JPH11218084A - ギヤポンプ及びこれを用いた動力舵取装置 - Google Patents

ギヤポンプ及びこれを用いた動力舵取装置

Info

Publication number
JPH11218084A
JPH11218084A JP10021332A JP2133298A JPH11218084A JP H11218084 A JPH11218084 A JP H11218084A JP 10021332 A JP10021332 A JP 10021332A JP 2133298 A JP2133298 A JP 2133298A JP H11218084 A JPH11218084 A JP H11218084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
oil
gears
chamber
gear pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10021332A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Shidahara
靖 志田原
Yousuke Shimizu
要祐 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP10021332A priority Critical patent/JPH11218084A/ja
Publication of JPH11218084A publication Critical patent/JPH11218084A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギヤ及びサイドプレート間の隙間の油膜を剪
断するときの摩擦エネルギーと、ギヤ及びサイドプレー
トが金属同志の接触となる場合の摩擦エネルギーとを低
減でき、ギヤの回転トルクの損失を低減できるようにす
る。 【解決手段】 一対のギヤ1,2の両側面と対向するサ
イドプレート4,5の吐出室側におけるギヤ1,2の歯
11,21の回動域に面する位置に、ギヤ室30内の作
動油を滞留保持する油留まり部43,53を設けて、ギ
ヤ1,2及びサイドプレート4,5間の摩擦エネルギー
を低減し、ギヤ1,2の回転トルクの損失を低減して、
所定圧への昇圧時間を短縮できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対のギヤが噛み
合って回転することによりポンプ作用をなすギヤポン
プ、及びこのギヤポンプを作動油の発生源として備える
油圧式の動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ギヤポンプは、例えば図9に示す如く内
部に設ける一対のギヤ101,102の噛み合い部を境
として吸込室及び吐出室に区画されるギヤ室103を備
えたハウジング104の前記ギヤ室103内に、一側面
が前記各ギヤ101,102の両側面と対向するサイド
プレート105,106を備えており、これらサイドプ
レート105,106の他側面に設けられた溝に、各サ
イドプレート105,106をギヤ101,102に押
付ける低高圧仕切用の封止部材107を保持している。
【0003】この封止部材107は、サイドプレート1
05,106の他側面の前記吐出室との対応位置に略3
字形に配置され、サイドプレート105,106の他側
面及びギヤ室103の側面間の隙間K1を、前記吸込室
と連通する吸込側隙間と前記吐出室に連通する吐出側隙
間とに区画して吐出室に吐出された所定圧の作動油が吸
込室へ逆流するのを防ぐように構成されている。
【0004】このギヤポンプは、サイドプレート10
5,106の他側面及びギヤ室103の側面間に配置さ
れた封止部材107によるサイドプレート105,10
6のギヤ101,102への押付けと、吐出室からサイ
ドプレート105,106の他側面及びギヤ室103の
側面間の吐出側隙間に導かれる吐出圧力によるサイドプ
レート105,106のギヤ101,102への押付け
とにより、吐出室の所定圧の作動油がギヤ101,10
2及びサイドプレート105,106間の隙間K2から
吸込室へ逆流するのを有効に防ぐことができ、吐出流量
の減少を防ぐことができる。
【0005】以上の如く構成されたギヤポンプは、例え
ば自動車の舵取り機構中に配された油圧アクチュエータ
の発生力により舵取り操作を補助する構成とした動力舵
取装置のギヤポンプとして使用されている。
【0006】この動力舵取装置としてのギヤポンプは、
