JPH1122208A - 免震用積層ゴムの設置方法 - Google Patents

免震用積層ゴムの設置方法

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JPH1122208A
JPH1122208A JP17925997A JP17925997A JPH1122208A JP H1122208 A JPH1122208 A JP H1122208A JP 17925997 A JP17925997 A JP 17925997A JP 17925997 A JP17925997 A JP 17925997A JP H1122208 A JPH1122208 A JP H1122208A
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JP
Japan
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seismic isolation
laminated rubber
rubber
isolation laminated
isolating
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Pending
Application number
JP17925997A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Ito
嘉朗 伊藤
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Hazama Ando Corp
Original Assignee
Hazama Gumi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転用不可能な施工装置を必要とせずに、既存
構造物の施工中の不等沈下を防止することができる、免
震用積層ゴムの既存構造物への設置方法を提供するこ
と。 【解決手段】 柱21が負担している荷重を仮受けする
ために支保工23,24を設置し、柱の一部を切断して
取り除き、この切断箇所に免震用積層ゴム11を挿設
し、この免震用積層ゴムを冷却して収縮させ、柱と免震
用積層ゴムとの隙間にグラウト12を充填し、グラウト
が硬化した後に、免震用積層ゴムの冷却を停止して支保
工を撤去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存構造物に免震
用積層ゴムを設置する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既存構造物を耐震補強するために、いわ
ゆる免震用積層ゴムをその構造物の柱等の支持部材に設
置する構法がある。この構法は、例えば、既存構造物の
基礎付近の柱の一部を切断して取り除き、ここに免震用
積層ゴムを挿設することにより、地震等による振動を免
震用積層ゴムの変形で吸収し、当該既存構造物に生じる
水平方向の力を低減させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、免震用積層ゴ
ムは、既存構造物の柱等に設置した場合、既存構造物の
荷重を受けて弾性変形して縮小するので、例えば、既存
構造物の複数の柱等に、順次、免震用積層ゴムを設置す
る工事においては、施工中の既存構造物に不等沈下が生
じる可能性があった。かような問題を解決するため、免
震用積層ゴムの設置予定箇所の全てに支保工を設け、全
ての箇所に免震用積層ゴムを設置してから支保工を同時
に撤去し、既存構造物の垂直荷重を全ての免震用積層ゴ
ムに均等に負荷させる工法が提案されているものの、こ
のような工法における施工管理は非常に難しく、作業の
安全管理の点からも実現性は低いのが現状である。
【0004】また、その他の解決手段として、図3に示
すようなフラットジャッキ101を採用し、このフラッ
トジャッキ101を積層ゴム100の端面に予め付設す
ることも実施されている。このフラットジャッキ101
は、中空の補強ゴム盤101aと、支圧板101bとか
らなり、補強ゴム盤101aの内部に薬剤103を注入
することにより、補強ゴム盤101aの中心付近が膨張
し、その体積膨張により積層ゴムの縮小分を補い、これ
により施工中の既存構造物の不等沈下を防止するもので
ある。しかしながら、このフラットジャッキ101は施
工後も取り外さずに、そのまま柱と一体化して躯体を構
成するものであるため、転用が不可能であり、故に、柱
