JPH1121860A - 壁状コンクリート構築物の構築方法 - Google Patents

壁状コンクリート構築物の構築方法

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JPH1121860A
JPH1121860A JP19337197A JP19337197A JPH1121860A JP H1121860 A JPH1121860 A JP H1121860A JP 19337197 A JP19337197 A JP 19337197A JP 19337197 A JP19337197 A JP 19337197A JP H1121860 A JPH1121860 A JP H1121860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場での型枠の組立及び解体作業を排除して
現場での作業時間の短縮及び現場作業の容易化を図る。 【解決手段】 基礎コンクリート1の上に、すでに組み
立てられ又は製作された型枠21 を設置する(A)。型
枠21 のPCa型板21,21間にコンクリート4を打
設する(B)。打設したコンクリート4が硬化し、基礎
コンクリート1及び型枠21 と一体化されたら、型枠2
1 の上に第二段目の型枠22 を設置し(C)、この型枠
2 による打設空間S2 にコンクリートを打設し、この
ような工程を繰り返すことによって、所要高さの砂防ダ
ムが構築される。また、天端部におけるコンクリート
は、最上段の型枠2n のPCa型板21,21の上端を
上から包み込むように打設することによって、砂防ダム
の天端部に最上段のPCa型板21,21の反りによる
亀裂が発生するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、迅速な施工の要求
される小規模ダムや重力擁壁等の壁状コンクリート構築
物の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】小規模なダムや重力擁壁等のような壁状
コンクリート構築物の施工には、従来、例えば図13又
は図14に示すような工法が採用されている。このう
ち、図13に示す工法では、まず(A)のように、基礎
コンクリート101の上に適当な高さの木製あるいは鋼
製の第一段目の型枠1021 をセパレータ1031 や支
保工(図示省略)によって組み立て、次に(B)のよう
に、前記型枠1021 によって画成された空間S1 にコ
ンクリート104を打設する。そしてこのコンクリート
104が所定の強度になるまで硬化したら、前記型枠1
021 を解体して、(C)のように前記コンクリート1
04の上に更にコンクリートを打ち継ぐための第二段目
の型枠1022 を、上述と同様にセパレータ1032
支保工によって組み立て、この型枠1022 によって画
成された空間S2 にコンクリートを打設するといった作
業を繰り返すことによって、(D)のような壁状コンク
リート構築物104’が構築される。
【0003】また図14に示す工法では、まず(A)の
ように、基礎コンクリート201の上に、プレキャスト
コンクリートからなる適当な高さの第一段目のPCa型
板2021 を鉄筋等からなる支保工2031 により支保
して組み立て、次に(B)のように、前記PCa型板2
021 によって画成された空間S1 にコンクリート20
4を打設する。PCa型板2021 は打設後経時的に硬
化するコンクリート204と一体接合状態になる。コン
クリート204が所定の強度になるまで硬化したら、
(C)のように、その上に更にコンクリートを打ち継ぐ
ための第二段目のPCa型板2022 を上述と同様に支
保工2032 によって支保して組み立て、前記PCa型
板2022 によって画成された空間S2 にコンクリート
を打設するといった作業を繰り返すことによって、
(D)のような壁状コンクリート構築物204’が構築
される。PCa型板2021 ,2022 ・・・ は硬化する
コンクリート204と一体接合状態になり、壁状コンク
リート構築物204’の表層部となる。
【0004】更に、図13(D)に示す壁状コンクリー
ト構築物104’を鉛直方向複数に分割した形状のプレ
キャストコンクリートブロックを積み上げて、その上下
面同士をコンクリートの打設によって接合するといった
