JPH09221921A - 免震構造物に設置された積層ゴムの交換法 - Google Patents
免震構造物に設置された積層ゴムの交換法Info
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- JPH09221921A JPH09221921A JP2794596A JP2794596A JPH09221921A JP H09221921 A JPH09221921 A JP H09221921A JP 2794596 A JP2794596 A JP 2794596A JP 2794596 A JP2794596 A JP 2794596A JP H09221921 A JPH09221921 A JP H09221921A
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来積層ゴムの交換には、構造物全体を同
時にジャッキアップする必要があり、構造物全体を浮か
せるために、全部の積層ゴム固定ボルトを外しておく必
要があると共に、構造物全体が油圧ジャッキの上に載っ
た状態となり、構造的に不安定な状態がかなり長い時間
続く。この間、免震機能を失うばかりでなく、小さな地
震や、油圧ジャッキの操作ミス等で支持部が外れる場合
がある。このような問題を解決することを課題とする。 【解決手段】 交換しようとする積層ゴムを、加熱膨張
せしめ、積層ゴムの背丈が高くなったところで、構造物
の荷重を計測する荷重計を取り付けた、構造物の荷重支
持部材を、積層ゴムの周辺に設置し、積層ゴムの固定ボ
ルトを弛め、構造物の荷重を、支持部材が完全に支持し
たことを確認して、該積層ゴムを冷却収縮せしめ、該積
層ゴム取り付け部に隙間が生じたところで、交換しよう
とする積層ゴムを取り外し、予め冷却して背丈が低くな
った状態の別の新しい積層ゴムと交換する。
時にジャッキアップする必要があり、構造物全体を浮か
せるために、全部の積層ゴム固定ボルトを外しておく必
要があると共に、構造物全体が油圧ジャッキの上に載っ
た状態となり、構造的に不安定な状態がかなり長い時間
続く。この間、免震機能を失うばかりでなく、小さな地
震や、油圧ジャッキの操作ミス等で支持部が外れる場合
がある。このような問題を解決することを課題とする。 【解決手段】 交換しようとする積層ゴムを、加熱膨張
せしめ、積層ゴムの背丈が高くなったところで、構造物
の荷重を計測する荷重計を取り付けた、構造物の荷重支
持部材を、積層ゴムの周辺に設置し、積層ゴムの固定ボ
ルトを弛め、構造物の荷重を、支持部材が完全に支持し
たことを確認して、該積層ゴムを冷却収縮せしめ、該積
層ゴム取り付け部に隙間が生じたところで、交換しよう
とする積層ゴムを取り外し、予め冷却して背丈が低くな
った状態の別の新しい積層ゴムと交換する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】免震構造物の多くは免震装置
部に積層ゴム支承が使われている。この積層ゴム部は定
期的な点検を行い、適正な免震機能を維持するように管
理することが義務づけられている。また、大地震後や積
層ゴム部が水没した時にも臨時的な点検を行い、積層ゴ
ムの性能が管理値の範囲にあるかどうかを調査すること
が義務づけられている。点検や調査の結果、更に詳しい
調査が必要になった場合、あるいは新しい積層ゴムとの
交換が必要になった場合には、構造物全体を持ち上げ積
層ゴムを取り外すことが必要になってくる。本発明はこ
の積層ゴムの取り外し、交換の方法に関する。
部に積層ゴム支承が使われている。この積層ゴム部は定
期的な点検を行い、適正な免震機能を維持するように管
理することが義務づけられている。また、大地震後や積
層ゴム部が水没した時にも臨時的な点検を行い、積層ゴ
ムの性能が管理値の範囲にあるかどうかを調査すること
が義務づけられている。点検や調査の結果、更に詳しい
調査が必要になった場合、あるいは新しい積層ゴムとの
交換が必要になった場合には、構造物全体を持ち上げ積
層ゴムを取り外すことが必要になってくる。本発明はこ
の積層ゴムの取り外し、交換の方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明の解決しようとする課題】従来は、
交換しようとする積層ゴムの周辺に油圧ジャッキを設置
し、この部分を数mm持ち上げるように力を加え、持ち
上げている状態で交換を行っていた。
交換しようとする積層ゴムの周辺に油圧ジャッキを設置
