JPH11216794A - 透明導電性フィルム用基板 - Google Patents

透明導電性フィルム用基板

Info

Publication number
JPH11216794A
JPH11216794A JP10020809A JP2080998A JPH11216794A JP H11216794 A JPH11216794 A JP H11216794A JP 10020809 A JP10020809 A JP 10020809A JP 2080998 A JP2080998 A JP 2080998A JP H11216794 A JPH11216794 A JP H11216794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent conductive
layer
film
conductive film
cured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10020809A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3983366B2 (ja
Inventor
Toru Hanada
亨 花田
Hitoshi Mikoshiba
均 御子柴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP02080998A priority Critical patent/JP3983366B2/ja
Publication of JPH11216794A publication Critical patent/JPH11216794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3983366B2 publication Critical patent/JP3983366B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性、耐薬品性、ガスバリアー性に優れ、
透明性、光学等方性、層間の密着性が良好でかつカール
の問題のない透明導電性フィルム用基板を提供する。 【解決手段】 透明導電層を設けることにより透明導電
性フィルムとする透明導電性フィルム用基板であって、
該フィルム用基板は、透明高分子からなるフィルムまた
はシート(S)、金属酸化物層(A)および収縮硬化性
樹脂の硬化層(C)からなり、(A)と(C)は(S)
の同一面側にあり、透明導電層は(S)の(A)と反対
面側に設置して用いられ、かつ特定の条件における平面
性が良好な透明導電性フィルム用基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電性フィル
ム用基板に関し、さらに詳しくは透明性、光学等方性、
ガスバリア性、可撓性、層間の密着性等が良好な透明導
電性フィルム用基板に関するものである。かかる基板は
液晶表示装置、光導電性感光体、面発光体、有機エレク
トロルミネッセンス用などの透明基板として利用できる
ものである。
【0002】
【従来技術】近年、ペイジャー、携帯電話、電子手帳、
携帯情報端末等の携帯して移動できる情報機器が普及し
始め、ビジネス或いはライフスタイルの変革期を迎えよ
うとしている。
【0003】これらの情報機器の携帯性を向上するた
め、より一層の薄型化・軽量化、耐破損性が求められて
いる。従来、LCD、タッチパネルの透明電極用基板と
して、重く、厚く、割れやすいガラス基板が用いられて
来たが、これに代わる材料として、透明樹脂基板が提案
されている。しかし、透明樹脂基板は、耐久性、耐溶剤
性、ガスバリアー性等の基本特性がガラス基板より劣っ
ている。
【0004】例えば、透明樹脂基板を、LCD用電極基
板として利用しようとした場合、金属酸化物層を設ける
ことにより、ガスバリアー性は付与される。しかし、透
明電極パターニング後のレジスト剥離工程で、アルカリ
水溶液にさらされるため金属酸化物層が溶解する問題
や、液晶配向膜形成過程で、液晶配向膜の前駆材料をN
−メチルピロリドン等の溶剤に溶解した塗工液をコーテ
ィングする際に、上記溶剤により透明樹脂基板が、白
化、膨潤等の損傷を受ける問題があった。そこで、上記
欠点を改善する目的で、耐薬品性、ガスバリアー性を持
つ剤を透明樹脂基板上に積層するいくつかの提案がなさ
れている。
【0005】特公平5−52002号公報や特公平5−
52003号公報には、高分子フィルムとポリビニルア
ルコールからなる酸素ガスバリアー層との接着性を改善
し、さらには、水蒸気ガスバリアー性を有した透明基板
が記載されている。
【0006】しかし、これらは、ポリビニルアルコール
系高分子が最外層に積層されているため、耐薬品性が不
十分であり、液晶セル製作工程で不都合が生じてしま
う。耐薬品性を持たせるために、上記透明基板において
は、耐薬品性を有する層をさらに設ける必要がありコス
トが割高になる。
【0007】特開平2−137922号公報や特開平5
−309794号公報等には、透明高分子フィルムにア
ンカーコート層、そしてガスバリアー層としてエチレン
−ビニルアルコール共重合体層、更に耐溶剤層として硬
化性樹脂層を順次両面に積層した透明基板が記載されて
いる。しかし、これらは、耐薬品性は満足するものの、
ガスバリアー層の特性から高湿度でのガスバリアー性の
低下の問題がある。更に、6層ものコーティングはコス
トが割高となる。
【0008】さらに、液晶表示素子の透明基板において
は、上記耐薬品性、ガスバリアー性に対する要求のほ
か、特性に関し、下記のような要求または問題がある。
【0009】基板の透明性が低い場合や複屈折がある場
合、表示の着色・コントラストの低下等の問題が生じ
る。
【0010】また、平面性が低い場合、液晶層のギャッ
プが均一でなくなる上、液晶配向にもムラが生じたり、
基板自体も光学的なムラが発生するために、表示色にム
ラが生じる。
【0011】また、機械的、熱的影響や溶剤に曝された
時に、容易にこれらの平面性、透明性、ガスバリアー性
が悪化してしまうのでは、軽薄、形状の自由、曲面表示
という特徴を生かした実用性が低下し、ペイジャー、携
帯電話、電子手帳、ペン入力機器などの外的影響が大き
く作用する用途への適応は困難となってしまう。特に機
械的影響に対して、この様な特性を維持するためには、
特性発現のために積層された各層間の良好な密着性も要
求される。
【0012】さらには、この様な耐溶剤性を有するコー
ティング層を積層した透明樹脂基板に、大きなカールが
ある場合、あるいは例えば水洗や加熱等の処理中または
処理後にカールが生じると、パネル製造時に工程トラブ
ルを生じ生産性や歩留まりの低下を招くことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決しようとするものであり、耐久性、耐薬品
性、ガスバリアー性に優れ、しかも上記のような透明
性、光学等方性、層間の密着性が良好でかつカールの問
題のない透明導電性フィルム用基板を提供することを目
