JP2001015382A - 薄膜コンデンサ - Google Patents

薄膜コンデンサ

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JP2001015382A
JP2001015382A JP11184412A JP18441299A JP2001015382A JP 2001015382 A JP2001015382 A JP 2001015382A JP 11184412 A JP11184412 A JP 11184412A JP 18441299 A JP18441299 A JP 18441299A JP 2001015382 A JP2001015382 A JP 2001015382A
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external terminals
external terminal
film capacitor
capacitor
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Naonori Nagakari
尚謙 永仮
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】幅広い周波数領域でデカップリングコンデンサ
として機能し得る大容量でかつ低インダクタンス構造を
有する薄膜コンデンサを提供する。 【解決手段】絶縁基板1の表面に、下側電極層2、誘電
体層3、上側電極層4を順次積層してなるとともに、上
側電極層4上面の縁部に複数の第1外部端子7を設け、
さらに誘電体層3および上側電極層4の回りに形成され
た下側電極層2の環状露出部6に、第1外部端子7に近
接して複数の第2外部端子8を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜コンデンサに関
し、例えば、高速動作する電気回路に配設され、高周波
ノイズのバイパス用として、もしくは電源電圧の変動防
止用に供される、大容量、低インダクタンスの薄膜コン
デンサに関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化、高機能化に伴
い、電子機器内に設置される電子部品にも小型化、薄型
化、高周波対応などの要求が強くなってきている。
【0003】特に、大量の情報を高速に処理する必要の
あるコンピュータの高速デジタル回路では、パーソナル
コンピュータレベルにおいても、CPUチップ内のクロ
ック周波数は400MHz〜1GHz、チップ間バスの
クロック周波数も100MHz以上という具合に高速化
の動きが顕著である。
【0004】一方、IC回路の高速動作に伴う諸問題は
各素子の小型化よりも一層深刻な問題である。このう
ち、コンデンサの役割である高周波ノイズの除去機能に
おいて、特に重要となるのは、論理回路の切り替えが同
時に発生したときに生ずる電源電圧の瞬間的な低下をコ
ンデンサに蓄積されたエネルギーを瞬時に供給すること
により低減する機能であり、いわゆるデカップリングコ
ンデンサと称されるものである。
【0005】このデカップリングコンデンサに要求され
る性能は、クロック周波数よりも速い負荷部の電流変動
に対して、いかにすばやく電流を供給できるかにある。
従って、100MHz〜1GHzにおける周波数領域に
対してコンデンサとして確実に機能しなければならな
い。
【0006】この周波数領域で確実に機能させるために
は、デカップリングコンデンサ素子自身の持つインピー
ダンスを高周波の領域においても減少させ、貯えられた
電荷を瞬時に必要な電流として供給できる性能を有する
ことが非常に重要である。
【0007】必要な周波数領域でコンデンサ素子のイン
ピーダンスを最小にするためには、コンデンサ素子自身
の静電容量成分を大きくし、抵抗成分並びにインダクタ
ンス成分を小さくするか、等価直列インダクタンスES
Lと静電容量Cとで決定される共振周波数f0 =1/2
π(ESL・C)1/2 を必要周波数に合わせるように静
電容量を下げればよい。
【0008】前者の手法は、まず静電容量に関しては、
上述したように電極に狭持された誘電体層の厚みを薄く
することがもっとも有効である。抵抗成分は誘電体の誘
電損失および電極部の抵抗により決定され、電極部の抵
抗については数GHz以上で顕著になる表皮効果を別に
すれば、ほぼ一定値と考えればよい。
【0009】インダクタンスを減少させる方法としては
以下に示す3つの方法がある。第1の方法は電流経路の
長さを最小にする方法、第2は電流経路をループ構造と
しループ断面積を最小にする方法、第3は電流経路をn
個に分配して実効的なインダクタンスを1/nにする方
法である。これらの3つの方法は、特開昭60−947
16号公報、特公昭62−2449号公報、特開平4−
211191号公報等に開示されている。
【0010】上記のようにコンデンサ素子のインダクタ
