JPH1088824A - 免震構造物の積層ゴム交換方法 - Google Patents

免震構造物の積層ゴム交換方法

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JPH1088824A
JPH1088824A JP23955596A JP23955596A JPH1088824A JP H1088824 A JPH1088824 A JP H1088824A JP 23955596 A JP23955596 A JP 23955596A JP 23955596 A JP23955596 A JP 23955596A JP H1088824 A JPH1088824 A JP H1088824A
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JP
Japan
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laminated rubber
rubber
jack
cooling
laminated
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JP23955596A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nakamura
嶽 中村
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Obayashi Corp
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Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物のジャッキアップ作業を不要としてこ
れによる余分な応力が構造物に発生することを防止しつ
つ、容易かつ安全性の高い作業内容で積層ゴムの取り換
えを行うことができる免震構造物の積層ゴム交換方法を
提供する。 【解決手段】 積層ゴム14の周囲を断熱材16で囲繞
し、その外側にジャッキ18を配置する。ジャッキ18
は積層ゴム14と同一高さに伸長し、構造物10と基礎
部12との両者に当接する。冷却装置20を稼働して積
層ゴム14を冷却する。積層ゴム14は冷却により熱収
縮され、構造物10との間に隙間δが生ずる。断熱材1
6を撤去して積層ゴム14を高さ調整用のスペーサ22
と一緒に取外し、予め冷却して収縮させた新たな積層ゴ
ム14を必要に応じてスペーサ22とともに設置する。
取り換えた新たな積層ゴム14を温度上昇して熱膨張さ
せ、その後ジャッキ18を取り外す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基礎部に積層ゴム
を設置して構造物全体の固有周期を長周期化し、地震に
よる振動入力時に構造物が共振するのを防止するように
した免震構造物の積層ゴム交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では高層ビル等の構造物を制振する
に各種装置が提案されているが、中でも図2に示すよう
に、積層ゴム1を構造物2の基礎部3に設置するように
なったものがある。このように積層ゴム1を基礎部3に
設置することにより、前記構造物2全体の固有周期を長
周期化させて、地震が入力された場合にも構造物2が共
振するのを防止して構造物2の揺れを抑制できるように
なっている。
【0003】ところで、前記積層ゴム1は、経時劣化に
よりクリープなどの変形を生じたり硬質化する剛性変化
を生じて免震機能が劣化してしまった場合や、火事・水
害等の災害事故により損傷が生じた場合には交換をする
必要がある。このように積層ゴム1を交換するには、通
常、構造物2の基礎部3にジャッキ4を配置してジャッ
キアップし、構造物2を若干持上げて積層ゴム1と構造
物2との間に隙間δを設けた状態で、この積層ゴム1を
取外すと共に新たな積層ゴム1を取付けるようになって
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の積層ゴムの交換方法にあっては、上述したように
構造物2をジャッキアップした状態で積層ゴム1の交換
作業を行うため、このジャッキアップにより構造物2に
