビニル系樹脂重合工場などで製造ロスとして発生する
重合器内壁に付着したスケールや、乾燥された樹脂粉末
の篩上の粗粒などの塩化ビニル系樹脂廃棄物は、塩素含
有率が40〜56重量%程度と高いので、通常埋め立て
処理されてきた。一方、塩化ビニル系樹脂の成形加工工
程や成形品の使用済みに際して発生する塩化ビニル系樹
脂廃棄物の破砕物の処理方法としては、例えば該廃棄物
中に含まれる塩素に対し、アルカリ土類金属酸化物など
の中和剤を0.5〜5.0倍モルの割合で添加することに
よって、熱分解で発生した塩化水素を、アルカリ土類金
属塩化物として捕捉する方法が提案されている(特開平
7−150150号公報など)。しかしながら、この方
法は、樹脂の残査が融着して塊状となりやすく、また、
アルカリ土類金属酸化物などの中和剤を多量必要とする
ため、好ましい方法とはいえない。他方、塩化ビニル系
樹脂廃棄物は、塩素含有量が多く、塩化水素の発生原料
として利用価値が高い。例えば、塩素含有廃棄物燃焼ガ
スから、周知の洗浄、精製技術の組合せで、高品質の塩
化水素を回収する技術が開示されている(特開平8−1
09007号公報)。しかしながら、廃棄物中の塩化ビ
ニル系樹脂廃棄物の含有量が高くなるほど、熱分解や燃
焼に際して、塩化ビニル系樹脂同士が融着して塊状とな
りやすく、その結果、設備の閉塞や熱分解率の低下をも
たらし、運転不能となる問題が発生しやすくなる。ま
た、塩素含有重合体を含む廃棄物を、アルカリ金属酸化
物又はアルカリ土類金属酸化物と共にプラスチック製容
器に詰めて、300〜1000℃の温度で還元性雰囲気
下、熱分解する方法が開示されている(特開平8−22
9533号公報)。しかしながら、この方法において
は、処理生成物が固着し、後処理が困難であるという問
題を有している。したがって、塩素含有率が40〜56
重量%と高い塩化ビニル系樹脂廃棄物の熱分解又は焼却
技術は、確立されておらず、そのため、通常埋め立て処
理されているのが実状である。また、塩化ビニル系樹脂
又は塩素含有樹脂を、他の塩素を含まないプラスチック
と合わせて熱分解や焼却をすると、前記したように塩化
水素が生成し、またダイオキシンなどの有害物質が発生
するおそれがある。また、ダイオキシンの排ガス抑制対
策として、温度800℃以上、時間2秒間以上などの条
件で完全燃焼させるように、産業廃棄物処理法が改正さ
れたが、この焼却炉では、ダイオキシン焼却のために補
助燃料を使用するので、電力又は蒸気として廃熱回収す
る必要があり、やはり、高温下での塩化水素による廃熱
回収設備の腐食問題がある。したがって、廃棄物を焼却
処理するには、廃棄物中の塩素含有量をある程度下げる
必要があった。例えば、廃プラスチックの再資源化の有
力な方法として、高炉原料化、セメントキルン燃料化な
どが提言されているが、その前提として、前処理技術が
開発されて塩素含有量が低減できれば、発電用ボイラー
の燃料などに十分利用でき、地球温暖化対策の二酸化炭
素削減にも寄与できる。 また、塩化ビニル系樹脂の難分解性の観点から、塩化ビ
ニル系樹脂廃棄物を埋め立て処理することは、大気、水
質、土壌への汚染及び環境上、あまり問題はないことが
分かっているが、昨今の社会問題により、埋め立て用地
が少なくなっているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、塩化ビニル系樹脂廃棄物を熱分解・脱塩
化水素処理し、燃料として有用な塩素含有量の低い残渣
炭化物を生成させるに際し、処理物が融着して塊状にな
るのを防止し、設備の閉塞、熱分解率や脱塩化水素率の
低下による運転不能を回避し、効率よく塩化ビニル系樹
脂廃棄物を処理する方法を提供することを目的としてな
されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル系
樹脂廃棄物に、ある種の固着防止剤を所定の割合で加
え、この混合物を、流動状態又は転動状態にて特定の条
件で、熱分解・脱塩化水素処理することにより、その目
