JP4058941B2 - チップ型サーミスタおよびその製造方法 - Google Patents

チップ型サーミスタおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、チップ型サーミスタおよびその製造方法、特に、サーミスタ素体の内部あるいは表面に感光性導電ペーストからなる抵抗値用電極を有するチップ型サーミスタおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例として、図5、図6に示すチップ型サーミスタを用いて説明する。
図5に示すチップ型サーミスタ1は、サーミスタ素体2と、このサーミスタ素体2の内部に形成された内部電極3、3と、サーミスタ素体2の両端部に形成され、かつ前記内部電極3、3に電気的に接続された外部電極4、4とからなる。
【0003】
図6に示すチップ型サーミスタ11は、サーミスタ素体12と、このサーミスタ素体12の表面に形成された表面電極13、13と、この表面電極13、13を覆うようにサーミスタ素体12の表面に形成された絶縁層14と、サーミスタ素体12の両端部に形成され、かつ前記表面電極13、13に電気的に接続された外部電極15、15とからなる。外部電極15、15は、下地層15a、15aと、その上に形成されたメッキ膜15b、15bとからなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記チップ型サーミスタ1では、通常、内部電極3、3は、導電性ペーストをスクリーン印刷などで塗布することにより形成される。具体的には、セラミックグリーンシートの上に電極パターン形状に対応した孔の開いたスクリーンを設置し、このスクリーンの上に導電性ペーストを載せてスキージで押圧することにより、導電性ペーストが前記スクリーンの孔から押し出されてセラミックグリーンシートに印刷される。
【0005】
スクリーン印刷は、コストが低い。しかしながら、印刷時、導電性ペーストが滲んだり、スキージから受ける圧力によってスクリーンが歪み、孔の形状が変化して、印刷された図形の形状が歪むことがある。また、膜の均一性のためには、ある程度の膜厚が必要であり、均一な薄膜形成が難しいなど、内部電極3、3の形成精度が低い。
【0006】
したがって、抵抗率などの電気的特性が変化しやすく、チップ型サーミスタ1の抵抗値がばらつくという問題があった。
【0007】
上記チップ型サーミスタ11では、通常、表面電極13、13は、薄膜形成の後、フォトリソグラフィ法により形成される。具体的には、セラミックウエハの上にスパッタ、蒸着、めっきなどの薄膜工法で電極膜を形成し、この電極膜の上にフォトレジスト層を形成した後、所定形状のマスクを当てて露光、現像し、フォトレジスト層をパターニングする。さらに、フォトレジスト層で覆われていない電極膜をエッチングして除去し、電極パターンを形成した後、この電極パターンの上に残存しているフォトレジスト層を溶剤にて除去する。
【0008】
スパッタや蒸着で電極膜を形成する場合、セラミックウエハは、真空高温状態にさらされる。すると、セラミックウエハの材料は比較的不安定な酸化物であることから、サーミスタ素体12の電気的特性が変化しやすい。
【0009】
また、めっきで電極膜を形成する場合、セラミックウエハがめっき液により溶解することがある。すると、サーミスタ素体12と表面電極13、13との電気的接触が損なわれたり、接着強度が低くなり、その結果、サーミスタ素体12の電気的特性が変化したり、チップ型サーミスタ11の機械的強度が低下することがある。
【0010】
さらに、フォトリソグラフィ法は、微細加工が可能であり、精度よく電極パターンを形成することができるが、フォトレジスト層を形成するなど工程が複雑で、コストが高い。また、フォトレジスト層のパターン形成や、不要な電極膜やフォトレジスト層を除去する際、通常、酸性の溶剤を用いてエッチングするが、その際、セラミックウエハが酸に侵され、チップ型サーミスタ11の抵抗値がばらつくという問題があった。
【0011】
この発明の目的は、抵抗値用電極を低コスト、高精度に形成した、抵抗値のばらつきの小さいチップ型サーミスタおよびその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この第1の発明に係るチップ型サーミスタの製造方法は、Mn化合物を含むセラミックグリーンシートを積層、圧着した後、焼成して、セラミックウエハを準備する工程と、前記セラミックウエハ表面に感光性導電ペーストを塗布して電極膜を形成する工程と、前記電極膜上に所定形状のマスクを当接し、露光した後、アルカリ性の溶剤を用いて現像して、電極膜をパターニングする工程と、前記セラミックウエハを焼成し、チップ状に切断して、表面に抵抗値用電極を有するチップ状のサーミスタ素体を得る工程と、前記サーミスタ素体の両端面に、前記抵抗値用電極と電気的に接続する外部電極を形成する工程と、からなることを特徴とする。
