JPH1121552A - 蓄光性蛍光体 - Google Patents

蓄光性蛍光体

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JPH1121552A
JPH1121552A JP27210197A JP27210197A JPH1121552A JP H1121552 A JPH1121552 A JP H1121552A JP 27210197 A JP27210197 A JP 27210197A JP 27210197 A JP27210197 A JP 27210197A JP H1121552 A JPH1121552 A JP H1121552A
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phosphorescent
phosphorescent phosphor
emission
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杰 傅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長残光時間・高残光輝度であり、更に多様な
色調の発光色が得られ、従来のアルミン酸塩蛍光体では
製造が困難な形状の物品をも製造することが可能な、蓄
光性蛍光体を提供する。 【解決手段】2価のユーロピウムで賦活され、その化学
組成式はRO・a(Al1-xGax23・b(Si1-y
Gey)O2・cEu2+・dMn+(但し、RはBa,S
r,Ca,Mg等のアルカリ土類金属およびZnからな
る群から選ばれる少なくとも1種であり、Mは共賦活剤
で、Nb,Zr,Bi,Mn,Sn,La,Ce,P
r,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luからなる群から選ばれる少なくとも1種
である)で示され、a,b,c,d,x,yはそれぞれ
0.3≦a≦8,0.001≦b≦2,0.001≦c
≦0.3,0.001≦d≦0.3,0≦x<1.0,
0≦y≦1.0の範囲にあることを特徴とする蓄光性蛍
光体およびこれを含むことを特徴とする、蓄光性蛍光ガ
ラスセラミックスを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学組成式RO・a
(Al1-xGax23・b(Si1-yGey)O2・cE
2+・dMn+(但し、RはBa,Sr,Ca,Mg等の
アルカリ土類金属およびZnからなる群から選ばれる少
なくとも1種であり、Mは共賦活剤で、Nb,Zr,B
i,Mn,Sn,La,Ce,Pr,Nd,Sm,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luからな
る群から選ばれる少なくとも1種である)で示され、長
残光時間・高残光輝度で、発光波長の多様な、新規な蓄
光性蛍光体及びこれを含んだガラスセラミックスに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光は物質が外部からの刺激(励起)に
よって可視域付近の光を発する現象であり、蛍光灯・放
電ランプ・CRT(Cathode Ray Tube)いわゆるブラウン
管等の発光がこれである。蛍光を発する物質を蛍光体と
いうが、励起停止後に目に感じられる程度の時間(0.
1秒程度)の蛍光が続く場合、これを燐光と呼ぶ。ま
た、燐光の続く時間、すなわち残光時間が室温で数時間
に及ぶような長残光性を持つ蛍光体を、蓄光性蛍光体と
呼んでいる。蓄光性蛍光体に関しては、これまでにZn
S:Cuに代表される硫化物と、RAl24(R:アル
カリ土類金属)を母結晶とした酸化物の二種類が報告さ
れている。ZnS:Cu硫化物蓄光性蛍光体は数十年前
に実用化されたが、残光時間はせいぜい3時間程度で短
いという問題点がある。また、この蓄光性蛍光体は日光
に含まれる紫外線ならびに、大気中に含まれる水分によ
り、ZnS+H2O→Zn+H2Sなる分解反応が生じ
て、粒子自体が黒化し、残光輝度が徐々に低下し、短期
間で残光機能が著しく低下するという致命な欠点を持っ
ている。そのため、この種の蓄光性蛍光体は主に夜光時
計や屋内の夜間表示等、非常に限られた用途に限定され
ていた。一方、最近開発された、RAl24を母結晶と
