JP3290135B2 - 低熱収縮ポリエステル支持体および熱現像写真感光材料 - Google Patents

低熱収縮ポリエステル支持体および熱現像写真感光材料

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JP3290135B2
JP3290135B2 JP14350998A JP14350998A JP3290135B2 JP 3290135 B2 JP3290135 B2 JP 3290135B2 JP 14350998 A JP14350998 A JP 14350998A JP 14350998 A JP14350998 A JP 14350998A JP 3290135 B2 JP3290135 B2 JP 3290135B2
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低熱収縮ポリエステ
ルフィルム及び低熱収縮熱現像写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ハロゲン化銀写真感光材料は、撮影
後現像液を用いて湿式現像を行っている。しかし、この
方法では、下記のような問題点があり、現像方法の改善
が望まれていた。 現像、漂白、定着、乾燥を行なうため、現像処理に時
間を要する。 現像液を入れたタンクを複数個必要とするため、現像
機を小型軽量化できない。 現像液の補充、廃棄および現像タンクの洗浄等の手間
を要する。 これを改善するために、米国特許第3152904号明
細書、米国特許第3457075号明細書、特公昭43
−4921号、特公昭43−4924号等に記載されて
いるような80〜150℃の熱による現像方法(以下熱
現像という)を用いた写真感材が提案されている。この
一つの例として感光層中にあらかじめ現像薬の前駆体を
含ませておき、これを熱により分解し現像薬とし、現像
する方法等が挙げられる。このような熱現像方式では、
現像処理は熱を与えるだけでよく短時間で処理が可能で
あり、現像機も小型化できる。さらに現像液の補充や廃
棄の心配が無い、といった特徴を有している。しかし印
刷用感材にこの方式の感材を用いた場合、熱現像中に発
生する寸法変化のために、画像の歪みや4版(青、緑、
赤、墨)の色ズレが発生した。これを解決するために、
特開平8−211547号に開示されている低張力で熱
処理する技術が開示されている。しかし、この方法では
45cm以下の小さな版では寸法ズレは問題とならなかっ
たが、これを越えるような大きな版では寸法ズレが発生
した。さらに、この方法による感材を熱現像後、経時保
存した場合、寸法ズレによる色ズレが発生することから
保存時の寸法安定性の点でも難があり、解決が望まれて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は寸法安
定性に優れた低熱収縮性ポリエステル支持体及び加熱時
及び保存時の寸法安定性に優れ、画像の歪みや色ズレを
防止しうる熱現像写真感光材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1)熱現像に相当する加熱後の経時寸法変化が、長手
方向幅方向とも−0.03%以上+0.05%以下であ
ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料のポリエ
ステル支持体、 (2)幅方向にわたって測定した熱現像に相当する加熱
後の経時寸法変化の最大値と最小値との差が絶対値で、
長手方向幅方向とも0%以上0.04%以下であること
を特徴とする(1)項に記載のハロゲン化銀写真感光材
料のポリエステル支持体、 (3)熱現像に相当する加熱による熱寸法変化が長手方
向幅方向とも−0.04%以上+0.04%以下である
ことを特徴とする(1)又は(2)項に記載のハロゲン
化銀写真感光材料のポリエステル支持体、 (4)幅方向にわたって測定した、熱現像に相当する加
熱による熱寸法変化の最大値と最小値との差が絶対値
で、長手方向幅方向とも0%以上0.04%以下である
ことを特徴とする(1)、(2)又は(3)項に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料のポリエステル支持体、 (5)該ポリエステル支持体が、長手方向に収縮し幅方
向に伸張するように、かつ長手方向の収縮が完了する前
に幅方向の伸張が完了しているように熱処理されている
ことを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記
載のハロゲン化銀写真感光材料のポリエステル支持体、 (6)該熱処理で処理前ポリエステルより長手方向に−
2%以上−0.2%以下の範囲で収縮させ、かつ収縮が
完了するまでの時間が15秒以上5分以下であることを
特徴とする(5)項に記載のハロゲン化銀写真感光材料
ポリエステル支持体、 (7)該熱処理で処理前ポリエステルより幅方向に0%
を越え+0.4%以下の範囲で伸張させ、かつ伸張が完
了するまでの時間が5秒以上20秒以下であることを特
徴とする(5)項に記載のハロゲン化銀写真感光材料の
ポリエステル支持体、 (8)該熱処理が140℃以上200℃以下で15秒以
上5分以下行われたことを特徴とする(5)、(6)又
は(7)項に記載のハロゲン化銀写真感光材料のポリエ
ステル支持体、 (9)該熱処理前のポリエステル支持体(原反)の、1
20℃30秒熱寸法変化量の幅方向の最大値と最小値と
の比が、長手方向幅方向とも1以上1.4以下であるこ
とを特徴とする(5)〜(8)項のいずれか1項に記載
ハロゲン化銀写真感光材料のポリエステル支持体、及
び (10)(1)〜(9)のいずれか1項に記載のポリエ
ステル支持体にハロゲン化銀写真感光層を塗設し、熱現
像後の経時寸法変化が、長手方向幅方向とも−0.03
%以上+0.07%以下であることを特徴とする熱現像
写真感光材料を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の低熱収縮ポリエステル支
