JP2003098630A - 熱現像写真感光材料 - Google Patents

熱現像写真感光材料

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JP2003098630A
JP2003098630A JP2002211705A JP2002211705A JP2003098630A JP 2003098630 A JP2003098630 A JP 2003098630A JP 2002211705 A JP2002211705 A JP 2002211705A JP 2002211705 A JP2002211705 A JP 2002211705A JP 2003098630 A JP2003098630 A JP 2003098630A
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JP2002211705A
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English (en)
Inventor
Narikazu Hashimoto
斉和 橋本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱現像機内での搬送性に優れる熱現像写真感
光材料を提供する。 【解決手段】 バック層に無機微粒子を含む層を少なく
とも1層以上含有し、バック表面をカレンダリング処理
してなる熱現像写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像機内での搬送
性に優れる熱現像写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱現像感光材料は露光し潜像を形成した
後、通常、80〜150℃の加熱して現像するが、熱現
像処理後の、寸度安定性あるいはシワを改善することが
WO95/30934号パンフレットや特開平8−21
1547号公報に記載されている。しかし、これらの熱
現像感光材料の多くはポリエチレンテレフタレート(P
ET)を支持体に用いており、熱現像温度はPETのガ
ラス転位温度(Tg=70℃)を上回っている。このため
熱現像感光材料の弾性が低下し腰が弱くなるため、熱現
像機搬送中に多くのトラブルを発生し、改善が望まれて
いた。例えば、搬送中に駆動ロールや駆動ベルトの搬送
力を十分受け留めることができず、熱現像機内の搬送時
間が送れたり、搬送中に弛みが発生し、これが熱現像機
内のロールに巻き付きジャミングを発生したり、搬送力
が左右均等に付与されず熱現像感光材料に皺が発生する
ようなトラブルが発生し、改善が望まれていた。このよ
うな搬送トラブルは、非接触型熱現像機に於いて特に顕
著に発生した。また大判の感光材料(例えば45cm角以
上)に於いてとくに顕著に発生した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱現
像機内で搬送トラブルの発生しにくく、熱現像後の寸度
安定性およびシワの改善された熱現像写真感光材料を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題は、以下の特徴
を持つ熱現像感光材料により達成された。すなわち、本
発明は(1)バック層に無機微粒子を含む層を少なくと
も1層以上含有し、バック表面をカレンダリング処理し
てなることを特徴とする熱現像写真感光材料、(2)前
記バック層の熱現像温度80℃以上150℃以下に於け
る表面弾性率を1GPa以上5GPa以下とし、前記バ
ック層の前記熱現像温度に於ける押し込み深さを0.4
μm以上2μm以下とし、前記バック層の前記熱現像温度
に於ける塑性変形エネルギーを0.01nJ以上1nJ
以下としたことを特徴とする(1)項に記載の熱現像写
真感光材料、(3)前記バック層の動摩擦係数が0.0
5以上0.5以下であることを特徴とする(1)又は
(2)項に記載の熱現像写真感光材料、(4)120℃
30秒処理に伴うMD(長手方向)、TD(幅方向)の
熱寸法変化が幅方向全領域にわたって−0.05%以上
0.05%以下であることを特徴とする(1)〜(3)
項のいずれか1項に記載の熱現像写真感光材料、(5)
熱現像後の25℃75%RHにおける吸水速度が0%/
時間以上0.16%/時間以下である支持体を用いたこ
とを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載
の熱現像写真感光材料、および(6)熱現像が80℃以
上150℃以下で10秒以上5分以下実施されることを
特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の熱現
像写真感光材料を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、バック層の熱現
像温度に於ける表面弾性率とは、熱現像温度に昇温した
感光材料のバック面にビッカース圧子を2mNの加重で
押込んだ後、加重を除去し圧子の受ける応力を測定した
ものである。この表面弾性率は、通常1GPa以上5G
Pa以下、好ましくは2GPa以上5GPa以下、より
好ましくは2GPa以上4.5GPa以下である。この
表面弾性率が1GPa未満では、感光材料の熱現像機内
での滑り性が低下し、通過時間の遅れが発生し易く、5
GPaを越えると、熱現像機内のロールとスリップし易
く、通過時間の遅れが出易い。さらに、バック層の熱現
像温度に於ける押込み深さが0.4μm以上2μm以下で
あることが好ましい。より好ましくは0.5μm以上
1.7μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上1.4
μm以下である。さらに、バック層の熱現像温度に於け
る塑性変形エネルギーが0.01nJ以上1nJ以下にす
ることが好ましい。より好ましくは0.02nJ以上
0.6nJ以下、さらに好ましくは0.03nJ以上0.
5nJ以下である。このような表面弾性率を有し、さら
に好ましくは上記のような押込み深さ、塑性変形エネル
ギーを有するバック層にすることにより、熱現像機内の
バック層に接触する駆動ロールや駆動ベルトに張り付い
てジャミングを発生したり、駆動ロールや駆動ベルトと
バック層がスリップし正確な時間で搬送しない等のトラ
ブルの発生を防止し、安定した搬送を行なうことができ
る。
【0006】このような特性のバック層は、次のように
して実現できる。 イ)バック層中に無機微粒子を含む層を少なくとも1層
以上有する。無機微粒子は特に限定されないが、シリ
カ、アルミナ、雲母、タルク、スズ酸化物、インジウム
酸化物、酸化チタン、酸価亜鉛等が挙げられる。好まし
い粒径は0.01〜0.7μm、より好ましくは、0.
02〜0.5μmである。好ましい添加量は50mg/
以上500mg/m以下、より好ましくは100
mg/m以上400mg/m以下、さらに好ましく
は150mg/m以上350mg/m以下である。
これらの微粒子の形状は特に問わないが、アスペクト比
が3以上の針状のもの、あるいは平板状のものがより好
ましい。これらの無機微粒子はポリマーバインダーに分
散させて塗設するのが好ましい。好ましいポリマーは、
アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリエステル樹
脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、ポリオレフィン樹脂が好ましく、より具体的にはメ
チルメタクリレート/エチルメタクリレート/メタクリ
ル酸コポリマー、メチルメタクリレート/2−エチルヘ
キシルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート
/スチレン/アクリル酸コポリマー、スチレン/ブタジ
エン/アクリル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/
ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリマー、メチルメ
タクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマー、塩
化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロニトリル
/メタクリル酸コポリマーが挙げられる。これらの重量
平均分子量で5000〜1000000、好ましくは1
0000〜100000程度が好ましい。このポリマー
バインダーの塗布量は、好ましくは5〜100mg/m
、より好ましくは10〜80mg/m、特に好まし
くは20〜50mg/mである。
【0007】ロ)バック表面をカレンダリング処理す
る。バック面の接触圧を式1に従って、より好ましくは
式2に従ってカレンダリングする。好ましい温度はいず
れも、80℃以上180℃以下、より好ましくは110
℃以上170℃以下、さらに好ましくは120℃以上1
70℃以下で5秒以上240秒以下、より好ましくは1
0秒以上200秒以下、さらに好ましくは20秒以上1
80秒、式1を満足する接触圧で、より好ましくは式2
を満足する接触圧で実施する。 10000/(熱処理温度(℃)−79)≧接触圧(g/cm)≧ 50/(熱処理温度(℃)−79) 式1 5000/(熱処理温度(℃)−79)≧接触圧(g/cm)≧ 100/(熱処理温度(℃)−79) 式2 このような接触圧の調整は、搬送張力とエッジ持ちロー
ルにより達成できる。搬送張力は5g/mm以上100
g/mm以下が好ましく、より好ましくは8g/mm
上80g/mm以下、さらに好ましくは10g/mm