余計な応力が生じてしまう。そこで積層ゴム1の交換に
際しては、綿密な構造的検討を必要とするとともに、こ
れに基づく処置を講ずる必要があって、単なる積層ゴム
1の交換作業に止まらずきわめて煩雑かつ手間のかかる
ものであった。
【0005】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、構造物のジャッキアップ作業を不要としてこれによ
る余分な応力が構造物に発生することを防止しつつ、容
易かつ安全性の高い作業内容で積層ゴムの取り換えを行
うことができる免震構造物の積層ゴム交換方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1は、基礎部に設置した積層ゴムで
構造物を免震支持するようにした免震構造物において、
前記構造物を支持させるためにその下側に当接させてジ
ャッキを配置するジャッキ配置工程と、交換対象積層ゴ
ムを冷却してこれを熱収縮させるとともに該積層ゴムの
支持荷重を前記ジャッキに移す積層ゴム冷却工程と、熱
収縮した交換対象積層ゴムを取外して、予め冷却した新
たな積層ゴムを取付ける積層ゴム取り換え工程とを備え
る。
【0007】また、本発明の請求項2は、前記積層ゴム
取り換え工程の次に、前記新たな積層ゴムが熱膨張して
前記ジャッキの支持荷重が該積層ゴムへと移るに応じて
該ジャッキを撤去するジャッキ取り外し工程を備える。
【0008】また、本発明の請求項3は、前記ジャッキ
配置工程以前から少なくとも前記積層ゴム取り換え工程
に亘って、前記積層ゴムが設置されている前記基礎部の
空間の温度を昇温維持する加熱作業を行う。
【0009】更に、本発明の請求項4は、前記交換対象
積層ゴムの冷却は、この積層ゴムの周囲を断熱材で囲繞
して行う。
【0010】また、本発明の請求項5は、前記交換対象
積層ゴムには予めこれに重ねて、前記基礎部と前記構造
物との間の高さを前記新たな積層ゴムの高さよりも高く
維持するスペーサを設けておくようにする。
【0011】従って、本発明の請求項1の免震構造物の
積層ゴム交換方法にあっては、ジャッキ配置工程によっ
て構造物の下側にジャッキを当接した状態で、積層ゴム
冷却工程によって交換対象積層ゴムを冷却することによ
り、この積層ゴムは熱収縮して構造物との間に隙間が形
成され、この際当該積層ゴムの支持荷重がジャッキに移
されて、この積層ゴムの取外しが可能となる。そして、
積層ゴム取り換え工程によって交換対象積層ゴムを取外
した後、予め冷却しておいた新たな積層ゴムを取付ける
ことにより、積層ゴムの交換が行われる。従って、この
積層ゴム交換方法は、交換対象積層ゴムを冷却するのみ
で顕著な熱収縮効果が得られる高温時、例えば夏季にお
ける交換作業に適する。
【0012】このように交換対象積層ゴムを冷却するよ
うにし、この冷却による熱収縮で荷重支持能力を消失す
る当該交換対象積層ゴムの負担荷重を、構造物の下側に
単に当接させて配置したジャッキに支持させるようにし
たので、温度変化を与えるのみで構造物と積層ゴムとの
間に隙間を生じさせて交換作業をきわめて容易に実施す
ることができると共に、特に構造物にあっては荷重支持
が交換対象積層ゴムからジャッキに移行したのみであっ
て、従来のように殊更構造物をジャッキアップしそのた
めに構造物に余計な応力を生じさせてしまう方法と異な
り、構造物の支持状態に変化がなく、従って交換作業の
高い安全性を確保することができる。
【0013】また、本発明の請求項2の免震構造物の積
層ゴム交換方法にあっては、新たな積層ゴムを常温で放
置または加熱することで熱膨張し、これによりジャッキ
の支持荷重が新たな積層ゴムへと移るに応じて前記ジャ
ッキを撤去すことにより、構造物の荷重を新たな積層ゴ
ムに滑らかに移行させることができて、構造物に余分な
応力を発生させることなく、積層ゴムの交換を完了する
ことができる。
【0014】また、本発明の請求項3の免震構造物の積
層ゴム交換方法にあっては、ジャッキ配置工程以前から
少なくとも積層ゴム取り換え工程に亘って、必要であれ
ばジャッキ取り外し工程が完了するまでの間、加熱作業
を行い、積層ゴムが設置されている基礎部の空間の温度
を昇温させ維持するようにしている。このようにすれ
ば、積層ゴムを昇温させて熱膨張状態に維持しつつ、こ
の状態で交換対象積層ゴムのみを冷却することで、これ