一般的にエンジンを駆動源として駆動されるが、走行中
に広範囲に回転速度を変えるエンジンは、ギヤポンプの
駆動源として好ましいものではなく、特に、近年におい
ては、米国での燃費規制の強化に対処すべく、燃費の向
上を図ることが重要な課題となっており、前記エンジン
に代えて車載バッテリからの給電により駆動される電動
モータをギヤポンプの駆動源として利用し、エンジンの
無為な動力の消費を可及的に抑えるようにした電動式の
ギヤポンプが用いられるようになっている。
【0007】また、ギヤポンプを備えた動力舵取装置に
おいては、前記油圧アクチュエータへの作動油の送給が
舵取り操作が行われた場合にのみ必要となり、作動油の
送給を常時必要とはしないことから、電動式のギヤポン
プにおいて、駆動用の電動モータへの出力制御により、
作動油の送給が不要である間にはギヤポンプを低速で回
転させておき、必要時にのみギヤポンプを高速回転させ
るスタンバイ運転と、作動油の送給が不要である間には
電動モータへの給電を遮断してギヤポンプを停止してお
き、必要時にのみ電動モータへの給電を行いギヤポンプ
を駆動するオンオフ運転とが採用され、無為な動力の消
費を可及的に抑えて、燃費の向上を図るようにしてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ギヤポンプ
は、上述したようにサイドプレート105,106及び
ギヤ室103の側面間に配置された封止部材107によ
りサイドプレート105,106がギヤ101,102
へ大きな力で押付けられており、さらに、吐出室からサ
イドプレート105,106及びギヤ室103の側面間
の高圧側隙間に導かれる吐出圧力によりサイドプレート
105,106がギヤ101,102へ押付けられて、
ギヤ101,102とサイドプレート105,106と
の接触抵抗が大きくなっており、また、ギヤ101,1
02の側面及びサイドプレート105,106間の隙間
K2の油膜がギヤ101,102の回転で剪断されると
きの剪断力が大きくなっているため、特に動力舵取装置
に使用してオンオフ運転によりギヤポンプを駆動すると
き、所定圧への昇圧時間が長くなり、舵取り操作の補助
に遅れを来すことになるという問題がある。
【0009】即ち、ギヤ101,102の回転が止まっ
ている場合は、吐出室内が低圧であり、前記封止部材1
07によるサイドプレート105,106のギヤ10
1,102への押付力が大きいため、ギヤ101,10
2の側面の全面が各サイドプレート105,106との
間の隙間K2に油膜が殆どない状態で接触し、しかも、
この接触は金属同志の接触となるため、この金属同志の
接触による摩擦エネルギーが回転トルクの損失となる。
また、ギヤ101,102の回転に伴い該ギヤ101,
102の側面及びサイドプレート105,106間の隙
間K2にできる油膜は、その全量が静圧を受けた状態で
ギヤ101,102の回転により剪断されることになる
ため、この油膜の剪断による摩擦エネルギーが回転トル
クの損失となる。
【0010】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、サイドプレートの吐出室側におけるギヤの歯の
回動域に面する位置に油留まり部を設けて、ギヤが回転
して該ギヤの側面が油留まり部を閉じ始めるときから閉
じ終わるとき、及び油留まり部を開き始めるときから開
き終わるときに亘って前記油留まり部を各ギヤの歯間の
油閉込み部と連通させることにより、ギヤの側面及びサ
イドプレート間の隙間の油膜を剪断するときの摩擦エネ
ルギーと、ギヤ及びサイドプレートが金属同志の接触と
なる場合の摩擦エネルギーとを低減できるギヤポンプを
提供し、またこのギヤポンプを作動油の発生源として備
えることにより、操舵補助動作を迅速に行わせることが
できる動力舵取装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るギヤポン
プは、内部に設ける一対のギヤの歯の噛み合い部を境と
して吸込室及び吐出室に区画されるギヤ室内に、一側面
が前記各ギヤの両側面と対向するサイドプレート及びこ
れらサイドプレートの他側面とギヤ室の側面との間に配
置する封止部材を備えてなるギヤポンプにおいて、前記
サイドプレートの前記吐出室側における前記各ギヤの歯
の回動域に面する位置に、前記ギヤ室内の作動油を滞留
保持する油留まり部を具備することを特徴とする。
【0012】第1発明にあっては、ギヤが回転して該ギ
ヤの側面が油留まり部を閉じ始めるときから閉じ終わる
とき、及び油留まり部を開き始めるときから開き終わる
ときに亘って前記油留まり部を各ギヤの歯間の油閉込み
