JPH11221892A - 低熱収縮ポリエステルフィルムおよび低熱収縮熱現像写真感光材料 - Google Patents

低熱収縮ポリエステルフィルムおよび低熱収縮熱現像写真感光材料

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JPH11221892A
JPH11221892A JP10039787A JP3978798A JPH11221892A JP H11221892 A JPH11221892 A JP H11221892A JP 10039787 A JP10039787 A JP 10039787A JP 3978798 A JP3978798 A JP 3978798A JP H11221892 A JPH11221892 A JP H11221892A
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less
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JP10039787A
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Narikazu Hashimoto
斉和 橋本
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱寸法安定性にすぐれた低熱収縮性ポリエス
テルフィルムおよび熱寸法安定性にすぐれた低熱収縮性
熱現像写真感材を提供する。 【解決手段】 温度60℃相対湿度80%の条件下に7
2時間保持したときの面内寸法変化率が0.02%を越
え0.05%以下であり、かつ温度105℃に30分間
保持したときの面内寸法変化率の平均値が−0.07%
以上0.03%以下であるとともにその面内異方性が0
%以上0.08%以下である低熱収縮ポリエステルフィ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低熱収縮ポリエステ
ルフィルムおよび低熱収縮熱現像写真感光材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来ハロゲン化銀写真感光材料は、撮影
後現像液を用いて湿式現像を行っている。しかし、この
方法では、下記のような不具合があり改善が望まれてい
た。 現像、漂白、定着、乾燥を行なうため、現像処理に時
間を要する。 現像液を入れたタンクを複数個必要とするため、現像
機を小型軽量化できない。 現像液の補充、廃棄および現像タンクの洗浄等の手間
を要する。 これを改善するために80〜150℃の熱による現像方
法(以下熱現像と略することがある)を用いた写真感材
が提唱される。この一つの例として感光層中にあらかじ
め現像薬の前駆体を含ませておき、これを熱により分解
し現像薬とし、現像する方法等が挙げられる。このよう
な熱現像方式では、現像処理は熱を与えるだけでよく短
時間で処理が可能であり、現像機も小型化できる。さら
に現像液の補充や廃棄の心配が無い、といった特徴を有
している。しかし、印刷用感材にこの方式の感材を用い
た場合、熱現像中に発生する寸法変化のために、画像の
歪みや4版(青、緑、赤、墨)の色ズレが発生した。こ
れを解決するためには、特開平3−97523号公報に
記載されているような等方的で熱収縮の小さな支持体を
用いることが挙げられる。しかしこの特許に従い得られ
た支持体は、80℃〜150℃で行われる熱現像に対し
て寸法安定性が不十分であった。さらにボーイング現象
にともなう面内異方性を軽減するために、製膜時に延長
しながら熱固定しているが、この方法では製膜時の歪み
が十分弛緩されず、より大きな面積( 0.6m×1m)
内の高い寸法安定性、高い平面性が要求される写真用支
持体には不十分であった。さらにこの支持体を140℃
で1〜5秒張力5kg/cm2で加熱浮上させて熱処理してい
るが、この条件では、特に105℃30分の高温短時間の寸
法安定性が不十分である上に、浮上方式による支持体の
ばたつきによるベコの発生が顕著であり平面性も不十分
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は熱寸法安定性
にすぐれた低熱収縮性ポリエステルフィルムおよび熱寸
法安定性にすぐれた低熱収縮性熱現像写真感材を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題は、以下の発明
により達成された。 (1)温度60℃相対湿度80%の条件下に72時間保
持したときの面内寸法変化率が0.02%を越え0.0
5%以下であり、かつ温度105℃に30分間保持した
ときの面内寸法変化率の平均値が−0.07%以上0.
03%以下であるとともにその面内異方性が0%以上
0.08%以下であることを特徴とするポリエステルフ
ィルム。 (2)温度60℃相対湿度80%の条件下に72時間保
持したときの面内寸法変化率の面内異方性が0%以上
0.04%以下であることを特徴とする(1)項に記載
のポリエステルフィルム。 (3)ベース幅方向全領域において温度60℃相対湿度
80%の条件下に72時間保持したときの面内寸法変化
率が0.02%を越え0.05%以下であるとともにそ
の面内異方性が0%以上0.04%以下であり、かつベ
ース幅方向全領域において温度105℃に30分間保持
したときの面内寸法変化率の平均値が−0.07%以上
0.03%以下であるとともにその面内異方性が0%以
上0.08%以下であることを特徴とする(1)又は
(2)項に記載のポリエステルフィルム。 (4)温度60℃相対湿度80%の条件下に72時間保
持したときの面内寸法変化率が0.02%を越え0.0
5%以下でありかつその面内異方性が0.005%以上
0.04%以下であり、かつ温度105℃に30分間保
持したときの面内寸法変化率の平均値が−0.07%以
上0.03%以下でありかつその面内異方性が0.01
%以上0.08%以下であることを特徴とする異方性ポ
リエステルフィルム。 (5)ベース幅方向全領域において温度60℃相対湿度
80%の条件下に72時間保持したときの面内寸法変化
率が0.02%を越え0.05%以下であるとともにそ
の面内異方性が0.005%以上0.04%以下であ
り、かつベース幅方向全領域において温度105℃に3
0分間保持したときの面内寸法変化率の平均値が−0.
07%以上0.03%以下であるとともにその面内異方
性が0.010%以上0.08%以下であることを特徴
とする(4)項に記載の異方性ポリエステルフィルム。 (6)該ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタ
レートフィルムあるいはポリエチレンナフタレートフィ
ルムであることを特徴とする(1)〜(5)項のいずれ
か1項に記載のポリエステルフィルム。 (7)(1)〜(6)項のいずれか1項に記載のポリエ
ステルフィルムを支持体に用いた熱現像写真感光材料。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の低熱収縮ポリエステルフ
ィルムとは、温度60℃相対湿度80%の条件下に72
時間保持したときの面内寸法変化率が0.02%以上
0.05%以下、より好ましくは0.02%以上0.0
4%以下であり、かつ温度105℃に30分間保持した
ときの面内寸法変化率の平均値が−0.07%以上0.
