JP6546755B2 - 免震改修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、既存建物を免震化する免震改修方法に関する。
従来より、既存建物を免震化する免震改修方法としては、建物の中間階の柱に免震装置を設置して、免震層より上部階を免震化する中間階免震と、基礎の直下部、直上部、あるいは杭頭部に免震装置を設置して、建物の全てを免震化する基礎免震がある。
例えば、特許文献1の中間階免震では、既存建物の外周部分に、免震装置が設置された新設柱と新設梁とで構成される新設架構体を設けた後、その新設架構体と既存建物内の切断された複数の柱を支持する水平部材とを連結することで、切断された柱の上部階を免震化する。この場合は、既存建物の既存柱を切断して、その切断された既存柱と既存梁で構成される柱梁架構体を、新たに架設する水平部材で支持させて、既存建物の上部階の重量を新設架構体に受け替える。この構法の特徴は、既存柱を切断して、その切断箇所に免震装置を設置しないので、建物内部での工事範囲を限定できることである。
しかしながら、免震装置に、既存柱が負担していた軸力相当量が予め導入されていない場合は、切断した既存柱の仮受け支持材を撤去した直後に、新設柱が建物の鉛直荷重によって若干沈下する傾向があった。その沈下量は、新設柱を備えた新設架構体において一様ではなく、免震改修工事の進捗状況によっては不均等に沈下するおそれがあった。
そこで、この問題を解決するため、積層ゴムに予め圧縮方向に強制的に荷重をかけておき(以下、プレロードと呼ぶ)、この状態で、積層ゴムを現場に設置することが提案されている(特許文献2参照)。このようにすれば、プレロードにより予め積層ゴムに圧縮力が加わった状態となり、積層ゴムの縮み量のばらつきを抑えて、既存建物が不同沈下するのを防止できる。また、新たに挿入する免震装置には、免震装置の周囲に設けられた仮受け部材を撤去した後に既存柱が負担していた建物重量が作用するので、免震装置に予め軸力相当量を導入して、予め積層ゴムを所定量縮めた状態で既存躯体と一体化させることで、免震装置が支持する既存柱を含めた建物上部階について、沈下を防止できる。
また、特許文献2には、積層ゴムの上下フランジプレート間に引込みジャッキを設置して、このジャッキにより上下のフランジプレート同士を接近させて、積層ゴムにプレロードを導入する方法や、フラットジャッキを用いる従来の方法が示されている。
特開2005−171659号公報 特開平10−280705号公報
上記に示すように、免震装置に予め所定の軸力相当量を導入させておくプレロード方法では、免震装置を設置してから所定期間に亘ってプレロードを維持する必要があるが、油圧ジャッキの場合、構造上、ジャッキ内部の油を長期間に亘って高圧状態で一定に保持することは難しい、という課題があった。
本発明は、既存建物の少なくとも一部の躯体を切断撤去した後、免震装置を設置した直後から、免震装置が既存躯体に固定されるまでの期間において、免震装置に所定の一定軸力を載荷されたプレロード状態を、容易にかつ精度良く一定に保持したまま、既存躯体に免震装置を設置する免震改修方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、既存躯体の切断撤去空間に免震装置を挿入し、その上に、取り出し可能な複数のジャッキを設置し、ジャッキを稼働させて免震装置に所定の軸力を導入した後、ジャッキの周囲に設けた支持部材と、免震装置、または既存躯体との間に生じる隙間部分にグラウト材、または無収縮コンクリートを充填して密着させて支持部材の高さを固定し、免震装置に導入した軸力をこの支持部材に受け替え可能となることを見出した。
第一の発明の免震改修方法は、前記躯体(例えば、後述の既存柱10)の少なくとも一部を切断して撤去し、当該躯体に切断撤去空間を設けた後、当該切断撤去空間に免震装置(例えば、後述の免震装置20)を設置する工程(例えば、後述のステップS1〜S4)と、前記躯体と前記免震装置の上面との間に、上下に伸縮可能な支持部材を設置する工程(例えば、後述のステップS5)と、前記免震装置の上面にジャッキ(例えば、後述の油圧ジャッキ51)を複数設置し、当該ジャッキを稼働させて前記免震装置に軸力を導入する工程(例えば、後述のステップS5〜S7)と、前記ジャッキにより導入された軸力を、前記支持部材に受け替える工程(例えば、後述のステップS8、S9)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、免震装置にしっかりプレロードがかかって、免震装置の沈下が防止され、改修後の免震建物の安定精度を向上できるとともに、軸力受け替えに使用するジャッキは、再利用できる。また、ジャッキを、切断撤去空間の周囲に設置するのではなく、新たに設置した免震装置と上部躯体との間に設置することで、切断撤去空間の周りに作業スペースを確保できる。