ら相互間に相対温度差を十分に得て交換対象積層ゴムに
相対的に十分な熱収縮を生じさせて、上記交換方法を適
切に実施することができる。特に、基礎部の空間を加熱
することにより、交換対象積層ゴムを冷却するための冷
却能力を軽減することができる。
【0015】従って、この積層ゴム交換方法は、特に交
換対象積層ゴムが低温状態にある、例えば冬季における
交換作業に適する。
【0016】更に、本発明の請求項4にあっては、前記
積層ゴムの冷却は、積層ゴムの周囲を断熱材で囲繞して
行うことにより、積層ゴムの冷却効率を向上して、エネ
ルギーロスなく迅速に作業を行うことができる。
【0017】また、本発明の請求項5にあっては、前記
交換対象積層ゴムには予めこれに重ねて、前記基礎部と
前記構造物との間の高さを前記新たな積層ゴムの高さよ
りも高く維持するスペーサを設けておくようにすること
で、例えばクリープ現象のために既設の交換対象積層ゴ
ムの高さが縮み、これにより構造物の支持高さが全体的
に低くなっていても、交換対象積層ゴムに予め重ねて設
けておいた上記スペーサによって基礎部と構造物との間
の高さを、新たに取り付けられる積層ゴムの高さよりも
高く維持することができ、交換対象積層ゴムが縮んでい
ても支障なく基礎部と構造物との間に新たな積層ゴムを
取り付けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1は本発明にかかる免
震構造物の積層ゴム交換方法の一実施形態を示す断面図
である。
【0019】即ち、本実施形態では構造物10の基礎部
12に積層ゴム14を設置することにより、この構造物
10は免震構造物として構成される。積層ゴム14はゴ
ム板と鋼板とを交互に積層して構成され、構造物10の
固有周期を長周期化して、地震による入力振動に共振し
ないように設定される。前記積層ゴム14は上下両面に
取付フランジ14a,14bが設けられ、これら取付フ
ランジ14a,14bが、前記構造物10と前記基礎部
12とに図外の取付ボルトを介して固定される。
【0020】また、積層ゴム14のこれら取付フランジ
14a,14bの上側および下側の少なくともいずれか
一方には構造物10や基礎部12との間に予め挟み込ん
で、図示にあっては取付フランジ14aの上側に予め重
ねて、基礎部12と構造物10との間の高さを新たな積
層ゴム14の高さよりも高く維持するスペーサ22が設
けられている。このスペーサ22は、厚さ1mm程度の
鋼板材を適宜枚数重ねて構成されている。積層ゴム14
には、構造物10の重量を長期に亘って支持することに
よりクリープが生じ、この縮みのために構造物10と基
礎部12との間の高さは全体的に低くなる。このような
状況では新たな積層ゴム14に交換する際に、構造物1
0の支持高さが低くなっている分だけ相対的に新たな積
層ゴム14の高さが高く、このままでは新たな積層ゴム
14を基礎部12と構造物10との間に挿入して取り付
けることができない。上記スペーサ22は、交換時期に
おける積層ゴム14のクリープ量を考慮して、これとほ
ぼ同じかあるいはこれを超える厚さに設定されて予め積
層ゴム14に重ねて設けられ、交換時期において積層ゴ
ム14がクリープしていても構造物10と基礎部12と
の間の高さを新たな積層ゴム14の高さよりも高く維持
できるようになっている。例えば、積層ゴム14の初期
高さが500mmで、その見込みクリープ量が3〜4m
mである場合には、これとほぼ同じかより厚い5mm程
度のスペーサ22を設けるようにする。この場合、構造
物10と基礎部12との間の当初高さは505mmとな
る。このようにすれば、積層ゴム14がクリープして縮
んでいても構造物10と基礎部12との間の高さはおお
よそ501〜502mmに維持され、高さ500mmの
新たな積層ゴム14を支障なく取り付けることができ
る。このスペーサ22の高さは、数回にわたる積層ゴム
14の交換作業を考慮してもっと厚く設定することもで
きる。また他方、クリープ量が小さく見込まれる場合な
どには、このようなスペーサ22を用いなくても良いこ
とはもちろんである。
【0021】そして、前記積層ゴム14を交換する際に
は、まず、この積層ゴム14の周囲の前記構造物10と
基礎部12との間を断熱材16で囲繞し、この断熱材1
6の外側に積層ゴム14を囲むように一組のジャッキ1
8を配置すると共に、前記取付ボルトを取り外す。ジャ
