JPH08279438A - セラミック積層電子部品の製造方法 - Google Patents

セラミック積層電子部品の製造方法

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JPH08279438A
JPH08279438A JP7079120A JP7912095A JPH08279438A JP H08279438 A JPH08279438 A JP H08279438A JP 7079120 A JP7079120 A JP 7079120A JP 7912095 A JP7912095 A JP 7912095A JP H08279438 A JPH08279438 A JP H08279438A
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film
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紀之 久保寺
Yoshiaki Kono
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 内部電極重なり部分と内部電極が重なり合っ
ていない部分との段差を解消し、デラミネーションの発
生を効果的に防止することができ、かつ比較的簡単な方
法により特性の安定なセラミック積層電子部品を得る方
法を提供する。 【構成】 PETフィルム11上に第1の金属膜12を
形成し、第1の金属膜12上に部分的に、第1の金属膜
12よりも厚みの大きな第2の金属膜14を形成して多
層金属膜を得、その上にセラミックグリーンシート16
を成形して得た金属膜一体化グリーンシート17を積層
して、多層金属膜を内部に含有するセラミック積層体1
8を形成し、セラミック積層体中の第2の金属膜14の
下方に位置しない第1の金属膜部分を、構成金属成分が
セラミックス中に拡散するように絶縁物化するととも
に、セラミックスを焼成するセラミック積層電子部品の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜形成法により形成
された内部電極を有するセラミック積層電子部品の製造
方法に関し、特に、内部電極の形成から焼成に至るまで
の工程が改良されたセラミック積層電子部品の製造方法
に関する。本発明は、例えば、積層コンデンサ、積層圧
電部品、セラミック多層基板などの種々のセラミック積
層電子部品の製造方法に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】例えば、積層コンデンサなどのような内
部電極を有するセラミック積層電子部品の製造に際して
は、金属−セラミックス一体焼成技術が用いられてい
る。すなわち、セラミックグリーンシート上に導電ペー
ストをパターン印刷し、内部電極を形成する。次に、内
部電極が形成されたセラミックグリーンシートを複数枚
積層し、上下に内部電極の印刷されていないセラミック
グリーンシートを適宜の枚数積層し、セラミック積層体
を得る。あるいは、セラミックスペーストと導電ペース
トとを順次所定の形状に印刷し、セラミック積層体を得
る。しかる後、上記のようにして得られたセラミック積
層体を厚み方向に加圧し、セラミック層同士を密着させ
る。しかる後、セラミック積層体を焼成し、焼結体を得
る。得られた焼結体の外表面に、適宜の外部電極を形成
し、セラミック積層電子部品を得る。
【0003】近年、電子部品においては一層の小型化が
求められており、セラミック積層電子部品においても小
型化及び薄型化が強く求められている。セラミック積層
電子部品の小型化及び薄型化を進める場合、内部電極間
に挟まれているセラミック層の厚みを薄くすることが必
要となり、従って、より薄いセラミックグリーンシート
を用いてセラミック積層体を作製しなければならない。
【0004】しかしながら、セラミックグリーンシート
の厚みを薄くするにも限度があり、薄くなり過ぎた場合
にはセラミックグリーンシートを単体で扱うことができ
なくなる。加えて、セラミック積層体を得た段階で、内
部電極が重なり合っている部分では、内部電極が存在し
ない部分に比べて厚みが大きくなり、両者の間で段差が
生じがちであった。特に、焼結に先立って厚み方向にセ
ラミック積層体を加圧した段階で、上記段差が生じてい