持体において、熱現像に相当する加熱後の経時寸法変化
は長手方向(以下MDと表わす)、幅方向(以下TDと
表わす)とも−0.03%以上+0.05%以下、より
好ましくは−0.02%以上+0.04%以下、さらに
好ましくは−0.01%以上+0.03%以下である。
本明細書中、熱現像に相当する加熱後の経時寸法変化と
は、熱現像写真感光材料の熱現像に相当する加熱条件で
の経時変化であり、本発明では、試料を115℃で30
秒加熱し5時間後に測定した寸法(L(d0))とその後5
5℃で72時間放置することで25℃自然経時で3年間
以上に相当する経時変化を強制的に与えた後に測定した
寸法(L(d∞) )との差と前記L(d0)の比をいうものと
する。これを処理順に説明すると以下のようになる。 加熱前→上記加熱→加熱後→上記経時変化→自然経時 試料長さ=L(f) L(d0) L(d∞) 即ち、熱現像に相当する加熱後の経時寸法変化とは、 100×{ L(d∞) −L(d0)}/L(d0)(%) を指し、また、上記の熱現像に相当する加熱による熱寸
法変化とは 100×{ L(d0)−L(f) }/L(f) (%) を指す。本明細書中、−は経時で収縮したことを示し、
+は伸張したことを示す。
【0006】この時の熱現像に相当する加熱前後の寸法
変化はMD、TDとも−0.04%以上+0.04%以
下、より好ましくは−0.03%以上+0.03%以
下、さらに好ましくは−0.02%以上+0.03%以
下である。
【0007】さらに、この熱現像に相当する加熱後の経
時寸法変化を支持体の幅方向にわたって測定した場合、
最大値と最小値との差の絶対値は、MD、TDとも0%
以上0.04%以下であることが好ましく、0%以上
0.03%以下がより好ましく、0%以上0.02%以
下がさらに好ましい。また、幅方向にわたって測定した
熱現像に相当する加熱による熱寸法変化の最大値と最小
値との差の絶対値は、MD、TDとも0%以上0.04
%以下が好ましく、0%以上0.03%以下がより好ま
しく、0%以上0.02%以下がさらに好ましい。
【0008】本発明で規定する熱現像に相当する加熱時
の特定の寸法変化及び加熱後の特定の経時寸法変化とこ
れらの幅方向の最大値と最小値との差は、ポリエステル
支持体が、MDに収縮しTDに伸張するように、かつM
Dの収縮が完了する前にTDの伸張が完了しているよう
に熱処理を行なうことで達成される。即ち、本発明は、
MDはゆっくりと収縮させ、TDはすばやく伸張させる
という異方的な熱処理を行うことで達成することができ
る。
【0009】熱処理によるMDの収縮量は−2%以上−
0.2%以下が好ましく、−1.5%以上−0.4%以
下がより好ましく、−1.2%以上−0.5%以下がさ
らに好ましい。収縮が完了するまでの時間は15秒以上
5分以下であることが好ましく、20秒以上3分以下が
より好ましく、30秒以上2分以下がさらに好ましい。
【0010】熱処理によるTDの伸張量は0%を越え+
0.4%以下が好ましく、0.05%以上+0.35%
以下が好ましく、0.1%以上+0.3%以下がさらに
好ましい。また伸張が完了するまでの時間は5秒以上2
0秒以下が好ましく、8秒以上18秒以下であることが
好ましく、10秒以上15秒以下がさらに好ましい。
【0011】熱処理温度は140℃以上200℃以下、
より好ましくは145℃以上180℃以下、150℃以
上170℃以下が好ましい。温度は一定であっても良
く、昇温あるいは降温しながらでも良い。熱処理時間は
15秒以上5分以下が好ましく、25秒以上3分以下が
より好ましく、30秒以上2分以下がより好ましい。
【0012】このような異方的な熱処理の具体的方法
は、どのような方法で実施しても同様の効果が得られ、
限定されるものではない。一つの例としてMD、TDの
両端をクリップでつかみ、上記のように寸法変化させな
がら熱処理する方法が挙げられる。
【0013】さらに、幅方向にわたって測定した熱現像
に相当する加熱後の経時寸法変化、熱現像に相当する加
熱による熱寸法変化の各々の最大値と最小値との差の絶
対値を本発明の範囲にするには、幅方向にわたって測定
した熱処理前のポリエステル支持体(原反)の120℃
30秒熱寸法変化量の、幅方向の最大値と最小値の比
(最大値/最小値)が、MD、TDとも1以上1.4以
下、より好ましくは1以上1.3以下、さらに好ましく
は1以上1.2以下であるものを用いるのが好ましい。
【0014】本発明の支持体の幅は実質的には0.5m
以上8m以下が好ましく、0.8m以上6m以下がより
好ましく、1m以上3m以下がさらに好ましい。厚みは
50μm 以上250μm 以下が好ましく、75μm 以上
200μm 以下がより好ましく、95μm 以上175μ
m 以下がさらに好ましい。
【0015】本発明に用いられるポリエステルはジカル
ボン酸成分とジオール成分から構成されるが、全ジカル
ボン酸ユニット中に含まれるテレフタル酸、あるいはナ
フタレンジカルボン酸の含率が50mol%以上100
mol%以下のものが好ましく、特に好ましいのがポリ
エチレンテレフタレート(PET)とポリエチレンナフ
タレート(PEN)である。これらのフェノール/テト
ラクロルエタン=6/4(重量比)溶液中にて、25℃
で測定した極限粘度(以下IVという)は、0.4以上
0.9以下が好ましく、0.45以上0.70以下がさ
らに好ましい。
【0016】ポリエステル支持体に易滑性を付与するた
め、SiO2 、TiO2 、BaSO4 、CaCO3 、タ
ルク、カオリン等の微粒子を添加することも好ましい。
好ましい添加量は10ppm以上500ppm以下であ
る。また添加する粒子の大きさは0.05μm 以上5μ
m 以下が好ましい。
【0017】ポリエステル支持体は通常の2軸延伸法で
製膜することができる。即ち融点〜330℃で溶融後、
T−ダイから押し出したものをTg −80℃〜Tg で冷
却固化して得た未延伸フィルムをTg+15℃〜Tg+