ッキ18は、積層ゴム14によって支持される構造物1
0の下側に挿入した後、スペーサ22を含めてこの積層
ゴム14と同一高さとなるように伸長され、構造物10
と基礎部12との両者に当接されて、構造物10の荷重
の一部をジャッキ18によって支持する(ジャッキ配置
工程)。
【0022】前記断熱材16で囲繞された内方には、冷
却装置20の冷気導入ダクト20aと排気ダクト20b
とが連通される。そして、前記冷却装置20を稼働して
断熱材16の内方を冷却し、これによって積層ゴム14
を冷却する(積層ゴム冷却工程)。積層ゴム14は冷却
されることにより熱収縮され、構造物10との間に隙間
δが形成される。
【0023】従って、前記積層ゴム14が収縮されるこ
とにより、構造物10の荷重は前記ジャッキ18に完全
に移行して支持される。この状態で前記断熱材16を撤
去すると共に、現在設置されている交換対象の積層ゴム
14及びスペーサ22を取外し、予め冷却して収縮状態
にある新たな積層ゴム14を必要に応じてスペーサ22
とともに設置する(積層ゴム取り換え工程)。
【0024】そして、取り換えた前記新たな積層ゴム1
4を、周りの雰囲気温度で自然に温度上昇させ、または
図外の加熱装置で強制的に温度上昇させて、この積層ゴ
ム14を熱膨張させる。この際には、ジャッキ18の支
持荷重が新たな積層ゴム14へと移る。この状態で、こ
れらジャッキ18を取外す(ジャッキ取り外し工程)。
【0025】以上説明したように本実施形態の免震構造
物の積層ゴム交換方法にあっては、ジャッキ配置工程に
よって構造物10の下側にジャッキ18を当接した後、
積層ゴム冷却工程によって積層ゴム14を冷却し、次
に、積層ゴム取り換え工程によって積層ゴム14を取外
した後、冷却しておいた新たな積層ゴム14を取付けて
交換し、そして、ジャッキ取り外し工程によって新たな
積層ゴム14を熱膨張させてジャッキ18を取外すよう
になっている。
【0026】従って、前記ジャッキ18によって構造物
10を持上げることがなく、この構造物10に余分な応
力が発生することを防止できる。そして、積層ゴム冷却
工程によって積層ゴム14を冷却することにより、この
積層ゴム14は熱収縮されて構造物10との間に間隙δ
が形成されるため、この状態で構造物10の荷重は前記
ジャッキ18,18に移行して、積層ゴム14の取外し
を安全かつ簡単に行うことができる。
【0027】そして、積層ゴム取り換え工程では新たな
積層ゴム14として予め冷却したものが用いられるた
め、この新たな積層ゴム14は収縮された状態で基礎部
12に取付けられることになり、その取付けを容易に行
うことができる。次に、ジャッキ取り外し工程では、基
礎部12に取付けた新たな積層ゴム14を常温で放置ま
たは加熱してジャッキ18の支持荷重が積層ゴム14へ
と移るように熱膨張させた時点で、ジャッキ18を撤去
するようにしていて、ジャッキ18で支持していた構造
物10の荷重が新たな積層ゴム14に滑らかに移行され
るため、構造物10に無理な応力が発生するのを防止で
きる。
【0028】従って、本実施形態ではジャッキ18によ
って構造物10を支持する際、およびジャッキ18を取
外して新たな積層ゴム14で構造物10を支持する際
に、構造物10に余分な応力が発生することを防止でき
ることにより、容易にかつ高い安全性で交換作業を実施
することができる。
【0029】また、本実施形態では前記積層ゴム14を
冷却するにあたって、この積層ゴム14の周囲を断熱材
16で囲繞するようにしたので、積層ゴム14の冷却効
率が大幅に向上されて、交換作業をエネルギーロスなく
迅速に行うことができる。
【0030】また、交換対象の積層ゴム14に予め重ね
て、基礎部12と構造物10との間の高さを新たな積層
ゴム14の高さよりも高く維持するスペーサ22を設け
ておくようにしたので、例えばクリープ現象のために既
設の積層ゴム14の高さが縮み、これにより構造物10
の支持高さが全体的に低くなっていても、スペーサ22
によって基礎部12と構造物10との間の高さを、新た
に取り付けられる積層ゴム14の高さよりも高く維持す
ることができ、新たな積層ゴム14を基礎部12と構造
物10との間に支障なく取り付けることができる。
【0031】ところで、本実施形態の積層ゴム交換方法
は、積層ゴム14を冷却することにより顕著な熱収縮効
