JPH11204033A - 蛍光表示管の製造方法 - Google Patents
蛍光表示管の製造方法Info
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- JPH11204033A JPH11204033A JP10006075A JP607598A JPH11204033A JP H11204033 A JPH11204033 A JP H11204033A JP 10006075 A JP10006075 A JP 10006075A JP 607598 A JP607598 A JP 607598A JP H11204033 A JPH11204033 A JP H11204033A
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- H01J9/20—Manufacture of screens on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted or stored; Applying coatings to the vessel
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- H01J31/00—Cathode ray tubes; Electron beam tubes
- H01J31/08—Cathode ray tubes; Electron beam tubes having a screen on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted, or stored
- H01J31/10—Image or pattern display tubes, i.e. having electrical input and optical output; Flying-spot tubes for scanning purposes
- H01J31/12—Image or pattern display tubes, i.e. having electrical input and optical output; Flying-spot tubes for scanning purposes with luminescent screen
- H01J31/15—Image or pattern display tubes, i.e. having electrical input and optical output; Flying-spot tubes for scanning purposes with luminescent screen with ray or beam selectively directed to luminescent anode segments
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
- Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
- Luminescent Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 酸硫化物蛍光体の酸化及びバインダーの残渣
発生を抑えて、輝度向上を図った蛍光表示管の製造方法
を提供する。 【解決手段】 Cdを含まない酸硫化物蛍光体ペースト
を作成し、このペーストを通常の蛍光表示管用基板ガラ
ス2にスクリーン印刷法で蛍光体膜8を形成した後、1
00℃、10分乾燥した。その後、窒素ガスを流入した
連続ベルト式焼成炉にて250℃〜350℃の仮焼成域
の酸素濃度が0.3vol%〜0.02vol%、それ
以降の350℃以上の焼成域から室温低下(300℃未
満)までの酸素濃度が0.02vol%〜0vol%で
焼成を実施した。以後の加熱工程では蛍光体膜8は常に
非酸化性雰囲気中に保持された状態で、赤色発光蛍光表
示管1を製造した。