50℃で2.8〜3.8倍にMD延伸、3.0〜4.0
倍にTD延伸後、Tm −50℃〜Tm −10℃で熱固
定、熱緩和(弛緩率0〜10%)で得られる。
【0018】さらに本発明のポリエステル支持体は、片
面あるいは両面に塗工層を設けていることも好ましい。
塗工層は熱処理の前、後いずれに実施しても良いが、高
温で乾燥する必要のある下塗層、バック層は熱処理前に
実施するのが好ましく、乾燥温度の低い感光層は熱処理
後に塗工するのが好ましい。
【0019】下塗、バック層の塗工に先だって、グロー
放電処理(例えば特開平8−194286号)、コロナ
処理(例えば特公昭48−5043号)、紫外線処理
(例えば特公昭43−2603号)や火炎処理を行なう
のが好ましい。
【0020】下塗り層としては、第1層として支持体に
よく接着する層(以下、下塗り第1層と略す)を設け、
その上に第2層として下塗り第1層と写真層をよく接着
する層(以下、下塗り第2層と略す)を塗布するいわゆ
る重層法と、支持体と写真層をよく接着する層を一層の
み塗布する単層法とがある。
【0021】重層法における下塗り第1層では、例え
ば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、酢酸ビ
ニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸エス
テル、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マ
レイン酸等の中から選ばれた単量体を出発原料とする共
重合体、エポキシ樹脂、ゼラチン、ニトロセルロース、
ポリ酢酸ビニルなどが用いられる。また必要に応じて、
トリアジン系、エポキシ系、メラミン系、ブロックイソ
シアネートを含むイソシアネート系、アジリジン系、オ
キサザリン系等の架橋剤、コロイダルシリカ等の無機粒
子、界面活性剤、増粘剤、染料、防腐剤などを添加して
もよい。また下塗第2層では主にゼラチンが用いられ
る。
【0022】単層法においては、多くは支持体を膨潤さ
せ、下塗りポリマーと界面混合させる事によって良好な
接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗りポリマ
ーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体
などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、
塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合
体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有
共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテックスポリ
マー、などが用いられる。これらのうち好ましいのはゼ
ラチンである。ゼラチンとしては当業界で一般に用いら
れているものはいずれも用いることができるが、最も好
ましく用いられるのは石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチ
ンである。
【0023】バック面の耐傷性付与、すべり性付与、カ
ール補償、帯電防止能の付与等のためにバック層を塗設
することも好ましい。バック層は親水性コロイドをバイ
ンダーとしてもよく、疎水性ポリマーをバインダーとし
てもよい。親水性コロイドとして最も好ましいものはゼ
ラチンである。親水性ポリマーを用いる場合、より強固
な密着性を付与するために、感光層と同じ下塗を行った
上にバック層を塗設することも好ましい。疎水性ポリマ
ー層のバインダーとしてはポリメチルメタクリレート、
エチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルポ
リマー、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、スチ
レン系ポリマー、塩化ビニリデン、ウレタン系ポリマ
ー、ブタジエン等のゴム系ポリマーなどが用いられる。
この層は1層でも2層以上でもよい。
【0024】バック層あるいは/および下塗層には必要
に応じてマット剤、すべり剤、帯電調整剤、界面活性
剤、架橋剤を添加してもよい。
【0025】帯電調整剤として導電性の結晶性金酸化物
又はその複合酸化物微粒子を添加して表面抵抗率を10
12Ω以下にすることも好ましい。導電性の結晶性酸化物
又はその複合酸化物の微粒子としては体積抵抗率が10
7 Ωcm以下、より好ましくは105 Ωcm以下のものが望
ましい。またその粒子サイズは0.01〜0.7μm、
特に0.02〜0.5μmであることが望ましい。これ
らの導電性の結晶性金属酸化物あるいは複合酸化物の微
粒子の製造方法については特開昭56−143430号
公報の明細書に詳細に記載されている。即ち、第1に金
属酸化物微粒子で焼成により作製し、導電性を向上させ
る異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成によ
り金属酸化物微粒子を製造するときに導電性を向上させ
る為の異種原子を共存させる方法、第3に焼成により金
属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、
酸素欠陥を導入する方法等が容易である。金属原子を含
む例としてはZnOに対してAl、In等、TiO2
対してはNb、Ta等、SnO2 に対してはSb、N
b、ハロゲン元素等があげられる。異種原子の添加量は
0.01〜30mol%の範囲が好ましいが0.1〜1
0mol%であれば特に好ましい。これらのうちSbを
添加したSnO2複合金属酸化物微粒子が最も好まし
い。
【0026】またハレーション防止、セーフライト安全
性向上、表裏判別性向上などの目的で、染色された非感
光性親水性コロイド層(以降染色層と表わす)を設けて
もよい(例えば米国特許第3,455,693号、特開