してEu2+で賦活されたアルミン酸塩蓄光性蛍光体(米
国特許第5376303号,米国特許第5424006
号,特開平8−73845号、特開平8−127772
号、特開平8−151573号、特開平8−15157
4号)は残光時間がZnS:Cuより長く、しかも化学
耐久性と耐光性にも優れるという特性を持ち合わせてい
るため、既存の夜光時計や屋内の夜間表示等の用途に加
えて、防災標識・位置認識用危険防止の表示・装飾品等
の幅広い用途が期待される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】蓄光性蛍光体の応用分
野が拡大するにつれて、残光輝度と残光時間のさらなる
向上が望まれる。
【0004】また、蓄光性蛍光体を看板等の装飾品用に
使用する場合は、できるだけ多様な色調の残光を使用す
ることが望ましい。上記特開平8−151573号に
は、アルミン酸塩蛍光体と賦活剤、共賦活剤の組み合わ
せにより色調を変化させることができることが開示され
ているが、色調の変化のために使用可能な共賦活剤の種
類は限定されており、したがって得られる色調の変化も
比較的狭い範囲に限られている。
【0005】さらに、蓄光性蛍光体を装飾品等に使用す
る場合、例えば厚さ1mm以下の肉薄のチューブの形状に
成形することは、焼結体からなる従来のアルミン酸塩蓄
光性蛍光体では極めて困難であり、この難点を解決した
蓄光性蛍光体を提供することが望まれる。
【0006】本発明は、前記従来のアルミン酸塩蓄光性
蛍光体が有する問題点にかんがみてなされたものであ
り、従来のものよりも長残光時間・高残光輝度を実現し
ながら、発光色においてより多様な色調の変化を得るこ
とができる新規な蓄光性蛍光体を提供しようとするもの
である。また、本発明は、アルミン酸塩蓄光性蛍光体を
使用しては製造することが困難な形状の物品を製造する
ことが可能な、新規な蓄光性蛍光体を提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決のため、
本発明は賦活剤としてのEu2+と共賦活剤を同時にドー
プした、化学組成式はRO・a(Al1-xGax23
b(Si1-yGey)O2・cEu2+・dMn+(但し、R
はBa,Sr,Ca,Mg等のアルカリ土類金属および
Znからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、M
は共賦活剤で、Nb,Zr,Bi,Mn,Sn,La,
Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Luからなる群から選ばれる少なくと
も1種である)で表される結晶及びこれを含んだガラス
セラミックスからなる新規な蓄光性蛍光体を提供する。
【0008】これまでにEu2+を賦活剤としたアルカリ
土類金属アルミニウム珪酸塩において、数多くの蛍光体
が開発されている。例えば、特公昭47−41には、R
O・Al23・2SiO2:Eu(R:アルカリ土類金
属)からなる蛍光体が示され、特公平7−45656に
は、(BawCaxMgyEuz)O・aAl23・bSi
2からなる蛍光体が示されている。これらの蛍光体は
ケイ素を含まないアルミン酸塩蛍光体とは異なった発光
特性を示している。これはホストの配位子場の違いに起
因しているものと考えられる。なぜなら、Eu2+の発光
は4f7-4f65d遷移を利用しているため、Eu2+
まわりの化学環境、すなわちEu2+を取り込むホストの
配位子場の強さの影響を非常に受けやすいからである。
これらのアルカリ土類金属アルミニウム珪酸塩蛍光体
は、実用に必要とされる十分な発光輝度を有するが、全
て蛍光灯やCRT用に開発されたもので、残光時間が非常
に短い。実際に特公昭47−41に示されたRO・Al
23・2SiO2:Eu蛍光体の場合、残光時間は著しく
短く、時定数は1マイクロセカンド以下であると記載さ
れている。すなわち、これらの材料は光を照射する時に
発光するが、照射をやめると発光が素早く減衰し、残光
性を有しない蛍光体である。
【0009】ここで、配位酸化物イオンの電子密度、す
なわち塩基度が高いほど配位子場は強く、5d軌道の分
裂が大きくなり、発光開始準位エネルギーが下がるた
め、塩基度の増加に伴って蛍光は長波長側にシフトする
ことが知られている。そこで、従来の残光性を有しない