第二の発明の免震改修方法は、前記躯体の周囲に仮支持部材(例えば、後述の仮受支柱50)を配置して、当該仮支持部材により前記躯体を仮支持させる工程(例えば、後述のステップS1)と、前記躯体の少なくとも一部を切断して撤去し、当該躯体に切断撤去空間を設ける工程(例えば、後述のステップS2)と、当該切断撤去空間に免震装置を設置する工程(例えば、後述のステップS3、S4)と、前記躯体と前記免震装置の上面との間に、上下に伸縮可能な支持部材を設置する工程(例えば、後述のステップS5)と、前記免震装置の上面または下面にジャッキを複数設置し、当該ジャッキを稼働させて前記免震装置に軸力を導入する工程(例えば、後述のステップS6、S7)と、前記躯体と支持部材の間に、グラウト材または無収縮コンクリートを充填して、当該軸力支持部材の高さを固定する工程(例えば、後述のステップS8)と、前記ジャッキにより導入された軸力を除荷して、前記導入された軸力を前記支持部材に受け替える工程(例えば、後述のステップS9)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、支持部材の高さを固定する工程で、免震装置(上面または下面)と支持部材との間、または支持部材と既存躯体(上部躯体または下部躯体)の間に、グラウト材または無収縮コンクリートを充填することで、免震装置と既存躯体を隙間なく密着させることができる。また、支持部材を介して免震装置と既存躯体を密着させることで、免震装置に導入された軸力を、精度よく長期間に亘って一定に保持することができる。
第三の発明の免震改修方法では、前記支持部材(例えば、後述の支持部材60、70、80、90)は、前記ジャッキの周囲に設けられて一部が分断された円弧形状の下部フレーム(例えば、後述の下部リングフレーム61)と、前記躯体の下面に設けられて当該円弧形状の下部フレームに対向して配置された円弧形状の上部フレーム(例えば、後述の上部リングフレーム62)と、前記下部フレームと前記上部フレームとを接続する連結部(例えば、後述の連結部52)と、を備えており、当該連結部は、グラウト材または無収縮コンクリートで形成されることを特徴とする。
この発明によれば、支持部材を一部が分断された円弧形状の圧縮抵抗部材としたので、複数のジャッキを、導入軸力が支持部材に受け替えられた後に、取り出して再利用できる。また、支持部材は、連結部を有する上部フレームおよび下部フレームで形成されており、充填するグラウト材または無収縮コンクリートの型枠兼用構造材として利用できる。
第四の発明の免震改修方法では、前記支持部材(例えば、後述の支持部材90)は、前記ジャッキの周囲に設けられた複数のコンクリートブロック体で形成されることを特徴とする。
この発明によれば、コンクリートブロック体は、鋼材より比重が小さく、軽量でかつ安価に、任意の形状を形成できる。また、コンクリートブロック体は、ジャッキの周囲の任意の位置に設置することができる。
本発明によって、免震装置を既存建物内に挿入した直後から、免震改修後に免震装置が負担する軸力相当量をプレロードとして与えておくことで、免震改修後の建物の不同沈下を防止することができる。
免震装置に事前に導入する軸力相当量は、複数のジャッキにより導入した後、グラウト材または無収縮コンクリートで形成された支持部材に受け替えることで、長期間に亘って、精度よく導入軸力を保持することができる。
本発明の第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置が設置された既存柱の断面図である。 第1実施形態に係る免震装置の断面図である。 第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置を設置する手順のフローチャートである。 第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置を設置する手順の説明図(その1)である。 第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置を設置する手順の説明図(その2)である。 第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置を設置する手順の説明図(その3)である。 第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置を設置する手順の説明図(その4)である。 