発生を抑えて、輝度向上を図った蛍光表示管の製造方法
を提供する。 【解決手段】 Cdを含まない酸硫化物蛍光体ペースト
を作成し、このペーストを通常の蛍光表示管用基板ガラ
ス2にスクリーン印刷法で蛍光体膜8を形成した後、1
00℃、10分乾燥した。その後、窒素ガスを流入した
連続ベルト式焼成炉にて250℃〜350℃の仮焼成域
の酸素濃度が0.3vol%〜0.02vol%、それ
以降の350℃以上の焼成域から室温低下(300℃未
満)までの酸素濃度が0.02vol%〜0vol%で
焼成を実施した。以後の加熱工程では蛍光体膜8は常に
非酸化性雰囲気中に保持された状態で、赤色発光蛍光表
示管1を製造した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置に用いら
れる蛍光表示管の製造方法に関する。
れる蛍光表示管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、文字や図柄や動画等の映像によ
り、装置の状態や情報を表示する各種の表示装置が実用
に供されている。この様な中、加速電圧が100V以下
で駆動可能な蛍光表示管は、ビデオ等の家電製品、或い
は車の速度メーター等の表示装置に広く実用に供されて
いる。従来、蛍光表示管に使用する蛍光体は、低速電子
線励起が可能なZnO:Zn蛍光体、或いは低速電子線
特有の問題である蛍光体の帯電を低減するために、In
2O3やZnO等の導電性物質を添加混合することで使用
可能とした(Zn,Cd)S系蛍光体、ZnS系蛍光体
が広く供されている。
り、装置の状態や情報を表示する各種の表示装置が実用
に供されている。この様な中、加速電圧が100V以下
で駆動可能な蛍光表示管は、ビデオ等の家電製品、或い
は車の速度メーター等の表示装置に広く実用に供されて
いる。従来、蛍光表示管に使用する蛍光体は、低速電子
線励起が可能なZnO:Zn蛍光体、或いは低速電子線
特有の問題である蛍光体の帯電を低減するために、In
2O3やZnO等の導電性物質を添加混合することで使用
可能とした(Zn,Cd)S系蛍光体、ZnS系蛍光体
が広く供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、赤色系
発光蛍光体として広く供されている(Zn,Cd)S蛍
光体には、労働安全衛生法で「特定化学物質」として規
定されているカドミウムを含有しているということが問
題である。このような(Zn,Cd)S蛍光体に代わっ
て、近年、(Zn,Cd)S蛍光体を代替することを目
的とした提案(特開平7−310073号、特開平9−
40947号)がなされている。
発光蛍光体として広く供されている(Zn,Cd)S蛍
光体には、労働安全衛生法で「特定化学物質」として規
定されているカドミウムを含有しているということが問
題である。このような(Zn,Cd)S蛍光体に代わっ
て、近年、(Zn,Cd)S蛍光体を代替することを目
的とした提案(特開平7−310073号、特開平9−
40947号)がなされている。
【0004】前者(特開平7−310073号)は輝度
的に実用性の無いとみなされてきた赤色蛍光体Y2O
2S:Euを主成分として用い、酸化物(Y2O3)を一
定濃度範囲(モル数で1×10-4から2×10-3)含ん
だ組成物が良いとし該濃度範囲外の組成の蛍光体に比べ
て輝度が1.5倍高いとしている。しかし、従来の赤色
蛍光体である(Zn,Cd)Sとの輝度比較はデータが
なく、これに代替できるほどの充分な発光輝度が得られ
るか否かは明らかではない。後者(特開平9−4094
7号)は、(Zn,Cd)S系黄色発光蛍光体の1/2
程度の発光輝度であった(Zn,Mg)O:Zn蛍光体
に、導電性金属酸化物(In2O3、WO3等)を適量添
加することで60%以上の輝度向上がはかれるとした点
で注目に値する。しかし、マルチカラー化の進む蛍光表
示管においては、使用頻度の少ない黄色発光のみの代替
化だけでは不充分と言わざるを得ない。
的に実用性の無いとみなされてきた赤色蛍光体Y2O
2S:Euを主成分として用い、酸化物(Y2O3)を一
