JP3399597B2 - 蓄熱槽の構築に用いる定着具を備えた断熱型枠材 - Google Patents

蓄熱槽の構築に用いる定着具を備えた断熱型枠材

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JP3399597B2
JP3399597B2 JP25350693A JP25350693A JP3399597B2 JP 3399597 B2 JP3399597 B2 JP 3399597B2 JP 25350693 A JP25350693 A JP 25350693A JP 25350693 A JP25350693 A JP 25350693A JP 3399597 B2 JP3399597 B2 JP 3399597B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の冷暖房設備、
地域冷暖房システム等に用いて好適な蓄熱槽の構築に
いる定着具を備えた断熱型枠材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビルや集合住宅などの整備に
伴い、地盤内にコンクリート壁で区画した多数の貯水槽
を設けておき、この貯水槽内に深夜電力を利用して冷却
若しくは加熱した、冷水若しくは温水を貯溜しておき、
昼間にこれら冷水若しくは温水を建築物内の空調設備の
冷却若しくは加熱用水として使用し、冷暖房を行う地下
蓄熱槽による地域冷暖房システムが普及してきている。
【0003】従来、かかる地域冷暖房システムにおける
地下蓄熱槽の構築方法は、地盤内に上方に向けて開口す
る地下空間を形成するとともに、この地下空間に蓄熱槽
の床部、壁部および天井部を構築するための型枠を合板
せき板型枠を組立て、この型枠内にコンクリートを打設
し、コンクリート硬化後に型枠を解体・撤去し、その後
コンクリート表面を平滑に処理するとともに、発泡ウレ
タン樹脂等の断熱材を吹き付けるか若しくは発泡ポリス
チレン板などの断熱材を貼り付けて、構築するコンクリ
ート製の蓄熱槽の内壁面に断熱層を形成していた。そし
てさらに、その断熱層の表面にプライマー処理を施した
後、防水材を塗布するか若しくは防水シートを貼り付け
て防水層を形成する防水工事が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の蓄熱槽の構築方法にあっては、以下のような解
決すべき課題が存在した。すなわち、型枠に合板せき板
型枠を使用しているため、コンクリートの硬化後、型枠
を解体・撤去しなければならず、施工期間の長期化、施
工コストの増大を来たしていた。
【0005】また、コンクリート躯体工事を完了した後
に、断熱層・防水層の形成作業を行うため、施工期間が
長期化するばかりか、全体として密閉された狭い作業空
間内に、天井床部や、壁部の上方での作業のための足場
構台や、これらの作業用資材が搬入されるため作業環境
が著しく悪くなっていた。
【0006】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、施工性および作業性を大幅に改善させることによ
り、施工期間の短縮化および施工コストの低減を図るこ
とができる蓄熱槽の構築方法を好適に実施できる、蓄熱
槽の構築に用いる定着具を備えた断熱型枠材を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
蓄熱槽の構築に用いる定着具を備えた断熱型枠材は、コ
ンクリート打設位置に断熱型枠材を配設するとともに、
これを支持固定してコンクリート打設空間を有する型枠
を組み立て、この型枠内にコンクリートを打設してコン
クリート躯体および断熱層を構築し、該断熱層の表面に
防水層を形成してなる蓄熱層の構築に用いる定着具を備
えた断熱型枠材であって、 板状の合成樹脂発泡体からな
る型枠材本体と、該型枠材本体に取付けられる定着具と
から構成され、前記定着具は、合成樹脂からなっていて
ねじ孔を備える筒状のアンカーと、該アンカーを前記型
枠材本体に固定するよう、型枠材本体のコンクリートに
面する側とは逆側の面に頭部を嵌合されてそこから型枠