し、この部分を数mm持ち上げるように力を加え、持ち
上げている状態で交換を行っていた。
【0003】積層ゴムの上部の梁、壁の剛性が高く部分
的な持ち上げができない場合には広範囲に持ち上げる
か、構造物全体を持ち上げる必要がある。なお、構造物
に損傷を与えないようにするためには、構造物全体を持
ち上げるのが望ましい。
的な持ち上げができない場合には広範囲に持ち上げる
か、構造物全体を持ち上げる必要がある。なお、構造物
に損傷を与えないようにするためには、構造物全体を持
ち上げるのが望ましい。
【0004】上述のように積層ゴムの交換には構造物全
体を同時にジャッキアップする必要があり、多数、大容
量の油圧ジャッキが必要であった。多数、大容量のジャ
ッキを精度よく制御することは難しく、かなり高度な技
術を必要とした。
体を同時にジャッキアップする必要があり、多数、大容
量の油圧ジャッキが必要であった。多数、大容量のジャ
ッキを精度よく制御することは難しく、かなり高度な技
術を必要とした。
【0005】また、この場合、構造物全体を浮かせるた
めに全部の積層ゴム固定ボルトを外しておく必要がある
と共に構造物全体が油圧ジャッキの上に載った状態とな
り、構造的に不安定な状態がかなり長い時間続く。この
間免震機能を失うばかりでなく、小さな地震や、油圧ジ
ャッキの操作ミス等で支持部が外れる場合がある。油圧
ジャッキが外れた場合、大事故となるばかりか、健全で
あった上部構造にも損傷を与える虞れがある。
めに全部の積層ゴム固定ボルトを外しておく必要がある
と共に構造物全体が油圧ジャッキの上に載った状態とな
り、構造的に不安定な状態がかなり長い時間続く。この
間免震機能を失うばかりでなく、小さな地震や、油圧ジ
ャッキの操作ミス等で支持部が外れる場合がある。油圧
ジャッキが外れた場合、大事故となるばかりか、健全で
あった上部構造にも損傷を与える虞れがある。
【0006】本発明はこのような問題を解決するために
創案された、免震構造物に設置された積層ゴムの交換法
である。
創案された、免震構造物に設置された積層ゴムの交換法
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】免震構造物に設置された
積層ゴムの交換法であり、免震構造物に設置してある全
ての積層ゴムを、同時に加熱膨張せしめ、積層ゴムの背
丈が高くなったところで、構造物の荷重を計測する荷重
計を取り付けた、高さ方向に出没自在な、前記構造物の
荷重支持部材を、交換しようとする積層ゴムの周辺に設
置し、前記積層ゴムの固定ボルトを弛め、該積層ゴムを
冷却し、収縮せしめ、前記積層ゴムの背丈が低くなり、
該積層ゴム取り付け部に隙間が生じたところで、前記構
造物の荷重を、前記支持部材が完全に支持したことを確
認して、前記交換しようとする積層ゴムを取り外し、予
め冷却して背丈が低くなった状態の別の新しい積層ゴム
と交換し、該新しく取り付けた積層ゴムを加熱して、背
丈を高くし、構造物の荷重を積層ゴムが完全に負担する
ことを確認して、前記支持部材を没入せしめて、積層ゴ
ムの固定ボルトを締め交換を終えることを特徴とした免
震構造物に設置された積層ゴムの交換法を主旨とする。
積層ゴムの交換法であり、免震構造物に設置してある全
ての積層ゴムを、同時に加熱膨張せしめ、積層ゴムの背
丈が高くなったところで、構造物の荷重を計測する荷重
計を取り付けた、高さ方向に出没自在な、前記構造物の
荷重支持部材を、交換しようとする積層ゴムの周辺に設
置し、前記積層ゴムの固定ボルトを弛め、該積層ゴムを
冷却し、収縮せしめ、前記積層ゴムの背丈が低くなり、
該積層ゴム取り付け部に隙間が生じたところで、前記構
造物の荷重を、前記支持部材が完全に支持したことを確
認して、前記交換しようとする積層ゴムを取り外し、予
め冷却して背丈が低くなった状態の別の新しい積層ゴム
と交換し、該新しく取り付けた積層ゴムを加熱して、背
丈を高くし、構造物の荷重を積層ゴムが完全に負担する
ことを確認して、前記支持部材を没入せしめて、積層ゴ
ムの固定ボルトを締め交換を終えることを特徴とした免
震構造物に設置された積層ゴムの交換法を主旨とする。
【0008】積層ゴムの取り付け空間及び積層ゴムの高
さ管理は、高さ管理用のゲージで行うものとし、積層ゴ
ムの温度制御は、積層ゴムの表面に温度計を取着し、該
温度計の温度をコントローラに帰還し、冷温熱源の供給
熱量を制御するものとする。
さ管理は、高さ管理用のゲージで行うものとし、積層ゴ
ムの温度制御は、積層ゴムの表面に温度計を取着し、該
温度計の温度をコントローラに帰還し、冷温熱源の供給