03%以下、より好ましくは−0.06%以上0.02
%以下、さらに好ましくは−0.05%以上0.02%
以下である(面内寸法変化率の正は伸張、負は収縮を示
す)。
【0006】ポリエステル支持体を本発明の範囲内にす
ることで、意外なことに写真感光層塗設後(写真感材)
の熱現像前後の寸法変化を小さくすることができた。温
度60℃相対湿度80%の条件下に72時間保持したと
きの面内寸法変化率が本発明の範囲を上回っても下回っ
ても、熱現像時に発生する寸法変化が大きく、重ね焼き
した時に色ズレが発生し好ましくない。この機構はまだ
不明であるが以下のように推測される。即ち写真感光層
には水分が吸着しており、これを熱現像すると水分はポ
リエステル支持体に拡散する。これは感光層が熱源に接
触し表面から揮発できないため反対面のポリエステル支
持体に拡散するためと推定される。従ってポリエステル
支持体は高湿下で熱処理されたことになる。一方感光層
は脱湿し収縮応力が働く。このため高湿下での熱処理の
寸法変化が本発明の範囲で伸張すると、感光層の収縮と
相殺し寸法変化を小さくすることができる。一方本発明
の範囲を越え高湿下での伸張が大きすぎると、写真感材
は伸張しすぎ好ましくない。逆に本発明の範囲を下回る
と感光層の収縮の寄与が大きくなり、写真感材は収縮し
すぎて好ましくない。このように本発明は写真感光材料
用支持体として特有の現象であると推定される。
【0007】さらに温度60℃相対湿度80%の条件下
に72時間保持したときの面内寸法変化率の面内異方性
は0%以上0.04%以下、より好ましくは0.005
%以上0.04%以下、さらに好ましくは0.005%
以上0.03%以下である。さらに温度105℃に30
分間保持したときの面内寸法変化率の面内異方性が0%
以上0.08%以下、より好ましくは0.01%以上
0.08%以下、さらに好ましくは0.01%以上0.
06%以下である。より好ましくは完全に等方的(面内
異方性=0)であるより、上記のように異方的である方
がより好ましい。さらにはMD方向よりTD方向の絶対
寸法変化量(収縮量あるいは伸張量の絶対値)を大きく
することがさらに好ましい。これにより、熱現像により
発生する平面性の不良(波打ち、耳伸び、ベコ等)を小
さくすることができる。これは熱現像機内でMD方向と
TD方向に加わる応力が異なる(MD方向には搬送張力
が加わるがTD方向には加わらない)ことに由来すると
思われるが詳細は不明である。
【0008】さらに、ベース幅方向全領域において温度
60℃相対湿度80%の条件下に72時間保持したとき
の面内寸法変化率が0.02%を越え0.05%以下で
あり、より好ましくは0.02%を越え0.04%以
下、その面内異方性が0%以上0.04%以下、より好
ましくは0.005%以上0.04%以下、さらに好ま
しくは0.005%以上0.03%以下であることが好
ましい。同時にベース幅方向全領域において温度105
℃に30分間保持したときの面内寸法変化率の平均値が
−0.07%以上0.03%以下、より好ましくは−
0.06%以上0.02%以下、さらに好ましくは−
0.05%以上0.02%以下、その面内寸法変化率の
面内異方性が0%以上0.08%以下、より好ましくは
0.01%以上0.08%以下、さらに好ましくは0.
01%以上0.06%以下であることが好ましい。温度
60℃相対湿度80%の条件下に72時間保持したとき
の面内寸法変化率が上記の本発明の範囲を上回ると感光
層塗設後の熱現像に伴う寸法変化が大きくなりやすく好
ましくない。一方この範囲を下回っても、感光層塗設後
の熱現像に伴う寸法変化が大きくなりやすい上、熱現像
後の感材に波打ちや耳伸びやベコが発生し平面性が低下
し易く好ましくない。また、温度105℃に30分間保
持したときの面内寸法変化率の平均値が本発明の範囲を
上回ると感光層塗設後の熱現像に伴う寸法変化が大きく
なりやすく好ましくない。一方下回ると感光層塗設後の
熱現像に伴う寸法変化が大きくなりやすく好ましくな
い。温度60℃相対湿度80%の条件下に72時間保持
したときの面内寸法変化率の面内異方性が上記範囲を上
回っても下回っても熱現像後の感材に波打ちや耳伸びや
ベコが発生し平面性が低下し易く好ましくない。温度1
05℃に30分間保持したときの面内寸法変化率の面内
異方性が本発明の範囲を上回っても、下回っても熱現像
後の感材に波打ちや耳伸びやベコが発生し平面性が低下
し易く好ましくない。
【0009】ベース幅方向全域にわたって上記のような
本発明の特徴を達成することで、大きなサイズ(60cm
以上)を扱う印刷用写真感材に於いては全領域にわた
り、画像ずれが発生せず好ましい。さらに、寸法変化率
の大きな部分を落とさなくても良いため、得率が上がり
非常に好ましい。好ましいベース幅は0.6m以上10
m以下であり、より好ましくは1m以上8m以下であ
り、さらに好ましくは1.2m以上6.5m以下であ
る。このように写真感材用ポリエステル支持体の場合、
極めて高い寸法安定性が要求されるため、このような寸
法変化率およびその異方性、幅方向分布が必要とされ
る。本発明の範囲を越えると、熱現像に伴い平面性が低
下したり画像に歪みが生じ好ましくない。これは高い重
ね合わせ精度を要求される印刷用写真感光材料で特に必
要とされる。
【0010】このような低熱収縮ポリエステル支持体は
以下のような方法で達成することができる。低熱収縮ポ
リエステル支持体を形成するポリエステルはジカルボン
酸とジオールから構成されるが、好ましいジカルボン酸
として、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソ
フタル酸、オルトフタル酸、パラフェニレンジカルボン
酸およびそのエステル形成体を挙げることができる。ジ
オールは、エチレングリコール、ブチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフェノールA、ビフェノールが好ましい。ジオ
ールとジカルボン酸以外にヒドロキシカルボン酸を用い
てもポリエステルを形成でき、パラヒドロキシ安息香
酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸を用い
てもよい。このようなポリエステルを達成する上で好ま
しいのが、全ジカルボン酸ユニット中に含まれるテレフ
タル酸、あるいはナフタレンジカルボン酸の含率が50
mol%以上100mol%以下のものが好ましく、こ
れは共重合体であってもよく、ポリマーブレンドであっ
てもよい。これらの中で特に好ましいのがポリエチレン
テレフタレート(PET)とポリエチレンナフタレート
(PEN)である。
【0011】このようなポリエステルは原料のジカルボ
ン酸とジアルコールを1から2kg/mm2の加圧下あるいは
大気圧下で180〜280℃で0.5〜8時間反応させ
エステル交換させた後、50〜1mmHgの真空にした
240〜290℃で1〜3時間加熱することで重合させ
てえることができる。このとき原材料の添加をスラリー
で行うことで好ましい。即ちジカルボン酸あるいはその
ジエステルとテレフタル酸を微粒子にし、エチレングリ
コール中に分散させスラリーとして供給する。これらの
重合時、必要に応じて、エステル交換反応触媒あるいは
重合反応触媒を用いたり、耐熱安定化剤(例えば亜リン
酸、リン酸、トリメチルフォスフェート、トリエチルフ
ォスフェート、テトラエチルアンモニウム)を添加して
もよい。これらのポリエステル合成法については、例え
ば、高分子実験学第5巻「重縮合と重付加」(共立出
版、1980年)第103頁〜第136頁、“合成高分
子V”(朝倉書店、1971年)第187頁〜第286
頁の記載や特開平5−163337号、同3−1790
52号、同2−3420号、同1−275628号、特
開昭62−290722号、同61−241316号等
を参考に行うことができる。
【0012】これらのポリエステルは、耐熱性の観点か
