JP6167220B1 - 免震冷蔵または冷凍倉庫の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】免震構造の冷蔵・冷凍倉庫で、構築後に倉庫内を冷却した時に、上部構造の温度収縮変形で免震装置が変形しない構築方法の提供。【解決手段】下部構造体Bと上部構造体Cとの間に免震装置6を設け免震層Aを形成し、少なくとも一部の下部構造体Bにおいて、免震装置6と下部基礎構造28との間の連結部材18のルーズ孔に連結鋼材を貫通し締め付けて連結部材18を下部基礎構造28に連結し、連結部材18と下部基礎構造28との間に滑り材17及び連結部材18周りの隙間を設け、水平方向において、冷却前に連結部材が下部基礎構造に対して可動とし、冷却後には、滑り材17を撤去せずに、ルーズ孔と隙間に充填材37を充填し硬化させ連結部材18を下部基礎構造28と剛結合状態とし、水平方向において、冷却中も連結部材18が下部基礎構造28に対して可動とし、冷却による上部構造体Cの温度収縮変形が免震装置6に影響しない状態を保持する。【選択図】図5

Description

本発明は、冷蔵または冷凍倉庫を免震構造とする免震建物(以下、免震冷蔵・冷凍倉庫という)の構築方法に関するものである。
この種の免震冷蔵・冷凍倉庫としては、例えば、従来技術の特許文献として、下記文献に記載された技術が公知になっている。
この公知に係る従来技術としては、ベースコンクリート上に鉄骨構造のラック棚を建物の構造体と兼用に構築し、同ラック棚の鉄骨の外側に直接断熱材、防湿材及び外装材を張り付け設置して建物を構築すると共に、前記ベースコンクリートを基礎コンクリート上に免震装置を介して支持してなる自動ラック式低温冷凍倉庫である(特許文献1の請求項2参照)。
この従来技術によれば、ラック棚及び建物を構築したベースコンクリートを基礎コンクリート上に免震装置を介して支持しているので、地震発生時に免震装置で振動を吸収して減衰し、ラック棚及び建物への振動伝達を低減することができるため、ラック棚から荷物の落下等の災害を最小限にとどめることができる、というものである。
特開平09−2610号公報
しかしながら、前記従来技術の自動ラック式低温冷凍倉庫によれば、ベースコンクリートを基礎コンクリート上に免震装置を介して最初から支持してなる建造物であり、構築完成後に冷凍庫内の温度を常温(25℃)から低温、例えばF級冷凍倉庫のように−25℃以下に冷却すると、ラック棚を含めてベースコンクリートが冷気により低温度まで下がることにより、ベースコンクリートを含む上部構造全体が温度収縮する。しかしながら、基礎コンクリートは常に外気に触れているので常温のままで温度収縮することはないのである。
その結果、ベースコンクリートと基礎コンクリートとの間に取り付けてある免震装置は、変形した状態になる。
上記従来技術については、上部構造全体が温度収縮すること及び冷凍倉庫の大きさについては言及していないが、冷凍倉庫の長手方向の長さが、例えば、幅が40mで長さが100mを超える250mもある巨大な建造物の場合に、上部構造全体としての温度収縮率が大きくなり、特に、建造物の中央部に対して両側(外周周り)からの収縮が大きくなり、それに伴って両側(外周周り)の免震装置の変形が大きくなって免震機能が低下し、地震時に所定の免震性能が得られなくなることを、図9、図10に示した参考図を使用して説明する。
まず、解り易く説明するために、図9、図10においては、単純化した免震装置の配置例であって、外周周りの外柱位置に鉛プラグ入り積層ゴムアイソレータとし、中央部分の中柱位置に全て弾性滑り支承とする。具体的に説明すると、図9に示すように、免震建造物として従来から行っていたように、建造物の上部構造1の柱が位置する箇所にフーチング2を設け、該フーチング2間に地中梁3が構築されて一体的に連結される。外周周りの外柱位置の免震装置6は鉛プラグ入り積層ゴムアイソレータ(黒色表示)とし、中柱位置の免震装置6は、弾性滑り支承(白色表示)とする。なお、符号7は下部基礎構造28の外周部立ち上がり壁である。