的とし、さらに、表裏間の滑り性がよく、フィルム基板
を巻き取る際に凹凸状変形などを生じず、後加工適性に
も優れた透明導電性フィルムを提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、以下の発
明により達成される。すなわち、本発明は、透明導電層
を設けることにより透明導電性フィルムとする透明導電
性フィルム用基板であって、該フィルム用基板は、透明
高分子からなるフィルムまたはシート(S)、金属酸化
物層(A)および収縮硬化性樹脂の硬化層(C)を含有
し、(A)と(C)は(S)の同一面側にあり、透明導
電層は(S)の(A)と反対面側に設置して用いられ、
さらに10cm角の該フィルム用基板を(1)常温下で
水平な支持板上に、透明導電層を設ける面が下になるよ
うに置いたとき、該フィルム用基板の四隅の支持板から
の高さの最大値が10mm以下であり、かつ、(2)該
透明高分子からなるフィルムまたはシートのTgよりも
10℃低い温度に加熱した水平な支持板上に透明導電層
を設ける面が上になるように置いたとき、該フィルム基
板の四隅の支持板からの高さの最大値が10mm以下で
ある、ことを特徴とする透明導電性フィルム用基板であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における透明高分子からなるフィルムまたはシー
ト(S)を構成する材料としては、透明性、耐熱性が良
い透明高分子であれば特に限定しない。本発明の透明導
電性フィルム用基板に導電層を設置して、LCDの電極
基板として用いる場合やLCD電極基板と偏光板との間
に設置されたタッチパネルの電極基板として用いる場合
には、透明高分子からなるフィルムまたはシートは、公
知の測定装置を用いて測定した波長590nmにおける
複屈折の屈折率の差△nと膜厚dとの積△n・dで表さ
れるリターデーション値が30nm以下、かつ、遅相軸
のバラツキが±30度以内の光学等方性を有するもの、
さらに好ましくはリターデーション値が20nm以下、
かつ、遅相軸のバラツキが±15度以内の高度の光学等
方性を有するものがよい。このような透明高分子からな
るフィルムまたはシートとしては、ポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスル
ホン等のポリスルホン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
セルローストリアセテート等のアセテート系樹脂、ポリ
アクリレート系樹脂、各種熱硬化樹脂等のフィルム又は
シートであることが好ましい。なかでも、上記透明性、
及び光学異方性が少ないという光学特性の観点から、ポ
リカーボネート系樹脂を主成分とするフィルムまたはシ
ートがよりふさわしい。該フィルムまたはシートの厚さ
は0.05〜0.4mmの範囲が好ましい。厚さが0.
05mmよりも小さいと充分な剛性がなくパネル加工時
に変形しやすく取り扱いが難しい。また、0.4mmよ
りも大きいとカールは生じにくくなるが、ロール・ツー
・ロール方式による透明導電層の形成において生産性が
低下する。
【0016】本発明における金属酸化物層(A)として
は、珪素、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛から
なる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分
とする金属酸化物を挙げることができる。これらは、ガ
スバリア性に優れている材料として知られているもので
ある。これら酸化物の層は例えばスパッタ法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気
相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積膜形成法
により作製することができる。
【0017】この中でも、ガスバリア性、透明性、表面
平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から珪素原子数
に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0の珪素酸化
物を主成分とする金属酸化物が良好である。
【0018】珪素酸化物の珪素原子数に対する酸素原子
数の割合は、X線光電子分光法、X線マイクロ分光法、
オージェ電子分光法、ラザホード後方散乱法などにより
分析、決定される。この割合が1.5よりも小さくなる
と屈曲性、透明性が低下することから、1.5〜2.0
が好ましい。
【0019】該金属酸化物層(A)の厚さとしては、5
〜200nmの範囲が好ましい。5nmよりも薄くなる
と均一に膜を形成することは困難であり、膜が形成され
ない部分が発生し、この部分からガスが浸透し、ガスバ
リアー性が悪くなる。また、200nmよりも厚くなる
と透明性を欠くだけでなく、屈曲性が悪く、クラックが
発生してガスバリアー性が損なわれることがある。ま
た、金属酸化物層(A)の製膜方法により特性は異なる
が、一般的に(A)の膜厚が大きくなるにつれて金属酸
化物層の残留応力が大きくなるので、本発明の透明導電
性フィルム用基板は、金属酸化物層形成後のカールが大
きくなる。
【0020】更により高い透明性の要求に対してはフッ
化マグネシウムを全体の重量に対して5〜30重量%含
有されている、上記の珪素酸化物が好ましい。
【0021】次に本発明における硬化樹脂層(B)およ
び硬化樹脂層(D)については、接着性が良好なもの
で、耐薬品性、耐屈曲性を有するものがよい。その際、
工程上及び経済的な観点から、硬化樹脂層(B)と硬化
樹脂層(D)は同種の樹脂が好ましいが、非対称性にし
た場合、例えば強いカール変形等が無ければ異なる材料
を用いてもよい。硬化樹脂層(B)と硬化樹脂層(D)
に同種の樹脂を用いる場合は、本発明の透明導電性フィ
ルム用基板のカール変形を少なくする目的で(B)と
(D)の膜厚をほぼ等しくすることが好ましい。
【0022】この様な硬化樹脂層(B)および硬化樹脂
層(D)を与える硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性
エポキシ樹脂、紫外線硬化性アクリル樹脂等の放射線硬
化性樹脂、ビニルアルコール系ポリマーと、エポキシ基
含有珪素化合物、アミノ基含有珪素化合物等の珪素含有
化合物とを混合して加熱し架橋反応させて得られる熱硬
化性珪素含有ビニルアルコール系樹脂を挙げることがで
きる。
【0023】熱硬化性エポキシ樹脂は耐溶剤性の観点か
らノボラック型のエポキシ樹脂が好ましい。かかる熱硬
化性エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤としては、公知の
物が適用できる。例えば、アミン系、ポリアミノアミド
系、酸及び酸無水物、イミダゾール、メルカプタン、フ
ェノール樹脂等の硬化剤が用いられる。
【0024】なかでも、耐溶剤性、光学特性、熱特性等
