JPH09129486A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
積層セラミック電子部品の製造方法Info
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- JPH09129486A JPH09129486A JP28115495A JP28115495A JPH09129486A JP H09129486 A JPH09129486 A JP H09129486A JP 28115495 A JP28115495 A JP 28115495A JP 28115495 A JP28115495 A JP 28115495A JP H09129486 A JPH09129486 A JP H09129486A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 積層セラミックコンデンサのような積層セラ
ミック電子部品を製造するときに実施される、多数のセ
ラミックグリーンシートを積み重ね、プレスする工程に
よって得られた積層体において、内部電極に位置ずれや
歪みが生じにくくする。 【解決手段】 積み重ねられるべき多数のセラミックグ
リーンシートを複数のグループに分け、各グループ毎
に、積み重ね、プレスして、複数の予備積層体1,2を
得た後、これら予備積層体1,2を積み重ね、プレスし
て、最終の積層体を得る。積層方向での中間に位置する
予備積層体1における最外層のセラミックグリーンシー
トの外表面上であって、別の予備積層体1または2が接
するセラミックグリーンシートの外表面上にも、内部電
極3が形成されている。
ミック電子部品を製造するときに実施される、多数のセ
ラミックグリーンシートを積み重ね、プレスする工程に
よって得られた積層体において、内部電極に位置ずれや
歪みが生じにくくする。 【解決手段】 積み重ねられるべき多数のセラミックグ
リーンシートを複数のグループに分け、各グループ毎
に、積み重ね、プレスして、複数の予備積層体1,2を
得た後、これら予備積層体1,2を積み重ね、プレスし
て、最終の積層体を得る。積層方向での中間に位置する
予備積層体1における最外層のセラミックグリーンシー
トの外表面上であって、別の予備積層体1または2が接
するセラミックグリーンシートの外表面上にも、内部電
極3が形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
電子部品の製造方法に関するもので、特に、複数のセラ
ミックグリーンシートを積み重ね、次いでプレスする各
工程における改良に向けられるものである。
電子部品の製造方法に関するもので、特に、複数のセラ
ミックグリーンシートを積み重ね、次いでプレスする各
工程における改良に向けられるものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば積層セラミックコンデンサのよ
うな積層セラミック電子部品を製造しようとするとき、
複数のセラミックグリーンシートが用意され、これらセ
ラミックグリーンシートが積み重ねられ、次いでプレス
される。特定のセラミックグリーンシート上には、得よ
うとする積層セラミック電子部品の機能に応じて、コン
デンサ、抵抗、インダクタ、バリスタ、フィルタ等を構
成するための内部電極のような内部回路要素が形成され
ている。
うな積層セラミック電子部品を製造しようとするとき、
複数のセラミックグリーンシートが用意され、これらセ
ラミックグリーンシートが積み重ねられ、次いでプレス
される。特定のセラミックグリーンシート上には、得よ
うとする積層セラミック電子部品の機能に応じて、コン
デンサ、抵抗、インダクタ、バリスタ、フィルタ等を構
成するための内部電極のような内部回路要素が形成され
ている。
【0003】このような積層セラミック電子部品におい
て、その小型化および高性能化を実現するため、セラミ
ックグリーンシートの薄型化および多層化が進められて
いる。たとえば、セラミックグリーンシートが200層
以上といった多層化も進められている。
て、その小型化および高性能化を実現するため、セラミ
ックグリーンシートの薄型化および多層化が進められて
