JPH11219805A - チップ型サーミスタ - Google Patents

チップ型サーミスタ

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JPH11219805A
JPH11219805A JP30214298A JP30214298A JPH11219805A JP H11219805 A JPH11219805 A JP H11219805A JP 30214298 A JP30214298 A JP 30214298A JP 30214298 A JP30214298 A JP 30214298A JP H11219805 A JPH11219805 A JP H11219805A
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JP
Japan
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thermistor
electrodes
chip
surface electrodes
electrode
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Pending
Application number
JP30214298A
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English (en)
Inventor
Hidehiro Inoue
英浩 井上
Mitsuaki Fujimoto
光章 藤本
Yuichi Takaoka
祐一 高岡
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な抵抗値を実現でき、低抵抗値及び小型
化が容易なチップ型サーミスタを得る。 【解決手段】 サーミスタ素体2の上面2a上にくし歯
状の第1,第2の表面電極3,4が形成されており、上
面及び下面を覆うように絶縁層5a,5bが、端面2
b,2cを覆うように外部電極6,7が形成されている
チップ型サーミスタ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば温度補償回
路や温度検出素子に用いられるチップ型サーミスタに関
し、より詳細には、サーミスタ素体表面に互いに対向す
るように第1,第2の表面電極を形成してなるチップ型
サーミスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、正もしくは負の抵抗温度特性を有
する半導体セラミックスを用いたチップ型サーミスタ
が、温度検出素子や温度補償回路などにおいて幅広く用
いられている。また、プリント回路基板等に容易に表面
実装し得るチップ型サーミスタとして、種々の構造のも
のが提案されている。
【0003】従来のチップ型サーミスタの構造を、図7
〜図10を参照して説明する。図7は、従来のチップ型
サーミスタの第1の例を示す断面図である。チップ型サ
ーミスタ71では、半導体セラミックスよりなるサーミ
スタ素体72の端面72a,72bをそれぞれ覆うよう
に、第1,第2の外部電極73a,73bが形成されて
いる。サーミスタ71の抵抗値は、サーミスタ素体72
の固有抵抗と、外部電極73a,73bとサーミスタ素
体72との接触面積で決定される。
【0004】外部電極73a,73bは、一般には、デ
ィッピング法により付与されるが、この方法では、外部
電極73a,73bのサーミスタ素体72の上面、下面
及び側面に至る部分の長さにばらつきが生じがちであっ
た。加えて、サーミスタ素体72自身の比抵抗もばらつ
きがちであったため、サーミスタ71では抵抗値のばら
つきが大きく、所望どおりの抵抗値を有するサーミスタ
を製造することが難しかった。
【0005】そこで、図8に示すように、サーミスタ素
体72の上面、下面及び両側面上にガラス被覆層74を
形成してなるサーミスタ75が提案されている。ここで
は、外部電極73a,73bが、サーミスタ素体72の
端面72a,72bのみに接触されており、サーミスタ
素体72の上面、下面及び両側面では、ガラス被覆層7
4により外部電極73a,73bとサーミスタ素体72
との接触が遮断されている。従って、サーミスタ75の
抵抗値は、サーミスタ素体72の固有抵抗と、端面72
a,72bの面積で決定されるため、抵抗値のばらつき
を低減することができる。
【0006】しかしながら、外部電極73a,73bを
導電ペーストの塗布及び焼付により外部電極73a,7
3bを形成した場合、ガラス被覆層74と外部電極73
a,73bとの接触部分において、ガラス被覆層を構成
する材料及び外部電極73a,73bを構成する材料が