部と連通させることができ、この油留まり部の油閉込み
部との連通により、ギヤの側面が油留まり部を閉じ始め
るときから閉じ終わるとき、及び油留まり部を開き始め
るときから開き終わるときに亘って前記油留まり部に動
圧を作用させることができる。従って、ギヤの側面及び
サイドプレート間の隙間の一部に動圧を作用させた状態
で静圧が作用する部分の油膜を剪断することになるか
ら、この油膜の剪断による摩擦エネルギーを低減でき
る。
【0013】また、ギヤの歯のサイドプレートとの接触
面積を前記油留まり部に見合う分だけ減少できるから、
ギヤの側面及びサイドプレートの接触が金属同志の接触
となる場合の摩擦エネルギーを低減できる。そして、こ
れら油膜の剪断及び金属同志の接触による摩擦エネルギ
ーの低減により、ギヤの回転トルクの損失を低減できる
から、動力舵取装置に使用してオンオフ運転によりギヤ
ポンプを駆動するとき、所定圧への昇圧時間を短縮でき
る。
【0014】第2発明に係るギヤポンプは、前記油留ま
り部が、前記各ギヤの歯よりも小さく形成して、各ギヤ
の周方向に所定間隔を隔てて複数個設けてあることを特
徴とする。
【0015】第2発明にあっては、ギヤが回転すると
き、油閉込み部の昇圧した作動油が隣り合う油閉込み部
へ逆流するのを良好に防止することができるから、吐出
効率を良好にできる。
【0016】第3発明に係る動力舵取装置は、電動モー
タにより駆動される油圧ポンプが送給する圧油に応じて
動作し、車両の舵取機構に操舵補助力を加える油圧アク
チュエータを備える動力舵取装置において、電動モータ
により駆動され、前記油圧アクチュエータへの送給油を
発生する請求項1又は請求項2に記載のギヤポンプと、
舵取り操作の有無を含む走行状態の検出手段と、該検出
手段の検出結果に基づいて前記電動モータをオンオフ制
御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0017】第3発明にあっては、サイドプレートの吐
出室側におけるギヤの歯の回動域に面する位置に設けた
油留まり部の作用により、摩擦エネルギーを低減し、回
転トルクの損失を少なくしたギヤポンプを用いるから、
所定圧への昇圧時間を短縮できるのであり、従って、ギ
ヤポンプから圧油が送給される油圧アクチュエータによ
り所望の操舵補助動作を迅速に行わせることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係るギヤポ
ンプの縦断正面図、図2は図1のX−X線の断面図、図
3はサイドプレートのギヤ側の側面図、図4はサイドプ
レートのギヤと反対側の側面図、図5はサイドプレート
の縦断面図、図6はギヤ及びサイドプレート間の隙間部
分を拡大した断面図、図7は油留まり部とギヤの歯との
関係を示す説明図、図8は動力舵取装置の模式図であ
る。
【0019】図1、図2に示すギヤポンプは、電動モー
タ(図示せず)により駆動用の軸10を介して回転する
駆動用のギヤ1と、該ギヤ1に噛み合う従動用のギヤ2
と、これらギヤ1,2を内蔵するギヤ室30が設けられ
たギヤハウジング3とを備えている。
【0020】各ギヤ1,2は、回転中心部に軸10,2
0を備え、外周部に複数の歯11,21が設けられてい
る。これら歯11,21は、歯元のアンダーカットによ
り噛み合い干渉を逃れた高歯のインボリュートの歯形を
採用している。
【0021】ギヤハウジング3は、一側面に開放され、
各ギヤ1,2の外径に対応する一対の円弧面31a,3
1aが設けられた長円凹所31を有するハウジング本体
3a、及び該ハウジング本体3aの長円凹所31の開放
部を閉鎖して前記長円凹所31をギヤ室30とする蓋体
3bを備え、該蓋体3bが位置決めピン32により位置
決めされた状態で複数本の締付ねじ33により着脱可能
に取付けられている。また、ハウジング本体3aには、
ギヤ室30の円弧面31a,31aの間から前記一側面
に沿ってハウジング本体3aを貫通し、図示しない吸込
先及び吐出先に接続される吸込口34及び吐出口35を
設けている。
【0022】ギヤ室30は、内部に設ける一対のギヤ
1,2の歯11,21の噛み合い部を境として前記吸込
口34が開口する吸込室30a及び前記吐出口35が開
口する吐出室30bに区画される。このギヤ室30内に
は、一側面4a,5aが前記各ギヤ1,2の両側面と対
向するサイドプレート4,5及びこれらサイドプレート
4,5の他側面4b,5bとギヤ室30の側面30c,
30cとの間に配置する封止部材6,6を設ける。尚、
サイドプレート4,5と前記ギヤ1,2及び前記ギヤハ
ウジング3とはアルミニウム合金などの軽金属により形