蛍光体として蛍光灯やCRT用に使用されてきたアルカ
リ土類金属アルミニウム珪酸塩蛍光体に対して、残光時
間を長くするために有効である共賦活剤を添加すること
によって長残光性を実現すれば、塩基度が相互に異なる
Al23+Ga23とSiO2+GeO2の比を調整する
ことにより、ホストの配位子場の強さを幅広く変えるこ
とが可能となるので、既存のアルミン酸塩蓄光性蛍光体
よりも一段と変化に富む発光特性を得ることが期待でき
る。またアルカリ土類金属アルミニウム珪酸塩蛍光体
は、溶融してガラス化した後、熱処理することにより化
学組成式はRO・a(Al1-xGax23・b(Si
1-yGey)O2・cEu2+・dMn+(但し、RはBa,
Sr,Ca,Mg等のアルカリ土類金属およびZnから
なる群から選ばれる少なくとも1種であり、Mは共賦活
剤で、Nb,Zr,Bi,Mn,Sn,La,Ce,P
r,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Luからなる群から選ばれる少なくとも1種
である)からなる結晶を含むガラスセラミックスにする
ことが可能であり、このように、ガラスセラミックスと
した蛍光体を使用すれば、厚さ1mm以下の薄肉チュー
ブ等、従来の焼結体セラミックスでは成形できなかった
形状の物品も容易に成形することができる。
【0010】本発明者は前記のような着想に基づいて、
残光特性のないアルカリ土類金属アルミニウム珪酸塩蛍
光体に注目し、研究を重ねた結果、賦活剤としてのEu
2+および共賦活剤を導入すると共に、Al23+Ga2
3とSiO2+GeO2の組成比および、Eu2+の濃度
ならびに共賦活剤の濃度をそれぞれ特定の範囲内で選択
組み合わせることにより、従来のアルミン酸塩蓄光性蛍
光体に比べてより多彩な発光特性を有し、長残光時間・
高残光輝度で、発光波長が従来よりも多様化させること
ができ、しかもガラスセラミックスに成形することも可
能な蓄光性蛍光体を見いだし、本発明をなすに至った。
【0011】すなわち、請求項1に記載の蓄光性蛍光体
は、化学組成式RO・a(Al1-xGax23・b(S
1-yGey)O2・cEu2+・dMn+(但し、RはB
a,Sr,Ca,Mg等のアルカリ土類金属およびZn
からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Mは共
賦活剤で、Nb,Zr,Bi,Mn,Sn,La,C
e,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Luからなる群から選ばれる少なくと
も1種である)で示され、a,b,c,d,x,yはそ
れぞれ0.3≦a≦8,0.001≦b≦2,0.00
1≦c≦0.3,0.001≦d≦0.3,0≦x<
1.0,0≦y≦1.0の範囲にあることを特徴とする
蓄光性蛍光体であり、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の蓄光性蛍光結晶を含むことを特徴とする、蓄
光性蛍光ガラスセラミックスである。
【0012】本発明の蓄光性蛍光体において、aはAl
23、またはAl23およびGa23の組成比を、bは
SiO2および/またはGeO2の組成比を示すものであ
る。aとbはそれぞれ互いに影響しあうものであり、そ
れらを調整することによってホストの配位子場の強さが
変化し、その結果、発光波長、残光輝度および残光時間
も変わる。aを小さくし、bを大きくすれば、あるいは
aを大きくし、bを小さくすれば残光輝度を高くするこ
とができる。しかし、その範囲には限界があり、0.3
≦a≦8の範囲において、b<0.001ではSiおよ
び/またはGeの効果が弱く、b>2でも残光輝度の高
い蛍光体を得ることができない。また、0.001≦b
≦2の範囲において、0.3≦a≦8以外の範囲におい
ても、残光輝度の高い蛍光体を得ることはできない。好
ましくは、0.3≦a≦6および0.001≦b≦2の
範囲、特に好ましくは、0.5≦a≦3および0.00
2≦b≦2の範囲である。
【0013】cは賦活剤の濃度を示すもので、0.00
1≦c≦0.3の範囲でなければならない。c<0.0
01では光吸収が悪く肉眼で認識できるほどの残光輝度
が得られず、逆にc>0.3では濃度消光を起こし、残
光輝度が低下する。好ましくは、0.001≦c≦0.
