JP2002372297A - 床置形ファンコイルユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は床置形ファンコイルユニットに関
し、特に建物内周部でのインテリアゾーン領域で床下に
冷風または温風を送風するアンダーフロア空調が行える
ほか、１台にて建物の外周部でのエクステリアゾーンの
熱負荷に対する処理としてペリメータ空調を行うのに最
適に使用され、汎用性があり、便利である。 【解決手段】 空気吸入口２を前面上部に設け下部の架
台部４の部分を床下３に埋設状態で取付けられるユニッ
ト本体１内に風の吐出方向を下向きに送風機５を配置
し、該送風機の下部には熱交換コイル６を設けて調和空
気Ａ１を下部前方に吹き出し可能なダクト７の背面上部
位置に設けた複数の開口部８と吹出口９とを縦ダクト１
０により連通する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は床置形ファンコイル
ユニットに関し、特に建物の内周部でインテリアゾーン
と呼ばれる領域で床下へ冷風または温風を送風するとい
うアンダーフロア空調が行えるほか建物の外周部でのエ
クステリアゾーンの熱負荷に対する熱処理としてペリメ
ータ空調にも最適に使用することができる。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般的な床置形ファンコイルユニ
ットは、主として建物の内周部で負荷変動の大きい、エ
クステリアゾーン（ペリメータゾーンとも言う）に設置
して、ペリメータの負荷処理に用いられることが多く、
この目的のため、ユニット下部から室内空気を吸い込ん
で加熱又は冷却した上でユニット上部から空気を窓面に
沿って上方に吹き出すタイプが主流であった。また、近
年冷風や温風を床下に送風して、多孔板形状のフロアマ
ットなどを通して室内に吹き出す、いわゆるアンダーフ
ロア空調が、一部の建物で行われるようになってきた
が、このアンダーフロア空調に用いるための床置形ファ
ンコイルユニットは、室内空気をユニット上方又は前方
から吸い込んでユニット下部から床下に送風する単機能
のものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のアンダーフロア空調システムは、主として負荷変動の
少ない建物の内周部でインテリアゾーンと呼ばれる領域
に適するものであって、負荷変動の大きい建物の外周部
でのエクステリアゾーンのためには、別途の空調システ
ムを併用する必要があった。すなわち、外気温変動の影
響や日射などの熱変動を直接的に受けるエクステリアゾ
ーンの熱負荷の変化に対応して室内の温度を一定に保つ
ために、別途にエクステリアゾーンの熱負荷を処理する
ための専用のファンコイルユニットを窓下に沿って設置
するか、またはエアハンドリングユニット（ダクトによ
り、冷温風を送る中央式空気調和機）からの調和空気を
窓に沿って吹き出すための専用の吹出しグリルを設ける
などの方法を併用する必要があった。

【０００４】本発明は上記従来の欠点を解決するために
なされたものであり、１台のファンコイルユニットで、
インテリアゾーンにおけるアンダーフロア空調と、エク
ステリアゾーンの熱負荷処理を同時に行い、他の空調手
段の併用を不要とする、アンダーフロア空調およびペリ
メータ空調に兼用して汎用性を有することができるとい
う極めて便利な床置形ファンコイルユニットを提供しょ
うとする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
なされたものであり、請求項１に記載の発明は、空気吸
入口を前面上部に設け下部の架台部の部分を床下に埋設
状態で取付けられるユニット本体と、該ユニット本体内
に風の吐出方向を下向きに配置した送風機と、該送風機
の下部に設けられ空気を冷却または加熱する熱交換コイ
ルと、該熱交換コイルの下部に調和空気を下部前方に吹
き出し可能に設けられるダクトと、該ダクトの背面上部
位置に設けられた複数の開口部と、該開口部と前記ユニ
ット本体の上部の背面寄りの位置に設けた吹出口に連通
する縦ダクトとから成る。

【０００６】また請求項２に記載の発明は、請求項１に
おいて前記縦ダクトは平面略扁平薄形に形成され、前記
送風機のファンケースの側面に連通して配置されること
を特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下図に従って本発明の実施形態
の具体例の詳細を説明する。図１ないし図６は本発明の
一実施態様を示す。１はユニット本体であり、このユニ
ット本体１は空気吸入口２を前面上部に設け、下部には
例えば建物の外周部のエクステリアゾーンＫ２と呼ばれ
る床下３に埋設される架台部４が設けられている。Ｉは
建物の屋内を示す。３Ａはフロアボードであり、このフ
ロアボード３Ａには室内Ｉに後記熱交換コイル６により
冷却または加熱された調和空気Ａ１を建物の内周部にお
けるインテリアゾーンＫ１の床下３から吹き出すための
通気孔３ａが多数設けられている。