第1実施形態に係る免震改修方法に用いられる支持部材の平断面図およびA−A断面図である。 第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置を設置する手順の説明図(その5)である。 第1実施形態に係る支持部材の平断面図である。 第1実施形態に係る支持部材の動作の説明図である。 第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置を設置する手順の説明図(その6)である。 本発明の第2実施形態に係る免震改修方法により免震装置が設置された既存柱の断面図である。 本発明の第1の参考例に係る免震改修方法により免震装置が設置された既存柱の断面図である。 本発明の第2の参考例に係る免震改修方法により免震装置が設置された既存柱の断面図である。
本発明は、既存建物の少なくとも躯体の一部に、新たに免震装置を設置する免震改修方法であって、挿入する免震装置には、所定の高軸力を導入して保持させた状態で既存建物と一体化させる免震改修方法に係る発明である。
軸力導入方法は共通であり、免震装置の上部に複数のジャッキを配置して、それらのジャッキによって所定の高軸力を導入する。軸力導入後は、軸力保持手段である支持部材について、第1実施形態および第2実施形態がある。
第1実施形態は、下部リングフレームと上部リングフレームとで構成し、双方のリングフレームとの隙間にグラウト材を充填するものである(図6、図11参照)。第2実施形態は、下部リングフレームと上部リングフレームを2重管構造とするものである(図13参照)。第1の参考例は、支持部材の内側壁面を鋼材とし、他方壁面にメッシュ型枠を設けたものである(図14参照)。第2の参考例は、支持部材をコンクリートブロックで構成したものである(図15参照)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
本実施形態は、支持部材を下部リングフレームと上部リングフレームとで構成し、下部リングフレームと上部リングフレームとの隙間にグラウト材または無収縮コンクリートを充填することで、支持部材の高さを固定する方法である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る免震改修方法により免震装置20が設置された既存柱10の断面図である。図2は、免震装置20の断面図である。
具体的には、既存建物2の躯体としての既存柱10に免震装置20を設置することで、免震構造1を構築し、既存建物2の1階床レベルから上の部分を免震化する。
既存柱10は、例えば、既存建物2の地下1階の柱である。この既存柱10の柱脚部は、地下1階床11に接合されており、この既存柱10の柱頭部は、1階梁12および1階床13に接合されている。
免震装置20は、既存柱10の中間高さに設置され、1階梁12の下面には、補強躯体14が構築されている。
免震構造1は、上述の免震装置20と、下部柱躯体10Aを含んで構築された下部免震基礎30と、上部柱躯体10Bを含んで構築された上部免震基礎40と、を備える。
下部免震基礎30の上面には、下部ベースプレート31が打ち込まれる。下部ベースプレート31には、複数の雌ねじ部32が円環状に配置されている。
上部免震基礎40の下面には、上部ベースプレート41が打ち込まれる。上部ベースプレート41には、複数の雌ねじ部42が円環状に配置されている。また、この上部免震基礎40には、後述の支持部材60が打ち込まれている。
免震装置20は、下部フランジ21と、この下部フランジ21の上に設けられた積層ゴム22と、この積層ゴム22の上に設けられた上部フランジ23と、を備える。
下部フランジ21は、下部免震基礎30の下部ベースプレート31の雌ねじ部32にボルト24で固定される。
上部フランジ23は、上部免震基礎40の上部ベースプレート41の雌ねじ部42にボルト24で固定される。
図3に示す免震装置20を設置する手順に従い、ステップS1では、図4に示すように、仮受支柱50を設置する。まず、1階梁12の下面に補強躯体14を構築する。次に、免震装置20を設置する既存柱10の近傍に、仮支持部材としての仮受支柱50を配置して、この仮受支柱50により、1階梁12を地下1階床11から仮支持させる。
ステップS2では、図4に示すように、既存柱10をワイヤーソーなどで切断して、既存柱10の中間部分のコンクリート躯体を撤去して、上側の既存柱10と下側の既存柱10との間に切断撤去空間3を設ける。ここで、この既存柱10の免震装置20を設置する部分より下側を下部躯体としての下部柱躯体10Aとし、免震装置を設置する部分より上側を上部躯体としての上部柱躯体10Bとする。