互いに拡散しがちであった。そのため、図8に矢印Aで
示す部分を拡大して示すように、上記拡散により、ガラ
ス被覆層74の一部が欠落し、外部電極73bが直接サ
ーミスタ素体72に接触することがあった。この拡散状
態のコントロールは難しく、やはり、抵抗値が設計値か
らずれがちであるという問題があった。
【0007】加えて、サーミスタ素体72自身の抵抗値
のばらつきは依然として存在し、所望の抵抗値のサーミ
スタを高精度に得ることは困難であった。さらに、様々
な抵抗値のサーミスタ75を製造しようとすると、目的
とする抵抗値ごとに、異なる比抵抗のサーミスタ素体7
2を用意する必要があり、多様な抵抗値のサーミスタを
作製することが非常に困難であった。
【0008】他方、図9(a)及び(b)に示すよう
に、サーミスタ素体72内に第1,第2の内部電極76
a,76bを形成してなるサーミスタ77も提案されて
いる。ここでは、第1,第2の内部電極76a,76b
が、サーミスタ素体72の所定の高さ位置の平面内にお
いて、互いに対向するように配置されている。第1の内
部電極76aは外部電極73aに接続されており、第2
の内部電極76bは外部電極73bに接続されている。
【0009】サーミスタ77の製造に際しては、周知の
積層セラミック技術を用いるが、この場合、第1,第2
の内部電極76a,76bはセラミックグリーンシート
上に導電ペーストをスクリーン印刷することにより形成
される。従って、第1,第2の内部電極76a,76b
間の間隔は、スクリーン印刷に際しての両者の間隔を調
整することにより、同じサーミスタ素体72を用いた場
合であっても容易に変更することができる。よって、様
々な抵抗値のサーミスタ77を容易に得ることができ
る。
【0010】しかしながら、上記導電ペーストの印刷に
際し、実際には、図9(b)の楕円Bで示す部分を拡大
して示すように、導電ペーストの滲みにより、第1,第
2の内部電極76a,76bの端縁がひずむことがあっ
た。また、セラミックグリーンシート上に導電ペースト
を印刷し、複数枚のセラミックグリーンシートを積層し
た後に焼成するため、焼成に際しての収縮ばらつきによ
っても、第1,第2の内部電極76a,76bの形状に
ばらつきが生じがちであった。そのため、やはり、抵抗
値が設計値よりずれがちであり、設計値どおりのチップ
型サーミスタを高精度に得ることが困難であった。
【0011】また、特開平6−61011号公報には、
上記のような抵抗値ばらつきを低減し得るサーミスタと
して、図10(a)及び(b)に示すチップ型サーミス
タが開示されている。このチップ型サーミスタ78で
は、サーミスタ素体72の上面に、矩形の第1,第2の
表面電極79a,79bが所定距離を隔てて対向するよ
うに形成されている。サーミスタ素体72の上面におい
ては、第1,第2の表面電極79a,79b上に至るよ
うに、外部電極73a,73bが形成されている。ま
た、第1,第2の表面電極79a,79bの対向領域を
覆うように、かつ第1,第2の表面電極79a,79b
を覆うように、絶縁膜80が形成されている。
【0012】チップ型サーミスタ78では、第1,第2
の表面電極79a,79bを、薄膜形成法等によりサー
ミスタ素体72の上面に形成し得るため、第1,第2の
表面電極79a,79bを正確に形成することができ、
チップ型サーミスタ78の抵抗値のばらつきを一応低減
することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のチップ型サーミスタ71,75,77では、抵抗値の
ばらつきが大きくならざるを得ず、設計値どおりの抵抗
値のサーミスタを高精度に得ることができなかった。
【0014】他方、サーミスタは、通常、温度検出素子
や温度補償回路に用いられるものであるため、その抵抗
値については、より高い精度を有することが強く求めら
れている。従って、従来、製造されたサーミスタの抵抗
値のばらつきが大きいことに鑑み、大量に製造されたサ
ーミスタから、抵抗値が設計値に近接した値のものを判
別するという煩雑な作業が強いられ、生産コストが高く
つくという問題があった。
【0015】また、図10に示すサーミスタ78では、
第1,第2の表面電極79a,79bの一部もしくは全
部が絶縁膜80により被覆されている構造を有するた
め、ディッピングで形成された外部電極73a,73b
に比べて精度良く形成し得る表面電極79a,79bに
より抵抗値の大部分が決定される。従って、抵抗値のば
らつきが一応小さくなるものの、表面電極79a,79
bは、矩形の形状を有するため、より低い抵抗値のチッ
プ型サーミスタを得ようとした場合には、限界があっ
た。すなわち、抵抗値の低いチップ型サーミスタ78を
得ようとした場合、第1,第2の表面電極79a,79