材本体の挿通孔を通して型枠材本体のコンクリートに面
する側まで延びその先端に前記アンカーのねじ孔に螺合
する雄ねじ部を有する止めねじとから構成され、前記ア
ンカーの一端には、型枠材本体のコンクリートに面する
側に当接する当接フランジ部が形成されるとともに、ア
ンカーの他端には打設されるコンクリート内に埋設され
る径方向外方へ張り出す係止部が形成され、さらに該ア
ンカーのねじ孔は、前記止めねじの他、型枠間の間隔を
所定値に保つセパレータとも係合できるように貫通状態
で形成され、前記型枠材本体の挿通孔のコンクリートに
面しない側の開口端部の周縁部には 前記止めねじの側面
視丸みをおびた頭部が嵌合される凹部が形成され、かつ
前記止めねじが前記アンカーに螺着されたとき、該止め
ねじの頭部が型枠材本体のコンクリートに面する側とは
逆側の面と略面一となるように設定されていることを特
徴とする蓄熱槽の構築に用いる定着具を備えたことを特
徴としている。
【0008】本発明の請求項に係る蓄熱槽の構築に用
いる定着具を備えた断熱型枠材は、請求項1に記載の定
着具を備えた断熱型枠材に係り、前記型枠材本体に、コ
ンクリート打設状態を確認するための孔が複数穿設され
ていることを特徴としている。
【0009】
【作用】前記請求項の発明においては、型枠材本体
が、型枠と断熱層を兼ねているので、コンクリート打設
する際には、型枠としてコンクリートを所定形状に保持
し、コンクリートが硬化した後は、定着治具の係止部が
コンクリート内に埋設されて当該断熱型枠材が確実に定
着されてそのまま断熱層を構成し、熱を遮断する。
【0010】前記請求項の発明では、上記の作用に加
えて、型枠材本体に穿設された複数の孔により、打設さ
れたコンクリートの状態を確実に観察することができ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。図1は、本発明に係る断熱型枠材を用
いて構築された蓄熱槽の一実施例を示すものである。図
において符号1は蓄熱槽、2はマンホール、3は梯子、
4は各蓄熱槽を連通する連通孔、Gは地盤を示してい
る。
【0012】図1(a)および(b)に示すように、地
盤Gには上方に開口する凹所6が掘削されており、この
凹所6の底部には耐圧盤7が構築されている。この耐圧
盤7上には前記凹所6を平面視して格子状に画成する地
中梁(コンクリート躯体)8が形成され、さらにこの地
中梁8上に天井スラブ(コンクリート躯体)9が形成さ
れている。これら耐圧盤7、地中梁8および天井スラブ
9はそれぞれ鉄筋コンクリート造とされており、蓄熱槽
1の底盤部、側壁部および天井床部を構成している。
【0013】耐圧盤7、地中梁8、および天井スラブ9
の内面、そして、地中梁8に形成された連通孔4の内面
には、蓄熱槽1内に貯溜される冷水若しくは温水と外気
との温度を遮断する断熱層Hが形成され、さらに、この
断熱層Hの上には、前記冷水若しくは温水の漏洩を防ぐ
防水層Wが形成されている。
【0014】図2および図3は、上記断熱層Hを構成す
る断熱型枠材10の一例を示すものであり、上記地中梁
8および天井スラブ9の断熱層を構成するものである。
図2(a)および(b)に示すように、断熱型枠材10
は、正面視して略矩形板状の型枠材本体11と、この型
枠材本体11に縦横に所定間隔をおいて定着された定着
具12…とから構成されている。
【0015】型枠材本体11は、合成樹脂板状発泡体よ
り構成されている。係る発泡体としては、スチレンの単
独重合体、スチレンー無水マレイン酸、スチレンーアク
リロニトリル、スチレンーメチルメタアクリレート共重
合体などのポリスチレン系樹脂の粒子にブタン、ペンタ
ン等の発泡材を含有させた発泡性樹脂粒子を予備発泡し
た後、成形型の型嵩内に充填し、上記などの加熱媒体に
より加熱膨張させて発泡成形して得られた、従来の合成
せき板型枠と同等の曲げ強度を有する発泡倍率が約10
〜20倍の発泡ビーズ板状成形体が特に好適に使用され
る。
【0016】型枠材本体11には、縦横に所定間隔をお
いて挿通孔13…が形成されており、また、図3(a)
に示すように、前記挿通孔13…のコンクリートに面し