ステップS3では、図5に示すように、下部免震基礎30を構築する。具体的には、下部ベースプレート31を下部柱躯体10Aの上に取り付けて、配筋して型枠を建て込んで、型枠内にコンクリートを打設する。
ステップS4では、図5に示すように、下部ベースプレート31の上に免震装置20を取り付ける。この状態では、免震装置20と上部柱躯体10Bとの間に、切断撤去空間3が形成されている。
ステップS5では、図6に示すように、上下に伸縮可能な支持部材60を組み立てて、この組み立てた支持部材60を、上部ベースプレート41の上に設置する。そして、図7に示すように、免震装置20の上に、支持部材60が一体化された上部ベースプレート41を取り付ける。
これにより、支持部材60は、上部柱躯体10Bと免震装置20の上面との間に設けられることになる。
図8に示す支持部材60は、鋼製であり、一対の下部リングフレーム61と、これら下部リングフレーム61の上に設けられた上部リングフレーム62と、を備える。
具体的には、支持部材60は、後述の油圧ジャッキ51の周囲に設置する一部が分断された円弧形状の圧縮抵抗部材であり、分断された部分がジャッキの挿入取出し口(例えば、後述のジャッキの挿入取出し部63)となっている。
下部リングフレーム61は、円弧状の底部611と、底部611の両端側に立設された壁部612と、を備える。
上部リングフレーム62は、下部リングフレーム61に嵌合して上下に移動可能な一対の円弧状の下部フランジ621と、これら下部フランジ621の中心に沿って立設されたウエブ622と、ウエブ622の上端に設けられた円板状のフランジプレート623と、ウエブ622に沿って所定間隔おきに設けられたスチフナ624と、を備える。
下部フランジ621には、所定位置に高さ調整ボルト625が螺合されている。
この支持部材60には、下部リングフレーム61と、上部リングフレーム62が設けられ、この支持部材60の側面にジャッキの挿入取出し部63が設けられている。
ステップS6では、図9および図10に示すように、支持部材60のジャッキの挿入取出し部63から複数の軸力導入手段としての油圧ジャッキ51を挿入し、複数の支持部材60の内側に配置する。これにより、油圧ジャッキ51は、上部柱躯体10Bと免震装置20の上面との間に設けられることになる。
ステップS7では、図11に示すように、油圧ジャッキ51により、支持部材60のフランジプレート623に反力をとって上部ベースプレート41を押圧して、この押圧力を維持する。つまり、油圧ジャッキ51により、上部柱躯体10Bに反力をとって、免震装置20に軸力を導入して、この導入した軸力を維持する。
これにより、仮受支柱50で支持していた既存建物2の荷重を油圧ジャッキ51に受け替える。
すると、支持部材60では、上部リングフレーム62が下部リングフレーム61に対して上昇して、下部リングフレーム61の底部611と上部リングフレーム62の下部フランジ621との隙間dが大きくなる。
ステップS8では、図11に示すように、高さ調整ボルト625を調整して、支持部材60を、上部柱躯体10Bと上部ベースプレート41つまり免震装置20との間で突っ張った状態とする。次に、支持部材60の下部リングフレーム61の底部611と、上部リングフレーム62の下部フランジ621と、の隙間にグラウト材52を充填して、支持部材60の高さを固定する。このグラウト材52は、硬化して、下部リングフレーム61と上部リングフレーム62とを連結する連結部となる。
ステップS9では、グラウト材52の強度が発現した後、油圧ジャッキ51を取り外して除荷し、導入した軸力を支持部材60に受け替える。
ステップS10では、図12に示すように、油圧ジャッキ51を撤去し、配筋して型枠を建て込んで、型枠内にコンクリートを打設することで、上部免震基礎40を構築する。
本第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)上部柱躯体10Bと免震装置20の上面との間に、上下に伸縮可能な支持部材60を設ける。そして、免震装置20に軸力を導入し(プレロード)、支持部材60を上部柱躯体10Bと免震装置20との間で突っ張らせて、この状態で支持部材60にグラウト材52を充填して、支持部材60の伸縮を固定する。その後、軸力を除荷して、導入した軸力を支持部材60に受け替える。
このように、導入した軸力を支持部材60に受け替えるので、従来のように油圧ジャッキで軸力を維持する必要がないから、長期間に亘ってプレロードを維持できる。
また、従来のように上下のフランジプレート同士をロッドで連結する構成ではないので、ロッドを取り外す必要がなく、低コストでプレロードを保持できる。
