JPH11204789A - 絶縁ゲ−ト形トランジスタ - Google Patents

絶縁ゲ−ト形トランジスタ

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JPH11204789A
JPH11204789A JP1324398A JP1324398A JPH11204789A JP H11204789 A JPH11204789 A JP H11204789A JP 1324398 A JP1324398 A JP 1324398A JP 1324398 A JP1324398 A JP 1324398A JP H11204789 A JPH11204789 A JP H11204789A
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JP
Japan
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region
semiconductor substrate
regions
collector
main surface
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JP1324398A
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Inventor
Yoshinobu Kono
好伸 河野
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Sanken Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanken Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁ゲート形トランジスタの高耐圧化とオン
抵抗の低減との両方を達成することが困難であった。 【解決手段】 P+ 形コレクタ領域1aとN+ 形コレク
タ領域2aとN形ドリフト領域3とP形ベース領域4
a、4bとN形エミッタ領域5a、5bとP形FLR領
域6a、6bとを設ける。エミッタ領域5a、5bとベ
ース領域4a、4bにエミッタ電極10a、10bを接
続する。コレクタ領域1a、2aにコレクタ電極15を
接続する。ベース領域4a、4bのチャネル形成部の表
面上に絶縁膜12を介してゲート電極11を設ける。N
+ 形コレクタ領域2aを半導体基体7の中央部のみに配
置し、且つP+ 形コレクタ領域1aから突出させる。N
+ 形コレクタ領域2aとFLR領域6a、6bの最短距
離L1 をN+ 形コレクタ領域2aとベース領域4a、4
bの最短距離L2 よりも長くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁ゲート形バイポ
ーラトランジスタ(IGBT)又は絶縁ゲート形電界効
果トランジスタ等の絶縁ゲート形トランジスタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ
(IGBT)は、伝導度変調を利用した絶縁ゲート形電
界効果トランジスタと呼ぶこともできるものであり、主
として高耐圧且つ大電流が要求される回路に使用されて
いる。
【0003】従来の絶縁ゲート形バイポーラトランジス
タは、図1に示すように、P+ 形(第1導電形)半導体
領域から成るコレクタ領域1、コレクタ領域1の上面に
形成された相対的に不純物濃度の高いN形(第2導電
形)半導体領域から成るバッファ領域2、コレクタ領域
1の上面にバッファ領域2を介して形成された相対的に
不純物濃度の低いN- 形半導体領域から成るドリフト領
域3、ドリフト領域3内に環状に形成されたP形半導体
領域から成る外側ベース領域4a、ドリフト領域3内に
島状又は格子状又は環状に形成されたP形半導体領域か
ら成る内側ベース領域4b、外側ベース領域4aの中に
これと同心的に環状に形成されたN+ 形半導体領域から
成る外側エミッタ領域5a、内側ベース領域4bの中に
環状に形成されたN+ 形半導体領域から成る内側エミッ
タ領域5b、及び外側ベース領域4aを囲むようにドリ
フト領域3の中に形成されたP形半導体領域から成る内
側及び外側のフィールド・リミッティング・リング領域
即ちFLR領域6a、6bから成る半導体基体7を備え
ている。この半導体基体7は一方の主面8と他方の主面