また、第2の発明に係るチップ型サーミスタは、第1の発明に係るチップ型サーミスタの製造方法によって作製されることを特徴とする。
【0021】
これにより、導電性ペースト塗布よりも精度よく、かつ、薄膜形成してフォトリソグラフィ法を用いるよりも低コストに、チップ型サーミスタの抵抗値用電極を形成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
【0023】
【実施例1】
この発明における一つの実施の形態について、図1に示すチップ型サーミスタ21を参考に説明する。
チップ型サーミスタ21は、半導体セラミックスよりなるサーミスタ素体22と、このサーミスタ素体22の内部に形成された内部電極23、23と、サーミスタ素体22の端面に内部電極23、23と電気的に接続して形成された外部電極24、24とからなる。
【0024】
サーミスタ素体22は、Mn,Ni,Coなどの酸化物を主成分とするセラミック原料を用いて所定厚みのセラミックグリーンシートを作製し、このセラミックグリーンシートを必要枚数積層し、圧着して一体化した後、焼成し、所定サイズのチップ状に切断したものである。
【0025】
内部電極23、23は、積層されたセラミックグリーンシートのうち最外層を除く適宜のセラミックグリーンシートの表面に、金属粉と感光性樹脂を含む感光性導電ペーストを塗布した後、フォトリソグラフィ法で内部電極パターンを形成したものである。
【0026】
外部電極24、24は、サーミスタ素体22の両端部に、内部電極23、23と電気的に接続する下地層24a、24aと、その上にメッキ膜24b、24bを形成したものである。
【0027】
上記チップ型サーミスタ21の製造方法について、図2(a)〜(d)を参考に説明する。
まず、Mn化合物、Ni化合物およびCo化合物をバインダーと共に混練し、スラリーを調製し、これをドクターブレード法によりシート状に成形し、65×65mmの平面形状を有するようにカットし、セラミックグリーンシートを得る。
【0028】
次に、図2(a)に示すように、セラミックグリーンシート25の上面全面にAgと酸塩基を含む感光性樹脂を主成分とする光可溶化タイプの感光性導電ペーストを塗布し、約80℃で15〜20分程度乾燥させ、電極膜26を形成する。この電極膜26は最終的に内部電極23、23を形成するものである。
【0029】
さらに、図2(b)に示すように、電極膜26上に所定形状のマスク27を当接し、露光する。次に、炭酸ナトリウム溶液を用いて現像し、電極膜26をパターニングする。これにより、図2(c)に示すような、電極パターン26aが形成されたセラミックグリーンシート25aを得ることができる。電極パターン26aは、複数の内部電極23、23が集合した形状を有する。
【0030】
続いて、図2(d)に示すように、セラミックグリーンシート25を、電極パターン26aが形成されたセラミックグリーンシート25aを挟んで必要枚数積層し、所定厚みになるように油圧プレス機で圧着、一体化する。なお、電極パターン26aが形成されたセラミックグリーンシート25aは、求められる特性に応じて、セラミックグリーンシート25を介して必要枚数積層する。
【0031】
次に、その圧着体を、1200℃で1時間焼成した後、図2(d)に一点鎖線で示すように、1.0×0.5×0.5mmのチップ形状に切断する。
【0032】
その後、この内部電極23、23が形成されたチップ状のサーミスタ素体22の両端面に、内部電極23、23と電気的に接続するように、外部電極24、24の下地層24a、24aとして、Agペーストを焼付ける。さらに、下地層24a、24aの上に、電解メッキにより、Ni、次いでSnのメッキ膜24b、24bを形成することにより、図1に示すようなチップ型サーミスタ21を得ることができる。
【0033】
続いて、このチップ型サーミスタ21を50個作製し、電極形成精度と抵抗値のばらつきを調べる。なお、比較例として、従来例のチップ型サーミスタ1についても、同様に電極形成精度と抵抗値のばらつきを調べ、その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
チップ型サーミスタ21は、フォトリソグラフィ法により内部電極23、23を形成している。したがって、導電性ペーストをスクリーン印刷して内部電極3、3を形成した比較例のチップ型サーミスタ1と比べ、内部電極の滲みや図形の歪みが生じにくく、内部電極23、23の形成精度が高い。したがって、抵抗率などの電気的特性が変化しにくい。
【0036】
さらに、フォトリソグラフィ法について、チップ型サーミスタ21の内部電極23、23形成方法と、従来例のチップ型サーミスタ11の表面電極13、13形成方法とを比較する。
【0037】