毎にこのフラットジャッキを設置した場合、そのコスト
は非常に大きなものになる。
【0005】したがって、本発明の課題は、フラットジ
ャッキ等のように転用不可能な装置を使用せずに、既存
構造物の施工中の不等沈下を防止することができる、免
震用積層ゴムの既存構造物への設置方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、既存構
造物の支持部材の一部を切断して取り除き、ここに免震
用積層ゴムを挿設する免震用積層ゴムの設置方法におい
て、支持部材が負担する荷重を支持するための支保工を
設置する工程と、前記既存構造物の支持部材の一部を切
断して取り除き、ここに免震用積層ゴムを挿設する工程
と、前記支持部材に挿設された前記免震用積層ゴムを冷
却する工程と、切断された前記支持部材と前記免震用積
層ゴムとの間にグラウトを充填する工程と、該グラウト
が硬化した後に前記冷却工程を停止し、前記支保工を撤
去することを特徴とする免震用積層ゴムの設置方法が提
供される。なお、前記冷却工程において用いる冷却手段
は、前記免震用積層ゴムを冷却することができるもので
あれば良く、例えば、空冷、水冷あるいはその他の液体
や気体等を冷媒として用いることができる。
【0007】この方法によれば、免震用積層ゴムは冷却
されることにより収縮し、この収縮状態の免震用積層ゴ
ムと、既存構造物との間にはグラウトが充填され、この
グラウトが硬化した後に、免震用積層ゴムの冷却を停止
すると、免震用積層ゴムには膨張しようとする応力が生
じる。
【0008】この後、支保工が撤去されて、既存構造物
からの荷重が支持部材を介して免震用積層ゴムに加わっ
ても、免震用積層ゴムは既に収縮していると共に、膨張
しようとする応力が生じているので、当該荷重による更
なる圧縮変形は生じない。したがって、既存構造物の複
数箇所に、順次、免震用積層ゴムを設置する場合におい
て、各々の免震用積層ゴムが圧縮変形しないので、既存
構造物の不等沈下を防止できるという効果を奏する。
【0009】
【実施例】以下、添付図面に基づいて実施例を説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。図1は免
震用積層ゴムが設置された既存構造物の基礎部分を示す
正面図であり、図2(a)〜(d)は、本発明の免震用積層ゴ
ムの設置方法の各工程を示した正面図である。
【0010】図1では、既存構造物における基礎部分が
示されており、基礎梁22から立設した柱21の下端近
傍が切断されて取り除かれ、ここに免震用積層ゴム11
が挿設され、この免震用積層ゴム11と、切断された柱
21の下端との間隙がグラウト材12で埋められ、既存
構造物を耐震補強構造10が形成されている。
【0011】次に、上述した免震用積層ゴム11の既存
構造物への設置方法について、図2を参照して説明す
る。最初に、図2(a)に示したように、柱21の下端近
傍に仮設梁23を固定し、この仮設梁23と基礎梁22
との間にジャッキ24を設置し、その後、仮設梁23と
基礎梁22との間に位置する柱21の所定長を切断して
取り除き、ここにクリアランス21aを形成する。そし
て、このクリアランス21aに、図2(b)に示したよう
に免震用積層ゴム11を挿入し、その下側フランジ11
cを柱21の下側切断面21cにボルト(図示せず)等
で固定する。この時、免震用積層ゴム11の上側フラン
ジ11aと、柱21の上側切断面21bとの間には、な
おクリアランスが残っている。
【0012】次に、図2(c)に示したように、免震用積
層ゴム11の側面全周を断熱材27で気密に近い状態に
被覆し、この断熱材27内部に連通管26を接続し、さ
らに、この連通管26の先端に冷却ファン25を接続す
る。そして、この冷却ファン25で断熱材27の内部に
冷気を送風し、免震用積層ゴム11を冷却すると、免震
用積層ゴム11は収縮する。
【0013】上記工程により免震用積層ゴム11が所定
長収縮したら、図2(d)に示したように、免震用積層ゴ
ム11の上側フランジ11aと、柱21の上側切断面2
1bとの間のクリアランスを囲むように型枠28を設置
し、この型枠28内部にセメント液等のグラウト材12
を充填する。そして、グラウト材12がその上部荷重を
支え得る圧縮強度まで硬化したら、型枠28を脱型し、
冷却ファン25による送風を停止して、断熱材27や連
通管26を取外す。これにより、冷却されていた免震用
積層ゴム11は常温になるまで徐々に温度が上昇し、膨
張しようとする応力が内部に生じ、この応力がグラウト
材12を介して上方の柱21に伝達される。なお、免震