bの対向距離を増大させる必要があるために、サーミス
タ素体72の寸法を大きくせざるを得ず、チップ型サー
ミスタの小型化に対応することができなかった。
【0016】本発明の目的は、抵抗値のばらつきが少な
く、低抵抗化小型化に対応可能であるチップ型サーミス
タを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るチップ型サーミスタは、サーミスタ素体と、前記サ
ーミスタ素体の一面上において互いに対向するように形
成された第1,第2の表面電極とを備え、第1,第2の
表面電極の少なくとも一方はくし歯状電極よりなり、前
記第1,第2の表面電極を被覆するようにサーミスタ素
体面に形成された絶縁層と、前記第1,第2の表面電極
にそれぞれ電気的に接続されており、かつサーミスタ素
体端部に形成された第1,第2の外部電極とをさらに備
えることを特徴とする。
【0018】請求項2に記載の発明では、前記第1,第
2の表面電極がくし歯電極状よりなり、第1,第2の表
面電極の厚みが、0.1〜2μmの範囲とされている。
好ましくは、第1,第2の表面電極の対向間隔は10〜
200μm、くし歯状電極の電極指の幅は10〜100
μmとされる。
【0019】また、請求項3に記載の発明では、前記第
1,第2の表面電極がサーミスタ素体の一方主面及び他
方主面の双方において形成されている。請求項4に記載
の発明では、前記絶縁層が、サーミスタ素体の第1,第
2の表面電極が形成されている面とサーミスタ素体端面
との成す端縁に至るように形成されている。
【0020】なお、本発明に係るチップ型サーミスタ
は、正の抵抗温度特性を有するサーミスタ素体及び負の
抵抗温度特性を有するサーミスタ素体の何れを用いるも
のであってもよく、すなわち、サーミスタはNTCサー
ミスタ及びPTCサーミスタの何れであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
非限定的な実施例を挙げることにより、本発明を明らか
にする。
【0022】(実施例1)図1(a)及び(b)は、本
発明の第1の実施例に係るチップ型サーミスタを示す側
面断面図及び平面図である。
【0023】チップ型サーミスタ1は、半導体セラミッ
クスよりなるサーミスタ素体2を用いて構成されてい
る。サーミスタ素体2の上面2a上には、図1(b)に
破線で示すように第1,第2の表面電極3,4が形成さ
れている。表面電極3,4は、くし歯形状を有し、それ
ぞれ、複数本の電極指3a,4aを有する。複数本の電
極指3a,4aは、互いに間挿されている。従って、表
面電極3,4の対向距離(表面電極3,4が対向し合っ
ている部分の長さであり、図1(b)における一点鎖線
Xに沿った長さ寸法)は、表面電極3,4の幅方向距離
(図1(b)に示された表面電極3,4の図の上下方向
距離)よりも大きくされている。表面電極3,4は、適
宜の金属、例えばNi/Cr合金、Agなどにより構成
することができ、かつこれらの二層以上の積層膜により
構成してもよい。表面電極3,4は、好ましくは、蒸
着、スパッタリング、もしくは電気メッキ等の薄膜形成
法により形成され、従って正確な形状を有するように構
成され得る。
【0024】表面電極3,4を覆うように、絶縁層5a
が形成されており、サーミスタ素体2の下面にも絶縁層
5bが形成されている。絶縁層5a,5bは、例えば、
ポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いて構成されている。
ここで、耐熱性樹脂とは、150℃の温度に耐え得る程
度、具体的には、ASTM法D648による熱変形温度
が150℃以上である耐熱性を有する樹脂をいうものと
する。
【0025】また、好ましくは、絶縁層5a,5bは、
耐熱性樹脂をスピンコートすることにより形成されてお
り、それによって絶縁層5a,5bを均一な厚みに形成
することができる。
【0026】サーミスタ素体2の端面2b,2cには、
それぞれ、第1,第2の外部電極6,7が形成されてい
る。外部電極6,7は、下地層6a,7aと、外側層6
b,7bとを積層した構造を有する。下地層6a,7a
は、表面電極3,4との接合性に優れた導電性材料によ
り構成され、その種類については、表面電極3,4の材
料によって適宜選択される。例えば、表面電極3,4を
Ni/Cr合金及びAg膜の積層構造とした場合、Ni
/Cr合金膜やAg膜等により構成される。また、外側
層6b,7bは、半田付け性に優れた材料、Sn、P
b、Sn/Pb合金などで構成することができる。
【0027】さらに、下地層6a,7aと外側層6b,
7bとの間に、下地層を保護し、かつ外側層6b,7b
との付着強度に優れた中間層を、例えばNiなどにより
形成してもよい。