熱量を制御するものとする。
【0009】また、積層ゴムの加熱熱源に全面発熱電気
ヒーターを用いることもできるし、積層ゴムの冷温熱源
に、積層ゴムの周囲に閉鎖空間を設け、冷風・温風を用
いることもできる。
ヒーターを用いることもできるし、積層ゴムの冷温熱源
に、積層ゴムの周囲に閉鎖空間を設け、冷風・温風を用
いることもできる。
【0010】また、積層ゴムの冷却熱源に、積層ゴムの
周囲に蛇管を巻き、冷水、温水を通して冷却、加熱する
ことも可能である。
周囲に蛇管を巻き、冷水、温水を通して冷却、加熱する
ことも可能である。
【0011】また、積層ゴムの加熱・冷却をペルチェ効
果を応用した半導体のコンピュータ制御によって行うこ
ともできる。
果を応用した半導体のコンピュータ制御によって行うこ
ともできる。
【0012】交換する積層ゴムの部分の構造物荷重を臨
時的に支えるためには高さ調整機能を持った支持装置が
必要になる。この支持装置には、ねじ式ジャッキ、また
は油圧ジャッキが用いられる。
時的に支えるためには高さ調整機能を持った支持装置が
必要になる。この支持装置には、ねじ式ジャッキ、また
は油圧ジャッキが用いられる。
【0013】次に、本発明の課題の解決手段を具体的に
説明する。
説明する。
【0014】本発明は、積層ゴムのゴム部が鉄やコンク
リートに比べて温度に対して大きな線膨張係数を持つこ
とを利用したものである。
リートに比べて温度に対して大きな線膨張係数を持つこ
とを利用したものである。
【0015】構造物全体に設置してある積層ゴムの温度
を上げ、構造物全体を持ち上げる方向に変位させる。ゴ
ムの線膨張係数は5.7 ×10-4であるためゴム層厚16cmの
一般的な積層ゴムに30°C の温度差を加えると2.78mmの
伸びを生じ、構造物を持ち上げることができる。
を上げ、構造物全体を持ち上げる方向に変位させる。ゴ
ムの線膨張係数は5.7 ×10-4であるためゴム層厚16cmの
一般的な積層ゴムに30°C の温度差を加えると2.78mmの
伸びを生じ、構造物を持ち上げることができる。
【0016】この状態で交換が必要な積層ゴムの周辺に
支持部材(ねじ式ジャッキ、油圧ジャッキ等で高さが調
整できるもの)を設置し、積層ゴムを固定しているボル
トを弛め取り外し可能なように準備しておく。支持部材
には支持荷重が測定できる測定器を設置しておく。次に
交換が必要なゴムだけ冷し、他の積層ゴムとの温度差が
50°C 程度となるようにすれば積層ゴムは4.6mm 縮むこ
とになり、積層ゴムは支持荷重を負担しなくなった分だ
け伸びることになる。この伸びは通常のゴムで1.2mm 程
度であり、結局4.6mm −1.2mml=3.4mm の隙間を確保す
ることができる。この隙間を利用して積層ゴムを取り外
す。
支持部材(ねじ式ジャッキ、油圧ジャッキ等で高さが調
整できるもの)を設置し、積層ゴムを固定しているボル
トを弛め取り外し可能なように準備しておく。支持部材
には支持荷重が測定できる測定器を設置しておく。次に
交換が必要なゴムだけ冷し、他の積層ゴムとの温度差が
50°C 程度となるようにすれば積層ゴムは4.6mm 縮むこ
とになり、積層ゴムは支持荷重を負担しなくなった分だ
け伸びることになる。この伸びは通常のゴムで1.2mm 程
度であり、結局4.6mm −1.2mml=3.4mm の隙間を確保す
ることができる。この隙間を利用して積層ゴムを取り外
す。
【0017】新しい積層ゴムは事前に常温状態で高さを
測定しておき、交換が可能かどうか、高さの精度が許容
範囲内かどうかを確認し、交換時までに予め冷却して縮
めた状態にしておく。新しい積層ゴムを設置し、固定ボ
ルトで軽く締めておく。
測定しておき、交換が可能かどうか、高さの精度が許容
範囲内かどうかを確認し、交換時までに予め冷却して縮
めた状態にしておく。新しい積層ゴムを設置し、固定ボ
ルトで軽く締めておく。
【0018】その後この積層ゴムの温度を上げ、積層ゴ
ムの伸びと支持部材の荷重の変化を確認し、荷重が確実
に積層ゴムに伝わるようになったことを確認する。積層
ゴムが構造物の荷重を支えるようになった状態で積層ゴ
ムのフランジのボルトを固定し、全体の積層ゴムの温度
を徐々に下げて常温状態にして交換を終了する。
ムの伸びと支持部材の荷重の変化を確認し、荷重が確実
に積層ゴムに伝わるようになったことを確認する。積層
ゴムが構造物の荷重を支えるようになった状態で積層ゴ
ムのフランジのボルトを固定し、全体の積層ゴムの温度
を徐々に下げて常温状態にして交換を終了する。