昭61−213839号、特願平1−142688号、
米国特許第2,719,088号、特願平1−1198
51号、特願平1−87367号)。中でも染料を固体
のまま分散する方法が好ましい。
【0027】このようなバック層又は下塗層は、1層で
も多層でもよく、各層の厚みは0.02〜10μm、よ
り好ましくは0.1〜7μmの範囲が好ましく、これら
の層の全厚みは0〜5μmが好ましい。これらのバック
層、下塗層の塗工は、ディップコート法、エアーナイフ
コート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイ
ヤーバーコート法、グラビアコート法、等により塗布す
ることができる。これらは単層ずつ塗布しても2層以上
同時塗布しても良い。
【0028】このようにして得た支持体上に写真感光層
を塗設することで本発明の熱現像感光材料、即ち熱現像
後の経時寸法変化が長手方向幅方向とも−0.03%以
上+0.07%以下、より好ましくは−0.02%以上
+0.06%以下、さらに好ましくは−0.01%以上
+0.05%以下を達成できる。熱現像感材とは、放射
光により形成した潜像を、水系現像液を用いず、好まし
くは50〜180℃、より好ましくは70〜150℃、
さらに好ましくは90〜135℃で好ましくは3秒〜1
0分、より好ましくは5秒〜3分、さらに好ましくは1
0秒〜1分の熱現像で画像を形成する感材である。この
ような感材は感光物質としてジアゾニウム塩等の有機感
光物質、ハロゲン化銀等の無機感光物質が挙げられる
が、ハロゲン化銀を用いるものが感度、コントラストに
優れ好ましい。
【0029】感光層はバインダー中にハロゲン化銀、有
機酸銀等を添加して形成される。バインダーとして、ス
チレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体(SB
R)、塩化ビニリデン(PVdC)系共重合体、ポリア
クリレート系重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリメタクリレート系重合体
のラテックスを挙げることができる。これらの分子量
(Mw )は5千〜100万が好ましく、1万〜20万が
より好ましい。より具体的には、アクリル樹脂系として
セビアンA−4635,46583,4601(ダイセ
ル化学工業製)、Nipol Lx811,814,824,820,857 (日本
ゼオン製)、ゴム系樹脂としてLACSTAR7310K,3307B,470
0H,7132C(大日本インキ化学製)、Nipol Lx416,410,43
8c,2507 (日本ゼオン製)、塩化ビニリデン樹脂として
L502,L513 (旭化成工業製)、オレフィン樹脂としてケ
ミパールS120,SA100(三井石油化学製)が挙げられる。
これらは単独で用いても良く、混合して用いてもよい。
これらのラテックス中の固形分濃度は10%以上80%
以下、より好ましくは20%以上70%以下であること
がより好ましい。またゼラチン、水溶性ポリエステル
(例えばスルホイソフタル酸を共重合したPET)、ポ
リビニルピロリドン、デンプン、アラビアゴム、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、
キチン、キトサン等の水溶性ポリマーを用いることも好
ましい。これらの分子量(Mw )は5千〜100万が好
ましく、1万〜20万がより好ましい。これらは単独で
用いても良く、混合して用いてもよい。
【0030】さらに感光層には有機酸銀塩を添加するこ
とが好ましい。好ましい有機酸銀塩は炭素数10〜30
の脂肪族カルボン酸が好ましく、より好ましくはベヘン
酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸
銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パ
ルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、リノール酸
銀、酪酸銀、酒石酸銀等を挙げることができるが、なか
でも好ましいのがベヘン酸銀である。これらの有機酸銀
は分散し塗布するのが好ましく、分散剤としてはポリア
クリル酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合
体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプ
ン等のポリマー、特開昭52−92716号、WO88
/047974記載のアニオン系界面活性剤や公知のア
ニオン、ノニオン、カチオン界面活性剤を使用するのも
好ましい。
【0031】感光層中には感光性ハロゲン化銀を用い
る。例えばリサーチディスクロージャー1978年6月
の第17029号、米国特許第3,700,458号に
記載のものを使用することができる。有機酸銀塩1モル
に対し0.01〜0.5モル用いるのが好ましい。必要
に応じてロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニウ
ム、イリジウム、コバルト、水銀、鉄から選ばれる金属
の錯体を少なくとも一種類を、銀1モルに対し1nモル
〜10mモル含有するのがより好ましい。さらに、硫黄
増感法、セレン増感法、テルル増感法を用いることもで
きる。
【0032】さらに造核剤を添加するのが好ましい。造
核剤として、アミン誘導体、オニウム塩、ジスルフィド
誘導体、ヒドロキシメチル誘導体、ヒドロキサム誘導
体、アシルヒドラジド誘導体、アクリロニトリル誘導
体、水素供与体を挙げることができるが、なかでも好ま
しいのが下式に示すような構造を持つヒドラジン系誘導
体である。
【0033】
【化1】
【0034】式中R2 は脂肪族基、芳香族基またはヘテ
ロ基を表し、R1 は水素原子またはブロック基を示し、
1 は−CO−、−COCO−、−C(=S)−、−S