〔第2実施形態〕
本実施形態は、支持部材の下部リングフレームおよび上部リングフレームを二重リングとしたものであり、二重リングの間の空間部分にグラウト材または無収縮コンクリートを充填することで、支持部材の高さを固定する方法である。
図13に支持部材70の断面図を示すが、本実施形態では、支持部材70の構造が、第1実施形態と異なり、その他の構造は第1実施形態と同様である。
下部リングフレーム71は、二重リングであり、円弧状の内側壁部711と、この内側壁部711の外側に設けられた円弧状の外側壁部712と、を備える。
上部リングフレーム72は、二重リングであり、円弧状の内側壁部721と、この内側壁部721の外側に設けられた円弧状の外側壁部722と、壁部721、722の上端に設けられた円板状のフランジプレート723と、を備える。
壁部721は、壁部711に対して上下に摺動可能であり、壁部722は、壁部712に対して上下に摺動可能である。
本実施形態では、ステップS8において、グラウト材52を壁部711、712、721、722の間に充填する。
本第2実施形態によれば、上述の第1実施形態による効果に加えて、以下のような効果がある。
(2)支持部材を構成する下部リングフレーム71と上部リングフレーム72とを二重管構造とすることで、管体が型枠兼構造材として機能するとともに、双方のリングフレームの隙間に、確実にグラウト材または無収縮コンクリートを充填することができる。
第1の参考例
参考例は、支持部材の内側の壁面を鋼板とし、外側の壁面にメッシュ型枠を配置し、鋼板とメッシュ型枠との間に、グラウト材または無収縮コンクリートを充填することで、支持部材の高さを固定する方法である。
図14に支持部材80の断面図を示すが、本参考例では、支持部材80の構造が、第1実施形態と異なり、その他の構造は第1実施形態と同様である。
下部リングフレーム81は、円弧状の壁部811で構成される。
上部リングフレーム82は、円弧状の壁部821と、壁部821の上端に設けられた円板状のフランジプレート822と、を備える。壁部821は、壁部811に対して上下に摺動可能である。
参考例では、ステップS8において、壁部811、821の外側にメッシュ型枠83を建て込んで、グラウト材52を、壁部811、821とメッシュ型枠83との間に充填する。
参考例によれば、上述の第1、第2実施形態による効果に加えて、以下のような効果がある。
支持部材70は、下部リングフレーム81と上部リングフレーム82とを一重管構造として内側壁面を型枠兼構造材とするとともに、外側壁面にメッシュ型枠83を設けて、その型枠内部にグラウト材等を充填してグラウト層または無収縮コンクリート層を備えた。
(3)支持部材70は、免震装置20と上部柱躯体10Bとの間の隙間空間によって高さは決まるが、厚さおよび形状は、プレロードの軸力相当量によりメッシュ型枠83の設置位置を決定することで、任意に変更できる。
第2の参考例
図15に、支持部材90の断面図を示す。
参考例では、支持部材90として複数のコンクリートブロックを配置し、免震装置とコンクリートブロックとの間、またはコンクリートブロックと上部躯体との間の隙間には、グラウト材または無収縮コンクリート材を充填して密着させて、支持部材の高さを固定する方法である。
参考例では、支持部材90の構造が、第1実施形態と異なり、その他の構造は第1実施形態と同様である。
支持部材90は、高強度コンクリートで構築されたコンクリートブロックである。コンクリートブロックは、上部柱躯体10Bのコンクリート強度より高強度とすることで、躯体断面積より小さい矩形状の支持部材90であっても、撤去切断された既存躯体が負担していた軸力相当量を保持できる。
参考例では、ステップS8において、支持部材90と上部柱躯体10Bとの間に、グラウト材52を充填する。
参考例によれば、上述の第1実施形態、第2実施形態、第1の参考例による効果に加えて、以下のような効果がある。
(4)支持部材90を複数のコンクリートブロック体で構成することで、油圧ジャッキ51の周囲において、支持部材90の設置位置をある程度変更できる。
(5)コンクリートブロック体は、鋼材に比べて、軽量でかつ安価である。
なお、本発明の各実施形態では、導入手段としての油圧ジャッキ51を免震装置20の上に設置したが、免震装置の下に設置してもよい。本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、既存建物の既存柱に免震装置を設けたが、これに限らず、既存基礎の直下に新設基礎を構築し、この新設基礎と既存基礎との間に免震装置を設けてもよい。