【0019】施工時期が夏期であれば交換積層ゴムの冷
却だけで相対温度差25°C 程度を得ることにより1.4mm
の隙間を確保することができ、加熱装置は不要となる。
却だけで相対温度差25°C 程度を得ることにより1.4mm
の隙間を確保することができ、加熱装置は不要となる。
【0020】施工時期が冬期であれば加熱装置だけで相
対温度差25°C 程度を得ることにより1.4mm の隙間を確
保することができ、冷却装置は不要となる。
対温度差25°C 程度を得ることにより1.4mm の隙間を確
保することができ、冷却装置は不要となる。
【0021】この状態で施工上もう少し大きな隙間が必
要な場合には部分的なジャッキアップを併用することも
考えられる。
要な場合には部分的なジャッキアップを併用することも
考えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の積層
ゴムの交換方法の実施の形態を順を追って説明する。
ゴムの交換方法の実施の形態を順を追って説明する。
【0023】図1は、積層ゴム1を加熱する状況を示す
図である。積層ゴム1は、上梁2と下梁3の間に取り付
けボルト8で取り付けられている。該積層ゴム1の外周
に加熱ヒーターパッド(全面発熱電気ヒーター)4を巻
き付ける。積層ゴム1の表面に温度計5を設置し、積層
ゴム1の表面温度を電源コントローラ6に帰還し、加熱
ヒーターパッド4への供給電力を制御し、積層ゴム1の
温度管理を行う。また高さ管理用のゲージ7aで上梁2
と下梁3の隙間を管理し、高さ管理用ゲージ7bで積層
ゴム1の高さを管理する。
図である。積層ゴム1は、上梁2と下梁3の間に取り付
けボルト8で取り付けられている。該積層ゴム1の外周
に加熱ヒーターパッド(全面発熱電気ヒーター)4を巻
き付ける。積層ゴム1の表面に温度計5を設置し、積層
ゴム1の表面温度を電源コントローラ6に帰還し、加熱
ヒーターパッド4への供給電力を制御し、積層ゴム1の
温度管理を行う。また高さ管理用のゲージ7aで上梁2
と下梁3の隙間を管理し、高さ管理用ゲージ7bで積層
ゴム1の高さを管理する。
【0024】図2は加熱膨張した積層ゴム1の周辺に支
持部材9(ねじ式ジャッキ、油圧ジャッキ等で高さが調
節できるもの)を設置し、積層ゴム1を取り付けている
固定ボルト8を弛め取り外し可能なように準備している
図である。支持部材9(図ではねじ式ジャッキ)には、
支持荷重が計測可能な荷重計10を設置し、構造物の荷
重が確実に支持部材9を通して下部基礎に伝わることを
確認し、加熱ヒーターパッド4を取り外す。
持部材9(ねじ式ジャッキ、油圧ジャッキ等で高さが調
節できるもの)を設置し、積層ゴム1を取り付けている
固定ボルト8を弛め取り外し可能なように準備している
図である。支持部材9(図ではねじ式ジャッキ)には、
支持荷重が計測可能な荷重計10を設置し、構造物の荷
重が確実に支持部材9を通して下部基礎に伝わることを
確認し、加熱ヒーターパッド4を取り外す。
【0025】図3は固定ボルト8を弛めて、交換する積
層ゴム1だけを冷風によって、冷却しているところを示
す図である。積層ゴム1の周囲に冷却カバー11を設
け、積層ゴム1に設置した温度計5の温度状況を供給冷
風コントローラ12に帰還し、冷風源13の温度を制御
し温度制御された冷風を、冷却カバー11に繋がるダク
ト14を介して循環させ、積層ゴム1の温度を制御す
る。
層ゴム1だけを冷風によって、冷却しているところを示
す図である。積層ゴム1の周囲に冷却カバー11を設
け、積層ゴム1に設置した温度計5の温度状況を供給冷
風コントローラ12に帰還し、冷風源13の温度を制御
し温度制御された冷風を、冷却カバー11に繋がるダク
ト14を介して循環させ、積層ゴム1の温度を制御す
る。
【0026】高さ管理用のゲージ7bによって積層ゴム
1の高さを管理し、所定の高さまで積層ゴム1が収縮し
たところで、予め同温度に冷却された積層ゴムと交換取
り付ける。
1の高さを管理し、所定の高さまで積層ゴム1が収縮し
たところで、予め同温度に冷却された積層ゴムと交換取
り付ける。
【0027】図4は冷風で積層ゴム1を冷却する代わり
に、水で冷却する例を示した図である。積層ゴム1の周
囲に、冷却水を通す蛇管17を巻き付け、積層ゴム1に
設置した温度計5の温度状況を冷却水コントローラ16
に帰還し、冷却水源15の温度を制御し温度制御された
冷却水を、前記蛇管17を循環させ、積層ゴム1の温度
を制御する。また、高さ管理用のゲージ7bで積層ゴム
の収縮高さを管理することは、図3の場合と同様であ
る。