的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)塩
化ビニル系樹脂廃棄物に、固着防止剤として二価金属の
化合物を加えて、酸素濃度0〜12容量%及び温度20
0〜400℃の雰囲気下で、流動状態又は転動状態にて
脱塩化水素率が70%以上になるように熱分解・脱塩化
水素処理し、非固着性の残渣炭化物を生成させることを
特徴とする塩化ビニル系樹脂廃棄物の処理方法、を提供
するものである。また、本発明の好ましい態様は、
(2)非固着性の残渣炭化物が塩素含有率0.5重量%
以下のものである第(1)項記載の処理方法、及び
(3)固着防止剤としての二価金属の化合物が、銅、亜
鉛及びマグネシウムの酸化物並びに塩化物の中から選ば
れた少なくとも1種である第(1)、(2)項記載の処
理方法、が提供される。また、好ましい態様として、
(4)残渣炭化物を燃焼して得られた灰分を固着防止剤
として再使用する第(1)、(2)項記載の処理方法、
が挙げられる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の方法において用いられる
塩化ビニル系樹脂廃棄物としては大きさに特に制限はな
く、例えば塩化ビニル系樹脂重合工場などで製造ロスと
して発生する重合器内の洗浄水懸濁粒子、乾燥された樹
脂粉末の篩上の粗粒、品種切換生産時の製造系列の排出
品などの塩素含有量の高い(例えば40〜56重量%程
度)塩化ビニル系樹脂廃棄物が好適に用いうる。本発明
においては、前記塩化ビニル系樹脂廃棄物の大きさにつ
いては、流動状態又は転動状態を維持し、熱分解・脱塩
化水素を効率よく進行させ、かつ非固着性の残渣炭化物
を生成させるために、粉状又は粒状のものであることが
好ましい。すなわち、Tyler標準篩で99重量%以
上の樹脂が4メッシュ(目開き4.699mm)通過する
大きさであることが好ましく、6メッシュ(目開き3.
327mm)通過する大きさであるとさらに好ましい。一
方、流動状態で処理する場合は、塩化ビニル系樹脂廃棄
物の大きさは小さすぎると飛散するおそれがあるので、
99重量%以上の樹脂が、325メッシュ(目開き43
μm)の篩上であることが好ましく、200メッシュ
(目開き74μm)の篩上であるとさらに好ましい。ま
た、単一粒子平均径が0.1〜10μmの乳化重合、微
細懸濁重合などにより得られた粒子の場合は、集合体に
して顆粒状としたものが好ましい。すなわち、流動、転
動のいずれの場合も、凝集沈殿させて、径1〜15mm程
度の顆粒に乾燥させたものであると好ましい。凝集沈殿
の際に後述の塩化マグネシウムなどの固着防止剤を添加
して、凝集体の中に固着防止剤が分散していることが好
ましい。本発明の方法においては、固着防止剤として二
価金属の化合物、例えば二価金属の酸化物や塩化物など
が用いられる。この固着防止剤としての二価金属の化合
物の例としては、銅、亜鉛、マグネシウムの酸化物や塩
化物を好ましく挙げることができる。これらは単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、アルカリ金属の酸化物や塩化物は、固着防止剤と
しての効果が小さく、好ましくない。
【0006】本発明においては、この固着防止剤として
の二価金属の化合物の添加量は特に制限はないが、塩化
ビニル系樹脂廃棄物100重量部に対して、2〜500
重量部が好ましく、さらに好ましくは、3〜250重量
部の範囲である。この量が2重量部未満では流動床内で
の流動状態が不良となり、所望の脱塩化水素率(塩化ビ
ニル系樹脂中の全塩素原子に対する、塩化水素として離
脱した塩素のモル%)を達成しがたく、また、非固着性
の残渣炭化物が得られにくい。一方、500重量部を超
えるとその量の割には効果の向上が認めがたく、むしろ
経済的に不利となる上、生成した残渣炭化物を燃料とし
て用いた場合、灰分が多くなり、種々のトラブルを引き
起こすおそれがある。流動床内での流動状態、脱塩化水
素率、残渣炭化物の非固着性や燃料としての性能などを