定濃度範囲(モル数で1×10-4から2×10-3)含ん
だ組成物が良いとし該濃度範囲外の組成の蛍光体に比べ
て輝度が1.5倍高いとしている。しかし、従来の赤色
蛍光体である(Zn,Cd)Sとの輝度比較はデータが
なく、これに代替できるほどの充分な発光輝度が得られ
るか否かは明らかではない。後者(特開平9−4094
7号)は、(Zn,Cd)S系黄色発光蛍光体の1/2
程度の発光輝度であった(Zn,Mg)O:Zn蛍光体
に、導電性金属酸化物(In2O3、WO3等)を適量添
加することで60%以上の輝度向上がはかれるとした点
で注目に値する。しかし、マルチカラー化の進む蛍光表
示管においては、使用頻度の少ない黄色発光のみの代替
化だけでは不充分と言わざるを得ない。
【0005】その様な中、Ln2O2S:R酸硫化物蛍光
体(LnはGd、La、Y、Luからなる群より選ばれ
た少なくとも1種、Rは希土類元素である)の表面酸化
物除去、及び製造工程での酸化物生成の抑制により(Z
n,Cd)S系蛍光体と同等以上の高輝度化が可能とい
う提案(特願平8−165542号)がなされている。
この技術によれば、Rの希土類元素を変更することであ
らゆる発光色が可能であるが、蛍光体膜焼成の雰囲気、
条件については詳細な記載はなされていない。
体(LnはGd、La、Y、Luからなる群より選ばれ
た少なくとも1種、Rは希土類元素である)の表面酸化
物除去、及び製造工程での酸化物生成の抑制により(Z
n,Cd)S系蛍光体と同等以上の高輝度化が可能とい
う提案(特願平8−165542号)がなされている。
この技術によれば、Rの希土類元素を変更することであ
らゆる発光色が可能であるが、蛍光体膜焼成の雰囲気、
条件については詳細な記載はなされていない。
【0006】蛍光表示管の蛍光体膜焼成工程において、
特願平8−165542号に記載の製造条件では、焼成
時酸素濃度が0.1vol%に近ければ、バインダーの
残渣の発生はないが酸硫化物蛍光体の酸化は免れず低輝
度となる。また、酸硫化物蛍光体の酸化を防止するため
に酸素濃度を低くした場合、バインダーの残渣が発生し
てしまい低輝度となるという欠点を有している。また、
残渣の発生しない酸素濃度に設定した場合、酸硫化物蛍
光体の酸化は依然大きく低輝度となる。その理由として
は、ビークル中に含まれる自己分解型バインダー(アク
リルバインダー)の分解開始温度が300℃付近であ
り、低酸素濃度の場合、自己分解型ではあるが十分に分
解されず残渣となるためである。また、酸硫化物蛍光体
の酸化開始温度も300℃付近にあるため、酸素濃度が
高いと酸化されてしまい、輝度低下の要因となる。
特願平8−165542号に記載の製造条件では、焼成
時酸素濃度が0.1vol%に近ければ、バインダーの
残渣の発生はないが酸硫化物蛍光体の酸化は免れず低輝
度となる。また、酸硫化物蛍光体の酸化を防止するため
に酸素濃度を低くした場合、バインダーの残渣が発生し
てしまい低輝度となるという欠点を有している。また、
残渣の発生しない酸素濃度に設定した場合、酸硫化物蛍
光体の酸化は依然大きく低輝度となる。その理由として
は、ビークル中に含まれる自己分解型バインダー(アク
リルバインダー)の分解開始温度が300℃付近であ
り、低酸素濃度の場合、自己分解型ではあるが十分に分
解されず残渣となるためである。また、酸硫化物蛍光体
の酸化開始温度も300℃付近にあるため、酸素濃度が
高いと酸化されてしまい、輝度低下の要因となる。
【0007】本発明はこのような点を考慮してなされた
もので、Cdを含まない酸硫化物蛍光体を使用しながら
も、酸硫化物蛍光体の酸化及びバインダーの残渣発生を
抑えて、輝度向上を図った蛍光表示管の製造方法を提供
することを目的とする。
もので、Cdを含まない酸硫化物蛍光体を使用しながら
も、酸硫化物蛍光体の酸化及びバインダーの残渣発生を
抑えて、輝度向上を図った蛍光表示管の製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
酸硫化物蛍光体を基板に塗布後に焼成して蛍光体膜とす