るため、内部電極の重なり合っている部分においてのみ
上下の層が加圧され、他の領域では十分に加圧されない
ことがあった。その結果、焼結体においてデラミネーシ
ョンと称されている層間剥離現象が生じがちであった。
さらに、セラミックグリーンシート中の溶剤により、内
部電極が膨潤し、所望の形状の内部電極を正確に形成す
ることができないこともあった。
【0005】従って、セラミックグリーンシートの厚み
を6μm程度以下とすることは非常に困難であった。上
記のような問題は、セラミックスペーストと導電ペース
トを交互に印刷しセラミック積層体を得る方法でも同様
であった。
【0006】そこで、上記のような問題を解決するため
に、薄膜形成法により形成された金属膜を内部電極とし
て用いる方法、例えば下記の第1,第2の方法が提案さ
れている。
【0007】第1の方法では、例えば、図1に示すよう
に、支持体1上にスパッタリングなどの薄膜形成法によ
り金属膜を全面に形成する。次に、上記金属膜上に電極
形状に応じた開口を有するレジスト層を形成し、フォト
リソグラフィーにより金属膜をパターン化する。このよ
うにして、図1に示されている金属膜2を形成する。し
かる後、金属膜2上において、セラミックグリーンシー
ト3を形成する。上記金属膜2及びセラミックグリーン
シート3の形成工程を繰り返すことにより、積層体4を
得る。
【0008】第2の方法では、特開昭64−42809
号公報に開示されているように、合成樹脂からなる第1
のフィルム上にセラミックグリーンシートを形成し、他
方、第2の支持フィルム上に薄膜形成法により金属膜を
形成する。しかる後、第2の支持フィルムに支持された
金属膜を第1の支持フィルム上にセラミックグリーンシ
ート上に転写し、金属膜一体化グリーンシートを得る。
上記のようにして得た金属膜一体化グリーンシートを複
数枚積層することにより、セラミック積層体を得る。
【0009】上述した薄膜形成法により形成された金属
膜を内部電極として用いる第1〜第2の方法では、導電
ペーストを用いた内部電極形成方法に比べて、内部電極
の厚みを薄くすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1,第2の方法のいずれにおいても、内部電極の厚
みはある程度薄くし得るものの、より一層セラミック積
層電子部品の薄型化を進めた場合には、積層数が増大
し、内部電極間で挟まれているセラミック層の厚みに対
して内部電極の厚みが大きくなってくる。そのため、第
1の方法では、図2に示すように、得られた積層体5に
おいて、セラミックグリーンシートのみが積層されてい
る部分6と内部電極8が重なり合っている部分7とで、
やはり厚みの差が生じてくる。従って、得られた積層体
を厚み方向に加圧した場合、内部電極8が重なり合って
いる部分にのみ圧力が加わりがちとなり、内部電極が重
なり合っていない領域におけるセラミック層同士の密着
性が損なわれる。よって、最終的に得られた焼結体にお
いて、デラミネーションが生じ易くなるという問題があ
った。
【0011】また、上記第1の方法では、金属膜を支持
体上に形成した後に、レジスト層によるパターン形成及
びエッチング、レジスト層の除去等の複雑な処理を必要
とし、従って工程が煩雑となるという問題もあった。
【0012】また、転写法を用いた第2の方法において
も、やはり、薄型化の進行に伴い、内部電極が重なり合
っている部分の厚みが、内部電極の重なり合っていない
領域の厚みに比べて厚くなる。従って、同様に、得られ
た積層体において、デラミネーションが生じがちである
という問題があった。加えて、セラミックグリーンシー
トの厚みを薄くした場合には、やはり、金属膜一体化グ
リーンシートの厚みが薄くなり、取扱いが困難となる。
さらに、セラミックグリーンシート上に金属膜を転写し
て金属膜一体化グリーンシートを形成しているため、金
属膜のパターン精度が十分でないことがあった。
【0013】のみならず、金属膜とセラミックグリーン
シートとを一体化するに際し、金属膜が存在しない部分
では、セラミックグリーンシートが第2の支持フィルム
に接触されることになる。従って、一体化後に第2の支
持フィルムを金属膜一体化グリーンシートから剥離する
必要があるので、金属膜及びセラミックグリーンシート
の双方に対しての第2の支持フィルムの剥離性が良好な
ことが要求される。しかしながら、そのような要求を満