ンス低減により、素子のインピーダンスを低減させる試
みはなされているが、使用できる領域はコンデンサの静
電容量とインダクタンスで決定される共振周波数付近の
みである。これ以上の周波数領域で容量を下げて使用し
た場合、上記共振周波数±数十MHz程度の領域でしか
機能しないコンデンサ素子になってしまう。
【0011】共振周波数付近でしかインピーダンスが下
がらない点を克服し、広い周波数領域において低インピ
ーダンスで機能するコンデンサ素子を実現する方法とし
ては、容量の異なるコンデンサ素子を並列接続する手段
が考えられている。
【0012】例えば、特開平6−77083号公報で開
示されているように、比誘電率の異なる複数の誘電体材
料を並列に配列し、大容量でかつ高周波特性に優れるコ
ンデンサを得る試みもある。
【0013】積層セラミックコンデンサにおいては、特
開平8−162368号公報に記載されているように、
1つのコンデンサ内で電極面積および誘電体層厚みを変
えることにより、容量の異なる2つのコンデンサ素子を
並列接続し、単一の部品で広い周波数領域でノイズ吸収
機能を発現される試みがなされている。
【0014】また、特開平9−246098号公報に
は、各容量が異なるように各層の電極を形成し、各段を
インダクタ素子を介して並列接続することにより、広い
周波数領域でノイズ吸収機能を発現させる試みがなされ
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−77083号公報のコンデンサでは、外部端子電極
が1対のままであったため、内部構造のコンデンサを平
面内で分割しても、等価回路は単一のコンデンサと何ら
変わらないため、材料の誘電特性の並列効果のみで、等
価回路上の効果は現れていないと考えられる。
【0016】また、特開平8−162368号公報の並
列コンデンサでは、等価回路上は並列回路であるが、チ
ップ内の2つのコンデンサ素子の自己インダクタンスが
大きいと、その並列接続の大きな効果を得ることができ
ない。さらに、この構造では2つのコンデンサ素子自身
には同一方向の電流が流れてしまうため、2つのコンデ
ンサ素子間の相互インダクタンスが大きくなり、並列接
続の効果を期待することはできない。
【0017】また、特開平9−246098号公報の並
列コンデンサの間にインダクタ素子を挿入するコンデン
サでは、素子全体のインダクタンスが増大してしまい低
インピーダンス化に逆行する。さらに重要な問題とし
て、各共振点間には並列共振によるインピーダンスの極
大点が存在してしまう点が上げられる。この並列共振を
抑えないと100MHz以上の広い周波数領域でインピ
ーダンスを下げることはできない。
【0018】本発明は、幅広い周波数領域で機能し得る
大容量でかつ低インダクタンスの薄膜コンデンサを提供
することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜コンデンサ
は、絶縁基板の表面に、下側電極層、誘電体層、上側電
極層を順次積層してなるとともに、前記上側電極層上面
の縁部に複数の第1外部端子を設け、さらに前記誘電体
層および前記上側電極層の回りに形成された前記下側電
極層の環状露出部に、前記第1外部端子に近接して複数
の第2外部端子を設けたものである。
【0020】ここで、複数の第1外部端子が上側電極層
上面の縁部に所定間隔を置いて環状に設けられており、
複数の第2外部端子が下側電極層の環状露出部に所定間
隔を置いて環状に設けられていることが望ましい。ま
た、第1外部端子および第2外部端子がそれぞれ4個以
上設けられていることが望ましい。さらに、第1外部端
子と、該第1外部端子に近接する第2外部端子との距離
が0.45mm以下であることが望ましい。
【0021】
【作用】本発明の薄膜コンデンサでは、上側電極層上面
の縁部に複数の第1外部端子を設け、さらに誘電体層お
よび上側電極層の回りの下側電極層の環状露出部に、第
1外部端子に近接して複数の第2外部端子を設けたの
で、下側電極層の環状露出部の複数の第2外部端子から
入力された電流は、下側電極層、誘電体層を介して、上
側電極層上面の縁部に形成された複数の第1外部端子に
流れ、個々の第2外部端子からの入力電流は薄膜コンデ
ンサの面内で複数の方向に確実に分流されるため、相互
インダクタンスの影響を受けずに複数個の薄膜コンデン
サを並列接続したような効果が現れ、実効的なインダク
タンスを減少させることができる。このように分流効果
と並列接続の効果によって、幅広い周波数領域で低イン
ピーダンス特性を示すことが可能となる。
【0022】また、全インダクタンスが第1外部端子と
第2外部端子の数と配置位置によって決定されるので、
外形寸法による制限はなく、大容量で、かつ低インダク
タンスの薄膜コンデンサを容易に得ることができる。
【0023】また、複数の第1外部端子を上側電極層上
面の縁部に所定間隔を置いて環状に設け、複数の第2外