より、酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマーまたは
脂肪族アミン類が好ましく用いられ、更に好ましくは酸
無水物及ぶ酸無水物構造を含むポリマーである。
【0025】さらに、反応速度を上げるために公知の第
三アミン類やイミダゾール類等の硬化触媒を適量加える
ことが好ましい。
【0026】放射線硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の
放射線を照射することにより硬化が進行する樹脂を指
し、具体的には分子あるいは単体構造内にアクリロイル
基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を
含む樹脂のことである。これらの中でも特に反応性の面
から、アクリロイル基を含むアクリル系樹脂が好まし
い。該放射線硬化性樹脂は一種類の樹脂を用いても、数
種の樹脂を混合して用いてもかまわないが、耐溶剤性の
観点から分子あるいは単位構造内に2個以上のアクリロ
イル基を有する多官能アクリレート成分を有するアクリ
ル系樹脂を用いることが好ましい。こうした多官能アク
リレート樹脂としては、例えばジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート等の各種アクリレート
モノマーや、ポリエステル変性もしくはウレタン変性の
多官能アクリレートオリゴマー等が挙げられるが、これ
らに限定されるのではない。
【0027】この様な放射線硬化性樹脂として、特にア
クリル系樹脂を用いた場合、更なる密着性、耐溶剤性を
付与する目的で下記式(1)および/または(2)で表
されるアルコキシシランの加水分解物を固形分の重量比
率で75重量%以下となる範囲内になるように混合し
た、紫外線硬化性珪素含有アクリル系樹脂が好適であ
る。
【0028】
【数1】R1−Si(OR23 (1) Si(OR24 (2)
【0029】上記式において、R1はメチル基、エチル
基もしくはビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル
基、アミノ基、エポキシ基を含む有機基、R2はメチル
基、エチル基、プロピル基を示す。該アルコキシシラン
の混合比率が75重量%を超えると逆に耐溶剤性、硬化
性が低下する傾向がみられ好ましくない。
【0030】特に、上記珪素含有アクリル系樹脂を、上
記金属酸化物層(A)に接するようにして用いる場合に
は、上記アルコキシシランの加水分解物を5重量%以上
混合することにより、(A)との密着性が優れ、ガスバ
リアー性がより向上するので好ましい。
【0031】紫外線硬化法を用いる場合には、前述の放
射線硬化性樹脂に公知の光反応開始剤を適量添加する。
例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−
(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプ
ロパン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、
ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベ
ンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸のベンゾフェノン系
化合物、チオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサン
ソン等のチオキサン系化合物が挙げられる。また、より
硬化性を向上するためには、トリエタノールアミン、メ
チルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸
エチル等の公知の反応開始助剤を適量添加することも効
果的である。
【0032】熱硬化性珪素含有ビニルアルコール系樹脂
は、ポリビニルアルコール系ポリマーと、珪素含有化合
物とを含む硬化性樹脂を好ましく用いることができる。
特に、この硬化樹脂層を上記(A)と接して用いる場合
には、珪素含有化合物としてエポキシ基含有珪素化合物
および/またはアミノ基含有珪素化合物を用いると、
(A)との密着性が非常に優れるのでより好適である。
【0033】ポリビニルアルコール系ポリマーは、公知
の市販のものが適用でき、例えばビニルアルコール成分
およびビニルアルコール共重合体成分よりなる群から選
ばれた少なくとも1種を50モル%以上含有する高分子
が適用される。なお、このビニルアルコール共重合体と
しては、例えばビニルアルコール−酢酸ビニル共重合
体、ビニルアルコールビニルブチラール共重合体、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体、あるいは分子内にシ
リル基を有するポリビニルアルコール系高分子等が挙げ
られる。
【0034】また、耐薬品性、密着性の点から、ケン化
度80%以上のポリビニルアルコール、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、分子内にシリル基を有するポリ
ビニルアルコール系高分子が好ましく、更に好ましくは
エチレン−ビニルアルコール共重合体である。
【0035】エポキシ基含有珪素化合物はエポキシ基及
びアルコキシシリル基を有する珪素化合物、その(部
分)加水分解物、その(部分)縮合物、及びこれらの混
合物からなる群から選ばれ、例えば下記式(3)で表さ
れる。
【0036】
【数2】 X−R3−Si(R4n(OR53-n (3)
【0037】ここで、R3は炭素数1〜4のアルキレン
基、R4及びR5は炭素数1〜4のアルキル基、Xはグリ
シドキシ基またはエポキシシクロヘキシル基であり、n
は0または1である。
【0038】特に好ましいエポキシ基含有珪素化合物と
しては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランである。これらの化合物は単独で用い
ても、2種以上を併用してもよい。
【0039】アミノ基含有珪素化合物はアミノ基及びア
ルコキシシリル基を有する珪素化合物、その(部分)加
水分解物、その(部分)縮合物、及びこれらの混合物か
らなる群から選ばれ、例えば下記式(4)で表される。
【0040】
【数3】 Y−HN−R6−Si(R7m(OR83-m (4)
【0041】ここで、R6は炭素数1〜4のアルキレン
基、R7及びR8は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水素
原子またはアミノアルキル基であり、mは0または1で
ある。
【0042】この中で特に好ましいアミノ基含有珪素化
合物は3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル
メチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ランである。これらの化合物は単独で用いても、2種以