らガラス転移温度(Tg)が50℃以上のものが好まし
く、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは65
℃以上である。このようにして重合したポリマーは、オ
ルソクロロフェノール溶媒中にて、35℃で測定した極
限粘度が0.40以上、0.9以下のものが好ましく、
0.45〜0.70のものがさらに好ましい。本発明に
よるポリエステルフィルムは易滑性を付与することも可
能であり、不活性無機化合物の練り込みが一般的手法と
して用いられる。このような不活性無機粒子としてはS
iO2 、TiO2 、BaSO4 、CaCO3 、タルク、
カオリン等が例示される。これらはポリエステル合成反
応系に不活性な粒子を添加する外部粒子系による易滑性
付与法、ポリエステルの重合反応時に添加する触媒等を
析出させる内部粒子系による易滑性付与法いずれも採用
可能である。好ましい添加量は5ppm以上1000p
pm以下、より好ましくは10ppm以上500ppm
以下である。また添加する粒子の大きさは0.01μm
以上10μm 以下が好ましく、0.05μm 以上5μm
以下がより好ましい。
【0013】次にこれらの本発明のポリエステル支持体
の製膜法について述べる。上述のような方法で重合した
ポリマーをペレット化し、これを80℃〜200℃で1
時間以上乾燥する。この後、そのポリマーの融点温度
(Tm)以上、330℃以下で溶融する。この後、フィ
ルターを用いて溶融ポリマーをあらかじめろ過しておく
ほうが好ましい。フィルターとしては、金網、焼結金
網、焼結金属、サンド、グラスファイバーなどが挙げら
れる。これをT−ダイから溶融押し出しを行い未延伸フ
ィルムを製膜する。T−ダイから押しだした溶融ポリマ
ーは、Tg −80℃〜Tg (Tg:ポリエステルのガラ
ス転移温度)、より好ましくはTg −60℃〜Tg −1
0℃にしたキャスティングドラム上に押し出す。この
時、静電印加法あるいは液膜形成法(水等の流体をキャ
スティングドラム上に塗布しメルトとドラの密着をよく
する)でドラムとの密着を良くし平面性の改良を行うこ
とも好ましい。
【0014】このようにして得た未延伸フィルムを逐次
2軸延伸、熱固定、熱緩和してフィルムを形成する。本
発明は延伸工程で発生した歪みをなるべく除去すること
を特徴としており、下記のように縦延伸、横延伸、熱固
定の後に緩和工程を入れていることが特徴である。 縦延伸後の緩和:最初に上記の方法で形成した未延伸
フィルムを縦方向(MD)にTg+15℃〜Tg+50
℃で2.8〜3.8倍に延伸する。縦延伸は、出口ロー
ラー速度より入り口ローラー速度を早くすることで達成
できる。この後、縦延伸温度(Tmd)〜(Tmd+50
℃)、さらに好ましくは(Tmd+10℃)〜(Tmd+4
0℃)で、縦方向の張力を100g/mm2 以下、より好
ましくは50g/mm2 以下、さらに好ましくは30g/
mm2 以下で熱処理することで延伸の歪みを緩和しMD寸
法変化を小さくすることができる。 横延伸後の緩和:横方向にTg+20℃〜Tg+55
℃の温度で3.0〜4.0倍に延伸する。この後Tg +
60℃〜Tg +100℃で横方向に緩和する。このとき
横方向に3〜10%緩和することによって、横延伸の歪
みを緩和しTD寸法変化を小さくすることができる。 熱固定後の緩和:Tm −50℃〜Tm −10℃の間で
熱固定を行なう。このとき横方向に3〜10%緩和させ
るのが好ましい。これにより熱固定で発生する収縮応力
により発生する横方向の歪みを緩和しTD寸法変化を小
さくすることができる。さらに熱固定ゾーンの両端の温
度を中心部の温度より2〜10℃高くしておくとさらに
好ましい。これによりチャックで把持され歪みの発生し
やすい端部のボーイングを一層小さくすることができ
る。
【0015】低張力巻き取り:熱固定後、Tg 以下に
冷却する前の張力を100g/mm2以下、より好ましく
は50g/mm2 以下、さらに好ましくは30g/mm2
搬送することで、熱固定中に発生した縦方向の収縮応力
による歪みを解消でき、寸法変化を小さくできる。 Tg 以上でのトリミング:さらにTg 以下に冷却する
前にチャックで把持していた耳部をトリミングしておく
ことも横方向の歪み緩和に効果がある。これは冷却に伴
う収縮応力を緩和させるためである。 上記のような横延伸、熱固定後の緩和はベース幅方向全
領域にわたって寸法変化を小さくすることにも有効であ
る。これはこれらの緩和によって、収縮応力の大きくな
りやすいチャック近傍の応力を解放する効果が大きく、
全幅にわたって寸法変化率を小さくできる。この効果
は、この後に実施する低張力の熱処理と組み合わせるこ
とで一層顕著になる。
【0016】好ましい熱処理温度は150℃〜180℃
であり、熱処理時間は30秒〜120秒が好ましく、よ
り好ましくは40秒〜90秒である。特にポイントにな
るのが熱処理時間であり、これより短いと高温短時間
(105℃30分)の寸法変化が大きく成りやすい上、
このベース幅方向の分布が大きく成りやすく好ましくな
い。またこの時間範囲を越えると急激にオリゴマーが析
出し、ヘーズが低下し易く好ましくない。このような温
度制御は断熱材を用いた熱処理ゾーン内に熱風を吹き込
んで達成してもよく、ヒートロールのような高温の熱媒
体に接触させて伝熱で可塑性フィルム昇温してもよく、
赤外線ヒーターのようなものを用いて輻射熱で昇温して
もよい。いずれの方法でもよいが、幅方向の温度分布を
小さくすることが熱収縮の幅方向分布を小さくするため
に好ましい。これには熱風の吹き出し口にフィンを設置
し風の向きを調整することで吹き溜まりを無くしたり、
温度の低くなりやすい両端部の温度が高くなるようにヒ
ートロールや赤外線ヒーターを分割制御することで達成
できる。
【0017】さらにこの熱処理の張力は0.5kg/cm2
上3.5kg/cm2以下が好ましく、1kg/cm2以上2.5kg
/cm2以下がより好ましい。この範囲未満では、ベース搬
送中に蛇行し易く、この範囲を越えると高温短時間(1
05℃30分)の寸法変化が大きく成りやすい。このよ
うな張力の制御は巻き取り側、送り出し側の少なくとも
一方に設置したモーターを調整することで達成できる。
このときテンションピックアップを設置し、張力をモニ
ターしながら調整するのが好ましい。但しこのような低
張力で巻き取ると巻崩れ易いため、巻き取り部の前でテ
ンションカットした後、高い張力で巻き取るのが好まし
い。このような熱処理は単一の熱処理ゾーンで実施して
も、複数の熱処理ゾーンで実施しても同様な効果が得ら
れる。このようなベース搬送はパスロール間を搬送して
もよく、熱処理ゾーン中を垂直に搬送しても良い。さら
に高い平面性を保つためには熱処理ゾーンの入口に予熱
ゾーン、出口に徐冷ゾーンを設けることが好ましい。い
ずれもTg 以上熱処理温度以下で3秒〜120秒処理す
るのが好ましい。これにより急激な温度変動で支持体が
大きく伸張、収縮する際に発生するトタン板状のベース
変形を抑制し、高い平面性を保つことができる。このよ
うな熱処理は支持体製膜後に実施してもよく、下塗層あ
るいは・およびバック層塗設後に実施しても良い。後者
の方がより好ましい。
【0018】このようにして得られた支持体を用いて感
光層、バック層を塗設し写真感材とする。これには先ず
これらの層と支持体を強固に固定するため表面処理を行
うことが好ましい。例えば、グロー放電処理(特開平8
−194286号等)、コロナ処理(例えば特公昭48
−5043号、同47−51905号、特開昭47−2
8067号、同49−83767号、同51−4177
0号、同51−131576号等)、紫外線処理(例え
ば特公昭43−2603号、特公昭43−2604号、
特公昭45−3828号)や火炎処理を行なうのが好ま
しい。表面処理した支持体と感光層および/またはバッ
ク層の間に下塗層を設けることも好ましい。下塗り層と