【0028】上記チップ型サーミスタ1では、第1,第
2の表面電極3,4の対向距離及び対向間隔(表面電極
3,4の対向し合っている部分における表面電極3,4
間の距離、図1の矢印Yで示す長さ)により抵抗値が決
定されるが、第1,第2の表面電極がくし歯状の形状を
有するため、くし歯状電極指3a,4aの間隔及び長さ
を設定することにより、様々な抵抗値のサーミスタを容
易に得ることができる。すなわち、一種類のサーミスタ
素体を用いた場合でも、様々な抵抗値を有するチップ型
サーミスタ1を容易に提供することができる。
【0029】加えて、第1,第2の表面電極3,4がく
し歯状を有し、第1,第2の表面電極3,4の電極指3
a,4aが互いに間挿されているため、同じ寸法であれ
ば、従来のチップ型サーミスタ78に比べて低い抵抗値
を有するサーミスタを提供することができる。
【0030】さらに、上述したように、第1,第2の表
面電極3,4を薄膜形成法により形成した場合には、第
1,第2の表面電極3,4の精度が高められるため、抵
抗値のばらつきの少ないサーミスタ1を提供することが
できる。
【0031】さらに、上記絶縁層5aが、サーミスタ素
体2の上面2aにおいて、上面2aと端面2b,2cと
の成す端縁に至るように形成されているため、サーミス
タ素体2の上面2a上において外部電極6,7が第1,
第2の表面電極3,4と直接接触されない。従って、外
部電極6,7が、サーミスタ素体2の端面2b,2c上
においてのみ表面電極3または4と接続されているた
め、外部電極6,7の形成精度に起因する抵抗値のばら
つきも低減される。
【0032】上記第1,第2の表面電極3,4の膜厚を
0.1〜2μmとした場合には、第1,第2の表面電極
3,4の膜厚が薄いため、フォトリソグラフィーにより
高精度に第1,第2の表面電極3,4を形成することが
できる。すなわち、第1,第2の表面電極3,4の厚み
が2μmを超えると、フォトリソグラフィーにより高精
度に第1,第2の表面電極3,4を形成することができ
ないことがあり、0.1μm未満では、膜厚が薄くなり
すぎ、電極としての信頼性が損なわれることがある。
【0033】図2は、本発明のチップ型サーミスタの第
2の実施例を示す断面図であり、(a)は側面断面図、
(b)は表面電極の形状を模式的に示す平面図である。
チップ型サーミスタ11では、サーミスタ素体2の下面
2d上においても、第1,第2の表面電極3,4が形成
されていることを除いては、チップ型サーミスタ1と同
様に構成されている。
【0034】すなわち、チップ型サーミスタ11では、
サーミスタ素体2の上面2a上及び下面2d上の何れに
も第1,第2の表面電極3,4が形成されており、かつ
第1,第2の表面電極3,4を被覆するように絶縁層5
a,5bが形成されている。
【0035】また、第1,第2の表面電極3,4は、図
2(b)に示すように、複数本の電極指3a,4aを有
するくし歯状電極により構成されており、互いの電極指
3a,4aが間挿し合っている。
【0036】チップ型サーミスタ11においても、第
1,第2の表面電極3,4がくし歯状電極よりなるた
め、第1の実施例に係るチップ型サーミスタ1と同様の
作用効果を奏する。加えて、第1,第2の表面電極3,
4が、サーミスタ素体2の下面2d上にも形成されてい
るため、より一層低い抵抗値を有するサーミスタを構成
することができる。
【0037】また、本発明に係るチップ型サーミスタで
は、第1,第2の表面電極3,4は、何れもがくし歯状
電極で構成されている必要は必ずしもない。すなわち、
図3(a)及び(b)に側面断面図及び平面図で示すよ
うに、第1の表面電極23が矩形形状の電極よりなり、
第2の表面電極4がくし歯状電極により構成されていて
もよい。この場合においても、第2の表面電極4がくし
歯状電極よりなるため、第2の表面電極4の電極指4a
の数、幅及び長さ等を調整することにより、単一のサー
ミスタ素体2を用い、様々な抵抗値を有するチップ型サ
ーミスタ21を構成することができる。
【0038】次に、第1の実施例のチップ型サーミスタ
1についての具体的な実験例を説明する。以下の要領
で、チップ型サーミスタ1を作製した。
【0039】先ず、Mn化合物、Ni化合物及びCo化
合物をバインダーと共に混練し、スラリーを調製し、こ
れをドクターブレード法によりシート状に成形し、65
×65mmの平面形状を有するようにカットし、矩形の
グリーンシートを得た。図4(a)に示すように、複数
枚の上記グリーンシート31を積層し、圧着した後、1
300℃で1時間の条件で焼成し、図4(b)に示す、
50×50×0.5mmの寸法のサーミスタウエハー3
2を得た。
【0040】次に、ウエハー32の上面の全面に、Ni
/Cr合金及びAg膜を、スパッタリングにて各々0.