上を併用してもよい。
【0043】なお、本発明におけるエポキシ基含有珪素
化合物ならびにアミノ基含有珪素化合物の(部分)加水
分解物及びその(部分)縮合物は、上述のエポキシ基含
有珪素化合物ならびにアミノ基含有珪素化合物の一部ま
たは全部が加水分解したもの、該加水分解物の一部又は
全部が縮合反応した縮合物、及び該縮合物と加水分解し
ていない原料のエポキシ基含有珪素化合物ならびにアミ
ノ基含有珪素化合物とが縮合したものであり、これらは
いわゆるゾルゲル反応させることにより得られるもので
ある。
【0044】エポキシ基含有珪素化合物とアミノ基含有
珪素化合物の混合比率は、エポキシ基モル当量換算量
A、アミノ基モル当量換算量Bの比率で1/6<A/B
<6/1の範囲内が好ましく、更に好ましくは1/4<
A/B<4/1である。混合比がこの範囲から外れる場
合、密着性、耐熱性、耐溶剤性、耐水性、耐久性が低下
する。この様なエポキシ基含有珪素化合物とアミノ基含
有珪素化合物の混合物をポリビニルアルコール系ポリマ
ーに混合するに際し、硬化後の固形分の重量比率で20
〜90重量%となるように混合する。20重量部よりも
少ない場合、耐水性、耐薬品性に劣り、90重量%より
も多い場合、ガスバリア性が低下する。
【0045】本発明における収縮硬化性樹脂の硬化層
(C)は、熱または放射線硬化樹脂からなり、透明高分
子からなる上記フィルムまたはシート(S)上に積層し
た際に硬化収縮によりかかるフィルムまたはシートを凹
にカールさせるものである。したがって、前述の金属酸
化物層(A)をかかるフィルムまたはシート上に設ける
際に生じる金属酸化物積層面の凸状のカールは、かかる
透明高分子からなるフィルムまたはシート(S)上の
(A)を積層する面側と同じ面側に積層することによっ
て矯正し、フラットな透明導電性フィルム用基板とする
ことができる。該収縮硬化性樹脂の硬化層(C)のカー
ルの程度は使用する樹脂の硬化収縮率と膜厚により変わ
り、(A)により生じるカールの大きさにより調整して
用いることができる。すなわち、常温下で10cm角の
大きさの本発明の透明導電性フィルム用基板を水平な支
持板上に金属酸化物層(A)を積層した面が上になるよ
うに置いたときに、該フィルム用基板の四隅の支持板か
らの高さの最大値が0mm〜10mmの範囲になるよう
に調整して用いればよい。
【0046】このような収縮硬化性樹脂の硬化層(C)
を与える収縮硬化性樹脂としては、適度な硬化収縮性、
耐薬品性、透明性、良好な密着性を有する必要があり、
例えば、ポリシロキサン系熱硬化樹脂やメラミン系熱硬
化樹脂、多官能アクリレート系紫外線硬化樹脂等が挙げ
られる。特に、硬化樹脂層として前述の放射線硬化性樹
脂、あるいは、熱硬化性珪素含有ポリビニルアルコール
系樹脂を用い、該硬化樹脂層に収縮硬化性樹脂の硬化層
(C)が接する場合は、密着性の点で収縮硬化性樹脂と
してポリシロキサン系熱硬化性樹脂を用いるのが好まし
い。
【0047】上述の金属酸化物層(A)及び硬化樹脂層
(B)、収縮硬化性樹脂の硬化層(C)ならびに硬化樹
脂層(D)は、透明高分子からなるフィルムまたはシー
トを(S)としたときに、(D)/(S)/(A)/
(B)/(C)、(D)/(S)/(A)/(C)/
(B)、(D)/(S)/(B)/(A)/(C)、
(D)/(S)/(B)/(C)/(A)、(D)/
(S)/(C)/(A)/(B)、(D)/(S)/
(C)/(B)/(A)の順で積層することが、カール
の点で好ましく、さらにこれらのうち、(A)と(B)
が接するようにして積層するものが、ガスバリア性がい
っそう向上するので好ましい。
【0048】本発明の透明導電性フィルム用基板の上記
(S)の(A)と反対面側に透明導電層を設けることに
より透明導電性フィルムが得られる。ここで、透明導電
層としては、公知の金属膜、金属酸化物膜等が適用でき
るが、中でも、透明性、導電性、機械的特性の点から、
金属酸化物膜が好ましい。例えば、不純物としてスズ、
テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ
素等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウム及び酸
化スズ、不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜
鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。中でも
酸化スズを2〜15重量%含有した酸化インジウム(I
TO)の薄膜が、透明性、導電性が優れており、好まし
く用いられる。
【0049】上述のような積層順の透明導電性フィルム
用基板は、10cm角の該フィルムを、常温下で水平な
支持板上に透明導電層を設ける面が下になるように置い
たとき、該フィルム用基板の四隅の支持板からの高さの
最大値が10mm以下の範囲にあり、かつ、該透明高分
子からなるフィルムまたはシートのTgよりも10℃低
い温度に加熱した水平な支持板上に透明導電層を設ける
面が上になるように置いたときに、該フィルム用基板の
四隅の支持板からの高さの最大値が10mm以下にな
る。支持板からの高さの最大値が10mmよりも大きく
なると、透明導電性フィルムを製造する際のパネル化工
程で、具体的にはレジスト塗布時にスピナーヘッドまた
はロールコータ基台に吸着することができなくなった
り、さらに、洗浄時や乾燥時に基板ホルダーやキャリヤ
ーに容易に収納できない等の種々の不具合が発生して、
パネル製造が非常に困難になってしまう。
【0050】本発明においては、上記金属酸化物層
(A)、硬化樹脂層(B)、収縮硬化性樹脂の硬化層
(C)、および硬化樹脂層(D)を形成する際に、密着
性を更に向上させるために活性化処理や、下地層の積層
を行っても良い。表面活性化処理としては例えばコロナ
放電処理、プラズマ放電処理等がある。また、下地層と
しては例えば親水基を有するポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂硬化物、フェノキシ樹脂硬化
物、及びイオン性高分子錯体等がある。
【0051】さらに、本発明の透明導電性フィルム用基
板を巻き取る際にフィルム間の接触面積を低減させて滑
り性を付与するための目的で、透明導電層を積層する面
と反対の面の最外層に微粒子を含有させることができ
る。ここで、微粒子としては比較的透明性を損なうこと
が少ないという点で、例えば酸化珪素、酸化チタン、タ
ルク、カオリナイト、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ア
クリル系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレ
タン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ナイロン系樹脂
などの粒子が挙げられる。これらの微粒子の平均粒子径
は0.5〜5μmの範囲が好ましい。平均粒子径が0.