比較例のチップ型サーミスタ11は、スパッタ、蒸着、めっきなどで薄膜形成した電極膜の上に、フォトレジスト層18を形成し、そのフォトレジスト層18を露光、現像してパターニングし、さらに不要な電極膜17およびフォトレジスト層18aを酸性の溶剤で除去することにより、表面電極13、13を形成している。
【0038】
一方、本発明のチップ型サーミスタ21は、感光性導電ペーストを用いることにより、フォトレジスト層を形成する工程、不要な電極膜およびフォトレジスト層を除去する工程が不要となる。すなわち、電極膜26に直接マスク27を当接して、露光、現像する工程だけで、内部電極23、23をパターン形成でき、比較例のチップ型サーミスタ11と比べ、工程が簡素化できる。
【0039】
また、チップ型サーミスタ21は、感光性導電ペーストを塗布して電極膜26を形成し、エアー雰囲気で焼成している。したがって、スパッタ、蒸着、めっきなどで電極膜17を形成した比較例のチップ型サーミスタ11と比べ、サーミスタ素体22が真空高温状態にさらされたり、溶解したりしにくく、サーミスタ素体22の電気的特性が変化したり、チップ型サーミスタ21の機械的強度が低下しにくい。
【0040】
さらに、チップ型サーミスタ21は、電極膜26にマスク27を当接して、露光、現像する工程において、炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ性の現像液を用いることにより、サーミスタ素体22が酸性の溶剤に触れることがなく、酸による溶解が起こらない。
【0041】
参考例1
この発明における他の参考となる実施の形態について、図3に示すチップ型サーミスタ31を参考に説明する。チップ型サーミスタ31は、半導体セラミックスよりなるサーミスタ素体32と、このサーミスタ素体32の上面に形成された表面電極33、33と、この表面電極33、33を被覆するようにサーミスタ素体32の上面全面に形成された絶縁層34と、サーミスタ素体32の端面に表面電極33、33と電気的に接続して形成された外部電極35、35とからなる。
【0042】
チップ型サーミスタ31は、抵抗値用電極として、実施例1のチップ型サーミスタ21が内部電極23、23を有しているのに対し、サーミスタ素体32の表面に表面電極33、33を有している。
【0043】
サーミスタ素体32は、Mn,Ni,Coなどの酸化物を主成分とするセラミックグリーンシートを必要枚数積層、圧着した後、焼成してセラミックウエハを作製し、所定サイズのチップ状に切断したものである。
【0044】
表面電極33、33は、セラミックウエハの表面に、金属粉と感光性樹脂を含む感光性導電ペーストを塗布した後、フォトリソグラフィ法で表面電極パターンを形成したものである。
【0045】
絶縁層34は、表面電極33、33を形成したセラミックウエハの表面に、表面電極33、33を外部環境から保護し、絶縁性を高めるために、ガラスや絶縁性樹脂などを塗布したものである。
【0046】
外部電極35、35は、サーミスタ素体32の両端部に、表面電極33、33と電気的に接続する下地層35a、35aと、その上にメッキ膜35b、35bを形成したものである。
【0047】
上記チップ型サーミスタ31の製造方法について、図2(a)〜(c)を準用し、セラミックグリーンシート25をセラミックウエハに置き換えて説明する。まず、Mn化合物、Ni化合物およびCo化合物をバインダーと共に混練し、スラリーを調製し、これをドクターブレード法によりシート状に成形し、65×65mmの平面形状を有するようにカットし、セラミックグリーンシートを得る。このセラミックグリーンシートを複数枚積層し、圧着した後、1300℃で1時間焼成し、50×50×0.5mmの寸法のサーミスタウエハを得る。
【0048】
次に、図2(a)に示すように、セラミックウエハの上面全面にAgと酸塩基を含む感光性樹脂を主成分とする光可溶化タイプの感光性導電ペーストを塗布し、約80℃で15〜20分程度乾燥させ、電極膜26を形成する。この電極膜26は最終的に表面電極33、33を形成するものである。
【0049】
さらに、図2(b)に示すように、電極膜26上に所定形状のマスクを当接し、露光する。次に、炭酸ナトリウム溶液を用いて現像し、電極膜26をパターニングする。これにより、図2(c)に示すような、電極パターン26aを有するセラミックウエハを得ることができる。電極パターン26aは、複数の表面電極33、33が集合した形状を有する。
【0050】
さらに、セラミックウエハの上面に、絶縁層34として耐熱性のポリイミド膜をスピンコーティングにより均一な厚みに形成し、400℃で熱処理して硬化させるとともに、電極パターン26aを焼成する。
【0051】
その後、上面に絶縁層34を形成したセラミックウエハを1.0×0.5×0.5mmのチップ形状に切断し、さらに、この表面電極33、33が形成されたチップ状のサーミスタ素体32の両端面に、表面電極33、33と電気的に接続するように、外部電極35、35の下地層35a、35aとして、Agペーストを焼付ける。さらに、下地層35a、35aの上に、電解メッキにより、外側層35b、35bとして、Ni、次いでSnのメッキ膜を形成することにより、図3に示すようなチップ型サーミスタ31を得ることができる。
