JPH11214249A - 薄膜コンデンサ - Google Patents

薄膜コンデンサ

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JPH11214249A
JPH11214249A JP1705898A JP1705898A JPH11214249A JP H11214249 A JPH11214249 A JP H11214249A JP 1705898 A JP1705898 A JP 1705898A JP 1705898 A JP1705898 A JP 1705898A JP H11214249 A JPH11214249 A JP H11214249A
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electrode layer
thin film
electrode
lead
inductance
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JP1705898A
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Shiyouken Nagakari
尚謙 永仮
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大容量で低インダクタンス構造を有する薄膜コ
ンデンサを提供する。 【解決手段】膜厚が0.3〜1.0μmの誘電体薄膜3
の下面に引出部2aを有する第1電極層2を、上面に引
出部4aを有する第2電極層4を形成してなり、第1電
極層2の引出部2aと第2電極層4の引出部4aの間に
電圧が印加される薄膜コンデンサであって、第1電極層
2の引出部2aと第2電極層4の引出部4aの間隔L1
が0.1〜0.5mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜コンデンサに関
し、例えば、高速動作する電気回路に配設され、高周波
ノイズのバイパス用として、もしくは電源電圧の変動防
止用に供される、大容量、低インダクタンスの薄膜コン
デンサに関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化、高機能化に伴
い、電子機器内に設置される電子部品にも小型化、薄型
化、高周波対応などの要求が強くなってきている。
【0003】特に、大量の情報を高速に処理する必要の
あるコンピュータの高速デジタル回路では、パーソナル
コンピュータレベルにおいても、CPUチップ内のクロ
ック周波数は100MHzから数百MHz、チップ間バ
スのクロック周波数も30MHzから75MHzという
具合に高速化が顕著である。
【0004】また、LSIの集積度が高まりチップ内の
素子数の増大につれ、消費電力を抑えるために電源電圧
は低下の傾向にある。これらIC回路の高速化、高密度
化、低電圧化に伴い、コンデンサ等の受動部品も小型大
容量化と併せて、高周波もしくは高速パルスに対して優
れた特性を示すことが必須になってきている。
【0005】コンデンサを小型高容量にするためには、
一対の電極に挟持された誘電体を薄くし、薄膜化するこ
とが最も有効である。薄膜化は上述した電圧の低下の傾
向にも適合している。
【0006】一方、IC回路の高速動作に伴う諸問題は
各素子の小型化よりも一層深刻な問題である。このう
ち、コンデンサの役割である高周波ノイズの除去機能に
おいて、特に重要となるのは、論理回路の同時切り替え
が同時に発生したときに生ずる電源電圧の瞬間的な低下
を、コンデンサに蓄積されたエネルギーを瞬時に供給す
ることにより低減する機能であり、いわゆるデカップリ
ングコンデンサと称されるものである。
【0007】このデカップリングコンデンサに要求され
る性能は、クロック周波数よりも速い負荷部の電流変動
に対して、いかにすばやく電流を供給できるかにある。
従って、100MHzから1GHzにおける周波数領域
に対してコンデンサとして確実に機能しなければならな
い。
【0008】しかし、実際のコンデンサ素子は静電容量
成分の他に、抵抗成分、インダクタンス成分を持つ。容
量成分のインピーダンスは周波数増加とともに減少し、
インダクタンス成分は周波数の増加とともに増大する。
【0009】このため、動作周波数が高くなるにつれ、
素子の持つインダクタンスが供給すべき過渡電流を制限
してしまい、ロジック回路側の電源電圧の瞬時低下、ま
たは新たな電圧ノイズを発生させてしまう。結果とし
て、ロジック回路上のエラーを引き起こしてしまう。特
に最近のLSIは総素子数の増大による消費電力増大を
抑えるために電源電圧は低下しており、電源電圧の許容
変動幅も小さくなっている。従って、高速動作時の電圧
変動幅を最小に抑えるため、デカップリングコンデンサ
素子自身の持つインダクタンスを減少させることが非常
に重要である。
【0010】インダクタンスを減少させる方法として以
下に示す3つの方法がある。第1の方法は電流経路の長
さを最小にする方法、第2は電流経路をループ構造とし
ループ断面積を最小にする方法、第3は電流経路をn個
に分配して実効的なインダクタンスを1/nにする方法
である。
【0011】上記第1の方法は、単位面積あたりの容量
を増加させて小型化を図ればよく、コンデンサ素子を薄
膜化することにより達成できる。特に、大容量で高周波
特性の良好なコンデンサを得る目的で、誘電体厚さを1
μm以下に薄膜化した例が特開昭60−94716号公
報等に開示されている。
【0012】また、上記第2の方法は、一本の電流経路
が形成する磁場を、近接する別の電流経路が形成する磁