考慮すると、この固着防止剤としての二価金属の化合物
の特に好ましい添加量は4〜15重量部の範囲である。
また、本発明においては、この固着防止剤として、本発
明の塩化ビニル系樹脂廃棄物の処理方法で生成した残渣
炭化物を燃焼して得られた灰分を再使用することができ
る。すなわち、本発明においては、固着防止剤の再生が
可能であり、工業的に有利である。本発明においては、
前記の塩化ビニル系樹脂廃棄物に固着防止剤としての二
価金属の化合物を添加した混合物を、流動状態又は転動
状態で熱分解・脱塩化水素処理する。流動状態で処理す
るには、通常流動床が用いられる。一方、転動状態で処
理するには、一般にロータリーキルンや回転容器のよう
な処理中の塩化ビニル系樹脂廃棄物が静置せずに転がり
続ける装置が用いられる。流動床用流動ガス又は転動容
器導入ガスとして、酸素濃度0〜12容量%のガスが用
いられる。この酸素濃度が12容量%を超えると処理中
に処理物が燃焼して本発明の目的が達せられなくなるお
それがある。このような酸素濃度を有するガスは、例え
ば窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスと、空気
又は酸素ガスとを適当な割合で混合することにより調製
することができるが、経済性の点から、窒素ガスと空気
とを混合して調製するのが有利である。また、流動ガス
又は転動容器導入ガスの流量については、処理物が流動
又は転動の状態を維持しうる流量であればよく、特に制
限はない。
【0007】本発明においては、熱分解・脱塩化水素処
理の温度は200〜400℃の範囲で選ぶことが必要で
ある。この温度が200℃未満では熱分解速度が遅すぎ
て、所望の脱塩化水素率を達成するのに極めて長時間を
要し、実用的でないし、400℃を超えるえると装置が
塩化水素により、腐食されやすくなる。熱分解速度及び
装置の腐食などを考慮すると、好ましい温度は250℃
以上350℃未満である。また、処理時間は、処理温度
などにより左右され、一概に定めることはできないが、
一般的には10分ないし1時間の範囲で十分である。本
発明の方法においては、脱塩化水素率が70%以上であ
り、かつ非固着性の残渣炭化物が生成する。脱塩化水素
率が70%未満では残渣炭化物中の塩素含有率が28.
3%より高くなって、該残渣炭化物は燃料として使用し
にくくなる。残渣炭化物中の塩素含有率の点から、この
脱塩化水素率は90%以上が好ましく、特に95%以上
が好ましい。また、生成した残渣炭化物は、燃料として
用いる場合、特に塩素含有率が0.5重量%以下のもの
が好適である。このような塩素含有率の残渣炭化物を生
成させるには、使用する塩化ビニル系樹脂廃棄物中の塩
素含有率を調節したり、処理条件を前記範囲内で適宣選
定すればよい。このようにして生成した塩素含有率の低
い残渣炭化物は、ボイラーなどの燃料として利用するこ
とができる上、この際、燃焼して生成した灰分は、前記
したように、塩化ビニル系樹脂廃棄物の熱分解・脱塩化
水素処理において、固着防止剤として再使用することが
できる。したがって、塩化ビニル系樹脂廃棄物の処理方
法として、前記のような方法を採用することにより、埋
め立て処理廃棄物量を1/100以下にすることができ
る。
【0008】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに、詳細
に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限
定されるものではない。なお、実施例においては、下記
の図1に示す実験装置を使用した。図1は、本発明の実
施例で使用した塩化ビニル系樹脂廃棄物の熱分解流動床
実験装置の全体構成図であって、この装置は、主要機器
として流動ガス中の酸素濃度を調節する流量計、流動ガ
スを加熱する熱交換器、流動床及び発生塩化水素の中和
槽から構成されている。流量計2は空気のフロート式流
量計であって、圧力5kg/cm2Gのサービスラインより