工法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来工法
においては、次のような問題が指摘される。すなわち、
例えば山間部における土石流等をくい止める砂防ダム等
を構築する場合、その施工は危険な山間部の斜面での作
業となるため、迅速な施工が要求されるが、図13に示
すような工法では、危険な現場での型枠102の組立や
解体作業に多くの時間を必要とする。そしてその点、図
14に示す工法は、コンクリート成形品であるPCa型
板2021 ,2022 ・・・ が、後打ちされたコンクリー
ト204と一体化されて構築物204’の表層部となる
ものであるため、型枠の解体作業がなくなってその分だ
け工期が短縮されるが、PCa型板2021 ,202
2 ,・・・ の組立・支保作業になお多くの時間がかかる。
しかも、コンクリート204の養生期間中に、日照によ
って最上段のPCa型板2023 が外側へ僅かに反るこ
とによって、あるいは日向側と日陰側の熱膨張差によっ
て、前記コンクリート204の天端部との間に僅かな亀
裂が発生すると、そこから浸透した雨水が冬期に凍結し
て膨張したり、日照と夜間冷却に伴う膨張・収縮の繰り
返しによって、プレキャスト部と後打ちコンクリート部
が剥離してしまうといった現象をもたらす。したがっ
て、構築物204’の天端面204aにはプレキャスト
部と後打ちコンクリート部との境界に沿って目地を形成
し、この目地にエポキシ樹脂等のシール材205を充填
するといった防水作業も必要になる。
【0006】また、プレキャストコンクリートブロック
による工法は、プレキャストコンクリートブロックの据
え付けとその接合のためのコンクリート打設のみの作業
となるが、ブロック一部材あたりの重量が大きいため、
その据え付けに大型の揚重機が必要になり、このような
大型機械を狭隘な山間部の斜面等に搬入するのが困難な
ことが多い。
【0007】本発明は上記のような事情のもとになされ
たもので、その主な技術的課題は、現場での型枠の組立
及び解体作業を排除して一層の工期短縮を図ることにあ
り、他の課題は、構築物天端面に対する防水工事を不要
とし、現場での施工の容易化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明に係る壁状コンクリート構築物の構築方法は、厚
さ方向に互いに対向配置される一対のPCa型板を支保
体を介して互いに連結した型枠を製作し、この型枠を現
場に搬入して所定の施工箇所に設置し、前記両PCa型
板の間の空間にコンクリートを打設するものである。な
お、ここでいう「壁状コンクリート構築物」とは、砂防
ダムや小規模ダムの堤体あるいは重力擁壁等を総称する
ものであり、「PCa」とはプレキャストコンクリート
の略称であって工場等で予め成形されたコンクリート製
品をいう。
【0009】本発明によれば、PCa型板は、コンクリ
ート打設の際の型板であると共に、打設後経時的に硬化
するコンクリートと接合一体化されてコンクリート構築
物の表層部となるものであるため、コンクリート打設後
に前記PCa型板を解体する必要がない。また、一対の
PCa型板を支保体を介して互いに連結することによる
型枠の製作は現場以外の箇所で行われるので、現場では
完成した型枠を搬入・設置した後に直ちにコンクリート
の打設を行うことができる。したがって本発明の構築方
法は、危険な山間部での砂防ダムの構築のように、現場
での滞在時間をできる限り短縮する必要がある場合に極
めて有用である。
【0010】支保体は、両側のPCa型板を所定の間隔
に保持した状態に固定して後打ちコンクリートの打設空
間を形成するものであり、例えば両PCa型板間に介在
される枠状PCaウェブ板と、前記両PCa型板の内側
面から互いに対向する方向へ突設された螺子軸及びこの
双方の螺子軸に螺合する螺子継手を備えるターンバック
ルとからなるものが考えられる。この場合は、両PCa
型板間に枠状PCaウェブ板を介在させると共にターン
バックルを連結し、このターンバックルの螺子継手を締
め付け方向に回転させて螺子軸に緊張力を与えて、前記
枠状PCaウェブ板の両端面に前記両PCa型板の内側
面を圧接固定させることによって、型枠を製作する。な
お、PCaウェブ板を「枠状」としたのは、PCa型板
間に打設された後打ちコンクリートがPCaウェブ板に
よって堰き止められることがないようにするためであ
る。