上60g/mm以下である。この時、さらに搬送ロール
の端部を高くしたロール(エッジ持ちロール)を用いベー
スを浮かせて搬送させることで接触圧を下げることがよ
り好ましい。高くしたエッジ部の高さは0.05mm以上
10mm以下が好ましく、より好ましくは0.1mm以上5
mm以下、さらに好ましくは0.15mm以上3mm以下であ
る。エッジ部の好ましい幅は5mm以上200mm以下であ
り、より好ましくは8mm以上100mm以下であり、さら
に好ましくは10mm以上80mm以下である。エッジ部は
搬送するベースの端に位置するように設け、両端に設け
るのがより好ましい。このようなエッジ部はロール作成
時に予め所定に部分が高くなるよう加工しても良く、既
存のロールに耐熱テープ等を巻き付け高くすることも好
ましい。さらにこのエッジ部にあたる部分の支持体に厚
みだし加工(ナール加工)を行なうのもより好ましい。ナ
ール加工は片面から押出しても良く、両側から押出して
もよい。好ましい幅は3〜50mm、より好ましくは5〜
30mmである。厚み出し加工の高さ(両側から厚み出し
を行った場合は、両面の平均を云う)は5μm以上150
μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以上80μ
m以下がより好ましい。
【0008】さらに、熱現像機内での搬送トラブルを軽
減するために、120℃30秒処理に伴うMD(長手方
向)、TD(幅方向)の熱寸法変化が幅方向全領域にわ
たって−0.05%以上0.05%以下、より好ましく
は−0.04%以上0.04%以下、さらに好ましくは
−0.03%以上0.03%以下にすることが好まし
い。これにより前後左右の熱収縮の不均一性に由来する
感光材料の熱現像機内搬送時の蛇行を抑制できる。これ
には、左右端の配向角の差が0〜30度、より好ましく
は0〜20度、さらに好ましくは0〜10度の支持体
を、140〜200℃、より好ましくは150〜190
℃、さらに好ましくは150〜180℃で0.3〜5kg
/m、より好ましくは0.5〜4kg/m、さらに好ましくは
1〜4kg/mで、20〜400秒、より好ましくは30〜
300秒、さらに好ましくは40〜250秒熱処理する
ことで達成できる。このような配向角の支持体は、延伸
製膜における2.5〜3.5倍に縦延伸、3〜4.5倍
に横延伸、220〜250℃で3〜60秒熱固定の後に
220〜250℃で1〜10%、より好ましくは1〜8
%、さらに好ましくは2〜6%横方向に延伸することで
達成される。さらに、配向角のおおきな端部の少なくと
も一方をスリットで落とすとさらに好ましい。好ましい
スリット落としの幅は(片端あたり)、全幅の3〜30
%、より好ましくは5〜25%、さらに好ましくは7〜
20%である。
【0009】さらに、熱現像後の支持体の25℃75%
RHにおける吸水速度が0%/時間以上0.16%/時
間以下、より好ましくは0%/時間以上0.14%/時
間以下、さらに好ましくは0%/時間以上0.13%/
時間以下にすることでも熱現像機内の搬送性をさらに改
良できる。これは熱現機入口、出口での急激な脱湿、吸
湿に伴う支持体の縮み、伸びに伴う感光材料の変形が搬
送性を低下させることを抑制するためである。このよう
な防水層は、無機物、有機物いずれでも良く、無機物の
場合、特開平8−224795号に記載のようなシリカ
蒸着層、あるいはアルミナ、酸化スズ、酸化インジウム
等の金属酸化物を蒸着しても良い。また雲母等の無機微
粒子をポリマーバインダー中に分散し塗布しても良い。
有機物の場合、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVdC)、ポ
リビニルアルコール(PVA)、高密度ポリエチレン、ポリ
弗化エチレン等の層を塗工するのが好ましい。これらの
中で好ましいのがPVdCとPVAであり、さらに好ましいの
がポリ塩化ビニリデン系樹脂である。ポリ塩化ビニリデ
ン系樹脂は共重合体を用いるのが好ましく、含有される
塩化ビニリデン残基の量は70〜99.9wt%が好まし
く、より好ましくは85〜99wt%、さらに好ましくは
90〜99wt%である。塩化ビニリデン以外の共重合成
分としてメタクリル酸、アクリル酸、メチルメタクリル
酸、イタコン酸、シトラコン酸およびこれらのエステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、
スチレン等を挙げることができる。これらの共重合体の
重量平均分子量は5000以上10万以下が好ましく8
000以上8万以下がより好ましく、1万以上4.5万
以下がさらに好ましい。
【0010】ポリ塩化ビニリデン系樹脂の支持体上への
塗工は、これを有機溶剤に溶解し塗布する方法でも水分
散ラテックスを塗布する方法いずれも用いることができ
るが、後者がより好ましい。水分散ラテックスの水分散
物の場合、均一構造のポリマー粒子のラテックスであっ
てもコア部とシェル部で組成の異なったいわゆるコア−
シェル構造のポリマー粒子のラテックスでもよい。
【0011】塩化ビニリデン共重合体の具体例として以
下のものを挙げることができる。ただし( )内の数字
は重量比を表す。またMwは重量平均分子量を表す。 (A)塩化ビニリデン:メチルアクリレート:アクリル酸(9
0:9:1)のラテックス(Mw=42000) (B)塩化ビニリデン:メチルアクリレート:メチルメタク
リレート:アクリロニトリル:メタクリル酸(87:4:4:4:
1)のラテックス(Mw=40000) (C)塩化ビニリデン:メチルメタクリレート:グリシジ
ルメタクリレート:メタクリル酸(90:6:2:2)のラテック
ス(Mw=38000) (D)塩化ビニリデン:エチルメタクリレート:2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート:アクリル酸(90:8:1.5:0.
5)のラテックス(Mw=44000) (E)コアシェルタイプのラテックス(コア部90重量%、シェ
ル部10重量%) コア部 塩化ビニリデン:メチルアクリレート:メチル
メタクリレート:アクリロニトリル:アクリル酸(93:3:
3:0.9:0.1) シェル部 塩化ビニリデン:メチルアクリレート:メチ
ルメタクリレート:アクリロニトリル:アクリル酸(88:
3:3:3:3)(Mw=38000) (F)コアシェルタイプのラテックス(コア部70重量%、シェ
ル部30重量%) コア部 塩化ビニリデン:メチルアクリレート:メチル
メタクリレート:アクリロニトリル:メタクリル酸(92.
5:3:3:1:0.5) シェル部 塩化ビニリデン:メチルアクリレート:メチ
ルメタクリレート:アクリロニトリル:メタクリル酸(9
0:3:3:1:3)(Mw=20000) これらの防水層の厚みは支持体の少なくとも片側に0.
5μm以上10μm以下設けるのが好ましく、より好まし
くは支持体両側に各々0.8μm以上5μm以下、さらに
好ましくは両側に各々1.0μm以上3μm以下設けるの
が好ましい。さらに、本発明においては、次の(1)又
は/及び(2)の手段をさらに組合わせることにより、
その発明の効果をより高めることができる。
【0012】(1)感光層の熱現像温度に於ける表面弾性
率を0.05GPa以上0.8GPa以下とする。感光
層の熱現像温度に於ける表面弾性率とは、熱現像温度に
加熱した感光層表面にビッカース圧子を一定荷重で挿入
し、荷重を除去したときに圧子が感光材料表面から受け
る反発力を指す。この表面弾性率は好ましくは、0.0
5GPa以上0.8GPa以下、より好ましくは0.1
GPa以上0.6GPa以下、さらに好ましくは0.1
GPa以上0.4GPa以下である。なお、熱現像温度
とは、感光層の組成により異なるが好ましくは80℃以
上150℃以下、より好ましくは90℃以上140℃以
下、さらに好ましくは100℃以上130℃以下を指
す。さらに、感光層の熱現像温度に於ける押込み深さが
1μm以上10μm以下であることが好ましい。これは熱
現像温度に昇温した感光材料にビッカース圧子を2mN
で押込んだ後、この圧子の挿入深さを測定したものであ
る。より好ましくは2μm以上9μm以下、さらに好まし
くは4μm以上8μm以下である。さらに、感光層の熱現
像温度に於ける塑性変形エネルギ−が1nJ以上10nJ
以下にすることが好ましい。より好ましくは1nJ以上
8nJ以下、さらに好ましくは1.5nJ以上6nJ以下
である。塑性変形エネルギ−とは、ビッカース圧子を2
mNで押し込んだ後、これを取り去った後に塑性変形(窪
みの形成)に消費されたエネルギーを指す。このような
表面弾性率、押込み深さ、塑性変形エネルギーにするこ
とにより、熱現像機内の駆動ロールや駆動ベルトに張り
付いてジャミングを発生したり、駆動ロールや駆動ベル
トが感光層の上でスリップし正確な時間で搬送しない等
のトラブルの発生を防止し、安定した搬送を行なうこと
ができる。
【0013】このような感光層は下記、イ)、ロ)又は
ハ)により達成される。 イ)感光層をラテックス系ポリマーを用いて形成する。
感光層はポリマー層で形成されるが有機溶剤に溶解して
塗布するより、水に分散したラテックス系ポリマーを用
いて形成するのが好ましい。これは本発明のような熱現
像感光材料ではバインダーのポリマーとほぼ同量のカル
ボン酸銀塩を画像形成剤として用いるが、有機溶剤系塗
布ではこれらが均一に分散され可塑剤として作用するた
め、感光層が柔らかく成りやすいためである。一方、ポ
リマーラテックス系では、これらは個別に分散されるた
め、カルボン酸銀塩が可塑化効果を発現しにくい。好ま
しいラテックスの例として、アクリル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂が好ましく、より具体的にはメチルメタクリレ