ニードル弁1で流量が調整され、一方、流量計4は窒素
のフロート式流量計であって、窒素ボンベ(図示せず)
より2次圧力5kg/cm2Gに落として、ニードル弁3で
流量が調整される。所定酸素濃度に設定した流動ガス
は、外径8mm、内径6mmの銅管5を通じて、熱交換器7
へ送られる。熱交換器7は箱型の缶で2段になってお
り、中には外径8mm、内径6mm、長さ40mの銅管8
を、約径50mmのコイル状にして圧縮状態で挿入されて
いる。熱風機9としては、市販のライスター熱風機
(1.5kW、600℃、300リットル/分)を使用
した。流動ガスの温度調節は、熱風機9の温度セット値
と風量調節セット値で行った。熱交換器7で加熱された
流動ガスは、外径8mm、内径6mmの銅管10を通り、熱
分解流動床20へ送られる。熱分解流動床20は、流動
ガス流入部13、塩化ビニル系樹脂廃棄物の試料分解部
14及び上部外筒15、16より構成され、クリーニン
グしやすいように4分割されている。この熱分解流動床
20のサイズは、流動ガス流入部13では内径40mm、
上部外筒15、16では内径80mmで、総高さ500mm
のテーパー型流動床である。なお、試料の分解部14を
テーパー型とした理由は、試料をより少ない流動ガスで
流動でき、かつ試料の飛散防止のためである。各分割部
は、スリガラス合わせ17、18、19において、グリ
ップ22で固定されている。また、試料の分解部14に
は、試料の分解温度を測定する温度計21が挿入されて
いる。試料を乗せる目皿23は、40メッシュの金網を
使用した。分解ガスは、外径12mm、内径10mmのガラ
ス管26を通じて、発生した塩化水素を吸収させるアル
カリ液31を収容した中和槽30へ導かれる。なお、図
には示されていないが、熱交換器7から流動床の下部1
3の流動ガス導入口12までは、保温材が施されてお
り、また熱分解流動床20及び中和槽30はドラフト内
に設置されている。6、11は圧力計、24はジャケッ
ト、25は共栓である。また、塩化ビニル系樹脂廃棄物
及び処理後の残渣中の塩素含有率は、下記の方法に従っ
て測定した。 <試料中の塩素含有率の測定方法>測定試料1gをアル
ミニウム皿に採り、105±2℃の恒温乾燥器に入れ、
40分間乾燥したのち、定量用ろ紙に乾燥試料100±
1mgを精秤し、包んで白金バスケット中に納め、この白
金バスケットをエルレンマイヤーフラスコに載せてお
く。これとは別に、エルレンマイヤーフラスコに蒸留水
約50mlを入れ、酸素ガスを充満させたのち、ガラス栓
をする。次に、前記エルレンマイヤーフラスコに載せて
あった白金バスケットを取り、ろ紙の先端に火をつけ、
すばやく酸素の入った燃焼フラスコに入れて密栓し、栓
の上に水を入れて封じ込め、燃焼時には手で栓を抑えて
おく。試料を含むろ紙が完全に燃焼したのち、フラスコ
を振って塩化水素を水によく吸収させる。次いで、白金
バスケットを燃焼フラスコ上で水洗したのち、エルレン
マイヤーフラスコに載せておく。燃焼フラスコ中の内容
物を5分間煮沸して二酸化炭素を追い出したのち、放冷
後、混合指示薬(ブロムクレゾールグリーン0.1g及
びメチルレッド0.3gをエタノール100ml中に溶解
した溶液)を2〜3滴加え、全液量を80mlとし、これ
を1/10Nの水酸化ナトリウム標準溶液で滴定し、赤
色より緑色に変色した時点を終点とする。下記の式によ
り、試料中の塩素含有率を算出する。 塩素含有率(重量%)=水酸化ナトリウム標準溶液滴定
量(ml)×F×0.354/試料重量(g) (F=1/10NのNaOH標準溶液のファクター) 参考例 電気炉を使用して、固着防止剤を検討した。懸濁重合に
よる汎用塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製、商品名:
ZEST1000Z、平均重合度1050、99重量%
以上の樹脂がTyler標準篩60メッシュ(目開き2
46μm)通過で、99重量%以上の樹脂が200メッ
シュ(目開き74μm)の篩上となる大きさ]100g
