JP3389435B2 - 薄膜コンデンサ - Google Patents

薄膜コンデンサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜コンデンサに関
し、特に、高速動作する電気回路に配設され、高周波ノ
イズのバイパス用、もしくは電源電圧の変動防止用に供
される、大容量、低インダクタンスの薄膜コンデンサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、電子機器の小型化、高
機能化に伴い、電子機器内に設置される電子部品にも小
型化、薄型化、高周波対応などの要求が強くなってきて
いる。
【0003】特に大量の情報を高速に処理する必要のあ
るコンピュータの高速デジタル回路では、パーソナルコ
ンピュータレベルにおいても、CPUチップ内のクロッ
ク周波数は100MHzから数百MHz、チップ間バス
のクロック周波数も30MHzから75MHzと高速化
が顕著である。
【0004】また、LSIの集積度が高まりチップ内の
素子数の増大につれ、消費電力を抑えるために電源電圧
は低下の傾向にある。これらIC回路の高速化、高密度
化、低電圧化に伴い、コンデンサ等の受動部品も小型大
容量化と併せて、高周波もしくは高速パルスに対して優
れた特性を示すことが必須になってきている。
【0005】コンデンサを小型高容量にするためには一
対の電極に挟持された誘電体を薄くし、薄膜化すること
が最も有効である。薄膜化は上述した電圧の低下の傾向
にも適合している。
【0006】一方、IC回路の高速動作に伴う諸問題は
各素子の小型化よりも一層深刻な問題である。このう
ち、コンデンサの役割である高周波ノイズの除去機能に
おいて特に重要となるのは、論理回路の同時切り替えが
同時に発生したときに生ずる電源電圧の瞬間的な低下
を、コンデンサに蓄積されたエネルギーを瞬時に供給す
ることにより低減する機能である。いわゆるデカップリ
ングコンデンサである。
【0007】デカップリングコンデンサに要求される性
能は、クロック周波数よりも速い負荷部の電流変動に対
して、いかにすばやく電流を供給できるかにある。従っ
て、100MHzから1GHzにおける周波数領域に対
してコンデンサとして確実に機能しなければならない。
【0008】しかし、実際のコンデンサ素子は静電容量
成分の他に、抵抗成分、インダクタンス成分を持つ。容
量成分のインピーダンスは周波数増加とともに減少し、
インダクタンス成分は周波数の増加とともに増大する。
このため、動作周波数が高くなるにつれ、素子の持つイ
ンダクタンスが供給すべき過渡電流を制限してしまい、
ロジック回路側の電源電圧の瞬時低下、または新たな電
圧ノイズを発生させてしまう。結果として、ロジック回
路上のエラーを引き起こしてしまう。
【0009】特に最近のLSIは総素子数の増大による
消費電力増大を抑えるために電源電圧は低下しており、
電源電圧の許容変動幅も小さくなっている。従って、高
速動作時の電圧変動幅を最小に抑えるため、デカップリ
ングコンデンサ素子自身の持つインダクタンスを減少さ
せることが非常に重要である。
【0010】インダクタンスを減少させる方法は3つあ
る。第1は電流経路の長さを最小にする方法、第2は電
流経路をループ構造としループ断面積を最小にする方
法、第3は電流経路をn個に分配して実効的なインダク
タンスを1/nにする方法である。
【0011】第1の方法は、単位面積あたりの容量を増
加させて小型化を図ればよく、コンデンサ素子を薄膜化
することにより達成できる。大容量で高周波特性の良好
なコンデンサを得る目的で、特開昭60−94716号
公報に誘電体厚さを1μm以下に薄膜化した例が開示さ
れている。
【0012】第2の方法は、一本の電流経路が形成する
磁場を、近接する別の電流経路が形成する磁場により相
殺低減する効果であるから、コンデンサを形成する一対
の電極板、または電極層に流れる電流の向きをできるだ
け同一方向にしないようにすればよい。
【0013】第3の方法では、分割したコンデンサを並
列接続することによって低インダクタンス化が図れる。
この例として、特開平4−211191号公報に薄膜誘
電体層を利用した例が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、所望の
場所に実装できるデカップリングコンデンサを考えた場
合、ハンドリング可能な寸法として0.5mm×0.5
mm程度以上が必要であり、第1の薄膜、小型化の方法