部端子を下側電極層の環状露出部に所定間隔を置いて環
状に設けることにより、個々の第2外部端子からの入力
電流を複数の方向に確実に分流することができ、実効的
なインダクタンスをさらに減少させることができ、さら
に幅広い周波数領域で低インピーダンス特性を示すこと
が可能となる。
【0024】さらに、第1外部端子および第2外部端子
をそれぞれ4個以上設けることにより、実効的なインダ
クタンスを最小限に抑制することができる。
【0025】また、第1外部端子と、該第1外部端子に
近接する第2外部端子との距離を0.45mm以下とす
ることにより、薄膜コンデンサの寸法を小型化できると
ともに、実効的なインダクタンスを最小限に抑制するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明の薄膜コン
デンサを示すもので、この薄膜コンデンサは、絶縁基板
1上に、下側電極層2、誘電体層3、上側電極層4を順
次積層して構成されている。下側電極層2、誘電体層
3、上側電極層4はいずれも正方形状とされており、そ
の一辺の長さは、下側電極層2、誘電体層3、上側電極
層4の順で小さくされている。即ち、下側電極層2、誘
電体層3、上側電極層4の面積は、この順序で小さくさ
れており、積層した場合には、上方から見ると、図1に
示したように、誘電体層3および上側電極層4の回りの
下側電極層2には、環状露出部6が形成されている。
【0027】そして、本発明の薄膜コンデンサでは、上
側電極層4上面の縁部には複数の第1外部端子7が設け
られ、下側電極層2の環状露出部6には、第1外部端子
7に近接して複数の第2外部端子8が設けられている。
【0028】複数の第1外部端子7は上側電極層4上面
の縁部に所定間隔を置いて環状に設けられており、複数
の第2外部端子8が下側電極層2の環状露出部6に所定
間隔を置いて環状に設けられている。
【0029】ここで、第1外部端子7は、図1に示した
ように、下側電極層2の環状露出部6(縁部)に等間隔
で配置されている。この時、第1外部端子7同士の間隔
は、素子サイズ、端子サイズによって変わるため、特に
限定されないが、実装を考慮すると一定の間隔であるこ
とが望ましい。
【0030】また、第2外部端子8は、図1に示したよ
うに、上側電極層4上の第1外部端子7に近接した位置
に配置されており、第2外部端子8も第1外部端子7と
同様に一定間隔で配置されることが望ましい。
【0031】第1外部端子7および第2外部端子8はそ
れぞれ4個以上設けられていることが望ましい。これ
は、実装の面を考慮すると、第1外部端子7および第2
外部端子8がそれぞれ4個未満の場合は、基板等への実
装時の安定性が悪く、信頼性を確保することができな
い。特には、インダクタンスを抑制するという点から
は、第1外部端子7および第2外部端子8はそれぞれ1
2個以上設けられていることが望ましい。図1では第1
外部端子7が16個、第2外部端子8が20個形成され
ている。
【0032】尚、第1外部端子7および第2外部端子8
はそれぞれ複数設けられているが、これは、図1、2に
示した正方形状の薄膜コンデンサにおいて、第1外部端
子7および第2外部端子8が1個の場合には、入力電流
の分流効果が十分発揮できず、薄膜コンデンサの全イン
ダクタンスを減少させる効果が小さく、低インダクタン
スの薄膜コンデンサが得られないからである。
【0033】第1外部端子7と、該第1外部端子7に最
も近接する第2外部端子8との距離Pが0.45mm以
下とされている。これは0.45mmよりも大きくなる
と大型化するとともに、インダクタンスが大きくなる傾
向にあるからである。距離Pは、実装の面から考えて一
定間隔であることが望ましく、かつできる限り近接させ
る方がインダクタンスを低下させる点で有効であること
は言うまでもない。
【0034】尚、図1では、正方形状の下側電極層2、
誘電体層3、上側電極層4を形成した例について説明し
たが、4方向以上に分流可能な形状であれば、特に限定
されない。
【0035】また、図2に示すように、薄膜コンデンサ
全体を覆うように、即ち、下側電極層2、誘電体層3、
上側電極層4の露出面を被覆するように保護膜層9が形
成されている。保護膜層9は、第2外部端子8と第1外
部端子7間の絶縁性を確保するため形成される。尚、図
1においては、理解を容易にするため保護膜層9の記載
は省略した。
【0036】保護膜層9には、下側電極層2および上側
電極層4からの電気的な信号を取り出すためのビアホー
ルが形成されており、これらビアホール内部には第1外
部端子7、第2外部端子8がそれぞれ形成され、これら
の第1外部端子7、第2外部端子8が、基板に形成され
た電極に接続され、本発明の薄膜コンデンサが基板に搭
載されることになる。
【0037】本発明に用いられる絶縁基板1としてはア
ルミナ、サファイア、窒化アルミ、MgO単結晶、Sr
TiO3 単結晶、表面酸化シリコン、ガラス及び石英等
から選択されるもので特に限定されない。