ない側11aの開口端部13aの周縁部には、平面視し
て略円形の凹部13bが形成されている。さらに、型枠
材本体11には、コンクリート打設状態を確認するため
の貫通孔(孔)14…がこれら挿通孔13…を囲むよう
に縦横に所定間隔をおいて形成されている(図3(b)
参照)。この貫通孔14…は、打設されたコンクリート
のペースト成分のみが出て来る程度の大きさとされてい
る(ただし、上記図1(b)に示す天井スラブ9の断熱
層Hを構成する断熱型枠材10にはこれら貫通孔13を
設けなくてもよい)。
【0017】前記定着具12は、図3(a)に示すよう
に、合成樹脂からなる成形体であり、ねじ孔15aを備
えた筒状のアンカー15と、前記挿通孔13を通してね
じ孔15aに螺着する雄ねじ部16aを有し、アンカー
15を型枠材本体11のコンクリートに面する側11b
に固定する止めねじ16とから構成されている。
【0018】アンカー15の一端には、型枠材本体11
のコンクリートに面する側11bに当接する当接フラン
ジ部15b、が形成され、また、他端には、打設される
コンクリート内に埋設される径方向外方へ張り出す係止
フランジ部(係止部)15cが形成されている。
【0019】止めねじ16の頭部16bは前記凹部13
bに嵌合可能なように平面視して略円形に形成されると
ともに側面視して丸みをおびて形成され、その上面には
締め付け用のねじ溝(図示せず)が形成されている。ま
た、その厚さは、アンカー15に当該止めねじ16を螺
着させた際に、型枠材本体11の前記コンクリートに面
しない側11aの上面と略面一となるように設定されて
いる。
【0020】次に、上記断熱型枠材10を用いた蓄熱槽
1の構築方法について図4ないし図7を参照しながら説
明する。
【0021】まず、図4に示すように、前記蓄熱槽1の
定盤部を構成する耐圧盤7用の補強鉄筋(図示せず)の
配筋を行うとともに、前記地中梁8の下端部の補強鉄筋
8aの配筋を行い、さらに耐圧盤7の打ち込み型枠7a
を組立てた後、この打ち込み型枠7a内にコンクリート
Cを打設する。
【0022】次に、打設したコンクリートCが硬化した
後、図5に示すように、前記地中梁8の補強鉄筋8aの
上方にさらに補強鉄筋8bを継ぎ足す。そして、図6
(a)および(b)に示すように、これら補強鉄筋8
a、8bの両側に所定間隔をおいて前記アンカー15…
が補強鉄筋8a、8b側に臨むように対向させた状態
で、前記断熱型枠材10…をセパレーター17、受座部
品18、型枠締め付け用金具19および端鋼管20…に
より支持固定して地中梁8用の打ち込み型枠21を組み
立てて、コンクリート打設空間Sを形成する。ここで、
この打ち込み型枠21の支持固定の仕方は、上記受座部
品18に変えてアンカー15を用いるとともに、前記止
めねじ16に変えて型枠締め付け金具19を取付け、こ
れらと型枠間の間隔を所定値に保つセパレーター17、
端鋼管20…を用いて当該断熱型枠材10…を支持固定
するようにしてもよい。
【0023】さらに、図7に示すように、前記断熱型枠
材10を必要に応じて所定の形状に加工して、前記アン
カー15を上方に向けて地中梁8用の打ち込み型枠21
上に配設するとともに、端鋼管22…をサポート…23
により支保し、天井スラブ9用の打ち込み型枠24を組
み立てる。この後、この打ち込み型枠24上に補強鉄筋
(図示せず)を配筋する。
【0024】そして、このように組み立てた地中梁8、
天井スラブ9用の打ち込み型枠21、24内に所定配合
のコンクリートを打設、充填し、養生する。ここで、地
中梁8のコンクリートを打設する際には、前記貫通孔1
4…により、打設したコンクリートの状態を確認しなが
ら行う。そして、所定量のコンクリートを打設した後、
養生を行う。そしてさらに、コンクリートに所望の強度
発現が得られた後、前記打ち込み型枠24の支保を解く
とともに、セパレータ23…、端鋼管22…、打ち込み
型枠21の型枠締め付け金具19、端鋼管20…を取り
外す。
【0025】この後、露出した断熱型枠材10…の表面
の多少の凹凸を平滑に調整し、防水層Wを形成する(図
1参照)。この防水層Wは、断熱型枠材10の表面にプ