2−、−SO−、−PO(R3 )−基(R3 はR1
定義した基と同じ範囲から選ばれ、R1 と異なっても良
い)、またはイミノメチレン基を表す。A1 、A2 はと
もに水素原子、あるいは一方が水素原子で他方が置換も
しくは無置換のアルキルスルホニル基、または置換もし
くは無置換のアリールスルホニル基、または置換もしく
は無置換のアシル基を示す。m1 は0または1であり、
1 が0のときR1 は脂肪族基、芳香族基またはヘテロ
環基を表す。
【0035】さらにシアニン色素、メロシアニン色素、
コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシア
ニン色素、ホロホーラーシアニン色素、スチリル色素、
ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノー
ル色素等の増感色素を用いることも好ましい。
【0036】カブリ防止剤としてチアゾニウム塩(例え
ば米国特許第2694716号記載)、アザインデン
(例えば米国特許第2444605号記載)、ウラゾー
ル(例えば米国特許第3287135号記載)、水銀塩
(例えば米国特許第2728663号記載)、有機ハロ
ゲン化合物(例えば特開平6−208191号、同7−
5621号、同8−15809号、米国特許第5464
773号等に記載)等を用いることができる。現像を制
御するためにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、
チオン化合物を用いるのも好ましい。
【0037】感光層中に還元剤を添加するのも好まし
く、例えば特公昭54−20333号、同49−107
27号、特開平4−56848号、特開昭61−183
642号、同54−156525号、同53−1020
号、同52−14788号、同51−3223号、同5
0−67132号、米国特許第4510236号、同第
4123282号、同第3782941号、同第308
0254号等に記載のものを挙げることができる。
【0038】感光層中にアンチハレーションの目的で染
料や顔料を用いることも好ましく、ピラゾロアゾール染
料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、
オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染
料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、イ
ンドフェノール染料、フタロシアニン等が挙げられる。
これらは感光層に添加しても良く、バック層に添加して
もよい。
【0039】これらの感光層の厚みの和は5μm 以上2
5μm 以下、8μm 以上20μm 以下が好ましい。
【0040】以下に本明細書で規定する寸法安定性の測
定法について述べる。 (1) 熱現像に相当する加熱後の経時寸法変化 5cm幅×25cm長に幅方向(TD)、長手方向(MD)
にサンプルを切り出し、20cm間隔の孔を開けた。こ
れを115℃に加熱したヒートブロックに30秒接触さ
せ無張力下で加熱した。これを25℃60%RH下に5
時間調湿した後、孔の間隔をピンゲージを用い測長した
(この長さをL(d0)とする)。この後55℃で72時
間、空気恒温槽で熱処理した(この条件は25℃自然経
時で3年間以上に相当する)。これを再び25℃60%
RH下に5時間調湿した後、孔間をピンゲージを用いて
測定した(この長さをL(d∞) とする)。これから1
00×{ L(d∞) −L(d0)}/L(d0)を求めた。
これを幅方向に5点、等間隔に測定し、MD、TDごと
に平均し、「 熱現像に相当する加熱後の経時寸法変化」
(%)とする。さらに幅方向5点の測定値の中から、M
D、TDごとに最大値と最小値とを選び、この差の絶対
値を「 熱現像に相当する加熱後の経時寸法変化の幅方向
の最大値と最小値との差」 (%)とした。
【0041】 (2)熱現像に相当する加熱による寸法変化 5cm幅×25cm長にMD、TDにサンプルを切り出し、
25℃60%RH下に5時間調湿した後、20cm間隔
の孔を開け、孔の間隔をピンゲージを用い測長した(こ
の長さをL(f) とする)。これを115℃に加熱した
ヒートブロックに30秒接触させ無張力下で加熱した。
これを25℃60%RH下に5時間調湿した後、孔の間
隔をピンゲージを用い測長した(この長さをL(d0)と
する)。これから100×{ L(d0)−L(f) }/L
(f) を求めた。これを幅方向に5点、等間隔に測定
し、MD、TDごとに平均し、「熱現像に相当する加熱
による寸法変化」(%)とした。さらに幅方向5点の
測定値の中から、MD、TDごとに最大値と最小値とを
選び、この差の絶対値を「 熱現像に相当する加熱によ
寸法変化の、幅方向の最大値と最小値との差」
(%)とした。
【0042】(3) 熱処理前のポリエステル支持体(原
反)の120℃30秒加熱時の寸法変化量の、幅方向最
大値と最小値との比 熱処理前のポリエステル支持体(原反)を幅方向に5
点、等間隔に5cm幅×25cm長にMD、TDにサンプル
を切り出した。これを、25℃60%RH下に5時間調
湿した後、20cm間隔の孔を開け、孔の間隔をピンゲ
ージを用い測長した(この長さをLとする)。これを1
20℃に加熱したヒートブロックに30秒接触させ無張
力下で加熱した。これを25℃60%RH下に5時間調
湿した後、孔の間隔をピンゲージを用い測長した(この
長さをL’とする)。これから各点ごとに{L’−L}
/Lを求め、この最大値と最小値との比(最大値/最小
値)をMD、TDごとに求めた。
【0043】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0044】実施例−1 (1)支持体の作製 (1-1) ポリエチレンテレフタレート(PET)支持体の
作製 PETの重合 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従い
