JPH11209331A - アンモ酸化反応による不飽和ニトリルの製造方法 - Google Patents

アンモ酸化反応による不飽和ニトリルの製造方法

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JPH11209331A
JPH11209331A JP10216530A JP21653098A JPH11209331A JP H11209331 A JPH11209331 A JP H11209331A JP 10216530 A JP10216530 A JP 10216530A JP 21653098 A JP21653098 A JP 21653098A JP H11209331 A JPH11209331 A JP H11209331A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 プロパンまたはイソブタンのアンモ酸化
反応により対応する不飽和ニトリルを製造するに際し
て、触媒の昇温を行うに当たり、触媒の温度が300℃
以上においては、分子状酸素含有ガスに加えて燃焼性ガ
スを反応器に供給しながら触媒の昇温を行い、次に、ア
ンモ酸化原料ガスに切り替えて不飽和ニトリルを製造す
る方法。 【効果】 触媒の性能低下が抑制され、不飽和ニトリル
を高い収率で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、担体に担持され、
モリブデン、バナジウム、ニオブに加えてテルルまたは
アンチモンから選ばれる1種以上の元素を含む酸化物か
らなる触媒を用い、流動床反応器においてプロパンまた
はイソブタンとアンモニアおよび分子状酸素とを反応さ
せて対応する不飽和ニトリルを製造する方法に関する。
さらに詳しくは、該触媒を用いてプロパンまたはイソブ
タンとアンモニアおよび分子状酸素とを反応させて対応
する不飽和ニトリルを製造するための該触媒の昇温方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレン、イソブテン等のオレフィン
とアンモニアおよび分子状酸素との反応である、いわゆ
るアンモ酸化反応によりアクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリルを製造する方法はよく知ら
れている。一方、オレフィンに対するアルカンの価格の
優位性から、プロパン、イソブタン等のアルカンを原料
とし、触媒の存在下でアンモニアおよび分子状酸素との
反応によりアクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
不飽和ニトリルを製造する方法が注目されており、用い
られる触媒も多数提案されている。
【0003】これらの触媒の中で、特公第260876
8号公報、特開平5−208136号公報、特開平6−
285372号公報等には、プロパンのアンモ酸化によ
りアクリロニトリルを製造するための触媒としてモリブ
デン、バナジウム、テルルおよびニオブを含有する酸化
物触媒とその製造方法が、特開平9−157241号公
報には、プロパンのアンモ酸化によりアクリロニトリル
を製造するための触媒としてモリブデン、バナジウム、
アンチモンおよびニオブを含有する酸化物触媒が開示さ
れている。しかし、これらにおいては、触媒性能を評価
するための反応条件は記載してあるものの、反応を開始
するために触媒の温度を高める方法に関してはなんら記
載されていない。また、特開平10−57813号公報
には、モリブデン、バナジウムに加えてテルルまたはア
ンチモンから選ばれた元素からなる触媒を用いて、プロ
パンの酸化によりアクリル酸を製造する方法において、
触媒を実質的に酸素不存在下で加熱処理した後に、さら
に、酸素含有ガス気流中で加熱処理することが開示され
ている。しかし、この方法は、プロパンまたはイソブタ
ンのアンモ酸化反応に対して有効かどうかについては何
ら言及していない。また、特開平8−225506号公
報には、アルカンのアンモ酸化方法として、供給するア
ンモニアを反応器に分割供給してアンモ酸化反応をさせ
る方法が開示されているが、反応を開始するために触媒
層の温度を高める方法についてはなんら記載がない。
【0004】また、飽和炭化水素のアンモ酸化反応に用
いる触媒として、特公第2599677号公報には、バ
ナジウム、アンチモンに加えて鉄、ガリウムおよびイン
ジウムから選ばれる元素からなる触媒が、特公平6−9
2355号公報には、モリブデン、バナジウムに加えて
マンガン、亜鉛、コバルト、銅、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、銀から選ばれる元素からなる触媒が、特
公第2506602号公報には、バナジウム、アンチモ