いる。たとえば、セラミックグリーンシートが200層
以上といった多層化も進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たセラミックグリーンシートの薄型化および多層化に伴
い、特に、複数のセラミックグリーンシートを積み重ね
る工程および積み重ねられた複数のセラミックグリーン
シートからなる積層体をプレスする工程において、以下
のような問題に遭遇しやすい。
たセラミックグリーンシートの薄型化および多層化に伴
い、特に、複数のセラミックグリーンシートを積み重ね
る工程および積み重ねられた複数のセラミックグリーン
シートからなる積層体をプレスする工程において、以下
のような問題に遭遇しやすい。
【0005】プレス工程において、内部回路要素の位置
ずれや歪みが生じる。このような位置ずれや歪みは、特
に積層体の周辺部において、より顕著に生じる。これ
は、セラミックグリーンシートの薄型化が進むほど、セ
ラミックグリーンシートの厚みに対する内部回路要素の
厚みの比率が大きくなり、これにセラミックグリーンシ
ートの多層化という要素が加わると、複数の内部回路要
素が積層方向に並ぶ部分すなわち内部回路要素が存在す
る部分とそうでない部分との間での厚みの差が大きく生
じ、その結果、プレス作用が、積層体の面方向に関して
均一に及ぼされず、内部回路要素が存在する部分とそう
でない部分との間で、あるいは積層体の中央部と周辺部
との間で大きく異なるためである。
ずれや歪みが生じる。このような位置ずれや歪みは、特
に積層体の周辺部において、より顕著に生じる。これ
は、セラミックグリーンシートの薄型化が進むほど、セ
ラミックグリーンシートの厚みに対する内部回路要素の
厚みの比率が大きくなり、これにセラミックグリーンシ
ートの多層化という要素が加わると、複数の内部回路要
素が積層方向に並ぶ部分すなわち内部回路要素が存在す
る部分とそうでない部分との間での厚みの差が大きく生
じ、その結果、プレス作用が、積層体の面方向に関して
均一に及ぼされず、内部回路要素が存在する部分とそう
でない部分との間で、あるいは積層体の中央部と周辺部
との間で大きく異なるためである。
【0006】また、セラミックグリーンシートを積み重
ねる工程において、複数のセラミックグリーンシート間
の脱気が不十分な場合、セラミックグリーンシートの薄
型化および多層化が進められたときには、次のプレス工
程で積層体をプレスしても、その脱気の不十分さを補う
ことが困難である。その結果、以後の工程において、積
層体を構成するセラミックグリーンシート間で剥がれが
生じたり、あるいは、得られた積層セラミック電子部品
において、デラミネーションが生じたりすることがあ
る。
ねる工程において、複数のセラミックグリーンシート間
の脱気が不十分な場合、セラミックグリーンシートの薄
型化および多層化が進められたときには、次のプレス工
程で積層体をプレスしても、その脱気の不十分さを補う
ことが困難である。その結果、以後の工程において、積
層体を構成するセラミックグリーンシート間で剥がれが
生じたり、あるいは、得られた積層セラミック電子部品
において、デラミネーションが生じたりすることがあ
る。
【0007】そこで、この発明の目的は、上述した問題
を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方法を提
供しようとすることである。
を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方法を提
供しようとすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、簡単に言え
ば、複数のセラミックグリーンシートを積み重ねる工程
および積み重ねられた複数のセラミックグリーンシート
をプレスする工程を、少なくとも2段階に分け、プレス
工程において、積層体により均一かつ十分なプレス作用
が及ぼされるようにしようとするものである。
ば、複数のセラミックグリーンシートを積み重ねる工程
および積み重ねられた複数のセラミックグリーンシート
をプレスする工程を、少なくとも2段階に分け、プレス
工程において、積層体により均一かつ十分なプレス作用