2、特に好ましくは、0.002≦c≦0.1の範囲で
ある。
【0014】dは共賦活剤の濃度を示すもので、0.0
01≦d≦0.3の範囲である。d<0.001では残
光時間と残光輝度への効果が弱く、逆にd>0.3では
残光輝度が次第に低下する。好ましくは、0.001≦
d≦0.2、特に好ましくは0.002≦d≦0.15
の範囲である。
【0015】xはAlをGaで置換するときの置換率を
示すもので、Alの一部をGaに置換することによって
も、残光時間・残光輝度において、従来のZnS:Cu
よりも優れた蛍光体を実現できる。尚、AlのGaによ
る置換はほぼ100%の置換も可能であるが、より良好
な前記特性を得ようとするならば、x≦0.5の範囲が
好ましく、特に好ましくはx≦0.2の範囲である。
【0016】yはSiをGeで置換するときの置換率を
示すもので、Siの一部をGeに置換することによって
も、残光時間・残光輝度において、従来のZnS:Cu
よりも優れた蛍光体を実現できる。尚、SiのGeによ
る置換は全置換も可能であるが、より良好な前記特性を
得ようとするならば、y≦0.5の範囲が好ましく、特
に好ましくはy≦0.2の範囲である。
【0017】また、本発明の蓄光性蛍光体の合成の際
に、フラックスとして硼酸,Li2CO3,LiCl,リ
ン系化合物等を添加することができる。その最適な添加
量はmol%で0.05〜8%の範囲である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の蓄光性蛍光体は以下の焼
結法で合成することができる。本発明の蓄光性蛍光体の
構成成分である酸化物、もしくは熱分解によって酸化物
となり得る各種化合物を、所定の比で秤量し十分に混合
した後、アルミナるつぼに入れて還元雰囲気で1100
〜1600℃で1〜10時間焼成する。組成によって
は、得られた焼成物を粉砕し、再度同じ条件で焼成する
こともある。
【0019】また、本発明の蓄光性蛍光体は、次に述べ
るガラスセラミックスの製造方法によっても作製でき
る。すなわち、出発原料を所定の比で秤量し十分に混合
した後、アルミナるつぼに入れて還元雰囲気で1300
〜1600℃で1〜3時間加熱溶融する。その後、溶融
液を鉄板上にキャストし、板状のガラスを作製する。こ
うして得られたガラスを、還元雰囲気で950〜125
0で1〜12時間熱処理することによって、化学組成式
RO・a(Al1-xGax23・b(Si1-yGey)O
2・cEu2+・dMn+(但し、RはBa,Sr,Ca,
Mg等のアルカリ土類金属およびZnからなる群から選
ばれる少なくとも1種であり、Mは共賦活剤で、Nb,
Zr,Bi,Mn,Sn,La,Ce,Pr,Nd,S
m,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu
からなる群から選ばれる少なくとも1種である)からな
る結晶を含むガラスセラミックス製蓄光性蛍光体が得ら
れる。ガラスセラミックスとすれば、焼結体セラミック
スでは成形が困難な薄肉のチューブ等の形状をした製品
でも、容易に成形することができる。また焼結法による
セラミックスでは、焼結前の粒子間の空隙が焼結体中の
空孔として残留してしまい、製品の用途によってはその
目的にあった十分な強度が得られない場合があるが、ガ