ート/エチルメタクリレート/メタクリル酸コポリマ
ー、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリ
レート/ヒドロキシエチルメタクリレート/スチレン/
アクリル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/アクリ
ル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/ジビニルベン
ゼン/メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート
/塩化ビニル/アクリル酸コポリマー、塩化ビニリデン
/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリル
酸コポリマーが挙げられ、さらに好ましくはスチレン/
ブタジエン系のポリマーラテックス(LACSTAR3307B、Ni
pol Lx430、435、いずれも商品名)が挙げられる。これ
らの重量平均分子量で5000〜1000000、好ま
しくは10000〜100000程度が好ましい。ラテ
ックスバインダー塗布量は0.2〜30g/m、より
好ましくは1.0〜15g/mの範囲が好ましい。
【0014】ロ)感光層塗布後の乾燥中の温度を感光層
下部(支持体側)を感光層上部(空気側)より高くして不均
一に行なう。感光層下面の温度をより高くすることで、
感光層の厚み方向に不均一な構造を形成することができ
る。即ちよりポリマーラテックスの多い層を下側に、よ
りカルボン酸銀塩の多い層を上側に形成させることで、
本発明の表面硬度、押込み深さ、塑性変形エネルギーを
有する感光層を形成することができる。さらにこの乾燥
方法は、ポリマーラッテクス表面に薄皮が形成されるの
を防ぐ。この結果薄皮は内部に水分等の揮発分が残留す
ることなく、本発明の表面硬度を達成できる。具体的に
は35〜90℃、より好ましくは40〜85℃、さらに
好ましくは45〜80℃で乾燥を行なうが、下面(バッ
ク層側)の温度を上面(感光層側)より1〜20℃、より
好ましくは2〜15℃、さらに好ましくは3〜10℃高
くして乾燥させる。これは、感光材料を上下から挟むよ
うに設置した吹き出し口から、個別に調整した温度の風
を吹き出すことで容易に達成できる。
【0015】ハ)感光層下部側の乾燥風の風量を感光層
上部より大きくする。感光層下面側の乾燥風の風量を感
光層上面より1%以上30%以下、より好ましくは2%
以上25%以下、さらに好ましくは3%以上20%以下
大きくすることで、上記ロ)同様に加工層厚み方向に不均
一な構造を達成しやすい。これは、感光材料を上下から
挟むように設置した吹き出し口のダンパーを調整するこ
とで容易に達成できる。ここで云う風量の差とは、以下
のように定めたものである。 風量の差(%)=200×(Sl×Vl−Su×Vu)/(Sl×Vl
+Su×Vu) 但し Su=上側に設置した吹き出し口の総面積 Vu=上側に設置した吹き出し口の平均風速 Sl=下側に設置した吹き出し口の総面積 Vl=下側に設置した吹き出し口の平均風速
【0016】(3)25℃50%RH調湿後のバック層を
XPS測定した284.6eVのシグナルと288.4
eVのシグナルの強度比(I284.6/I288.4
(50%RH))が5以上18以下であることを特徴とする熱
現像写真感光材料 バック層を25℃50%RH調湿後、バック層を下記方
法で光電子分光測定(XPS)行ない、284.6eVの
シグナルと288.4eVのシグナルの強度比(I
284.6/I288.4(50%RH))を求める。これら
はC1s電子に起因するシグナルであり、前者がC−C炭
素に由来し、滑り剤として作用する長鎖炭化水素の量を
示す。XPSは極表面(5nm)のみを測定するため、こ
のシグナルが強いことは、表面の滑り性を高くできる。
一方後者の288.4eVのシグナルは、C=O結合に
由来し、表面の滑り性を低下させやすい。従ってこれら
の比(I284.6/I288.4(50%RH))が高いほ
ど滑り性が低下しやすい。好ましい(I284.6/I
288.4(50%RH))は5以上18以下であり、より好
ましくは6以上16以下、さらに好ましくは7以上15
以下である。
【0017】さらに、25℃75%RH調湿後のバック
層をXPS測定した284.6eVのシグナルと28
8.4eVのシグナルの強度比(I284.6/I
288.4(75%RH))を、(I284.6/I288.4
(50%RH))で割った値が0.6以上1以下、より好まし
くは0.65以上0.95以下、さらに好ましくは0.
7以上0.90以下にすることがより望ましい。これ
は、長鎖炭化水素からなる滑り剤が疎水性のため高湿下
でバック層中に潜り込み滑り性が低下するのを防ぐため
である。このXPS強度比は、調湿を75%RHに変更す
る以外は上と同様に測定される。さらに25℃50%R
H調湿後のバック層の表面フッ素量(Fs)と表面炭素
量(Cs)の比(Fs/Cs)が0.25以上0.5以下、
より好ましくは0.3以上0.45以下、より好ましく
は0.3以上、0.4以下である。これは長鎖炭素系滑
り剤を安定して塗布するためにフッ素系界面活性剤を添
加するが、これらが競争的に表面に出ようとするため、
この範囲内にするのが好ましい。
【0018】さらに、バック層の動摩擦係数が0.05
以上0.5以下であることが好ましく、より好ましくは
0.05以上0.4以下、さらに0.05以上0.3以
下である。この動摩擦係数は25℃60%rh下に於い
て、直径0.5mmのステンレス球を用いて測定した値で
ある。このような特性にすることで、熱現像感光材料と
熱現像機との間の摩擦を低減させ、摩擦抵抗によるジャ
ミングをさらに低減させることができる。さらに広い環
境条件に於いて、信頼性の高い搬送性を確保できる。こ
のような特性は、非接触式の熱現像機に於いて特に有効
であり、中でもバック層を不織布に接触させながら搬送
するような方式(例えば特開平11−133572号、
特願平10−249940号に記載の熱現像機)におい
て有効である。
【0019】このような特性を有するバック層を達成す
る上でのポイントは下記3点である。 イ)バック最外層へのフッ素系界面活性剤と長鎖炭化水
素系滑り剤の混用。 滑り性を得るために炭素数10以上50以下、より好ま
しくは炭素数10以上40以下、さらに好ましくは炭素
数10以上30以下の長鎖炭化水素系滑り剤を用いる。
具体的には以下のような構造の化合物を挙げることがで
きるが、より好ましくは長鎖アルキルスルホン酸、長鎖
アルキルベンゼンスルホン酸、カルナバワックス(セロ
ゾール524)や変成ポリエチレンラテックス(ケミパ
ール)である。
【0020】好ましい長鎖炭化水素系滑り剤 n-C1633−O−SONa n-C1225−O−SOLi n-C2041−O−SONa n-C1225−C−OSONa n-C1633COOK n-C2041COONa カルナバワックス(例えば、中京油脂製セロゾール52
4(商品名)) 変成ポリエチレンラテックス(例えば、三井東圧製ケミ
パール(商品名)) ステアリルアミド n-C1531COOC3061-n n-C1531COOC4081‐n n-C2755COOC2857-n n-C2143COO-(CH)CH-(CH)-C
19-n n-C1531COOC2449-iso n-C2959OCO(CH)COO-C2449-
n n-C4081OCO(CH)COO-C50
101‐n n-C1735COO(CH)OCO-C1735-
n iso-C2347COO(CH)OCO-C23
47-n n-C4081O(CHCHO)15H n-C50101O(CHCHO)30H n-C4081OCOCHCHCOO-(CHCH
O)16H n-C50101OCOCHCHCOO-(CH
(OH)CHO)(CHCHO)15
【0021】さらにこの滑り剤の塗布安定性付与(ハジ
キ故障対策)としてフッ素系界面活性剤を添加する。こ
れにより全面に均一な滑り性を付与できる。好ましい含
フッ素界面活性剤としては、炭素数4以上(通常15以
下)のフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基、ま
たはフルオロアリール基を有し、イオン性基としてアニ
オン基(スルホン酸(塩)、硫酸(塩)、カルボン酸
(塩)、リン酸(塩))、カチオン基(アミン塩、アン
モニウム塩、芳香族アミン塩、スルホニウム塩、ホスホ
ニウム塩)、ベタイン基(カルボキシアミン塩、カルボ
キシアンモニウム塩、スルホアミン塩、スルホアンモニ
ウム塩、ホスホアンモニウム塩、)またはノニオン基
(置換、無置換のポリオキシアルキレン基、ポリグリセ
リル基またはソルビタン残基)を有する界面活性剤が挙
げられる。これらの含フッ素界面活性剤は特開昭49-107
22号、英国特許第1,330,356号、米国特許第4,335,201
号、同4,347,308号、英国特許第1,417,915号、特開昭55
-149938号、同58-196544号、英国特許第1,439,402号な
どに記載されている。これらの含フッ素界面活性剤は、
2種以上混合してもよい。
【0022】
【化1】
【0023】これらのフッ素系界面活性剤(F系界面活
性剤)と長鎖炭化水素系滑り剤の添加量比は1:10〜
1:1であり、より好ましくは1:8〜1:1であり、
さらに好ましくは1:4〜1:1である。好ましい長鎖
炭化水素系滑り剤の塗布量は5〜100mg/mであ
り、より好ましくは8〜80mg/m、さらに好まし
くは10〜60mg/mである。好ましいF系界面活
性剤の塗布量は0.5〜100mg/mであり、より
好ましくは1〜80mg/m、さらに好ましくは2.