1…免震構造 2…既存建物 3…切断撤去空間
10…既存柱(躯体)
10A…下部柱躯体(下部躯体) 10B…上部柱躯体(上部躯体) 11…地下1階床
12…1階梁 13…1階床 14…補強躯体
20…免震装置 21…下部フランジ 22…積層ゴム 23…上部フランジ
24…ボルト 30…下部免震基礎 31…下部ベースプレート
32…雌ねじ部 40…上部免震基礎 41…上部ベースプレート
42…雌ねじ部 50…仮受支柱(仮支持部材)
51…油圧ジャッキ(軸力導入手段) 52…グラウト材、連結部
60…支持部材 61…下部リングフレーム 62…上部リングフレーム
63…ジャッキの挿入取出し部
70…支持部材 71…下部リングフレーム 72…上部リングフレーム
80…支持部材 81…下部リングフレーム 82…上部リングフレーム 83…メッシュ型枠
90…支持部材
611…底部 612…壁部 621…下部フランジ 622…ウエブ
623…フランジプレート 624…スチフナ
711、721…内側壁部 712、722…外側壁部 723…フランジプレート
811、821…壁部 822…フランジプレート

Claims (2)

  1. 躯体に免震装置を設置する免震改修方法であって、
    前記躯体の周囲に仮支持部材を配置して、当該仮支持部材により前記躯体を仮支持させる工程と、
    前記躯体の少なくとも一部を切断して撤去し、当該躯体に切断撤去空間を設ける工程と、
    当該切断撤去空間に免震装置を配置する工程と、
    前記躯体と前記免震装置の上部ベースプレートとの間に、上下に伸縮可能な支持部材を設置する工程と、
    前記免震装置の上部ベースプレート上で前記支持部材の内側にジャッキを複数設置し、当該ジャッキを稼働させて前記免震装置に軸力を導入する工程と、
    前記支持部材にグラウト材または無収縮コンクリートを充填して、当該支持部材の高さを固定する工程と、
    前記ジャッキにより導入された軸力を除荷して、前記導入された軸力を前記支持部材に受け替える工程と、を備え、
    前記支持部材は、前記ジャッキの周囲に設けられて一部が分断された一対の円弧形状の下部フレームと、
    前記躯体の下面に設けられて当該一対の円弧形状の下部フレームに対向して配置された上部フレームと、を備え、
    前記下部フレームは、円弧状の底部と、当該底部の両端側に立設された一対の壁部と、を備え、
    前記上部フレームは、一対の円弧状の下部フランジと、当該下部フランジに立設されたウエブと、当該ウエブの上端に設けられた円板状のフランジプレートと、を備え、
    前記下部フレームの底部と前記上部フレームの下部フランジとの間には、グラウト材または無収縮コンクリート充填され、
    円弧状の前記下部フレームおよび前記上部フレームの一部分断された部分は、前記ジャッキ挿入および取り出し可能であることを特徴とする免震改修方法。
  2. 躯体に免震装置を設置する免震改修方法であって、
    前記躯体の周囲に仮支持部材を配置して、当該仮支持部材により前記躯体を仮支持させる工程と、
    前記躯体の少なくとも一部を切断して撤去し、当該躯体に切断撤去空間を設ける工程と、
    当該切断撤去空間に免震装置を配置する工程と、
    前記躯体と前記免震装置の上部ベースプレートとの間に、上下に伸縮可能な支持部材を設置する工程と、
    前記免震装置の上部ベースプレート上で前記支持部材の内側にジャッキを複数設置し、当該ジャッキを稼働させて前記免震装置に軸力を導入する工程と、
    前記支持部材にグラウト材または無収縮コンクリートを充填して、当該支持部材の高さを固定する工程と、
    前記ジャッキにより導入された軸力を除荷して、前記導入された軸力を前記支持部材に受け替える工程と、を備え、
    前記支持部材は、前記ジャッキの周囲に設けられて一部が分断された一対の円弧形状の下部フレームと、
    前記躯体の下面に設けられて当該一対の円弧形状の下部フレームに対向して配置された上部フレームと、を備え、
    前記下部フレームおよび前記上部フレームは、それぞれ、二重リング構造であり、円弧状の内側壁部と、当該内側壁部の外側に設けられた円弧状の外側壁部と、を備え、
    前記下部フレームの壁部と前記上部フレームの壁部で囲まれた空間には、グラウト材または無収縮コンクリート充填され、
    円弧状の前記下部フレームおよび前記上部フレームの一部分断された部分は、前記ジャッキ挿入および取り出し可能であることを特徴とする免震改修方法。
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