5μmの厚みとなるように、順次形成し、電極33を形
成した。
【0041】電極33は、最終的に表面電極を構成する
ものであるが、表面電極材料としては、サーミスタ素体
と電気的にオーミック接触され、機械的剥離強度が強
く、後加工し易い材料を用いることが望ましい。この電
極33の形成に際しては、スクリーン印刷などを用いる
ことも可能であるが、後で行われるフォトリソグラフィ
ー加工を考慮した場合、数μm以下の膜厚に均一に形成
することができる真空薄膜形成法が望ましい。
【0042】しかる後、電極33上に、フォトレジスト
材をスピンコートし、厚み1μmのフォトレジスト層3
4を形成した(図4(c))。次に、図4(d)に示す
ように、フォトレジスト層34上に所定形状のマスク3
5を当接し、露光し、露光後に、溶剤を用いて現像し、
フォトレジスト層34をパターニングした(図4
(e))。
【0043】しかる後、電極33の内、フォトレジスト
層34で覆われていない部分を、Ag膜及びNi/Cr
薄膜の順に酸でエッチングし、除去し、電極33をパタ
ーニングした(図5(a))。
【0044】次に、パターニングされた電極33上に残
存しているフォトレジスト層34を溶剤により剥離し、
図5(b)に示すように、パターニングされた電極膜3
3Aを得た。電極膜33Aは、複数のサーミスタ素子の
表面電極を集合した形状を有する。このとき、個々のサ
ーミスタ素子部分における一対の表面電極間の対向間隔
は100μmとした。サーミスタの抵抗精度の多くは、
この表面電極間間隔に依存する。このフォトリソグラフ
ィー加工の精度や求める抵抗値の関係から、対向間隔は
数十〜数百μm、より好ましくは、10〜200μm、
また、同じ理由により、くし歯電極の電極指の幅は10
〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0045】また、上記パターニングに際し、くし歯状
電極の電極指の数の増減により容易に任意の抵抗値を設
定することができる。次に、図5(c)に示すように、
上記ウエハー32の上面及び下面に4μmの厚みのポリ
イミド膜38a,38bをスピンコーティングにより形
成した。
【0046】しかる後、図5(d)に側面図で示すよう
に、ウエハー32を短冊状に切断した。この切断は、ウ
エハーの表面に、スクライブ法により縦方向及び横方向
に延びる延長傷を入れ、しかる後、短冊状にブレイクす
ることにより行った。このようにしてスティック型ウエ
ハー分割体32Aを得た。なお、スティック型ウエハー
分割体32Aの幅については、最終的に得られるサーミ
スタ素子1の長辺の幅と等しくした。
【0047】さらに、上記のようにして得たスティック
型ウエハー分割体32Aの両側面にそれぞれ厚み1μm
のNi/Cr合金膜及びAg積層膜を形成した。さら
に、積層膜上に、湿式電解メッキにより、Ni膜及びS
n膜を各々2μmの厚みとなるように形成した。
【0048】さらに、上記スティック状ウエハー分割体
32Aを幅方向に沿って分割し、複数のサーミスタ素子
1を得た。上記実験例において、マスク35を変更し、
第1,第2の表面電極における電極指の数、長さ、及び
幅、並びに第1,第2の表面電極間の対向間隔を下記の
表1に示すように種々異ならせ、4種類のチップ型サー
ミスタ1を得、その抵抗値及び抵抗値ばらつきを測定し
た。なお、このチップ型サーミスタ1で用いたサーミス
タ素体2の材料比抵抗は2kΩ・cm(25℃におい
て)であり、寸法は1.6×0.8×0.8mmであ
る。
【0049】比較のために、上記実験例に用いたものと
同じサーミスタ素体を用い、図7〜図10に示した従来
のチップ型サーミスタ71,75,77,78を作製
し、同様に抵抗値及び抵抗値ばらつき3CV(%)を測
定した。結果を下記の表1に示す。なお、表1における
抵抗値は、サンプル数n=100とした場合の平均値を
示し、抵抗値ばらつき3CVは、サンプル数n=100
の場合の抵抗値ばらつきを測定した結果を示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように、チップ型サーミ
スタ1では、第1,第2の表面電極の電極指の数、長
さ、及び幅並びに第1,第2の表面電極間の間隔を変更
することにより、2.5kΩから33.2kΩの様々な
抵抗値のサーミスタを得ることができることがわかる。
【0052】加えて、従来のチップ型サーミスタでは、