る蛍光表示管の製造工程において、第1の温度域におい
て、第1の酸素濃度域の不活性ガス雰囲気にて仮焼成を
行う第1の過程と、前記第1の過程の後に、前記第1の
温度域と異なる第2の温度域において、前記第1の酸素
濃度域より低い第2の酸素濃度域の不活性ガス雰囲気に
て焼成を行う第2の過程とを具備してなる蛍光表示管の
製造方法。請求項2記載の発明は、請求項1記載の蛍光
表示管の製造方法において、前記第1の酸素濃度域が、
前記第2の酸素濃度域へ連続的に変化することを特徴と
する。請求項3記載の発明は、請求項1記載の蛍光表示
管の製造方法において、前記第1の温度域が250℃乃
至350℃であり、前記第2の温度域が、前記第1の温
度域の最大値より高い温度まで上昇させた後、蛍光体が
酸化を始める温度より低い温度まで下降させる温度域で
あることと、前記第1の酸素濃度域が0.3vol%乃
至0.02vol%であり、前記第2の酸素濃度域が
0.02vol%乃至0vol%であることを特徴とす
る。
酸硫化物蛍光体を基板に塗布後に焼成して蛍光体膜とす
る蛍光表示管の製造工程において、第1の温度域におい
て、第1の酸素濃度域の不活性ガス雰囲気にて仮焼成を
行う第1の過程と、前記第1の過程の後に、前記第1の
温度域と異なる第2の温度域において、前記第1の酸素
濃度域より低い第2の酸素濃度域の不活性ガス雰囲気に
て焼成を行う第2の過程とを具備してなる蛍光表示管の
製造方法。請求項2記載の発明は、請求項1記載の蛍光
表示管の製造方法において、前記第1の酸素濃度域が、
前記第2の酸素濃度域へ連続的に変化することを特徴と
する。請求項3記載の発明は、請求項1記載の蛍光表示
管の製造方法において、前記第1の温度域が250℃乃
至350℃であり、前記第2の温度域が、前記第1の温
度域の最大値より高い温度まで上昇させた後、蛍光体が
酸化を始める温度より低い温度まで下降させる温度域で
あることと、前記第1の酸素濃度域が0.3vol%乃
至0.02vol%であり、前記第2の酸素濃度域が
0.02vol%乃至0vol%であることを特徴とす
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明する。図1、図2は、本発明の実
施の形態による赤色発光蛍光表示管を示す側面断面図及
び一部切欠断面図である。これらの図に示すように、赤
色発光蛍光表示管1は、基板ガラス2と、側面板3とカ
バーガラス4からなる容器内に形成されている。この容
器内は高真空に保持されている。基板ガラス2上には、
リード線5と接触した絶縁層6上の陽極導体7が形成さ
れている。この陽極導体7上に酸化物を除去した蛍光体
を用い、非酸化性雰囲気で酸化を抑制した蛍光膜8が形
成されている。この陽極導体7に対面した上方にグリッ
ド9が配設され、さらにグリッド9上方にフィラメント
陰極10が配設されている。陽極導体7、グリッド電極
9、フィラメント陰極10を基板ガラス2上に実装した
容器を非酸化性雰囲気中で封入し、真空排気して封着す
ることによって得られている。尚、符号11は導体パタ
ーン、符号12は、この導体パターン11と陽極導体7
とを連絡する絶縁層6に設けられた貫通孔に配置された
接続導体である。
実施形態について説明する。図1、図2は、本発明の実
施の形態による赤色発光蛍光表示管を示す側面断面図及
び一部切欠断面図である。これらの図に示すように、赤
色発光蛍光表示管1は、基板ガラス2と、側面板3とカ
バーガラス4からなる容器内に形成されている。この容
器内は高真空に保持されている。基板ガラス2上には、
リード線5と接触した絶縁層6上の陽極導体7が形成さ
れている。この陽極導体7上に酸化物を除去した蛍光体
を用い、非酸化性雰囲気で酸化を抑制した蛍光膜8が形
成されている。この陽極導体7に対面した上方にグリッ
ド9が配設され、さらにグリッド9上方にフィラメント
陰極10が配設されている。陽極導体7、グリッド電極
9、フィラメント陰極10を基板ガラス2上に実装した
容器を非酸化性雰囲気中で封入し、真空排気して封着す
ることによって得られている。尚、符号11は導体パタ