が及ぼされるようにしようとするものである。
【0009】すなわち、この発明は、複数のセラミック
グリーンシートを用意し、これら複数のセラミックグリ
ーンシートの特定のものの上に内部回路要素を形成し、
これら複数のセラミックグリーンシートを積み重ね、積
み重ねられた複数のセラミックグリーンシートをプレス
する、各工程を備える、積層セラミック電子部品の製造
方法に向けられるものであって、上述の技術的課題を解
決するため、前記積み重ねる工程および前記プレスする
工程において、次のような手順が採用されることを特徴
としている。
グリーンシートを用意し、これら複数のセラミックグリ
ーンシートの特定のものの上に内部回路要素を形成し、
これら複数のセラミックグリーンシートを積み重ね、積
み重ねられた複数のセラミックグリーンシートをプレス
する、各工程を備える、積層セラミック電子部品の製造
方法に向けられるものであって、上述の技術的課題を解
決するため、前記積み重ねる工程および前記プレスする
工程において、次のような手順が採用されることを特徴
としている。
【0010】すなわち、用意された複数のセラミックグ
リーンシートは複数のグループに分けられる。そして、
各グループ毎に複数のセラミックグリーンシートが積み
重ねられ、積み重ねられた複数のセラミックグリーンシ
ートは各グループ毎にまずプレスされる。このようにし
て得られた複数の予備積層体は、次いで、積み重ねら
れ、積み重ねられた複数の予備積層体がプレスされる。
このような工程を経て、最終的な積層体が得られる。こ
こで、予備積層体は、その最外層に位置するセラミック
グリーンシートの外表面上であって、別の予備積層体が
接するセラミックグリーンシートの外表面上にも、内部
回路要素が形成された状態とされているものを含んでい
る。
リーンシートは複数のグループに分けられる。そして、
各グループ毎に複数のセラミックグリーンシートが積み
重ねられ、積み重ねられた複数のセラミックグリーンシ
ートは各グループ毎にまずプレスされる。このようにし
て得られた複数の予備積層体は、次いで、積み重ねら
れ、積み重ねられた複数の予備積層体がプレスされる。
このような工程を経て、最終的な積層体が得られる。こ
こで、予備積層体は、その最外層に位置するセラミック
グリーンシートの外表面上であって、別の予備積層体が
接するセラミックグリーンシートの外表面上にも、内部
回路要素が形成された状態とされているものを含んでい
る。
【0011】
【発明の効果】この発明によれば、セラミックグリーン
シートの積み重ねおよびプレスを少なくとも2段階に分
けて実施し、まず、比較的少ない数のセラミックグリー
ンシートからなる予備積層体を得てから、これら複数の
予備積層体からなる最終の積層体を得るようにしてい
る。したがって、セラミックグリーンシートが薄型化お
よび多層化されても、まず予備積層体を得る段階では、
比較的少ない数のセラミックグリーンシートを取り扱う
にすぎないので、複数の内部回路要素が積層方向に並ぶ
部分すなわち内部回路要素が存在する部分とそうでない
部分との間での厚みの差がそれほど生じず、その結果、
プレス作用が、積層体の面方向に関して比較的均一に及
ぼされるようになる。そのため、内部回路要素の位置ず
れや歪みを抑制することができる。そして、最終の積層
体を得るため、これら予備積層体を積み重ねてプレスす
ることが行なわれるが、最終の積層体を構成する予備積
層体では、上述のように、内部回路要素の位置ずれや歪
みが抑制されているので、結果として、最終の積層体に
おいても、そのように位置ずれや歪みが抑制された状態
が実質的に維持され得る。
シートの積み重ねおよびプレスを少なくとも2段階に分
けて実施し、まず、比較的少ない数のセラミックグリー
ンシートからなる予備積層体を得てから、これら複数の
予備積層体からなる最終の積層体を得るようにしてい
る。したがって、セラミックグリーンシートが薄型化お
よび多層化されても、まず予備積層体を得る段階では、
比較的少ない数のセラミックグリーンシートを取り扱う
にすぎないので、複数の内部回路要素が積層方向に並ぶ
部分すなわち内部回路要素が存在する部分とそうでない
部分との間での厚みの差がそれほど生じず、その結果、
プレス作用が、積層体の面方向に関して比較的均一に及