たすことは難しく、従って、第2の支持フィルムの剥離
に際しセラミックグリーンシートが破損しがちであっ
た。
【0014】本発明の目的は、内部電極が形成されてい
る領域と形成されていない領域との間のセラミック積層
体段階における厚みの差を低減し、従ってデラミネーシ
ョン等の発生を効果的に抑制することができるセラミッ
ク積層電子部品の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄膜形成法に
より内部電極を形成する工程を含むセラミック積層電子
部品の製造方法であり、以下の工程を備えることを特徴
とする。
【0016】すなわち、本発明は、支持体上に第1の金
属膜を薄膜形成法により形成する工程と、前記第1の金
属膜上に、部分的に、前記第1の金属膜よりも厚みの大
きな第2の金属膜を薄膜形成法により形成して多層金属
膜を形成する工程と、前記多層金属膜を内部に含むセラ
ミック積層体を形成する工程と、前記セラミック積層体
中の第2の金属膜の下方に位置していない第1の金属膜
部分を、構成金属成分がセラミックス中に拡散するよう
にして絶縁物化するとともに、前記セラミックスを焼成
する工程とを備えることを特徴とする、セラミック積層
電子部品の製造方法である。
【0017】本発明のある特定的な局面では、上記第1
の金属膜の厚みは100nm以下、第2の金属膜の厚み
は300nm以上、1000nm以下とされる。これ
は、第1の金属膜は、セラミックスの焼成に際し、上記
のように第2の金属膜の下方に位置しない第1の金属膜
部分が絶縁物化されるように構成される必要があるから
である。すなわち、第1の金属膜の厚みを100nm以
下とすることにより、第1の金属膜を構成している金属
成分を加熱によりセラミックス中に酸化物イオンの形態
で容易に拡散することができる。また、第2の金属膜の
厚みを300nm以上とするのは、上記第1の金属膜部
分の絶縁物化に際し、第2の金属膜の酸化を防止するた
めにある。すなわち、第2の金属膜は、あくまでも内部
電極として機能する部分であるため、酸化されてはなら
ず、従って上記のように好ましくは、300nm以上の
厚みに形成される。なお、第2の金属膜の厚みの上限は
特に限定されるものではないが、セラミック積層電子部
品の内部電極として用いるため及び本発明の目的である
段差を低減するためには、通常、1000nm以下とさ
れる。
【0018】また、本発明の別の特定的な局面では、上
記第1の金属膜部分の絶縁物化及びセラミックスの焼成
は、第1の金属膜が酸化し、第2の金属膜が酸化しない
酸素分圧下でセラミック積層体を焼成することにより行
われる。すなわち、酸素分圧を上記のように制御するこ
とにより、セラミックスの焼成に際し、第1の金属膜を
酸化させ、第2の金属膜の下方に位置していない第1の
金属膜部分を絶縁物化し、他方第2の金属膜の酸化を防
止することができる。この場合の酸素分圧の値は、第
1,第2の金属膜を構成するための材料、第1,第2の
金属膜の厚み、焼成に際しての温度及び時間等によって
異なるため、一義的には定め得ない。
【0019】なお、本発明において、上記多層金属膜を
形成する工程は、適宜のフォトリソグラフィ技術を用い
て実施し得るが、例えば、第1の金属膜上にパターン孔
が設けられたレジスト層を形成する段階と、次に、レジ
スト層のパターン孔内に第2の金属膜を薄膜形成法によ
り形成する段階と、上記レジスト層を除去する段階とを
実施することにより行い得る。
【0020】また、上記多層金属膜を内部に有するセラ
ミック積層体を得る工程についても、従来から公知の転
写法などを用いて実施することができる。本発明のある
特定の局面によれば、上記セラミック積層体を形成する
工程は、多層金属膜上にセラミックグリーンシートを適
宜の方法で成形し、金属膜一体化グリーンシートを得る
段階と、上記金属膜一体化グリーンシートを積層する段
階とを実施することにより行われる。また、本発明の別
の特定の局面によれば、上記セラミック積層体を形成す
る工程は、第2の支持体上にセラミックグリーンシート
を形成する段階と、セラミックグリーンシート上に上記
支持体に支持されている多層金属膜を転写し、金属膜一
体化グリーンシートを得る段階と、複数の金属膜一体化
グリーンシートを順次転写することにより積層し、セラ
ミック積層体を得る段階とを備える転写法により行われ