図10は、免震装置6で形成された免震層Aの下は下部構造体Bであり、上は上部構造体Cであって、免震層Aより上方の上部建物が低温による縮み変形と共に、免震装置6の変形をイメージとして示したものであり、免震層Aより上方の上部構造体Cについては概略的な表現とし、免震層Aより下方の下部構造体Bについては、基礎杭4を含む基礎5を概略的に表現した。免震装置6は、上部構造体Cを構築する際に(上部構造が冷却される前)下部構造体Bと上部構造体Cとの間に設置して定着固定されている。
そして、図10において、冷凍倉庫の上部構造が温度収縮によって変形する状態を示し、中央部分を省略して側面側のみを示した。中柱位置に配置された免震装置6(滑り支承)に比べ、外柱位置に配置された免震装置6(積層ゴムアイソレータ)の変形が大きく、建造物の中央部を中心に上部構造の梁3が温度収縮によって両側からそれぞれ十数センチ縮むことになる。それに対して、滑り支承とする免震装置6は変形能力によって吸収できるものとするが、積層ゴムアイソレータとする免震装置6は、冷蔵・冷凍倉庫の使用初期から変形した状態で設置されていることになり、肝心な地震発生時に免震装置6が機能低下して所定の免震機能が得られないという問題点を有している。
また、仮に、巨大で長尺の上部構造において、温度収縮による両側の変形量を小さくするために、上部構造を複数に分割して建造することも考慮されるが、このような場合でも、冷凍倉庫としての内部空間は仕切壁なしで広く使用したいので、各隣接して構築される梁や外壁の境界部分に防熱機能を付与しながら完全密閉状態に連結すること自体が極めて困難なのであり、工事費が嵩張るばかりでなく工期も長くなると共に、中小地震から大地震時に冷凍倉庫として完全密閉の状態を維持することが実質的にできないのである。
また、仮に、上部構造の冷却縮み変形が終了後、免震装置を構造躯体とボルトを本締めして固定することも考えられるが、その冷却変形量は正確に計算することは極めて困難で不可能であるため、例え1mmのずれが生じても、ボルトの取付けはできなくなるのである。
そこで、本発明は、前記した問題点を解決すべく、冷蔵・冷凍倉庫を構築後に冷凍機構を駆動させて倉庫内を所要の温度まで冷却した後に、免震装置を適正な状態に調整して定着固定し、上部構造が冷却中において免震装置が水平変形しないようにした冷蔵・冷凍倉庫の構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための具体的手段として、本発明は、免震構造とする冷蔵または冷凍倉庫の構築方法であって、下部構造体と上部構造体との間に免震装置を設置して免震層を形成し、少なくとも一部の下部構造体において、免震装置と下部基礎構造との間に連結部材を介在させ、該連結部材にルーズ孔を形成し連結鋼材をルーズ孔に貫通して締め付けて該連結部材を下部基礎構造と連結し、該連結部材と下部基礎構造との間に滑り材と共に、連結部材の周りに下部基礎構造との間に隙間を設け、水平方向において、前記冷蔵または冷凍倉庫が冷却される前に、該連結部材が下部基礎構造に対して可動な状態にし、前記冷蔵または冷凍倉庫が冷却された後に、前記ルーズ孔と共に前記隙間に充填材を充填して硬化させ、前記滑り材を撤去せずに前記連結部材を下部基礎構造と剛結合状態可能にしたことを特徴とする免震冷蔵・冷凍倉庫の構築方法を提供するものである。
前記発明においては、前記免震装置の周囲に、少なくとも滑り材とジャッキとで構成された免震機能を有する支持部材を、複数個所に設置すること;及び前記連結鋼材はPC鋼材とし、冷蔵または冷凍倉庫の冷却前に仮締めとし、冷却後に本締めを行うこと、を付加的な要件として含むものである。
1.本発明に係る免震冷蔵・冷凍倉庫の構築方法によれば、以下に示す通りの効果を奏する。
連結鋼材を連結部材のルーズ孔に貫通して締め付けて連結部材を下部基礎構造と連結し、連結部材と下部基礎構造との間に滑り材を設けて滑り層を形成すると共に、連結部材の周りに下部基礎構造との間に隙間を設けることによって、鉛直方向においては、下部構造体と上部構造体との間に免震装置を介して一体的に連結され、上部構造体の荷重を下部構造体に伝達することが可能である。水平方向においては、冷却中、連結部材が下部基礎構造に対して可動な状態になり、冷却による上部構造体の温度収縮変形が免震装置に全く影響することなく、冷却中の建造物が免震状態を保持することができる。