【0011】支保体の他の例としては、両PCa型板内
から延在された多数の鉄筋からなるものや、両PCa型
板内と一体化された枠状PCaウェブ板からなるものも
好適である。この場合は、PCa型板は鉄筋あるいは枠
状PCaウェブ板を介して互いに連結された状態に成形
されるため、PCa型板の成形によって同時に支保体と
一体の型枠の製作も行われることになる。
【0012】また、本発明において一層好ましくは、壁
状コンクリート構築物の天端部における後打ちコンクリ
ートを、両PCa型板の上端部の上側の高さまで打設す
る。このようにすれば、両PCa型板の上端部が後打ち
コンクリートによって上から包み込まれた接合構造とな
るので、日照によるPCa型板の反り及びこれに伴う後
打ちコンクリートとの境界に沿った亀裂が発生せず、前
記境界へ雨水が浸透することがない。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る壁状コンク
リート構築物の構築方法を例えば砂防ダムの構築に適用
した第一の実施形態を工程順に示すものである。この実
施形態においてはレディミクストコンクリートの打設に
よる工法、すなわちモルタルと骨材とを予め所定の比率
で混練したコンクリート(いわゆる生コン)を打設する
方法を採用し、また、高さ方向にいくつかの施工リフト
に分けて順次施工して行く方法を採用したものである。
【0014】図1において、参照符号Gは山間部の斜面
における砂防ダムの構築予定箇所を堆積土砂や礫の除去
や地盤の切削等により略水平に整地した施工基盤、参照
符号1はこの施工基盤Gに打設された基礎コンクリート
である。基礎コンクリート1の上には、まず図1(A)
に示すようにクレーン3によって第一段目の型枠2(2
1 )を吊り込んで搬入し、前記山間部を堰き止めるよう
に、図示の断面と直交する方向に延在された状態に設置
する。
【0015】型枠2は、厚さ方向に互いに対向しかつ上
部ほど対向間隔が小さくなるように互いに傾斜した状態
に配置された一対のPCa型板21,21と、このPC
a型板21,21を互いに強固に連結している支保体2
2とからなる。このうち、PCa型板21,21は、工
場あるいは現場近くの安全なエリアで生産され、十分な
硬化・収縮が行われた板状のプレキャストコンクリート
製品であって、後打ちされるコンクリートの側圧に対す
る十分な強度を有するものである。また支保体22とし
ては、例えば以下に説明する図2乃至図7に示すような
種々の構造のものが採用可能である。
【0016】まず図2に示す型枠2は、支保体22が複
数の鉄筋221からなり、筋交い状に延びる部分22a
を有することによって強固な連結形状としたもので、例
えば鉄筋221を台形の篭状に組み立て、その左右両端
部を埋設した状態でPCa型板21,21を成形するこ
とによって製作することができる。鉄筋221の代わり
に、PC鋼棒やねじ鉄筋等を支保体22として用いてP
Ca型板21,21を連結した形状としても良い。
【0017】図3に示す型枠2は、支保体22が、PC
a型板21,21間の水平方向中間部に略鉛直に介在さ
れる枠状PCaウェブ板222と、その両側位置で前記
PCa型板21,21を互いに連結するターンバックル
223とからなる。枠状PCaウェブ板222は、中央
に大きな窓部22bを有する台形状に成形された板状の
プレキャストコンクリート(鉄筋コンクリートあるいは
無筋コンクリート)製品もしくは鋼材等で形成された製
品である。また、ターンバックル223は良く知られた
構造であって、PCa型板21,21の内側面からそれ
ぞれ互いに対向する方向へ突設された螺子軸223a,
223bと、両螺子軸223a,223bに螺合する螺
子継手223cを備え、両螺子軸223a,223bは
互いに逆螺子となっている。なお、枠状PCaウェブ板
222の窓部22bは、PCa型板21,21間に打設
されるコンクリートの流れが堰き止められることがない
ように形成されたものである。
【0018】すなわち、PCa型板21,21は、各タ
ーンバックル223における両螺子軸223a,223
bと螺子継手223cを螺合させると共にこの螺子継手
223cを締め付け方向に回転させることによって、前
記PCa型板21,21の内側面が、その間に介在させ
たPCaウェブ板222における左右の斜辺状の両端縁
に圧接・固定状態となり、これによって型枠2が組み立