【０００８】５はユニット本体１内に配置される送風機
であり、この送風機５は空気吸入口２から採り入れられ
る風の吐出方向を下向きにして配置される。図２，図３
において図示する実施態様では送風機５は、ユニットｈ
本体１内の略中央上方に配置される駆動源としての電動
機Ｍの左右に２個が並設される。

【０００９】６は前記送風機５の下部に設けられた熱交
換コイルであり、この熱交換コイル６は空気吸入口２か
ら採り入れられる室内の空気を冷却または加熱するため
のものである。６ａは熱交換コイル６に冷温水を供給す
るための入口であり、６ｂは熱交換コイル６から冷温水
を送出するための出口である。

【００１０】７は熱交換コイル６の下部に設けられるダ
クトであり、このダクト７は前記熱交換コイル６により
冷却または加熱された調和空気Ａ１を床下空気送出用開
口部７ａからユニット本体１の下部前方に吹き出し可能
に設けられる。

【００１１】８は該ダクト７の背面上部位置に設けられ
る複数、図３では３個の開口部であり、この開口部８と
ユニット本体１の上部の背面寄りの位置に対応して設け
た吹出口９とは縦ダクト１０により連通される。この縦
ダクト１０は、図３および図５に示すように平面略扁平
薄形に形成され、前記送風機５,５のファンケース５ａ
の左右の外側と送風機５，５間に連通して配置される。

【００１２】１１は前記熱交換コイル６の下方に設けら
れたドレンパンであり、熱交換コイル６から排水される
ドレン水を受けてドレーン配管を通して屋外に排水する
ためのものである。１２はユニット本体１の前面に設け
られるスイッチ部である。１３は建物に開閉可能に設け
られる窓であり、Ｏは屋外、Ｋ２は建物の外周部におけ
るエクステリアゾーンである。

【００１３】本発明の一実施態様は以上の構成からな
り、本実施態様のユニット本体１は例えば屋内Ｉに床置
形ファンコイルユニットとして設置される。これには、
建物の外周部のエクステリアゾーンＫ２にユニット本体
１が設置されるが、このユニット本体１は、空気吸入口
２を前面上部に設け下部には架台部４の部分がインテリ
アゾーンＫ１の床下３に向けて埋設状態で取付けられ
る。

【００１４】このユニット本体１内には風の吐出方向を
下向きに送風機５,５が図２、図３に示す実施態様では
２個が配置され、該送風機５,５の下部には空気吸入口
２から採り入れられる室内Ｉの空気を冷却または加熱す
るための熱交換コイル６が設けられ、該熱交換コイル６
の下部には調和空気Ａ１をユニット本体１の下部前方に
吹き出し可能なダクト７が設けられ、該ダクト７の背面
上部位置には複数、図示する実施態様では３個の開口部
８が設けられ、さらには前記ユニット本体１の上部の背
面寄りの位置には開口部８と吹出口９とに連通する縦ダ
クト１０が設けられているので、送風機５，５が駆動源
としてのモータＭの駆動力により回動されると、送風機
５，５の力によりユニット本体１の前面上部に設けた空
気吸込口２から吸い込まれた室内Ｉの空気は、送風機
５,５により下方向に送られ、熱交換コイル６により冷
却されるかまたは加熱される。

【００１５】そして、熱交換コイル６により冷却される
かまたは加熱された調和空気Ａ１は、熱交換コイル６の
下部に設けるダクト７を通り、床下空気送出用開口部７
ａから床下３の前方向へと送風された後に、フロアボー
ド３Ａに多数設ける通気孔３ａを介してインテリアゾー
ンＫ１の床下３から室内Ｉ内に送り出され、室内Ｉは冷
房または暖房が行われる。

【００１６】また、ユニット本体１内に設けた熱交換コ
イル６の下方に設けたダクト７の背面上部の位置に設け
た複数の開口部８からも熱交換コイル６により冷却され
るか加熱される調和空気Ａ１の一部が送風機５，５の側
部、すなわち左右の外側と送風機５，５の間に設けた縦
ダクト１０，１０，１０を通じて上方に送風される。こ
うして、この縦ダクト１０，１０，１０を通じて送風さ
れる調和空気Ａ１は、ユニット本体１の最上部にケーシ
ングの長手方向に沿って設けられる吹出口９から室内Ｉ
に送風される。