【0052】
続いて、このチップ型サーミスタ31を50個作製し、電極形成精度と抵抗値のばらつきを調べ、その結果を表1に示す。
【0053】
表1に明らかなように、本発明のチップ型サーミスタ31も、実施例1のチップ型サーミスタ21と同様、従来例のチップ型サーミスタ1と比較して、電極形成精度および抵抗値精度が向上している。
【0054】
すなわち、チップ型サーミスタ31は、実施例1のチップ型サーミスタ21と同様、フォトリソグラフィ法により表面電極33、33を形成しているため、比較例のチップ型サーミスタ1よりも、表面電極の滲みや図形の歪みが生じにくい。また、焼成温度も、比較例のチップ型サーミスタ1と比べて低く、抵抗率や抵抗温度特性などの電気的特性が変化しにくい。
【0055】
また、チップ型サーミスタ31は、実施例1のチップ型サーミスタ21と同様、感光性導電ペーストを用いているため、フォトリソグラフィ法について、フォトレジスト層を形成する工程が不要である。また、不要な電極膜およびフォトレジスト層を除去する工程も不要となり、工程が簡素化できる。
【0056】
さらに、チップ型サーミスタ31は、実施例1のチップ型サーミスタ21と同様、感光性導電ペーストを塗布して電極膜26を形成しているため、スパッタや蒸着のように、サーミスタ素体32が真空高温状態にさらされたり、めっきのように、サーミスタ素体32が溶解したりしにくく、電気的特性や機械的強度が低下しにくい。
【0057】
さらにまた、チップ型サーミスタ31は、実施例1のチップ型サーミスタ21と同様、炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ性の現像液を用いることにより、サーミスタ素体32が酸性の溶剤に触れることがなく、酸による溶解が起こらない。
【0058】
参考例2
この発明におけるその他の実施の形態として、実施例1のチップ型サーミスタ21の他の製造方法について、図4(a)〜(e)、図2(d)の工程を参考に説明する。ただし、実施例1と同一のものについては同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0059】
まず、ポリエチレンテレフタート(PET)フィルムを準備し、65×65mmの平面形状にカットする。セラミックグリーンシート25も準備しておく。
【0060】
次に、図4(a)に示すように、PETフィルム28の上面全面にAgと酸塩基を含む感光性樹脂を主成分とする光可溶化タイプの感光性導電ペーストを塗布し、約80℃で15〜20分程度乾燥させ、電極膜26を形成する。
【0061】
さらに、図4(b)に示すように、電極膜26上に所定形状のマスクを当接し、露光する。次に、炭酸ナトリウム溶液を用いて現像し、電極膜26をパターニングする。これにより、図4(c)に示すように、電極パターン26aを有するPETフィルム28aを得る。
【0062】
続いて、図4(d)に示すように、セラミックグリーンシート25を、PETフィルム28aの電極パターン26aを有する面に当接、加圧し、電極パターン26aをPETフィルム28aからセラミックグリーンシート25に転写する。これにより、図4(e)に示すような、電極パターン26aを形成したセラミックグリーンシート25aを得ることができる。
【0063】
そして、図2(d)に示すように、セラミックグリーンシート25を、内部電極23、23が形成されたセラミックグリーンシート25aを挟んで必要枚数積層し、所定厚みになるように油圧プレス機で圧着、一体化する。次に、その圧着体を焼成し、図2(d)に一点鎖線で示すように、所定のチップ形状に切断する。
【0064】
その後、このチップ形状のサーミスタ素子の両端面に、内部電極23、23と電気的に接続するように、外部電極24、24の下地層24a、24aとして、Agペーストを焼付ける。さらに、下地層24a、24aの上に、湿式電解メッキにより、外側層24b、24bとして、Ni、次いでSn−Pbのメッキ膜を形成することにより、図1に示すようなチップ型サーミスタ21を得ることができる。
【0065】
この製造方法により、チップ型サーミスタ21を50個作製し、電極形成精度と抵抗値のばらつきを調べた。その結果を表1に示す。
【0066】
表1に明らかなように、PETフイルム28に内部電極23、23を形成してからセラミックグリーンシート25に転写した本発明のチップ型サーミスタ21は、直接セラミックグリーンシート25に内部電極23、23を形成した実施例1のチップ型サーミスタ21と比較して、電極形成精度および抵抗値精度がさらに向上している。
【0067】
これは、上記参考例2のチップ型サーミスタ21の製造方法によれば、セラミックグリーンシート25が直接現像液に浸されることがないからである。