しては、第1層として支持体によく接着する層(以下、
下塗り第1層と略す)を設け、その上に第2層として下
塗り第1層と写真層をよく接着する層(以下、下塗り第
2層と略す)を塗布するいわゆる重層法と、支持体と写
真層をよく接着する層を一層のみ塗布する単層法とがあ
る。
【0019】重層法における下塗り第1層では、例え
ば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、酢酸ビ
ニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸エス
テル、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マ
レイン酸等の中から選ばれた単量体を出発原料とする共
重合体、エポキシ樹脂、ゼラチン、ニトロセルロース、
ポリ酢酸ビニルなどが用いられる。また必要に応じて、
トリアジン系、エポキシ系、メラミン系、ブロックイソ
シアネートを含むイソシアネート系、アジリジン系、オ
キサザリン系等の架橋剤、コロイダルシリカ等の無機粒
子、界面活性剤、増粘剤、染料、防腐剤などを添加して
もよい。また下塗第2層では主にゼラチンが用いられ
る。
【0020】単層法においては、多くは支持体を膨潤さ
せ、下塗りポリマーと界面混合させる事によって良好な
接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗りポリマ
ーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体
などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、
塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合
体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有
共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテックスポリ
マー、などが用いられる。これらのうち好ましいのはゼ
ラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられてい
るものはいずれも用いることができる。これらのゼラチ
ンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチンである。
【0021】バック面の耐傷性付与、すべり性付与、カ
ール補償、帯電防止能の付与等のためにバック層を塗設
する。バック層は親水性コロイドをバインダーとしても
よく、疎水性ポリマーをバインダーとしてもよい。親水
性コロイドとして最も好ましいものはゼラチンである。
親水性ポリマーを用いる場合、より強固な密着性を付与
するために、感光層と同じ下塗を行った上にバック層を
塗設することも好ましい。疎水性ポリマー層のバインダ
ーとしてはポリメチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸エステルポリマー、ポリエ
チレン等のオレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマ
ー、塩化ビニリデン、ウレタン系ポリマー、ブタジエン
等のゴム系ポリマーなどが用いられる。この層は1層で
も2層以上でもよい。
【0022】バック層あるいは/および下塗層には必要
に応じてマット剤、すべり剤、帯電調整剤、界面活性
剤、架橋剤を添加してもよい。帯電調整剤として導電性
の結晶性金酸化物又はその複合酸化物微粒子を添加して
表面抵抗率を1012Ωcm以下にすることも好ましい。導
電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子として
は体積抵抗率が107 Ωcm以下、より好ましくは105
Ωcm以下のものが望ましい。またその粒子サイズは0.
01〜0.7μm、特に0.02〜0.5μmであるこ
とが望ましい。これらの導電性の結晶性金属酸化物ある
いは複合酸化物の微粒子の製造方法については特開昭5
6−143430号公報の明細書に詳細に記載されてい
る。即ち、第1に金属酸化物微粒子で暁成により作製
し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する
方法、第2に焼成により金属酸化物微粒子を製造すると
きに導電性を向上させる為の異種原子を共存させる方
法、第3に焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気
中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等が容
易である。
【0023】金属原子を含む例としてはZnOに対して
Al、In等、TiO2 に対してはNb、Ta等、Sn
2 に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等があげられ
る。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲
が好ましいが0.1〜10mol%であれば特に好まし
い。これらのうちSbを添加したSnO2 複合金属酸化
物微粒子が最も好ましい。またハレーション防止、セー
フライト安全性向上、表裏判別性向上などの目的で、染
色された非感光性親水性コロイド層(以降染色層と表わ
す)を設けてもよい。これらは下記特許に詳しくのべら
れている、米国特許第3,455,693号、同2,5
48,564号、同4,124,386号、同3,62
5,694号、特開昭47−13935号、同55−3
3172号、同56−36414号、同57−1618
53号、同52−29727号、同61−198148
号、同61−177447号、同61−217039
号、同61−219039号等記載の染料を媒染剤に吸
着せしめる方法、特開昭61−213839号、同63
−208846号、同63−296039号、特開平1
−158439号等記載の耐拡散型染料を用いる方法、
特願平1−142688号記載のオイルに溶解した染料
を油滴状に乳化分散する方法、米国特許2,719,0
88号、同2,498,841号、同2,496,84
3号、特開昭60−45237号、特願平1−1396
91号等記載の染料を無機物表面に吸着せしめる方法、
特願平1−119851号記載の染料をポリマーに吸着
せしめる方法、特開昭56−12639号、同55−1
55350号、同55−155351号、同63−27
838号、同63−197943号、欧州特許第15,
601号、同274,723号、同276,566号、
同299,435号、世界特許(WO)88/0479
4号、特願平1−87367号等記載の水に不溶性の染
料固体を用いる方法などがある。これらの方法の中で染
料を固体のまま分散する方法が染料を特定層中に固定し
好ましい。
【0024】このようなバック層は、1層でも多層でも
よく、各層の厚みは0.02〜10μm、より好ましく
は0.1〜7μmの範囲が好ましく、これらの層の全厚
みは0〜5μmが好ましい。これらのバック層、下塗層
の塗工は、一般によく知られた塗布方法、例えばディッ
プコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート
法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビ
アコート法、或いは米国特許第2,681,294号明
細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコ
ート法等により塗布することができる。また必要に応じ
て、米国特許第2,761,791号、同第3,50
8,947号、同第2,941,898号、及び同第