ーン、符号12は、この導体パターン11と陽極導体7
とを連絡する絶縁層6に設けられた貫通孔に配置された
接続導体である。
【0010】次に、本発明の実施の形態による蛍光表示
管の製造方法について説明する。本発明者らは、一般式
が、Ln2O2S:R(但し、LnはGd、La、Y、L
uからなる群より選ばれた少なくとも1種、Rは希土類
元素)で表される酸硫化物系蛍光体について各種調査検
討した結果、特願平8−165542号の蛍光表示管の
製造方法では表面酸化物生成の抑制が不十分で、且つ、
自己分解型バインダーの残渣除去が不十分であるため発
光輝度の低下を招いていることを見出した。そこで、本
発明者らは、自己分解型バインダーの分解開始温度付近
の酸素濃度を高めに設定し、それ以降の高温域を低酸素
濃度の非酸化性雰囲気にすることで、自己分解型バイン
ダーの残渣をなくし、且つ、酸硫化物蛍光体の酸化を抑
制することが可能となり、高輝度化が実現できることを
見出した。
管の製造方法について説明する。本発明者らは、一般式
が、Ln2O2S:R(但し、LnはGd、La、Y、L
uからなる群より選ばれた少なくとも1種、Rは希土類
元素)で表される酸硫化物系蛍光体について各種調査検
討した結果、特願平8−165542号の蛍光表示管の
製造方法では表面酸化物生成の抑制が不十分で、且つ、
自己分解型バインダーの残渣除去が不十分であるため発
光輝度の低下を招いていることを見出した。そこで、本
発明者らは、自己分解型バインダーの分解開始温度付近
の酸素濃度を高めに設定し、それ以降の高温域を低酸素
濃度の非酸化性雰囲気にすることで、自己分解型バイン
ダーの残渣をなくし、且つ、酸硫化物蛍光体の酸化を抑
制することが可能となり、高輝度化が実現できることを
見出した。
【0011】次に、上記構成による蛍光表示管の特性に
ついて説明する。通常の焼成方法(特願平8−1655
42号参照)によって製造されたGd2O2S:Eu蛍光
体重量100部に対して、導電性物質として酸化インジ
ウム15重量部、有機系のビークル(アクリル樹脂30
重量部、ブツルカルビトールアセテート40重量部、テ
ルピネオール15重量部、乳酸ブチル15重量部を溶解
した混合液)を30重量部を加えて混合し、蛍光体ペー
ストを作製した。
ついて説明する。通常の焼成方法(特願平8−1655
42号参照)によって製造されたGd2O2S:Eu蛍光
体重量100部に対して、導電性物質として酸化インジ
ウム15重量部、有機系のビークル(アクリル樹脂30
重量部、ブツルカルビトールアセテート40重量部、テ
ルピネオール15重量部、乳酸ブチル15重量部を溶解
した混合液)を30重量部を加えて混合し、蛍光体ペー
ストを作製した。
【0012】上記ペーストを通常の蛍光表示管用基板ガ
ラスにスクリーン印刷法で蛍光体膜8を形成した後、1
00℃、10分乾燥した。その後、窒素ガスを流入した
連続ベルト式焼成炉にて250℃〜350℃の仮焼成域
の酸素濃度が0.3vol%〜0.02vol%、それ
以降の350℃以上の焼成域から室温低下(300℃未
満)までの酸素濃度が0.02vol%〜0vol%の
図3の焼成プロファイルで焼成を実施した。以後の加熱
工程では、蛍光体膜8は常に非酸化性雰囲気中に保持さ
れた状態で、図1及び図2に示す蛍光表示管1を製造し
た。蛍光表示管1は、前述したように陽極導体7、グリ
ッド電極9、フィラメント陰極10を基板ガラス2上に
実装した容器を、非酸化性雰囲気中で封入し、真空排気
し封着して形成されている。このようにして得られた蛍
光表示管から回収した蛍光体組成物の酸化物量は、特願
平8−165542号に記載の算出式1式を用いて算出
した結果、1.15×10-5mol/m2であった。
ラスにスクリーン印刷法で蛍光体膜8を形成した後、1
00℃、10分乾燥した。その後、窒素ガスを流入した
連続ベルト式焼成炉にて250℃〜350℃の仮焼成域
の酸素濃度が0.3vol%〜0.02vol%、それ
以降の350℃以上の焼成域から室温低下(300℃未
満)までの酸素濃度が0.02vol%〜0vol%の