る。この転写法の場合、好ましくは、ロール状プレスを
用いて多層金属膜がセラミックグリーンシート上に転写
され得る。
【0021】
【発明の作用及び効果】本発明のセラミック積層電子部
品の製造方法では、第1の金属膜が全面に形成され、該
第1の金属膜を設けたことにより、内部電極が重なり合
う領域(第2の金属膜が重なり合う領域)と、内部電極
が重なり合わない領域との段差を小さくすることができ
る。従って、得られた焼結体におけるデラミネーション
の発生を効果的に低減することができる。
【0022】しかも、第1層目の金属膜は、セラミック
スの焼成工程において絶縁物化される。従って、段差を
低減するために形成されている第1の金属膜は、最終的
には導体として機能しない。よって、第1の金属膜を形
成したとしても、短絡不良などは生じない。加えて、第
1の金属膜を後工程においてエッチング等により部分的
に除去する必要がないため、多層金属膜を得るのに余分
な工程を必要としない。
【0023】さらに、第1の金属膜は、セラミックス中
に酸化物イオンの形態で拡散されるが、この第1の金属
膜の組成を制御することにより、セラミックスの組成を
制御することも可能となる。よって、所望の特性を発揮
し得るセラミック積層電子部品を提供することが可能と
なる。
【0024】さらに、多層金属膜は支持体に支持されて
いるが、この状態では、支持体に対して第1の金属膜の
みが接触されている。よって、支持体に対する多層金属
膜の離型性を考慮する場合、第1の金属膜に対する離型
性のみを考慮して支持体を選択すればよいため、支持体
の離型性の設計を容易に行うことができる。従って、例
えば第2の支持体上に形成されたセラミックグリーンシ
ート上に、多層金属膜を転写する場合には、支持体から
多層金属膜を円滑に剥離することができる。加えて、第
2の支持体はセラミックグリーンシートとのみ接触され
ているため、第2の支持体の離型性についても、セラミ
ックグリーンシートに対する離型性のみを考慮すればよ
いため、第2の支持体の離型性の設計も容易となる。
【0025】本発明は、積層コンデンサ、積層セラミッ
ク圧電部品、セラミック多層基板などの種々の内部電極
含有セラミック積層電子部品の製造方法に適用すること
ができる。
【0026】
【実施例の説明】以下、本発明の非限定的な実施例を説
明することにより、本発明を明らかにする。
【0027】なお、以下の実施例は、積層コンデンサの
製造に適用した例であるが、未焼成のセラミック積層体
を得る段階までは、マザーの多層金属膜及びマザーのセ
ラミックグリーンシートを用いて行われている。
【0028】実施例1 図3(a)に示すように、第1の支持体としてのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルム11を用意し
た。PETフィルム11の上面には、シリコン樹脂(図
示せず)がコーティングされている。上記PETフィル
ム11上に、第1の金属膜12を形成する。ここでは、
第1の金属膜12は、蒸着法により厚み70nmのAg
膜を全面に形成することにより構成されている。
【0029】次に、第1の金属膜12上に、1μmの厚
みのレジスト層を塗布し、露光及び現像処理を行うこと
により、図3(b)に示すように、パターニングされた
レジスト層13を形成する。
【0030】次に、レジスト層13のパターン孔13a
内に、第2の金属膜14を薄膜形成法により形成する。
本実施例では、第2の金属膜14は、0.5μmの厚み
となるようにPdを電気メッキすることにより形成され
ている。
【0031】次に、レジスト層13をレジスト剥離液な
どにより除去する。このようにして、図4に示す多層金
属膜15が得られる。多層金属膜15では、第1の金属
膜12上に部分的に第2の金属膜14が形成されてい
る。従って、多層金属膜15は、第1の金属膜12の下
面においてのみ、PETフィルム11と接触されてい
る。よって、PETフィルム11の離型性は、第1の金
属膜12のみを考慮して設定すればよいため、PETフ
ィルム11の上面における離型性の設計が容易であるこ
とがわかる。
【0032】なお、上記第2の金属膜14が、最終的に
内部電極として用いられる部分に相当し、第1の金属膜
12は後述の処理により絶縁物化される。次に、上記P
ETフィルム11上において、多層金属膜15上にセラ
ミックグリーンシートを形成する。本実施例では、セラ