3,526,528号明細書、原崎勇次著「コーティン
グ工学」253頁(1973年朝倉書店発行)等に記載
された方法により2層以上の層を同時に塗布することが
できる。
【0025】このようにして得た支持体上に写真感光層
を塗設することで本発明の写真感光材料を形成すること
ができる。好ましい写真感光材料は、特願平9−226
699号や特願平8−158652号等に記載のものを
用いることができる。
【0026】感光層はバインダー中にハロゲン化銀、有
機酸銀等を添加して形成される。バインダーとして、ス
チレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体(SB
R)、塩化ビニリデン(PVdC)系共重合体、ポリア
クリレート系重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリメタクリレート系重合体
のラテックスを挙げることができる。これらの分子量
(Mw )は5千〜100万が好ましく、1万〜20万が
より好ましい。より具体的には、アクリル樹脂系として
セビアンA−4635,46583,4601(ダイセ
ル化学工業製)、Nipol Lx811,814,824,820,857 (日本
ゼオン製)、ゴム系樹脂としてLACSTAR7310 K,3307B,47
00H,7132C (大日本インキ化学製)、Nipol Lx416,410,
438c,2507 (日本ゼオン製)、塩化ビニリデン樹脂とし
てL502,L513 (旭化成工業製)、オレフィン樹脂として
ケミパールS120,SA100(三井石油化学製)が挙げられ
る。これらは単独で用いても良く、混合して用いてもよ
い。これらのラテックス中の固形分濃度は10%以上8
0%以下、より好ましくは20%以上70%以下である
ことがより好ましい。
【0027】またゼラチン、水溶性ポリエステル(例え
ばスルホイソフタル酸を共重合したPET)、ポリビニ
ルピロリドン、デンプン、アラビアゴム、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、キチ
ン、キトサン等の水溶性ポリマーを用いることも好まし
い。これらの分子量(Mw )は5千〜100万が好まし
く、1万〜20万がより好ましい。これらは単独で用い
ても良く、混合して用いてもよい。
【0028】さらに感光層には有機酸銀塩を添加するこ
とが好ましい。好ましい有機酸銀塩は炭素数10〜30
の脂肪族カルボン酸が好ましく、より好ましくはベヘン
酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸
銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パ
ルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、リノール酸
銀、酪酸銀、酒石酸銀等を挙げることができるが、なか
でも好ましいのがベヘン酸銀である。
【0029】これらの有機酸銀は分散し塗布するのが好
ましく、ポリアクリル酸、アクリル酸の共重合体、マレ
イン酸共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン
酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシ
メチルデンプン等のポリマー、特開昭52−92716
号、WO88/047974号記載のアニオン系界面活
性剤や公知のアニオン、ノニオン、カチオン界面活性剤
を使用するのも好ましい。
【0030】感光層中には感光性ハロゲン化銀を用い
る。例えばリサーチディスクロージャー1978年6月
の第17029号、米国特許第3,700,458号に
記載のものを使用することができる。有機酸銀塩1モル
に対し0.01〜0.5モル用いるのが好ましい。必要
に応じてロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニウ
ム、イリジウム、コバルト、水銀、鉄から選ばれる金属
の錯体を少なくとも一種類を、銀1モルに対し1nモル
〜10mモル含有するのがより好ましい。さらに、硫黄
増感法、セレン増感法、テルル増感法を用いることもで
きる。さらに造核剤を添加するのが好ましい。造核剤と
して、アミン誘導体、オニウム塩、ジスルフィド誘導
体、ヒドロキシメチル誘導体、ヒドロキサム誘導体、ア
シルヒドラジド誘導体、アクリロニトリル誘導体、水素
供与体を挙げることができるが、なかでも好ましいのが
下式に示すような構造を持つヒドラジン系誘導体であ
る。
【0031】
【化1】
【0032】式中R2 は脂肪族基、芳香族基またはヘテ
ロ基を表し、R1 は水素原子またはブロック基を示し、
1 は−CO−、−COCO−、−C=S−、−SO2
−、−SO−、−PO(R3 )基(R3 はR1 に定義し
た基と同じ範囲から選ばれ、R1 と異なっても良い)、
またはイミノメチレン基を表す。A1 、A2 はともに水
素原子、あるいは一方が水素原子で他方が置換もしくは
無置換のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無
置換のアリールスルホニル基、または置換もしくは無置
換のアシル基を示す。m1 は0または1であり、m1
0のときR1 は脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を
表す。さらにシアニン色素、メロシアニン色素、コンプ
レックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色
素、ホロホーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシ
アニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素
等の増感色素を用いることも好ましい。
【0033】カブリ防止剤としてチアゾニウム塩(例え
ば米国特許第2694716号記載)、アザインデン
(例えば米国特許第2444605号記載)、ウラゾー
ル(例えば米国特許第3287135号記載)、水銀塩
(例えば米国特許第2728663号記載)、有機ハロ
ゲン化合物(例えば特開平6−208191号、同7−
5621号、同8−15809号、米国特許第5464
773号等に記載)等を用いることができる。現像を制
御するためにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、
チオン化合物を用いるのも好ましい。感光層中に還元剤
を添加するのも好ましく、例えば特公昭54−2033
3号、同49−10727号、特開平4−56848
号、特開昭61−183642号、同54−15652
5号、同53−1020号、同52−14788号、同
51−3223号、同50−67132号、米国特許第
4510236号、同第4123282号、同第378
2941号、同第3080254号等に記載のものを挙
げることができる。
【0034】感光層中にアンチハレーションの目的で染
料や顔料を用いることも好ましく、ピラゾロアゾール染
料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、
オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染
料、トルフェニルメタン染料、インドアニリン染料、イ
ンドフェノール染料、フタロシアニン等が挙げられる。
これらは感光層に添加しても良く、バック層に添加して
もよい。これらの感光層の厚みの和は5μm 以上25μ
m 以下、8μm 以上20μm 以下が好ましい。
【0035】以下に本発明で用いた測定法について述べ
る。 (1) 温度60℃相対湿度80%72時間の面内寸法変
化率 5cm幅×25cm長に幅方向(TD)に平行な方向から1