のみでインダクタンスを低減するには限界があった。
【0015】また、第2の方法では正負の端子電極を同
一端面か、直交方向にする必要があり、実装上不利とな
る。
【0016】さらに、第3の分割並列接続の方法では、
基板内蔵型では有利な手段となるが、実装の自由度はな
い。また、通常の積層型コンデンサも並列接続である
が、電流の向きが同一方向であるため各電極電流が形成
する磁場が重畳される。つまり相互インダクタンスが大
きくなるため、実効的な全インダクタンスを十分に低減
することはできなかった。従って第2の手段を併せて採
用する必要があったが、上述したとおり、端子電極取り
出し方向の問題により実装上の問題があった。
【0017】本発明は、実装が容易でかつ大容量の低イ
ンダクタンス構造を有する薄膜コンデンサを提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜コンデンサ
は、基板と、該基板上に形成された第1電極層と、該第
1電極層上に形成された誘電体層と、該誘電体層上に形
成された第2電極層とにより構成され、両端部に前記第
1電極層または前記第2電極層の一端と接続される一対
の端子電極を具備する薄膜コンデンサにおいて、前記第
1電極層および前記第2電極層にそれぞれスリットを形
成するとともに、前記第1電極層のスリットと前記第2
電極層のスリットとの前記端子電極側に形成される相対
角度θが60度以上であることを特徴とする。
【0019】また、本発明の薄膜コンデンサは、基板上
に電極層と誘電体層とを交互に形成してなり、両端部に
前記電極層の基板側から数えて奇数番目の奇数電極層ま
たは前記電極層の基板側から数えて偶数番目の偶数電極
層の一端と接続される一対の端子電極を具備する積層型
の薄膜コンデンサにおいて、前記奇数電極層と前記偶数
電極層にそれぞれスリットを形成するとともに、前記奇
数電極層のスリットと前記偶数電極層のスリットとの前
記端子電極側に形成される相対角度θが60度以上であ
ことを特徴とする。
【0020】
【作用】本発明の薄膜コンデンサでは、誘電体層を挟持
する一対の電極層にスリットがそれぞれ形成され、一対
の電極層に形成されるスリットが所定の相対角度θを有
しているため、電極層を流れる電流の向きが誘電体層の
表裏で異なることになり、自己インダクタンスに付加さ
れる相互インダクタンスを極力減らすことができる。そ
して、上記一対の電極層に形成されるスリットのなす相
対角度(端子電極側に形成される相対角度θ)が、60
度以上である場合にはその効果が大きく、特に、90度
以上である場合には相互インダクタンスにより自己イン
ダクタンスを打ち消す効果が生じ、全インダクタンスを
大幅に減少させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜コンデンサは、図1
に示すように、基板1と、この基板1上に形成された第
1電極層2と、この第1電極層2上に形成された誘電体
層3と、この誘電体層3上に形成された第2電極層4と
により構成されている。これらの第1電極層2および第
2電極層4には、両端がそのまま端子電極5とされてお
り、このため実装が容易となる。
【0022】そして、第1電極層2および第2電極層4
には、端子電極5に対して斜めに複数のスリット7、8
が形成されており、第1電極層2のスリット7と第2電
極層4のスリット8とが所定の相対角度を有している。
これらのスリット7、8の形状は、図1では三角形状で
あるが、これらのスリット7、8は、電極層の電流の流
れを制御できる形状であれば特に形状に限定されるもの
ではない。また、スリット7、8の本数に関しても、電
流の流れを制御しうるという点から1本でも良いが、電
流の流れをより確実に制御するという点から複数形成す
ることが望ましい。
【0023】第1電極層2および第2電極層4のスリッ
トがなす相対角度は、図2および図3に示すように、そ
の端子電極5側の相対角度θは60度以上である。これ
は、相対角度θが60度よりも小さい場合にはインダク
タンス低減の効果が小さいからである。インダクタンス
低減の効果を大きくするという点から相対角度θは90
〜120度であることが望ましい。90度以上である場
合には相互インダクタンスにより自己インダクタンスを
打ち消す効果が生じ、好ましいが、120度を越えると
現実的な構成が殆ど不可能だからである。
【0024】本発明で用いられる基板としては、アルミ