ぼされるようになる。そのため、内部回路要素の位置ず
れや歪みを抑制することができる。そして、最終の積層
体を得るため、これら予備積層体を積み重ねてプレスす
ることが行なわれるが、最終の積層体を構成する予備積
層体では、上述のように、内部回路要素の位置ずれや歪
みが抑制されているので、結果として、最終の積層体に
おいても、そのように位置ずれや歪みが抑制された状態
が実質的に維持され得る。
【0012】また、この発明によれば、予備積層体を得
るため、複数のセラミックグリーンシートを積み重ねた
段階、および最終の積層体を得るため、複数の予備積層
体を積み重ねた段階の少なくとも2段階で、脱気を行な
うことができる。また、予備積層体を得る段階では、比
較的少ないセラミックグリーンシートが積み重ねられて
いるにすぎないので、十分な脱気作用を各セラミックグ
リーンシート間に及ぼすことが容易である。同様に、最
終の積層体を得る段階においても、セラミックグリーン
シートの全数に比べて少ない数の予備積層体を積み重ね
ているにすぎないので、十分な脱気作用を各予備積層体
間に及ぼすことが容易である。
るため、複数のセラミックグリーンシートを積み重ねた
段階、および最終の積層体を得るため、複数の予備積層
体を積み重ねた段階の少なくとも2段階で、脱気を行な
うことができる。また、予備積層体を得る段階では、比
較的少ないセラミックグリーンシートが積み重ねられて
いるにすぎないので、十分な脱気作用を各セラミックグ
リーンシート間に及ぼすことが容易である。同様に、最
終の積層体を得る段階においても、セラミックグリーン
シートの全数に比べて少ない数の予備積層体を積み重ね
ているにすぎないので、十分な脱気作用を各予備積層体
間に及ぼすことが容易である。
【0013】したがって、セラミックグリーンシートの
薄型化および多層化が進められたとしても、以後の工程
において、積層体を構成するセラミックグリーンシート
間で剥がれが生じたり、あるいは、得られた積層セラミ
ック電子部品において、デラミネーションが生じたりす
ることを有利に防止することができる。これらのことか
ら、この発明によれば、問題なくセラミックグリーンシ
ートの薄型化および多層化、たとえば200層以上とい
った多層化を進めることが容易になり、その結果、積層
セラミック電子部品の小型化および高性能化に容易に対
応することができるようになる。
薄型化および多層化が進められたとしても、以後の工程
において、積層体を構成するセラミックグリーンシート
間で剥がれが生じたり、あるいは、得られた積層セラミ
ック電子部品において、デラミネーションが生じたりす
ることを有利に防止することができる。これらのことか
ら、この発明によれば、問題なくセラミックグリーンシ
ートの薄型化および多層化、たとえば200層以上とい
った多層化を進めることが容易になり、その結果、積層
セラミック電子部品の小型化および高性能化に容易に対
応することができるようになる。
【0014】また、予備積層体は、その最外層に位置す
るセラミックグリーンシートの外表面上であって、別の
予備積層体が接するセラミックグリーンシートの外表面
上にも、内部回路要素が形成された状態とされているも
のを含んでいるので、セラミックグリーンシートを無駄
なく活用することができる。したがって、この発明が積
層セラミックコンデンサの製造に適用された場合には、
複数の予備積層体の界面に位置するセラミック層も、他
のセラミック層と同様に、容量形成に寄与させることが
できるので、積層セラミックコンデンサの小型化および
大容量化に有効である。
るセラミックグリーンシートの外表面上であって、別の
予備積層体が接するセラミックグリーンシートの外表面
上にも、内部回路要素が形成された状態とされているも
のを含んでいるので、セラミックグリーンシートを無駄
なく活用することができる。したがって、この発明が積
層セラミックコンデンサの製造に適用された場合には、
複数の予備積層体の界面に位置するセラミック層も、他
のセラミック層と同様に、容量形成に寄与させることが
できるので、積層セラミックコンデンサの小型化および
大容量化に有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる積層セラミック電子部品の製造方法を説明するため