と固着防止剤としての各種金属化合物5g(5PHR)
をらいかい機に入れ、30分間混練りしたのち、この調
合試料1gをルツボに入れ、静置状態で温度260℃に
設定した電気炉中で、30分間熱分解処理した。なお、
各種金属化合物として、CuCl2、CaCl2、ZnC
2、MgCl2、AlCl3、KCl及びNaClの塩
化物と、MgO、CaO、CuO、ZnO、Al23
酸化物を用いた。なお、PHRは100重量部に対する
重量部を示す。以下同様である。結果を第1表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】注(1)処理温度:260℃、処理時間:
30分間、試料量:1.0g、塩化ビニル樹脂(ZES
T1000Z)中の塩素含有率:56.8重量% (2)試料の固着状態 ○:サラサラしている、 △:手でほぐせばサラサラする、 ×:固くてほぐせない。 第1表から分かるように、MgO、ZnCl2及びMg
Cl2を添加した場合、固着がなく、サラサラした顆粒
炭化物が得られ、また、CaO、CuO、ZnO、Ca
Cl2及びCuCl2を添加した場合には、粉体全体が弱
い力でまとまっているが、軽く手でほぐすとサラサラと
ほぐれる炭化物が得られた。一方、他の金属化合物を添
加した場合及び金属化合物無添加の場合は、炭化物はル
ツボに固着し、手で容易にほぐすことができなかった。
すなわち、MgO、ZnCl2、MgCl2、CaO、C
uO、ZnO、CaCl2及びCuCl2が固着防止剤と
して有用であり、特にMgO、ZnCl2及びMgCl2
が有用である。 実施例1 図1に示す熱分解流動床を使用して、熱分解温度と脱塩
化水素率及び流動状態を検討した。1000mlのビーカ
ーに、塩化ビニル樹脂製造工場における生産品種切換え
時の乾燥系からの排出粉、すなわち、微細懸濁重合、噴
霧乾燥を経たペースト加工用塩化ビニル樹脂粉体(一次
粒子径0.2〜3μmの粒子が、二次粒子径0.2〜60
μmに集合した乾燥粉体)である塩化ビニル樹脂廃棄物
200gと固着防止剤としてのMgO10g(5PH
R)を入れ、水媒体スラリーとして、マグネットスター
ラーで30分間撹拌混合した。これを3時間放置したの
ち、分離した上澄み液を除き、105℃で40分間乾燥
させ、次いで、乾燥させた試料を粉砕し、篩を使用し
て、それぞれ99重量%以上の樹脂が8メッシュ(目開
き2.362mm)を通過し、かつ16メッシュ(目開き
1.991mm)を通過しない大きさの試料を調合した。
すなわち、試料の粒径を1.99〜2.36mmの範囲にそ
ろえた。図1に示す熱分解流動床を所定温度に暖気運転
し、熱分解流動床上部の共栓25をとり、上記混合試料
42g(塩素含有量22.5g、塩素含有率53.6重量
%)を投入して流動状態で熱分解させた。流動ガス流量
=24ノルマルリットル/分(空気6ノルマルリットル
/分、窒素18ノルマルリットル/分)、流動ガス酸素
濃度=5.3容量%、処理時間=30分間一定にして、
熱分解温度=240、260、280、300及び32
0℃における脱塩化水素率と流動状態を評価した。すな
わち、流動媒体砂のない塩化ビニル樹脂廃棄物単独の調
合試料を流動させ、脱塩化水素させた。結果を第2表に
示す。
【0011】
【表2】
【0012】第2表から分かるように、すべての条件で
流動状態が良好であり、試料の融着・固着は観察されな
かった。分解温度300℃で、処理後の残渣中の塩素含
有率は0.47重量%であった。すなわち、脱塩化水素
率は99.6%であった。 実施例2 図1に示す熱分解流動床を使用し、固着防止剤としての
MgO量と脱塩化水素率及び流動状態を検討した。試料
の調合は、実施例1と同様にして行った。また、熱分解
流動床の処理条件として、流動ガス流量=24ノルマル
リットル/分(空気6ノルマルリットル/分、窒素18
ノルマルリットル/分)、流動ガス酸素濃度=5.3容
量%、処理時間=30分間、熱分解温度=300℃一定
にして、MgO添加量を無添加、1.3、2.5、5.
