JP4020412B2 - 窒化ガリウム蛍光体とその製造方法およびこの蛍光体を使用してなるディスプレイデバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光表示管、FED及び投写管に用いられる蛍光体に関し、特に、発光特性の優れた窒化ガリウム蛍光体、その製造方法、およびその蛍光体を使用したディスプレイデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
IIIb族元素(B、Al、Ga、In)とVb族元素(N、P、As、Sb)からなるIIIb−Vb化合物である窒化ガリウム蛍光体(GaN系蛍光体)は、化合物半導体として発光ダイオード、レーザダイオード、ホトダイオードなどのオプトエレクトロニクス素子あるいは電界効果形トランジスタなどの高速素子用の材料として単結晶薄膜の形で利用されているが、蛍光体としてはまだ実用化されていない。
【0003】
一般に、GaN系蛍光体は、Ga金属やGa2S3、Ga2O3などのGa元素を含む化合物に、Zn、Mgなどの付活剤元素やSi、Ge、S、Oなどの共付活剤元素を含む金属又は化合物を混合した原料混合物を、NH3ガスを含む雰囲気中で焼成することにより合成される。このとき、NH3の分解で生成した活性窒素により窒化反応が進む一方、同時に生成した活性水素によりZn、Mgなどの付活剤が水素化され不活性化するため、蛍光体の発光特性が低下するという問題があった。また、水分は、原料混合物を焼成中に生成し、又は得られた蛍光体を処理中に吸着され蛍光体に残留し、デバイスに用いたときデバイス内部で飛散し電極を汚染してデバイスの性能を低下させるという問題があった。このようなことから、蛍光体中にH2、H2Oを多く含んでいる従来のGaN系蛍光体は発光特性が低く、蛍光表示管等のディスプレイデバイスへの実用化が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上述した問題を解決することを目的とし、すなわち、発光特性の優れた窒化ガリウム蛍光体とその製造方法、さらにこの蛍光体を使用しているディスプレイデバイスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した問題を解決するため、GaN、(Ga,In)N等の窒化ガリウム蛍光体について鋭意検討した結果、蛍光体に含まれるH2を所定のレベル以下にすることにより、極めて優れた発光特性の窒化ガリウム蛍光体を製作することに成功した。さらに、本発明の窒化ガリウム蛍光体は、好ましくはH2とH2Oの両方を所定のレベル以下にすることにより発光特性を向上できる。
【0006】
窒化ガリウム蛍光体に含まれるH2やH2Oは、蛍光体を熱処理し、あるいはマイクロ波照射して所定のレベル以下にできる。本発明の請求項7に記載する窒化ガリウム蛍光体の製造方法は、実質的にH2とH2Oガスを含まない雰囲気で、蛍光体を500℃〜1100℃の温度で10分間以上熱処理する。さらに好ましくは熱処理の温度は、600℃以上とする。また、熱処理する雰囲気としては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを含む雰囲気、減圧雰囲気、大気雰囲気が好ましい。本発明の請求項15の製造方法は、窒化ガリウム蛍光体粉末を、実質的にH2とH2Oのガスを含まない雰囲気で、マイクロ波照射する。熱処理され、あるいはマイクロ波照射された窒化ガリウム蛍光体は、熱やマイクロ波によって蛍光体に含まれるH2、H2Oなどが除かれて、発光特性の優れた蛍光体となる。
【0007】
上述したように、窒化ガリウム蛍光体は原料混合物をNH3ガス雰囲気中で焼成することにより合成されるが、NH3の分解で生成した活性水素によりZn、Mgなどの付活剤が水素化され不活性化して、蛍光体の発光特性が低下するという問題があった。また、蛍光体中に含まれる水分は、デバイスに用いたときデバイス内部で飛散し電極を汚染してデバイスの性能を低下させるという問題があった。これに対し、本発明は、蛍光体中にH2、H2Oを多く含み発光特性が低い従来の窒化ガリウム蛍光体を、実質的にH2とH2Oのガスを含まない雰囲気で熱処理又はマイクロ波照射して、蛍光体に含まれるH2、H2Oを所定のレベル以下にすることで、Zn、Mgなどの付活剤を再活性化して蛍光体の発光特性を改善し、これを用いた蛍光表示管、FED、投写管等のディスプレイデバイスの性能を向上させるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための窒化ガリウム蛍光体とその製造方法、ならびにこの蛍光体を使用しているディスプレイデバイスを例示するものであって、本発明を下記のものに特定しない。
【0009】
本発明の窒化ガリウム蛍光体は次のようにして得られる。この蛍光体は以下の組成式で示すことができる。
(Ga,X)N:Y,Z