のものである。この実施形態では、積層セラミック電子
部品として、積層セラミックコンデンサが製造される。
図1には、複数の予備積層体1および2が図示されてい
る。これらの予備積層体1および2を得るため、複数の
セラミックグリーンシートが用意される。これらのセラ
ミックグリーンシートのうち、予備積層体1を得るため
に用いられるセラミックグリーンシート上には、内部回
路要素としての内部電極3が形成される。
よる積層セラミック電子部品の製造方法を説明するため
のものである。この実施形態では、積層セラミック電子
部品として、積層セラミックコンデンサが製造される。
図1には、複数の予備積層体1および2が図示されてい
る。これらの予備積層体1および2を得るため、複数の
セラミックグリーンシートが用意される。これらのセラ
ミックグリーンシートのうち、予備積層体1を得るため
に用いられるセラミックグリーンシート上には、内部回
路要素としての内部電極3が形成される。
【0016】上述した複数のセラミックグリーンシート
は、複数のグループに分けられる。そして、各グループ
毎に、これらセラミックグリーンシートを積み重ねるこ
とが行なわれ、積み重ねられた複数のセラミックグリー
ンシートは、各グループ毎に、金型(図示せず。)内に
挿入され、プレスされる。このプレス工程において付与
される圧力は、最終の積層体を得るために後で実施され
るプレス工程での圧力に比べて、通常、低くされる。
は、複数のグループに分けられる。そして、各グループ
毎に、これらセラミックグリーンシートを積み重ねるこ
とが行なわれ、積み重ねられた複数のセラミックグリー
ンシートは、各グループ毎に、金型(図示せず。)内に
挿入され、プレスされる。このプレス工程において付与
される圧力は、最終の積層体を得るために後で実施され
るプレス工程での圧力に比べて、通常、低くされる。
【0017】予備積層体1の一部が拡大されて、図2に
示されている。図2には、内部電極3が形成された複数
のセラミックグリーンシート4の積層状態が図示されて
いる。図2において、予備積層体1における最外層に位
置するセラミックグリーンシート4aの外表面上であっ
て、別の予備積層体1または2が接するセラミックグリ
ーンシート4aの外表面上にも、内部電極3が形成され
ていることに注目すべきである。したがって、このよう
に内部電極3が露出した予備積層体1を得るためのプレ
ス工程では、当該内部電極3の損傷を防止すべく、これ
に接触するプレス金型の面にフッ素コートなどの離型を
容易にするための処理を施したり、これに接触するプレ
ス金型の面と最外層のセラミックグリーンシート4aと
の間に離型を容易にするためのシートを介在させたりす
ることが望ましい。
示されている。図2には、内部電極3が形成された複数
のセラミックグリーンシート4の積層状態が図示されて
いる。図2において、予備積層体1における最外層に位
置するセラミックグリーンシート4aの外表面上であっ
て、別の予備積層体1または2が接するセラミックグリ
ーンシート4aの外表面上にも、内部電極3が形成され
ていることに注目すべきである。したがって、このよう
に内部電極3が露出した予備積層体1を得るためのプレ
ス工程では、当該内部電極3の損傷を防止すべく、これ
に接触するプレス金型の面にフッ素コートなどの離型を
容易にするための処理を施したり、これに接触するプレ
ス金型の面と最外層のセラミックグリーンシート4aと
の間に離型を容易にするためのシートを介在させたりす
ることが望ましい。
【0018】次に、これら予備積層体1および2は、図
1に示すように、何らの内部回路要素も形成されない予
備積層体2を両外側に位置させるような順番で、金型
(図示せず。)に挿入されることによって、積み重ねら
れる。そして、このように積み重ねられた複数の予備積
層体1および2は、比較的高い圧力をもって、金型内で
プレスされ、最終の積層体が得られる。なお、この例で
は、予備積層体2には、内部回路要素が何ら形成されて
いないが、必要により、予備積層体2にも、内部回路要
素を含ませてもよい。
1に示すように、何らの内部回路要素も形成されない予
備積層体2を両外側に位置させるような順番で、金型