9とを有した板状体である。半導体基体7の一方の主面
8には、ドリフト領域3の一部、外側及び内側ベース領
域4a、4b、外側及び内側エミッタ領域5a、5b、
及び内側及び外側FLR領域6a、6bが露出してい
る。半導体基体7の一方の主面8上には外側エミッタ電
極10a、内側エミッタ電極10b、ゲート電極11、
及び絶縁膜12が設けられている。外側エミッタ電極1
0aは外側エミッタ領域5aと外側ベース領域4aとの
両方に接続されている。内側エミッタ電極10bは複数
の内側エミッタ領域5bと複数の内側ベース領域4bと
に対応して複数個設けられており、それぞれがそれぞれ
の内側エミッタ領域5bと内側ベース領域4bとに接続
されている。ゲート電極11は、少なくとも外側ベース
領域4aの外側エミッタ領域5aよりも内周側のチャネ
ル部分の表面、内側ベース領域4bの内側エミッタ領域
5bよりも外周側のチャネル部分の表面を絶縁膜12を
介して覆うように配置されている。なお、図1で説明的
に示すように外側及び内側エミッタ電極10a、10b
は共通のエミッタ端子13に接続され、ゲート電極11
は共通のゲート端子14に接続されている。なお、エミ
ッタ電極10a、10bの共通接続及びゲート電極11
の共通接続は絶縁膜12上に導電体層(図示せず)を設
けることによって達成する。半導体基体7の他方の主面
9にはコレクタ領域1にオーミック接触するようにコレ
クタ電極15が設けられている。
【0004】図1の絶縁ゲート形バイポーラトランジス
タでは、ゲート電極11に対して正の電圧を印加すると
ベース領域4のゲート電極11の真下に反転領域(チャ
ネル領域)が形成される。この状態で、コレクタ電極1
5とエミッタ電極10a、10bとの間にコレクタ電極
15側の電位を高くする電圧を印加すると、エミッタ領
域5a、5bからチャネル領域を通ってドリフト領域3
及びバッファ領域2に対する電子の流入が生じる。これ
に伴なって、コレクタ領域1からはバッファ領域2及び
ドリフト領域3に対する正孔の注入が生じる。この結
果、バッファ領域2及びドリフト領域3には多量のキャ
リア(電子、正孔)が蓄積されて伝導度変調が生じる。
バッファ領域2及びドリフト領域3に注入された電子と
正孔はそれぞれコレクタ電極15及びエミッタ電極10
a、10bに流れる。IGBTは伝導度変調を伴なうた
めに、ドリフト領域3を比較的厚くして高耐圧化を図っ
てもエミッタ端子13とコレクタ電極15との間のオン
時の抵抗値を比較的低くすることができ、電力損失の増
大が抑制される。
【0005】ゲート電極11への正電圧の印加を停止
し、IGBTをオフ制御し、エミッタ電極10a、10
bとコレクタ電極15との間にコレクタ電極15側の電
位を高くする電圧を印加した状態では、ベース領域4と
ドリフト領域3との界面に形成されたPN接合16から
空乏層が広がる。ドリフト領域3の不純物濃度は、ベー
ス領域4の不純物濃度に比べて低いので、この空乏層は
主としてドリフト領域3側に広がる。この空乏層はIG
BTが降伏状態になる前にFLR領域6a、6bに到達
(パンチスルー)し、更に逆方向電圧が高くなるとFL
R領域6a、6bとドリフト領域3との間に形成された
PN接合17から空乏層が広がる。このため、FLR領
域6a、6bとPN接合16との間の電位差はパンチス
ルー電圧のままほぼ一定に保たれ、半導体基体7の表面
における電界集中は起らず、またPN接合16のカバー
チャも緩和され、IGBTの耐圧が上昇する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように単
にFLR領域6a、6bを形成しても、十分な耐圧向上
効果は得られなかった。この理由はFLR領域6a、6
bから延びる空乏層が半導体基体7の厚み方向に広が
り、バッファ領域2に達するとその広がりが制限され、
空乏層による電界緩和効果が十分に発揮されないためで
ある。また、図1においてP+ 形のコレクタ領域1を省
くと、絶縁ゲート形電界効果トランジスタ(FET)と
なる。この種の構成にするとN形バッファ領域2及びN
- 形のドリフト領域3はドレイン領域として機能する。
このFETでは少数キヤリアによる伝導度変調が生じな
いので、高耐圧化のために領域3を厚くするとオン抵抗
が大きくなる。
【0007】そこで、本発明は耐圧向上を図ることがで
き、且つ動作抵抗(オン抵抗)も比較的小さい絶縁ゲー