0、7.5及び15.0PHR(塩化ビニル樹脂廃棄物1
00重量部に対する重量部)と変えて、脱塩化水素率と
流動状態を評価した。結果を第3表に示す。
【0013】
【表3】
【0014】第3表から分かるように、MgO添加量
5.0PHR以上で流動状態は非常に良好であり、処理
後の残渣の融着・固着は観察されなかった。また、Mg
O添加量が2.5PHRでは流動状態はやや良好であ
り、1.3PHR以下では流動状態はやや不良で、かつ
残渣同士の融着及び流動床のガラス壁面への固着が観察
された。MgO添加量5.0PHR以上で、処理後の残
渣中の塩素含有率は0.47重量%以下であった。すな
わち、脱塩化水素率は99.6%以上であった。一方、
MgO添加量2.5PHRで脱塩化水素率は74.7%で
あり、1.3PHR以下で、脱塩化水素率は64.5%以
下であった。 実施例3 図1に示す熱分解流動床を使用し、流動ガス酸素濃度と
脱塩化水素率及び流動状態を検討した。試料の調合は、
実施例1と同様にして行った。また、熱分解流動床の処
理条件として、流動ガス流量=24ノルマルリットル/
分、固着防止剤としてのMgO添加量=5.0PHR、
処理時間=30分間、熱分解温度=260℃一定にし、
流動ガス酸素濃度を0、1.8、5.3、7.0、10.5
及び15.8容量%に変えて、脱塩化水素率及び流動状
態を評価した。結果を第4表に示す。
【0015】
【表4】
【0016】すべての条件で流動状態は良好であり、処
理後の残渣の融着、固着は観察されなかった。また、流
動ガス酸素濃度が10.5容量%以下では、熱分解流動
床の温度制御が可能であったが、流動ガス酸素濃度が1
5.8容量%では熱分解流動床の温度制御ができず、一
部の試料が燃焼したため中断した。実施例3の結果か
ら、流動ガス酸素濃度は12容量%以下が好ましいこと
が分かる。また、無酸素の場合でも脱塩化水素率は8
2.2%であった。 実施例4 図1の熱分解流動床を使用して、固着防止剤としてのM
gOの再生回数と脱塩化水素率及び流動状態を検討し
た。試料の調合は、実施例1と同様にして行った。ま
た、熱分解流動床の処理条件として、流動ガス流量=2
4ノルマルリットル/分(空気6ノルマルリットル/
分、窒素18ノルマルリットル/分)、流動ガス酸素濃
度=5.3容量%、処理時間=30分間、熱分解温度=
300℃、MgO添加量=5.0PHR一定にして、流
動脱塩化水素させたのち、得られた残渣を燃焼させてM
gOを回収し、再度試料を調合することによって、Mg
Oの再生回数による脱塩化水素率と流動状態を評価し
た。MgOの繰返しは5回行った。結果を第5表に示
す。
【0017】
【表5】
【0018】すべての条件で流動状態は良好であり、処
理後の残渣の融着・固着は観察されなかった。また、脱
塩化水素率は98.3%以上であった。すなわち、Mg
Oは再生できることが分かる。
【0019】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂廃棄物の処理
方法によれば、塩化ビニル系樹脂廃棄物を熱分解・脱塩
化水素処理するに際し、処理物が融着して塊状になるの
を防止し、設備の閉塞、熱分解率や脱塩化水素率の低下
による運転不能を回避することにより、効率よく塩化ビ
ニル系樹脂廃棄物を処理することができる上、燃料とし
て有用な塩素含有率の低い残渣炭化物を生成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例で使用した塩化ビニル
系樹脂廃棄物の熱分解流動床実験装置の全体構成図であ
る。
【符号の説明】
2 空気のフロート式流量計 4 窒素のフロート式流量計 7 熱交換器 9 熱風機 20 熱分解流動床 21 温度計 30 中和槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂廃棄物に、固着防止剤と
    して二価金属の化合物を加えて、酸素濃度0〜12容量
    %及び温度200〜400℃の雰囲気下で、流動状態又
    は転動状態にて脱塩化水素率が70%以上になるように
    熱分解・脱塩化水素処理し、非固着性の残渣炭化物を生
    成させることを特徴とする塩化ビニル系樹脂廃棄物の処
    理方法。
  2. 【請求項2】非固着性の残渣炭化物が塩素含有率0.5
    重量%以下のものである請求項1記載の処理方法。
  3. 【請求項3】固着防止剤としての二価金属の化合物が、
    銅、亜鉛及びマグネシウムの酸化物並びに塩化物の中か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2記載の
    処理方法。
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