(図示せず。)に挿入されることによって、積み重ねら
れる。そして、このように積み重ねられた複数の予備積
層体1および2は、比較的高い圧力をもって、金型内で
プレスされ、最終の積層体が得られる。なお、この例で
は、予備積層体2には、内部回路要素が何ら形成されて
いないが、必要により、予備積層体2にも、内部回路要
素を含ませてもよい。
【0019】その後、通常の積層セラミックコンデンサ
の製造と同様、積層体は、個々の積層セラミックコンデ
ンサのための複数の積層体チップを得るため、カットさ
れ、これら積層体チップは焼成され、次いで、外部電極
の付与のための工程が実施される。このようにして得ら
れた積層セラミックコンデンサは、図2に示すように、
最外層に位置するセラミックグリーンシート4aの外表
面上であって、別の予備積層体1または2が接するセラ
ミックグリーンシート4aの外表面上にも、内部電極3
が形成された、予備積層体1を用いて製造されたもので
ある。したがって、予備積層体1を構成するセラミック
グリーンシート4から得られたセラミック層をすべて等
しく容量形成に寄与させることができるので、積層セラ
ミックコンデンサの小型化および大容量化に有効であ
る。
の製造と同様、積層体は、個々の積層セラミックコンデ
ンサのための複数の積層体チップを得るため、カットさ
れ、これら積層体チップは焼成され、次いで、外部電極
の付与のための工程が実施される。このようにして得ら
れた積層セラミックコンデンサは、図2に示すように、
最外層に位置するセラミックグリーンシート4aの外表
面上であって、別の予備積層体1または2が接するセラ
ミックグリーンシート4aの外表面上にも、内部電極3
が形成された、予備積層体1を用いて製造されたもので
ある。したがって、予備積層体1を構成するセラミック
グリーンシート4から得られたセラミック層をすべて等
しく容量形成に寄与させることができるので、積層セラ
ミックコンデンサの小型化および大容量化に有効であ
る。
【0020】この発明の効果を確認するため、以下のよ
うに、積層セラミックコンデンサのための積層体を製造
する実験を行なった。厚み約8μmの複数のセラミック
グリーンシートを用意し、それらのうち、特定のセラミ
ックグリーンシート上に、内部電極となる金属粉末を含
有する導電ペースト膜を、約3μmの厚みをもってスク
リーン印刷により形成した。
うに、積層セラミックコンデンサのための積層体を製造
する実験を行なった。厚み約8μmの複数のセラミック
グリーンシートを用意し、それらのうち、特定のセラミ
ックグリーンシート上に、内部電極となる金属粉末を含
有する導電ペースト膜を、約3μmの厚みをもってスク
リーン印刷により形成した。
【0021】次に、この発明に従って、内部電極が印刷
されたセラミックグリーンシートを、40枚ずつ積み重
ね、それらの各々を金型内に挿入し、プレスし、5つの
内層用の予備積層体を得た。他方、内部電極が印刷され
ていないセラミックグリーンシートを、30枚ずつ積み
重ね、同様の方法により、2つの外層用の予備積層体を
得た。
されたセラミックグリーンシートを、40枚ずつ積み重
ね、それらの各々を金型内に挿入し、プレスし、5つの
内層用の予備積層体を得た。他方、内部電極が印刷され
ていないセラミックグリーンシートを、30枚ずつ積み
重ね、同様の方法により、2つの外層用の予備積層体を
得た。
【0022】次に、別の金型内に、上述のようにして得
られた予備積層体を、一方の外層用の予備積層体、5つ
の内層用の予備積層体、他方の外層用の予備積層体の順
で挿入し、プレスして、積層セラミックコンデンサのた
めの積層体を得た。他方、比較例として、同様のセラミ
ックグリーンシートを用いて、1回の積み重ね工程およ
び1回のプレス工程により、同様の構造を有する積層体
を得た。
られた予備積層体を、一方の外層用の予備積層体、5つ
の内層用の予備積層体、他方の外層用の予備積層体の順
で挿入し、プレスして、積層セラミックコンデンサのた
めの積層体を得た。他方、比較例として、同様のセラミ
ックグリーンシートを用いて、1回の積み重ね工程およ
び1回のプレス工程により、同様の構造を有する積層体
を得た。
【0023】このようにして得られた、この発明に係る