IV=0.66(フェノール/テトラクロルエタン=6
/4(重量比) 中25℃で測定)のPETを得た。これ
を示差走査熱量計(DSC)を用いて10mgのサンプ
ルを窒素気流中20℃/分で昇温しながら測定したとこ
ろTg =70℃、Tm =255℃であった。 PETの製膜 ペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で
溶融後T−ダイから押し出したあと急冷(70℃)し、
熱固定後の膜厚が120μmである未延伸フィルムを作
製した。これを、100℃で3.3倍にMD延伸した
後、110℃で4.0倍にTD延伸した。この後240
℃で90秒熱固定した後、235℃でTD方向に0%、
3%弛緩させて、3m幅で製膜した。これを両端トリミ
ングし2.5mにした後巻き取った。これを各々PET
−1、PET−2とした(後者はTD弛緩により幅方向
の寸法安定性が小さい)。
【0045】(1-2) ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト(PEN)支持体の作製 PENの重合 ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチルとエチレン
グリコールを用い、常法に従いIV=0.58(フェノ
ール/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃
で測定)のPENを得た。これをDSCを用いて10m
gのサンプルを窒素気流中20℃/分で昇温しながら測
定したところTg =120℃、Tm =265℃であっ
た。 PENの製膜 ペレット化した後150℃で4時間乾燥し、320℃で
溶融後T−ダイから押し出したあと急冷(70℃)し、
熱固定後の膜厚が120μmである未延伸フィルムを作
製した。これを、140℃で3.1倍にMD延伸した
後、145℃で3.6倍にTD延伸した。この後250
℃で90秒熱固定した後、245℃で幅方向に2%弛緩
させ、3m幅で製膜した。これを両端トリミングし2.
5mにした後巻き取った。
【0046】(2)下塗、バック層の作製 上記支持体上に下記下塗、バック塗布層を設けた。 (2-1) 表面処理 塗布に先立ち支持体の両面にコロナ処理を行った。 装置:ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KV
Aモデル 条件:温度=室温、処理速度=20m/分、強度=0.
375kV・A・分/m2 、処理周波数=9.6kH
z、電極と誘電体ロールのギャップクリ アランス=1.6mm
【0047】(2-2) 下塗第1層 下記組成の水分散ラテックスをワイヤーバーを用いて乾
燥膜厚が0.3μm となるよう塗布し、120℃で2分
間乾燥した。 ブタジエン−スチレン共重合ラテックス (固形分43%、ブタジエン/スチレン重量比=32/68) 13ml 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ −S−トリアジンナトリウム塩 8%水溶液 7ml ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1%水溶液 1.6ml 蒸留水 80ml
【0048】(2-3) 下塗第2層 下記組成の水溶液をワイヤーバーを用いて乾燥膜厚が
0.14μm となるように下塗第1層の上に塗布し、1
20℃で2分間乾燥した。 ゼラチン 0.9g メチルセルロース (メトローズSM15 置換度1.79〜1.83) 0.1g 酢酸(濃度99%) 0.02ml 蒸留水 99ml
【0049】(2-4) バック第1層(導電性層) 下記組成の導電性素材を含むアクリルラテックス水分散
液を、乾燥膜厚が0.04μm になるように下塗面の反
対側に塗布し180℃で30秒乾燥し、表面電気抵抗が
106 Ωの支持体を作製した。 アクリル樹脂水分散液(ジュリマ−ET410、 固形分20重量%、日本純薬(株) 製) 2.0重量部 酸化スズ−酸化アンチモン水分散物 (平均粒径0.1μm 、17重量%) 18.1重量部 ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1重量部 これに蒸留水を加えて100重量部となるように調製し
た。
【0050】(2−5)バック第2層(発色・マット
層) バック第1層の上に下記組成の塗布液を、塗布乾燥後の
660nm光学濃度が0.7になるように塗設した。
【0051】(発色剤分散物Aの調製)酢酸エチル35
gに対して、下記化合物1を2.5g平均粒径5μmの
架橋PMMA微粒子1g添加して攪拌した。この液に予
め溶解したポリビニルアルコール10重量%溶液50g
を添加して5分間ホモジナイザーで分散した。その後、
酢酸エチルを脱溶媒により除き、その後、水で希釈して
発色剤分散物を調製した。
【0052】
【化2】
【0053】(2−6) バック第3層(ポリオレフィン
層:すべり層) 下記組成のポリオレフィンラテックス水分散液を、乾燥
膜厚が0.15μm になるように発色層の上に塗布し
た。これを185℃で3分間乾燥した。 ポリオレフィン(ケミパールS−120、 27重量%、三井石油化学(株) 製) 3.0重量部 コロイダルシリカ(スノ−テックスC、日産化学(株) 製) 2.0重量部 エポキシ化合物 (デナコールEX−614B、ナガセ化成(株) 製) 0.3重量部 蒸留水を加えて合計が100重量部になるように調製
【0054】(2−7)熱処理前のポリエステル支持体
(原反)の熱寸法変化 下塗、バックの塗工の完了したPET−1、−2、PE
N支持体(原反)に対し、前記方法に従って、120℃
30秒の熱寸法変化量の幅方向の最大値と最小値との比
を測定し、表1に記載した。
【0055】(3)熱処理 上記下塗、バック層を塗設後の原反の中央部を1.5m
幅にスリット後、両端に高さ10μm のナーリングを幅
10mmで設けた後、表1に示したMD収縮量および完了
時間、TD伸張量および完了時間となるように熱処理ゾ