ト形トランジスタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、実施例を示す図面の符
号を参照して説明すると、第1及び第2の主面8、9を
有する半導体基体7と、前記半導体基体7の前記第1の
主面8上に選択的に設けられた絶縁膜12と、前記半導
体基体7の前記第1の主面8上に設けられたエミッタ電
極10a、10bと、前記絶縁膜12の上に設けられた
ゲート電極11と、前記半導体基体7の前記第2の主面
9に設けられたコレクタ電極15とを備えた絶縁ゲート
形トランジスタであって、前記半導体基体7が、第1導
電形の第1のコレクタ領域1aと、第1導電形と反対の
第2導電形の第2のコレクタ領域2aと、第2導電形の
ドリフト領域3と、第1導電形のベース領域4a、4b
と、第2導電形のエミッタ領域5a、5bとを備えてお
り、前記第2のコレクタ領域2aは前記ドリフト領域3
よりも高い不純物濃度を有し且つ前記半導体基体7の前
記第2の主面9に露出するように配置されており、前記
第1のコレクタ領域1aは前記半導体基体7の前記第2
の主面9において前記第2のコレクタ領域2aを囲むよ
うに配置され且つ前記ドリフト領域3との間にPN接合
が生じるように前記ドリフト領域3に隣接配置され且つ
前記第2の主面9側からのその深さが前記第2のコレク
タ領域2aの深さよりも浅くなるように形成されてお
り、前記ドリフト領域3は前記第1及び第2のコレクタ
領域2a、1aと前記半導体基体7の前記第1の主面8
との間に配置され且つその一部が前記第1の主面8に露
出しており、前記ベース領域4a、4bは前記半導体基
体7の前記第1の主面8に露出する部分を有するように
配置され且つ前記ドリフト領域3との間にPN接合が生
じるように前記ドリフト領域3に隣接しており、前記エ
ミッタ領域5a、5bは前記半導体基体7の前記第1の
主面8に露出する面を有し且つこの露出する面を除いて
前記ベース領域4a、4bで包囲されるように前記ベー
ス領域4a、4bに隣接しており、前記エミッタ電極1
0a、10bは前記エミッタ領域5a、5bと前記ベー
ス領域4a、4bとに接続されており、前記絶縁膜12
は前記半導体基体7の前記第1の主面8上の少なくとも
前記ベース領域4a、4bの前記エミッタ領域5a、5
bと前記ドリフト領域3との間の部分の表面を覆うよう
に配置されており、前記ゲート電極11は前記ベース領
域4a、4bの前記エミッタ領域5a、5bと前記ドリ
フト領域3との間の部分の表面を前記絶縁膜12を介し
て覆うように配置されており、前記コレクタ電極15は
前記第1のコレクタ領域1a及び第2のコレクタ領域2
aに接続されていることを特徴とする絶縁ゲート形トラ
ンジスタに係わるものである。なお、請求項2に示すよ
うに、フィールド・リミッティング・リング即ちFLR
領域6a、6bを設け、このFLR領域6a、6bと第
2のコレクタ領域(ドレイン領域)2aとの間の最短距
離L1 をベース領域4a、4bと第2のコレクタ領域2
aとの間の最短距離L2 よりも長くすることが望まし
い。また、請求項3に示すように、請求項1の発明の第
2のコレクタ領域2aの代りにバッファ領域2bを設
け、このバッファ領域2bをコレクタ領域1bとドリフ
ト領域3との間に埋め込んだ構成にすることができる。
また、請求項4に示すように、請求項3のトランジスタ
に更に、FLR領域6a、6bを設け、このFLR領域
6a、6bとバッファ領域2bとの最短距離L1 をベー
ス領域4a、4bとバッファ領域2bとの最短距離L2
よりも長くすることが望ましい。
【0009】
【発明の作用及び効果】請求項1及び2の発明において
は、第2のコレクタ領域2aが典型的構成のMOSFE
Tのドレインと同様に機能し、オン転換時にここを通っ
て電流が流れる。第1のコレクタ領域1aはドリフト領
域3に電子が注入された時に正孔をドリフト領域3に注
入し、典型的な構造のバイポーラトランジスタのコレク
タと同様に機能する。従って、オン開始後にはドリフト
領域3で伝導度変調が生じ、オン抵抗が低くなる。耐圧
に深く関係するドリフト領域3の厚さは中央領域で相対
的に薄く、外周領域で中央領域よりも厚い。従って、半
導体基体7の表面での破壊がしにくくなり、耐圧向上を
図ることができる。また、請求項2の発明に従うフィー
ルド・リミッティング・リング(FLR)領域6a、6
bは、半導体基体7の表面における電界集中の緩和、及
びベース領域4a、4bとドリフト領域3との間のPN