ただし、XはIn、B、Alのうちの少なくとも一種であり、Yは、Be、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd及びHgからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、ZはO、S、Se、Te、Pb、C、Si、Ge及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
【0010】
この組成式の窒化ガリウム蛍光体は、原料として、ガリウム化合物、前記Xを含む化合物、前記Yを含む化合物、及び前記Zを含む化合物を混合した原料混合物、又はガリウム、前記X、前記Y、及び前記Zの各元素を含む共沈物を用い、NH3ガスを含むガスを流しながら500〜1200℃で焼成して製造される。
【0011】
上記ガリウム化合物、前記Xを含む化合物、前記Yを含む化合物としては、酸化物、硫化物等が好ましく、これにより窒化ガリウム蛍光体中にO、S等の元素が導入されるため、この場合前記Zを含む化合物を別に混合しなくても良い。
【0012】
上記ガリウム、前記X、前記Y、及び前記Zの各元素を含む共沈物としては、これらの元素を含む水溶液にアンモニア水又はシュウ酸等を加えて生成する沈殿物が好ましく、これを熱分解して用いてもよい。
【0013】
こうして得られる窒化ガリウム蛍光体を、実質的にH2とH2O分を含まないガス雰囲気中で熱処理又はマイクロ波照射する。熱処理は、500〜1100℃の温度で10分間以上とする。熱処理やマイクロ波照射は、実質的にH2とH2O分を有しないガス雰囲気であればよく、N2、He、Ne、Arなどの不活性ガスを含む雰囲気、減圧雰囲気、大気雰囲気又は酸素雰囲気で熱処理することができる。熱処理の最適条件はガス雰囲気によって異なる。一般に熱処理の効果は温度に依存し、温度が500℃より低い場合は脱ガス効果が少なく、1100℃より高い場合は窒化ガリウム母体の分解が著しく進行し制御が難しく適当でない。時間は10分間以上であれば効果があり、より好ましくは60分間以上である。
【0014】
マイクロ波照射の効果は、マイクロ波を照射する電力と蛍光体重量と照射時間とに依存する。窒化ガリウム蛍光体に照射されるマイクロ波電力は、蛍光体に対して1〜100W/gとし、照射時間は30分以上とする。
【0015】
また、あらかじめ酸・アルカリなどで表面処理を行った窒化ガリウム蛍光体も、熱処理やマイクロ波照射により同様の効果が得られる。例えば、焼成後の窒化ガリウム蛍光体を、0.1mol/l硝酸水溶液中、約50℃で1時間攪拌処理を行い、洗浄脱水後乾燥させる。酸処理により窒化ガリウムからの水分放出量は増加するが、次に熱処理し、あるいはマイクロ波照射することで水素放出量、水分放出量ともに減少し、輝度が改善される。
【0016】
本発明の蛍光体を真空中で加熱したときのH2、H2Oガス放出量は、昇温脱離式ガス分析装置(以下TDSと称す)を用いて、次のようにして測定できる。先ず、蛍光体粉末約10mgを精秤した後、電子科学株式会社製、昇温脱離ガス分析装置EMD−WA1000Sの試料台に載せる。次に、10−7〜10−8Paの範囲に減圧した後、1000℃まで60℃/minの昇温速度で昇温する。昇温後1000℃で約20分間保持し、完全に脱ガスさせる。試料台上部に取り付けられた4重極質量分析計で、昇温開始時から窒化ガリウム蛍光体より放出されるH2、H2Oの信号をカウント積算する。このデータより各ガスの昇温脱離スペクトル積分面積を得る。定量には一定量の水素をあらかじめイオン注入したSi基板を基準に用い、水素の昇温脱離スペクトルを測定して得られる検量線を用いる。また、この水素検量線を基準に他元素イオンのフラグメンテーションファクターやイオン化係数を考慮してH2Oなどの定量を行う。
【0017】
次に、本発明の蛍光体を用いて蛍光表示管を作製し、50Vdc駆動で点灯させるときの輝度を、上記H2、H2Oガス放出量との関係から図1〜図4に示す。輝度(Y)の値は、熱処理またはマイクロ波照射を行わない蛍光体を基準(Y=100%)として求めた相対値(相対輝度)である。本発明の窒化ガリウム蛍光体の特性をこれらの図を参照して詳述する。
【0018】
図1は、窒化ガリウム蛍光体粉末を窒素ガス雰囲気中、500〜900℃で熱処理し、熱処理前後の蛍光体のH2ガス放出量とこれらの蛍光体を用いて作製される蛍光表示管の輝度との関係を示したものである。この図から、H2ガス放出量が0.2cm3/g以下で輝度が高く、特に0.1cm3/g以下で非常に輝度が高くなることがわかる。図2は、同様に熱処理し、熱処理前後の蛍光体のH2Oガス放出量とこれらの蛍光体を用いて作製される蛍光表示管の輝度との関係を示したものである。この図から、H2Oガス放出量が2.0cm3/g以下で輝度が高く、特に1.5cm3/g以下で非常に輝度が高くなることがわかる。なお、N2以外のHe、Ar、Ne、CO2などの不活性ガスを含む雰囲気、減圧雰囲気でも窒素ガス雰囲気と類似した結果となる。
【0019】