ーンを搬送させながら実施した。これは以下の方法によ
り達成された。 TD;支持体の両端を把持しこれを表1の伸張量、完了
時間となるように引っ張った。 MD;表1の収縮量、完了時間となるように把持したチ
ャックの間隔を詰めていった。 また比較例−2は特開平8−211547号の実施例1
に従い、MD、TD規制せずに175℃で5分間熱処理
を実施したものである。
【0056】
【表1】
【0057】(4)ポリエステル支持体の寸法安定性試
験 熱処理後のポリエステル支持体に対し前記方法に従って
試験し、結果を表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】表2の結果から明らかなように熱処理をM
Dに収縮しTDに伸張するように、かつMD収縮が完了
する前にTD伸張が完了しているように行わないと、M
D、TD共に加熱後の経時寸法変化が大きく、MDの熱
寸法変化が大きく、また幅方向にわたって測定した熱寸
法変化及び加熱後の経時寸法変化のMDにおける最大値
と最小値の差も大きく、寸法安定性が悪いことがわかる
(比較例−1)。熱処理をMD、TD規制せずに行った
場合も同様に、加熱時及び保存時の寸法安定性が悪いこ
とがわかる(比較例−2)。これに対して、本発明−1
〜8では、加熱時の寸法変化、経時寸法変化、及びそれ
ぞれに対応する幅方向にわたって測定したMD、TDに
おける寸法変化の最大値と最小値の差が小さく、良好な
加熱時及び保存時の寸法安定性を示すことがわかる。
【0060】(5)感材の作製 上記下塗、バック層を塗設し熱処理を施した1.5m幅
の支持体の下塗側に下記スチレン−ブタジエンゴムラテ
ックス(SBR)系感光層を塗設した。
【0061】SBR系感光層 (ハロゲン化銀粒子Aの調製)水700mlにフタル化
ゼラチン22gおよび臭化カリウム30mgを溶解し
て、温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀
18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムを含
む水溶液をpAgを7.7に保ちながらコントロールダ
ブルジェット法で10分間かけて添加した。K3 [Ir
Cl63-を8×10-6モル/リットルと臭化カリウム
を1モル/リットルで含む水溶液をpAgを7.7に保
ちながらコントロールダブルジェット法で30分間かけ
て添加した。その後pH5.9、pAg8.0に調製し
た。得られた粒子は、平均粒子サイズ0.07μm、投
影面積直径の変動係数8%、(100)面積率86%の
立方体粒子であった。上記のハロゲン化銀粒子Cを温度
60℃に昇温して、銀1モル当たり8.5×10-5モル
のチオ硫酸ナトリウム、1.1×10-5モルの2,3,
4,5,6−ペンタフルオロフェニルジフェニルスルフ
ィンセレニド、2×10-6モルのテルル化合物1、3.
3×10-6モルの塩化金酸、2.3×10-4モルのチオ
シアン酸を添加して、120分間熟成した。その後、温
度を50℃にして8×10-4モルの増感色素Cを撹拌し
ながら添加し、更に3.5×10-2モルの沃化カリウム
を添加して30分間撹拌し、30℃に急冷却してハロゲ
ン化銀の調製を完了した。
【0062】
【化3】
【0063】(有機酸銀微結晶分散物の調製)ベヘン酸
40g、ステアリン酸7.3g、蒸留水500mlを9
0℃で15分間混合し、激しく撹拌しながら1N−Na
OH水溶液187mlを15分間かけて添加し、1N−
硝酸水溶液61mlを添加して50℃に降温した。次
に、1N−硝酸水溶液124mlを添加してそのまま3
0分間撹拌した。その後、吸引濾過で固形分を濾過し、
濾水の伝導度が30μS/cmになるまで固形分を水洗
した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウェ
ットケーキとして取扱い、乾燥固形分34.8g相当の
ウェットケーキに対して、ポリビニルアルコール12g
及び水150mlを添加し、良く混合してスラリーとし
た。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ840gを
用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1
/4G−サンドグラインダーミル:アイメックス(株)
社製)にて5時間分散し、体積加重平均1.5μmの有
機酸銀微結晶分散物を得た。粒子サイズの測定は、Ma
lvern Insutruments Ltd.製
Master SaizerXにて行った。
【0064】(素材固体微粒子分散物の調製)テトラク
ロロフタル酸、4−メチルフタル酸、1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,
5−トリメチルヘキサン、フタラジン、トリブロモメチ
ルスルフォニルベンゼンについて固体微粒子分散物を調
製した。テトラクロロフタル酸に対して、ヒドロキシプ
ロピルセルロース0.81gと水94.2mlとを添加
して良く撹拌してスラリーとして10時間放置した。そ
の後、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを100
mlとスラリーとを一緒にベッセルに入れて有機酸銀微
結晶分散物の調製に用いたものとおなじ型の分散機で5
時間分散してテトラクロロフタル酸の固体微結晶分散物
を得た。固体微粒子の粒子サイズは70wt%が1.0
μmであった。
【0065】(乳剤層塗布液の調製)先に調製した有機
酸銀微結晶分散物に対して下記の組成物を添加して、乳
剤塗布液を調製した。 有機酸微結晶分散物 1モル ハロゲン粒子 A 0.05モル バインダー、SBRラテックス (LACSTAR 3307B 大日本インキ化学工業(株)) 430g 現像用素材: テトラクロロフタル酸 5g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −3,5,5−トリメチルヘキサン 98g フタラジン 9.2g トリブロモメチルフェノルスルホン 12g 4−メチルフタル酸 7g ヒドラジン造核剤 5.0×10-3mol/Ag 1mol