接合16に基づいて生じる空乏層の形状を外周側でなだ
らかにする作用を有する。FLR領域6a、6bを設け
ると、これとドリフト領域3との間のPN接合17に基
づく空乏層も生じるが、請求項2の発明によれば、ドリ
フト領域3のFLR領域6a、6bの下の部分がその中
央側部分よりも厚くなるので、空乏層が第1のコレクタ
領域1aに到達しにくくなり、耐圧向上が良好に達成さ
れる。また、請求項3の発明によれば、バッファ領域2
bが半導体基体7の中央部分に配置され、外周部分には
配置されない。従って、耐圧に関係するドリフト領域3
の外周部分の厚みがその内周部分の厚みよりも厚くな
り、請求項1の発明と同様な理由で耐圧が向上する。ま
た、請求項4の発明によれば、請求項2の発明と同様な
原理でFLR領域6a、6bとドリフト領域3との間の
PN接合に基づく空乏層の広がりがバッファ領域2bの
制限を受けずに良好に広がり、耐圧向上を図ることがで
きる。
【0010】
【実施形態及び実施例】次に、図2〜図4を参照して本
発明の実施形態及び実施例を説明する。但し、図2〜図
4において図1と実質的に同一の部分には同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0011】
【第1の実施例】図2は第1の実施例の絶縁ゲート形ト
ランジスタを示し、図3は図2の半導体基体の表面を示
す。図2及び図3に示す第1の実施例の絶縁ゲート形ト
ランジスタは、図1のコレクタ領域1とバッファ領域2
の代りに環状の第1のコレクタ領域1aと第2のコレク
タ領域2aを設け、新たにN+ 形半導体領域から成る等
電位リング半導体領域22とその導電体膜23を設けた
他は図1と同一に構成されている。
【0012】P+ 形(第1導電形)半導体から成る第1
のコレクタ領域1aは平面的に見てFLR領域6a、6
bを含むように半導体基体7の外周部分に環状に設けら
れている。N+ 形(第2導電形)半導体から成る第2の
コレクタ領域2aは平面的に見て第1及び第2のFLR
領域6a、6bを含まないように基体7の中央部分に配
置され、且つ第1のコレクタ領域1aによって囲まれて
いる。第1及び第2のコレクタ領域1a、2aは共に基
体7の第2の主面9に露出し、これ等にコレクタ電極1
5が接続されている。N+ 形の第2のコレクタ領域2a
の第2の主面9からの深さは、P+ 形の第1のコレクタ
領域1aの第2の主面9からの深さよりも深い。従っ
て、ドリフト領域3の外周側部分の厚みはこの内周側部
分の厚みよりも厚い。P+ 形の第1のコレクタ領域1a
はN- 形のドリフト領域3に隣接し、両者間にPN接合
24が生じている。N+ 形の第2のコレクタ領域2aの
不純物濃度はN- 形ドリフト領域3の不純物濃度よりも
高い。従って、第2のコレクタ領域2aはドリフト領域
3に比べて空乏層が広がり難い領域である。この第2の
コレクタ領域2aとFLR領域6a、6bとの最短距離
L1 は第2のコレクタ領域2aとベース領域4a、4b
との最短距離L2 よりも長い。
【0013】等電位リング半導体領域22は半導体基体
7の外周縁に環状に形成されている。また、等電位リン
グ導電体膜23は半導体領域22の上に環状に形成され
ている。
【0014】図2の絶縁ゲート形トランジスタにおいて
は、バイポーラトランジスタの動作とFETの動作との
両方が生じる。従って、FETを主体に考える場合に
は、エミッタ領域5a、5bをソース領域、ベース領域
4a、4bをチャネル形成領域、第1及び第2のコレク
タ領域1a、2aとドリフト領域3をドレイン領域、エ
ミッタ電極10a、10bをソース電極、コレクタ電極
15をドレイン電極と呼ぶこともできる。第1及び第2
のコレクタ領域1a、2aは第2の主面9側からの不純
物の熱拡散で形成され、ベース領域4a、4b、エミッ
タ領域5a、5b、FLR領域6a、6b、EQR領域
22は第1の主面8側からの不純物の熱拡散で形成され
ている。
【0015】図2の絶縁ゲート形トランジスタのゲート
電極11の電位をエミッタ電極10a、10bの電位よ
りも高くすると、P形ベース領域(チャネル形成領域)
4a、4bのゲート電極11の直下に相当する部分の表
面にN形のチャネル(反転層)が生じる。これにより、
+ 形エミッタ領域5a、5bとN- 形ドリフト領域3
とがN形チャネルで接続される。この状態で更にコレク
タ電極15の電位がエミッタ電極10a、10bの電位
よりも高いと、エミッタ電極10a、10b、エミッタ