5μm未満では滑り性が不足し、5μmよろも大きいと
滑り性は良好であるが、光学特性が悪化する。
【0052】このように微粒子を含有する層の表面粗さ
は、滑り性の点から、中心面平均粗さ(SRa)で5〜
20nmの範囲が好ましい。5nm未満では滑り性が不
十分で、20nmよりも大きいとロールに巻いた際に、
微粒子を含有する面と反対の面に転写痕が生じる場合が
ある。ここで、中心面平均粗さ( SRa )とは、JI
S B 0601の中心線平均粗さ(Ra)を、3次元
に拡張したものであり、次のように定義する。まず粗さ
曲面から、その中心面上に面積Smの部分を抜き取る。
そしてこの抜き取り部分の中心面上に、直交座標軸とし
て、X軸とY軸を置く。さらに中心面に直交する軸をZ
軸とし、粗さ曲面をz=f(x,y)で表す。そしてこ
のときに、次の式によって求められる値SRa(μm)
を、中心面平均粗さと呼ぶ。但し、Lx・Ly=Smで
ある。
【0053】
【数4】
【0054】上述の硬化樹脂層(B)、収縮硬化性樹脂
の硬化層(C)、硬化樹脂層(D)は、これらを与える
コーティング組成物を、透明高分子からなるフィルムま
たはシート(S)上の最表面に湿式塗工することにより
形成される。塗工方法としては、例えばリバースロール
コート法、マイクログラビアコート法、ダイレクトグラ
ビアコート法、キスコート法、ダイコート法等の公知の
方法が用いられる。また、適当な有機溶媒で樹脂組成物
の希釈を行うことにより、塗液粘度の調製や層の膜厚調
製が可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、光学等方性、
平滑性、耐久性、耐溶剤性に優れ、環境によるガスバリ
ア性の変化が少なく、可撓性、層間の密着性が良好であ
る。そして、なによりカールの問題がない、特に透明高
分子からなるフィルムまたはシートのガラス転移温度
(Tg)よりも10℃低いという非常に高い温度に加熱
しても、極めてカールしにくく平面性が良好な透明導電
性フィルム用基板を提供することができる。このフィル
ム用基板は表裏間の滑り性がよく後加工適性にも優れて
おり、例えば液晶表示装置、光導電性感光体、面発光
体、有機エレクトロルミネッセンス用などの透明基板と
して極めて有用である。
【0056】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中における各種
の測定は、下記のとおり行った。
【0057】透明性:通常の分光光度計を用い波長55
0nmの平行光線の光線透過率を測定した。また、日本
電色製COH−300Aを用いてヘイズ値(△H%)を
測定した。
【0058】光学等方性:日本分光製の多波長複屈折率
測定装置M−150を用い、波長590nmの光に対す
るリタデーション値を測定した。
【0059】平面粗さ:増幅支持装置:SE3CK、解
析装置:SPA−11(小坂研究所製)を用い、収縮性
硬化樹脂層の中心面平均粗さSRaを測定した。
【0060】耐アルカリ性:25℃の3.0%NaOH
水溶液に10分間浸漬し、流水にて十分洗浄を行った
後、乾燥させ、外観を目視して観察した。
【0061】耐NMP性:80℃のNMPに1分間浸清
後、水洗し外観変化をみた。
【0062】滑り性:幅50cm、長さ50mのフィル
ムを5kgfの張力で巻き取り、凹凸状変形発生の有無
をみた。
【0063】カール:10cm角のフィルムを、25
℃50%RHの環境下で、25℃の水平な支持板上にフ
ィルム用基板の透明導電層を設ける面が下になるように
置き、該フィルムの四隅の支持板からの高さの最大値を
測定した。
【0064】カール:10cm角のフィルム用基板
を、使用している透明高分子のフィルムまたはシートの
ガラス転移温度(Tg)よりも10℃低い温度に加熱し
た水平な支持板上に該フィルムまたはシートの透明導電
層を設ける面が上になるように置き、該フィルムまたは
シートの四隅の支持板からの高さの最大値を測定した。
【0065】[実施例1]ビスフェノール成分がビスフ
ェノールAのみからなる平均分子量37,000のポリ
カーボネート樹脂を、メチレンクロライドに20重量%
溶解した。そしてこの溶液をダイコーティング法により
厚さ175μmのポリエステルフィルム上に流延した。
次いで、乾燥炉で残留溶媒濃度を13重量%とし、ポリ
エステルフィルムから剥離した。そして、このポリカー
ボネートフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横の
張力をバランスさせながら、残留溶媒濃度が0.08重
量%になるまで乾燥した。
【0066】こうして得られたポリカーボネートフィル
ムは、厚みが102μmで、DSCにより測定したTg
が150℃であった。
【0067】ついで、このポリカーボネートフィルムの
一方の面上に、10重量%のフッ化マグネシウムを添加
した珪素酸化物を蒸着源とし、真空度67mPa下で真
空蒸着する事によって、厚さ100nmのフッ化マグネ
シウム含有酸化珪素層を積層した。この珪素酸化物はS
iOxの平均組成でxはおよそ1.7であった。
【0068】引き続いてこのフッ化マグネシウム含有酸
化珪素層の表面に、100W・min/m2の積算エネ
ルギーでコロナ放電処理を行った後に、以下のような保
護層を積層した。
【0069】容器外部が水冷された攪拌容器内にビニル
トリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM100
3)148重量部を入れ、激しく攪拌を行いながら0.