ラスセラミックスではこのような空孔のない、緻密で均
一なものが得られるので、焼結体セラミックスよりも強
度において優れる製品が得られる。このようにして焼結
法で得られない形のものも実現でき、本発明の蓄光性蛍
光体の応用価値がより一層高まると期待される。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものでは
ない。
【0021】
【実施例1】 SrCO3 5.69g Al23 3.93g SiO2 4.63g H3BO3 0.19g Eu23 0.27g Dy23 0.29g 上記の配合組成の原料を十分混合し、97N2+3H2
混合ガス気流中で1350℃で2時間焼成し、化学組成
式SrO・Al23・2.00SiO2・0.04B23
・0.020Eu23・0.020Dy23となる蓄光
性蛍光体を得た。図1に示すX線回折パターンの解析に
より、この蓄光性蛍光体はSrAl2Si28相からな
っていることが明らかになった。図2に励起停止10分
後の発光スペクトルを示す。波長420nmと485n
m付近にピークを持ち、従来の蓄光性蛍光体に見られな
い発光特性を有することがわかる。また、目視でも白色
の発光が観察され、しかも暗所において24時間以上残
光が認識できた。
【0022】
【実施例2】 CaCO3 4.42g Al(OH)3 6.90g SiO2 5.30g H3BO3 0.22g Eu23 0.19g Nd23 0.36g 上記の配合組成の原料を十分混合し、97N2+3H2
混合ガス気流中で1350℃で2時間焼成し、化学組成
式CaO・Al23・2.00SiO2・0.04B2
3・0.012Eu23・0.024Nd23になる蓄
光性蛍光体を得た。図3に示すX線回折パターンの解析
により、この蓄光性蛍光体はCaAl2Si28相から
なっていることが明らかになった。図4に励起停止10
分後の発光スペクトルを示す。発光スペクトルは従来の
ものと異なって、波長425nm付近の大きな発光ピー
クと540nm付近の小さな発光ピークからなることが
わかる。また、目視で青紫色の発光が観察され、しかも
暗所において24時間以上残光が認識できた。
【0023】
【実施例3】 CaCO3 4.39g Al23 4.27g Ga23 0.20g SiO2 4.45g NH42PO4 1.76g Eu23 0.18g Nd23 0.34g 上記の配合組成の原料を十分混合し、97N2+3H2
混合ガス気流中で1350℃で2時間焼成し、化学組成
式CaO・0.95Al23・1.69SiO2・0.
02Ga23・0.17P25・0.012Eu23
0.023Nd23になる蓄光性蛍光体を得た。このよ
うにして得られた蛍光体はCaAl2Si28相からな
っており、図4に示すような発光特性を有する。また、
目視で青紫色の発光が観察され、しかも暗所において2
4時間以上残光が認識できた。
【0024】
【実施例4】 CaCO3 7.11g Al23 7.25g SiO2 0.02g H3BO3 0.18g Eu23 0.15g Nd23 0.29g 上記の配合組成の原料を十分混合し、97N2+3H2
混合ガス気流中で1350℃で2時間焼成し、化学化学
組成式でCaO・Al23・0.005SiO2・0.