図3は、窒化ガリウム蛍光体粉末を大気雰囲気中、500〜700℃で熱処理し、熱処理前後の蛍光体のH2ガス放出量とこれらの蛍光体を用いて作製される蛍光表示管の輝度との関係を示したものである。この図から、H2ガス放出量が0.2cm3/g以下で輝度が高く、特に0.15cm3/g以下で非常に輝度が高くなることがわかる。図4は、同様に熱処理し、熱処理前後の蛍光体のH2Oガス放出量とこれらの蛍光体を用いて作製される蛍光表示管の輝度との関係を示したものである。この図から、H2Oガス放出量が2.0cm3/g以下で輝度が高く、特に1.5cm3/g以下で非常に輝度が高くなることがわかる。しかしながら、大気雰囲気の場合、熱処理温度が800℃より高くなると、蛍光体表面から酸化され、窒化ガリウムの分解が著しく進行し、H2、H2Oガス放出量は減少するものの蛍光表示管の輝度は低下する。なお、酸素雰囲気でも大気雰囲気と類似した結果となる。
【0020】
【実施例】
[比較例1]
以下の原料を秤量する。
Ga2S3…………30g
In2S3………0.5g
ZnS………………6g
以上の原料を良く混合し、得られる原料混合物をアルミナボートに入れ、これを炉に挿入する。その後、NH3ガスを流量1.5リットル/minで供給しながら、1100℃で3時間保持して焼成した後、冷却する。アルミナボートを取り出して(Ga,In)N:Zn,S蛍光体を得る。
【0021】
[実施例1]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末をアルミナボートに入れ、炉に挿入する。その後、N2ガスを流量1.0リットル/minで供給しながら、800℃で1時間保持して熱処理した後、冷却する。アルミナボートを取り出して本発明の窒化ガリウム蛍光体を得る。この蛍光体のTDSによる脱離ガス放出量を前述した方法で測定すると、真空中で加熱したときのH2ガス放出量は0.07cm3/gであり、H2Oガス放出量は0.9cm3/gである。
【0022】
このように窒素ガス雰囲気中で熱処理して得られる本発明の蛍光体を用いて、図5(a)、(b)に示すような蛍光表示管を作製する。(a)は本発明に係る蛍光表示管の一部を破断して示す要部平面図であり、(b)は同要部拡大断面図である。ここで、1は、ガラス、セラミックスなどの絶縁材料からなる基板であり、この基板1上に配線導体2を被着し、さらにこの配線導体2を所定位置にスルーホール3aの形成された絶縁層3により覆う。この絶縁層3は低融点のフリットガラスを主成分とし、これにバインダー、有機溶剤、及び黒色の顔料を混合し、ペースト状に調合して印刷、焼成したものである。4は、前記絶縁層3上に日字形に形成された陽極導体であり、この陽極導体上に本発明の蛍光体からなる蛍光体層5が周知のスクリーン印刷法、電着法、沈殿法等により被着され、陽極6が形成される。さらに、この陽極6が日字形に配列されて、一桁のパターン表示部7となっている。また、8は、前記パターン表示部7に対面する上方に配設されたメッシュ状の制御電極、9は、加熱されて電子を放出するフィラメント状の陰極、10は、箱形状に形成され、前記基板1の周辺部に装着されて基板1とともに真空外囲器を構成し、前記各電極を高真空雰囲気に保持する少なくとも表示窓部が透明にされた前囲器、11は、前記基板1と前囲器10との封着部を気密に貫通し、前記各電極に駆動信号を導入するための導入端子である。この蛍光表示管を50Vdc×7mA/cm2で駆動したときの色度(x、y)、輝度(Y)は、x=0.161、y=0.138、Y=134%となる。
【0023】
[実施例2〜6]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末をそれぞれ500℃、600℃、700℃、900℃、1000℃の温度で熱処理する以外は実施例1と同様に行い、実施例2〜6の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0024】
[実施例7〜10]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末を大気雰囲気中で、それぞれ500℃、600℃、700℃、800℃の温度で熱処理する以外は実施例1と同様に行い、実施例7〜10の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0025】
[実施例11〜13]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末をアルゴン雰囲気中で、それぞれ500℃、700℃、900℃の温度で熱処理する以外は実施例1と同様に行い、実施例11〜13の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0026】
[実施例14〜17]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末を減圧雰囲気(真空雰囲気)中で、それぞれ500℃、700℃、900℃、1100℃の温度で熱処理する以外は実施例1と同様に行い、実施例14〜17の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0027】