5〜60mg/mである。
【0024】ロ)フッ素系樹脂をライニングしたロール
を用いた熱処理 100〜200℃、より好ましくは120〜190℃、
さらに好ましくは140〜180℃で、表面にフッ素樹
脂をコートしたロールに接触させることで、上記特性を
有するバック表面を達成できる。即ち接触させる部材に
よりバック表面の析出量を制御するものである。好まし
いフッ素系樹脂として、テフロン(登録商標)(ポリテ
トラフルオロエチレン:PTFE)、ポリフッ化ビニリ
デン(PVdF)、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフル
オロアルキルビニルエーテル(PFAVE)等が挙げられ
るが、より好ましくはテフロンである。これらのライニ
ング厚は10〜10000μmが好ましい。ライニング
に用いるロールはアルミ製、鉄製、ステンレス製等を用
いることができる。好ましいロールの直径は10〜10
00mmである。フッ素系樹脂をライニングしたロールに
接触させる時間によりバック特性を制御でき、好ましく
は1〜300秒、より好ましくは2〜200秒、さらに
好ましくは3〜60秒である。
【0025】ハ)塗布乾燥後の低湿度巻取り バック層塗布後、あるいは低張力熱処理後のベース吸水
率を0〜0.2wt%、より好ましくは0〜0.1wt%、
さらに好ましくは0〜0.05wt%にして巻き取る。こ
れにより湿度依存性を抑えるために特に有効である。こ
れは、巻取り部の湿度を0〜60%rh、より好ましくは
10〜50%rh、さらに好ましくは10〜30%rhにし
て巻取り、さらに巻取り時の支持体温度を35〜70
℃、より好ましくは40〜60℃で巻き取るのがより好
ましい。
【0026】以下に本発明を用いた熱現像感光材料の調
製方法について述べる。 (1)支持体の調製 本発明の感光材料に用いる支持体は特に限定されない
が、120℃での弾性率(E120)が100kg/mm
上600kg/mm以下であることが好ましく、より好
ましくは120kg/mm以上500kg/mm以下であ
る。具体的にはポリエチレンナフタレート(E120=41
0kg/mm)、ポリエチレンテレフタレート(E120=
150kg/mm)、ポリブチレナフタレート(E120=
160kg/mm)、ポリカーボネイト(E120=170k
g/mm)、シンジオタクチックポリスチレン(E120=
220kg/mm)、ポリエーテルイミド(E120=19
0kg/mm)、ポリアリレート(E120=170kg/mm
)、ポリスルホン(E120=180kg/mm)、ポリ
エーテルスルホン(E120=170kg/mm)等が挙げ
られる。これらは単独で用いても良く積層あるいは混合
して用いても良い。好ましいのがポリエチレンナフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート、シンジオタクチッ
クポリスチレンである。特に好ましいのがポリエチレン
テレフタレートである。これらの支持体中にはハンドリ
ング性向上のため0.01μm〜10μmの微粒子を1pp
m〜1000ppm添加するのも好ましい。支持体の厚みは
特に制限はないが、好ましくは80〜250μm、より
好ましくは90〜200μm、特に好ましくは95〜1
50μmである。
【0027】さらに本発明の感光材料を調製するために
は支持体上に下記下塗層、バック層を設けるのが好まし
い。
【0028】下塗層 支持体の少なくとも片面に下塗層を塗設するが、これに
先立ちこれらの層と支持体を強固に固定するため表面処
理を行っても良い。例えば、グロー放電処理(特開平8
−194286等)、コロナ処理(例えば特公昭48−
5043号、同47−51905号、特開昭47−28
067号、同49−83767号、同51−41770
号、同51−131576号等)、紫外線処理(例えば
特公昭43−2603号、特公昭43−2604号、特
公昭45−3828号)や火炎処理を行なうのが好まし
い。下塗り層としては、第1層として支持体によく接着
する層(以下、下塗り第1層と略す)を設け、その上に
第2層として下塗り第1層と写真層をよく接着する層
(以下、下塗り第2層と略す)を塗布するいわゆる重層
法と、支持体と写真層をよく接着する層を一層のみ塗布
する単層法とがある。単層法においては、多くは支持体
を膨潤させ、下塗りポリマーと界面混合させる事によっ
て良好な接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗
りポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼ
イン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸
共重合体などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエ
ステル、塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有
共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニ
ル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテック
スポリマー、などが用いられる。これらのうち好ましい
のはゼラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰
処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼ
ラチン誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いら
れているものはいずれも用いることができる。これらの
ゼラチンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチンである。
【0029】重層法における下塗り第1層では、例え
ば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、酢酸ビ
ニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸エス
テル、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マ
レイン酸等の中から選ばれた単量体を出発原料とする共
重合体、エポキシ樹脂、ゼラチン、ニトロセルロース、
ポリ酢酸ビニルなどが用いられる。また必要に応じて、
トリアジン系、エポキシ系、メラミン系、ブロックイソ
シアネートを含むイソシアネート系、アジリジン系、オ
キサザリン系等の架橋剤、コロイダルシリカ等の無機粒
子、界面活性剤、増粘剤、染料、防腐剤などを添加して
もよい。ポリ塩化ビニリデン系樹脂を用いる場合、上記
防水層と兼用することができる。下塗第2層では主にゼ
ラチンが用いられる。
【0030】バック層 画像形成層(感光層)の反対側にバック層(バッキング
層)を設ける。バック層塗設に先立ち、支持体との密着
性を改善するためグロー放電処理、コロナ処理、紫外線
処理や火炎処理を行なっても良い。本発明のバック層
は、所望の波長範囲での最大吸収が0.3以上2以下である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.5以上2以下の吸収
であり、かつ処理後の可視領域においての吸収が0.001
以上0.5未満であることが好ましく、さらに好ましくは
0.001以上0.3未満の光学濃度を有する層であることが好
ましい。また、バック層に用いるハレーション防止染料
を塗布することも好ましい。
【0031】バック層には帯電調整剤として導電性の結
晶性金酸化物又はその複合酸化物微粒子を添加して表面
抵抗率を1012以下にすることも好ましい。導電性の
結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子としては体積
抵抗率が10Ωcm以下、より好ましくは10Ωcm以
下のものが望ましい。またその粒子サイズは0.01〜
0.7μm、特に0.02〜0.5μmであることが望
ましい。これらの導電性の結晶性金属酸化物あるいは複
合酸化物の微粒子の製造方法については特開昭56−1
43430号公報の明細書に詳細に記載されている。即
ち、第1に金属酸化物微粒子で焼成により作製し、導電
性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第
2に焼成により金属酸化物微粒子を製造するときに導電
性を向上させる為の異種原子を共存させる方法、第3に
焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃
度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等が容易である。
金属原子を含む例としてはZnOに対してAl、In
等、TiOに対してはNb、Ta等、SnOに対し
てはSb、Nb、ハロゲン元素等があげられる。異種原
子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましい
が0.1〜10mol%であれば特に好ましい。これら
のうちSbを添加したSnO複合金属酸化物微粒子が
最も好ましい。
【0032】バック面マット化のために微粒子を添加す
るのも好ましい。微粒子は無機微粒子(シリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、チタニア、ジルコニアなど)、有
機微粒子(PMMA、PStおよびこれらの架橋体な
ど)が挙げられる。本発明では、特開平3-109542号公報
2頁左下欄8行目〜3頁右上欄4行目に記載された多孔
性のマット剤、特開平4-127142号公報3頁右上欄7行目
〜5頁右下欄4行に記載されたアルカリで表面修飾した
マット剤、特開平6-118542号公報の段落番号「000
5」から「0026」に記載された有機重合体のマット
剤を用いることがより好ましい。好ましい粒径は0.3
μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上8μm以
下、さらに好ましくは3μm以上7μm以下である。好ま
しい添加量は1〜50mg/m、より好ましくは2〜3
0mg/m、さらに好ましくは3〜15mg/mであ
る。これにより達成される好ましいベック平滑度(JI
S P8119)は、2000秒以下であり、より好ま
しくは10秒〜2000秒である。
【0033】これらのバック層は親水性コロイドをバイ
ンダ−としてもよく、疎水性ポリマーをバインダーとし
てもよい。親水性ポリマーとして最も好ましいものはゼ
ラチンである。親水性ポリマ−を用いる場合、より強固
な密着性を付与するために、感光層と同じ下塗を行った
上にバック層を塗設することも好ましい。疎水性ポリマ