用積層ゴム11の冷却により、上側フランジ11aは低
温となるので、グラウト材12としては必要に応じて凍
結防止のための混和剤が混入されたものを使用する。
【0014】次に、免震用積層ゴム11が常温まで上昇
した後、ジャッキ24と仮設梁23とを取り外せば、免
震用積層ゴム11の柱21下端部への設置作業は完了す
る。すなわち、取り外しのために、ジャッキ24を徐々
に収縮すると、免震用積層ゴム11にはグラウト材12
を介して既存構造物の荷重が負荷するが、この時、免震
用積層ゴム11は既に圧縮された状態で、硬化したグラ
ウト12と柱21の下側切断面21cとの間に挾持され
ており、さらに、膨張しようとする内部応力が生じてい
るので、これらの力が釣り合って、免震用積層ゴム11
は更に縮小することはない。したがって、既存構造物の
複数箇所で柱下端部に、順次、免震用積層ゴムを設置す
る場合においても、既存構造物の不等沈下を防止でき
る。
【0015】なお、上述した免震用積層ゴムの冷却によ
る収縮変形や、鉛直荷重による圧縮変形等について以下
に計算例を示す。 《免震用積層ゴムの鉛直荷重による圧縮変形》ゴム層の
厚さが20cm程度の免震用積層ゴムに、常温で、既存構
造物からの鉛直荷重により80kg/cm2程度の面圧が作
用すると、ほぼ1.8mm程度の圧縮変形が生じる。 《免震用積層ゴムの冷却による収縮変形》ゴムの線膨張
率は6.7×10-4 1/℃であり、ゴム層の厚さが20
cmの免震用積層ゴムでは15℃の温度低下によって、
6.7×10-4×15×200=2.01mm程度の収縮変
形が生じる。
【0016】したがって、上記免震用積層ゴムを使用
し、上記冷却工程において、常温よりも15℃程度だけ
免震用積層ゴムを冷却すれば、既存構造物の鉛直荷重に
よる圧縮変形とほぼ同等な長さの収縮を、予め免震用積
層ゴムに導入することができる。なお、本実施例におい
ては、空冷による説明としたが、水冷による冷却方法を
採用しても何ら問題はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により免震用積層ゴムが設置された既存
構造物の該当部分を示す正面図である。
【図2】(a)〜(d)は本発明の免震用積層ゴムの設置方法
の各工程を示した正面図である。
【図3】フラットジャッキを用いた従来工法を表す図で
ある。
【符号の説明】
11 免震用積層ゴム 12 グラウト材 21 柱(支持部材) 23 仮設梁(支保工) 24 ジャッキ(支保工) 25 冷却ファン 27 断熱材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存構造物の支持部材の一部を切断して
    取り除き、ここに免震用積層ゴムを挿設する免震用積層
    ゴムの設置方法において、 支持部材が負担する荷重を支持するための支保工を設置
    する工程と、前記支持部材の一部を切断して取り除き、
    ここに免震用積層ゴムを挿設する工程と、前記支持部材
    に挿設された前記免震用積層ゴムを冷却する工程と、切
    断された前記支持部材と前記免震用積層ゴムとの間にグ
    ラウトを充填する工程と、該グラウトが硬化した後に前
    記冷却工程を停止し、前記支保工を撤去することを特徴
    とする免震用積層ゴムの設置方法。
JP17925997A 1997-07-04 1997-07-04 免震用積層ゴムの設置方法 Pending JPH1122208A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004263430A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Oiles Ind Co Ltd 免震構造物の半固定装置
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JP2016084695A (ja) * 2015-06-10 2016-05-19 オイレス工業株式会社 下部構造物と上部構造物との間から免震装置を除去する方法又はこれらの間に新たな免震装置を設置する方法
JP2017096084A (ja) * 2015-11-12 2017-06-01 鹿島建設株式会社 撤去方法及び冷却装置
JP2018178670A (ja) * 2017-04-21 2018-11-15 大成建設株式会社 不同沈下の抑制方法

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