0度ごと180度までにサンプルを切り出す(サンプル
の長辺がTDと平行な時、角度=0度とする)。これを
25℃60%RH下に12時間調湿した後、20cm間隔
の孔を2点開け、ピン間をピンゲージを用いて測定する
(この長さをL1 とする)。この後60℃80%RH
(相対湿度)の空気恒温槽に張力を加えないで72時間
放置する。この後25℃60%RHで12時間調湿後再
びピンゲージを用いて測長する(この長さをL2 とす
る)。下記式に基づき熱寸法変化率を求める。 60℃80%RHの面内寸法変化率(%)={100×
(L1 −L2 )/L1 } この測定を10度きざみに切り出したサンプルについて
行う。この値を面内寸法変化率と呼び、この平均値を面
内寸法変化率、面内寸法変化率の最大値と最小値の差の
絶対値を面内異方性と呼ぶ。さらに、この方法でベース
の両端、中央について測定し、面内寸法変化率のベース
幅方向分布を求めた。
【0036】(2) 105℃30分間の面内寸法変化率 5cm幅×25cm長に幅方向(TD)に平行な方向から1
0度ごと180度までにサンプルを切り出す(サンプル
の長辺がTDと平行な時、角度=0度とする)。これを
25℃60%RH下に12時間調湿した後、20cm間隔
の孔を2点開け、ピン間をピンゲージを用いて測定する
(この長さをl1 とする)。この後105℃の空気恒温
槽に張力を加えないで72時間放置する。この後25℃
60%RHで12時間調湿後再びピンゲージを用いて測
長する(この長さをl2 とする)。下記式に基づき熱寸
法変化率を求める。 105℃30分の面内寸法変化率(%)={100×
(l1 −l2 )/l1 } この測定を10度きざみに切り出したサンプルについて
行う。この値を面内寸法変化率と呼び、この平均値を面
内寸法変化率、面内寸法変化率の最大値と最小値の差の
絶対値を面内異方性と呼ぶ。さらに、この方法でベース
の両端、中央について測定し、面内寸法変化率のベース
幅方向分布を求めた。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明するが本発明はこれに限定されない。 実施例−1 (1)支持体の作製 (1-1) ポリエチレンテレフタレート(PET)支持体の
作製 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従い
IV=0.66(フェノール/テトラクロルエタン=6
/4( 重量比) 中25℃で測定)のPETを得た。これ
をDSCを用いて10mgのサンプルを窒素気流中20
℃/分で昇温しながら測定したところTg =70℃、T
m =255℃であった。これをペレット化した後130
℃で4時間乾燥した後、300℃で溶融後T型ダイから
押し出したあと急冷し、熱固定後の膜厚が120μmに
なるような厚みの未延伸フィルムを作製した。これを、
表1記載の条件で縦延伸、縦延伸後の緩和、横延伸、横
延伸後の緩和、熱固定、熱固定後の緩和、低張力巻取り
をこの順に従って実施した。なお、本発明の水準はいず
れも熱固定中の両端(チャック部)の温度は中央部より
5℃高くし、かつ熱固定緩和後ベースが90℃になった
ところで、チャックで把持していた耳部をトリミング
し、両端に幅1cm高さ20μm のナーリング加工を施
した後巻き取った。このようにして得られた支持体の幅
は1.5mであった。
【0038】(1-2) ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト(PEN)支持体の作製 ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチルとエチレン
グリコールを用い、常法に従いIV=0.58(フェノ
ール/テトラクロルエタン=6/4( 重量比)中25℃
で測定)のPENを得た。これをDSCを用いて10m
gのサンプルを窒素気流中20℃/分で昇温しながら測
定したところTg =120℃、Tm =265℃であっ
た。これをペレット化した後150℃で4時間乾燥した
後、320℃で溶融後T型ダイから押し出したあと急冷
し、熱固定後の膜厚が120μmになるような厚みの未
延伸フィルムを作製した。これを、表1記載の条件で縦
延伸、低張力搬送(縦緩和)、横延伸、横緩和、熱固
定、熱固定緩和、低張力巻取をこの順に従って実施し
た。なお、本発明の水準はいずれも熱固定中の両端(チ
ャック部)の温度は中央部より5℃高くし、かつ熱固定
緩和後ベースが90℃になったところで、チャックで把
持していた耳部をトリミングし、両端に幅1cm高さ2
0μm のナーリング加工を施した後巻き取った。このよ
うにして得られた支持体の幅は1.5mであった。
【0039】(2)下塗、バック層の作製 上記1.5m幅の支持体上に下記下塗、バック塗布層を
表1に示したように設けた。
【0040】
【表1】
【0041】(2-1) コロナ処理 塗布に先立ち両面にコロナ処理(ピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両
面を室温下において20m/分で処理)を実施した。こ
の時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.3
75kV・A・分/m2 の処理がなされている。この時
の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロールのギ
ャップクリアランスは1.6mmであった。この上に下
記層を塗設した。
【0042】(2-2) 下塗第1層 下記組成の水分散ラテックスをワイヤーバーを用いて乾
燥膜厚が0.3μm となるよう塗布し120℃で2分間
乾燥した。 ブタジエン−スチレン共重合ラテックス 13ml (固形分43%、ブタジエン/スチレン重量比=32/68) 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウ 7ml ム塩 8%水溶液 ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1%水溶液 1.6ml 蒸留水 80ml
【0043】(2-3) 下塗第2層 下記組成の水溶液をワイヤーバーを用いて乾燥膜厚が
0.14μm となるように下塗第1層の上に塗布し、1
20℃で2分間乾燥した。 ゼラチン 0.9g メチルセルロース(メトローズSM15 置換度1.79〜 0.1g 1.83) 酢酸(濃度99%) 0.02ml 蒸留水 99ml
【0044】(2-4) バック第1層(導電性層) 下記組成の導電性素材を含むアクリルラテックス水分散
液を、乾燥膜厚が0.04μm になるように下塗面の反
対側に塗布し180℃で30秒乾燥し、表面電気抵抗が
106 Ωの支持体を作製した。 アクリル樹脂水分散液 2.0重量部 (ジュリマ−ET410、固形分20重量%、日本純薬( 株) 製) 酸化スズ−酸化アンチモン水分散物 18.1重量部 (平均粒径0.1μm 、17重量%) ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1重量部 これに蒸留水を加えて100重量部となるように調製した。
【0045】(2-5) バック第2層(発色層) バック第1層の上に下記組成の塗布液を、塗布乾燥後の
660nm光学濃度が0.7になるように塗設した。
【0046】(発色剤分散物Aの調製)酢酸エチル35
gに対して、下記化合物1を2.5g平均粒径5μmの
架橋PMMA微粒子1g添加して撹拌した。この液に予
め溶解したポリビニルアルコール10重量%溶液50g
を添加して5分間ホモジナイザーで分散した。その後、
酢酸エチルを脱溶媒により除き、その後、水で希釈して
発色剤分散物を調製した。
【0047】
【化2】
【0048】(2-6) バック第3層(ポリオレフィン層:
すべり層) 下記組成のポリオレフィンラテックス水分散液を、乾燥