てられる。
【0019】図4に示す型枠2は、基本的には図3と同
様の構造であるが、支保体22が、複数の枠状PCaウ
ェブ板222と、その間の位置でPCa型板21,21
を互いに連結するターンバックル223とからなる。
【0020】図5に示す型枠2は、支保体22が複数の
枠状PCaウェブ板222からなり、この枠状PCaウ
ェブ板222の左右の両端縁を図6(A)又は(B)に
示すようにPCa型板21,21の内側面に形成した溝
21a,21aに嵌着あるいは接合することによって一
体化したものである。また、図7に示す型枠2は、PC
a型板21,21と支保体22としての枠状PCaウェ
ブ板222を一体成形してボックス状としたものであ
る。
【0021】上述したいずれの型枠2も、工場で製作さ
れるか、あるいは現場近くの安全な場所で組み立てられ
てから現場に搬入され、クレーン3によって吊り込んで
設置される。また、支保体22は、型枠2をクレーンで
吊り上げた時に容易に変形せず、かつ後打ちされるコン
クリートの側圧に対してPCa型板21,21をしっか
り保持できる強度を有するように設けられる。
【0022】説明を図1に戻すと、基礎コンクリート1
の上に上述した図2乃至図7のいずれかのような構成を
備える第一段目の型枠21 を設置し適当な金具等によっ
て簡単に固定したら、図1(B)に示すように、型枠2
1 のPCa型板21,21間のコンクリート打設空間S
1 に、モルタルと骨材が適当な比率で配合され混練され
たコンクリート4を、図示されていないコンクリートポ
ンプによって、前記型枠21 の上端近傍の高さまで打設
する。このコンクリート4は、図示されていないバイブ
レータ等によって適宜に締め固める。
【0023】打設されたコンクリート4は経時的に硬化
して行き、これに伴って、基礎コンクリート1及び第一
段目の型枠21 と一体化される。すなわち、コンクリー
ト4の打設時に堰板として機能するPCa型板21,2
1は、コンクリート4の所定の養生期間が経過した後に
取り外されるものではなく、そのままコンクリート表面
に残されて砂防ダム表層部となるものであるため、コン
クリート4の水和反応による硬化(養生)が充分に行わ
れる。なお、PCa型板21,21の裏面は、前記コン
クリート4との接合性を向上させるために、好ましくは
刷毛引きや洗い出しによる粗面加工が施され、あるいは
ジベル筋やコッタ等が設けられる。
【0024】コンクリート4に適当な強度が発現された
ら、図1(C)に示すように、第一段目の型枠21 の上
に第二段目の型枠22 をクレーン3によって吊り込んで
設置する。この第二段目の型枠22 におけるPCa型板
21,21は、第一段目の型枠21 におけるPCa型板
21,21と連続した斜面を形成するように、支保体2
2によって連結されている。そしてこの第二段目の型枠
2 におけるPCa型板21,21の下端部は、図8
(A)又は(B)に示すような金具5及びこれに挿通さ
れるボルト6を介して、硬化した後打ちコンクリート部
1 の両側の表層部21’,21’(第一段目の型枠2
1 におけるPCa型板21,21)の上端部に仮固定さ
れる。また好ましくは図9(A)〜(C)に示すよう
に、PCa型板21,21の上端面と、その上段に設置
される型枠のPCa型板21,21の下端面のうち一方
に突条21b,21bを形成し他方にこの突条と嵌合可
能な溝21c,21cを形成することによって、上段の
型枠をその下段の型枠に対して確実に位置決めすると共
に、コンクリートの打設時の漏れ防止を図る。
【0025】第二段目の型枠22 の設置・固定が終わっ
たら、そのPCa型板21,21の間であって硬化した
後打ちコンクリート部4’の上のコンクリート打設空間
2に、図1(B)と同様にしてコンクリート4を打設
する。そしてこのコンクリートは、図1(D)に示すよ
うに、打設後経時的に硬化して行くことによってその下
側の後打ちコンクリート部4’と一体的に接合されると
共に、第二段目の型枠22 におけるPCa型板21,2
1と一体的に接合される。
【0026】以下、上述のような工程を所要回数繰り返
して行うことによって、後打ちコンクリート部4’とそ
の両側の表層のプレキャスト部21’,21’からなる
所定高さの砂防ダムが構築される。
【0027】砂防ダムの天端部の施工においては、図1
(D)に示すように、最上段の型枠2n におけるPCa