図3の焼成プロファイルで焼成を実施した。以後の加熱
工程では、蛍光体膜8は常に非酸化性雰囲気中に保持さ
れた状態で、図1及び図2に示す蛍光表示管1を製造し
た。蛍光表示管1は、前述したように陽極導体7、グリ
ッド電極9、フィラメント陰極10を基板ガラス2上に
実装した容器を、非酸化性雰囲気中で封入し、真空排気
し封着して形成されている。このようにして得られた蛍
光表示管から回収した蛍光体組成物の酸化物量は、特願
平8−165542号に記載の算出式1式を用いて算出
した結果、1.15×10-5mol/m2であった。
【0013】また、蛍光表示管の輝度測定は上記蛍光表
示管を陰極電圧3.7V、陽極電圧27.5V、グリッ
ド電圧27.5V、デューティーサイクル1/10とし
て室温で点灯させ、輝度計(トプコン製BM−5型)を
用いて測定した。その結果、上述の蛍光表示管は下記<
表1>の実施形態1に示すように、120cd/m2の
高輝度が得られた。
示管を陰極電圧3.7V、陽極電圧27.5V、グリッ
ド電圧27.5V、デューティーサイクル1/10とし
て室温で点灯させ、輝度計(トプコン製BM−5型)を
用いて測定した。その結果、上述の蛍光表示管は下記<
表1>の実施形態1に示すように、120cd/m2の
高輝度が得られた。
【表1】 また、この<表1>には、上記の実施形態1の他に、従
来法で作製した蛍光表示管の結果を比較例1、比較例2
として示す。さらに、比較例1の焼成プロファイルを図
4に、比較例2の焼成プロファイルを図5に示す。
来法で作製した蛍光表示管の結果を比較例1、比較例2
として示す。さらに、比較例1の焼成プロファイルを図
4に、比較例2の焼成プロファイルを図5に示す。
【0014】比較例1は、図4の焼成プロファイルに示
すように、上記Gd2O2S:Eu蛍光体膜塗布後の焼成
時の酸素濃度を各温度域で分けることなく、蛍光体酸化
を防止するために酸素濃度0.0005vol%の窒素
雰囲気で焼成を行ったものである。このようにして得ら
れた蛍光表示管から回収した蛍光体中の酸化物量は0.
51×10-5mol/m2と少なかったが、バインダー
の残渣発生のため蛍光体体色が黒く変色し、発光輝度は
27cd/m2と低かった。
すように、上記Gd2O2S:Eu蛍光体膜塗布後の焼成
時の酸素濃度を各温度域で分けることなく、蛍光体酸化
を防止するために酸素濃度0.0005vol%の窒素
雰囲気で焼成を行ったものである。このようにして得ら
れた蛍光表示管から回収した蛍光体中の酸化物量は0.
51×10-5mol/m2と少なかったが、バインダー
の残渣発生のため蛍光体体色が黒く変色し、発光輝度は
27cd/m2と低かった。
【0015】また、比較例2は、図5の焼成プロファイ
ルに示すように、上記Gd2O2S:Eu蛍光体膜塗布後
の焼成時の酸素濃度を各温度域で分けることなく、バイ
ンダー残渣の発生がないように酸素濃度0.03vol
%の窒素雰囲気で焼成を行ったものである。こうして得
られた蛍光表示管について、焼成後バインダー残渣はな
く蛍光体体色の変色は認められなかったが、蛍光表示管
から回収した蛍光体中の酸化物量は1.99×10-5m
ol/m2と多く、発光輝度は51.4cd/m2と低か
った。
ルに示すように、上記Gd2O2S:Eu蛍光体膜塗布後
の焼成時の酸素濃度を各温度域で分けることなく、バイ
ンダー残渣の発生がないように酸素濃度0.03vol
%の窒素雰囲気で焼成を行ったものである。こうして得
られた蛍光表示管について、焼成後バインダー残渣はな
く蛍光体体色の変色は認められなかったが、蛍光表示管
から回収した蛍光体中の酸化物量は1.99×10-5m
ol/m2と多く、発光輝度は51.4cd/m2と低か
った。
【0016】尚、実施形態の250℃〜350℃の仮焼
成域の酸素濃度が0.3vol%を越えると、表面酸化
物量が増大し低輝度になり、また、酸素濃度が0.02
vol%を下回るとバインダー残渣が発生し、蛍光体体
色の変色がおこり大幅な低輝度になるため、250℃〜
350℃の仮焼成域の酸素濃度は0.3vol%〜0.