2.冷却後、ルーズ孔及び隙間に充填材を充填して硬化させることによって、連結部材と下部基礎構造との間に設けた滑り材と撤去せずに滑り層の機能をなくし、従来の方法では滑り材を撤去することが困難であり、連結部材を下部基礎構造と剛結することができなかったことに対して可能にしたことである。
3.連結鋼材をPC鋼材とし、冷却前に仮締めし、冷却後に本締めすることによって冷却中、連結部材と下部基礎構造との間に締め付け力を調整して滑りやすい状態にし、冷却後、所定の緊張導入力を与えて剛結して一体化することができる。
4.冷却変形後免震装置及び連結部材に位置ずれや微小な変形などが生じた場合には、免震装置の周囲に滑り材とジャッキとで構成された免震機能を有する支持部材を複数個所に設置することによって、ジャッキアップしてそれらの位置を精度よく調整して不具合を解消することができ、調整中にも免震性能を損なうことなく維持したままで構築することができる。
本発明に係る免震冷蔵・冷凍倉庫の構築方法によって構築される途中の外柱が位置する下部構造体の要部を略示的に示した側断面図である。 同実施の形態に係る構築方法であって、構築途中の外柱が位置する下部構造体の要部を略示的に示した側断面図である。 同実施の形態に係る構築方法であって、構築途中の外柱が位置する下部構造体における免震装置の取り付け状況を略示的に示した平面図である。 同実施の形態に係る構築方法であって、構築途中の外柱が位置する下部構造体と上部構造(上部構造体)との間における免震装置の取り付け状況を略示的に示した側断面図である。 同実施の形態に係る構築方法であって、構築最終段階における外柱が位置する免震装置の取り付け状況を略示的に示した側断面図である。 同実施の形態に係る構築方法であって、構築最終段階における外柱が位置する免震装置の取り付け状況を略示的に示した平面図である。 本発明の他の実施の形態に係る免震冷蔵・冷凍倉庫の構築方法によって構築される構築方法であって、構築途中の外柱が位置する下部構造体と上部構造体との間における免震装置の取り付け状況を略示的に示した側断面図である。 同実施の形態に係る構築方法であって、構築途中の外柱が位置する下部構造体における免震装置の取り付け状況を略示的に示した平面図である。 一般的な免震構築物における長尺の構築躯体に係る上部構造と免震装置の取り付け状況を示すための中央部を省略して平面を示した説明図である。 同免震構築物における上部構造体の冷却による温度収縮変形状態について、中央部を省略して示した変形イメージ図である。
本発明を図示の複数の実施の形態に基づいて詳しく説明する。まず、図1〜6に示した実施の形態について、免震装置で形成された免震層Aの下は下部構造体Bとし、上は上部構造体Cとして説明する。その前に、本発明についても、先の図9の参考図で説明したように、対象とする冷蔵・冷凍倉庫である免震建造物の大きさは、例えば、幅が40mで長さが100mを超える250mもある巨大な建造物であって、上部構造体Cについては、概ね、図9に示した参考図で説明した上部構造体Cの基礎とも云うべきベース部分をそのまま適用できるものであって、上部構造体Cが複数階である場合は、一般的に行っているように、各階ごとに梁、柱を構築して上部構造を形成すればよいのであり、同一部分には同一符号を付してその詳細は省略する。