成している。
【0023】各サイドプレート4,5は、所定間隔を隔
てて一対の軸孔41,41、51,51を設け、これら
軸孔41,51に前記各ギヤ1,2の軸10,20を挿
嵌して各ギヤ1,2を回転自在に支持し、各ギヤ1,2
の歯11,21とギヤ室30の円弧面31a,31aと
の間に油閉込み部1a,2aを設けるようにしている。
【0024】各サイドプレート4,5の他側面4b,5
bには、各軸孔41,51のほぼ1/2を囲むようにし
て連続する略3字形の湾曲溝42,52を設け、該湾曲
溝42,52に前記封止部材6,6を挿入保持して、該
封止部材6,6により、サイドプレート4,5の他側面
4b,5b及びギヤ室30の側面30c,30cの間の
隙間K1を、前記吸込室30aに連通する吸込側隙間と
前記吐出室30bに連通する吐出側隙間とに区画して吐
出室30bに吐出された所定圧の作動油が前記隙間K1
から吸込室30aへ逆流するのを防ぐように構成されて
いる。
【0025】さらに、サイドプレート4,5には、一側
面4a,5aの前記吐出室30b側における各ギヤ1,
2の歯11,21の回動域に面する位置に、前記ギヤ室
30内の作動油を滞留保持する複数個の油留まり部4
3,53を設ける。
【0026】油留まり部43,53は、各ギヤ1,2の
歯11,21よりも小さく形成して、隣り合う油閉込み
部1a,1a、2a,2aにかけて開口するのを防止
し、各ギヤ1,2の歯11,21が油留まり部43,5
3を閉じて、油閉込み部1a,2aの作動油が隣り合う
油閉込み部1a,2aへ逆流するのを防ぐようにしてい
る。
【0027】図1〜図4に示した油留まり部43,53
は、各ギヤ1,2の歯11,21に対応した間隔で複数
個設けている。詳しくは、歯数が12のギヤ1,2に対
しそれぞれ5個の油留まり部43,53を吐出口35の
近くから各ギヤ1,2の周方向に所定間隔を隔てて設
け、油閉込み部1a,2aの作動油が隣り合う油閉込み
部1a,2aへ逆流するのを良好に防ぐようにしてい
る。
【0028】油留まり部43,53は、図3、図4、図
6に示す如く各ギヤ1,2の歯11,21の厚さよりも
小径であり、適宜の深さを有する断面円錐形の凹所とし
て形成されており、各ギヤ1,2の回転に伴い油閉込み
部1a,2aに開放され、該油閉込み部1a,2aの作
動油が油留まり部43,53に滞留し、さらなるギヤ
1,2の回転により各ギヤ1,2の側面が油留まり部4
3,53を閉じて作動油を油留まり部43,53に滞留
保持することができるようにする。なお、油留まり部4
3,53の形状は断面円錐形である他、長円形などの適
宜の形状であればよい。
【0029】油留まり部43,53を吐出室30b側に
設けるのは、一側面4a,5aの吐出室30bに面する
部分は封止部材6,6及び隙間K1の吐出圧力により押
圧されてサイドプレート4,5のギヤ1,2への押付力
が大きいのに対し、一側面4a,5aの吸込室30aに
面する部分は封止部材6,6による直接の押付けがな
く、しかも、隙間K1の低圧が作用するだけであるか
ら、一側面4a,5aの吐出室30bに面する位置に油
留まり部43,53を設ける。
【0030】封止部材6,6は合成樹脂、合成ゴムなど
の弾性を有する材料により帯状に形成され、サイドプレ
ート4,5の他側面4b,5b及びギヤ室30の側面3
0c,30cの間の隙間K1を吸込側隙間と吐出側隙間
とに区画するとともに、サイドプレート4,5をギヤ
1,2の側面に押付けてギヤ1,2の側面及びサイドプ
レート4,5間の隙間K2,K2を小さくし、油閉込み
部1a,2aの作動油が隣り合う油閉込み部1a,2a
へ逆流するのを防ぐようにしている。
【0031】また、実施の形態のサイドプレート4,5
には、図3、図4に示す如く一側面4a,5a及び他側
面4b,5bに、前記軸孔41,51から吸込室30a
に面する外縁に亘って連通する油溝44,54を設け
て、吸込室30aの作動油の一部を軸孔41,51に導
入して潤滑するようにしている。
【0032】なお、図1中9は駆動用の軸10の周りか
ら外部に作動油が洩れるのを防止する封止材である。
【0033】以上の如く構成されたギヤポンプにおいて
は、電動モータの駆動により駆動用の軸10を介して駆
動用のギヤ1及び該ギヤ1に噛合する従動用のギヤ2が
図2の矢印方向へ回転し、吸込口34からギヤ室30の
吸込室30aへ吸込まれた作動油は、各ギヤ1,2の油
閉込み部1a,2aに閉込れ、これら油閉込み部1a,
2aの作動油が各ギヤ1,2の回転に伴い昇圧して吐出
室30bに吐出され、該吐出口30bからギヤハウジン
グ3外の吐出先へ供給される。
【0034】前記各ギヤ1,2が回転するとき、油閉込