02vol%が望ましい。また、350℃以上の焼成域
から室温低下(300℃以下)までの酸素濃度は、蛍光
体の酸化を極力避けるために0.02vol%以下の低
酸素濃度が望ましい。また、仮焼成域の酸素濃度を上記
の範囲で制御すれば、焼成域の酸素濃度を極力下げても
残渣の発生は認められなかった。
成域の酸素濃度が0.3vol%を越えると、表面酸化
物量が増大し低輝度になり、また、酸素濃度が0.02
vol%を下回るとバインダー残渣が発生し、蛍光体体
色の変色がおこり大幅な低輝度になるため、250℃〜
350℃の仮焼成域の酸素濃度は0.3vol%〜0.
02vol%が望ましい。また、350℃以上の焼成域
から室温低下(300℃以下)までの酸素濃度は、蛍光
体の酸化を極力避けるために0.02vol%以下の低
酸素濃度が望ましい。また、仮焼成域の酸素濃度を上記
の範囲で制御すれば、焼成域の酸素濃度を極力下げても
残渣の発生は認められなかった。
【0017】また、上記実施形態によれば、Gd2O
2S:Eu蛍光体膜を焼成したが、上記実施形態と同様
の方法で、Y2O2S:Eu蛍光体膜を焼成し蛍光表示管
を得た。すなわち、Y2O2S:Eu蛍光体膜を形成して
乾燥させた後、図3の焼成プロファイルに示すように、
窒素ガスを流入した連続ベルト式焼成炉にて250℃〜
350℃の仮焼成域の酸素濃度が0.3vol%〜0.
02vol%、それ以降の350℃以上の焼成域から室
温低下(300℃未満)までの酸素濃度が0.02vo
l%〜0vol%で焼成を実施した。その結果は、<表
1>の実施形態2に示すように、発光輝度は103cd
/m 2であった。これは、<表1>の比較例3に示すよ
うに、比較例2と同一の焼成条件、すなわち、上記Y2
O2S:Eu蛍光体膜塗布後の焼成時の酸素濃度を各温
度域で分けることなく、バインダー残渣の発生がないよ
うに酸素濃度0.03vol%の窒素雰囲気で焼成を行
った場合の輝度の34cd/m2よりも高輝度となっ
た。
2S:Eu蛍光体膜を焼成したが、上記実施形態と同様
の方法で、Y2O2S:Eu蛍光体膜を焼成し蛍光表示管
を得た。すなわち、Y2O2S:Eu蛍光体膜を形成して
乾燥させた後、図3の焼成プロファイルに示すように、
窒素ガスを流入した連続ベルト式焼成炉にて250℃〜
350℃の仮焼成域の酸素濃度が0.3vol%〜0.
02vol%、それ以降の350℃以上の焼成域から室
温低下(300℃未満)までの酸素濃度が0.02vo
l%〜0vol%で焼成を実施した。その結果は、<表
1>の実施形態2に示すように、発光輝度は103cd
/m 2であった。これは、<表1>の比較例3に示すよ
うに、比較例2と同一の焼成条件、すなわち、上記Y2
O2S:Eu蛍光体膜塗布後の焼成時の酸素濃度を各温
度域で分けることなく、バインダー残渣の発生がないよ
うに酸素濃度0.03vol%の窒素雰囲気で焼成を行
った場合の輝度の34cd/m2よりも高輝度となっ
た。
【0018】また、上記実施形態と同様の焼成方法で、
Gd2O2S:Tb蛍光体膜を焼成し蛍光表示管を得た。
その結果は、<表1>の実施形態3に示すように、発光
輝度は127cd/m2であった。これは、<表1>の
比較例4に示すように、比較例2と同一の焼成条件、す
なわち、上記Gd2O2S:Tb蛍光体膜塗布後の焼成時
の酸素濃度を各温度域で分けることなく、バインダー残
渣の発生がないように酸素濃度0.03vol%の窒素
雰囲気で焼成を行った場合の輝度41cd/m 2よりも
高輝度となった。
Gd2O2S:Tb蛍光体膜を焼成し蛍光表示管を得た。
その結果は、<表1>の実施形態3に示すように、発光
輝度は127cd/m2であった。これは、<表1>の
比較例4に示すように、比較例2と同一の焼成条件、す
なわち、上記Gd2O2S:Tb蛍光体膜塗布後の焼成時
の酸素濃度を各温度域で分けることなく、バインダー残
渣の発生がないように酸素濃度0.03vol%の窒素
雰囲気で焼成を行った場合の輝度41cd/m 2よりも
高輝度となった。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蛍光体膜塗布後の焼成時の酸素濃度を各温度域で分けて
いるので、Cdを含まない酸硫化物蛍光体を使用した蛍
光表示管において、自己分解型バインダーの残渣を低減
し、且つ、酸硫化物蛍光体の酸化を抑制することにより
高輝度の表示が可能となるという効果が得られる。
蛍光体膜塗布後の焼成時の酸素濃度を各温度域で分けて
いるので、Cdを含まない酸硫化物蛍光体を使用した蛍
光表示管において、自己分解型バインダーの残渣を低減
し、且つ、酸硫化物蛍光体の酸化を抑制することにより
高輝度の表示が可能となるという効果が得られる。
【図1】 本発明の一実施形態による赤色発光蛍光表示
管の側面断面図である。