ミックスラリーを、マイクログラビア法により厚み8μ
mとなるようにシート成形することにより、セラミック
グリーンシート16が成形されている(図5参照)。
【0033】図5に示すように、上記セラミックグリー
ンシート16の形成により、金属膜一体化グリーンシー
ト17がPETフィルム11に支持された状態で用意さ
れる。
【0034】次に、上記金属膜一体化グリーンシート1
7を順次積層することにより、図6に示す積層体18が
得られる。なお、図6においては、積層体18の下方の
幾つかの層のみが図示されているが、実際には、上方
に、さらに複数の金属膜一体化グリーンシートが積層さ
れている。また、19は積層に際しての支持フィルムを
示す。
【0035】上記のようにして得たマザーのセラミック
積層体18を、個々の積層コンデンサ単位の未焼成のセ
ラミック積層体となるように厚み方向に切断し、個々の
積層コンデンサ用セラミック積層体を得る。
【0036】次に、得られたセラミック積層体を大気中
において、1200℃の温度で4時間維持することによ
り焼成する。この焼成において、未焼成のセラミックス
が焼成されるだけでなく、第1の金属膜12が絶縁物化
される。すなわち、第1の金属膜12を構成している金
属成分が酸化物イオンとなって周囲のセラミックス中に
拡散し絶縁物化する。従って、得られた焼結体の横断面
を図7で示すように、得られた焼結体20においては、
第2の金属膜14からなる内部電極のみが焼結体20中
において残存している。なお、図7においても、幾つか
の第2の金属膜14のみを示しているが、実際には、上
方に、多数の第2の金属膜が内部電極としてセラミック
層を介して重なり合っている。
【0037】上記のようにして得た焼結体20の両端面
に一対の外部電極を形成することにより、図8に示す積
層コンデンサ21を得る。積層コンデンサ21において
は、焼結体20内において第2の金属膜14からなる複
数の内部電極がセラミック層を介して重なり合ってい
る。なお、22a,22bは外部電極を示し、外部電極
22a,22bは、導電ペーストの塗布・焼き付けある
いはメッキなどの適宜の方法により形成することができ
る。
【0038】上記のようにして得た積層コンデンサにつ
いて、内部電極が重なり合っている部分と、重ねられて
いない部分との段差を調べたところ、第1の金属膜の厚
み×第1の金属膜の積層枚数の分だけ段差が小さくされ
得ることが確かめられた。
【0039】また、上記積層コンデンサを20個用意
し、図8に示す断面が露出するように切断し、デラミネ
ーションの有無を観察したところ、デラミネーションは
認められなかった。同様に、図8に示されている断面と
直交する断面が露出するように20個の積層コンデンサ
を切断し、断面を観察したところ、やはりデラミネーシ
ョンは認められなかった。
【0040】比較のために、従来法、すなわち従来技術
の説明の項で記載した第1の方法に従って得た相当の積
層コンデンサについて、デラミネーションの有無を観察
したところ、図8に示す断面と同方向の断面を観察した
場合、20個の積層コンデンサ中、5個の積層コンデン
サにおいてデラミネーションが認められた。
【0041】また、第1の金属膜の融点が約960℃で
あり、上記焼成温度1200℃に対して十分低いため、
第1の金属膜は確実に絶縁物化されており、従って実施
例の積層コンデンサでは、短絡不良は発生していなかっ
た。
【0042】実施例2 実施例1と同様にして積層コンデンサを作製した。但
し、第1の金属膜をCuにより、第2の金属膜をNiに
より構成した。また、セラミックスラリーについては、
BaTiO3 系セラミックスにCuを含有させていない
ものを用いた。焼成工程の初期、すなわち焼成最高温度
に維持した期間の1/2の期間、酸素分圧を、Niメッ
キ膜は酸化されず、Cu蒸着膜は酸化するような値と
し、焼成を行った。具体的には、酸素分圧は、焼成工程
初期において10-4Paとした。また、上記10-4Pa
の酸素分圧で焼成工程初期を実施した後は、還元雰囲気
中において焼成を行った。その他については、実施例1
と同様にして、積層コンデンサを作製した。
【0043】実施例2において得られた積層コンデンサ
の焼結体を分析した結果、セラミックス中にCuが均一
に存在していることが確かめられた。すなわち、第1の
金属膜を構成しているCuがセラミックス中に拡散され