場により相殺低減する効果を利用する方法であるから、
コンデンサを形成する一対の電極板、または電極層に流
れる電流の向きをできるだけ同一方向にしないようにす
ればよい。誘電体厚み50〜63μmの厚膜誘電体層を
利用した例として、例えば特公昭62−2449号公報
に開示されている。
【0013】また、上記第3の方法は、分割したコンデ
ンサを並列接続することによって低インダクタンス化を
図るものであり、薄膜誘電体層を利用した例として、例
えば特開平4−211191号公報に開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、所望の
場所に実装できるデカップリングコンデンサを考えた場
合、ハンドリング可能な寸法として0.5mm×0.5
mm程度以上が必要であり、上記第1の方法、すなわち
薄膜、小型化の方法のみでインダクタンスを低減するに
は限界があった。
【0015】また、上記第2の方法では、コンデンサを
形成する電極板または電極層の電流経路の磁場によるイ
ンダクタンスの相殺低減効果は、誘電体層の膜厚によっ
ても変化するため、特公昭62−2449号公報で開示
されているような層厚50〜63μmの厚膜コンデンサ
においては、この電流経路の磁場によるインダクタンス
の相殺低減効果は小さい。また、引出部間の電流経路で
は電流の流れる方向は同一方向であるため、電流経路の
磁場による相殺効果はなく、また電極層の引出部も同一
極性の電極層の集合であり、電流経路の磁場による相殺
効果を受け得ないため、引出部間の電流経路、引出部寄
生のインダクタンスは残留する。その為、引出部間の電
流経路を短くしない限り、素子全体のインダクタンスを
減少させることはできない。
【0016】また、上記第3の分割並列接続の方法で
は、基板内蔵型では有利な手段となるが、実装の自由度
はない。また、通常の積層型コンデンサも並列接続であ
るが、電流の向きが同一方向であるため、各電極電流が
形成する磁場が重畳される。つまり相互インダクタンス
が大きくなるため、実効的な全インダクタンスを十分に
低減することはできなかった。従って、上記第2の方法
を併せて採用する必要があったが、上述したとおり、電
流経路の磁場によるインダクタンスの相殺低減効果は誘
電体層厚みにより変化する点、また、磁場による相殺低
減効果を受けない引出部および端子部寄生のインダクタ
ンスが残留する点により、十分なインダクタンス低減効
果を得られなかった。
【0017】本発明は、大容量で低インダクタンス構造
を有する薄膜コンデンサを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜コンデンサ
は、膜厚が0.3〜1.0μmの誘電体薄膜の下面に引
出部を有する第1電極層を、上面に引出部を有する第2
電極層を形成してなり、前記第1電極層の引出部と前記
第2電極層の引出部の間に電圧が印加される薄膜コンデ
ンサであって、前記第1電極層の引出部と前記第2電極
層の引出部の間隔L1 が0.1〜0.5mmであること
を特徴とする。
【0019】また、引出部を有する複数の電極層と、膜
厚が0.3〜1.0μmの複数の誘電体薄膜を交互に積
層してなり、前記電極層が下側から交互に第1電極層ま
たは第2電極層とされ、前記第1電極層の引出部同士お
よび前記第2電極層の引出部同士をそれぞれ第1接続端
子電極および第2接続端子電極により接続してなり、前
記第1接続端子電極と前記第2接続端子電極の間に電圧
が印加される薄膜コンデンサであって、前記第1電極層
の引出部と前記第2電極層の引出部の間隔L2が0.1
〜0.5mmであることを特徴とする。
【0020】
【作用】本発明の薄膜コンデンサは、誘電体薄膜を膜厚
0.3〜1.0μmの薄膜にすることにより、層厚みの
減少により高容量を得ることができるとともに、電極層
間における電流経路の磁場による相互インダクタンスの
相殺効果が大きくなるため、低インダクタンス化を図る
ことが可能となる。
【0021】また、第1電極層の引出部と第2電極層の
引出部の間隔L1 、L2 が0.1〜0.5mmであり、
近接しているため、第1電極層を流れる電流と第2電極
層を流れる電流の向きが逆方向となる割合が増加し、相
互インダクタンスによって自己インダクタンスがほぼ完
全に相殺されると同時に、引出部間の電流経路が短いた
め、引出部間の電流経路に起因するインダクタンスが減
少する。また、引出部が近接しており、しかも第1電極
層の引出部と第2電極層の引出部を流れる電流が逆方向
であるため、引出部寄生のインダクタンスが相殺されて
減少し、コンデンサ素子のインダクタンスを大幅に減少
させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の単板型の薄膜コンデンサ
は、図1および図2に示すように、絶縁体基板1上に矩
形状の第1電極層2、矩形状の誘電体薄膜3、矩形状の
第2電極層4を順次積層して形成されている。
【0023】誘電体薄膜3の厚みは0.3〜1.0μm
とされている。第1電極層2および第2電極層4には、
誘電体薄膜3の同一辺から突出するように引出部2a、
4aが形成されている。これら引出部2a、4aにはそ
れぞれ図示しないが外部導体が形成され、これらの外部
導体にはそれぞれ第1接続端子電極8および第2接続端
子電極9が形成されており、これらの第1接続端子電極
8および第2接続端子電極9間に電圧が印加される。
【0024】そして、本発明の単板型の薄膜コンデンサ
では、第1電極層2の引出部2aと第2電極層4の引出
部4aとの間隔L1 が0.1〜0.5mmとされてい
る。
【0025】また、本発明の積層型の薄膜コンデンサ
は、図3に示すように、絶縁体基板11上に、厚み0.