型板21,21の上端部外側面にこの型枠2n の上方へ
突出する木製、鋼材製あるいは合成樹脂製の型板7,7
を取り付け、コンクリート4を、前記型枠2n における
PCa型板21,21の上側の高さ、すなわち前記型板
7,7間の空間に達するまで打設する。このようにすれ
ば、PCa型板21,21の上端部が後打ちコンクリー
トによって上から包み込まれた接合構造となるので、砂
防ダムの天端部に最上段のPCa型板21,21の反り
による亀裂が発生せず、この亀裂からの雨水の浸透によ
る表層プレキャスト部21’の剥離が発生しない。ま
た、最上段の型枠2n におけるPCa型板21,21の
上端部を支保体22の一部である剥離防止用の鉄筋22
4で互いに連結した構造とすることも、前記亀裂の発生
を防止する手段として有効である。なお、型板7,7
は、最上段に打設したコンクリート4が硬化した後で取
り外される。
【0028】図10は、本発明に係る壁状コンクリート
構築物の構築方法を砂防ダムの構築に適用した第二の実
施形態を工程順に示すものである。この実施形態におい
てはプレパックドコンクリートの打設による工法、すな
わち粗骨材41の投入後にモルタル42を注入するとい
った工法を採用し、また型枠2として、PCa型板2
3,23が先に説明した図1の実施形態における第一段
目の型枠21 から最上段の型枠2n までの各PCa型板
21,21を連続させた長さを有するものを用いてい
る。
【0029】図11に示すように、PCa型板23,2
3は、後打ちコンクリートからの側圧が小さい上部ほど
肉厚が小さくなる形状に成形され、また、両PCa型板
23,23を互いに連結する支保体24には鉄筋が用い
られ、これによって型枠2の重量増大を可能な限り軽減
して、クレーン3による吊り込みの容易化を図ってい
る。また、PCa型板23,23は上部ほど対向間隔が
小さくなるように互いに傾斜した状態で前記支保体24
に保持されている。肉厚が高さ方向に異なるPCa型板
23,23は、図12に示すように、PCa板成形用の
金型8を傾けて使用することによって成形することがで
き、この成形の際に、鉄筋からなる支保体24の一部を
金型8内に配置することによって、この支保体24に一
体化することができる。
【0030】この実施形態においては、まず図10
(A)に示すように、工場あるいは現場近くの安全なエ
リアで製作された型枠2をクレーン3によって現場の基
礎コンクリート1の上に設置・固定したら、同(B)に
示すように、PCa型板23,23間の打設空間Sに礫
や砕石等の粗骨材41を投入する。なお、前記PCa型
板23,23の上端部外側面には、予めこの型枠2の上
方へ突出する型板7,7を取り付けておく。
【0031】次に図10(C)に示すように、粗骨材4
1が投入された打設空間Sにモルタル42を注入する。
モルタル注入用のパイプ9は、その吐出口9aが前記打
設空間Sの下部に達するように、粗骨材41の投入過程
で型枠2内に通されている。このようにすれば、注入さ
れたモルタル42は自らの圧力によって粗骨材41の間
の間隙に確実に侵入し充填される。また、前記パイプ9
は注入されたモルタル42の上面が上昇するのに伴って
徐々に上方へ引き抜いて行けば良い。
【0032】モルタル42の注入は、その上面レベルが
PCa型板23,23の上側すなわち型板7,7間の空
間に達した時点で終了する。注入されたモルタル42
は、その後経時的に硬化するのに伴って粗骨材41同士
を結合したコンクリートになると共に、基礎コンクリー
ト1及びPCa型板23,23と一体接合状態になり、
これによって図10(D)に示すように、後打ちコンク
リート部4’とその両側の表層のプレキャスト部2
3’,23’からなる砂防ダムが構築される。なお、型
板7,7は、モルタル42の硬化後に取り外される。
【0033】なお、本発明は、図示の実施形態によって
限定的に解釈されるものではない。例えば、図11に示
すようにPCa型板23,23が砂防ダムの天端部近傍
の高さまで連続した型枠2は、第一の実施形態で説明し
たレディミクストコンクリートの打設による工法に使用
しても良いし、逆に、第一の実施形態で説明した高さ方
向に分割された型枠21 〜2n を、第二の実施形態のよ
うなプレパックドコンクリートの打設による方法に用い
ることもできる。
【0034】また、上述の実施形態は砂防ダムを構築す
る場合について説明したが、本発明は、このような砂防
