JPH11201488A - 空気調和機の室内機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 暖房運転時に室温分布の均一化を図ることが
でき、且つ室内の乾燥を防止することができ、また、ド
ライ運転時に室温をあまり下げずに除湿ができる空気調
和機の室内機を提供する。 【解決手段】 本体内の上部を仕切壁10により前後に区
画し、仕切壁10後方の本体上面に第１の吸込口5aと、本
体前面中央部に第２の吸込口5bを設け、第２の吸込口5b
の下方に第１の吹出口6aを、上方に第２の吹出口6bを設
け、第１の吸込口5aに臨ませて第１の室内熱交換器８を
設け、第１の室内熱交換器８下部に第１の送風ファン９
設け、第２の吸込口5bに臨ませて第２の室内熱交換器11
を設け、第２の室内熱交換器11の上部に第２の送風ファ
ン12設け、第１の室内熱交換器８の下部に第１の露受皿
15' を設け、第２の室内熱交換器11の下部に第２の露受
皿15を設け、第１の吹出口6aに回動自在に第１の風向板
13を設け、第２の吹出口6bに開閉自在に第２の風向板14
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は暖房運転時に室温分
布の均一化を図ることができる空気調和機の室内機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気調和機の室内機としては例え
ば図６に示すように構成されたものがある。図におい
て、室内機の本体21は本体ケーシング22と、この本体ケ
ーシング22の前方に着脱可能に被せられた前面カバー23
と、この前面カバー23の前方に開閉自在に取付けられた
前面パネル24とから構成されている。この室内機では本
体21の上部および前方に形成された吸込口25と、下部に
形成された吹出口26とを結ぶ空気通路27に着脱自在なエ
アーフィルタ28と、室内熱交換器29と、送風ファン（ク
ロスフローファン）30が配置され、室内への風向は吹出
口26に設けられた風向調節板31,32 により調節されるよ
うになっている。室内熱交換器29は、上端を後方に傾斜
させた上部熱交換器29a と、この上部熱交換器29a の上
部に連設し、後方に逆Ｖ字状に傾斜させた後部熱交換器
29b と、上部熱交換器29a の下部に連設してほぼ垂直に
立設した下部熱交換器29c とから形成されている。

【０００３】上記構成において、インバータ式の空気調
和機に代表されるような送風機能を備えた空気調和機装
置では、暖房時の高温空気が天井部付近に集まり易く、
床側の空気温度が上昇しにくいため、室内温度分布のム
ラが生じるという問題がある。暖房運転時に室内温度が
設定温度に達すると圧縮機の周波数を低下させることに
より暖房能力を下げ室温の上昇を抑えていた。しかしな
がら、圧縮機の周波数を低下させると吹出し温度が下が
りユーザに対し、頭部のドラフト感を生じさせるという
問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、暖房運転時にユーザに対してドラ
フト感を与えない温風を分布させ、室温分布の均一化を
図ることができ、且つドライ運転時に室温の低下を少な
くする容量制御運転をすることができる空気調和機の室
内機を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたもので、本体内の上部を仕切壁に
より前後に区画し、同仕切壁後方の本体上面に第１の吸
込口と、本体前面中央部に第２の吸込口を設け、同第２
の吸込口の下方に第１の吹出口を、上方に第２の吹出口
を設け、前記第１の吸込口に臨ませて第１の室内熱交換
器を設けると共に、同第１の室内熱交換器下部に第１の
送風ファン設け、前記第２の吸込口に臨ませて第２の室
内熱交換器を設けると共に、同第２の室内熱交換器の上
部に第２の送風ファン設け、前記第１の室内熱交換器の
下部に第１の露受皿を設けると共に、前記第２の室内熱
交換器の下部に第２の露受皿を設け、前記第１の吹出口
に回動自在に第１の風向板を設けると共に、前記第２の
吹出口に開閉自在に第２の風向板を設け、暖房運転時
に、前記第２の風向板を閉じると共に、前記第２の送風
ファンを停止し、前記第１の吸込口と第２の吸込口から
吸入した空気を前記第１の室内熱交換器および第２の室
内熱交換器で熱交換し、この空気を前記第１の吹出口か
ら室内下方に送風し、前記本体内の温度が設定温度以上
に達したとき、前記第２の風向板を開くと共に、前記第
２の送風ファンを運転し、前記第２の吸込口から吸入し
た空気を前記第２の室内熱交換器で熱交換し、この空気
を前記第２の吹出口から室内に送風しすると共に、前記
第１の吸込口から吸入した空気を前記第１の室内熱交換
器で熱交換し、この空気を前記第１の吹出口から室内下
方に送風する構成となっている。