ナ、サファイア、MgO単結晶、SrTiO3 単結晶、
チタン被覆シリコン、または銅(Cu)、ニッケル(N
i)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、ステンレスステ
ィール(Fe)薄膜もしくは薄板が望ましい。特に、薄
膜との反応性が小さく、安価で強度が大きく、かつ金属
薄膜の結晶性という点からアルミナ、サファイアが望ま
しく、高周波領域における低抵抗化の点で銅(Cu)薄
板または銅(Cu)薄膜が望ましい。
【0025】また、本発明の電極層は、例えば、白金
(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、銅(C
u)薄膜等があり、これらのうちでも白金(Pt)と金
(Au)薄膜が最適である。Pt、Auは誘電体との反
応性が小さく、また酸化されにくい為、誘電体との界面
に低誘電率相が形成されにくい為である。
【0026】さらに、誘電体層は、高周波領域において
高誘電率を有するものであれば良いが、その膜厚は1μ
m以下が望ましい。また、誘電体層は、例えば、金属元
素としてPb、Mg、Nbを含むペロブスカイト型複合
酸化物結晶からなる誘電体薄膜であって、測定周波数3
00MHz(室温)での比誘電率が1000以上の誘電
体薄膜が望ましい。尚、本発明においてはPb、Mg、
Nbを含むペロブスカイト型複合酸化物結晶からなる誘
電体薄膜以外のPZT、PLZT、BaTiO3 、Sr
TiO3 、Ta2 5 等の誘電体薄膜であっても良く、
特に限定されるものではない。このような誘電体層は、
PVD法、CVD法、ゾルゲル法等の公知の方法により
作製される。
【0027】以上のように構成された薄膜コンデンサで
は、誘電体層3を挟持する一対の電極層2、4にスリッ
ト7、8がそれぞれ形成され、一対の電極層2、4に形
成されるスリット7、8が所定の相対角度を有している
ため、電極層2、4を流れる電流の向きが誘電体層3の
表裏で異なることになり、自己インダクタンスに付加さ
れる相互インダクタンスを極力減らすことができる。ま
た、電極層を延設してその延設部を端子電極5とするこ
とができるため、新たに端子電極5を形成する必要もな
く、実装を容易とすることができる。
【0028】また、本発明の薄膜コンデンサでは、電極
層と誘電体層を交互に形成した積層型の薄膜コンデンサ
にも適用できる。このような積層型の薄膜コンデンサ
は、図4に示すように、基板上に形成される奇数電極層
32、誘電体層33、偶数電極層34、誘電体層33、
奇数電極層32が順次形成されている。
【0029】そして、これらの奇数電極層32および偶
数電極層34にも、斜めに複数のスリット7、8が形成
されており、奇数電極層32のスリット7と偶数電極層
34のスリット8とが所定の相対角度を有している。奇
数電極層32および偶数電極層34には、それぞれ端子
電極用延設部5a、5bが形成されており、奇数電極層
32の端子電極用延設部5aおよび偶数電極層34の端
子電極用延設部5bがそれぞれ相互に接続され、正負の
端子電極5を構成している。
【0030】このような積層型の薄膜コンデンサでも上
記と同様の効果が得られる。そして、この場合には容量
を増加することができる。
【0031】
【実施例】
実施例1 電極層及び誘電体層の形成は全て高周波マグネトロンス
パッタ法を用いた。スパッタ用ガスとしてプロセスチャ
ンバー内にArガスを導入し、真空排気により圧力は
6.7Paに維持した。プロセスチャンバー内には基板
ホルダーと3個のターゲットホルダーが設置され、3種
類のターゲット材料からのスパッタが可能である。
【0032】スパッタ時には成膜する材料種のターゲッ
ト位置に基板ホルダーを移動させ、基板−ターゲット間
距離は60mmに固定した。基板ホルダーとターゲット
間には外部の高周波電源により13.56MHzの高周
波電圧を印可し、ターゲット背面に設置された永久磁石
により形成されたマグネトロン磁界により、ターゲット
近傍に高密度のプラズマを生成させてターゲット表面の
スパッタを行った。
【0033】高周波電圧の印可は3個のターゲットに独
立に可能であり、本実施例では基板に最近接のターゲッ
トにのみ印可してプラズマを生成した。
【0034】基板ホルダーはヒータによる加熱機構を有
しており、スパッタ成膜中の基板温度は一定となるよう
制御した。
【0035】また、基板ホルダーに設置された基板のタ
ーゲット側には厚さ0.1mmの金属マスクが3種類設