02B23・0.006Eu23・0.012Nd23
となる蓄光性蛍光体を得た。このようにして得られた蛍
光体は波長440nmに発光ピークを持ち、目視で青紫
色の発光が観察され、しかも暗所において24時間以上
残光が認識できた。
【0025】実施例4と同様な方法で、同様な発光色を
示す実施例5〜10とSiO2を含まない比較例を作製
した。表1は4〜10の組成をまとめたものである。図
5に励起停止10分後の実施例6と比較例の発光スペク
トルを示す。本発明の蓄光性蛍光体はより強く発光する
ことがわかる。また、これらの実施例の蛍光体は暗所に
おいて24時間以上残光が認識できた。
【0026】
【表1】
【0027】また、共賦活剤Ndと共にCe,Pr,G
d,Er,Tm,Luを添加した、実施例11〜16及
び各実施例に対応した比較例(番号の前に「比較」のつ
いたもの)について、実施例4と同様な方法で作製し、
それらの化学組成式を表2にまとめた。
【0028】
【表2】
【0029】
【実施例17】 SrCO3 14.39g Al23 14.95g SiO2 0.02g GeO2 0.02g Li2CO3 0.02g H3BO3 0.30g Eu23 0.12g Dy23 0.14g 上記の配合組成の原料を十分混合し、97N2+3H2
混合ガス気流中で1400℃で2時間焼成し、化学組成
式SrO・1.50Al23・0.003SiO2
0.002GeO2・0.003Li2O・0.025B
23・0.004Eu23・0.004Dy23になる
蓄光性蛍光体を得た。図6に励起停止10分後の発光ス
ペクトルを示す。波長490nm付近にピークを持つ発
光特性を有することがわかる。目視で青緑の発光が観察
され、しかも暗所において24時間以上残光が認識でき
た。
【0030】
【実施例18】 SrCO3 8.39g Al23 5.80g GeO2 0.24g H3BO3 0.14g Eu23 0.20g Dy23 0.22g 上記の配合組成の原料を十分混合し、97N2+3H2
混合ガス気流中で1350℃で2時間焼成し、化学組成
式SrO・Al23・0.04GeO2・0.020B2
3・0.010Eu23・0.010Dy23になる
蓄光性蛍光体を得た。図7に励起停止10分後の発光ス
ペクトルを示す。波長515nm付近にピークを持つ発
光特性を有することがわかる。目視で黄緑の発光が観察
され、しかも暗所において、24時間以上残光が認識で
きた。図8に発光波長515nmにおける励起スペクト
ルを示す。可視域においても405nm付近にピークを
持つ幅広い励起波長帯域を有することから、本発明によ
る蓄光性蛍光体材料は可視光にも高感度であることがわ
かる。
【0031】
【実施例19】 MgO 1.86g CaCO3 1.92g Sr(NO32 12.99g Al(OH)3 8.99g SiO2 11.52g Eu23 0.81g Dy23 1.43g Si(還元剤) 0.22g 上記の配合組成の原料を十分混合し、1500℃で3時
間溶融した後、鉄板上にキャストし、化学組成式0.3
6MgO・0.15CaO・0.49SrO・0.45
Al23・1.58SiO2・0.018Eu23
0.030Dy23を有するガラスを作製した。こうし
て得られたガラスについて97N2+3H2の混合ガス気
流中で1150℃で5時間熱処理することによってSr
Al2Si28結晶を含むガラスセラミックス製蓄光性
蛍光体が得られた。これは図2に示すような発光特性を
有し、目視で白色の発光が観察され、しかも暗所におい
て24時間以上残光が認識できた。
【0032】
【実施例20】 MgO 1.17g CaCO3 10.20g Al(OH)3 6.82g SiO2 11.36g Eu23 1.28g Nd23 1.23g Si(還元剤) 0.31g 上記の配合組成の原料を十分混合し、1500℃で3時
間溶融した後、鉄板上にキャストし、化学組成式0.2
2MgO・0.78CaO・0.33Al23・1.5
3SiO2・0.028Eu23・0.028Nd23
なるガラスを作製した。こうして得られたガラスについ
て、97N2+3H2の混合ガス気流中で1100℃で5
時間熱処理することによってCaAl2Si28結晶を
含むガラスセラミックス製蓄光性蛍光体が得られた。図
9に励起停止10分後の発光スペクトルを示す。波長4
50,485および545nm付近にピークを持つ発光
特性を有することがわかる。また、目視で紫青の発光が
観察され、しかも暗所において24時間以上でも残光が
認識できた。
【0033】実施例4〜16および比較例について、残
光輝度の測定を行った。残光輝度はD65光源を200ル
クスの照度で4分間照射し、その後の残光を輝度計で測
定したものである。表3は励起停止10分後において、
比較例の残光輝度を100とした時の実施例4〜10の
残光輝度の相対強度をまとめたものである。表4は励起