【００１７】その後、この調和空気Ａ１は、ユニット本
体１の設置場所の背後に設ける建物の窓１３に沿って上
方に送風され、外気に接する建物の外壁面からの通過
熱、いわゆるエクステリアゾーンＫ２の熱負荷を処理す
るための熱エネルギーとしても消費される。従って、前
述のように建物の外周部のエクステリアゾーンＫ２にお
いて床下空気送出用開口部７ａを床下３に埋設するよう
にユニット本体１を設置することにより従来のように別
途にエクステリアゾーンＫ２の熱負荷を処理するための
専用のファンコイルユニットを窓下に沿って設置すると
か、またはエアハンドリングユニットからの調和空気を
窓に沿って吹き出すための専用の吹き出しグリルを設け
る等のエクステリアゾーンＫ２の専用のファンコイルユ
ニットを別途に設置する必要がなくエクステリアゾーン
Ｋ２の熱負荷の処理、いわゆるペリメータ空調が行え、
１台のユニット本体１により行えるという汎用性を備
え、取扱いが便利になる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の請求項１に記載の発明は以上の
ように、空気吸入口を前面上部に設け下部の架台部の部
分を床下に埋設状態で取付けられるユニット本体と、該
ユニット本体内に風の吐出方向を下向きに配置した送風
機と、該送風機の下部に設けられ空気を冷却または加熱
する熱交換コイルと、該熱交換コイルの下部に調和空気
を下部前方に吹き出し可能に設けられるダクトと、該ダ
クトの背面上部位置に設けられた複数の開口部と、該開
口部と前記ユニット本体の上部の背面寄りの位置に設け
た吹出口とを連通する縦ダクトとから成るので、１台の
ユニット本体に床下空気送出用開口部と、背面上部位置
には吹出口に連通して開口部を設けることによりインテ
リアゾーンにおける床下に冷風または温風を円滑かつ確
実に送風するといういわゆるアンダーフロア空調が行え
るとともに従来のようにいわゆるエクステリアゾーン専
用のファンコイルユニットを窓下に沿って別途に設置す
る必要がなく熱負荷の処理を行えるという汎用性を備
え、１台のファンコイルユニットの選択使用が行え、便
利になる。また、本発明の請求項２に記載の発明は、請
求項１において縦ダクトは平面略扁平薄形に形成され、
前記送風機のファンケースの側面に連通して配置される
ことを特徴とするので、ファンコイルユニットの奥行寸
法を増加させることなく、扁平にして薄形でデザイン性
に優れたコンパクトでスマートな外観となり、これらの
事柄は特に複数の送風機を備えたファンコイルユニット
において有意義である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図は本発明の床置形ファンコイルユニットの一
実施態様を示す敷設状態の断面図である。

【図２】同じく本発明の床置形ファンコイルユニットの
一実施態様を示す断面図である。

【図３】同じく平面図である。

【図４】同じく縦ダクト付近の断面図である。

【図５】同じく本実施態様の床置形ファンコイルユニッ
トの内部構造を概略的に示す斜視図である。

【図６】同じく正面図である。

【符号の説明】 １ ユニット本体 ２ 空気吸入口 ３ 床下 ３Ａ フロアボード ５ 送風機 ６ 熱交換コイル ７ ダクト ７ａ 床下空気送出用開口部 ８ 開口部 ９ 吹出口 １０ 縦ダクト Ａ１ 調和空気 Ｉ 室内 Ｋ１ インテリアゾーン Ｋ２ エクステリアゾーン Ｏ 屋外

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気吸入口を前面上部に設け下部の架台
   部の部分を床下に埋設状態で取付けられるユニット本体
   と、該ユニット本体内に風の吐出方向を下向きに配置し
   た送風機と、該送風機の下部に設けられ空気を冷却また
   は加熱する熱交換コイルと、該熱交換コイルの下部に調
   和空気を下部前方に吹き出し可能に設けられるダクト
   と、該ダクトの背面上部位置に設けられた複数の開口部
   と、該開口部と前記ユニット本体の上部の背面寄りの位
   置に設けた吹出口とを連通する縦ダクトとから成る床置
   形ファンコイルユニット。
2. 【請求項２】 前記縦ダクトは平面略扁平薄形に形成さ
   れ、前記送風機のファンケースの側面に連通して配置さ
   れることを特徴とする請求項１に記載の床置形ファンコ
   イルユニット。