膜厚が0.15μm になるように発色層の上に塗布し
た。これを185℃で3分間、1m幅あたりの張力が8
kgとなるようにして乾燥した。 ポリオレフィン 3.0重量部 (ケミパールS−120、27重量%、三井石油化学( 株) 製) コロイダルシリカ 2.0重量部 (スノーテックスC、日産化学( 株) 製) エポキシ化合物 0.3重量部 (デナコールE X−614B、ナガセ化成( 株) 製) 蒸留水を加えて合計が100重量部になるように調製 (3)熱処理 上記下塗、バック層を設けた1.5m幅の支持体に表2
に示した条件で熱処理を実施した。
【0049】
【表2】
【0050】(4)ポリエステル支持体の評価 熱処理後のポリエステル支持体に対し上記の方法に従っ
て面内寸法変化率を測定し、結果を表3に示した。さら
に下記の方法で平面性を評価し結果を表3に示した。
【0051】(4-1) 波打ち高さ 以下の方法で支持体に縦方向に発生しているうねりの高
さを定量した。これは支持体中央部の平面性を評価する
ものである。 熱処理実施後の支持体の中央部を幅方向50cm×長
手方向30cmに裁断する。 これを気泡が入らないように水上に浮かべ、この上を
レーザーフォーカス変位計(例えばキーエンス(株)製
LC2210型)を幅方向に50cm/分で走査する。 これで得られた最高値−最低値(但し両端は除く)を
支持体の波打ち高さとした。
【0052】(4-2) 耳伸び高さ 以下の方法でベース両端に発生するたるみの高さを定量
した。 支持体を水平で平滑な台の上に静に置く。 両端を1mの長さに渡って、台から浮き上がった支持
体の高さをノギスを用いて計測する。この中の最高値を
耳伸び高さとした。
【0053】(4-3) ベコ 以下の方法でベース中に発生する直径10〜50cmの
陥没状のくぼみの数を数えた。 ベースを全幅でMD方向に3m切り出す。これを水平
で平滑な台の上に置く。 支持体の表面に蛍光灯の像を反射させ、蛍光灯がクレ
ーター状に歪んで見える所(陥没)の数を数える。これ
を測定面積で割り、ベコの数とする。
【0054】
【表3】
【0055】(5)感材の作製 上記下塗、バック層を塗設し熱処理を施した1.5m幅
の支持体の下塗側に下記スチレン−ブタジエンゴムラテ
ックス(SBR)系感光層あるいはポリビニールブチラ
ール( PVB) 系感光層を、表4に示したように塗設し
た。
【0056】(5-1) SBR系感光層 (ハロゲン化銀粒子Aの調製)水700mlにフタル化
ゼラチン22gおよび臭化カリウム30mgを溶解し
て、温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀
18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムを含
む水溶液をpAgを7.7に保ちながらコントロールダ
ブルジェット法で10分間かけて添加した。K3 [Ir
Cl63-を8×10-6モル/リットルと臭化カリウム
を1モル/リットルで含む水溶液をpAgを7.7に保
ちながらコントロールダブルジェット法で30分間かけ
て添加した。その後pH5.9、pAg8.0に調製し
た。得られた粒子は、平均粒子サイズ0.07μm、投
影面積直径の変動係数8%、(100)面積率86%の
立方体粒子であった。上記のハロゲン化銀粒子Cを温度
60℃に昇温して、銀1モル当たり8.5×10-5モル
のチオ硫酸ナトリウム、1.1×10-5モルの2,3,
4,5,6−ペンタフルオロフェニルジフェニルスルフ
ィンセレニド、2×10-6モルのテルル化合物1、3.
3×10-6モルの塩化金酸、2.3×10-4モルのチオ
シアン酸を添加して、120分間熟成した。その後、温
度を50℃にして8×10-4モルの増感色素Cを攪拌し
ながら添加し、更に3.5×10-2モルの沃化カリウム
を添加して30分間攪拌し、30℃に急冷却してハロゲ
ン化銀の調製を完了した。
【0057】
【化3】
【0058】(有機酸銀微結晶分散物の調製)ベヘン酸
40g、ステアリン酸7.3g、蒸留水500mlを9
0℃で15分間混合し、激しく攪拌しながら1N−Na
OH水溶液187mlを15分間かけて添加し、1N−
硝酸水溶液61mlを添加して50℃に降温した。次
に、1N−硝酸水溶液124mlを添加してそのまま3
0分間攪拌した。その後、吸引濾過で固形分を濾過し、
濾水の伝導度が30μS/cmになるまで固形分を水洗
した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウェ
ットケーキとして取扱い、乾燥固形分34.8g相当の
ウェットケーキに対して、ポリビニルアルコール12g
及び水150mlを添加し、良く混合してスラリーとし
た。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ840gを
用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1
/4G−サンドグラインダーミル:アイメックス(株)
社製)にて5時間分散し、体積加重平均1.5μmの有
機酸銀微結晶分散物を得た。粒子サイズの測定は、Ma
lvern Insutruments Ltd.製
Master SaizerXにて行った。
【0059】(素材固体微粒子分散物の調製)テトラク
ロロフタル酸、4−メチルフタル酸、1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,
5−トリメチルヘキサン、フタラジン、トリブロモメチ
ルスルフォニルベンゼンについて固体微粒子分散物を調
製した。テトラクロロフタル酸に対して、ヒドロキシプ
ロピルセルロース0.81gと水94.2mlとを添加
して良く攪拌してスラリーとして10時間放置した。そ
の後、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを100
mlとスラリーとを一緒にベッセルに入れて有機酸銀微
結晶分散物の調製に用いたものとおなじ型の分散機で5
時間分散してテトラクロロフタル酸の固体微結晶分散物
を得た。固体微粒子の粒子サイズは70wt%が1.0
μmであった。
【0060】(乳剤層塗布液の調製)先に調製した有機
酸銀微結晶分散物に対して下記の組成物を添加して、乳
剤塗布液を調製した。 有機酸微結晶分散物 1モル ハロゲン粒子 A 0.05モル バインダー、SBRラテックス (LACSTAR 3307B 大日本インキ化学工業(株)) 430g 現像用素材: テトラクロロフタル酸 5g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −3,5,5−トリメチルヘキサン 98g フタラジン 9.2g トリブロモメチルフェノルスルホン 12g 4−メチルフタル酸 7g ヒドラジン造核剤 5.0×10-3mol/Ag 1mol
【0061】(乳剤保護層塗布液の調製)イナートゼラ
チンに対して、下記の各組成物を添加して乳化保護層塗
布液を調製した。 イナートゼラチン 10g 界面活性剤 A 0.26g 界面活性剤 B 0.09g マット剤(平均粒径3μmのPMMA) 1g 1,2−(ビスビニルスルホンアセトアミド)エタン 0.3g 水 64g
【0062】
【化4】
【0063】(5-2) PVB系感光層 (有機酸銀乳剤Bの調製)ベヘン酸840g、ステアリ
ン酸95gを12リットルの水に添加し90℃に保ちな
がら、水酸化ナトリウム48g、炭酸ナトリウム63g
を1.5リットルの水に溶解したものを添加した。30
分撹拌した後50℃とし、N−ブロモサクシンイミド1
%水溶液1.1リットルを添加し、次いで硝酸銀17%
水溶液2.3リットルを撹拌しながら徐々に添加した。
さらに温度を35℃とし、撹拌しながら臭化カリウム2
%水溶液1.5リットルを2分間かけて添加した後30
分間撹拌し、N−ブロモサクシンイミド1%水溶液2.