抵抗値のばらつきが大きいのに対し、チップ型サーミス
タ1では、抵抗値ばらつき3CVを1.6%以下と小さ
くし得ることがわかる。
【0053】さらに、チップ型サーミスタ1において
は、くし歯電極の数、長さ及び幅並びに第1,第2の表
面電極間の間隔を調整することにより、従来のチップ型
サーミスタに比べてかなり低抵抗のサーミスタを構成し
得ることもわかる。
【0054】また、チップ型サーミスタ1においては、
サーミスタ素体2の上面に形成された第1,第2の表面
電極3,4に加えて、サーミスタ素体2の下面に種々の
形状の表面電極を形成することにより、低抵抗化を図っ
てもよい。例えば、図6(a)に示すチップ型サーミス
タ41では、サーミスタ素体2の下面において、中央領
域で対向するように矩形の表面電極42,43が形成さ
れている。表面電極42,43は、サーミスタ素体2の
端面に形成された外部電極6,7にそれぞれ電気的に接
続されている。なお、表面電極42,43は、図6
(a)では、サーミスタ素体2の下面の全幅に至るよう
に形成されているが、全幅に至らない幅とされていても
よく、また表面電極42,43は必ずしも下面中央で対
向されておらずともよく、上面側の異なる電位接続され
る表面電極と部分的に重なり合う限り、適宜の形状とす
ることができる。
【0055】図6(b)に示すチップ型サーミスタ44
では、サーミスタ素体2の下面に表面浮遊電極45が形
成されている。表面浮遊電極45は、外部電極6,7に
は電気的に接続されないように形成されている。
【0056】また、図6(c)に示すチップ型サーミス
タ46では、サーミスタ素体2の下面において一方の外
部電極7にのみ電気的に接続されている表面電極47が
形成されている。
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係るチップ型サ
ーミスタでは、サーミスタ素体の一面において対向する
ように第1,第2の表面電極が形成されており、第1,
第2の表面電極の少なくとも一方がくし歯状電極よりな
る。従って、該くし歯状電極における複数本の電極指の
長さ、幅及び本数を調整することにより、並びに第1,
第2の表面電極間の対向間隔を調整することにより、同
一のサーミスタ素体を用いながら、様々な抵抗値のサー
ミスタを容易に提供することができる。
【0058】また、少なくとも一方の表面電極がくし歯
状電極よりなるため、第1,第2の表面電極間の対向し
合っている距離をその電極幅以上に長くすることがで
き、それによって従来のチップ型サーミスタに比べて低
抵抗のチップ型サーミスタを提供することができると共
に、チップ型サーミスタの小型化にも容易に対応するこ
とができる。
【0059】請求項2に記載の発明に係るチップ型サー
ミスタでは、第1,第2の表面電極の何れもがくし歯状
電極よりなるため、各表面電極における電極指の数、長
さ及び幅、並びに第1,第2の表面電極間の対向間隔を
調整することにより、より一層様々な抵抗値を有するサ
ーミスタを提供することができる。
【0060】加えて、第1,第2の表面電極の膜厚が
0.1〜2μmの範囲とされているため、蒸着、めっき
もしくはスパッタリングなどの真空薄膜形成法により第
1,第2の表面電極を形成することができ、フォトリソ
グラフィー技術を用いることにより第1,第2の表面電
極を高精度に形成することができる。従って、様々な抵
抗値を有するチップ型サーミスタにおいて、さらに抵抗
値のばらつきを効果的に低減することができる。
【0061】請求項3に記載の発明によれば、第1,第
2の表面電極が、サーミスタ素体の一方主面及び他方主
面の双方において形成されているため、より低い抵抗値
のチップ型サーミスタを提供することができる。
【0062】請求項4に記載の発明では、絶縁層が、サ
ーミスタ素体の第1,第2の表面電極が形成されている
面と、サーミスタ素体端面との成す端縁に至るように形
成されているため、第1,第2の外部電極と第1,第2
の表面電極のサーミスタ素体主面上における接触を防止
することができ、第1,第2の外部電極がサーミスタ素
体の表面においてのみ第1,第2の表面電極にそれぞれ
電気的に接続されることになるため、抵抗値のばらつき
を効果的に低減することができると共に、耐湿性などの
耐環境特性に優れたサーミスタを提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の一実