停止5分後において、比較例11〜16の残光輝度をそ
れぞれ100とした時のそれぞれ対応した実施例11〜
16の残光輝度の相対強度をまとめたものである。表3
と表4から、SiO2を含有させた本発明の蓄光性蛍光
体の残光輝度は、従来のアルミン酸塩蓄光性蛍光体に比
べて著しく向上していることが分かる。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】[耐光性試験]蓄光性蛍光体は直接太陽光
にさらされて使用される場合が多いので、太陽光、特に
その中に含まれる紫外線に対して耐久性が高くなければ
ならない。そこで、発光塗料の耐光性の試験方法(JI
S規格による)に従って、本発明の実施例で得られた蛍
光体について、300Wの水銀灯を用いた耐光性試験を
行った。その結果、いずれの実施例においても残光輝度
の低下は認められなかった。
【0037】
【発明の効果】以上、述べたように、化学組成式はRO
・a(Al1-xGax23・b(Si1-yGey)O2
cEu2+・dMn+(但し、RはBa,Sr,Ca,Mg
等のアルカリ土類金属およびZnからなる群から選ばれ
る少なくとも1種であり、Mは共賦活剤で、Nb,Z
r,Bi,Mn,Sn,La,Ce,Pr,Nd,S
m,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu
からなる群から選ばれる少なくとも1種である)で示さ
れ、これらの組成範囲が特定範囲を有した、本発明によ
る蓄光性蛍光体は、従来のアルミン酸塩蛍光体に比べ
て、より多彩な発光波長を有すると共に、長残光時間・
高残光輝度を実現し、しかもガラスセラミックスとし
て、多様な形状に成形することも可能な、今までにない
有用な蓄光性蛍光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のX線回折パターンである。
【図2】実施例1の光励起停止10分を経過した後の発
光スペクトルである。
【図3】実施例2のX線回折パターン。
【図4】実施例2の光励起停止10分を経過した後の発
光スペクトルである。
【図5】実施例6と比較例の光励起停止10分を経過し
た後の発光スペクトルである。
【図6】実施例17の光励起停止10分を経過した後の
発光スペクトルである。
【図7】実施例18の光励起停止10分を経過した後の
発光スペクトルである。
【図8】実施例18の発光波長515nmの励起スペク
トルである。
【図9】実施例20の光励起停止10分を経過した後の
発光スペクトルである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価のユーロピウムで賦活され、その化
    学組成式はRO・a(Al1-xGax23・b(Si
    1-yGey)O2・cEu2+・dMn+(但し、RはBa,
    Sr,Ca,Mg等のアルカリ土類金属およびZnから
    なる群から選ばれる少なくとも1種であり、Mは共賦活
    剤で、Nb,Zr,Bi,Mn,Sn,La,Ce,P
    r,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
    m,Yb,Luからなる群から選ばれる少なくとも1種
    である)で示され、a,b,c,d,x,yはそれぞれ 0.3≦a≦8, 0.001≦b≦2, 0.001≦c≦0.3, 0.001≦d≦0.3, 0≦x<1.0, 0≦y≦1.0の範囲にあることを特徴とする蓄光性蛍
    光体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の蓄光性蛍光結晶を含む
    ことを特徴とする、蓄光性蛍光ガラスセラミックス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009249395A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Kasei Optonix Co Ltd 蓄光性蛍光体、蛍光ランプ、蓄光性表示体、及び蓄光性成型品
JP2009256555A (ja) * 2008-04-21 2009-11-05 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 蓄光性蛍光体およびその製造方法
US8580148B2 (en) 2003-03-14 2013-11-12 Sakai Chemical Industry Co., Ltd. Phosphor and method for producing same
CN114295061A (zh) * 2021-12-30 2022-04-08 广州市合熠智能科技股份有限公司 一种彩色共焦位移传感器与测量方法

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