積層体と比較例に係る積層体とのそれぞれについて、内
部電極の歪みの度合い、内部電極の位置ずれの度合い、
および焼成後のデラミネーション発生率を比較評価し
た。なお、内部電極の歪みおよび内部電極の位置ずれの
評価は、図3に示した定義に従った。すなわち、図3に
は、積層体5が断面図によって示され、そこには複数の
内部電極6が図示されているが、図3に示すように、積
層方向に並ぶ複数の内部電極6の最大寸法と最小寸法と
の差、すなわち|A−B|を内部電極の歪みと定義し、
積層方向に並ぶ複数の内部電極6の一方側の各端縁の位
置を互いに比較して内部電極6の延びる方向に関して最
も離れているものの間での位置の差Cを内部電極の位置
ずれと定義した。
積層体と比較例に係る積層体とのそれぞれについて、内
部電極の歪みの度合い、内部電極の位置ずれの度合い、
および焼成後のデラミネーション発生率を比較評価し
た。なお、内部電極の歪みおよび内部電極の位置ずれの
評価は、図3に示した定義に従った。すなわち、図3に
は、積層体5が断面図によって示され、そこには複数の
内部電極6が図示されているが、図3に示すように、積
層方向に並ぶ複数の内部電極6の最大寸法と最小寸法と
の差、すなわち|A−B|を内部電極の歪みと定義し、
積層方向に並ぶ複数の内部電極6の一方側の各端縁の位
置を互いに比較して内部電極6の延びる方向に関して最
も離れているものの間での位置の差Cを内部電極の位置
ずれと定義した。
【0024】その結果、内部電極の歪み|A−B|につ
いては、各20個の試料の平均値を求めると、比較例で
は、83μmであったのに対し、本発明例では、17μ
mにまで低減された。次に、内部電極の位置ずれCにつ
いては、各20個の試料の平均値を求めると、比較例で
は、40μmであったのに対し、本発明例では、8μm
にまで低減された。
いては、各20個の試料の平均値を求めると、比較例で
は、83μmであったのに対し、本発明例では、17μ
mにまで低減された。次に、内部電極の位置ずれCにつ
いては、各20個の試料の平均値を求めると、比較例で
は、40μmであったのに対し、本発明例では、8μm
にまで低減された。
【0025】次に、デラミネーション発生率について
は、各100個の試料のうち、比較例では、11個の試
料にデラミネーションが発生したのに対し、本発明例で
は、全くデラミネーションが発生しなかった。以上、こ
の発明を図示した実施形態による積層セラミックコンデ
ンサの製造方法に関連して主として説明したが、この発
明は、積層セラミックコンデンサに限らず、抵抗、イン
ダクタ、バリスタ、フィルタ等として機能する積層セラ
ミック電子部品にも、これら機能素子が複合された積層
セラミック電子部品にも適用することができる。
は、各100個の試料のうち、比較例では、11個の試
料にデラミネーションが発生したのに対し、本発明例で
は、全くデラミネーションが発生しなかった。以上、こ
の発明を図示した実施形態による積層セラミックコンデ
ンサの製造方法に関連して主として説明したが、この発
明は、積層セラミックコンデンサに限らず、抵抗、イン
ダクタ、バリスタ、フィルタ等として機能する積層セラ
ミック電子部品にも、これら機能素子が複合された積層
セラミック電子部品にも適用することができる。
【0026】また、前述した実施形態では、積層体チッ
プの内部に形成される内部回路要素が、内部電極であっ
たが、上述したように、この発明は、任意の機能を有す
る種々の積層セラミック電子部品に適用可能であるの
で、内部回路要素としては、種々の態様が考えられる。
たとえば、内部回路要素は、内部電極のような良好な導
電性を有する回路要素である以外に、たとえば比較的大
きな電気抵抗性あるいは他の電気的特性を有する回路要
素であることもある。
プの内部に形成される内部回路要素が、内部電極であっ
たが、上述したように、この発明は、任意の機能を有す
る種々の積層セラミック電子部品に適用可能であるの
で、内部回路要素としては、種々の態様が考えられる。
たとえば、内部回路要素は、内部電極のような良好な導
電性を有する回路要素である以外に、たとえば比較的大
きな電気抵抗性あるいは他の電気的特性を有する回路要
素であることもある。
【0027】また、前述した実施形態では、積み重ね工