4リットルを添加した。この水系混合物に撹拌しながら
1.2重量%ポリ酢酸ビニルの酢酸ブチル溶液3300
gを加えた後10分間静置し、2層に分離させ、水層を
取り除き、さらに残されたゲルを水で2回洗浄した。こ
うして得られたゲル状のベヘン酸/ステアリン酸銀およ
び臭化銀の混合物をポリビニルブチラール(電気化学工
業(株)製デンカブチラール#3000−K)の2.6
%2−ブタノン溶液1800gで分散し、さらにポリビ
ニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチラー
ル#4000−2)600g、イソプロピルアルコール
300gと共に分散し有機酸銀塩乳剤(平均短径0.0
5μm、平均長径1.2μm、変動係数25%の針状粒
子を得た。
【0064】(乳剤層塗布液Bの調製)上記で得た有機
酸銀乳剤に銀1モル当たり以下の量になるように各薬品
を添加した。25℃でフェニルチオスルホン酸ナトリウ
ム10mg、増感色素Aを40mg、増感色素Bを8m
g、2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール
(C−1)2g、2−メルカプト−5−メチルベンゾチ
アゾール(C−2)1g、4−クロロベンゾフェノン−
2−カルボン酸(C−3)21.5gと2−ブタノン5
80g、ジメチルホルムアミド220gを撹拌しながら
添加し3時間放置した。次いで、4,6−ジトリクロロ
メチル−2−フェニルトリアジン(C−4)4.5g、
ジスルフィド化合物Aを2g、1,1−ビス(2−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−ト
リメチルヘキサン(C−5)160g、フタラジン(C
−6)15g、テトラクロロフタル酸(C−7)5g、
ヒドラジン造核剤HD3を9.0×10-3mol/Ag
1mol、メガファックスF−176P(大日本インキ
化学工業(株)製フッ素系界面活性剤)1.1g、2−
ブタノン590g、メチルイソブチルケトン10gを撹
拌しながら添加した。
【0065】(乳剤保護層塗布液Bの調製)CAB17
1−15S(イーストマンケミカル(株)製酢酸酪酸セ
ルロース)75g、4−メチルフタル酸(C−8)5.
7g、テトラクロロフタル酸(C−9)1.5g、2−
トリブロモメチルスルフォニルベンゾチアゾール(C−
10)10g、フタラゾン(C−11)2g、メガファ
ックスF−176P0.3g、平均粒径3μmのPMM
Aマット剤1g、sumidur N3500(住友バ
イエルウレタン社製ポリイソシアネート)5gを2−ブ
タノン3070gと酢酸エチル30gに溶解したものを
調製した。上記乳剤層塗布液を銀が2g/m2 となるよ
うに塗布した後、さらに上記乳剤面上に乳剤面保護層塗
布液を乾燥厚さ5μmとなるように塗布した。
【0066】
【化5】
【0067】
【化6】
【0068】このように調製した写真感材に対し、下記
手順で熱現像前後の面内寸法変化率、平面性を測定し、
結果を表4に示した。 サンプリング:5cm幅×25cm長に幅方向(TD)に
平行な方向から10度ごと180度までにサンプルを切
り出す(サンプルの長辺がTDと平行な時、角度=0度
とする)。 調湿・測長:これを25℃60%RH下に12時間調
湿した後、20cm間隔の孔を2点開け、ピン間をピンゲ
ージを用いて測定する(この長さをL1 とする)。 熱現像:表4に示した温度に加熱した厚さ10mmのス
テンレス板(測定面内温度分布±1.5℃以下)に上記
サンプルを30秒置く。このときサンプル全面がステン
レス坂に接触するように上から軽く押しつける。 調湿・測長:この後25℃60%RHで12時間調湿
後再びピンゲージを用いて測長する(この長さをL2
する)。下記式に基づき熱寸法変化率を求める。 60℃80%RHの面内寸法変化率(%)={100×
(L1 −L2 )/L1 } この測定を10度きざみに切り出したサンプルについて
行う。この値を面内寸法変化率と呼び、この平均値を面
内寸法変化率、面内寸法変化率の最大値と最小値の差の
絶対値を面内異方性と呼ぶ。さらに60cm×60cmに切
り出したサンプルについて上記方法で熱現像をおこな
い、上記方法に従って平面性を評価し、結果を表4に示
した。
【0069】
【表4】
【0070】以上のように本発明を実施することで、面
内寸法変化率、および平面性に優れたポリエステル支持
体および写真感材を提供することができた。この効果は
熱現像温度が高い時に特に顕著であり、115℃まで上
げても105℃同様の寸法変化率、平面性を示す。
【0071】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムは熱寸法
安定性に極めて優れ、高温加熱下での平面性に優れる。
このポリエステルフィルムを用いた熱現像写真感材は熱
寸法安定性に優れ、熱現像後の平面安定性が極めて高い
ので、画像の歪みや4版の各色間の色ズレ発生を防止す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度60℃相対湿度80%の条件下に7
    2時間保持したときの面内寸法変化率が0.02%を越
    え0.05%以下であり、かつ温度105℃に30分間
    保持したときの面内寸法変化率の平均値が−0.07%
    以上0.03%以下であるとともにその面内異方性が0
    %以上0.08%以下であることを特徴とするポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】 温度60℃相対湿度80%の条件下に7
    2時間保持したときの面内寸法変化率の面内異方性が0
    %以上0.04%以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ベース幅方向全領域において温度60℃
    相対湿度80%の条件下に72時間保持したときの面内
    寸法変化率が0.02%を越え0.05%以下であると
    ともにその面内異方性が0%以上0.04%以下であ
    り、かつベース幅方向全領域において温度105℃に3
    0分間保持したときの面内寸法変化率の平均値が−0.
    07%以上0.03%以下であるとともにその面内異方
    性が0%以上0.08%以下であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 温度60℃相対湿度80%の条件下に7
    2時間保持したときの面内寸法変化率が0.02%を越
    え0.05%以下でありかつその面内異方性が0.00
    5%以上0.04%以下であり、かつ温度105℃に3
    0分間保持したときの面内寸法変化率の平均値が−0.
    07%以上0.03%以下でありかつその面内異方性が
    0.01%以上0.08%以下であることを特徴とする
    異方性ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ベース幅方向全領域において温度60℃
    相対湿度80%の条件下に72時間保持したときの面内
    寸法変化率が0.02%を越え0.05%以下であると
    ともにその面内異方性が0.005%以上0.04%以
    下であり、かつベース幅方向全領域において温度105
    ℃に30分間保持したときの面内寸法変化率の平均値が
    −0.07%以上0.03%以下であるとともにその面
    内異方性が0.010%以上0.08%以下であること
    を特徴とする請求項4に記載の異方性ポリエステルフィ
    ルム。
  6. 【請求項6】 該ポリエステルフィルムがポリエチレン
    テレフタレートフィルムあるいはポリエチレンナフタレ
    ートフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載のポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポ
    リエステルフィルムを支持体に用いた熱現像写真感光材
    料。
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