ー層のバインダーとしてはポリメチルメタクリレート、
エチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルポ
リマー、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、スチ
レン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ブタジエン等の
ゴム系ポリマーなどが用いられる。この層は1層でも2
層以上でもよい。さらにバック層には硬膜剤を用いても
良い。硬膜剤の例としては、米国特許第4,281,060号、
特開平6-208193号などに記載されているポリイソシアネ
ート類、米国特許第4,791,042号などに記載されている
エポキシ化合物類、特開昭62-89048号などに記載されて
いるビニルスルホン系化合物類などが用いられる。
【0034】バック層の最外層に保護層を設けても良
い。保護層用の全バインダー量は0.2〜5.0g/m
、より好ましくは0.5〜3.0g/mの範囲が好
ましい。バック層用のバインダーとしては、アクリル
系、オレフィン系、塩化ビニリデン系のポリマーラテッ
クスが用いられ、具体的にはアクリル樹脂系のジュリマ
ーET-410、セビアンA-4635、ポリゾールF410など、オレ
フィン樹脂系のケミパールS120、塩化ビニリデン系のL5
02、アロンD7020など(いずれも商品名)が好ましい。
このようなバック層は、1層でも多層でもよく、各層の
厚みは0.02〜10μm、より好ましくは0.1〜7
μmの範囲が好ましく、これらの層の全厚みは0〜5μ
mが好ましい。これらのバック層、下塗層の塗工は、デ
ィップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコー
ト法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラ
ビアコート法、等により塗布することができる。これら
は単層ずつ塗布しても2層以上同時塗布しても良い。
【0035】(2)感光層の調製 本発明の熱現像感光材料は支持体上に有機銀塩、還元剤
および感光性ハロゲン化銀を含む画像形成層(感光層)
を有し、画像形成層上には少なくとも1層の保護層が設
けられている。感光層はバインダー中にハロゲン化銀、
化学増感剤、有機銀塩、還元剤、超硬調化剤、増感色
素、カブリ防止剤、可塑剤等を分散させたものである。
バインダーとして用いられるのは、アクリル樹脂、酢酸
ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴ
ム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリ
オレフィン樹脂が好ましく、より具体的にはメチルメタ
クリレート/エチルメタクリレート/メタクリル酸コポ
リマー、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルア
クリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/スチレ
ン/アクリル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/ア
クリル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/ジビニル
ベンゼン/メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレ
ート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマー、塩化ビニリ
デン/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタク
リル酸コポリマーが挙げられ、さらに好ましくはスチレ
ン/ブタジエン系のポリマーラテックス(LACSTAR3307
B、Nipol Lx430、435)が好ましく用いられる。これら
の重量平均分子量で5000〜1000000、好まし
くは10000〜100000程度が好ましい。さらに
バインダー中に、全バインダーの20wt%以下の範囲で
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマ
ーを添加してもよい。バインダーの塗布量は0.2〜3
0g/m、より好ましくは1.0〜15g/mの範囲
が好ましい。
【0036】また、本発明は超硬調画像形成のために、
前記の超硬調化剤とともに硬調化促進剤を併用すること
ができる。例えば、米国特許第5,545,505号に記載のア
ミン化合物、同第5,545,507号に記載のヒドロキサム酸
類、同第5,545,507号に記載のアクリロニトリル類、同
第5,558,983号に記載のヒドラジン化合物、日本特許特
開平9-297368号に記載のオニュ−ム塩類などを用いるこ
とができる。
【0037】本発明における増感色素としてはシアニン
色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色
素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシ
アニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソ
ノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることがで
きる。赤色光への分光増感の例としては、He-Neレーザ
ー、赤色半導体レーザーやLEDなど赤色光源に対しては
特開昭54-18726号、特開平6-75322号、特開平7-287338
号、特公昭55-39818号、特開昭62-284343号、特開平7-2
87338号に記載の化合物を用いることができる。750〜14
00nmの波長領域の半導体レーザー光源に対しては、シ
アニン、メロシアニン、スチリル、ヘミシアニン、オキ
ソノール、ヘミオキソノールおよびキサンテン色素を含
む種々の既知の色素により有利に増感させることができ
る。また、J-bandを形成する色素として米国特許第5,51
0,236号、同第3,871,887号、特開平2-96131号、特開昭5
9-48753号が好ましく用いることができる。本発明にお
ける増感色素の使用量としては、感光性層のハロゲン化
銀1モル当たり10−6〜1モルが好ましく、10−4〜10
−1モルがさらに好ましい。
【0038】カブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体
は、米国特許第2,131,038号および同第2,694,716号に記
載のチアゾニウム塩、米国特許第2,886,437号および同
第2,444,605号に記載のアザインデン、米国特許第2,72
8,663号に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号に記載
のウラゾール、米国特許第3,235,652号に記載のスルホ
カテコール、英国特許第623,448号に記載のオキシム、
ニトロン、ニトロインダゾール、米国特許第2,839,405
号に記載の多価金属塩、米国特許第3,220,839号に記載
のチウロニウム塩、ならびに米国特許第2,566,263号お
よび同第2,597,915号に記載のパラジウム、白金および
金塩、米国特許第4,108,665号および同第4,442,202号に
記載のハロゲン置換有機化合物、米国特許第4,128,557
号および同第4,137,079号、第4,138,365号および同第4,
459,350号に記載のトリアジンならびに米国特許第4,41
1,985号に記載のリン化合物などがある。また、カブリ
防止や高感度化を目的として安息香酸類を含有しても良
い。好ましい安息香酸類の構造の例としては、米国特許
第4,784,939号、同第4,152,160号、特開平9-329865号、
同9-329864号、同9-281637号などに記載の化合物が挙げ
られれ、有機銀塩含有層に添加することが好ましい。こ
の添加量は、銀1モル当たり1μモル以上2モル以下が好
ましく、1mモル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0039】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現
像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。メルカプト化合物はメルカプト置換複素芳
香族化合物が好ましく、この具体例としては、2-メルカ
プトベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズオキサゾ
ール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプト-5
-メチルベンズイミダゾール、6-エトキシ-2-メルカプト
ベンゾチアゾール、2,2'-ジチオビス-ベンゾチアゾー
ル、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4,5-ジフェニ
ル-2-イミダゾールチオール、2-メルカプトイミダゾー
ル、1-エチル-2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メ
ルカプトキノリン、8-メルカプトプリン、2-メルカプト
-4(3H)-キナゾリノン、7-トリフルオロメチル-4-キノリ
ンチオール、2,3,5,6-テトラクロロ-4-ピリジンチオー
ル、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-メルカプトピリミジンモ
ノヒドレート、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジア
ゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、
4-ヒドロキシ-2-メルカプトピリミジン、2-メルカプト
ピリミジン、4,6-ジアミノ-2-メルカプトピリミジン、2
-メルカプト-4-メチルピリミジンヒドロクロリド、3-メ
ルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール、2-メルカプ
ト-4-フェニルオキサゾールなどが挙げられる。これら
のメルカプト化合物の添加量は乳剤層中に銀1モル当た
り0.0001〜1.0モルが好ましく、さらに好ましくは0.001
〜0.3モルの量である。
【0040】画像形成層には、可塑剤および潤滑剤とし
て多価アルコール(例えば、米国特許第2,960,404号に記
載された種類のグリセリンおよびジオール)、米国特許
第2,588,765号および同第3,121,060号に記載の脂肪酸ま