程およびプレス工程を2段階に分けて実施したが、3段
階以上に分けて実施してもよい。
程およびプレス工程を2段階に分けて実施したが、3段
階以上に分けて実施してもよい。
【図1】この発明の一実施形態による積層セラミック電
子部品としての積層セラミックコンデンサの製造のため
に用意される複数の予備積層体1および2を示す断面図
である。
子部品としての積層セラミックコンデンサの製造のため
に用意される複数の予備積層体1および2を示す断面図
である。
【図2】図1に示した予備積層体1の一部を拡大して示
す断面図である。
す断面図である。
【図3】この発明の効果を確認するために実施された実
験において評価した内部電極6の歪みおよび位置ずれを
定義するための図である。
験において評価した内部電極6の歪みおよび位置ずれを
定義するための図である。
1,2 予備積層体 3 内部電極 4,4a セラミックグリーンシート
Claims (1)
- 【請求項1】 複数のセラミックグリーンシートを用意
し、前記複数のセラミックグリーンシートの特定のもの
の上に内部回路要素を形成し、前記複数のセラミックグ
リーンシートを積み重ね、積み重ねられた前記複数のセ
ラミックグリーンシートをプレスする、各工程を備え
る、積層セラミック電子部品の製造方法において、 前記積み重ねる工程および前記プレスする工程は、前記
複数のセラミックグリーンシートを複数のグループに分
け、各グループ毎に複数のセラミックグリーンシートを
積み重ね、積み重ねられた前記複数のセラミックグリー
ンシートを各グループ毎にプレスして複数の予備積層体
を得、次いで、前記複数の予備積層体を積み重ね、積み
重ねられた前記複数の予備積層体をプレスする、各工程
を備えることを特徴とするとともに、 前記予備積層体は、その最外層に位置するセラミックグ
リーンシートの外表面上であって、別の前記予備積層体
が接するセラミックグリーンシートの外表面上にも、前
記内部回路要素が形成された状態とされているものを含
むことを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28115495A JPH09129486A (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28115495A JPH09129486A (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09129486A true JPH09129486A (ja) | 1997-05-16 |
Family
ID=17635117
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28115495A Pending JPH09129486A (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09129486A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001196258A (ja) * | 2000-01-17 | 2001-07-19 | Murata Mfg Co Ltd | 積層セラミック電子部品の製造方法 |
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JP2015062244A (ja) * | 2012-12-20 | 2015-04-02 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | 積層セラミック電子部品 |
-
1995
- 1995-10-30 JP JP28115495A patent/JPH09129486A/ja active Pending
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JP2014103422A (ja) * | 2014-03-10 | 2014-06-05 | Taiyo Yuden Co Ltd | 積層セラミックコンデンサ |
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