[比較例2]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末をアンモニア雰囲気中、800℃で熱処理する以外は実施例1と同様に行い、比較例2の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0028】
[比較例3〜7]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末を、それぞれ塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸の0.1mol/l溶液を用いて、50℃で1時間攪拌処理した後、洗浄、脱水、乾燥して、酸処理された比較例3〜7の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0029】
[実施例18〜22]
比較例3〜7で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末を実施例1と同様に熱処理して実施例18〜22の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0030】
[実施例23]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末100gをアルミナボートに入れ、これをマイクロ波発生装置に接続したマイクロ波加熱装置内に入れて、窒素ガス雰囲気中で28GHzのマイクロ波を出力900Wで1時間照射して実施例23の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0031】
[実施例24]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末を大気雰囲気中で30分間マイクロ波照射する以外は実施例23と同様に行い、マイクロ波照射された実施例24の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0032】
[実施例25]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末をアルゴン雰囲気中でマイクロ波照射する以外は実施例23と同様に行い、マイクロ波照射された実施例25の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0033】
[実施例26]
比較例1で得られる窒化ガリウム蛍光体粉末を減圧雰囲気(真空雰囲気)中でマイクロ波照射する以外は実施例23と同様に行い、マイクロ波照射された実施例26の窒化ガリウム蛍光体を得る。
【0034】
実施例1〜26及び比較例1〜7で得られる窒化ガリウム蛍光体について、上述した方法でH2、H2Oガス放出量を測定する。また、これらの窒化ガリウム蛍光体を用いて実施例1と同様にして蛍光表示管を作製すると、50Vdc×7mA/cm2で駆動したときの色度(x、y)、輝度(Y)は表1に示すようになる。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、窒化ガリウム蛍光体粉末を実質的にH2とH2Oのガスを含まない雰囲気で熱処理又はマイクロ波照射することにより、真空中で蛍光体を加熱したときのH2、H2Oガス放出量が、蛍光体に対してそれぞれ0.2cm3/g以下、2.0cm3/g以下の窒化ガリウム蛍光体を得ることができ、発光特性を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒素ガス雰囲気中で熱処理した蛍光体のH2ガス放出量と蛍光表示管の輝度との関係を示すグラフ図
【図2】窒素ガス雰囲気中で熱処理した蛍光体のH2Oガス放出量と蛍光表示管の輝度との関係を示すグラフ図
【図3】大気雰囲気中で熱処理した蛍光体のH2ガス放出量と蛍光表示管の輝度との関係を示すグラフ図
【図4】大気雰囲気中で熱処理した蛍光体のH2Oガス放出量と蛍光表示管の輝度との関係を示すグラフ図
【図5】本発明による蛍光表示管の一部を破断して示す要部平面図(a)と要部拡大断面図(b)
【符号の説明】
1……基板、
2……配線導体、
3……絶縁層、
3a……スノーホール、
4……陽極導体、
5……蛍光体層、
6……陽極、
7……パターン表示部、
8……制御電極、
9……陰極、
10……前囲器、
11……導入端子
Claims (15)
- 一般式が次式で表される窒化ガリウム蛍光体であって、真空中で蛍光体を加熱したときのH2ガス放出量が、蛍光体に対して0.2cm3/g以下にしてなり、H2Oガス放出量が、蛍光体に対して2.0cm3/g以下にしてなることを特徴とする窒化ガリウム蛍光体。
(Ga,X)N:Y,Z