ンおよびビスマスからなる触媒が開示されている。これ
らの公報においては、アンモ酸化反応の試験方法とし
て、触媒をヘリウムでパ−ジしながら150℃まで昇温
した後、プロパン、アンモニア、酸素、水蒸気およびヘ
リウムを含む原料ガスを供給し、所定の温度、例えば3
00℃で30分間安定させた後に反応器出口ガスを分析
する方法が記載されている。しかし、本発明者らの検討
によれば、これらの触媒においては、触媒の温度を上げ
るときのガスとして空気を用いても、また、燃焼性ガス
を含む酸素含有ガスを用いても、触媒の性能に対しては
ほとんど影響は見られなかった。
【0005】また、GB1,304,665号公報に
は、オレフィンのアンモ酸化反応に用いるアンチモンお
よびウランからなる触媒等の反応方法として、触媒の再
生層と反応層が連続しており、再生層には反応に必要な
酸素の他に全供給アンモニア量の3%以上を供給するこ
とが開示されているが、この方法は、再生層におけるプ
ロピレンの損失を少なくするために再生層にアンモニア
を導入する方法であり、単に再生のみの操作であれば空
気で十分であることに加えて、反応を開始するために触
媒層の温度を高める方法についてはなんら記載がない。
【0006】また、USP4,814,478号公報に
は、飽和炭化水素のアンモ酸化反応に用いる触媒とし
て、バナジウムとアンチモンを主成分とする触媒とモリ
ブデン、ビスマスおよび鉄を主成分とする触媒の混合物
を用いて反応させることが開示されており、具体的な反
応方法として、固定床での反応においてプレヒ−トレッ
グを用いて反応ガスを予熱する方法が開示されている
が、反応を開始するために触媒層の温度を高める方法に
ついてはなんら記載されていない。
【0007】USP3,833,638号公報には、飽
和炭化水素のアンモ酸化反応に用いる触媒として、モリ
ブデン、セリウムに加えてビスマスおよびテルルから選
ばれる元素からなる触媒が開示されており、反応器の温
度が望ましい反応温度になる前、または、なった後のど
ちらにおいても反応原料ガスを導入できると記載されて
いる。しかし、この明細書中に、該触媒は高温で空気と
接触することにより触媒活性が再生するとの記載がある
ことから、空気で昇温し、反応温度で反応原料ガスを供
給することが好ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明に用いる触媒
は、300℃からアンモ酸化反応を行う温度に到達する
までの間に空気に代表される酸素含有ガスに接触すると
触媒構造が変化し、転化率、不飽和ニトリル収率の低下
等、触媒の性能が低下することが判った。本発明は、流
動床反応器においてプロパンまたはイソブタンとアンモ
ニアおよび分子状酸素とを反応させて対応する不飽和ニ
トリルを製造するに際して、この触媒の性能を低下させ
ることなく、空気に代表される酸素含有ガスを用いて触
媒の昇温を行い、不飽和ニトリルを高い収率で製造する
方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、触媒の性
能低下を抑制する昇温方法について鋭意検討した結果、
担体に担持され、モリブデン、バナジウム、ニオブに加
えてテルルまたはアンチモンから選ばれる1種以上の元
素を含む酸化物からなる触媒を用い、流動床反応器にお
いて380〜500℃の温度でプロパンまたはイソブタ
ンのアンモ酸化反応により対応する不飽和ニトリルを製
造するに際して、(1)300℃からアンモ酸化反応を
実施する温度未満までの温度に予熱された触媒を流動床
反応器に準備し、(2)流動床反応器の予熱された触媒
に分子状酸素含有ガスと、触媒の存在下、分子状酸素と
反応して燃焼する燃焼性ガスを供給しながら、触媒をア
ンモ酸化反応を行う温度に到達するまで昇温させ、
(3)触媒の温度がアンモ酸化反応を行う温度に到達し
た時に、流動床反応器へ供給している燃焼性ガスと分子
状酸素含有ガスを、プロパンまたはイソブタン、アンモ
ニアおよび分子状酸素を含むアンモ酸化反応原料ガスに
切り替える、ことにより、驚くべきことに高い温度にお
いて、高濃度の酸素を含むガスと接触しても触媒の性能
低下が抑制されることを見出し、本発明を完成した。す
なわち、本発明は、触媒の性能低下を抑制する昇温方法
を用いた不飽和ニトリルの製造方法を提供するものであ
る。
【0010】本発明において、300℃以上の温度に予
熱された触媒を流動床反応器に準備する方法については
特に制限はない。例えば、室温の触媒を流動床反応器に
搬入し、次に、温度を高めた空気または不活性ガスから
選ばれた1種以上のガスを該流動床反応器に供給するこ
とで実施できる。また、触媒ホッパー等の該流動床反応
器以外の場所で予め予熱した触媒を、該流動床反応器に
搬入することで実施することもできる。該触媒を予熱す
るために流動床反応器等に供給するガスの温度を高める
方法としては、スチームまたは炭化水素燃料の燃焼熱を
利用して熱交換器により加熱する、または電気ヒーター
を用いて加熱する等の方法を用いることができる。
【0011】本発明に用いられる燃焼性ガスは、300
℃以上の温度で分子状酸素含有ガスと、触媒の存在下、
分子状酸素と反応して燃焼するガスである。具体的に
は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン等の炭素数1〜8のアルカ
ン類、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキ
セン、ヘプテン、オクテン等の炭素数2〜8のアルケン
類、アセチレン、メチルアセチレン、ジメチルアセチレ
ン等の炭素数2〜4のアルキン類、ブタジエン、イソプ
レン等の炭素数4〜5のジエン類、シクロプロパン、シ
クロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
ヘプタン、シクロオクタン等の炭素数3〜8のシクロア
ルカン類、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペン
テン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテ
ン等の炭素数3〜8の等のシクロアルケン類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベ
ンゼン、スチレン等の炭素数6〜9の芳香族類、メタノ
−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタ
ノ−ル、ヘキサノ−ル、ヘプタノ−ル、オクタノ−ル等
の炭素数1〜8のアルコ−ル類、ジメチルエ−テル、ジ
エチルエ−テル、アニソ−ル、テトラヒドロフラン、フ
ラン、ジオキサン等の炭素数2〜7のエ−テル類、ホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、バレルアルデヒド等の炭素数1〜4のアルデヒド
類、酸化エチレン、酸化プロピレン等の炭素数2〜3の
エポキシド類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、メチルベンジルケトン等の炭素数2〜8のケ
トン類、シアン化水素、アセトニトリル、プロピオニト
リル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソブ
チロニトリル等の炭素数1〜4のニトリル類、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、吉草酸等の炭素数1〜4のカルボン
酸類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、吉草酸
メチル、吉草酸エチル等の炭素数2〜6のエステル類、
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アニ
リン、ピリジン、ニトロメタン、ニトロエタン等の炭素
数1〜6の含窒素有機化合物、メチルメルカプタン、チ
オフェン、ジメチルチオエ−テル、ジエチルチオエ−テ
ル等の炭素数1〜4の含硫黄有機化合物等の有機化合
物、水素、アンモニア、一酸化炭素、硫化水素、二硫化
炭素等の無機化合物が挙げられる。
【0012】これらの化合物の中で、好ましくはプロパ
ン、イソブタン、プロピレン、イソブテン、メタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、水素、アンモニア、一
酸化炭素を用いるのがよく、さらに好ましくはプロパ
ン、イソブタン、プロピレン、イソブテン、アンモニア
が、特に好ましくはアンモニアが挙げられる。これらの
ガスは単独でも、また、混合物としても用いることがで
きる。
【0013】本発明の燃焼性ガスの供給量は特に制限は
ないが、触媒の性能低下の抑制効果と、反応器出口のガ
ス組成として爆発範囲を避けることを考慮して設定する
ことができる。具体的には、供給量の下限としては、反
応器に供給する分子状酸素含有ガス中に含まれる燃焼性
ガスとして0.1容量%以上の範囲で供給すればよく、
好ましくは0.5容量%以上の範囲で、さらに好ましく
は1容量%以上の範囲である。また、供給量の上限につ
いては、上記に加えて、さらに供給量の増加による経済
的な不利益も考慮して供給量を設定すればよく、具体的
には反応器に供給する分子状酸素含有ガス中に含まれる
燃焼性ガスとして30容量%以下が、好ましくは25容
量%以下が、さらに好ましくは20容量%以下の範囲で
ある。本発明の燃焼性ガスの供給は、触媒の温度が30
0℃以上において開始することが、好ましくは300〜
380℃で開始することがよい。
【0014】本発明において、燃焼性ガスの濃度が低い
値から触媒の活性低下を抑制する効果が見られるのは、
流動床反応器においては触媒が上下方向に循環している
ので、触媒と燃焼性ガスの接触が反応器全体として均一
化されているためと考えられ、したがって、本方法は、
特に流動床反応器に適用することが効果的である。本発
明の燃焼性ガスを反応器に供給する方法としては、反応
器に供給する分子状酸素含有ガスに同伴させるか、また
は別の供給ラインを用いて反応器に供給することができ
る。ここで反応器に供給する分子状酸素含有ガスは、分
子状酸素と燃焼反応に不活性なガスとの混合ガスであ
り、具体的には、空気、空気に加えて窒素、アルゴン、
水、二酸化炭素等の不活性ガスを導入して酸素濃度を低
下させたガス、空気に酸素を導入して酸素濃度を高めた
ガス、膜分離またはPSA等の方法により、窒素または
酸素のいずれかを富化したガス等が挙げられるが、本発
明の効果により、経済的に最も有利である空気を用いる
ことができる。
【0015】本発明の方法により反応温度まで昇温した
後に、プロパンまたはイソブタンのアンモ酸化反応を開
始するに当たっては、燃焼性ガスがアンモニアおよび/
または反応に用いるプロパンまたはイソブタンの場合に
は、その供給量を制御しながら反応器への供給ガスをア
ンモ酸化反応の原料ガス組成にすることに加えて、反応
温度、操作圧力、接触時間、ガス線速度(LV)、触媒
量等の諸条件を最終的に調整することによって実施する
ことができる。また、燃焼性ガスがアンモニア、反応に
用いるプロパンまたはイソブタン以外の場合には、その
供給量を徐々に減少させながらアンモニアおよびプロパ
ンまたはイソブンの供給量を増加させることにより、ア
ンモ酸化反応の原料ガス組成に切り替え、最終的に上記
の諸条件に調整することによって実施することができ
る。触媒層の温度が300℃以上に昇温した後は、反応
器へ供給するガスが分子状酸素含有ガスのみにならない
ようにすることが好ましいが、一時的または断続的であ
れば、触媒の性能が低下しない範囲で許容することがで
きる。
【0016】本発明の方法を用いて昇温させた後、プロ
パンまたはイソブタンのアンモ酸化反応を開始するため
に反応器への供給ガスの切り替えを始める温度としては
特に制限はないが、定常的にアンモ酸化反応を行う温
度、またはその近傍の温度が好ましい。具体的には定常
的にアンモ酸化反応を行う温度に対して±50℃で、好
ましくは±30℃の範囲で反応器への供給ガスの切り替
えを行うことがよい。なお、本発明におけるプロパンま
たはイソブタンのアンモ酸化反応とは、プロパンまたは
イソブタン、アンモニアおよび分子状酸素からなるアン
モ酸化反応の原料ガスを流動床反応器へ供給し、ほぼ一
定の反応条件において定常的に対応する不飽和ニトリル
を製造している状態を指す。
【0017】本発明の方法を用いた実機での昇温の1例
としては、流動層反応器に触媒を搬入し、炭化水素燃料
の燃焼により、熱交換器を通して外部加熱した空気を反
応器のボトムから供給して室温から300℃まで昇温さ
せる。さらに、触媒層の温度が300℃からは、反応器
の底部にあるプロパンおよびアンモニアの供給ラインで
あるスパ−ジャ−を通してアンモニアの供給を開始し、
アンモニアの燃焼反応(NH3 +3/4O2 →1/2N
2 +3/2H2 O)による燃焼熱も利用して、触媒の温
度をさらに高めていく。供給するアンモニア量は、触媒
層の温度の上昇と共に徐々に増加させ、最終的には、供
給ガス中におけるアンモニアの濃度を10〜20容量%
にし、触媒層の温度を430℃に調整する。ここで、プ
ロパンの導入を開始し、徐々に供給量を増加させなが
ら、最終的にはプロパン、アンモニアおよび空気の供給
量を調整することに加えて、触媒層温度、操作圧力、接
触時間、ガス線速度、触媒量等の諸条件を所定の値に調
整することで、定常的な条件でアンモ酸化反応を継続す
ることができる。
【0018】本発明の方法は、アンモ酸化反応を停止し
た後に触媒の温度を下げる場合についても効果的であ
る。具体的には、アンモ酸化反応の原料ガスの供給を停
止した後も、300℃まで降温させる間は、本発明の燃
焼性ガスを分子状酸素含有ガスと共に反応器に供給する
ことで実施することができる。本発明の条件を満たさな
い場合は、触媒は酸素による酸化を受けて構造が変化
し、アンモ酸化反応の活性が低下し、不飽和ニトリルの
収率も低下する。
【0019】本発明の酸化物触媒としては、モリブデ
ン、バナジウム、ニオブに加えてテルルまたはアンチモ
ンから選ばれる1種以上の元素を含む酸化物触媒が挙げ
られる。酸化物触媒の具体例としては、下記の式(1)
で表される酸化物触媒が挙げられる。 Mo1.0 a Nbb c x (1) (但し、上式中、Aはテルルまたはアンチモンから選ば
れる1種以上の元素、a、b、cおよびxはそれぞれモ
リブデン1原子に対するバナジウム、ニオブ、Aおよび
酸素の原子比を表し、aは0.01〜1.0、好ましく
は0.1〜0.5、bは0.01〜1.0、好ましくは
0.05〜0.5、cは0.01〜1.0、好ましくは
0.05〜0.5であり、xは各金属元素の価数によっ
て定まる値である。)
【0020】さらに、この酸化物触媒は、モリブデン1
原子に対して0.3以下の範囲であれば、タンタル、タ
ングステン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、
クロム、マンガン、レニウム、ルテニウム、コバルト、
ロジウム、ニッケル、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム、白金、銅、銀、亜鉛、カドミウム、硼素、アルミ
ニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウ
ム、スズ、鉛、リン、ビスマス、セレン、スカンジウ
ム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジ
ム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、アルカリ金
属およびアルカリ土類金属から選ばれる1種以上の元素
を含むことができる。
【0021】本発明の酸化物触媒は、担体に担持して用
いる。担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アル
ミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア等が挙げら
れ、特に好ましくはシリカが用いられる。これらは、単
独または複合化して用いることができる。担体は、酸化
物触媒と担体の合計に対して10〜70重量%、好まし
くは20〜60重量%の範囲で用いることができる。
【0022】本発明で使用する各元素の代表的な元素源
としては、モリブデン源としてパラモリブデン酸アンモ
ニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕、バナジ
ウム源としてメタバナジン酸アンモニウム(NH4 VO
3 )、ニオブ源としてシュウ酸水素ニオブ〔Nb(HC
2 4 5 ・nH2 O〕またはニオブ酸(Nb2 5
nH2 O)、テルル源としてテルル酸(H6 Te
6 )、アンチモン源として三酸化アンチモン(Sb2
3 )が挙げられるが、目的の元素を含んでいれば、上
記以外にも、酸化物、アンモニウム塩、硝酸塩、塩酸
塩、硫酸塩、有機酸塩等を用いることもできる。
【0023】本発明に用いる担体の担体源としても特に
原料の制限はなく、目的の元素を含む酸化物、水酸化
物、無機塩、有機酸塩等が使用できる。また、ゾルやゲ
ルの形態のものを用いることもできる。原料スラリ−
は、モリブデン、バナジウムおよびテルルなどの元素源
を水または硝酸水溶液に溶解させた液に、担体源の原料
液を添加し、さらに、ニオブ源を溶解させた液を加える
ことで調製することができる。また、アンチモンに関し
ては、酸化アンチモンとメタバナジン酸アンモニウム水
溶液からなるスラリ−を、還流条件下で加熱処理したス
ラリ−または溶液を用いる。また、担体を含めた原料の
添加順序は変えることもできる。
【0024】次に、得られた原料スラリ−を噴霧乾燥す
ることにより、球状の乾燥微粉末である触媒前駆体を得
る。得られた触媒前駆体は、実質的に酸素を含まない窒
素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で45
0〜800℃、好ましくは500〜700℃の温度範囲
で1〜20時間の焼成を行う。ここで、実質的に酸素を
含まない不活性ガスとしては、不活性ガス中の酸素濃度
が800ppm以下のガスが、さらに好ましくは500
ppm以下のガスが、特に好ましくは200ppm以下
のガスが挙げられる。また、不活性ガス雰囲気下での焼
成の前に、必要に応じて空気雰囲気下、または窒素、ア
ルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、150〜4
50℃で前焼成を行うこともできる。触媒の焼成は、回
転炉、トンネル炉、マッフル炉、流動焼成炉等で雰囲気
ガスを制御できる装置において実施することができる。
このようにして、流動性がよく、かつ、耐摩耗性を備
え、流動床反応に好適に用いることができる触媒を調製
することができる。
【0025】本発明のアンモ酸化反応の原料としてプロ
パンまたはイソブタンを用いることができるが、特にプ
ロパンを用いることが好ましい。アンモニアは必ずしも
高純度である必要はなく、工業グレ−ドのものを使用す
ることができる。分子状酸素源としては、通常空気を用
いることが好ましいが、酸素と空気を混合する等して酸
素濃度を高めたガスを用いることもできる。また、ヘリ
ウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスや水
蒸気で原料ガスを希釈して反応に供することもできる。
【0026】反応に供給されるプロパンまたはイソブタ
ンに対するアンモニアおよび分子状酸素のモル比は、反
応方式によって適宜設定することができる。例えば、ワ
ンパスで反応させる場合は、プロパンまたはイソブタン
の転化率を高くすることが必要となるため、アンモニア
のモル比は0.8〜4倍量、好ましくは1〜3倍量であ
り、分子状酸素のモル比は0.5〜6倍量、好ましくは
1〜4倍量である。また、未反応のプロパンまたはイソ
ブタンをリサイクルする場合には、プロパンまたはイソ
ブタンから対応する不飽和ニトリルの選択率を高くする
ために、プロパンまたはイソブタンの転化率を低く押さ
える条件がよく、アンモニアのモル比は0.1〜2倍
量、好ましくは0.2〜1.0倍量であり、分子状酸素
のモル比は0.1〜4倍量、好ましくは0.2〜2倍量
である。
【0027】使用するプロパンまたはイソブタンは、ア
ンモニアと混合した後に反応器に供給し、反応器に別途
供給する酸素と混合、接触させることが好ましいが、プ
ロパンまたはイソブタンとアンモニアおよび酸素含有ガ
スとを混合した後に反応器に供給してもよいし、それぞ
れ別に供給して反応器中で混合、接触させてもよい。ま
た、アンモニアおよび酸素は反応器中に分割して供給す
ることもできる。
【0028】本発明に記載の触媒を用いたプロパンまた
はイソブタンのアンモ酸化反応は380〜500℃、好
ましくは400℃〜470℃の温度範囲で実施するのが
よい。反応圧力は常圧〜3気圧の範囲で行うことができ
る。原料ガスと触媒との接触時間は0.1〜20(se
c・g/cc)、好ましくは0.5〜10(sec・g
/cc)であり、接触時間は次式で定義される。 接触時間(sec・g/cc)=(W/F)*273/
(273+T)*(1.03+P)/1.03 ここで、Wは触媒の重量(g)、Fは標準状態(0℃、
1気圧)における供給ガス量(cc/sec)、Tは反
応温度(℃)、Pは反応圧力(kg/cm2 −G)であ
る。ガス線速度(LV)は0.5〜200(cm/se
c)、好ましくは1〜100(cm/sec)であり、
ガス線速度は次式で定義される。 ガス線速度(cm/sec)=F*(273+T)/2
73*1.03/(1.03+P)/S ここで、Sは流動床反応器の水平方向の断面積(c
2 )である。
【0029】
【発明の実施の態様】以下に実施例を挙げて、本発明を
詳細に説明する。なお、実施例および比較例において、
反応成績を表すために用いた転化率および収率は次式で
定義される。 転化率(%)=(反応したプロパンのモル数)/(供給
したプロパンのモル数)*100 収率(%) =(生成したアクリロニトリルのモル数)
/(供給したプロパンのモル数)*100
【0030】
【触媒調製例】30重量%のシリカに担持された、Mo
1 0.33Nb0.11Te0.22X で表される酸化物触媒
を、次のようにして調製した。温水7200gに35
6.7gのメタバナジン酸アンモニウム〔NH4
3 〕を溶解し、これに467.7gのテルル酸〔H6
TeO6 〕と1632.0gのパラモリブデン酸アンモ
ニウム〔(NH4 6 Mo7 24・4H2 O〕を順次添
加し、溶解させた。次に、この溶液に30重量%のシリ
カゾル3000gを加えた後に、25重量%のアンモニ
ア水345.6gと水1336.5gを混合した溶液に
Nb2 5 として16.2重量%を含むシュウ酸水素ニ
オブ〔Nb(HC2 4 5 ・nH2 O〕834.7g
を加えて調製した液を混合し、スラリ−を調製した。こ
のスラリ−を遠心式噴霧乾燥器において、約200℃で
噴霧乾燥して触媒前駆体である粉体を得た。この粉体を
空気雰囲気下、275℃で2時間焼成し、次に、酸素を
1ppm含む窒素ガスの流通下に、600℃で2時間焼
成して触媒を得た。
【0031】
【実施例1】触媒調製例で調製した触媒30gを内径2
5mmのバイコ−ルガラス製流動床型反応管に仕込んだ
後、電気ヒ−タ−で加熱できる電気炉に取り付け、圧力
Pが0.5kg/cm2 −Gの条件で空気を8.65N
cc/secで供給して室温から300℃まで2時間で
昇温した後、供給するガスを2容量%のアンモニアを含
む空気に切り替え、同じ量を供給して300℃から43
0℃まで2時間で昇温した。この時の反応器出口の酸素
濃度は約18容量%であった。次に、供給ガスをプロパ
ン/アンモニア/空気=1/1.0/13.0の反応原
料ガスに切り替える当たり、10分毎に1/10ずつの
量を切り替えて行い、最終的に反応圧力Pは0.5kg
/cm2 −G、反応温度Tは430℃、触媒との接触時
間は2.0(sec・g/cc)でプロパンのアンモ酸
化反応を行った。プロパンの転化率は72.2%、アク
リロニトリルの収率は44.0%であった。
【0032】
【比較例1】実施例1で空気を8.65Ncc/sec
で供給して室温から430℃まで4時間で昇温した以外
は、実施例1と同じ操作を行った。この時の反応器出口
の酸素濃度は約21容量%であった。次に、供給ガスを
実施例1と同様にして反応原料ガスに切り替え、実施例
1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化反応を行った。プ
ロパンの転化率は60.0%、アクリロニトリルの収率
は31.2%であった。
【0033】
【実施例2】実施例1で10容量%のアンモニアを含む
空気を用いた以外は、実施例1と同じ昇温操作を行っ
た。この時の反応器出口の酸素濃度は約11容量%であ
った。次に、供給ガスを実施例1と同様にして反応原料
ガスに切り替え、実施例1と同じ条件でプロパンのアン
モ酸化反応を行った。プロパンの転化率は72.6%、
アクリロニトリルの収率は44.5%であった。
【0034】
【比較例2】実施例1と同じ触媒を反応管に仕込み、酸
素濃度が11容量%になるように窒素と空気を混合した
ガスを用いた以外は、比較例1と同じ昇温操作を行っ
た。この時の反応器出口の酸素濃度は約11容量%であ
った。次に、供給ガスを実施例1と同様にして反応原料
ガスに切り替え、実施例1と同じ条件でプロパンのアン
モ酸化反応を行った。プロパンの転化率は61.8%、
アクリロニトリルの収率は34.5%であった。
【0035】
【実施例3】実施例1で1容量%のプロパンを含む空気
を用いた以外は、実施例1と同じ昇温操作を行った。こ
の時の反応器出口の酸素濃度は約17容量%であった。
次に、供給ガスを実施例1と同様にして反応原料ガスに
切り替え、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化
反応を行った。プロパンの転化率は70.6%、アクリ
ロニトリルの収率は41.0%であった。
【0036】
【実施例4】実施例1で3.5容量%のプロピレンを含
む空気を用いた以外は、実施例1と同じ昇温操作を行っ
た。この時の反応器出口の酸素濃度は約8容量%であっ
た。次に、供給ガスを実施例1と同様にして反応原料ガ
スに切り替え、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ
酸化反応を行った。プロパンの転化率は72.8%、ア
クリロニトリルの収率は44.2%であった。
【0037】
【実施例5】触媒調製例で調製した触媒1000gを外
径3インチのSUS304製流動層反応管に仕込み、反
応管を電気ヒ−タ−で加熱しながら、圧力0.5kg/
cm2 Gで空気を200Ncc/secで反応管のボト
ムから供給して室温から300℃まで2時間で昇温し
た。次に、反応器への全供給ガス量を200Ncc/s
ecに保ったまま、反応管のボトムから2cmの位置に
あるノズルからアンモニアの供給を2.78Ncc/s
ecで開始し、さらに、10分毎にアンモニアの供給量
を2.78Ncc/secずつ増加させながら300℃
から430℃まで2時間で昇温した。この時の反応器出
口の酸素濃度は約6容量%であった。次に、供給するガ
ス量は同じで、供給ガスをプロパン/アンモニア/空気
=1/1.05/13.0の組成の反応ガスに切り替え
るに当たり、20分毎に1/10ずつの量を切り替えて
行い、最終的に、空気は反応管のボトムから、プロパン
とアンモニアの混合ガスは、反応管のボトムから2cm
の位置のノズルからそれぞれ供給し、プロパンのアンモ
酸化反応を行った。プロパンの転化率は75.6%、ア
クリロニトリルの収率は45.0%であった。
【0038】
【比較例3】空気を供給して室温から430℃まで4時
間で昇温した以外は、実施例5と同じ昇温操作を行っ
た。次に、供給ガスを実施例5と同様にして反応原料ガ
スに切り替え、実施例5と同じ条件でプロパンのアンモ
酸化反応を行った。プロパンの転化率は65.0%、ア
クリロニトリルの収率は32.5%であった。
【0039】
【比較例4】USP5,334,743号公報の実施例
6に記載されている酸化物触媒Mn0.4 0.05Mo0.4
1.75をシリカに担持し、シリカと酸化物触媒の合計に
対するシリカの含量が30重量%の触媒を、以下の手順
で調製した。30重量%のシリカを含むシリカゾル10
00gをとり、水1100.2gに546.3gのパラ
モリブデン酸アンモニウム〔(NH4 6 Mo7 24
4H2 O〕と45.7gのメタバナジン酸アンモニウム
〔NH4 VO3 〕を溶解させた液を加えた後に、16.
6重量%の硝酸410.0gに897.1gの硝酸マン
ガン〔Mn(NO3 2 ・6H2 O〕を溶解させた液を
加えた。この液を200℃で噴霧乾燥して粉体を得た。
この粉体を空気雰囲気下、300℃で2時間焼成した
後、さらに、500℃で4時間焼成して触媒を得た。
【0040】この触媒を用い、実施例1と同じように空
気を用いて室温から300℃まで2時間で昇温させた
後、供給するガスを2容量%のアンモニアを含む空気に
切り替え、300℃から450℃まで2時間で昇温し
た。この時の反応器出口の酸素濃度は約18容量%であ
った。次に、供給ガスを実施例1と同様にして反応原料
ガスに切り替え、反応温度が450℃、供給ガスがプロ
パン/アンモニア/空気=1/1.0/11.3の反応
原料ガス、接触時間が1.9(sec・g/cc)であ
る以外は、実施例1と同じ条件でプロパンのアンモ酸化
反応を行った。プロパンの転化率は22.5%、アクリ
ロニトリルの収率は0.6%であった。
【0041】
【比較例5】比較例4で調製した触媒を用い、比較例1
と同じように空気を用いて室温から450℃まで4時間
で昇温させた。この時の反応器出口の酸素濃度は約21
容量%であった。次に、供給ガスを比較例4と同様にし
て反応原料ガスに切り替え、比較例4と同じ条件でプロ
パンのアンモ酸化反応を行った。プロパンの転化率は2
2.3%、アクリロニトリルの収率は0.6%であっ
た。
【0042】
【発明の効果】担体に担持され、モリブデン、バナジウ
ム、ニオブに加えてテルルまたはアンチモンから選ばれ
る1種以上の元素を含む酸化物からなる触媒を用い、流
動床反応器においてプロパンまたはイソブタンのアンモ
酸化反応により対応する不飽和ニトリルを製造するに際
して、本発明の方法により触媒の昇温を行えば、触媒の
性能低下を抑制し、不飽和ニトリルを高い収率で得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 27/057 B01J 27/057 X C07C 255/07 C07C 255/07 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体に担持され、モリブデン、バナジウ
    ム、ニオブに加えてテルルまたはアンチモンから選ばれ
    る1種以上の元素を含む酸化物からなる触媒を用い、流
    動床反応器において380〜500℃の温度でプロパン
    またはイソブタンのアンモ酸化反応により対応する不飽
    和ニトリルを製造するに際して、(1)300℃からア
    ンモ酸化反応を実施する温度未満までの温度に予熱され
    た触媒を流動床反応器に準備し、(2)流動床反応器の
    予熱された触媒に分子状酸素含有ガスと、触媒の存在
    下、分子状酸素と反応して燃焼する燃焼性ガスを供給し
    ながら、触媒をアンモ酸化反応を行う温度に到達するま
    で昇温させ、(3)触媒の温度がアンモ酸化反応を行う
    温度に到達した時に、流動床反応器へ供給している燃焼
    性ガスと分子状酸素含有ガスを、プロパンまたはイソブ
    タン、アンモニアおよび分子状酸素を含むアンモ酸化反
    応原料ガスに切り替える、ことにより行うことを特徴と
    する不飽和ニトリルの製造方法。
  2. 【請求項2】 燃焼性ガスが炭素数1〜8のアルカン
    類、炭素数2〜8のアルケン類、炭素数2〜4のアルキ
    ン類、炭素数4〜5のジエン類、炭素数3〜8のシクロ
    アルカン類、炭素数3〜8のシクロアルケン類、炭素数
    6〜9の芳香族類、炭素数1〜8のアルコ−ル類、炭素
    数2〜7のエ−テル類、炭素数1〜4のアルデヒド類、
    炭素数2〜3のエポキシド類、炭素数2〜8のケトン
    類、炭素数1〜4のニトリル類、炭素数1〜4のカルボ
    ン酸類、炭素数2〜6のエステル類、炭素数1〜6の含
    窒素有機化合物、炭素数1〜4の含硫黄有機化合物、水
    素、アンモニア、一酸化炭素、硫化水素、二硫化炭素か
    ら選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 燃焼性ガスがプロパン、イソブタン、プ
    ロピレン、イソブテン、メタノ−ル、エタノ−ル、プロ
    パノ−ル、水素、アンモニア、一酸化炭素から選ばれる
    1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 燃焼性ガスがアンモニアであることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 触媒の前駆体がシリカとモリブデン、バ
    ナジウム、ニオブに加えてテルルまたはアンチモンから
    選ばれる1種以上の元素を含む化合物からなり、該触媒
    前駆体を実質的に分子状酸素を含まない不活性ガス雰囲
    気下で焼成して得られた触媒であって、該触媒のシリカ
    の重量がシリカと酸化物の合計に対して10〜70重量
    %であり、酸化物が下記の式(1)で表されることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。 Mo1.0 a Nbb c x (1) (但し、上式中、Aはテルルまたはアンチモンから選ば
    れる1種以上の元素、a、b、cおよびxはそれぞれモ
    リブデン1原子に対するバナジウム、ニオブ、Aおよび
    酸素の原子比を表し、aは0.01〜1.0、bは0.
    01〜1.0、cは0.01〜1.0であり、xは各金
    属元素の価数によって定まる値である。)
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