たはエステル、英国特許第955,061号に記載のシリコー
ン樹脂などを用いることができる。画像形成層である感
光性層には色調改良、イラジエーション防止の観点から
各種染料や顔料を用いることができるが、好ましい染料
としてはアントラキノン染料(特開平5-341441号、特開
平5-165147号記載の化合物など)、アゾメチン染料(特開
平5-341441号記載の化合物)、インドアニリン染料(特開
平5-289227号、特開平5-341441号、特開平5-165147号記
載の化合物など)およびアゾ染料(特開平5-341441号記載
の化合物など)が挙げられる。これらの化合物の使用量
は感光材料1m当たり1μg以上1g以下の範囲で用いる
ことが好ましい。
【0041】アンチハレーション層を感光性層に対して
光源から遠い側に設けることができる。アンチハレーシ
ョン層は所望の波長範囲での最大吸収が0.3以上2以下で
あることが好ましく、さらに好ましくは0.5以上2以下の
露光波長の吸収であり、かつ処理後の可視領域において
の吸収が0.001以上0.5未満であることが好ましく、さら
に好ましくは0.001以上0.3未満の光学濃度を有する層で
あることが好ましい。単独の染料としては特開昭59-564
58号、特開平2-216140、同7-13295、同7-11432、米国特
許第5,380,635号、特開平2-68539号、同3-24539号など
を用いることができる。処理で消色する染料として特開
昭52-139136号、同53-132334号、同56-501480号、同57-
16060号、同57-68831号、同57-101835号、同59-182436
号、特開平7-36145号、同7-199409号、特公昭48-33692
号、同50-16648号、特公平2-41734号、米国特許4,088,4
97号、同4,283,487号、同4,548,896号、同5,187,049号
に記載のものを好ましく用いることができる。
【0042】感光層の最外層に保護層を設けることも好
ましい。保護層用のバインダーとしてはアクリル系、ス
チレン系、アクリル/スチレン系、塩化ビニル系、塩化
ビニリデン系のポリマーラテックスが好ましく用いら
れ、具体的にはアクリル樹脂系のVONCORT R3370、428
0、Nipol Lx857(いずれも商品名)、メチルメタクリレ
ート/2−エチルヘキシルアクリレート/ヒドロキシエ
チルメタクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマ
ー、塩化ビニル樹脂のNipol G576(商品名)、塩化ビニ
リデン樹脂のアロンD5071(商品名)が好ましく用いら
れる。これらの層の中にイソシアネート等の架橋剤を添
加するのもより好ましい。保護層の好ましい塗布量は
0.5〜10g/m、より好ましくは1〜7g/m、さ
らに好ましくは1.5〜5g/mである。さらに保護層
中にマット剤を添加するのがより好ましい。無機系のマ
ット剤としては、二酸化ケイ素、チタンおよびアルミニ
ウムの酸化物、亜鉛およびカルシウムの炭酸塩、バリウ
ムおよびカルシウムの硫酸塩、カルシウムおよびアルミ
ニウムのケイ酸塩など、有機系のマット剤としては、セ
ルロースエステル類、ポリメチルメタクリレート、ポリ
スチレンまたはポリジビニルベンゼンおよびこれらのコ
ポリマーなどの有機重合体のマット剤が挙げられる。こ
れらのマット剤を2種以上併用してもよい。好ましいマ
ット剤の平均粒径は、1〜10μm、好ましい添加量
は、5〜400mg/m、特に10〜200mg/m
範囲である。
【0043】このようにして調製した熱現像感光材料は
使用する際に裁断するが、ロール状で使用しても良く、
シート状で使用しても良い。いずれの場合も好ましい幅
(熱現像機を通過させるときに処理方向と直交する方
向)は40cm以上150cm以下、より好ましくは45cm
以上100cm以下、さらに好ましくは50cm以上80cm
以下である。これらの感光材料は20%RH以上80%RH
以下、より好ましくは30%RH以上70%RH以下で袋詰
めされ出荷される。
【0044】本発明の熱現像画像記録材料はいかなる方
法で露光されても良いが、露光光源としてレーザー光が
好ましい。本発明によるレーザー光としては、ガスレー
ザー、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーな
どが好ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生
素子などを用いることもできる。本発明の熱現像画像記
録材料は露光時のヘイズが低く、干渉縞が発生しやすい
傾向にある。この干渉縞発生防止技術としては、特開平
5-113548号などに開示されているレーザー光を画像記録
材料に対して斜めに入光させる技術や、WO95/31754号な
どに開示されているマルチモードレーザーを利用する方
法が知られており、これらの技術を用いることが好まし
い。本発明の熱現像画像記録材料を露光するにはSPIE v
ol.169 Laser Printing 116-128頁(1979)、特開平4-510
43号、WO95/31754号などに開示されているようにレーザ
ー光が重なるように露光し、走査線が見えないようにす
ることが好ましい。
【0045】本発明の画像形成方法の加熱現像工程はい
かなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズ
に露光した感光材料を昇温して現像される。用いられる
熱現像機の好ましい態様としては、熱現像感光材料をヒ
ートローラーやヒートドラムなどの熱源に接触させるタ
イプとして特公平5-56499号、特許公報第684453号、特
開平9-292695号、特開平9-297385号および国際特許WO
95/30934号に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして
特開平7-13294号、国際特許WO97/28489号、同97/2848
8号および同97/28487号に記載の熱現像機がある。特に
好ましい態様としては非接触型の熱現像機である。好ま
しい現像温度としては80〜150℃であり、より好ましく
は90〜140℃、さらに好ましくは100〜130℃である。
本発明は熱現像温度が、熱現像感光材料の支持体のガラ
ス転移温度を上回るような場合に特に好ましい。現像時
間は10秒〜5分が好ましく、より好ましくは15秒〜
3分、さらに好ましくは20秒〜1分である。さらに、
80℃以上115℃未満の温度で画像が出ないようにして5秒
以上予熱した後、上記熱現像を行なう多段階熱現像方法
が特に好ましい。
【0046】以下に本発明で用いた測定法について述べ
る。 (1)感光層、バック層の表面弾性率、押込み深さ、塑性
変形エネルギー サンプルをスライドガラス板上に瞬間接着剤で張り付け
た後、加熱ステージ上に置き所定の温度にまで昇温す
る。これを微小硬度計(フィッシャースコープH-100:F
ischer社製)を用い下記方法で測定する。イ )表面弾性率 熱現像温度に昇温した感光材料にビッカース圧子を2m
Nで押込み5秒間保持した後、加重を除去し圧子の受け
る応力を測定する。ロ )押込み深さ 熱現像温度に昇温した感光材料にビッカース圧子を2m
Nで押込んだ時の圧子の到達深さを測定したする。ハ )塑性変形エネルギ− 熱現像温度下でビッカース圧子を2mNで押込む時に
ビッカース圧子の受ける応力(Fi)と挿入深さ(Di)を測
定する。Fiを縦軸にDiを横軸にプロットし、この間に
形成される面積を挿入エネルギー(Ei)とする。 上記条件で挿入し5秒間保持した後、ビッカース圧子
に加えた力を取り除くとビッカース圧子はサンプルの弾
性力で押し戻される。この時ビッカース圧子の受ける応
力(Fo)と深さ(Do)を測定し、Foを縦軸にDoを横軸に
プロットし、この間に形成される面積を弾性エネルギー
(Eo)とする。 Ei−E0を塑性変形エネルギーとする。
【0047】(2)25℃50%RH調湿後、25℃75
%RH調湿後のバック層をXPS測定した284.6e
Vのシグナルと288.4eVのシグナルの強度比(I
284 .6/I288.4(50%RH))、(I284.6
288.4(75%RH)) バック層を25℃50%RHあるいは25℃75%R
Hで12時間調湿後、295eV〜280eV(結合エ
ネルギー)の範囲をXPS測定する。 得られたスペクトルの中で最も低結合エネルギー側に
現れるピークを284.6eVとしてチャージ補正(平
行移動)する。 293〜291eVの中の最も低い点と、284〜2
82eVの中の最も低い点を結びベースラインとする。
ここから284.6eVのシグナルと288.4eVの
シグナルの強度(ピーク高さ)を計測し、比を求める。
【0048】(3)25℃50%RH調湿後のバック層の
表面フッ素量(Fs)と表面炭素量(Cs)の比(Fs/C
s) バック層を25℃50%RHで12時間調湿後、70
0eV〜680eV(結合エネルギー)の範囲をXPS測
定する。 698eV〜696eVの中の最も低い点と、684
eV〜682eVの中の最も低い点を結びベースライン
とする。ベースラインの上の面積を積算した後、イオン
化断面積(4.3)で割った値をFsとする。 引き続き、295eV〜280eV(結合エネルギー)
の範囲をXPS測定する。293eV〜291eVの中
の最も低い点と、282eV〜284eVの中の最も低
い点を結びベースラインとする。ベースラインの上の面
積を積算した後、イオン化断面積(1)で割った値をCs
とする。 FsをCsで割り、Fs/Cs値とする。
【0049】(4)バック層の動摩擦係数 25℃60%rh下に於いて、直径0.5mmのステンレス
球を用いて測定する。 (5)120℃30秒のMD、TDの熱寸法変化 感光層塗布後裁断前の熱現像感光材料から、幅方向3
点(両端と中央)で、MDサンプル(MD25cm×TD
5cm)、TDサンプル(MD5cm×TD25cm)を切り
出す。 25℃60%rh下に24時間調湿後20cm間隔の一対
の孔を空け、この間隔をピンゲージを用いて測長する
(L1とする)。 120℃に加熱した熱板に30秒間サンプルを接触さ
せる。 25℃60%rh下に24時間調湿後、ピンゲージを用
いて測長する(L2とする)。 100×(L1−L2)/L1を120℃30秒処理に伴う熱
寸法変化率(%)とする。
【0050】(6)熱現像後の支持体の吸水速度 下塗、バック層まで塗工した支持体を25℃40%RH
に12時間調湿する。これを120℃30秒熱現像し、
25℃75%RH下に置く。この3分後に計測した水分
量と1時間後に計測した水分量の差を熱現像後の吸水速
度(%/時間)とする。なお、水分量の計測は以下の方
法で実施した。 サンプルを25℃75%RH下で1cm×3cmに切
り抜き、重量(F)をガラス管に封入する。 これを加熱装置の付いたカールフィッシャー水分計