【0038】また、電極層材料としては、白金(P
t)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、
低抵抗のCu、Ni等が好適に使用可能であり、誘電体
層との反応性が小さい材料であれば特に限定されず、ス
クリーン印刷、スパッタ等の手法で形成可能であればよ
い。
【0039】また、第1外部端子7と第2外部端子8
は、半田ボール若しくは半田ペースト等により形成され
る半田バンプやAg−Pd等のペーストのスクリーン印
刷、Ni−半田メッキ、Ni−Snメッキ等の公知の技
術で形成可能であればよい。
【0040】さらに、誘電体層材料は、高周波領域にお
いて高い誘電率を有するものであれば良いが、Pb、M
g、Nbを含むペロブスカイト型酸化物結晶からなる誘
電体やそれ以外のPZT、PLZT、BaTiO3 、S
rTiO3 、Ta2 5 やこれらに他の金属を添加した
り、置換した化合物であってもよく、特に限定されるも
のではない。また、薄膜タイプの場合、誘電体層の膜厚
は高い容量と絶縁性を確保するため、0.3〜1.0μ
m、特に0.4〜0.8μmが望ましい。
【0041】以上のように構成された薄膜コンデンサで
は、まず第2外部端子8から下側電極層2を介して入力
された電流は、図1の矢印で示したように、近接する第
1外部端子7に流れる。この時、第1外部端子7および
第2外部端子8は、薄膜コンデンサの面内で均等に配置
されているため、4方向に分割された入力電流は相互イ
ンダクタンスの影響を受けずに薄膜コンデンサの面内で
4方向以上に確実に分流される。このため、4つ以上の
コンデンサを並列接続したような効果が現れ、実効的な
インダクタンスを減少させることができる。
【0042】そして、分流効果と並列接続効果を充分に
発揮することによって、幅広い周波数領域で低インピー
ダンス特性を示す薄膜コンデンサを得ることができる。
【0043】
【実施例】各電極層の形成は高周波マグネトロンスパッ
タ法を用いた。まず、スパッタ用ガスとしてプロセスチ
ャンバー内にArガスを導入し、真空排気により圧力は
6.7Paに維持した。スパッタ時には成膜する材料種
のターゲット位置に基板ホルダーを移動させ、基板−タ
ーゲット間距離は60mmに固定した。
【0044】次に、基板ホルダーとターゲット間には外
部の高周波電源により13.56MHzの高周波電圧を
印加し、ターゲット背面に設置された永久磁石により形
成されたマグネトロン磁界により、ターゲット近傍に高
密度のプラズマを生成させてターゲット表面のスパッタ
を行った。
【0045】本実施例では、基板に最近接のターゲット
にのみ印加してプラズマを生成した。基板ホルダーはヒ
ータによる加熱機構を有しており、スパッタ成膜中の基
板温度は一定となるよう制御した。また、基板ホルダー
に設置された基板のターゲット側には厚さ0.1mmの
金属マスクが設置されており、成膜パターンに応じて必
要なマスクが基板成膜面にセットできる構造とした。
【0046】誘電体層は全てゾルゲル法にて作製した。
即ち、酢酸MgとNbエトキシドを1:2のモル比で秤
量し、1,3−プロパンジオール中で還流操作(約12
4℃で6時間)を行い、MgNb複合アルコキシド溶液
(Mg=5.0mmol、Nb=10.0mmol、
1,3−プロパンジオール100mmol)を合成し
た。次にこのMgNb複合アルコキシド溶液に酢酸鉛
(三水和物)15mmolを添加し、60℃で溶解さ
せ、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 (PMN)前駆体溶
液を合成した。
【0047】そして、正方形状の下側電極層のマスクパ
ターンにより、0.3μm厚みのAu系膜が形成された
厚さ0.25mmのアルミナの基板上に、塗布溶液をス
ピンコーターで塗布し、乾燥させた後、約400℃で熱
処理を1分間行い、ゲル膜を作製した。
【0048】塗布溶液の塗布−熱処理の操作を繰り返し
た後、約820℃で2分間(大気中)の焼成を行い、膜
厚0.7μmのPMN薄膜を得た。得られた薄膜のX線
回折結果より、ペロブスカイト生成率を計算するとそれ
ぞれ約95%であった。その後、フォトレジスト工程に
より、誘電体層が下側電極層の内側に形成されるよう誘
電体層のパターニングを行った。
【0049】この誘電体層表面の内側に上側電極層が形
成されるよう、マスクパターンによってAu系電極をス
パッタ蒸着した。
【0050】また、端子電極数並びに外部端子間の距離
Pの異なる試料も作製した。それぞれの素子形成後、光
感光性樹脂を用い、それぞれの素子に対応したビアホー
ルを有する保護膜層を形成し、そのビアホール内に、半
田ペーストのスクリーン印刷により、半田ペーストを印
刷した後、リフロー処理によって、直径0.1mmの半
田バンプを形成し、第1外部端子および第2外部端子を
有する図3に示すような薄膜コンデンサを得た。
【0051】作製した薄膜コンデンサの1MHz〜1.