3〜1.0μmの複数の矩形状誘電体薄膜13と、引出
部を有する複数の矩形状電極層が交互に積層され、電極
層が下側から交互に第1電極層15または第2電極層1
6とされている。これらの第1電極層15または第2電
極層16には、それぞれ引出部15a、16aが形成さ
れている。
【0026】第1電極層15の引出部15a同士および
第2電極層16の引出部16a同士は、図示しないが外
部導体によりそれぞれ接続され、これらの外部導体に
は、それぞれ第1接続端子電極18および第2接続端子
電極19が形成されている。これらの第1接続端子電極
18と第2接続端子電極19間に電圧が印加される。
【0027】そして、本発明の積層型の薄膜コンデンサ
も、単板型と同様に、第1電極層15の引出部15aと
第2電極層16の引出部16aとの間隔L2 が0.1〜
0.5mmとされている。
【0028】ここで、第1電極層2、15と第2電極層
4、16が対称な構造である必要はなく、第1電極層
2、15と第2電極層4、16の引出部2a、4a、1
5a、16aがコンデンサ素子の同一面内に近接した状
態にあってかつ絶縁が確保できる構造であれば特に限定
されない。
【0029】第1電極層2、15の引出部2a、15a
と第2電極層4、16の引出部4a、16aとの間隔L
1 、L2 を0.1〜0.5mmとしたのは、L1 、L2
が0.1mm未満では引出部2a、4a、15a、16
aの形成が困難となり、0.5mmより大きくなると低
インダクタンスの薄膜コンデンサを得ることはできな
い。間隔L1 、L2 は、特に、約200pH以下のイン
ダクタンスを有する薄膜コンデンサを実現するためには
0.1〜0.3mmであることが望ましい。
【0030】本発明の薄膜コンデンサに用いる絶縁体基
板1はアルミナ、サファイア、窒化アルミ、MgO単結
晶、SrTiO3 単結晶、表面酸化シリコン、ガラス、
石英等から選択されるもので特に限定されない。
【0031】また、本発明の電極層2、4、15、16
および外部導体の材料は、白金(Pt)、金(Au)、
パラジウム(Pd)、低抵抗のCu、Ni等が好適に使
用可能であり、誘電体薄膜3、13との反応性が小さい
材料であれば特に限定されず、スクリーン印刷、スパッ
タ等の手法で形成可能であればよい。また接続端子電極
は積層コンデンサで一般的に使用されるAg−Pd等の
ペーストをスクリーン印刷等の公知の技術で、外部導体
表面に形成可能であればよい。
【0032】さらに、誘電体薄膜3、13は、高周波領
域において高い誘電率を有するものであれば良いが、P
b、Mg、Nbを含むペロブスカイト型酸化物結晶から
なる誘電体やそれ以外のPZT、PLZT、BaTiO
3 、SrTiO3 、Ta2 5 や、これらに他の金属を
添加したり、置換した化合物であってもよく、特に限定
されるものではない。また、膜厚は高い容量と絶縁性を
確保するため、さらには低インダクタンスを達成するた
め0.3〜1.0μmであることが必要であり、特には
0.4〜0.8μmの膜厚が望ましい。
【0033】誘電体薄膜3、13の膜厚が0.3μmよ
りも薄い場合には、絶縁性不良となり易く、上下の電極
層2、4、15、16間でショートが生じる虞があり、
1.0μmよりも厚くなると、静電容量の低下や、電極
層間における電流経路の磁場による相互インダクタンス
の相殺効果が小さくなり、全体として薄膜コンデンサの
インダクタンスが大きくなるからである。
【0034】尚、上記図1乃至図3の薄膜コンデンサ
は、絶縁体基板11上に形成したが、本発明の薄膜コン
デンサは、基板内に内蔵する場合であっても良い。この
内蔵型の薄膜コンデンサでは、接続端子電極8、9、1
8、19はスルーホール導体により形成される。
【0035】以上のように構成された薄膜コンデンサに