果が得られる高温時、例えば夏季における交換作業に適
する。
【0032】ここで、前記実施形態では夏季に適する積
層ゴム14の交換方法を開示したが、低温となる冬季で
は最初から積層ゴム14が収縮傾向にあるため、ジャッ
キ18を取付ける際に、積層ゴム14を加熱して熱膨張
させてから同様の方法で交換作業を行うことが好まし
い。
【0033】即ち、冬季での積層ゴム交換方法にあって
は、ジャッキ配置工程以前から少なくとも積層ゴム取り
換え工程に亘って、必要であればジャッキ取り外し工程
が完了するまでの間、加熱作業を行い、積層ゴム14が
設置されている基礎部12の空間の温度を昇温させ維持
するようにする。
【0034】従って、冬季の積層ゴム交換方法では、加
熱作業によって積層ゴム14は熱膨張した状態で構造物
10を支持し、この状態でジャッキ配置工程によって構
造物10の下側にジャッキ18を当接させる。そして、
積層ゴム冷却工程によって積層ゴム14を冷却すること
により、この積層ゴム14は熱収縮して構造物10との
間に隙間δが形成されて、この積層ゴム14の取外しが
可能となる。そして、積層ゴム取り換え工程によって積
層ゴム14を取外した後、新たな積層ゴム14を取付け
ることにより積層ゴム14の交換が行われ、その後、ジ
ャッキ取り外し工程によって新たな積層ゴム14を熱膨
張させ、この状態で前記ジャッキ18を取外すことによ
り、構造物10の荷重が新たな積層ゴム14に滑らかに
移行されて、構造物10に無理な応力を発生させること
なく、積層ゴム14の交換を行うことができる。このよ
うに、積層ゴム14を昇温させて熱膨張状態に維持しつ
つ、この状態で交換対象の積層ゴム14のみを冷却する
ことで、これら相互間に相対温度差を十分に得て交換対
象の積層ゴム14に相対的に十分な熱収縮を生じさせ
て、上記交換方法を適切に実施することができる。特
に、基礎部12の空間を加熱することにより冷却能力を
軽減することができる。
【0035】この実施形態にあっても前記積層ゴム14
を冷却する際には、積層ゴム14の周囲を断熱材16で
囲繞して行うことが望ましく、積層ゴム14の冷却効率
を向上して、エネルギーロスなく迅速に交換作業を行う
ことができる。
【0036】またこの実施形態にあっても、上記スペー
サ22を用いることができることはもちろんである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す免震構造物の積層ゴム交換方法にあっては、ジャッ
キ配置工程,積層ゴム冷却工程および積層ゴム取り換え
工程を備えて、夏季等の高温時の積層ゴム交換に適した
方法を提供することができる。即ち、ジャッキ配置工程
によって構造物の下側にジャッキを当接した状態で、積
層ゴム冷却工程によって交換対象積層ゴムを冷却するこ
とにより、この積層ゴムは熱収縮して構造物との間に隙
間が形成され、この際当該積層ゴムの支持荷重がジャッ
キに移されて、この積層ゴムの取外しが可能となる。そ
して、積層ゴム取り換え工程によって交換対象積層ゴム
を取外した後、予め冷却しておいた新たな積層ゴムを取
付けることにより、積層ゴムの交換を行うことができ
る。そしてこのように交換対象積層ゴムを冷却するよう
にし、この冷却による熱収縮で荷重支持能力を消失する
当該交換対象積層ゴムの負担荷重を、構造物の下側に単
に当接させて配置したジャッキに支持させるようにした
ので、温度変化を与えるのみで構造物と積層ゴムとの間
に隙間を生じさせて交換作業をきわめて容易に実施する
ことができると共に、特に構造物にあっては荷重支持が
交換対象積層ゴムからジャッキに移行したのみであっ
て、従来のように殊更構造物をジャッキアップしそのた
めに構造物に余計な応力を生じさせてしまう方法と異な
り、構造物の支持状態に変化がなく、従って交換作業の
高い安全性を確保することができる。
【0038】また、本発明の請求項2に示す免震構造物
の積層ゴム交換方法にあっては、新たな積層ゴムを常温
で放置または加熱することで熱膨張し、これによりジャ
ッキの支持荷重が新たな積層ゴムへと移るに応じて前記
ジャッキを撤去することにより、構造物の荷重を新たな
積層ゴムに滑らかに移行させることができて、構造物に
余分な応力を発生させることなく積層ゴムの交換を完了
することができる。
【0039】また、本発明の請求項3に示す免震構造物