01規定の塩酸水54部を徐々に添加し、更に3時間ゆ
っくりと攪拌を行うことにより、ビニルトリメトキシシ
ランの加水分解液を得た。次いで下記式で示されるポリ
エステル変性アクリル系樹脂を50重量部、
【0070】
【化1】
【0071】前述のビニルトリメトキシシランの加水分
解物を50重量部、未加水分解のビニルトリメトキシシ
ラン10重量部および光開始剤2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製ダ
ロキュア−1173)5重量部及びレベリング剤として
シリコンオイル(東レ・ダウコーニングシリコーン社製
SH28PA)0.02重量部を混合して塗液(イ)と
した。
【0072】この塗液(イ)をコロナ放電処理をしたフ
ッ化マグネシウム含有酸化珪素上にマイクログラビアロ
ールコーティング法を用いてコーティングし、60℃で
1分間加熱して塗膜中の残留溶媒を排気除去した後、1
20W/cmの高圧水銀灯を用いて、積算光量800m
J/cm2の条件で紫外線を照射して塗膜の硬化を行
い、厚さ4μmの硬化樹脂層を形成した。
【0073】次に反対側のフィルム面にも50W・mi
n/m2の積算エネルギーでコロナ放電処理を行った後
に、フッ化マグネシウム含有酸化珪素層上に積層した硬
化樹脂層と同一の硬化樹脂層を設けた。
【0074】次いでこの積層フィルムのフッ化マグネシ
ウム含有酸化珪素層上に設けた硬化樹脂層上に収縮性硬
化樹脂層としてポリシロキサン系熱硬化樹脂コーティン
グ液(日本精化製NSC−3456−1)100重量部
に平均粒子径2μmのシリカ粉体を0.04重量部添加
した塗液(ロ)をマイクログラビアロールコーティング
法を用いてコーティングし、130℃2分間の条件で塗
膜の硬化を行い、膜厚2μmの収縮性硬化樹脂層を形成
した。
【0075】このようにして得られた透明導電性フィル
ム用基板の収縮性硬化樹脂層が形成されている面と反対
の面上に透明導電層を設けることにより透明導電性フィ
ルムを得た。
【0076】この透明導電性フィルム用基板の各種評価
を行った結果は後掲の表1に示したように良好であっ
た。
【0077】[実施例2]実施例1と同一の製造条件で
作製したフッ化マグネシウム含有酸化珪素層を積層した
ポリカーボネートフィルムを用い、以下のような硬化樹
脂層を積層した。
【0078】エチレンビニルアルコール共重合体として
クラレ(株)製EVAL−F(エチレン共重合比32モ
ル%)100重量部を、水720重量部、n−プロパノ
ール1080重量部、n−ブタノール100重量部の混
合溶媒に加熱溶解させ、均一溶液を得た。この溶液にレ
ベリング剤として東レダウコーニング社製SH30PA
を0.1重量部、酢酸62.4重量部を加えた後、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン85.8重量部を加え10分間攪拌した。更に
この溶液に3−アミノプロピルトリメトキシシラン6
2.4重量部を加えて3時間攪拌し、塗液(ハ)を得
た。
【0079】この塗液をフッ化マグネシウム含有酸化珪
素が積層されたポリカーボネートフィルムの両面上にマ
イクログラビアロールコーティング法を用いてコーティ
ングし、130℃3分熱処理を行い、厚さ2μmの硬化
樹脂層を形成した。
【0080】次いでこの積層フィルムのフッ化マグネシ
ウム含有酸化珪素層上に設けた硬化樹脂層上に実施例1
と同様にして収縮性硬化樹脂層を形成した。
【0081】このようにして得られた透明導電性フィル
ム用基板の収縮性硬化樹脂層が形成されている面と反対
の面上に透明導電層を設けることにより透明導電性フィ
ルムを得た。
【0082】この透明導電性フィルム用基板の各種評価
を行った結果は表1に示したように良好であった。
【0083】[実施例3]実施例1と同一の製造条件で
作製したフッ化マグネシウム含有酸化珪素層を積層した
ポリカーボネートフィルムのフッ化マグネシウム含有酸
化珪素層上に実施例2の塗液(ハ)をマイクログラビア
ロールコーティング法を用いてコーティングし、各々1
30℃3分熱処理を行い、厚さ2μmの硬化樹脂層を形
成した後、実施例1の塗液(ロ)マイクログラビアロー
ルコーティング法を用いてコーティングし、各々130
℃2分熱処理を行い、厚さ2μmの収縮性硬化樹脂層を
形成した。
【0084】次に反対側のフィルム面に50W・min
/m2の積算エネルギーでコロナ放電処理を行った後
に、以下のようなアンカー層と硬化樹脂層を順次設け
た。アンカー層は、フェノキシ系の硬化樹脂層とした。
具体的にはフェノキシ樹脂として東都化成(株)製フェ
ノトートYP−50を20重量部と、溶媒としてメチル
エチルケトン50重量部と2−エトキシエチルアセテー
ト30重量部を混合した後、これに硬化剤のイソシアネ
ートとして武田薬品工業(株)製A3を10重量部混合
した溶液をマイクログラビアロールコーティング法より
コーティングした後、130℃で2分熱処理を行って膜
厚0.5μmのアンカー層を形成した。硬化樹脂層は実
施例2と同様にして、塗液(ハ)から得られる硬化樹脂
層を形成した。
【0085】このようにして得られた透明導電性フィル
ム用基板の収縮性硬化樹脂層が形成されている面と反対
の面上に透明導電層を設けることにより透明導電性フィ
ルムを得た。
【0086】この透明導電性フィルム用基板の各種評価
を行った結果は表1に示したように良好であった。
【0087】[実施例4]実施例1と同一の製造条件で
作製したポリカーボネートフィルムの両面に100W・
min/m2の積算エネルギーでコロナ放電処理を行っ
た後に、実施例1と同様にして塗液(イ)を該フィルム
の両面にコーティングして硬化樹脂層を形成した。つい
で、該フィルムの一方の面に実施例1と同様にしてフッ
化マグネシウム含有酸化珪素層を形成し、さらに該フッ
化マグネシウム含有酸化珪素上に実施例1と同様にして
塗液(ロ)をコーティングして収縮性硬化樹脂層を形成
した。
【0088】このようにして得られた透明導電性フィル
ム用基板の収縮性硬化樹脂層が形成されている面と反対
の面上に透明導電層を設けることにより透明導電性フィ
ルムを得た。
【0089】この透明導電性フィルム用基板の各種評価
を行った結果は表1に示したように良好であった。
【0090】[実施例5]塗液(イ)に変えて実施例2
の塗液(ハ)を用い、コロナ放電処理を行わない以外は
実施例4と同様にして透明導電性フィルム用基板を得
た。
【0091】このようにして得られた透明導電性フィル
ム用基板の収縮性硬化樹脂層が形成されている面と反対
の面上に透明導電層を設けることにより透明導電性フィ
ルムを得た。
【0092】該フィルムの各種評価を行った結果は表1
に示したように良好であった。
【0093】[比較例1]収縮性硬化樹脂層を形成しな
い以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。こ
のようにして得られた透明導電性フィルム用基板の金属
酸化物層が形成されている面と反対の面上に透明導電層
を設けることにより透明導電性フィルムを得た。このフ
ィルムの各種評価を行った結果は表1に示すように滑り