そこで、本発明の外柱が位置する免震装置の具体的な取付構造について、図1と図2に示したように、各基礎杭8の上部にラップル基礎10および立上り壁7をそれぞれ一体的に形成すると共に、各ラップル基礎10間を連結する水平つなぎ部材11を一体的に形成して下部基礎構造28になる。各ラップル基礎10の上面には所要大きさの四角形状の凹部12が形成され、該四角形状の内側周縁部寄りで凹部12内に先端を突出させ、基端部に定着具13を取り付けると共に、シース14で覆われた複数の連結鋼材としてPC鋼棒15を所要間隔をもって基端部側をラップル基礎10に埋め込んで取り付けられると共に、ベースプレート16が配設される。該ベースプレート16に予め取り付けられたアンカー材9が基礎杭8の頭部まで配置されることによって、ベースプレート16が前記凹部12内においてラップル基礎10の上面に固定される。該ベースプレート16の上面に、例えば、テフロン(登録商標)板などからなる滑り材17を配設し、その上部に連結ブロックである連結部材18が配設される。なお、図示は省略したが、シース14を鋼管としてあらかじめベースプレート16に溶接等の連結手段で固定することが望ましい。
このブロック状の連結部材18は、四角形状で前記凹部12の広さよりも余裕をもった小径(大きさ)、つまり、連結部材18の外周と凹部12の内周との間に所要の隙間12aが生じるように、且つ、凹部12内を水平方向に余裕をもって移動できる程度の小径(大きさ)に連結部材18が形成され、凹部12内に遊嵌状態に嵌め込んで取り付けることにより下部構造体Bの一部となるのである。前記所要の隙間12aの間隔は、上部構造1(上部構造体C)が冷却中において冷却縮み変形の影響を受けることなく、凹部12内を水平方向に自由に移動できる間隔としてある。つまり、隙間12aの間隔は、冷凍冷却中に連結部材18および免震装置6が下部基礎構造28に対する可動範囲(可動距離)であれば足りるのである。なお、上記隙間12a(可動距離)については、上部構造1(上部構造体C)の冷却縮み変形量によって予め設定することができる。
この連結部材18の下面にはプレート19が取り付けられており、上面の周縁部は一段低く段差部18aに形成すると共に、該段差部18aに前記PC鋼棒15の先端部が挿通されるルーズ孔20が複数個形成され、中央部の肉厚部には免震装置6を取り付けるための複数のアンカー材21が取り付けられたアンカープレート22を打ち込んで取り付けたものである。また、前記ルーズ孔20の大きさは、連結部材18の移動に支障を来たさない大きさであり、上部構造1(上部構造体C)の冷却縮み変形量によって定められる。
そして、図3及び図4に示したように、連結部材18を、各ルーズ孔20にそれぞれPC鋼棒15を挿通させて、凹部12内に設置し、各ルーズ孔20の上面において、滑り材23を介在させてPC鋼棒15の先端部を緊張固定するための定着具24が取り付けられ、該定着具24は初期段階においては、滑り材23がPC鋼棒15から外れない程度の緩い力で仮止めして置き、その連結部材18の上に免震装置6を載置し取付ボルト25で固定してから、従来から行っているように、免震装置6の上にアンカープレート26とアンカー材27とを介してフーチング2を取り付けると共に、各フーチング間に地中梁3が構築されて一体的に連結されて上部構造1が順次構築される。なお、ベースプレート16は、ラップル基礎10側の凹部12内に敷設状態で取り付けられ、滑り材17は連結部材18の下面とベースプレート16との間に敷設され、滑り機能を持つ滑り層が形成され、連結部材18が下部基礎構造28に対して可動な状態になっている。
また、冷却変形は必ず建物の中央に向かって変形するため、図3に示したように、連結部材18と凹部12との周りに形成される隙間12aは可動距離として、中央方向に向かう三側面に設けられる。なお、立上り壁7側には、施工誤差を吸収するための目地だけを設ければよい。
このようにして構築された下部構造体Bと上部構造1(上部構造体C)との間に免震装置6が配設されて免震層Aが形成されるのである。そして、免震層を介して上部構造1が通常の免震建造物と同様に構築されるが、冷蔵または冷凍倉庫としない通常の免震建造物と比べ、壁や床の構造(材質等)が少し異なるのである。つまり、フーチング2の上部に柱30を建てると共に、地中梁3の上部にスラブ31を形成し、柱30の外側に外壁32及び断熱層33を形成し、その外側を仕上げ材34で覆って冷蔵または冷凍倉庫としての建造物の外見を整える。この場合に、本発明の本質とはあまり関係しないために図示は省略したが、断熱層の他に防湿材及び防水材等を設けることができる。