8GHzでのインピーダンス特性をインピーダンスアナ
ライザー(ヒューレットパッカード社製HP4291
A)とマイクロ波プローブ(ピコプローブ社製)を用い
て、静電容量およびインダクタンスを測定した。その結
果を表1に示す。尚、表1において第1外部端子、第2
外部端子を1個、2個、3個、4個、12個、16個有
する薄膜コンデンサとは、図3(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)、(f)に示すような薄膜コン
デンサである。
【0052】
【表1】
【0053】この表1から、外部端子間距離Pが0.4
5mm以下の薄膜コンデンサにおいて、第1外部端子お
よび第2外部端子数を2個以上配置することによって、
全インダクタンス100pH以下という低インダクタン
スな薄膜コンデンサを作製することができる。
【0054】尚、図4(a)に、第1外部端子、第2外
部端子が16個形成され、外部端子間距離Pが0.2m
mの図3(f)に示す薄膜コンデンサのインピーダンス
特性を示した。この試料では、広い周波数領域で低いイ
ンピーダンス特性を有することが判る。一方、図4
(b)に、第1外部端子、第2外部端子が1個形成さ
れ、外部端子間距離Pが0.2mmの図3(a)に示す
薄膜コンデンサのインピーダンス特性を示した。尚、表
1における静電容量は1MHzの値、インダクタンスは
L=1/(2πf0 2 ×Cから計算した値である。
【0055】
【発明の効果】本発明の薄膜コンデンサでは、まず複数
個の第2外部端子から下側電極層を介して入力された電
流は、近接した複数個の第2外部端子に流れ、例えば、
第1外部端子および第2外部端子を薄膜コンデンサの面
内で均等に配置することにより、入力電流は相互インダ
クタンスの影響を受けずに薄膜コンデンサの面内で複数
の方向に確実に分流される。このため、複数個の薄膜コ
ンデンサを並列接続したような効果が現れ、実効的なイ
ンダクタンスを減少させることができる。そして、分流
効果と並列接続効果を充分に発揮することによって、幅
広い周波数領域で低インピーダンス特性を示す薄膜コン
デンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜コンデンサの平面図を示すもので
ある。
【図2】本発明の薄膜コンデンサの断面図である。
【図3】実施例で作製した薄膜コンデンサの外部端子の
配置を示す平面図である。
【図4】従来と本発明の薄膜コンデンサのインピーダン
ス特性を示す図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基板 2・・・下側電極層 3・・・誘電体層 4・・・上側電極層 6・・・環状露出部 7・・・第1外部端子 8・・・第2外部端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板の表面に、下側電極層、誘電体
    層、上側電極層を順次積層してなるとともに、前記上側
    電極層上面の縁部に複数の第1外部端子を設け、さらに
    前記誘電体層および前記上側電極層の回りに形成された
    前記下側電極層の環状露出部に、前記第1外部端子に近
    接して複数の第2外部端子を設けたことを特徴とする薄
    膜コンデンサ。
  2. 【請求項2】複数の第1外部端子が上側電極層上面の縁
    部に所定間隔を置いて環状に設けられており、複数の第
    2外部端子が下側電極層の環状露出部に所定間隔を置い
    て環状に設けられていることを特徴とする請求項1記載
    の薄膜コンデンサ。
  3. 【請求項3】第1外部端子および第2外部端子がそれぞ
    れ4個以上設けられていることを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の薄膜コンデンサ。
  4. 【請求項4】第1外部端子と、該第1外部端子に近接す
    る第2外部端子との距離が0.45mm以下であること
    を特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の薄
    膜コンデンサ。
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