領域5a、5b、N形チャネル、N- 形ドリフト領域
3、第2のコレクタ領域2a及びコレクタ電極15から
成る経路に電子の流れが生じ、電流は電子と逆の方向性
を有して流れる。エミッタ電極10a、10bに対して
ゲート電極11の電位を十分に高くすると、エミッタ領
域5a、5bからN形チャネルを通してN- 形ドリフト
領域3に流入する電子の数が増大し、電子の一部が第1
のコレクタ領域1aの上方にもドリフトし、順バイアス
状態にある第1のコレクタ領域1aとドリフト領域3と
の間のPN接合24を通して正孔がドリフト領域3に注
入され、ドリフト領域3において伝導度変調が生じ、第
1のコレクタ領域1aからの正孔の注入量が更に増加
し、第1のコレクタ領域1aを通る電流成分が生じる。
これにより、コレクタ電極15からエミッタ電極10
a、10bに流れるコレクタ電流は、第1のコレクタ領
域1aを通って流れる成分と第2のコレクタ領域2aを
通って流れる成分との合計となる。耐圧を高めるために
ドリフト領域3が比較的厚く形成されている場合であっ
ても、オン時にこのドリフト領域3で伝導度変調が生じ
ているので、オン時の抵抗は比較的小さく、電力損失も
小さい。
【0016】ゲート電極11に印加する電圧をチャネル
形成のしきい値以下に下げると、ドリフト領域3に対す
るエミッタ領域5a、5bからの電子の供給がストップ
する。この結果、ドリフト領域3内の電子総量が減少
し、ドリフト領域3とベース領域4a、4bとの界面の
PN接合16から空乏層25が広がる。ところで、コレ
クタ電極15とエミッタ電極10a、10bとの間に高
い電圧が印加されていると、図2で点線で示すように空
乏層25がFLR領域6a、6bに到達した後、更にF
LR領域6a、6bとドリフト領域3との間のPN接合
17からも空乏層25が広がり、半導体基体7の外周部
分における電界集中を緩和する。このとき、第2のコレ
クタ領域2aとFLR領域6a、6bとの最短距離L1
が第2のコレクタ領域2aとベース領域4a、4bとの
最短距離L2 よりも大きく設定されているため、FLR
領域6a、6bから延びる空乏層25の広がりに制限を
受けず、この空乏層25によってベース領域4a、4b
の外周側における電界集中を良好に緩和することが可能
となる。従って、本実施例の絶縁ゲート形トランジスタ
によれば、小さいオン抵抗を維持しつつ耐圧の向上を図
ることができる。
【0017】
【第2の実施例】図4に示す第2の実施例の絶縁ゲート
形トランジスタは、図2の第1のコレクタ領域1aの代
りにコレクタ領域1bを設け、第2のコレクタ領域2a
の代りにN+ 形バッファ領域2bを設けた他は図2と実
質的に同一に構成されている。図4のP形半導体から成
るコレクタ領域1bは図1のコレクタ領域1と同様に半
導体基体7の第2の主面9の全体に形成されている。N
+ 形半導体から成るバッファ領域2bは平面的には図2
の第2のコレクタ領域2aと同一位置に形成されてい
る。このN+ 形バッファ領域2bは半導体基体7の第2
の主面9からN形不純物を拡散して形成したものであ
り、P+ 形コレクタ領域1bはバッファ領域2bを形成
した後に第2の主面9からP形不純物を拡散して形成し
たものである。
【0018】図4の絶縁ゲート形トランジスタの半導体
基体7の中央部の構造は図1と実質的に同一であるの
で、中央部では図1と実質的に同一の動作が生じる。半
導体基体7の周辺部は図2と同様に構成されているの
で、図2と同様な作用効果が生じる。即ち、N- 形ドリ
フト領域3の厚みが中央部よりも外周部で厚いので、外
周部の耐圧性が高められている。また、FLR領域6
a、6bとドリフト領域3とのPN接合17の下方に空
乏層が良好に広がり、電界集中が生じ難くなる。
【0019】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 図2に示した第2のコレクタ領域2aを図5に
示すように格子状又は島状に変形し、これ等の間にP+
形コレクタ領域1aを配置することができる。 (2) 図4に示したN+ 形バッファ領域2bを図6に
示すように格子状又は島状に変形し、これ等の間にN-
形のドリフト領域3を配置することができる。 (3) FLR領域6a、6bを上述のL1 >L2 を満
たす範囲でベース領域4a、4bよりも深く形成しても
よい。このようにすることによって、電界集中緩和効果