施例に係るチップ型サーミスタの側面断面図及び平面
図。
【図2】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第2
の実施例に係るチップ型サーミスタの側面断面図及び表
面電極を模式的に示す平面図。
【図3】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第3
の実施例に係るチップ型サーミスタの側面断面図及び平
面図。
【図4】(a)〜(e)は、本発明の一実施例におい
て、サーミスタウエハーを用意し、サーミスタウエハー
上に電極膜及びフォトレジスト層を形成し、フォトレジ
スト層のパターニングまでの各工程を示す側面図。
【図5】(a)〜(c)は、それぞれ、フォトリソグラ
フィーにより現像、エッチング及びレジスト除去後のウ
エハーの状態を示す各側面図であり、(d)はウエハー
をスティック型ウエハー分割体とした状態を示す側面
図。
【図6】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明のチップ
型サーミスタの下面に形成される表面電極の変形例を示
す底面図。
【図7】従来のチップ型サーミスタの第1の例を示す側
面断面図。
【図8】従来のチップ型サーミスタの第2の例を示す側
面断面図。
【図9】(a)及び(b)は、従来のチップ型サーミス
タの第3の例を示す、それぞれ、側面断面図及び平面断
面図。
【図10】(a)及び(b)は、それぞれ、従来のチッ
プ型サーミスタの第4の例を説明するための平面図及び
側面断面図。
【符号の説明】
1…チップ型サーミスタ 2…サーミスタ素体 2a…上面 3,4…第1,第2の表面電極 3a,4a…電極指 5a,5b…絶縁層 6,7…第1,第2の外部電極 11…チップ型サーミスタ 21…チップ型サーミスタ 23…第1の表面電極 31…グリーンシート 32…サーミスタウエハー 32A…スティック状ウエハー分割体 33…電極膜 33A…パターニングされた電極膜 34…フォトレジスト層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタ素体と、 前記サーミスタ素体の一面上において互いに対向するよ
    うに形成された第1,第2の表面電極とを備え、第1,
    第2の表面電極の少なくとも一方はくし歯状電極よりな
    り、 前記第1,第2の表面電極を被覆するようにサーミスタ
    素体面に形成された絶縁層と、 前記第1,第2の表面電極にそれぞれ電気的に接続され
    ており、かつサーミスタ素体端部に形成された第1,第
    2の外部電極とをさらに備えることを特徴とする、チッ
    プ型サーミスタ。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2の表面電極がくし歯状電
    極よりなり、第1,第2の表面電極の厚みが、0.1〜
    2μmの範囲とされている、請求項1に記載のチップ型
    サーミスタ。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の表面電極がサーミスタ
    素体の一方主面及び他方主面の双方において形成されて
    いる、請求項1または2に記載のチップ型サーミスタ。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層が、サーミスタ素体の第1,
    第2の表面電極が形成されている面とサーミスタ素体端
    面との成す端縁に至るように形成されている、請求項1
    〜3の何れかに記載のチップ型サーミスタ。
JP30214298A 1997-10-24 1998-10-23 チップ型サーミスタ Pending JPH11219805A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100505475B1 (ko) * 2002-11-28 2005-08-04 엘에스전선 주식회사 전극이 동일한 면에 위치한 피티씨 서미스터 및 그 제조방법
JP2007234655A (ja) * 2006-02-27 2007-09-13 Murata Mfg Co Ltd チップ型サーミスタ

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