おいては、絶縁体基板11上に引出部2a、15aを有
する第1電極層2、15と、この第1電極層2、15の
引出部2a、15aに近接した位置に引出部4a、16
aを有する第2電極層4、16とが、誘電体薄膜3、1
3を挟持し、第1電極層2、15の引出部2a、15a
と第2電極層4、16の引出部4a、16aとの間隔L
1 、L2 が0.1〜0.5mmと近接しているため、図
4に実線と一点鎖線で示すように、第1電極層2、15
の電流(一点鎖線)と第2電極層4、16の電流(実
線)が逆方向に流れる割合が増加し、相互インダクタン
スによって自己インダクタンスを打ち消す効果が生じ、
インダクタンスを減少できる。図4において、破線は引
出部の間隔が大きい場合であり、逆方向に流れる割合が
少ないことが判る。
【0036】また、第1電極層2、15の引出部2a、
15aと第2電極層4、16の引出部4a、16aとの
間隔L1 、L2 が0.1〜0.5mmと近接しているた
め、引出部2a、4a間、引出部15a、16a間の電
流経路(X1 )が従来(X)よりも短くなり、電流経
路の磁場による相殺効果を受けない部分を低減でき、イ
ンダクタンスを低減できるとともに、間隔L、L2
が0.1〜0.5mmと近接しており、しかも図2に矢
印で示したように、引出部2aと4a、引出部15aと
16aを流れる電流が逆方向となり、電流経路の磁場に
よる相互インダクタンスの相殺効果が生じ、引出部2
a、4a、15a、16aに寄生するインダクタンスが
減少し、コンデンサ全体のインダクタンスを大幅に減少
させることができる。
【0037】さらに、誘電体薄膜3、13の膜厚を0.
3〜1.0μmとしたので、誘電体薄膜3、13の絶縁
性を確保でき、高容量を得ることができるとともに、低
インダクタンス化を促進できる。
【0038】
【実施例】各電極層の形成は高周波マグネトロンスパッ
タ法を用いた。まず、スパッタ用ガスとしてプロセスチ
ャンバー内にArガスを導入し、真空排気により圧力は
6.7Paに維持した。スパッタ時には成膜する材料種
のターゲット位置に基板ホルダーを移動させ、基板−タ
ーゲット間距離は60mmに固定した。
【0039】次に、基板ホルダーとターゲット間には外
部の高周波電源により13.56MHzの高周波電圧を
印加し、ターゲット背面に設置された永久磁石により形
成されたマグネトロン磁界により、ターゲット近傍に高
密度のプラズマを生成させてターゲット表面のスパッタ
を行った。
【0040】本実施例では、基板に最近接のターゲット
にのみ印加してプラズマを生成した。基板ホルダーはヒ
ータによる加熱機構を有しており、スパッタ成膜中の基
板温度は一定となるよう制御した。また、基板ホルダー
に設置された基板のターゲット側には厚さ0.1mmの
金属マスクが設置されており、成膜パターンに応じて必
要なマスクが基板成膜面にセットできる構造とした。
【0041】誘電体薄膜は全てゾルゲル法にて作製し
た。即ち、酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル比
で秤量し、1,3−プロパンジオール中で還流操作(約
124℃で6時間)を行い、MgNb複合アルコキシド
溶液(Mg=5.0mmol、Nb10.0mmol/
1、3−プロパンジオール100mmol )を合成した。
【0042】次にこのMgNb複合アルコキシド溶液に
酢酸鉛(三水和物)15mmolを添加し、60℃で溶
解させ、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (PMN)前駆
体溶液を合成した。
【0043】そして、図5(a)に示すコンデンサ部
(1.0mm×0.5mm)で引出部(0.1mm×0.