管の側面断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態による赤色発光蛍光表示
管の一部切欠断面図である。
管の一部切欠断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態による焼成プロファイル
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図4】 従来技術による焼成プロファイルを示すグラ
フである。
フである。
【図5】 従来技術による焼成プロファイルを示すグラ
フである。
フである。
1.赤色発光蛍光表示管 2.基板ガラス 3.側面板 4.カバーガラス 5.リード線 6.絶縁層 7.陽極導体 8.蛍光体膜 9.グリッド 10.フィラメント陰極 11.導体パターン 12.接続導体
Claims (3)
- 【請求項1】 酸硫化物蛍光体を基板に塗布後に焼成し
て蛍光体膜とする蛍光表示管の製造工程において、 第1の温度域において、第1の酸素濃度域の不活性ガス
雰囲気にて仮焼成を行う第1の過程と、 前記第1の過程の後に、前記第1の温度域と異なる第2
の温度域において、前記第1の酸素濃度域より低い第2
の酸素濃度域の不活性ガス雰囲気にて焼成を行う第2の
過程と、 を具備してなる蛍光表示管の製造方法。 - 【請求項2】 前記第1の酸素濃度域は、前記第2の酸
素濃度域へ連続的に変化することを特徴とする請求項1
記載の蛍光表示管の製造方法。 - 【請求項3】 前記第1の温度域は250℃乃至350
℃であり、前記第2の温度域は、前記第1の温度域の最
大値より高い温度まで上昇させた後、蛍光体が酸化を始
める温度より低い温度まで下降させる温度域であること
と、 前記第1の酸素濃度域は0.3vol%乃至0.02v
ol%であり、前記第2の酸素濃度域は0.02vol
%乃至0vol%であること、 を特徴とする請求項1記載の蛍光表示管の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10006075A JPH11204033A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 蛍光表示管の製造方法 |
KR1019990001109A KR19990067928A (ko) | 1998-01-14 | 1999-01-13 | 형광 문자 표시관의 제조 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10006075A JPH11204033A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 蛍光表示管の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11204033A true JPH11204033A (ja) | 1999-07-30 |
Family
ID=11628463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10006075A Pending JPH11204033A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 蛍光表示管の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11204033A (ja) |
KR (1) | KR19990067928A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI395254B (zh) * | 2006-01-25 | 2013-05-01 | Air Water Inc | Film forming device |
-
1998
- 1998-01-14 JP JP10006075A patent/JPH11204033A/ja active Pending
-
1999
- 1999-01-13 KR KR1019990001109A patent/KR19990067928A/ko not_active Application Discontinuation
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI395254B (zh) * | 2006-01-25 | 2013-05-01 | Air Water Inc | Film forming device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR19990067928A (ko) | 1999-08-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20000704 |