の積層ゴム交換方法にあっては、加熱作業を行うように
して、冬季等の低温時の積層ゴム交換に適した方法を提
供することができる。すなわち、ジャッキ配置工程以前
から少なくとも積層ゴム取り換え工程に亘って、必要で
あればジャッキ取り外し工程が完了するまでの間、加熱
作業を行い、積層ゴムが設置されている基礎部の空間の
温度を昇温させ維持するようにしている。このようにす
れば、積層ゴムを昇温させて熱膨張状態に維持しつつ、
この状態で交換対象積層ゴムのみを冷却することで、こ
れら相互間に相対温度差を十分に得て交換対象積層ゴム
に相対的に十分な熱収縮を生じさせて、上記交換方法を
適切に実施することができる。特に、基礎部の空間を加
熱することにより、交換対象積層ゴムを冷却するための
冷却能力を軽減することができる。
【0040】更に、本発明の請求項4にあっては、前記
積層ゴムの冷却を、積層ゴムの周囲を断熱材で囲繞して
行うことにより、積層ゴムの冷却効率を向上して、エネ
ルギーロスなく迅速に交換作業を行うことができる。
【0041】また、本発明の請求項5にあっては、前記
交換対象積層ゴムには予めこれに重ねて、前記基礎部と
前記構造物との間の高さを前記新たな積層ゴムの高さよ
りも高く維持するスペーサを設けておくようにしたの
で、例えばクリープ現象のために既設の交換対象積層ゴ
ムの高さが縮み、これにより構造物の支持高さが全体的
に低くなっていても、交換対象積層ゴムに予め重ねて設
けておいた上記スペーサによって基礎部と構造物との間
の高さを、新たに取り付けられる積層ゴムの高さよりも
高く維持することができ、交換対象積層ゴムが縮んでい
ても支障なく基礎部と構造物との間に新たな積層ゴムを
取り付けることができるという各種優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層ゴム交換方法の一実施形態を説明
するための免震構造物の要部断面図である。
【図2】従来の積層ゴム交換方法を示す要部断面図であ
る。
【符号の説明】 10 構造物 12 基礎部 14 積層ゴム 16 断熱材 18 ジャッキ 20 冷却装置 22 スペーサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎部に設置した積層ゴムで構造物を免
    震支持するようにした免震構造物において、前記構造物
    を支持させるためにその下側に当接させてジャッキを配
    置するジャッキ配置工程と、交換対象積層ゴムを冷却し
    てこれを熱収縮させるとともに該積層ゴムの支持荷重を
    前記ジャッキに移す積層ゴム冷却工程と、熱収縮した交
    換対象積層ゴムを取外して、予め冷却した新たな積層ゴ
    ムを取付ける積層ゴム取り換え工程とを備えたことを特
    徴とする免震構造物の積層ゴム交換方法。
  2. 【請求項2】 前記積層ゴム取り換え工程の次に、前記
    新たな積層ゴムが熱膨張して前記ジャッキの支持荷重が
    該積層ゴムへと移るに応じて該ジャッキを撤去するジャ
    ッキ取り外し工程を備えたことを特徴とする請求項1に
    記載の免震構造物の積層ゴム交換方法。
  3. 【請求項3】 前記ジャッキ配置工程以前から少なくと
    も前記積層ゴム取り換え工程に亘って、前記積層ゴムが
    設置されている前記基礎部の空間の温度を昇温維持する
    加熱作業を行うことを特徴とする請求項1または2に記
    載の免震構造物の積層ゴム交換方法。
  4. 【請求項4】 前記交換対象積層ゴムの冷却は、この積
    層ゴムの周囲を断熱材で囲繞して行うことを特徴とする
    請求項1〜3いずれかの項に記載の免震構造物の積層ゴ
    ム交換方法。
  5. 【請求項5】 前記交換対象積層ゴムには予めこれに重
    ねて、前記基礎部と前記構造物との間の高さを前記新た
    な積層ゴムの高さよりも高く維持するスペーサを設けて
    おくことを特徴とする請求項1〜4いずれかの項に記載
    の免震構造物の積層ゴム交換方法。
JP23955596A 1996-09-10 1996-09-10 免震構造物の積層ゴム交換方法 Pending JPH1088824A (ja)

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