ライマー処理を施した後、防水材を塗布するが防水シー
トを貼り付けて形成してもよい。
【0026】上記実施例の蓄熱槽1の構築方法において
は、蓄熱槽1を構成する地中梁8、天井スラブ9を構築
する際に、定着具12を備えた断熱型枠材10…が支持
固定されてコンクリート打設空間Sを有する打ち込み型
枠21、24が組み立てられ、これら打ち込み型枠2
1、24内にコンクリートCが打設される。そして、こ
のコンクリートCが硬化して定着治具12の係止フラン
ジ部15cがコンクリート内に埋設されて確実に定着さ
れてそのまま断熱層Hが形成される。この断熱層Hによ
り、外気との熱の出入りが遮断されるとともに、断熱層
Hの表面に形成された防水層Wにより貯溜した水の漏洩
が防止される。
【0027】また、上記実施例の断熱型枠材10は、型
枠材本体11が、型枠と断熱材を兼ねているので、コン
クリートCを打設する際には、型枠としてコンクリート
Cを所定形状に保持し、コンクリートCが硬化した後
は、そのまま断熱層Hとして熱を遮断する。この際、型
枠材本体11に固定された定着具12のアンカー15
が、打設されるコンクリートC内に埋設されることによ
り当該断熱型枠10がコンクリート表面に確実に定着さ
れる。さらに、型枠材本体11に形成された貫通孔14
…(図2参照)により、打ち込み型枠21、24内のコ
ンクリートの打設状態を確認しながらコンクリートの打
設が行われる。
【0028】このように、上記実施例の蓄熱槽1の構築
方法によれば、断熱型枠材10をコンクリート打設位置
に配設するとともに、この断熱型枠材10を支持固定し
て地中梁8、天井スラブ9用の打ち込み型枠21、24
を組立て、これら打ち込み型枠21、24内にコンクリ
ートCを打設するようにしたので、この断熱材型枠10
が、硬化したコンクリート表面にそのまま断熱層Hとし
て形成される。したがって、従来の合板せき板型枠のよ
うな、コンクリート硬化後の型枠の解体・撤去が不要と
なり、また、その後の断熱層の構築も不要となるので、
防水層Wの形成を直ちに行うことができ、施工性および
作業性を大幅に改善でき、施工期間の短縮化および施工
コストの低減を図ることができる。
【0029】また、上記実施例の断熱型枠材10は、コ
ンクリート打設の際には、型枠として機能し、コンクリ
ートが硬化した後は、定着治具12の係止フランジ部1
5cが打設されたコンクリート内に埋設されることによ
りコンクリートに表面に確実に定着され、そのまま断熱
層Hとして機能するので、その後直ちにその表面に防水
層Wを形成することができる。したがって、施工性およ
び作業性を大幅に改善でき、これにより、施工期間の短
縮化および施工コストの低減を図ることができる。さら
に、型枠材本体11に貫通孔14…が複数穿設されてお
り、コンクリートの打設状態を確認しながら作業を進め
ることができるので、コンクリートの充填性を高めた施
工を行うことができる。しかも、その材質は、合成樹脂
板状発泡体であるので、軽量で、使用の態様に応じた加
工が現場でも可能であるなどその取り扱いにも優れる。
【0030】なお、上記の実施例では、蓄熱槽1を地中
梁8と天井スラブ9のコンクリートを同時に打設するこ
とを前提として、これらの打ち込み型枠21、24を組
み立てたが、地中梁8と天井スラブ9のコンクリートを
打ち分けてもよく、かかる場合には、地中梁8用の打ち
込み型枠21を組立てた後、コンクリート打設を行い、
地中梁8を構築し、その後、天井スラブ9用の打ち込み
型枠24を組み立てて、コンクリートを打設し、天井ス
ラブ9を構築するようにしてもよいことは勿論である。
【0031】また、打設するコンクリートについても上
記の実施例に限られるものではなく、スチールファイバ
ー、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの各種の
強化繊維を混合した繊維強化コンクリートを使用するこ
とができ、また、補強鉄筋に代えて、これら強化繊維を
所定形状に成形した補強材を配設して補強を行ってもよ
い。
【0032】さらに、上記の実施例では、断熱型枠材1
0の形状を正面視して略矩形としたが、これに限られる