また、建造物の内側となる部分、例えば、スラブ31上には断熱層35を形成すると共に、該断熱層35は、内壁面として柱30の内側面にも延長して形成し、少なくとも、スラブ31上の断熱層35は押えコンクリート36を打設又は敷設して、要するに倉庫の床面とする。この場合でも、前記したように、断熱層の他に防湿材及び防水材等を設けることができる。なお、倉庫としての建造物における上部構造1(上部構造体C)の複数階のフロアーについても同様の構造に構築され、さらに、冷蔵または冷凍倉庫としの備え付けの棚や仕切りやドア等と冷蔵または冷凍設備を完備させた構造躯体に仕上げられる。
このように冷蔵または冷凍倉庫として仕上げられた構造躯体においては、まだ、下部構造体Bの一部とする連結部材18は、定着具24で仮止めされているだけでラップル基礎10に定着固定(剛結)されていないので、凹部12内において水平方向に移動できる状態になっている。この状態で、冷蔵または冷凍倉庫を密閉状態に閉め切って、冷蔵または冷凍設備を駆動して、常温の状態から構造躯体の内部を−25〜−30℃にまで冷却すべくセットし、一定時間(少なくとも数日間)冷却することによって上部構造1全体が低温によって温度収縮して変形する。この温度収縮変形は、上部構造1(上部構造体C)の両側から中心部に向かって変形するのであり、中心部の変形は小さいが中心部から遠去かるにつれて順次大きく変形する。なお、この種の大規模な冷蔵または冷凍倉庫においては、一旦冷凍設備の電源を入れて稼動させるとその状態を維持しなければならないのである。また、下部構造体Bは、外気に晒されているので、上部構造1(上部構造体C)の温度収縮変形による影響は受けないのである。
そして、図5と図6に示したように、上部構造1(上部構造体C)が冷却変形することにより、免震装置6を介して連結部材18に伝達され、該連結部材18はラップル基礎10の凹部12内において、滑り材17の存在により温度収縮変形に追従して順次移動し、その移動した分に対応してルーズ孔20に挿通してあるPC鋼棒15も、滑り材23によってルーズ孔20内で偏った位置になるが、一定の時間経過すると温度収縮変形が止まって安定した状態になり、全ての免震装置6は変形しない状態で適正位置にセットされて、上部構造1の重量を均等に受ける状態になっている。そして、地震時に免震装置6が免震機能を損なうことなくフルに発揮することができる。
その安定した状態になった時に、定着具24を本締めしてPC鋼棒15を緊張定着し、連結部材18を下部基礎構造28のラップル基礎10に圧着結合させ、ルーズ孔20の内部やシース14内にグラウトを充填すると共に、凹部12内における周囲の隙間12aと段差部19上に充填材37としてコンクリート又は無収縮モルタルを打設し、硬化させることによって滑り材17,23を除去しなくても、滑り材の機能を失墜させて、簡単に連結部材18を下部基礎構造28と一体的に剛結させることができるのである。
このように上部構造1(上部構造体C)が温度収縮変形しても、それによる免震装置6の変形はなく、その構築途中において強い地震を受けても、免震装置6の機能を発揮して上部構造1の損傷を防止すると共に、最終的な冷蔵または冷凍倉庫としての構造躯体が完成した後においても、免震装置6が変形することなく適正位置(正常)にセットされているので、強い地震を受けても免震装置6がフルに機能して構造躯体が損傷することはないのである。
前記実施の形態に係る構築方法を基にし、さらに免震装置6を温度収縮変形による影響を徹底的に回避し精度よく設置するように別な構築方法として考案する必要がある。
そこで、本発明の第2の実施の形態に係る構築方法を、図7と図8に基づいて説明する。
この実施の形態においては、前記第1の実施の形態に対して、免震装置6の周囲に下部基礎構造28と上部構造1(上部構造体C)との間に支持部材38を一次的に設置することを追加したものである。この支持部材38は、少なくとも滑り材39とジャッキ40とで構成された免震機能を有するものとし、実施例では、滑り材39、ジャッキ40及び高さ調整ブロック41とで構成されたものである。なお、滑り材39がジャッキ40の上面および高さ調整ブロック41の下面との両方に設置し、それぞれ可動距離aを設けて、支持部材38が設置されている間に上部構造が下部の基礎構造に対して可動な状態になっている。