に、水で冷却する例を示した図である。積層ゴム1の周
囲に、冷却水を通す蛇管17を巻き付け、積層ゴム1に
設置した温度計5の温度状況を冷却水コントローラ16
に帰還し、冷却水源15の温度を制御し温度制御された
冷却水を、前記蛇管17を循環させ、積層ゴム1の温度
を制御する。また、高さ管理用のゲージ7bで積層ゴム
の収縮高さを管理することは、図3の場合と同様であ
る。
【0028】新しい積層ゴムと交換取り付けが終了した
ところで、図1に示すような方法で積層ゴムを加熱し積
層ゴムが膨張して構造物の荷重を支持するようになった
か否かを支持部材9に設置した荷重計10で示される荷
重変化で確認する。積層ゴムが構造物の荷重を支持する
ようになったら固定ボルト8を締める。
ところで、図1に示すような方法で積層ゴムを加熱し積
層ゴムが膨張して構造物の荷重を支持するようになった
か否かを支持部材9に設置した荷重計10で示される荷
重変化で確認する。積層ゴムが構造物の荷重を支持する
ようになったら固定ボルト8を締める。
【0029】構造物全体の積層ゴムの温度を下げて、積
層ゴムの交換を終える。
層ゴムの交換を終える。
【0030】
【発明の効果】本発明の積層ゴム交換方法によれば、構
造物全体を持ち上げるにも係わらず、持ち上げている
間、積層ゴムの固定ボルトを外す必要がなく、免震性
能、耐震安全性は通常状態に保つことができる。交換作
業の時は交換する積層ゴムの固定ボルトを外すことにな
るがその時間は短く、安全に工事を行うことができる。
構造物内には通常通り居住しながら工事を行うことがで
きる。騒音を発生するような重機を使用する必要はな
く、静かな環境で工事を行う事ができる。使用する機材
は安価なもので施工費を低減するこどができる。温度管
理、高さ管理をコンピュータ等でを使って行うことによ
り、精度向上と省力化を図ることができる。
造物全体を持ち上げるにも係わらず、持ち上げている
間、積層ゴムの固定ボルトを外す必要がなく、免震性
能、耐震安全性は通常状態に保つことができる。交換作
業の時は交換する積層ゴムの固定ボルトを外すことにな
るがその時間は短く、安全に工事を行うことができる。
構造物内には通常通り居住しながら工事を行うことがで
きる。騒音を発生するような重機を使用する必要はな
く、静かな環境で工事を行う事ができる。使用する機材
は安価なもので施工費を低減するこどができる。温度管
理、高さ管理をコンピュータ等でを使って行うことによ
り、精度向上と省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層ゴム1を加熱する状況を示す図である。
【図2】加熱膨張した積層ゴム1の周辺に支持部材9
(ねじ式ジャッキ、油圧ジャッキ等で高さが調節できる
もの)を設置し、積層ゴム1を取り付けている固定ボル
ト8を弛め取り外し可能なように準備している図であ
る。
(ねじ式ジャッキ、油圧ジャッキ等で高さが調節できる
もの)を設置し、積層ゴム1を取り付けている固定ボル
ト8を弛め取り外し可能なように準備している図であ
る。
【図3】交換する積層ゴム1だけを冷風によって、冷却
しているところを示す図である。
しているところを示す図である。
【図4】冷風で積層ゴム1を冷却する代わりに、水で冷
却する例を示した図である。
却する例を示した図である。
1……積層ゴム、2……上梁、3……下梁、4……加熱
ヒーターパッド(全面発熱ヒーター)、5……温度計、
6……電源コントローラ、7……高さ管理用ゲージ、8
……固定ボルト、9……支持部材、10……荷重計、1
1……冷却カバー、12……冷風コントローラ、13…
…冷風源、14……ダクト、15……冷却水源、16…
…冷却水コントローラ、17……蛇管
ヒーターパッド(全面発熱ヒーター)、5……温度計、
6……電源コントローラ、7……高さ管理用ゲージ、8
……固定ボルト、9……支持部材、10……荷重計、1
1……冷却カバー、12……冷風コントローラ、13…
…冷風源、14……ダクト、15……冷却水源、16…
…冷却水コントローラ、17……蛇管
Claims (6)
- 【請求項1】 免震構造物に設置された積層ゴムの交換
法であり、免震構造物に設置してある全ての積層ゴム
を、同時に加熱膨張せしめ、積層ゴムの背丈が高くなっ
たところで、構造物の荷重を計測する荷重計を取り付け
た、高さ方向に出没自在な、前記構造物の荷重支持部材
を、交換しようとする積層ゴムの周辺に設置し、前記積
層ゴムの固定ボルトを弛め、該積層ゴムを冷却し、収縮
せしめ、前記積層ゴムの背丈が低くなり、該積層ゴム取