み部1a,2aがサイドプレート4,5の油留まり部4
3,53と連通して、油閉込み部1a,2aの作動油が
油留まり部43,53に入り、さらに隙間K2,K2に
油膜が生ずることになり、また、図7(a),(b)の
如く各ギヤ1,2の側面が油留まり部43,53を閉じ
始めるときから閉じ終わるとき、及び図7(c),
(d)の如く油留まり部43,53を開き始めるときか
ら開き終わるときに亘って前記油留まり部43,53を
各ギヤ1,2の歯11,21間の油閉込み部1a,2a
と連通させることができ、この油留まり部43,53の
油閉込み部1a,2aとの連通により、ギヤ1,2の側
面が油留まり部43,53を閉じ始めるときから閉じ終
わるとき、及び油留まり部43,53を開き始めるとき
から開き終わるときに亘って前記油留まり部43,53
に動圧を作用させることができる。
【0035】また、隙間K2,K2の非油留まり部は静
圧が作用することになるが、ギヤ1,2の歯11,21
の側面及びサイドプレート4,5間の隙間K2,K2
は、油留まり部43,53に動圧を作用させた状態で静
圧が作用する部分の油膜を剪断することになるから、こ
の油膜の剪断による摩擦エネルギーを低減できる。
【0036】また、ギヤ1,2の歯11,21のサイド
プレート4,5との接触面積を前記油留まり部43,5
3に見合う分だけ減少できるから、ギヤ1,2の側面及
びサイドプレート4,5の接触が金属同志の接触となる
場合の摩擦エネルギーを低減できる。そして、これら油
膜の剪断及び金属同志の接触による摩擦エネルギーの低
減により、ギヤ1,2の回転トルクの損失を低減しつつ
運転、停止の繰り返しが可能であり、駆動用のギヤ1の
駆動源として電動モータを用い、該電動モータのオンオ
フ制御により、必要時にのみギヤポンプを駆動するオン
オフ運転が可能である。
【0037】図8は、ラック・ピニオン式の舵取機構を
備えた車両において、本発明に係るギヤポンプを用いて
構成された動力舵取装置の模式図である。ラック・ピニ
オン式の舵取機構は、舵輪7の下側に同軸的に連設され
た舵輪軸70の下端にピニオン71を固設し、該ピニオ
ン71を車体の前部に左右方向へ延設されたラック軸7
2の中間部に噛合させ、舵取りのための舵輪7の回転を
ラック軸72の摺動に変換して、該ラック軸72の両端
に各別に連結された左右一対の前輪73,73の向きを
変えて舵取りを行わせる構成となっている。
【0038】本発明に係る動力舵取装置は、ラック軸7
2の一端側に構成された操舵補助用の油圧シリンダS
と、舵輪軸70の中間に構成された回転式の油圧制御弁
Vとを備えてなり、舵輪7の操作に応じた油圧制御弁V
の動作により油圧シリンダSに圧油を送給し、この送給
に応じて油圧シリンダSが発生する油圧力をラック軸7
2に加え、該ラック軸72の摺動を補助する構成となっ
ている。
【0039】本発明に係るギヤポンプGPは、電動モー
タMを駆動源として回転駆動され、油圧シリンダSへの
送給油の発生源として用いられており、油タンクTから
吸い上げた作動油をその回転により昇圧し、油圧制御弁
Vを経て油圧シリンダSに送給する構成となっている。
【0040】ギヤポンプGPを駆動する電動モータMに
は、マイクロプロセッサを用いてなる駆動制御部8の出
力が、図示しない駆動回路を介して与えられており、前
記電動モータMは、駆動制御部8からの指令に応じてオ
ンオフを含めて駆動制御されるようになしてある。駆動
制御部8の入力側には、舵輪軸70の中間に付設された
操舵角センサ80から、舵輪7の操作角の検出信号が与
えられ、また車速センサ81から、走行速度の検出信号
が与えられている。
【0041】駆動制御部8は、車速センサ81からの入
力に応じて、検出車速の増大に応じて電動モータMの回
転速度を減じる回転速度制御を行う。これにより、ギヤ
ポンプGPから油圧制御弁Vを介して油圧シリンダSに
送給される圧油は、車速の遅速に応じて高低となる圧力
を有するようになり、前輪73,73に作用する路面反
力が大きい低速走行時又は停止時において大なる操舵補
助力が得られ、舵取りのための舵輪7の操作に要する力
が大幅に軽減される一方、前記路面反力が小さい高速走
行時に操舵補助が小さくなり、舵輪7に適度の剛性を付
与して直進安定性を向上させることができる。
【0042】また駆動制御部8は、操舵角センサ80か
らの入力により舵輪7の操作の有無を認識し、この操作
が行われていない間には、出力側の電動モータMにオフ
指令を発し、該電動モータMにより駆動されるギヤポン
プGPを停止せしめる一方、舵輪7の操作が行われてい
る間には、出力側の電動モータMにオン指令を発し、該