【０００６】また、前記第１の室内熱交換器を、上端を
後方に傾斜させた上部熱交換器と、同上部熱交換器の上
部に連設し、後方に略逆Ｖ字状に傾斜させた後部熱交換
器と、前記上部熱交換器の下部に連設し、ほぼ垂直に立
設した下部熱交換器とから形成した構成となっている。

【０００７】また、前記第２の室内熱交換器を、２つの
熱交換器を略Ｖ字状に形成した構成となっている。

【０００８】また、前記略Ｖ字状の第２の室内熱交換器
の最下端を、前記第１の室内熱交換器の下部熱交換器の
最下端より上方に設けた構成となっている。

【０００９】また、前記第２の露受皿に、凝縮水を前記
第１の室内熱交換器の下部熱交換器に導く樋状の水路を
形成した構成となっている。

【００１０】また、前記水路を複数形成した構成となっ
ている。

【００１１】また、前記第２の風向板を開いたとき、同
第２の風向板が水平方向になる構成となっている。

【００１２】また、前記仕切壁を後方が凹形となる弯曲
状に形成した構成となっている。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
〜図６に基づいて説明する。図１は室内機の外観を、図
２は室内機の内部構成を側面から表したものである。図
において、室内機の本体１は本体ケーシング２と、この
本体ケーシング２の前方に着脱可能に被せられた前面カ
バー３と、この前面カバー３の前方に開閉自在に取付け
られた前面パネル４とから構成されている。本体１の上
面後方に第１の吸込口5aが有り、本体１前面の中央部に
第２の吸込口5bが有り、同第２の吸込口5bの下方に第１
の吹出口6aが、上方に第２の吹出口6bが形成されてい
る。

【００１４】前記本体１上面の吸込口5aと、同本体１下
部の吹出口6aとを結ぶ空気通路7aの前記本体ケーシング
２の内側に、第１の室内熱交換器８と、同第１の室内熱
交換器８の下部に第１の送風ファン９とを設け、前記本
体１内の上部を前後に仕切る後方が凹形となる略弯曲状
の仕切壁10を設け、前記本体１前面の第２の吸込口5b
と、同本体１前面上部の第２の吹出口6bとを結ぶ空気通
路7bの前記仕切壁10の内側に、第２の室内熱交換器11
と、同第２の室内熱交換器11の上部に第２の送風ファン
12とを設け、前記本体１下部前方の第１の吹出口6aに回
動自在に軸支した第１の風向板13を設けると共に、前記
本体１前面上部の第２の吹出口6bに開閉自在に第１の風
向板14とが設けられている。

【００１５】前記第１の室内熱交換器８は上端を後方に
傾斜させた上部熱交換器8aと、この上部熱交換器8aの上
部に連設して後方に逆Ｖ字状に傾斜させた後部熱交換器
8bと、前記上部熱交換器8aの下部に連設してほぼ垂直に
立設した下部熱交換器8cとから構成されている。また、
前記第２の室内熱交換器８は11は、下端を後方に傾斜さ
せた前部熱交換器11a と、上端を後方に傾斜させた後部
熱交換器11b の２つの熱交換器を略Ｖ字状に構成されて
いる。

【００１６】図３は前記第１の室内熱交換器８の下部熱
交換器8cの下部に設けられた第１の露受皿15' と前記第
２の室内熱交換器11の下部に設けられた第２の露受皿15
を示したもので、同第２の露受皿15の背面側に、前記第
２の室内熱交換器11が蒸発器として作用したとき発生す
る凝縮水を、前記第１の室内熱交換器８の下部熱交換器
8cの前面側に導く、後方に傾斜する複数の樋状の水路15
a を形成した構成となっている。

【００１７】図４は本発明の一実施例による冷凍サイク
ルを形成する冷媒回路図で、圧縮機16と、同圧縮機16よ
り吐出する冷媒の流れを暖房運転、冷房運転等に合わせ
て切換る四方弁17と、室外熱交換器18と、第１の膨張弁
19と、第２の室内熱交換器11と、第２の膨張弁20と、第
１の室内熱交換器８とを順次配管接続し冷凍サイクルを
形成し、前記第２の室内熱交換器11の近傍に室内温度を
検知する温度センサ21が設けられている。また、室外制
御ユニット（図示せず）により制御される室外送風機22
と、室内制御ユニット（図示せず）により制御される室
内用の第１の送風機９と第２の送風機12等から構成され
ている。