【0068】
このPETフイルム28に電極パターン26aを形成してからセラミックグリーンシート25に転写する参考例2の製造方法は、実施例2の抵抗値用電極が表面電極33、33であるチップ型サーミスタ31に適用してもよい。
【0069】
なお、上記各実施例では、抵抗値用電極用の感光性導電ペーストとして、Ag粉に酸塩基を含む感光性樹脂を主成分とする光可溶化タイプの感光性導電ペーストを用いたが、Ag粉の他、Cu,Au,Pt,Pd,Ni,Crなど、サーミスタ素体22、32と電気的接触が良好な金属であればよく、これらを組み合わせた合金もしくは混合粉末であってもよい。また、光不溶化タイプの感光性導電ペーストであってもよい。
【0070】
さらに、感光性導電ペーストの塗布、乾燥、現像、焼成を複数回繰り返し、複層構造の電極膜を形成してもよい。このとき、セラミックグリーンシート25あるいはセラミックウエハと直接接する第1層がサーミスタ素体22、32と電気的接触が良好な金属であれば、第2層以降の金属種は問わないが、最外層は、酸化されにくく、半田付けしやすく、低抵抗の金属が望ましい。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明であるチップ型サーミスタは、感光性導電ペーストを用いて電極膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により電極形成することにより、スクリーン印刷などの導電性ペースト塗布よりも精度良く電極パターンを形成できる。また、スパッタ、蒸着、メッキなどの薄膜形成後にフォトリソグラフィ法を用いるよりも、工程を簡素化できる。したがって、電極を低コスト、高精度に形成し、抵抗値のばらつきの小さいサーミスタを得ることができる。
【0073】
さらに、感光性導電ペーストをPETフィルムに塗布して、電極パターンをPETフィルムに形成してから、この電極パターンをセラミックグリーンシートに転写する方法を用いれば、セラミックグリーンシートがエッチング液だけでなく現像液にも浸ることがなく、より信頼性の高いサーミスタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る一つの実施の形態のチップ型サーミスタを示す断面図である。
【図2】 図1のチップ型サーミスタの一つの製造方法を示しており、(a)は電極膜を形成したセラミックグリーンシート、(b)はマスクを当接しようとするセラミックグリーンシート、(c)は、電極膜をパターニングしたセラミックグリーンシートを示す正面図であり、(d)はセラミックグリーンシートの積層状態を示す斜視図である。
【図3】 この発明の参考となるチップ型サーミスタを示す断面図である。
【図4】 この発明の参考となるチップ型サーミスタの他の抵抗値用電極の形成工程を示しており、(a)は電極膜を形成したPETフィルム、(b)はマスクを当接しようとするPETフィルム、(c)は電極膜をパターニングしたPETフィルム、(d)は、フォトレジスト層をパターニングしたセラミックグリーンシート、(e)はセラミックグリーンシートを当接しようとするPETフィルム、(f)は電極膜を転写したセラミックグリーンシートを示す正面図である。
【図5】 従来例の一つのチップ型サーミスタを示す断面図である。
【図6】 従来例の他のチップ型サーミスタを示す断面図である。
【符号の説明】
21、31 チップ型サーミスタ
22、32 サーミスタ素体
23、33 表面電極
24、35 外部電極
25 セラミックグリーンシート
25a 電極パターンを形成したセラミックグリーンシート
26 電極膜
26a 電極パターン
27 マスク
28 PETフィルム
34 絶縁層

Claims (2)

  1. Mn 化合物を含むセラミックグリーンシートを準備する工程と、
    前記セラミックグリーンシート表面に感光性導電ペーストを塗布して電極膜を形成する工程と、
    前記電極膜上に所定形状のマスクを当接し、露光した後、アルカリ性の溶剤を用いて現像して、電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを準備する工程と、
    セラミックグリーンシートを、前記電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを挟んで、積層、圧着する工程と、
    この圧着体を焼成し、チップ状に切断して、内部に抵抗値用電極を有するチップ状のサーミスタ素体を得る工程と、
    前記サーミスタ素体の両端面に、前記抵抗値用電極と電気的に接続する外部電極を形成する工程と、からなることを特徴とするチップ型サーミスタの製造方法
  2. 請求項1に記載のチップ型サーミスタの製造方法によって作製されることを特徴とするチップ型サーミスタ。
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