ものではなく、使用の態様に応じて、その形状を成形段
階において適宜変更できることは勿論である。
【0033】また、天井スラブ9を構築する場合に、予
め上記断熱形枠材10をその下面に定着させてハーフプ
レキャストコンクリート板を成形しておき、上記の如く
地中梁8を構築した後、この地中梁8上ハーフプレキャ
ストコンクリート板を設置固定し、このハーフプレキャ
ストコンクリート板の上面に鉄筋を配筋するとともにコ
ンクリートを打設して天井スラブを構築するようにして
もよい。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る蓄熱槽の構築に用いる定着
具を備えた断熱型枠材によれば、以下の効果を奏するこ
とができる。請求項に記載の発明によれば、コンクリ
ート打設の際には、型枠として、また、コンクリートが
硬化した後は、定着治具の係止部がコンクリート内に埋
設されることによりコンクリート表面に確実に定着さ
れ、そのまま断熱層として機能するので、その後直ちに
その表面に防水層の形成を行うことができる。したがっ
て、施工性および作業性を大幅に改善でき、これによ
り、施工期間の短縮化および施工コストの低減を図るこ
とができる。しかも、その材質が、合成樹脂発泡体であ
るので、軽量で、使用の態様に応じた加工が現場でも可
能であるなどその取り扱いにも優れる。また、断熱型枠
材を、アンカーの当接フランジ部と止めねじの頭部との
間で挟み込むこととなるので、断熱型枠材を破損するこ
となく定着具に固定できる。 アンカーのねじ孔が止めね
じの他、セパレータとも係合できるように貫通状態で形
成されており、したがって、共通するアンカーで、型枠
を組み込む際にセパレータにアンカーを取り付けて型枠
材本体を支持するか、あるいはセパレータとは全く別に
止めねじを用いて型枠材本体をコンクリートに支持固定
するか適宜選択可能である。そして、例えば、セパレー
ターを用いて型枠材本体を支持する場合には、通常セパ
レーターとともに用いられる受座部材が不要となり、部
品点数の削減が図れるとともに、型枠材本体に形成する
型枠締め付け部材と止めねじとの取付箇所が共用できる
ため、同型枠材本体に形成するそれら型枠締め付け部材
等の取付孔の数を減らせることができる。 アンカーが合
成樹脂製であるので断熱性に優れており、断熱層を構成
する型枠材本体を貫通する止めねじによって多量の熱が
伝達するのを未然に防止でき、しかも、アンカーをその
他端に形成した径方向外方へ張り出す係止部によってコ
ンクリートに定着するため、アンカーおよび型枠材本体
のコンクリートへの定着強度を強くできる。 さらに、型
枠材本体の挿通孔のコンクリートに面しない側の開口端
部の周縁部には止めねじの側面視丸みをおびた頭部が嵌
合される凹部が形成され、かつ止めねじがアンカーに螺
着されたとき、止めねじの頭部が型枠材本体のコンクリ
ートに面する側とは逆側の面と略面一となるように設定
されているので、止めねじの頭部の外周角部は必ず型枠
材本体に形成された凹部内に収まることとなり、したが
って、断熱層の表面に例えば防水材を塗布する際、コテ
等の工具が止めねじの頭部の外周角部に引っかかること
がなく、防水材の塗布作業が容易に行える。
【0035】請求項に記載の発明によれば、上記の効
果に加えて、型枠材本体に複数の孔が穿設されており、
コンクリートの打設状態を確認しながら作業を進めるこ
とができるので、コンクリートの充填性を高めた施工を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る断熱型枠材により構築された蓄熱
槽を示す図であり、(a)は要部平断面図、(b)は要
部側断面図である。
【図2】本発明に係る蓄熱槽の構築に用いる定着具を備
えた断熱型枠材の一実施例を示す図であり、(a)は正
面図、(b)は側断面図である。
【図3】同断熱型枠材による断熱層の施工例を示す図で
あり、(a)は定着具の近傍を示した要部側断面図、
(b)は貫通孔の近傍を示した要部側断面図である。
【図4】本発明に係る断熱型枠材を用いた蓄熱槽の構築
方法の構築工程を示す図であり、定盤部の構築工程を示