ていることが確かめられた。
【0044】さらに、得られた積層コンデンサの電気的
特性を測定したところ、BaTiO 3 系セラミックスに
Cu粉末を添加した場合と同様の結果が得られた。ま
た、実施例1と同様に、積層コンデンサの断面を観察し
たところ、デラミネーションの発生は見られなかった。
【0045】なお、実施例2では、第1の金属膜を構成
しているCuを拡散させるのに、上記のように焼成初期
の酸素分圧を制御したが、第1の金属膜に酸化拡散剤を
含有させておいたり、あるいは拡散促進剤を含有させて
おくことにより、第1の金属膜を構成している金属成分
をセラミックス中に拡散させてもよい。
【0046】実施例3 図9に示すように、第2の支持体としてのPETフィル
ム31を用意する。PETフィルム31の上面はシリコ
ン樹脂(図示されず)でコーティングされている。
【0047】PETフィルム31上に、セラミックスラ
リーをドクターブレード法により成形し、乾燥すること
により、厚さ8μmのセラミックグリーンシート32を
形成する。
【0048】他方、第1の支持体として、図10に示す
PETフィルム33を用意する。PETフィルム33の
上面には、シリコン樹脂(図示されず)がコーティング
されている。
【0049】PETフィルム33上に、実施例1と同様
にして、第1の金属膜34及び第2の金属膜35を形成
する。本実施例では、第1の金属膜34はAgよりな
り、第2の金属膜35はPdよりなる。このようにし
て、多層金属膜36が形成される。
【0050】次に、図11に示すように、カレンダーロ
ール37を用いて、上記多層金属膜36をセラミックグ
リーンシート32上に転写する。次に、PETフィルム
31を剥離することにより図12に示す金属膜一体化グ
リーンシート38を得る。
【0051】さらに、上記のようにして得られた金属膜
一体化グリーンシート38を積層することにより積層体
が得られる。すなわち、金属膜一体化グリーンシート3
8を転写法により転写しつつ、PETフィルム33を剥
離して積層していくことにより、実施例1で得られたの
と同様のセラミック積層体を得ることができる。
【0052】上記のようにして得られたセラミック積層
体を用い、実施例1と同様にして、積層コンデンサを作
製した。得られた実施例3の積層コンデンサにつき、実
施例1と同様にデラミネーションの有無を観察したとこ
ろ、デラミネーションの発生は認められなかった。
【0053】また、従来の転写法を用いた積層コンデン
サの製造方法では、支持フィルムに対し、セラミックス
及び金属膜の2種類が接触していたため、支持フィルム
の離型性を考慮するとき、セラミックスに対する離型性
と金属に対する離型性の双方を考慮しなければならなか
った。これに対して、実施例3では、PETフィルム3
3は第1の金属膜34にのみ接触されているため、PE
Tフィルム33の離型性は、第1の金属膜34に対する
離型性のみを考慮して設計することができる。
【0054】また、実施例1〜3では、第1の金属膜1
2,34が、焼成工程において部分的に拡散し、絶縁物
化される。従って、第2の金属膜の下方に位置しない第
1の金属膜部分をエッチング等により除去する煩雑な工
程を実施する必要のないことがわかる。
【0055】なお、上記実施例1〜3では、第1の金属
膜をAgまたはCuにより、第2の金属膜をPdまたは
Niで構成したが、本発明の効果を発揮し得る限り、他
の金属材料を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の積層コンデンサの製造方法を説明するた
めの断面図。
【図2】従来の積層コンデンサの製造方法における問題
点を説明するための焼結体の断面図。
【図3】(a),(b)は、それぞれ、実施例において
第1の金属膜を形成した状態及びレジストのパターン孔
内に第2の金属膜を形成した状態を示す各断面図。
【図4】実施例において多層金属膜を支持体上に形成し
た状態を示す断面図。
【図5】多層金属膜上にセラミックグリーンシートを成
形して金属膜一体化グリーンシートを形成した状態を示
す断面図。
【図6】セラミック積層体を説明するための断面図。
【図7】焼結体の断面図。
【図8】積層コンデンサを示す断面図。
【図9】実施例3において第2の支持体上にセラミック
グリーンシートを形成した状態を示す断面図。
【図10】多層金属膜が形成された状態を示す断面図。