前記支持部材38を設置する方法には二つがある。
まず、一つ目は、図7に示すように冷却前に配置する。支持部材38自体が免震機能を有するために、連結部材18のバックアップとして冷却変形完了するまで上部構造1の免震状態を保持しながら上部構造1の荷重を支え、PC鋼棒15を仮締めした状態で地震が起きても建物の安全性を確保することができる。冷却後、前記第1の実施の形態で、図6に示したように、充填材37が硬化した後に取り外すことによって、冷蔵または冷凍倉庫としての免震構造躯体が完成状態になる。
二つ目は、冷却後本締めする前に配置する。つまり、冷却変形後に免震装置6及び連結部材18に位置ずれや微小な変形等が生じていた場合には、支持部材38を配置した後にPC鋼棒15の仮締めを解除し、支持部材38をジャッキアップして上部構造1を少しでも持ち上げると、滑り材17、23の滑り機能と支持部材38の滑り材39の滑り機能とが発揮され、温度収縮による免震装置6の変形及びずれが解消されて、適正位置を精度よく位置付され、その後ジャッキダウンしてPC鋼棒15を本緊張する。その後に充填材37を投入し、硬化した後に支持部材38を取り外して免震構造躯体の冷蔵または冷凍倉庫が完成する。
このように第2の実施の形態の構築方法を採用すれば、免震装置6の位置調整中にも建物の免震性能を損なうことなく保持したままで構築することができる。
本発明の構築方法を用いて構築された構造躯体は、連結ブッロク18と免震装置6及び上部構造1(上部構造体C)を一体的に連結してあり、鉛直方向においては、上部構造1の荷重を下部基礎構造28に伝達できる状態になる。水平方向においては、PC鋼棒15とラップル基礎10との間に滑り層を形成し、自由に変形(スライド)できる隙間12aを設けて、下部の基礎構造に対して可動な状態にしてある。
この状態で冷蔵または冷凍倉庫の内部を冷却し、上部構造1が低温によって変形するが、予め連結部材18が下部基礎構造28に対して可動な状態(相対水平移動)にしてあるため、連結部材18の上部に設置された免震装置6が水平変形から免れ、冷却による上部構造1(上部構造体C)の温度収縮変形が免震装置6に影響を与えないので、免震装置6は、常に設計通りの状態で位置付けがなされ、冷却中の建物が免震状態を保持することができる。
図示の実施例では、連結鋼材15をPC鋼棒としているが、PC鋼より線としてもよい。特に、連結部材18(連結ブロック)と下部基礎構造28との相対滑りに微小な阻害要素が生じる恐れがある場合には、PC鋼より線を用いて鋼線の軟らかさで解消することができる。
連結部材18はプレキャストコンクリート製とすることが好ましいが、これに限ることなく、現場打ちコンクリート、または、鋼製ブロックとしてもよい。連結部材18の高さについて、緊張作業の施工性と連結鋼材定着具部の防錆処理しやすさを考慮し、連結鋼材15の定着具24を配設する天端が免震装置6を設置する天端より一段と低くして段差をつけることが好ましい。平面形状について、実施例では製造容易性から四角形としたが、円形または多角形としてもよい。
いずれにしても、本発明に係る免震冷蔵または冷凍倉庫の構築方法は、滑り材17、23を撤去せずに残置したままで滑り層の機能を無くし、連結部材18を下部基礎構造28と剛結することを可能にしたことが最大な特徴である。本発明の構築方法を用いれば、免震装置の通常規格品をそのまま使用することが可能であり、それによってもコスト軽減を図ることができる。
以上説明した実施の形態は、本発明の構成要件(主旨)を限定するものではなく、本発明の主旨に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、実施例を解り易く説明するため、外周周りの外柱位置に鉛プラグ入り積層ゴムアイソレータとし、中央部分の中柱位置にすべて弾性滑り支承として単純化した配置例を示したが、実際の建物が、平面形状や荷重、柱等構造部材の配置によって積層ゴム系免震装置と滑り支承が混じれながら配置されることが多い。その場合には、本発明は、同様な要領適用することが出来る。また、ゴム積層系の免震装置のみでなく、滑り支承にも同様に適用することが可能である。