す要部側断面図である。
【図5】同蓄熱槽の構築工程を示す図であり、地中梁の
補強鉄筋を配筋した状態を示す要部側断面図である。
【図6】同蓄熱槽の構築工程を示す図であり、(a)は
地中梁用の打ち込み型枠を組み立てた状態を示す要部正
断面図、(b)は要部側面図である。
【図7】同蓄熱槽の構築工程を示す図であり、天井スラ
ブ用の打ち込み型枠を組み立てた状態を示す要部正断面
図である。
【符号の説明】
1 蓄熱槽 8、9 コンクリート躯体 10 断熱型枠材 11 型枠材本体 12 定着具 14… 貫通孔 15c 係止部 21、24 型枠 C コンクリート H 断熱層 S コンクリート打設空間 W 防水層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 正豪 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 積 水化成品工業株式会社内 (72)発明者 安井 研作 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 積 水化成品工業株式会社内 (72)発明者 小畑 政雄 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 友永 久雄 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 飯田 茂 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−294484(JP,A) 特開 昭63−258791(JP,A) 特開 昭59−130939(JP,A) 実開 平4−34339(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート打設位置に断熱型枠材を配
    設するとともに、これを支持固定してコンクリート打設
    空間を有する型枠を組み立て、この型枠内にコンクリー
    トを打設してコンクリート躯体および断熱層を構築し、
    該断熱層の表面に防水層を形成してなる蓄熱層の構築に
    用いる定着具を備えた断熱型枠材であって、 板状の合成樹脂発泡体からなる型枠材本体と、該型枠材
    本体に取付けられる定着具とから構成され、 前記定着具は、合成樹脂からなっていてねじ孔を備える
    筒状のアンカーと、該アンカーを前記型枠材本体に固定
    するよう、型枠材本体のコンクリートに面する側とは逆
    側の面に頭部を嵌合されてそこから型枠材本体の挿通孔
    を通して型枠材本体のコンクリートに面する側まで延び
    その先端に前記アンカーのねじ孔に螺合する雄ねじ部を
    有する止めねじとから構成され、 前記アンカーの一端には、型枠材本体のコンクリートに
    面する側に当接する当接フランジ部が形成されるととも
    に、アンカーの他端には打設されるコンクリート内に埋
    設される径方向外方へ張り出す係止部が形成され、さら
    に該アンカーのねじ孔は、前記止めねじの他、型枠間の
    間隔を所定値に保つセパレータとも係合できるように貫
    通状態で形成され、 前記型枠材本体の挿通孔のコンクリートに面しない側の
    開口端部の周縁部には前記止めねじの側面視丸みをおび
    た頭部が嵌合される凹部が形成され、かつ前記止めねじ
    が前記アンカーに螺着されたとき、該止めねじの頭部が
    型枠材本体のコンクリートに面する側とは逆側の面と略
    面一となるように設定されていることを特徴とする蓄熱
    槽の構築に用いる定着具を備えた断熱型枠材。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の定着具を備えた断熱型
    枠材において、前記型枠材本体には、コンクリート打設
    状態を確認するための孔が複数穿設されていることを特
    徴とする蓄熱槽の構築に用いる定着具を備えた断熱型枠
    材。
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