【図11】実施例3において多層金属膜をセラミックグ
リーンシートに転写する工程を説明するための断面図。
【図12】実施例3において得られた金属膜一体化グリ
ーンシートを説明するための断面図。
【符号の説明】
11…PETフィルム(第1の支持体) 12…第1の金属膜 13…レジスト層 13a…パターン孔 14…第2の金属膜 15…多層金属膜 16…セラミックグリーンシート 17…金属膜一体化グリーンシート 18…セラミック積層体 20…焼結体 21…積層コンデンサ 31…PETフィルム(第2の支持体) 32…セラミックグリーンシート 33…PETフィルム(第1の支持体) 34…第1の金属膜 35…第2の金属膜 36…多層金属膜 38…金属膜一体化グリーンシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 H01L 23/14 C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に第1の金属膜を薄膜形成法に
    より形成する工程と、 前記第1の金属膜上に、部分的に、前記第1の金属膜よ
    りも厚みの大きな第2の金属膜を薄膜形成法により形成
    して多層金属膜を形成する工程と、 前記多層金属膜を内部に含むセラミック積層体を形成す
    る工程と、 前記セラミック積層体中の第2の金属膜の下方に位置し
    ていない第1の金属膜部分を、構成金属成分がセラミッ
    クス中に拡散するようにして絶縁物化するとともに、前
    記セラミックスを焼成する工程とを備えることを特徴と
    する、セラミック積層電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の金属膜の厚みが100nm以
    下、第2の金属膜の厚みが300nm以上、1000n
    m以下である、請求項1に記載のセラミック積層電子部
    品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の金属膜部分を絶縁物化すると
    ともにセラミックスを焼成する工程は、第1の金属膜が
    酸化し、第2の金属膜が酸化しない酸素分圧下におい
    て、前記セラミック積層体を焼成することにより行われ
    る、請求項1または2に記載のセラミック積層電子部品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多層金属膜を形成する工程は、前記
    第1の金属膜上にパターン孔が設けられたレジスト層を
    形成する段階と、前記レジスト層のパターン孔内に、第
    1の金属膜よりも厚みの大きな第2の金属膜を薄膜形成
    法により形成する段階と、前記レジスト層を除去する段
    階とを備える、請求項1〜3の何れかに記載のセラミッ
    ク積層電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記セラミック積層体を形成する工程
    が、前記多層金属膜上にセラミックグリーンシートを成
    形して金属膜一体化グリーンシートを得る段階と、前記
    金属膜一体化グリーンシートを積層する工程とを備え
    る、請求項1〜4の何れかに記載のセラミック積層電子
    部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記セラミック積層体を形成する工程
    が、第2の支持体上にセラミックグリーンシートを形成
    する段階と、 前記セラミックグリーンシート上に、前記支持体に支持
    された多層金属膜を転写し、金属膜一体化グリーンシー
    トを形成する段階と、 複数の前記金属膜一体化グリーンシートを順次転写する
    ことにより積層してセラミック積層体を得る段階とを備
    える、請求項1〜4の何れかに記載のセラミック積層電
    子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記多層金属膜をセラミックグリーンシ
    ート上に転写するにあたり、ロール状プレスを用いる、
    請求項6に記載のセラミック積層電子部品の製造方法。
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