が更に向上し、耐圧増加が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の絶縁ゲート形トランジスタを示す断面図
である。
【図2】本発明の第1の実施例の絶縁ゲート形トランジ
スタを示す断面図である。
【図3】図2の半導体基体の表面を示す平面図である。
【図4】第2の実施例の絶縁ゲート形トランジスタを示
す断面図である。
【図5】変形例の絶縁ゲート形トランジスタの一部を示
す断面図である。
【図6】別の変形例の絶縁ゲート形トランジスタの一部
を示す断面図である。
【符号の説明】
1a、1b コレクタ領域 2a N+ 形コレクタ領域 2b バッファ領域 3 ドリフト領域 4a、4b ベース領域 5a、5b エミッタ領域 6a、6b FLR領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の主面(8、9)を有する
    半導体基体(7)と、前記半導体基体(7)の前記第1
    の主面(8)上に選択的に設けられた絶縁膜(12)
    と、前記半導体基体(7)の前記第1の主面(8)上に
    設けられたエミッタ電極(10a、10b)と、前記絶
    縁膜(12)の上に設けられたゲート電極(11)と、
    前記半導体基体(7)の前記第2の主面(9)に設けら
    れたコレクタ電極(15)とを備えた絶縁ゲート形トラ
    ンジスタであって、 前記半導体基体(7)が、第1導電形の第1のコレクタ
    領域(1a)と、第1導電形と反対の第2導電形の第2
    のコレクタ領域(2a)と、第2導電形のドリフト領域
    (3)と、第1導電形のベース領域(4a、4b)と、
    第2導電形のエミッタ領域(5a、5b)とを備えてお
    り、 前記第2のコレクタ領域(2a)は前記ドリフト領域
    (3)よりも高い不純物濃度を有し且つ前記半導体基体
    (7)の前記第2の主面(9)に露出するように配置さ
    れており、 前記第1のコレクタ領域(1a)は前記半導体基体
    (7)の前記第2の主面(9)において前記第2のコレ
    クタ領域(2a)を囲むように配置され且つ前記ドリフ
    ト領域(3)との間にPN接合が生じるように前記ドリ
    フト領域(3)に隣接配置され且つ前記第2の主面
    (9)側からのその深さが前記第2のコレクタ領域(2
    a)の深さよりも浅くなるように形成されており、 前記ドリフト領域(3)は前記第1及び第2のコレクタ
    領域(2a、1a)と前記半導体基体(7)の前記第1
    の主面(8)との間に配置され且つその一部が前記第1
    の主面(8)に露出しており、 前記ベース領域(4a、4b)は前記半導体基体(7)
    の前記第1の主面(8)に露出する部分を有するように
    配置され且つ前記ドリフト領域(3)との間にPN接合
    が生じるように前記ドリフト領域(3)に隣接してお
    り、 前記エミッタ領域(5a、5b)は前記半導体基体
    (7)の前記第1の主面(8)に露出する面を有し且つ
    この露出する面を除いて前記ベース領域(4a、4b)
    で包囲されるように前記ベース領域(4a、4b)に隣
    接しており、 前記エミッタ電極(10a、10b)は前記エミッタ領
    域(5a、5b)と前記ベース領域(4a、4b)とに
    接続されており、 前記絶縁膜(12)は前記半導体基体(7)の前記第1
    の主面(8)上の少なくとも前記ベース領域(4a、4
    b)の前記エミッタ領域(5a、5b)と前記ドリフト
    領域(3)との間の部分の表面を覆うように配置されて
    おり、 前記ゲート電極(11)は前記ベース領域(4a、4
    b)の前記エミッタ領域(5a、5b)と前記ドリフト
    領域(3)との間の部分の表面を前記絶縁膜(12)を
    介して覆うように配置されており、 前記コレクタ電極(15)は前記第1のコレクタ領域
    (1a)及び第2のコレクタ領域(2a)に接続されて
    いることを特徴とする絶縁ゲート形トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記半導体基体(7)は更に、少なくと
    も1つの第1導電形のフィールド・リミッティング・リ
    ング領域(6a、6b)を有し、 前記フィールド・リミッティング・リング領域(6a、