ただし、XはIn、B、Alのうちの少なくとも一種であり、Yは、Be、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd及びHgからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、ZはO、S、Se、Te、Pb、C、Si、Ge及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種である。 - 真空中で蛍光体を加熱したときのH2ガス放出量が、蛍光体に対して0.15cm3/g以下にしてなることを特徴する請求項1に記載の窒化ガリウム蛍光体。
- 真空中で蛍光体を加熱したときのH2ガス放出量が、蛍光体に対して0.1cm3/g以下にしてなることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム蛍光体。
- 真空中で蛍光体を加熱したときのH2Oガス放出量が、蛍光体に対して1.5cm3/g以下にしてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の窒化ガリウム蛍光体。
- 一般式が(Ga,In)N:Zn,Sで表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の窒化ガリウム蛍光体。
- 一般式が次式で表される窒化ガリウム蛍光体を製造する製造方法であって、窒化ガリウム蛍光体粉末を、H2とH2Oのガスを含まない雰囲気で、500℃〜1100℃の温度で10分間以上、熱処理し、真空中で蛍光体を加熱したときのH2ガス放出量が、蛍光体に対して0.2cm3/g以下であり、H2Oガス放出量が、蛍光体に対して2.0cm3/g以下であることを特徴とする窒化ガリウム蛍光体の製造方法。
(Ga,X)N:Y,Z
ただし、XはIn、B、Alのうちの少なくとも一種であり、Yは、Be、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd及びHgからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、ZはO、S、Se、Te、Pb、C、Si、Ge及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種である。 - 窒化ガリウム蛍光体粉末を熱処理する温度が600℃以上であることを特徴とする請求項6に記載の窒化ガリウム蛍光体の製造方法。
- 窒化ガリウム蛍光体粉末を熱処理する雰囲気が窒素ガスを含む雰囲気であることを特徴とする請求項6に記載の窒化ガリウム蛍光体の製造方法。
- 窒化ガリウム蛍光体粉末を熱処理する雰囲気がアルゴンガスを含む雰囲気であることを特徴とする請求項6に記載の窒化ガリウム蛍光体の製造方法。
- 酸処理している窒化ガリウム蛍光体粉末を熱処理することを特徴とする請求項6に記載の窒化ガリウム蛍光体の製造方法。
- 一般式が次式で表される窒化ガリウム蛍光体を製造する製造方法であって、窒化ガリウム蛍光体粉末を、H2とH2Oのガスを含まない雰囲気で、マイクロ波電力が蛍光体に対して1〜100W/g、照射時間が30分以上でマイクロ波照射し、真空中で蛍光体を加熱したときのH2ガス放出量が、蛍光体に対して0.2cm3/g以下であり、H2Oガス放出量が、蛍光体に対して2.0cm3/g以下であることを特徴とする窒化ガリウム蛍光体の製造方法。
(Ga,X)N:Y,Z
ただし、XはIn、B、Alのうちの少なくとも一種であり、Yは、Be、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd及びHgからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、ZはO、S、Se、Te、Pb、C、Si、Ge及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種である。 - 酸処理している窒化ガリウム蛍光体粉末をマイクロ波照射することを特徴とする請求項11に記載の窒化ガリウム蛍光体の製造方法。
- 一般式が(Ga,In)N:Zn,Sで表されることを特徴とする請求項6〜12のいずれか一に記載の窒化ガリウム蛍光体の製造方法。
- 一般式が次式で表される窒化ガリウム蛍光体を用いてなるディスプレイデバイスであって、真空中で蛍光体を加熱したときのH2ガス放出量が、蛍光体に対して0.2cm3/g以下にしてなり、H2Oガス放出量が、蛍光体に対して2.0cm3/g以下にしてなる窒化ガリウム蛍光体を用いてなることを特徴とするディスプレイデバイス。
(Ga,X)N:Y,Z
ただし、XはIn、B、Alのうちの少なくとも一種であり、Yは、Be、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd及びHgからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、ZはO、S、Se、Te、Pb、C、Si、Ge及びSnからなる群より選ばれる少なくとも一種である。 - 一般式が(Ga,In)N:Zn,Sで表されることを特徴とする請求項14に記載のディスプレイデバイス。
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