【００１８】上記構成において、暖房運転時に冷媒は点
線矢印で示すように流れ、通常運転時は前記第２の膨張
弁20を全開し、前記第１の膨張弁19を絞ることにより、
前記第１の室内熱交換器８および前記第２の室内熱交換
器11が共に凝縮器として作用し、前記室外熱交換器18が
蒸発器として作用し室内を暖房する。この時、前記第２
の送風ファン12の運転は停止され、同時に前記風向板14
は閉じるように制御され、温風は前記上下風向板13の制
御により前記本体１下部前方の第１の吹出口6aから下方
に吹出される。

【００１９】暖房運転時に前記温度センサ21が検知した
室内温度が設定温度以上に達すると、前記第１の膨張弁
19を全開され、前記第２の膨張弁20が絞られ、前記第１
の室内熱交換器８が凝縮器として作用し、前記第２の室
内熱交換器11および前記室外熱交換器18が蒸発器として
作用すると同時に、前記第２の送風ファン12が運転され
ると共に、前記第２の風向板14が水平になるよう開か
れ、前記本体１前面上部の第２の吹出口6bより冷却され
た空気が水平方向に吹出され、温風は前記第１の吹出口
6aから下方に吹出され、室内温度は均一にされる。

【００２０】また、前記第２の室内熱交換器11が蒸発器
として作用し、発生した凝縮水は前記第２の露受皿15で
受けられた後、前記水路15a より前記第１の室内熱交換
器８の下部熱交換器8cの前面側に導かれ、前記第１の吹
出口6aから水分が室内に戻され、室内の乾燥を防止す
る。前記温度センサが検知した室内温度が設定温度以下
に達すると、上記の通常運転状態に戻される。

【００２１】図５は本発明の他の実施例による冷凍サイ
クルを形成する冷媒回路図で、前記第１の室内熱交換器
８と前記第２の室内熱交換器11とを、第２の膨張弁20を
介して直列接続すると共に、同第２の膨張弁20と前記第
２の室内熱交換器11間と、前記第１の室内熱交換器８と
前記四方弁17間に電磁弁からなる開閉弁23を介してバイ
パスを形成した構成となっている。

【００２２】上記構成において、冷房運転時に冷媒は実
線矢印で示すように流れ、通常運転時は前記開閉弁23を
閉じると共に、前記第２の膨張弁20を全開し、前記第１
の膨張弁19を絞ることにより、前記第１の室内熱交換器
８および前記第２の室内熱交換器11が共に蒸発器として
作用し、前記室外熱交換器18が凝縮器として作用し室内
を冷房する。

【００２３】ドライ運転（室温をあまり下げずに除湿運
転する）時は前記第２の膨張弁20を絞ると共に、前記開
閉弁23を開くように制御することにより、前記第２の室
内熱交換器11のみ蒸発器として作用し、前記第１の室内
熱交換器８は冷媒が前記開閉弁23側をバイパスして流
れ、蒸発器として作用せず、室内熱交換器は一方のみ作
用する所謂容量制御運転を行い室温をあまり下げずに除
湿運転をする。

【００２４】上記説明したように、本体１内に２つの室
内熱交換器８,11 と、２つの送風機９,12 を設け、暖房
運転時に室内温度が設定温度以上に達したとき、一方の
室内熱交換器11を蒸発器として作用させることにより、
天井の近傍の温度を下げ室内温度を均一にすると共に、
蒸発器により発生した凝縮水を室内に戻し乾燥を防止す
る。また、ドライ運転時には一方の室内熱交換器８を動
作させない所謂容量制御運転をすることにより室温をあ
まり下げずに除湿運転することができる空気調和機の室
内機となる。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、本体内に
２つの室内熱交換器と、２つの送風機を設け、暖房運転
時に室内温度が設定温度以上に達したとき、一方の室内
熱交換器を蒸発器として作用させることにより、天井の
近傍の温度を下げ室内温度を均一にすると共に、蒸発器
により発生した凝縮水を室内に戻し乾燥を防止する。ま
た、ドライ運転時には一方の室内熱交換器を動作させな
い所謂容量制御運転をすることにより室温をあまり下げ
ずに除湿運転することができる空気調和機の室内機とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる室内機の外観斜視図である。