また、下部基礎構造に凹部を設けずに、連結部材を同様な構成で下部基礎構造の上面に設置し、冷却後、ルーズ孔に充填材を充填すると共に、連結部材の周りに鋼製ストッパーを取付して連結部材を固定するという軽微な変更で同様な効果を得ることが可能である。
本発明は、免震構造とする冷蔵または冷凍倉庫の構築方法であって、下部構造体Bと上部構造体Cとの間に免震装置6を設置して免震層を形成し、少なくとも一部の下部構造体Bにおいて、免震装置6と下部基礎構造28との間に連結部材18を介在させ、該連結部材18にルーズ孔20を形成し連結鋼材15をルーズ孔20に貫通して締め付けて該連結部材18を下部基礎構造28と連結し、該連結部材18と下部基礎構造28との間に滑り材17と共に、連結部材18の周りに下部基礎構造28との間に隙間12a(凹部12内)を設け、水平方向において、前記冷蔵または冷凍倉庫が冷却される前に、該連結部材18が下部基礎構造28に対して可動な状態にし、前記冷蔵または冷凍倉庫が冷却された後に、前記ルーズ孔20と共に前記隙間12a(凹部12内)に充填材37を充填して硬化させ、前記滑り材17を撤去せずに前記連結部材18を下部基礎構造28と剛結合状態可能にしたことを特徴とするものであり、水平方向においては、冷却中、連結部材18が下部基礎構造28に対して可動な状態になり、冷却による上部構造体の温度収縮変形が免震装置に全く影響することなく、冷却中の建造物が免震状態を保持することができるので、この種の温度収縮変形が伴う建築物の構築方法において広く適用または利用できるのである。
1 上部構造
2 フーチング
3 地中梁
4 基礎杭
5 基礎
6 免震装置
7 立上り壁
8 基礎杭
9 アンカー材
10 ラップル基礎
11 水平つなぎ部材
12 凹部
12a 隙間
13 定着具
14 シース
15 PC鋼棒(連結鋼材)
16 ベースプレート
17 滑り材
18 連結部材(連結ブロック)
18a 段差部
19 プレート
20 ルーズ孔
21 アンカー材
22 アンカープレート
23 滑り材
24 定着具
25 取付ボルト
26 アンカープレート
27 アンカー材
28 下部基礎構造
30 柱
31 スラブ
32 外壁
33 断熱層
34 仕上げ材
35 断熱層
36 押えコンクリート
37 充填材
38 支持部材
39 滑り材
40 ジャッキ
41 高さ調整ブロック
A 免震層
B 下部構造体
C 上部構造体

Claims (3)

  1. 免震構造とする冷蔵または冷凍倉庫の構築方法であって、
    下部構造体と上部構造体との間に免震装置を設置して免震層を形成し、少なくとも一部の下部構造体において、免震装置と下部基礎構造との間に連結部材を介在させ、該連結部材にルーズ孔を形成し連結鋼材をルーズ孔に貫通して締め付けて該連結部材を下部基礎構造と連結し、該連結部材と下部基礎構造との間に滑り材と共に、連結部材の周りに下部基礎構造との間に隙間を設け、
    水平方向において、前記冷蔵または冷凍倉庫が冷却される前に、該連結部材が下部基礎構造に対して可動な状態にし、
    前記冷蔵または冷凍倉庫が冷却された後に、前記ルーズ孔と共に前記隙間に充填材を充填して硬化させ、前記滑り材を撤去せずに前記連結部材を下部基礎構造と剛結合状態可能にしたこと
    を特徴とする免震冷蔵・冷凍倉庫の構築方法。
  2. 前記免震装置の周囲に、少なくとも滑り材とジャッキとで構成された免震機能を有する支持部材を、複数個所に設置すること
    を特徴とする請求項1に記載の免震冷蔵・冷凍倉庫の構築方法。
  3. 前記連結鋼材はPC鋼材とし、冷蔵または冷凍倉庫の冷却前に仮締めとし、冷却後に本締めを行うこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の免震冷蔵・冷凍倉庫の構築方法。
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