15mm)のマスクパターンにより0.3μm厚みのA
u電極(第1電極層)が形成された厚さ0.25mmの
アルミナの基板上に、前記塗布溶液をスピンコーターで
塗布し、乾燥させた後、約400℃で熱処理を1分間行
い、ゲル膜を作製した。
【0044】塗布溶液の塗布−熱処理の操作を繰り返し
た後、約830℃で5分間(大気中)の焼成を行い、膜
厚が表1に示す厚みのPMN薄膜からなる誘電体薄膜を
得た。得られた薄膜のX線回折結果より、ペロブスカイ
ト生成率を計算するとそれぞれ約95%であった。
【0045】この誘電体薄膜表面に、図5(b)のマス
クパターンによってAu電極(第2電極層)をスパッタ
蒸着した。第1および第2電極層の引出部間の間隔L2
を表1に示す間隔とした。電極層形成、誘電体薄膜形成
を繰り返し、誘電体薄膜が4層の積層体を得た。
【0046】これら薄膜コンデンサの第1および第2電
極層の引出部が露出するように切断した後、その引出部
露出部に外部導体としてPt電極を形成し、第1電極層
の引出部同士および第2電極の引出部同士を接続した。
【0047】その後、それぞれのPt電極からなる外部
導体上に市販のAg−Pdペーストをスクリーン印刷に
より塗布し、Ag−Pdからなる接続端子電極を形成
し、図3に示したような薄膜コンデンサを得た。
【0048】作製した薄膜コンデンサの静電容量をLC
メータ(ヒューレットパッカード社製HP4284A)
により、また、1MHzから1.8GHzでのインピー
ダンス特性をインピーダンスアナライザー(ヒューレッ
トパッカード社製HP4291A)を用いて測定し、そ
の結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】この表1から、誘電体薄膜の膜厚が0.2
μmの場合にはショートが発生し、また2μm、10μ
mの場合には、静電容量が低下するとともに、インダク
タンスが大きくなることが判る。
【0051】また、引出部間の間隔L2 が大きくなるに
つれてインダクタンスが大きくなり、0.5mmよりも
大きくなると250pHを越えてしまうことが判る。
【0052】一方、本発明の薄膜コンデンサでは、70
nF以上の静電容量で、かつインダクタンスも245p
H以下の特性が得られることが判る。
【0053】
【発明の効果】本発明の薄膜コンデンサによれば、電極
層を流れる電流が逆方向となる割合が増加するため、相
互インダクタンスによって自己インダクタンスを打ち消
す効果が生じると同時に、引出部間の距離が近接してい
るため、引出部寄生のインダクタンスが減少し、さら
に、誘電体薄膜の膜厚が0.3〜1.0μmと薄いた
め、インダクタンスをさらに低減でき、薄膜コンデンサ
全体のインダクタンスを大幅に減少させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単板型の薄膜コンデンサを示す展開斜
視図である。
【図2】本発明の単板型の薄膜コンデンサの平面図であ
る。
【図3】本発明の積層型の薄膜コンデンサを示す展開斜
視図である。
【図4】電極層を流れる電流を説明するための説明図で
ある。
【図5】(a)および(b)は実施例で使用した電極パ
ターンである。
【符号の説明】
1、11・・・絶縁体基板 2、15・・・第1電極層 3、13・・・誘電体薄膜 4、16・・・第2電極層 2a、4a、15a、16a・・・引出部 8、9、18、19・・・接続端子電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜厚が0.3〜1.0μmの誘電体薄膜の
    下面に引出部を有する第1電極層を、上面に引出部を有
    する第2電極層を形成してなり、前記第1電極層の引出
    部と前記第2電極層の引出部の間に電圧が印加される薄
    膜コンデンサであって、前記第1電極層の引出部と前記
    第2電極層の引出部の間隔L1 が0.1〜0.5mmで
    あることを特徴とする薄膜コンデンサ。
  2. 【請求項2】引出部を有する複数の電極層と、膜厚が
    0.3〜1.0μmの複数の誘電体薄膜を交互に積層し
    てなり、前記電極層が下側から交互に第1電極層または
    第2電極層とされ、前記第1電極層の引出部同士および
    前記第2電極層の引出部同士をそれぞれ第1接続端子電
    極および第2接続端子電極により接続してなり、前記第
    1接続端子電極と前記第2接続端子電極の間に電圧が印
    加される薄膜コンデンサであって、前記第1電極層の引
    出部と前記第2電極層の引出部の間隔L2 が0.1〜
    0.5mmであることを特徴とする薄膜コンデンサ。
JP1705898A 1998-01-29 1998-01-29 薄膜コンデンサ Pending JPH11214249A (ja)

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JP1705898A JPH11214249A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 薄膜コンデンサ

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