性が悪く、支持板上のカールも大きいものになってしま
った。
【0094】[比較例2]実施例1と同一の製造条件で
作製したフッ化マグネシウム含有酸化珪素層を積層した
ポリカーボネートフィルムのフッ化マグネシウム含有酸
化珪素層と反対の面上に実施例1と同様にして、塗液
(イ)から得られる硬化樹脂層を形成した。このように
して得られた透明導電性フィルム用基板の硬化樹脂層上
に透明導電層を設けることにより透明導電性フィルムを
得た。このフィルムの各種評価を行った結果は表1に示
すように耐NMP性が悪く、滑り性が悪く、支持板上の
カールも大きいものになってしまった。
【0095】
【表1】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明導電層を設けることにより透明導電
    性フィルムとする透明導電性フィルム用基板であって、
    該フィルム用基板は、透明高分子からなるフィルムまた
    はシート(S)、金属酸化物層(A)および収縮硬化性
    樹脂の硬化層(C)を含有し、(A)と(C)は(S)
    の同一面側にあり、透明導電層は(S)の(A)と反対
    面側に設置して用いられ、さらに10cm角の該フィル
    ム用基板を(1)常温下で水平な支持板上に、透明導電
    層を設ける面が下になるように置いたとき、該フィルム
    用基板の四隅の支持板からの高さの最大値が10mm以
    下であり、かつ、(2)該透明高分子からなるフィルム
    またはシートのTgよりも10℃低い温度に加熱した水
    平な支持板上に透明導電層を設ける面が上になるように
    置いたとき、該フィルム基板の四隅の支持板からの高さ
    の最大値が10mm以下である、ことを特徴とする透明
    導電性フィルム用基板。
  2. 【請求項2】 透明高分子からなるフィルムまたはシー
    ト(S)の一方の面側に、金属酸化物層(A)、硬化樹
    脂層(B)、収縮硬化性樹脂の硬化層(C)がこの順に
    積層され、(S)の他方の面側に硬化樹脂層(D)がさ
    らに積層されていることを特徴とする請求項1記載の透
    明導電性フィルム用基板。
  3. 【請求項3】 透明高分子からなるフィルムまたはシー
    ト(S)の一方の面側に、硬化樹脂層(B)、金属酸化
    物層(A)、収縮硬化性樹脂の硬化層(C)がこの順に
    積層され、(S)の他方の面側に硬化樹脂層(D)がさ
    らに積層されていることを特徴とする請求項1記載の透
    明導電性フィルム用基板。
  4. 【請求項4】 透明高分子からなるフィルムまたはシー
    ト(S)の一方の面側に、収縮硬化性樹脂の硬化層
    (C)、金属酸化物層(A)、硬化樹脂層(B)がこの
    順に積層され、(S)の他方の面側に硬化樹脂層(D)
    がさらに積層されていることを特徴とする請求項1記載
    の透明導電性フィルム用基板。
  5. 【請求項5】 金属酸化物層(A)は、膜厚が5〜20
    0nmの範囲であり、かつ珪素原子数に対する酸素原子
    数の割合が1.5〜2.0の珪素酸化物を主成分とする
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の透
    明導電性フィルム用基板。
  6. 【請求項6】 収縮硬化性樹脂の硬化層(C)がポリシ
    ロキサン系硬化膜であることを特徴とする、請求項1〜
    5のいずれかに記載の透明導電性フィルム用基板。
  7. 【請求項7】 硬化樹脂層(B)が、珪素含有アクリル
    系樹脂または珪素含有ビニルアルコール系樹脂からなる
    請求項2〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルム用
    基板。
  8. 【請求項8】 硬化樹脂層(D)が硬化樹脂層(B)と
    同一の樹脂からなる請求項2、3、4、7のいずれかに
    記載の透明導電性フィルム用基板。
  9. 【請求項9】 透明導電層を設ける面とは反対側の表面
    における、触針法による表面粗さが中心面平均粗さ(S
    Ra)で5〜20nmの範囲にあることを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載の透明導電性フィルム用基
    板。
  10. 【請求項10】 透明導電性フィルム用基板をN−メチ
    ルピロリドンに25℃、10分間接触後、水洗したとき
    のヘイズ値の変化が1%以下であり、かつ3.5%水酸
    化ナトリウム水溶液に25℃、10分間接触後、水洗し
    たときにヘイズ値の変化が1%以下であることを特徴と
    する、請求項1〜9のいずれかに記載の透明導電性フィ
    ルム用基板。
  11. 【請求項11】 透明高分子からなるフィルムまたはシ
    ート(S)の一方の面側に、膜厚が5〜200nmの範
    囲であり、かつ珪素原子数に対する酸素原子数の割合が
    1.5〜2.0の珪素酸化物を主成分とする金属酸化物
    層(A)、珪素含有アクリル系樹脂または珪素含有ビニ
    ルアルコール系樹脂からなる硬化樹脂層(B)、ポリシ
    ロキサン系硬化膜からなる収縮硬化性樹脂の硬化層
    (C)がこの順に積層され、(S)の他方の面側に珪素
    含有アクリル系樹脂または珪素含有ビニルアルコール系
    樹脂からなる硬化樹脂層(D)が積層されていることを
    特徴とする透明導電性フィルム用基板。
JP02080998A 1998-02-02 1998-02-02 透明導電性フィルム用基板 Expired - Fee Related JP3983366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02080998A JP3983366B2 (ja) 1998-02-02 1998-02-02 透明導電性フィルム用基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02080998A JP3983366B2 (ja) 1998-02-02 1998-02-02 透明導電性フィルム用基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11216794A true JPH11216794A (ja) 1999-08-10
JP3983366B2 JP3983366B2 (ja) 2007-09-26

Family

ID=12037377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02080998A Expired - Fee Related JP3983366B2 (ja) 1998-02-02 1998-02-02 透明導電性フィルム用基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3983366B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003251808A (ja) * 2001-12-28 2003-09-09 Canon Inc インクジェット記録ヘッドの流路構成部材及びインクジェット記録ヘッドの製造方法