【図２】本発明に係わる室内機の内部構成図である。

【図３】本発明の実施例を示す図で、（Ａ）は要部構成
図、（Ｂ）は（Ａ）のＡ部の拡大図である。

【図４】本発明の一実施例を示す冷凍サイクルを形成す
る冷媒回路図である。

【図５】本発明の他の実施例を示す冷凍サイクルを形成
する冷媒回路図である。

【図６】従来例を示す室内機の内部構成図である。

【符号の説明】

１ 本体 5a 第１の吸込口 5b 第２の吸込口 6a 第１の吹出口 6b 第２の吹出口 7a,7b 空気通路 ８ 第１の室内熱交換器 8a 上部熱交換器 8b 後部熱交換器 8c 下部熱交換器 ９ 第１の送風機 10 仕切壁 11 第２の室内熱交換器 11a 前部熱交換器 11b 後部熱交換器 12 第２の送風機 13 第１の風向板 14 第２の風向板 15 第２の露受皿 15a 水路 16 圧縮機 17 四方弁 18 室外熱交換器 19 第１の膨張弁 20 第２の膨張弁 21 温度センサ 22 室外送風機 23 開閉弁

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体内の上部を仕切壁により前後に区画
   し、同仕切壁後方の本体上面に第１の吸込口と、本体前
   面中央部に第２の吸込口を設け、同第２の吸込口の下方
   に第１の吹出口を、上方に第２の吹出口を設け、前記第
   １の吸込口に臨ませて第１の室内熱交換器を設けると共
   に、同第１の室内熱交換器下部に第１の送風ファン設
   け、前記第２の吸込口に臨ませて第２の室内熱交換器を
   設けると共に、同第２の室内熱交換器の上部に第２の送
   風ファン設け、前記第１の室内熱交換器の下部に第１の
   露受皿を設けると共に、前記第２の室内熱交換器の下部
   に第２の露受皿を設け、前記第１の吹出口に回動自在に
   第１の風向板を設けると共に、前記第２の吹出口に開閉
   自在に第２の風向板を設け、 暖房運転時に、前記第２の風向板を閉じると共に、前記
   第２の送風ファンを停止し、前記第１の吸込口と第２の
   吸込口から吸入した空気を前記第１の室内熱交換器およ
   び第２の室内熱交換器で熱交換し、この空気を前記第１
   の吹出口から室内下方に送風し、前記本体内の温度が設
   定温度以上に達したとき、前記第２の風向板を開くと共
   に、前記第２の送風ファンを運転し、前記第２の吸込口
   から吸入した空気を前記第２の室内熱交換器で熱交換
   し、この空気を前記第２の吹出口から室内に送風しする
   と共に、前記第１の吸込口から吸入した空気を前記第１
   の室内熱交換器で熱交換し、この空気を前記第１の吹出
   口から室内下方に送風してなることを特徴とする空気調
   和機の室内機。
2. 【請求項２】 前記第１の室内熱交換器を、上端を後方
   に傾斜させた上部熱交換器と、同上部熱交換器の上部に
   連設し、後方に略逆Ｖ字状に傾斜させた後部熱交換器
   と、前記上部熱交換器の下部に連設し、ほぼ垂直に立設
   した下部熱交換器とから形成したことを特徴とする請求
   項１記載の空気調和機の室内機。
3. 【請求項３】 前記第２の室内熱交換器を、２つの熱交
   換器を略Ｖ字状に形成したことを特徴とする請求項１記
   載の空気調和機の室内機。
4. 【請求項４】 前記略Ｖ字状の第２の室内熱交換器の最
   下端を、前記第１の室内熱交換器の下部熱交換器の最下
   端より上方に設けたことを特徴とする請求項１、２また
   は請求項３記載の空気調和機の室内機。
5. 【請求項５】 前記第２の露受皿に、凝縮水を前記第１
   の室内熱交換器の下部熱交換器に導く樋状の水路を形成
   してなることを特徴とする請求項１記載の空気調和機の
   室内機。
6. 【請求項６】 前記水路を複数形成してなることを特徴
   とする請求項５記載の空気調和機の室内機。
7. 【請求項７】 前記第２の風向板を開いたとき、同第２
   の風向板が水平方向としてなることを特徴とする請求項
   １記載の空気調和機の室内機。
8. 【請求項８】 前記仕切壁を後方が凹形となる弯曲状に
   形成してなることを特徴とする請求項１記載の空気調和
   機の室内機。