置されており、成膜パターンに応じて必要なマスクが基
板成膜面にセットできる構造とした。
【0036】先ず、厚さ0.25mmのアルミナ焼結体
基板上に第1のマスクパターンで白金ターゲットのスパ
ッタにより第1電極層を形成し、続いてターゲットにP
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 焼結体を用い、第2のマス
クパターンをセットし、基板温度535℃、高周波電力
200Wの条件で誘電体層を形成した。最後に第3のマ
スクパターンをセットし、白金ターゲットのスパッタに
より第2電極層を形成した。各形成層の形状は図3に示
す。
【0037】電極層の外形部の面積は0.4mm2 、第
1と第2電極層パターンにおけるスリット方向は直交
(θ=90度)しており、両電極層の電極電流はほぼ直
交して流れる構造とした。さらに図2に示すように、電
極層のスリットが形成される側と反対側を誘電体層より
も延設し、この部分を端子電極とした。
【0038】作製した薄膜コンデンサの1MHzから
1.8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダン
スアナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP42
91A)を用いて測定した結果、容量成分は7.8n
F、インダクタンス成分100pHの値を得た。また上
記測定後、薄膜コンデンサの断面をSEM観察したとこ
ろ、誘電体層の厚さは約0.4μmであった。
【0039】さらに、本発明者等は、第1電極層と第2
電極層のスリットの相対角度θを変化させて薄膜コンデ
ンサを作製し、同様に測定を行った。その結果、角度0
度(並行)、55度、60度、75度、80度、100
度に対して、インダクタンスはそれぞれ220pH、2
05pH、150pH、125pH、120pH、70
pHの値が得られ、スリットが所定の相対角度を有する
場合には、インダクタンスの減少が見られるが、スリッ
トのなす相対角度θが60度未満ではインダクタンスの
減少が顕著でないことが判った。尚、容量についてはス
リットの相対角度に対する依存性は見られなかった。
【0040】実施例2 基板材、電極材、電極形成方法、形状、及び寸法は実施
例1(θ=90度)と全く同様にして、誘電体膜のみを
ゾルゲル法により形成した。ゾルゲル法による膜の作製
手順は以下のとおりとした。
【0041】酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル
比で秤量し、2−メトキシエタノール中で還流操作(1
24℃で24時間)を行い、MgNb複合アルコキシド
溶液(Mg=4.95mmol、Nb10.05mmo
l/2−メトキシエタノール150mmol)を合成し
た。次に酢酸鉛(無水物)15mmolと150mmo
lの2−メトキシエタノールを混合し、120℃での蒸
留操作により、Pb前駆体溶液を合成した。
【0042】MgNb前駆体溶液とPb前駆体溶液をモ
ル比Pb:(Mg+Nb)=1:1になるよう混合し、
室温で十分撹拌し、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (P
MN)前駆体溶液を合成した。
【0043】この溶液の濃度を2−メトキシエタノール
で約3倍に希釈し、塗布溶液とした。次に第1電極層が
形成されたサファイア基板上に、前記塗布溶液をスピン
コーターで塗布し、乾燥させた後、300℃で熱処理を
1分間行い、ゲル膜を作製した。塗布溶液の塗布−熱処
理の操作を繰り返した後、830℃で1分間(大気中)
の焼成を行い、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 薄膜を得
た。
【0044】得られた上記誘電体薄膜の上にレジストを
塗布しフォトリソグラフィー工程によって露光、現像
し、これをマスクとするウェットエッチングにより、実
施例1と同様のパターン形状に誘電体膜のパターニング
を行った。その後、実施例1と同様にスパッタ法により
第2電極層を形成した。
【0045】作製した薄膜コンデンサの1MHzから
1.8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダン
スアナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP42
91A)を用いて測定した。その結果、容量成分は1