JP2005313560A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性フィルム
JP2008094064A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Asahi Kasei Chemicals Corp 透明導電膜形成用耐熱アクリル系樹脂積層体
US8003200B2 (en) 2004-10-06 2011-08-23 Nitto Denko Corporation Transparent electrically-conductive film
US8048512B2 (en) 2006-08-03 2011-11-01 Nitto Denko Corporation Transparent conductive laminate and touch panel equipped with it
JP2012166540A (ja) * 2011-01-25 2012-09-06 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性フィルムの製造方法
JP2014133802A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Dic Corp 保護粘着フィルム、スクリーンパネル及びタッチパネル

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003251808A (ja) * 2001-12-28 2003-09-09 Canon Inc インクジェット記録ヘッドの流路構成部材及びインクジェット記録ヘッドの製造方法
JP2005313560A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性フィルム
JP4536417B2 (ja) * 2004-04-30 2010-09-01 大日本印刷株式会社 ガスバリア性フィルム
US8003200B2 (en) 2004-10-06 2011-08-23 Nitto Denko Corporation Transparent electrically-conductive film
US8048512B2 (en) 2006-08-03 2011-11-01 Nitto Denko Corporation Transparent conductive laminate and touch panel equipped with it
US8173246B2 (en) 2006-08-03 2012-05-08 Nitto Denko Corporation Transparent conductive laminate and touch panel equipped with it
JP2008094064A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Asahi Kasei Chemicals Corp 透明導電膜形成用耐熱アクリル系樹脂積層体
JP2012166540A (ja) * 2011-01-25 2012-09-06 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性フィルムの製造方法
JP2014133802A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Dic Corp 保護粘着フィルム、スクリーンパネル及びタッチパネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP3983366B2 (ja) 2007-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0726579B1 (en) Transparent conductive sheet
US6815056B2 (en) Antireflection film
EP0798590B1 (en) Coating composition, transparent electrode substrate with such a coating, and liquid crystal display element with such a substrate
TW200305509A (en) Laminated film, filter for display and display
JP2006058574A (ja) ハードコートフィルム
JP2001287308A (ja) プラスチック積層体および画像表示保護フイルム
JP3655704B2 (ja) 透明導電性積層体
JP2002131507A (ja) 防眩性反射防止フィルムおよび偏光板
JPH11216794A (ja) 透明導電性フィルム用基板
JPH10146929A (ja) 透明ガスバリアー性積層フィルム
JP4137222B2 (ja) 透明導電性基板
JPH11211901A (ja) 反射防止性物品
JP2000353426A (ja) 透明導電性フィルム
JPH11286078A (ja) 透明導電性積層体およびその製造法
JP3667933B2 (ja) 透明電極基板及びそれを用いた液晶表示素子
JP3403882B2 (ja) 透明導電フィルム
JPH10180928A (ja) 透明導電性積層体
JP3660760B2 (ja) 透明導電性積層体
JP4233180B2 (ja) 透明導電性高分子基板
JP3723682B2 (ja) 反射防止フイルム
JPH1166969A (ja) 透明導電フィルム
KR100475418B1 (ko) 투명전극기판을갖는액정표시소자및투명전극기판
JPH09254303A (ja) 透明導電フィルム
JP2002292776A (ja) 物体表面の防汚処理方法及び防汚処理された物体
JP3813009B2 (ja) 透明電極用基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070704

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120713

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120713

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130713

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140713

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees