JPH11209216A - 歯科用アルギン酸塩印象材 - Google Patents

歯科用アルギン酸塩印象材

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JPH11209216A
JPH11209216A JP10010173A JP1017398A JPH11209216A JP H11209216 A JPH11209216 A JP H11209216A JP 10010173 A JP10010173 A JP 10010173A JP 1017398 A JP1017398 A JP 1017398A JP H11209216 A JPH11209216 A JP H11209216A
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JP
Japan
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alginate
carrageenan
agent
weight
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Pending
Application number
JP10010173A
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English (en)
Inventor
Satomi Hikita
里美 疋田
Shinji Horie
真司 堀江
Kenji Mizuno
憲二 水野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルギン酸塩印象材の練和性を改良すると共
に、練和時の手触りの柔らかさを保ったまま、自重によ
る流れ性(たれ)を小さくし、かつ経時的に自重による
流れ性の増大を防止した歯科用アルギン酸塩印象材の提
供。 【解決手段】 カラギーナンを含有することを特徴とす
る歯科用アルギン酸塩印象材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用アルギン酸
塩印象材に関する。更に詳しくは、印象材の練和が容易
で、型取り忠実性に優れた歯科用アルギン酸塩印象材に
関する。
【0002】
【従来の技術】アルギン酸塩印象材は、アルギン酸塩が
硫酸カルシウムなどのゲル化反応剤によりゲル化してゲ
ル状硬化体を生ずることを利用したものであって、アル
ギン酸塩、ゲル化反応剤および充填剤から主としてなる
組成物であり、歯牙などの様々な型取りに利用されてい
る。
【0003】アルギン酸塩印象材の商品形態は、粉末タ
イプとペーストタイプの2種類に分類される。ペースト
タイプは、アルギン酸塩と充填剤とを水を主成分とする
溶液でペースト化した主剤と、ゲル化反応剤を主成分と
する粉末状またはペースト状の反応剤とからなる。この
両者を使用時に秤量、混合し、均一なペーストとして用
いる。
【0004】粉末タイプは、アルギン酸塩に、ゲル化反
応剤、ゲル化調節剤、充填剤等の各種成分を混合した粉
末状のものであり、使用直前に水と練和して均一なペー
スト状として用いる。上記の粉末タイプ、ペーストタイ
プのいずれも使用時に練和作業を伴い、印象材を使用す
るにあたって、練和作業は重要な工程の1つとなってい
る。練和作業は、各成分を混合して均一組成物を得ると
共に各成分の溶解を促し、均一に反応させることにあ
る。
【0005】この印象材の練和作業は経験と力を要し、
不慣れなものは均一に練和することが難しい。
【0006】この練和作業を容易にするひとつの方法
は、印象材ペーストの粘度を低下させ、柔らかくするこ
とである。しかし、印象材ペーストの粘度を低下させる
と、印象採得時にもペーストが流れ易くなり不都合を生
ずる。例えば歯牙の印象を採得する際に、ペーストが自
重によりたれてしまい、必要な部分に十分な厚みがとれ
ず、採得した印象の強度が不足する問題が生じる。ま
た、極端な場合には患者の咽頭に流れ込み、著しく不快
感を与え、また危険な事態を招く可能性もある。
【0007】また、アルギン酸塩印象材は、保管中にそ
の主成分であるアルギン酸塩が解重合を起こして粘度が
低下する性質がある。その結果、印象材自体も徐々に粘
度低下を起こし、印象材ペーストとして使用する際に流
動性が大きくなり過ぎ、かつ使用時毎に使用感が異なる
という不都合を生じる。
【0008】粉末タイプでは、使用するたびに印象材粉
末を所定量の水で練和するが、標準量より少ない水で練
和する、いわゆる固練りを行うことにより、この経時変
化による過剰流動性を回避することが考えられる。しか
し、固練りでは出来上がった印象材ゲル体の含水量が少
ない為、弾性歪みも小さくなり、歯牙から脱型する際に
歯牙に負担を生じさせることになる。
【0009】また、ペーストタイプではこうした練和に
際しての固さ調整ができないので、粘度低下した印象材
は全く使用できないものとなり大きな問題である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のアルギ
ン酸塩印象材の練和性を改良すると共に練和時の手触り
の柔らかさを保ったまま、自重による流れ性(たれ)を
小さくしたアルギン酸塩印象材を提供しようとするもの
である。また従来のアルギン酸塩印象材が有する経時的
に自重による流れ性が大きくなる問題点の改善された歯
科用アルギン酸塩印象材を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために鋭意検討を行った結果なされたもので、
カラギーナンを含有することを特徴とする歯科用アルギ
ン酸塩印象材を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の歯科用アルギン酸塩印象
材は、アルギン酸塩印象材にカラギーナンが添加される
ことを特徴とする。本発明に使用されるアルギン酸塩印
象材は、カラギーナンを添加する以外は通常のアルギン
酸塩印象材と変りがなく、アルギン酸塩、ゲル化反応
剤、ゲル化調節剤、充填剤等によって構成される。(な
お、本発明における印象材の量的組成は、ペーストタイ
プの場合には溶媒、典型的には水、を除いた粉末換算の
組成である)。
【0013】これらの各成分は、公知のものを適宜選択
して用いることができる。アルギン酸塩としては、アル
ギン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはト
リエタノールアミン等の水溶性の塩が用いられる。アル
ギン酸塩は印象材の5〜25重量%、好ましくは7〜2
0重量%添加される。ゲル化反応剤としては、水に溶解
して2価以上の金属イオンを生ずる化合物が用いられ
る。好ましくは硫酸カルシウム・2水塩、硫酸カルシウ
ム・半水塩、硫酸カルシウム無水塩等の硫酸カルシウム
が用いられる。ゲル化反応剤は印象材の5〜30重量
%、好ましくは、7〜25重量%添加される。
【0014】ゲル化調節剤としては、ナトリウム、カリ
ウム等アルカリ金属の燐酸塩、蓚酸塩、珪酸塩、炭酸塩
等が用いられる。これらの添加量は、印象材の0.01
〜4重量%、好ましくは、0.1〜3重量%が望まし
い。
【0015】本発明印象材には、目的に応じて他の成分
を加えることができ、通常充填剤が添加される。充填剤
としては、珪藻土、タルク、シリカ、水酸化アルミニウ
ム等が用いられるが、好ましくは珪藻土である。なかで
も顕微鏡で観察して円盤状のものと桿状のものとを含む
珪藻土を用いるのが好ましい。充填剤は印象材の30〜
89.8重量%、好ましくは40〜85重量%添加され
る。
【0016】更に本発明にかかるアルギン酸塩印象材
は、上記に加えて公知の添加剤、例えば、歪み調整剤、
相性改良剤、界面活性剤その他の粉塵防止剤、着色剤や
着香料、等の常用の添加剤を含有していてもよい。ま
た、印象材のタイプは粉末状およびペースト状のいずれ
とすることもできる。
【0017】本発明の歯科用アルギン酸塩印象材は、カ
ラギーナンを含有する。カラギーナンは、紅藻類より抽
出した天然多糖類の一種で、2個のガラクトースからな
る主鎖と、硫酸基と3,6−アンヒドロ基からなる側鎖
の繰り返し単位から構成されている。カラギーナンに
は、カッパ、イオタ、ラムダの3つの種類があり、それ
ぞれ特徴を持っている。カッパカラギーナンは、強いゲ
ルを形成し、イオタカラギーナンは離水が少ない粘弾性
のあるゲルを形成する。ラムダカラギーナンはゲル化は
しないが、冷水に溶け易く、その水溶液は高い粘性を示
す。本発明においては、ラムダ型が主体のカラギーナン
が好ましい。
【0018】アルギン酸塩印象材に添加されるカラギー
ナンの量は目的に応じて増減することができるが、一般
には、0を越え1.0重量%以下、好ましくは0.1〜
0.8重量%である。カラギーナンを添加することによ
り自重による流動性、すなわち、たれの程度を調節する
ことができる。しかし、添加量が過大になると練和時に
巻き込んだ気泡が抜け難くなる等の影響が生じる。
【0019】練和時に巻き込んだ気泡が残留すると採得
した印象表面の変形原因となり、型取りの忠実性が低下
する。また、印象の強度を低下させるという問題があ
る。さらに、均一に練和ができずペースト中に部分的に
流動性の小さい個所が生じるため、練和時のペースト表
面がなめらかにならず、均一なペーストに練和できたか
否かの判断が難しくなり、印象採得のタイミングを逸し
てしまうという問題もある。
【0020】アルギン酸塩印象材中のカラギーナンの好
ましい含有量は0.2〜0.7重量%、特に0.3〜
0.7重量%である。
【0021】カラギーナンは水に対する溶解性が良好で
あるため、粉末タイプの印象材の場合には、印象材中に
均一に分散させておくことにより水との親和性が向上
し、印象材の練和性、特に粉末と水との初期のなじみ性
を向上させるという効果がある。ペーストタイプの場合
にはカラギーナンは、アルギン酸塩を主成分とする主剤
ペーストまたは反応剤のいずれに含有させてもよい。
【0022】また、本発明は、カラギーナンと共に他の
多糖類を併用することができ、例えばキサンタンガムを
添加することも望ましい手段である。キサンタンガムの
添加量は印象材の0.05〜0.7重量%が好ましく、
カラギーナンに対する比率は重量比で90:10〜1
0:90の範囲とすることが望ましい。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、以下の実施例における測定は下記の方
法によって行った。 ゲル化時間;JIS−6505(歯科用アルギン酸塩印
象材)に準拠して測定した。
【0024】たれ;練和した印象材ペーストをガラス板
上に27×20×10mmに盛り付け、練和開始から1
分後にガラス板を鉛直に立ててゲル化させた。ゲル化
後、鉛直方向にゲル化物の長さを測定し、もとの長さの
20mmを除いた長さをたれとした。
【0025】加圧フロー;練和した印象材ペーストを2
0mmφ×31.5mmHの円筒に成形し、練和開始か
ら1分後に円筒の上に120gの荷重をのせた。ゲル化
後、生成した円盤の直径を測定し、加圧フローとした。
これは荷重をかけた場合の流れ易さの指標である。な
お、円盤の直径としては、4方向の直径を測定して、そ
の平均値を用いた。
【0026】経時変化;アルミニウム箔をラミネートし
た合成樹脂製の袋に印象材を入れて密封し、45℃の恒
温槽中で所定時間保持した。恒温槽から取出し、23℃
に降温させたのち評価試験に供した。
【0027】また、カラギーナンとキサンタンガムは、
下記を用いた。 カラギーナン;リアギーナMV201(MRCポリサッ
カライド社製) キサンタンガム;ネオソフトXO(ソアール社製) 印象材の調製;表−1に記載の各成分を配合し、均一と
なるようによく混合したのち温度23℃、相対湿度50
%の雰囲気中に一晩放置した。
【0028】印象材の評価試験;印象材に2.5重量倍
の水を加えて練和して印象材ペーストを調製し、これを
用いてゲル化時間、たれの各試験を行った。練和および
試験は温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中で行っ
た。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1、2は、いずれも比較例より初期
のたれも少なく、かつ経時変化も少ない。なお、ゲル化
時間を歯科用印象材として適当な時間に合わせる為、組
成毎にゲル化調整剤を適宜多少増減させたが、たれの値
には影響なかった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラギーナンを含有することを特徴とす
    る歯科用アルギン酸塩印象材。
  2. 【請求項2】 カラギーナンの含有量が0.1〜0.8
    重量%である請求項1記載の歯科用アルギン酸塩印象
    材。
  3. 【請求項3】 カラギーナンと共にキサンタンガム0.
    05〜0.7重量%を含有する請求項1または2記載の
    歯科用アルギン酸塩印象材。
  4. 【請求項4】 アルギン酸塩、硫酸カルシウムおよびカ
    ラギーナンを含有してなる請求項1〜3いずれかに記載
    の歯科用アルギン酸塩印象材。
  5. 【請求項5】 アルギン酸塩、硫酸カルシウム、カラギ
    ーナンおよびキサンタンガムを含有してなる請求項1〜
    3いずれかに記載の歯科用アルギン酸塩印象材。
JP10010173A 1998-01-22 1998-01-22 歯科用アルギン酸塩印象材 Pending JPH11209216A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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