(三菱化成工業製 微量水分測定装置CA−03型+水
分気化装置VA−05型)を用いて150℃にサンプル
を加熱しながら水分の重量(W)を求める。100×W
(g)/F(g)を水分量(%)とした。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されない。 実施例−1 (1)支持体(ベース)の作成 テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い
IV(固有粘度)=0.66(フェノ−ル/テトラクロ
ルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを
得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥
し、300℃で溶融後T型ダイから押し出し、50℃の
冷却ドラム上で急冷し未延伸フィルムを作成した。これ
を周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に105℃で縦延
伸した。ついでテンターで125℃で4.3倍に横延伸
した。この後、テンター幅を変化させずに表1に示した
温度、時間熱処理した後、240℃で20秒間熱固定後
これと同じ温度で横方向に表1に示した比率だけ延伸し
た。この後テンターのチャック部を各15cmスリットし
た後、両端にナール加工を行い、40℃に冷却後4.8
kg/mで巻き取った。このようにして、厚み100μm、
幅2.5mの延伸PET支持体を得た。これを表1に示
した割合だけ両端をスリットした。この後両端に幅1cm
のナール加工を厚み25μmで実施した。この後、上記
方法に従い両端の分子配向角を測定し表2に示した。
【0052】(2)感光層側 防水・下塗層 上記支持体(ベース)の片面に、表2に示すように下記
組成の防水層を設けた。 PVdC系防水層、SBR系防水層は表2に示した乾燥厚
みになるよう塗布後、180℃、4分間乾燥した。PV
A系防水層は支持体の熔融押出し時にマルトマニホール
ドダイを用いて二軸延伸後に表2の厚みになるように共
押出しして形成した。これらの防水層の上に下記下塗り
層を塗設し180℃、4分間乾燥した。
【0053】 (2-1)防水層 PVdC系防水層 PVdCポリマーラテックス コア部90重量%、シェル部10重量%のコアシェルタイプのラテックスで コア部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/ アクリロニトリル/アクリル酸=93/3/3/0.9/0.1(重量%) シェル部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート /アクリロニトリル/アクリル酸=88/3/3/3/3(重量%) 重量平均分子量38000 3000重量部 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 23重量部 マット剤(ポリスチレン,平均粒径2.4μm) 1.5重量部 SBR系防水層 SBRポリマーラテックス スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート/ジビニルベンゼ ン=67/30/2.5/0.5(重量%) 160重量部 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 4重量部 マット剤(ポリスチレン,平均粒径2.4μm) 3重量部 PVA系防水層 ポリビニルアルコ−ルポリマーラテックス エバールEP-F101(クラレ(株)製) 3000重量部 マット剤(球形シリカ,平均粒径2.4μm) 1.5重量部 (2-2)下塗り層 アルカリ処理ゼラチン (Ca++含量30ppm、ゼリー強度230g) 50mg/m
【0054】(3)バック層 上記下塗り層の反対側に下記塗設を行った。 (3-1)無機微粒子層 下記〜の中から1つを選択し(表1に記載)、180
℃、4分間乾燥した後、表1に示す温度、接触圧でカレ
ンダリング処理を行った。カレンダリングは張力45g
/mmで搬送させながら、支持体のナール部に接触す
る部分(両端)を75μmずつ高くしたエッジロールを用
いることで実施した。 酸価スズ層 ジュリマーET-410(日本純薬(株)製、商品名):Tg=52℃ 38mg/m SnO/Sb(9/1重量比、平均粒子径0.25μm アスペクト比5の針状) 表1に記載 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7mg/m デナコールEX-614B(ナガセ化成工業(株)製、商品名) 13mg/m シリカ層 ジュリマーET-410(日本純薬(株)製):Tg=52℃ 38mg/m 球状シリカ粒子(平均粒子径0.15μm) 表1に記載 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7mg/m デナコールEX−614B(ナガセ化成工業(株)製) 13mg/m 雲母層 ジュリマーET-410(日本純薬(株)製):Tg=52℃ 38mg/m 雲母(平均粒子径0.35μm:平板状) 表1に記載 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7mg/m デナコールEX−614B(ナガセ化成工業(株)製) 13mg/m
【0055】(3-2)中間層 無機微粒子層の上に下記塗布液を塗設し、180℃、4
分間乾燥した。ジュリマーET-410(日本純薬(株)
製):Tg=52℃ 38mg/m
【0056】(3-3)バック側防水層 PVdC系防水層、SBR系防水層は上記無機微粒子層と
中間層の上に表2に示した乾燥厚みになるよう塗布後、
180℃、4分間乾燥した。PVA系防水層は上記無機
微粒子層と中間層塗布前に、支持体の熔融押出し時にマ
ルトマニホールドダイを用いて二軸延伸後に表1の厚み
になるように共押出しして形成した。 PVdC系防水層 コア部90重量%、シェル部10重量%のコアシェルタイプのラテックスで コア部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/ アクリロニトリル/アクリル酸=93/3/3/0.9/0.1 (重量%) シェル部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート /アクリロニトリル/アクリル酸=88/3/3/3/3(重量%) 重量平均分子量38000 3000重量部 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 23重量部 マット剤(ポリスチレン,平均粒径2.4μm) 1.5重量部 SBR系防水層 スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート/ジビニルベンゼン =67/30/2.5/0.5(重量%) 160重量部 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 4重量部 マット剤(ポリスチレン,平均粒径2.4μm) 3重量部 PVA系防水層 ポリビニルアルコールポリマーラテックス エバールEP-F101(クラレ(株)製、商品名) 3000重量部 マット剤(球形シリカ,平均粒径2.4μm) 1.5重量部
【0057】(3-4)バック最外層 無機微粒子層、中間層、防水層の上に下記組成のバック
最外層を塗設し180℃、3分間乾燥した。 ジュリマーET-410(日本純薬(株)製):Tg=52℃ 1000mg/m マット剤(ポリスチレン,平均粒径5μm) 10mg/m 直鎖アルキル(C20)スルホン酸ナトリウム 30mg/m 炭化水素系滑り剤(下記A,B,C,Dの中から一つを選択:表1に記載) A.カルナウバワックス 塗布量は表1に記載 B.ケミパール(変成ポリエチレンラテックス) 〃 C.ステアリルアミド 〃 D.C1633-O-SONa 〃 F系界面活性剤(下記イ、ロ、ハ、ニの中から一つを選択:表1に記載) イ.C17-C-OSONa 塗布量は表1に記載 ロ.C17-SONa 〃 ハ.C17-N(C)-(CHCHO)-C-SONa 〃 ニ.C17-N(C)-CHCOOK 〃
【0058】(4)熱処理 バック層/下塗り層のついた支持体を一旦巻き取った
後、表2に記載の条件で加熱ゾーン内を搬送しながら熱
処理を実施した。この後、表1に記載の材質のフッ素系
樹脂をライニングしたロール上を表1記載の温度、時間
だけ搬送させ熱処理し、表1に記載の湿度に巻取り部を
調整し支持体温度50℃で巻き取ることで、表1に記載
のベース吸水率を達成し低湿巻取りを行った。このよう
に低張力熱処理まで終了した支持体の吸水速度を上記方
法に従って測定し、表2に記載した。
【0059】(5)画像形成層(感光層) 上記方法で下塗、バック層を塗設し熱処理まで終了した
支持体の、下塗り層(バック層の反対側)の上に下記画
像形成層および保護層を順次塗布し、表2に記載の条件
で乾燥した。この時、表2に示すように感光材料の上面
・下面間の温度差を設けるように乾燥するが、水平に搬
送させた乾燥ゾーンの上下に設けた温風吹き出し装置の
設定温度を調製して実施した。さらに感光材料上面、下
面の乾燥風量も表2に示す様に差を与えるが、これは上
下に設けた吹き出し口に取り付けたダンパーの調整で達
成した。
【0060】(5-1)ハロゲン化銀粒子の調製 水700mlにフタル化ゼラチン11gおよび臭化カリウ
ム30mg、チオスルホン酸ナトリウム10mgを溶解して
温度35℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀1
8.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムを1モル
/リットルで含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコント
ロールドダブルジェット法で6.5分間かけて添加し
た。ついで、硝酸銀55.4gを含む水溶液476mlと
臭化カリウムを1モル/リットルで含むハロゲン塩水溶
液pAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット
法で30分間かけて添加した後、4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン1gを添
加し、さらにpHを下げて凝集沈降させ脱塩処理をし
た。その後、フェノキシエタノール0.1gを加え、p
H5.9、pAg8.2に調整し臭化銀粒子(平均サイズ
0.12μm、投影面積直径変動係数8%、(100)面
比率88%の立方体粒子)の調製を終えた。
【0061】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して銀1モル当たりチオスルホン酸ナトリウム8.