    6b)は前記第1の主面(8)において前記ベース領域
    (4a、4b)を囲むように配置され、 前記フィールド・リミッティング・リング領域(6a、
    6b)と前記第2のコレクタ領域(2a)との間の最短
    距離(L1 )が前記ベース領域(4a、4b)と前記第
    2のコレクタ領域(2a)との間の最短距離(L2 )よ
    りも長く設定されていることを特徴とする請求項1記載
    の絶縁ゲート形トランジスタ。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の主面(8、9)を有する
    半導体基体(7)と、前記半導体基体(7)の前記第1
    の主面(8)上に選択的に設けられた絶縁膜(12)
    と、前記半導体基体(7)の前記第1の主面(8)上に
    設けられたエミッタ電極(10a、10b)と、前記絶
    縁膜(12)の上に設けられたゲート電極(11)と、
    前記半導体基体(7)の前記第2の主面(9)に設けら
    れたコレクタ電極(15)とを備えた絶縁ゲート形トラ
    ンジスタであって、 前記半導体基体(7)が、第1導電形の第1のコレクタ
    領域(1b)と、第1導電形と反対の第2導電形のバッ
    ファ領域(2b)と、第2導電形のドリフト領域(3)
    と、第1導電形のベース領域(4a、4b)と、第2導
    電形のエミッタ領域(5a、5b)とを備えており、 前記コレクタ領域(1b)は前記半導体基体(7)の前
    記第2の主面(9)に露出するように配置されており、 前記バッファ領域(2b)は前記ドリフト領域(3)よ
    りも高い不純物濃度を有し且つ前記コレクタ領域(1
    b)と前記ドリフト領域(3)との間に配置され且つ前
    記第2の主面(9)側からのその最大深さが前記コレク
    タ領域(1b)の最大深さよりも深くなるように形成さ
    れており、 前記ドリフト領域(3)は前記コレクタ領域(1b)及
    び前記バッファ領域(2b)と前記半導体基体(7)の
    前記第1の主面(8)との間に配置され且つその一部が
    前記第1の主面(8)に露出しており、 前記ベース領域(4a、4b)は前記半導体基体(7)
    の前記第1の主面(8)に露出する部分を有するように
    配置され且つ前記ドリフト領域(3)との間にPN接合
    が生じるように前記ドリフト領域(3)に隣接してお
    り、 前記エミッタ領域(5a、5b)は前記半導体基体
    (7)の前記第1の主面(8)に露出する面を有し且つ
    この露出する面を除いて前記ベース領域(4a、4b)
    で包囲されるように前記ベース領域(4a、4b)に隣
    接しており、 前記エミッタ電極(10a、10b)は前記エミッタ領
    域(5a、5b)と前記ベース領域(4a、4b)とに
    接続されており、 前記絶縁膜(12)は前記半導体基体(7)の前記第1
    の主面(8)上の少なくとも前記ベース領域(4a、4
    b)の前記エミッタ領域(5a、5b)と前記ドリフト
    領域(3)との間の部分の表面を覆うように配置されて
    おり、 前記ゲート電極(11)は前記ベース領域(4a、4
    b)の前記エミッタ領域(5a、5b)と前記ドリフト
    領域(3)との間の部分の表面を前記絶縁膜(12)を
    介して覆うように配置されており、 前記コレクタ電極(15)は前記コレクタ領域(1b)
    に接続されていることを特徴とする絶縁ゲート形トラン
    ジスタ。
  4. 【請求項4】 前記半導体基体(7)は、更に、少なく
    とも1つの第1導電形のフィールド・リミッティング・
    リング領域(6a、6b)を有し、 前記フィールド・リミッティング・リング領域(6a、
    6b)は前記第1の主面(8)において前記ベース領域
    (4a、4b)を囲むように配置され、 前記フィールド・リミッティング・リング領域(6a、
    6b)と前記バッファ領域(2b)との間の最短距離
    (L1 )が前記ベース領域(4a、4b)と前記バッフ
    ァ領域(2b)との間の最短距離(L2 )よりも長く設
    定されていることを特徴とする請求項3記載の絶縁ゲー
    ト形トランジスタ。
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