電動モータMによりギヤポンプGPを回転駆動せしめる
オンオフ制御動作を行う。
【0043】これにより、車両の走行中であっても、舵
輪7の操作が行われておらず、操舵補助そのものが不要
である間においてはギヤポンプGPが停止せしめられる
ことになり、該ギヤポンプGPの駆動のための動力負担
が大幅に軽減されて、燃費の向上を図ることができる。
一般的な走行状態において舵輪7の操作が行われていな
い時間は、全走行時間の大部分(80%前後)を占める
ことが知られており、この間のギヤポンプGPの停止
は、燃費の向上に対して極めて有効である。
【0044】以上の如きオンオフ制御を行った場合、ギ
ヤポンプGPは、運転及び停止を繰り返すことになる
が、ここに用いられているギヤポンプGPは、サイドプ
レート4,5の吐出室30bに面する位置であり、各ギ
ヤ1,2の歯11,21に面する位置に前述の如く形成
された油溜まり部43,53を備えており、運転及び停
止を繰り返したとしても、摩擦エネルギーが小さく、ギ
ヤの回転トルクの損失が少ないから、所定圧への昇圧時
間を短縮できる。従って、ギヤポンプGPから圧油が送
給される油圧シリンダSにより所望の操舵補助動作を迅
速に行わせることができる。
【0045】
【発明の効果】第1発明に係るギヤポンプによれば、ギ
ヤの側面が油留まり部を閉じ始めるときから閉じ終わる
とき、及び油留まり部を開き始めるときから開き終わる
ときに亘って前記油留まり部に動圧を作用させることが
できるから、ギヤの側面及びサイドプレート間の隙間の
油膜の剪断による摩擦エネルギーを低減でき、また、ギ
ヤの歯のサイドプレートとの接触面積を前記油留まり部
に見合う分だけ減少できるから、ギヤの側面及びサイド
プレートの接触が金属同志の接触となる場合の摩擦エネ
ルギーを低減できる。従って、これら油膜の剪断及び金
属同志の接触による摩擦エネルギーの低減により、ギヤ
の回転トルクの損失を低減できるから、所定圧への昇圧
時間を短縮できる。
【0046】第2発明に係るギヤポンプによれば、ギヤ
が回転するとき、油閉込み部の昇圧した作動油が隣り合
う油閉込み部へ逆流するのを防止することができるか
ら、吐出効率を良好にできる。
【0047】第3発明に係る動力舵取装置によれば、サ
イドプレートの吐出室側におけるギヤの歯の回動域に面
する位置に設けた油留まり部の作用により、摩擦エネル
ギーを低減し、回転トルクの損失を少なくしたギヤポン
プを用いるから、所定圧への昇圧時間を短縮できるので
あり、従って、オンオフ運転によりギヤポンプを駆動す
るとき、ギヤポンプから圧油が送給される油圧アクチュ
エータにより所望の操舵補助動作を迅速に行わせること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るギヤポンプの縦断正面図である。
【図2】図1のX−X線の断面図である。
【図3】本発明に係るギヤポンプのサイドプレートのギ
ヤ側の側面図である。
【図4】本発明に係るギヤポンプのサイドプレートのギ
ヤと反対側の側面図である。
【図5】本発明に係るギヤポンプのサイドプレートの縦
断面図である。
【図6】本発明に係るギヤポンプのギヤ及びサイドプレ
ート間の隙間部分を拡大した断面図である。
【図7】本発明に係るギヤポンプの油留まり部とギヤの
歯との関係を示す説明図である。
【図8】本発明に係る動力舵取装置の模式図である。
【図9】従来例を示すギヤポンプの縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ギヤ 11 歯 2 ギヤ 21 歯 4 サイドプレート 4a 一側面 4b 他側面 43 油留まり部 5 サイドプレート 5a 一側面 5b 他側面 53 油留まり部 6 封止部材 30 ギヤ室 30a 吸込室 30b 吐出室 80 操舵角センサ GP ギヤポンプ V 油圧制御弁 S 油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に設ける一対のギヤの歯の噛み合い
    部を境として吸込室及び吐出室に区画されるギヤ室内
    に、一側面が前記各ギヤの両側面と対向するサイドプレ
    ート及びこれらサイドプレートの他側面とギヤ室の側面
    との間に配置する封止部材を備えてなるギヤポンプにお
    いて、前記サイドプレートの前記吐出室側における前記
    各ギヤの歯の回動域に面する位置に、前記ギヤ室内の作
    動油を滞留保持する油留まり部を具備することを特徴と
    するギヤポンプ。
  2. 【請求項2】 前記油留まり部は、前記各ギヤの歯より