5×10−4モルを添加し、120分間熟成した後40
℃に急冷したのち、1×10−5モルの色素S−1、5
×10−5モルの2-メルカプト−5−メチルベンゾイ
ミダゾールおよび5×10−5モルのN−メチル−N’
−{3−(メルカプトテトラゾリル)フェニル}ウレア
を添加し30℃に急冷してハロゲン化銀乳剤を得た。
【0062】
【化2】
【0063】(5-2)有機酸銀分散物の調製 ステアリン酸4.4g、ベヘン酸39.4g、蒸留水77
0mlを90℃で撹拌しながら1N-NaOH水溶液103mlを
添加し240分反応させ、75℃に降温した。次いで、
硝酸銀19.2gの水溶液112.5mlを45秒かけて
添加し、そのまま20分間放置し、30℃に降温した。
その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水の伝
導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得た固
形分にヒドロキシプロピルメチルセルロース10wt%水
溶液100gを添加し、さらに総重量270gとなるよう
に水を加えたのち、自動乳鉢にて素分散し有機酸銀粗分
散物を得た。この有機酸銀粗分散物をナノマイザー(ナ
ノマイザ(株)製、商品名)を用い衝突時の圧力100
0kg/cmで分散し有機酸銀分散物を得た。こうし
て得た有機酸銀分散物に含まれる有機酸銀粒子は平均短
径0.04μm、平均長径0.8μm、変動係数30%の
針状粒子であった。
【0064】(5-3)還元剤分散物の調製 1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-
トリメチルヘキサン100gとヒドロキシプロピルセル
ロース50gに水850gを添加し良く混合してスラリー
とした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ840g
を用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機
(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス
(株)製)にて5時間分散し還元剤分散物を得た。
【0065】(5-4)有機ポリハロゲン化物分散物の調製 トリブロモメチルフェニルスルホン50gとヒドロキシ
プロピルメチルセルロース10gに水940gを添加し良
く混合してスラリーとした。平均直径0.5nmのジルコ
ニアビーズ840gを用意してスラリーと一緒にベッセ
ルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:
アイメックス(株)製)にて5時間分散し有機ポリハロ
ゲン化物分散物を得た。
【0066】 (5-5)画像形成層塗布液の調製 下記組成の画像形成層塗布液を調製した。 上記有機酸銀分散物 100g 上記還元剤分散物 20g 上記有機ポリハロゲン化物分散物 15g ポリマーラテックス素材(下記〜の中から一つを選択) LACSTAR3307B(大日本インキ化学工業(株)製SBRラテックス、 商品名;Tg13℃)49wt% 40g メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート /2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタアクリル酸=59/9 /26/5/1の共重合体;Tg47℃) 40g ジュリマーET-410(日本純薬(株)製):Tg=52℃ 40g スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート =67/30/2.5/0.5(重量%) 40g MP−203(クラレ(株)製、商品名;ポリビニルアルコール)10wt% 水溶液 20g 上記ハロゲン化乳剤 20g ヒドラジン誘導体(化合物例37a)1wt%メタノール溶液 8ml 水 100g この塗布液を塗布銀量1.5g/m、ポリマーラテック
スの固形分の塗布量が5.7g/mになるように塗布し
た。
【0067】(6)保護層 (6-1)保護層塗布液の調製 下記塗布液をポリマーラテックスの固形分が2g/m
なるように、上記感光層の上に塗布した。40wt%のポ
リマーラテックス(メチルメタクリレート/スチレン/
2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート/メタアクリル酸=59/9/26/
5/1の共重合体;Tg47℃)500gに、H
262gを加え、造膜助剤として、ベンジルアルコール
14g、下記化合物−22.5g、セロゾール524
(中京油脂(株)製、商品名)3.6g、下記化合物−
3 12g、下記化合物−4 1g、下記化合物−5
2g、下記化合物−6 7.5g、マット剤として、平
均粒径3μmのポリメチルメタクリレート微粒子3.4
gを順次加えて、さらにHOを加えて、1000gと
し、粘度5cp(25℃)、pH=3.4(25℃)の
塗布液を調製した。
【0068】
【化3】
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】(7)感光材料の評価 上記方法で調製した感光材料の、感光層力学強度(表面
弾性率、押込み深さ、塑性変形エネルギー)、バック層
表面の力学強度(表面弾性率、押込み深さ、塑性変形エ
ネルギー)、バック層のXPS測定、バック層の動摩擦
係数を、上述の方法に従って測定し、結果を表3に示し
た。さらに、感光材料の幅方向の中央、両端から5cmの
所をMD、TD方向にサンプリングし、上記方法に従っ
て寸度変化率を測定し、表4に示した。
【0072】(8)感光材料の熱現像の評価 得られた熱現像感光材料を長手方向(MD)、幅方向
(TD)に沿って各60cmの正方形に切り出した。これ
を、下記3方式の熱現像機を用いて処理し、評価を行っ
た。
【0073】(8-1)熱現像 上記熱現像感光材料(60cm×60cm)に平網露光した
後、4隅に50cm間隔で「トンボ(十字状の目印)」を露
光した後、下記3方式の熱現像機を用いて熱現像した。
予熱、熱現像条件(温度、時間)は表4に示した。 非接触型熱現像機 図1に示した熱現像機を用いて処理する。この方式の特
徴は、感光材料を直接熱源に接触させることなく、一定
温度に保持された恒温槽中を、不織布の上を搬送するも
のである。この結果、感光層側は、熱源と非接触で搬送
される。図1の熱現像機の側面図を用いて詳細を説明す
る。図1の熱現像機は熱現像感光材料10を平面状に矯
正及び予備加熱しながら加熱部に搬入する搬入ローラー
対11(下部ローラーがヒートローラー)と熱現像後の
熱現像後の熱現像感光材料10を平面状に矯正しながら
加熱部から搬出する搬出ローラー対12を有する。熱現
像感光材料10は搬入ローラー対11から搬出ローラー
対12へと搬送される間に熱現像される。この熱現像中
の熱現像感光材料10を搬送する搬送手段は画像形成層
を有する面が接触する側に複数のローラー13が設置さ
れ、その反対側のバック面が接触する側には不織布(た
とえばポリフェニレンサルファイトやテフロンから成
る)等が貼り合わされた平滑面14が設置される。熱現
像感光材料10は画像形成層を有する面に接触する複数
のローラー13の駆動により、バック面は平滑面14の
上を滑って搬送される。加熱手段はローラー13の上部
及び平滑面14の下部に熱現像感光材料10の両面から
加熱されるように加熱ヒーター15が設置される。この
場合の加熱手段としては板状ヒーター等が挙げられる。
ローラー13と平滑面14とのクリアランスは平滑面の
部材により異なるが、熱現像感光材料10が搬送できる
クリアランスに適宜調整される。好ましくは0〜1mm
である。
【0074】ローラー13の表面の材質及び平滑面14
の部材は、高温耐久性があり、熱現像感光材料10の搬
送に支障がなければ何でも良いが、ローラー表面の材質
はシリコンゴム、平滑面の部材は芳香族ポリアミドまた
はテフロン(PTFE)製の不織布が好ましい。加熱手
段としては複数のヒーターを用い、それぞれ加熱温度を
自由に設定することが好ましい。なお、熱現像処理部の
上流の予備加熱部は、熱現像温度よりも低く(例えば1
0〜20℃程度低く)、熱現像感光材料中の水分量を蒸
発させるのに十分な温度および時間に設定することが望
ましく、熱現像感光材料10の支持体のガラス転移温度
(Tg)よりも高い温度で、現像ムラが出ないように設
定することが好ましい。また、熱現像処理部の下流には
ガイド板16が設置され、さらに、徐冷部が設置され
る。ガイド板は熱伝導率の低い素材が好ましく、冷却は
徐々に行うのが好ましい。
【0075】ロール接触型熱現像機 WO95/30934の実施例1に記載の方式の熱現像
機を使用した。 熱板接触型熱現像機 特表平7−505488号の実施例1に記載の方式の熱
現像機を使用した。(8-2)熱現像機の搬送性、熱現像後
の感光材料の評価 通過時間 感光材料が搬出されるのに要した時間を計測し(T1
秒)、設定時間(T0秒)に対する遅れた割合(100×(T1−
T0)/T0)を表4に示した。許容されるのは6%以下で
ある。なお、∞は熱現像機から排出されなかったことを
示す(ジャミングの発生(ロールに感光材料が巻きつ
き、からまってしまった。))。 現像ムラ 熱現像後の平網の画像を目視で評価した。搬送不良に起
因する横方向(搬送方向に直角方向)に3〜15cmピッチ
で現れるしま状の現像ムラ(濃度ムラ)が発生したものを
×、発生しないものを○とし表4に示した。○は許容、
×は許容外である。 ジャミング 熱現像中に搬送ロールに巻き付き、出てこなかったもの
を×、問題無く搬送されたものを○とし表4に示した。
○は許容、×は許容外である。 トンボのズレ 同一感光材料を2版続けて熱現像し、これを重ね合わせ
て四辺のトンボのズレを50倍のルーペで観察した。ズ
レの発生したものを×、発生しないものを○で表4に示
した。○は許容、×は許容外である。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】表3及び4の結果から明らかなように、バ
ック層の熱現像温度における表面弾性率が1〜5GPa
の範囲にある本発明の試料は、優れた熱現像機搬送性を
示すのに対し、それが0.3GPaである比較例1は、
熱現像機搬送性を全く示さない。
【0079】
【発明の効果】本発明の熱現像写真感光材料は、熱現像
機内での搬送性に優れ、熱現像後の寸度安定性およびシ
ワの改善を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非接触型熱現像機の一構成例を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
10 熱現像材料 11 搬入ローラー対 12 搬出ローラー対 13 ローラー 14 平滑面 15 加熱ヒーター 16 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バック層に無機微粒子を含む層を少なく
    とも1層以上含有し、バック表面をカレンダリング処理
    してなることを特徴とする熱現像写真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記バック層の熱現像温度80℃以上1
    50℃以下に於ける表面弾性率を1GPa以上5GPa
    以下とし、前記バック層の前記熱現像温度に於ける押し
    込み深さを0.4μm以上2μm以下とし、前記バック層
    の前記熱現像温度に於ける塑性変形エネルギーを0.0
    1nJ以上1nJ以下としたことを特徴とする請求項1
    記載の熱現像写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記バック層の動摩擦係数が0.05以
    上0.5以下であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の熱現像写真感光材料。
  4. 【請求項4】 120℃30秒処理に伴うMD(長手方
    向)、TD(幅方向)の熱寸法変化が幅方向全領域にわ
    たって−0.05%以上0.05%以下であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱現像写
    真感光材料。
  5. 【請求項5】 熱現像後の25℃75%RHにおける吸
    水速度が0%/時間以上0.16%/時間以下である支
    持体を用いたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の熱現像写真感光材料。
  6. 【請求項6】 熱現像が80℃以上150℃以下で10
    秒以上5分以下実施されることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の熱現像写真感光材料。
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