【0066】(乳剤保護層塗布液の調製)イナートゼラ
チンに対して、下記の各組成物を添加して乳化保護層塗
布液を調製した。 イナートゼラチン 10g 界面活性剤 A 0.26g 界面活性剤 B 0.09g マット剤(平均粒径3μmのPMMA) 1g 1,2−(ビスビニルスルホンアセトアミド)エタン 0.3g 水 64g
【0067】
【化4】
【0068】(6)感材の熱現像試験 感材塗布後、前記方法に従って経時寸法変化、熱現像に
よる寸法変化を測定し、その結果を表3に示した。表
中、版のズレの測定は、次のように行った。感材にスキ
ャナーを用い一辺が60cmの正方形を連続して2版書き
込み115℃で30秒熱現像した。このうち一版を55
℃で72時間、空気恒温槽で熱処理した後、25℃60
%RHで5時間調湿した。別の一版は、25℃60%R
Hで保存し、これらの版を重ね合わせて、版のズレをル
ーペで確認した。
【0069】
【表3】
【0070】表3の結果から明らかなように、本発明−
1〜8の感光材料は、感光層塗布前の支持体の結果(表
2)と同様、熱現像による寸法変化、熱現像後の経時寸
法変化、及びそれぞれに対応する幅方向にわたって測定
したMD、TDにおける寸法変化の最大値と最小値の差
が小さく、良好な熱寸法安定性、保存性を示すことがわ
かる。
【0071】
【発明の効果】本発明のポリエステル支持体は、寸法安
定性に優れ、熱現像写真感光材料の支持体として好適で
ある。したがって、この支持体を用いた本発明の熱現像
写真感光材料は、熱現像時及び保存時に優れた寸法安定
性を示し、画像の歪みや多色重ねにおける色ズレを防止
しうるという優れた効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 1/795 G03C 1/795 // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 67:00 C08L 67:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B29C 55/00 - 55/30 G03C 1/795

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱現像に相当する加熱後の経時寸法変化
    が、長手方向幅方向とも−0.03%以上+0.05%
    以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
    ポリエステル支持体。
  2. 【請求項2】 幅方向にわたって測定した熱現像に相当
    する加熱後の経時寸法変化の最大値と最小値との差が絶
    対値で、長手方向幅方向とも0%以上0.04%以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料のポリエステル支持体。
  3. 【請求項3】 熱現像に相当する加熱による熱寸法変化
    が長手方向幅方向とも−0.04%以上+0.04%以
    下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料のポリエステル支持体。
  4. 【請求項4】 幅方向にわたって測定した、熱現像に相
    当する加熱による熱寸法変化の最大値と最小値との差が
    絶対値で、長手方向幅方向とも0%以上0.04%以下
    であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の
    ロゲン化銀写真感光材料のポリエステル支持体。
  5. 【請求項5】 該ポリエステル支持体が、長手方向に収
    縮し幅方向に伸張するように、かつ長手方向の収縮が完
    了する前に幅方向の伸張が完了しているように熱処理さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料のポリエステル支持
    体。
  6. 【請求項6】 該熱処理で処理前ポリエステルより長手
    方向に−2%以上−0.2%以下の範囲で収縮させ、か
    つ収縮が完了するまでの時間が15秒以上5分以下であ
    ることを特徴とする請求項5に記載のハロゲン化銀写真
    感光材料のポリエステル支持体。
  7. 【請求項7】 該熱処理で処理前ポリエステルより幅方
    向に0%を越え+0.4%以下の範囲で伸張させ、かつ
    伸張が完了するまでの時間が5秒以上20秒以下である
    ことを特徴とする請求項5に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料のポリエステル支持体。
  8. 【請求項8】 該熱処理が140℃以上200℃以下で
    15秒以上5分以下行われたことを特徴とする請求項
    5、6又は7に記載のハロゲン化銀写真感光材 料のポリ
    エステル支持体。
  9. 【請求項9】 該熱処理前のポリエステル支持体(原
    反)の、120℃30秒熱寸法変化量の幅方向の最大値
    と最小値との比が、長手方向幅方向とも1以上1.4以
    下であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料のポリエステル支持
    体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    ポリエステル支持体にハロゲン化銀写真感光層を塗設
    し、熱現像後の経時寸法変化が、長手方向幅方向とも−
    0.03%以上+0.07%以下であることを特徴とす
    る熱現像写真感光材料。
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