    も小さく形成して、各ギヤの周方向に所定間隔を隔てて
    複数個設けてある請求項1記載のギヤポンプ。
  3. 【請求項3】 電動モータにより駆動される油圧ポンプ
    が送給する圧油に応じて動作し、車両の舵取機構に操舵
    補助力を加える油圧アクチュエータを備える動力舵取装
    置において、請求項1又は請求項2記載のギヤポンプ
    と、舵取り操作の有無を含む走行状態の検出手段と、該
    検出手段の検出結果に基づいて前記電動モータをオンオ
    フ制御する制御手段とを備えることを特徴とする動力舵
    取装置。
JP10021332A 1998-02-02 1998-02-02 ギヤポンプ及びこれを用いた動力舵取装置 Pending JPH11218084A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10021332A JPH11218084A (ja) 1998-02-02 1998-02-02 ギヤポンプ及びこれを用いた動力舵取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10021332A JPH11218084A (ja) 1998-02-02 1998-02-02 ギヤポンプ及びこれを用いた動力舵取装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11218084A true JPH11218084A (ja) 1999-08-10

Family

ID=12052192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10021332A Pending JPH11218084A (ja) 1998-02-02 1998-02-02 ギヤポンプ及びこれを用いた動力舵取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11218084A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015082257A1 (de) * 2013-12-03 2015-06-11 Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg Zahnradpumpe

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015082257A1 (de) * 2013-12-03 2015-06-11 Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg Zahnradpumpe

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8479870B2 (en) Power steering system
JP2007292005A (ja) ポンプ装置およびパワーステアリング装置
JPS58107884A (ja) 電磁制御式可変容量形ベ−ンポンプ
JP4188770B2 (ja) パワーステアリング装置
JP3519544B2 (ja) 電気自動車用減速機のオイルポンプ周り液路
JP2006315429A (ja) パワーステアリング装置
JPH11218084A (ja) ギヤポンプ及びこれを用いた動力舵取装置
JP3845547B2 (ja) パワーステアリング装置
JP2005041301A (ja) パワーステアリング装置
JP2008001251A (ja) ポンプ装置及びこのポンプ装置が適用されるパワーステアリング装置
JP3271333B2 (ja) パワーステアリング装置
JPH1150974A (ja) ギヤポンプ及びこれを用いた動力舵取装置
JPH11245831A (ja) 油圧式動力舵取装置
JPH10167089A (ja) パワーステアリング装置
JP3433533B2 (ja) 歯車ポンプ又はモータ
JP3761645B2 (ja) ギヤポンプの吐出量変更方法及びギヤポンプ
JP4484679B2 (ja) 内接式歯車ポンプ
JP3500440B2 (ja) 動力舵取装置
JP3585261B2 (ja) 油圧モータ
JPH09263251A (ja) 動力舵取装置
JP2544835Y2 (ja) オイルポンプ
JP4334988B2 (ja) パワーステアリング装置
JP3188043B2 (ja) 油圧式動力舵取装置
JPH021504Y2 (ja)
JPH05272466A (ja) 油圧ポンプ装置