ダムのほか、小規模なダムや重力擁壁等の構築にも適用
することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によると、次のような効果が実現
される。 (1) 現場以外の箇所で組み立てあるいは製作した型枠を
現場に設置してコンクリートを打設し、打設後は前記P
Ca型板を解体する必要がないので、危険な現場での作
業員の滞在時間を著しく短縮して安全性を有効に高める
ことができる。 (2) PCa型板の上端部を後打ちコンクリートで上から
包み込むことによって、PCa型板と後打ちコンクリー
トとの境界に沿った亀裂が発生せず、前記境界へ雨水が
浸透することがないので、天端面への防水工事が不要に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る壁状コンクリート構築物の構築方
法を砂防ダムの構築に適用した第一の実施形態を工程順
に示す説明図である。
【図2】上記実施形態において使用される型枠の一例を
示す斜視図である。
【図3】上記実施形態において使用される型枠の他の例
を示す斜視図である。
【図4】上記実施形態において使用される型枠の他の例
を示す斜視図である。
【図5】上記実施形態において使用される型枠の他の例
を示す斜視図である。
【図6】図5に示す型枠のPCa型板と支保体の連結構
造を例示した説明図である。
【図7】上記実施形態において使用される型枠の他の例
を示す斜視図である。
【図8】上記実施形態における上下の型枠の連結に使用
される金具を例示した説明図である。
【図9】上記実施形態における上下の型枠のPCa型板
同士の嵌合構造を例示した説明図である。
【図10】本発明に係る壁状コンクリート構築物の構築
方法を砂防ダムの構築に適用した第二の実施形態を工程
順に示す説明図である。
【図11】上記実施形態において使用される型枠の一例
を示す斜視図である。
【図12】上記型枠のPCa型板の成形方法を概略的に
示す説明図である。
【図13】従来技術による壁状コンクリート構築物の構
築方法の一例を工程順に示す説明図である。
【図14】従来技術による壁状コンクリート構築物の構
築方法の他の例を工程順に示す説明図である。
【符号の説明】
2,21 〜2n 型枠 21,23 PCa型板 22,24 支保体 4 コンクリート 41 粗骨材 42 モルタル 7 型板
フロントページの続き (72)発明者 桑本 卓 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ方向に互いに対向配置される一対の
    PCa型板を支保体を介して互いに連結した型枠を製作
    する工程と、 この型枠を現場に搬入して所定の施工箇所に設置する工
    程と、 前記両PCa型板の間の空間に後打ちコンクリートを打
    設する工程と、からなることを特徴とする壁状コンクリ
    ート構築物の構築方法。
  2. 【請求項2】 支保体が、両PCa型板間に介在される
    枠状PCaウェブ板と、前記両PCa型板の内側面から
    互いに対向する方向へ突設された螺子軸と、この双方の
    螺子軸に螺合する螺子継手を備えるターンバックルとか
    らなり、 型枠を製作する工程では前記ターンバックルの両螺子軸
    に対する緊張力によって前記枠状PCaウェブ板の両端
    面に前記両PCa型板の内側面を圧接固定させることを
    特徴とする請求項1に記載の壁状コンクリート構築物の
    構築方法。
  3. 【請求項3】 支保体が、両PCa型板内から延在され
    た多数の鉄筋又は金属棒からなることを特徴とする請求
    項1に記載の壁状コンクリート構築物の構築方法。
  4. 【請求項4】 支保体が、両端を両PCa型板と一体化
    された枠状PCaウェブ板からなることを特徴とする請
    求項1に記載の壁状コンクリート構築物の構築方法。
  5. 【請求項5】 壁状コンクリート構築物の天端部におけ
    る後打ちコンクリートを、両PCa型板の上端部の上側
    の高さまで打設することを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の壁状コンクリート構築物の構築方法。
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