り付け部に隙間が生じたところで、前記構造物の荷重
を、前記支持部材が完全に支持したことを確認して、前
記交換しようとする積層ゴムを取り外し、予め冷却して
背丈が低くなった状態の別の新しい積層ゴムと交換し、
該新しく取り付けた積層ゴムを加熱して、背丈を高く
し、構造物の荷重を積層ゴムが完全に負担することを確
認して、前記支持部材を没入せしめて、積層ゴムの固定
ボルトを締め交換を終えることを特徴とした免震構造物
に設置された積層ゴムの交換法。 - 【請求項2】 積層ゴムの取り付け空間及び積層ゴムの
高さ管理を、高さ管理用のゲージで行うことを特徴とし
た、請求項1記載の免震構造物に設置された積層ゴムの
交換法。 - 【請求項3】 積層ゴムの表面に温度計を取着し、該温
度計の温度をコントローラに帰還し、冷温熱源の供給熱
量を制御することを特徴とした請求項1又は2記載の免
震構造物に設置された積層ゴムの交換法。 - 【請求項4】 積層ゴムの加熱熱源に全面発熱電気ヒー
ターを用いることを特徴とした請求項1、2または3記
載の免震構造物に設置された積層ゴムの交換法。 - 【請求項5】 積層ゴムの冷温熱源に、積層ゴムの周囲
に閉鎖空間を設け、冷風・温風を用いることを特徴とし
た請求項1、2または3記載の免震構造物に設置された
積層ゴムの交換法。 - 【請求項6】 積層ゴムの冷温熱源に、積層ゴムの周囲
に蛇管を巻き、冷水、温水を通して冷却、加熱すること
を特徴とした請求項1、2または3記載の免震構造物に
設置された積層ゴムの交換法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2794596A JPH09221921A (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 免震構造物に設置された積層ゴムの交換法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2794596A JPH09221921A (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 免震構造物に設置された積層ゴムの交換法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09221921A true JPH09221921A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=12235041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2794596A Pending JPH09221921A (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 免震構造物に設置された積層ゴムの交換法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09221921A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011132769A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-07 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 免震用積層ゴムの取替え工法 |
JP2016084696A (ja) * | 2015-06-11 | 2016-05-19 | オイレス工業株式会社 | 下部構造物と上部構造物との間から免震装置を除去する方法又はこれらの間に新たな免震装置を設置する方法 |
JP2016084695A (ja) * | 2015-06-10 | 2016-05-19 | オイレス工業株式会社 | 下部構造物と上部構造物との間から免震装置を除去する方法又はこれらの間に新たな免震装置を設置する方法 |
JP2017096084A (ja) * | 2015-11-12 | 2017-06-01 | 鹿島建設株式会社 | 撤去方法及び冷却装置 |
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1996
- 1996-02-15 JP JP2794596A patent/JPH09221921A/ja active Pending
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