4.6nF、インダクタンス成分90pHの値を得た。
また上記測定後、薄膜コンデンサの断面をSEM観察し
たところ、誘電体層の厚さは約0.5μmであった。
【0046】実施例3 実施例1と全く同様に第2電極層まで形成した後、以後
交互に誘電体層/電極層の順にスパッタ成膜し、誘電体
層を5層まで積層し、最後に電極層の形成を行い、積層
薄膜コンデンサを作製した。第3の電極層以降のマスク
パターンは奇数番目の奇数電極層は実施例1記載中第1
のマスクパターンを、偶数番目の偶数電極層については
実施例1記載中第3のマスクパターンを使用した。
【0047】作製した薄膜コンデンサの1MHzから
1.8GHzでのインピーダンス特性を、インピーダン
スアナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP42
91A)を用いて測定した。その結果、容量成分は3
5.3nF、インダクタンス成分95pHの値を得た。
また上記測定後、薄膜コンデンサの断面をSEM観察し
たところ、各誘電体層の厚さは約0.4μmであった。
【0048】さらに、本発明者等は、奇数電極層と偶数
電極層のスリットの相対角度θを変化させて薄膜コンデ
ンサを作製し、同様に測定を行った。その結果、角度0
度(並行)、55度、60度、75度、80度、120
度に対して、インダクタンスはそれぞれ235pH、2
00pH、160pH、110pH、105pH、60
pHの値が得られ、スリット方向の角度が60度未満で
はインダクタンスの減少が顕著でないことが判った。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、誘
電体層を挟持する一対の電極層にスリットがそれぞれ形
成され、一対の電極層のスリットで構成される端子電極
側の相対角度θが60度以上であるため、電極層を流れ
る電流の向きが誘電体層の表裏で異なることになり、自
己インダクタンスに付加される相互インダクタンスを極
力減らすことができる。このため、実装が容易で大容
量、低インダクタンスの薄膜コンデンサを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜コンデンサを示す分解斜視図であ
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の各層のパターン形状を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の積層型の薄膜コンデンサを示す分解斜
視図である
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・第1電極層 3・・・誘電体層 4・・・第2電極層 5・・・端子電極 7、8・・・スリット 32・・・奇数電極層 34・・・偶数電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/00 - 4/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に形成された第1電極層
    と、該第1電極層上に形成された誘電体層と、該誘電体
    層上に形成された第2電極層とにより構成され、両端部
    に前記第1電極層または前記第2電極層の一端と接続さ
    れる一対の端子電極を具備する薄膜コンデンサにおい
    て、前記第1電極層および前記第2電極層にそれぞれス
    リットを形成するとともに、前記第1電極層のスリット
    と前記第2電極層のスリットとの前記端子電極側に形成
    される相対角度θが60度以上であることを特徴とする
    薄膜コンデンサ。
  2. 【請求項2】基板上に電極層と誘電体層とを交互に形成
    してなり、両端部に前記電極層の基板側から数えて奇数
    番目の奇数電極層または前記電極層の基板側から数えて
    偶数番目の偶数電極層の一端と接続される一対の端子電
    極を具備する積層型の薄膜コンデンサにおいて、前記奇
    数電極層と前記偶数電極層にそれぞれスリットを形成す
    るとともに、前記奇数電極層のスリットと前記偶数電極
    層のスリットとの前記端子電極側に形成される相対角度
    θが60度以上であることを特徴とする薄膜コンデン
    サ。
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