JPH11199821A - 分散体、及びその利用 - Google Patents

分散体、及びその利用

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JPH11199821A
JPH11199821A JP713798A JP713798A JPH11199821A JP H11199821 A JPH11199821 A JP H11199821A JP 713798 A JP713798 A JP 713798A JP 713798 A JP713798 A JP 713798A JP H11199821 A JPH11199821 A JP H11199821A
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JP
Japan
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metal
monomer
acid
dispersion
polyolefin
Prior art date
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Pending
Application number
JP713798A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Yamada
尊士 山田
Masahiro Uchida
雅裕 内田
Susumu Otsuka
進 大塚
Chikashi Ishihara
爾 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、滑り性と補正剤等に対する接着性
という相反する二つの特性を満足し得る塗膜を形成し得
る塗料を提供すること、及び耐ブロッキング性と接着性
という相反する二つの特性を満足し得る接着剤を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 オレフィンと、グリシジル基とエチレン
性二重結合とを併せ持つモノマー(M1)とを必須成分
として共重合して成る共重合体粒子(J1)を有機溶剤
又は水性媒体に分散せしめてなることを特徴とする分散
体(D1)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂粒子を分散して成る分散体に関し、詳しくは係るポ
リオレフィン系樹脂粒子を含有する塗料又は接着剤に関
し、さらに詳しくは金属缶最外面塗膜を形成する熱硬化
性塗料、あるいはポリエステルフィルム被覆金属缶用の
積層に用いる接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料用金属缶の缶最外面塗膜を形成する
熱硬化性塗料には、塗装工程や製缶工程あるいは完成品
である缶を効率よく搬送するためにその表面に高度の滑
り性(摩擦係数で、0.1以下の程度)を付与すべく、
シリコーン化合物や様々なワックス類が含有されてい
る。この場合、缶最外面塗膜とはいいながら、係る缶最
外面塗膜上にさらにある種の塗料が塗布されることがあ
る。例えば、円筒状の側面部と底部と蓋部とからなるい
わゆる3ピース缶の場合、円筒状の缶側面部は、未塗装
の両端を有する長方形の塗装金属板を用い、係る金属板
の未塗装の部分を重ね合わせたり又は重ね合わせずに、
溶接又は接着剤を用いて円筒状に継ぎ合わせ加工してな
るものであるが、溶接部又は接着部は塗料が塗装されて
いないので円筒状に加工した後に係る部分に保護のため
に塗料(以下補正剤という)を塗布する必要がある。
【0003】また、印刷に不具合が生じた場合には、係
る印刷の不具合を修正すべく、シリコーン化合物や様々
なワックス類が含有されている前記塗膜上に修正インキ
用下塗り剤を塗布した後に係る下塗り剤の全面もしくは
一部に修正インキを再印刷する必要がある。
【0004】しかしながら、滑り性を確保すべくシリコ
ーン化合物や様々なワックス類が含有されている缶最外
面塗膜は、そのシリコーン化合物や様々なワックス類故
に接着阻害を生じ易く、係る接着阻害は上記の補正剤や
オーバーコート剤の改良をするだけでは、缶最外面塗膜
に対し十分な接着性を確保することは難しく、一方接着
性を確保すべく缶最外面塗膜に含有されるシリコーンや
ワックスを減らせば滑り性を損ない、缶搬送時のトラブ
ルを招く原因となる。缶最外面塗膜を形成する熱硬化性
塗料において、より優れた接着性とより優れた滑り性と
いう、2つの相反する要求の両方を満足することは極め
て困難であった。
【0005】また、近年、金属とプラスチックフィルム
とを接着剤により貼りあわせ積層体とし、係る積層体を
加工して飲料缶などの容器を得る方法が提案されてい
る。係る飲料缶は、コイル状(ロール状ともいう)に巻
かれたプラスチックフィルムの一方の面に情報伝達ある
いは美的外観(デザイン)を向上すべく印刷層が設けら
れ、係る印刷層上に接着剤(プライマーともいう)を塗
布し比較的低温で乾燥しフィルム積層体を得、得られた
フィルム積層体を再びコイル状に巻いておき、必要に応
じて巻きを解きフィルム積層体の接着剤層面を金属素材
に貼りあわせた後、所定の形にの裁断し、次いで缶の形
態に成形するという方法によって製造されている。
【0006】フィルム積層体をコイル状に巻いて保存す
る場合には、フィルム積層体の接着剤層が一巻き内側の
フィルム積層体の非接着剤層側(以下、背面という)に
接触するので、使用される接着剤層には、背面に対して
貼り付き難い性質(耐ブロッキング性)が要求される。
一方、このフィルム積層体は、次工程において金属に貼
り合わされる物であることは前記した次第であるが、係
る貼り合わせ工程では、より低温・低圧・短時間で強固
に接着することが要求され、しかも飲料缶としての最も
高温(130℃)でのレトルト処理を受けても接着力が
低下しないことが要求される。従来、これら2つの相反
する要求を一つの接着剤で満足すべく、接着剤に使用す
る樹脂のガラス転移点Tgを出来るだけ高くしたり、あ
るいは易剥離性のあるワックス成分や無機系粒子を少量
添加することによって、耐ブロッキング性と接着性との
両立を図る方法が提案されてきたが、両特性を十分に満
足させることは極めて困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、滑り性と補
正剤等に対する接着性という相反する二つの特性を満足
し得る塗膜を形成し得る塗料を提供すること、及び耐ブ
ロッキング性と接着性という相反する二つの特性を満足
し得る接着剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、オレフィンと、グリシジル基とエチレン性二重結合
とを併せ持つモノマー(M1)とを必須成分として共重
合して成る共重合体粒子(J1)を有機溶剤又は水性媒
体に分散せしめてなることを特徴とする分散体(D1)
である。
【0009】第2の発明は、オレフィンと、一塩基酸、
二塩基酸もしくは当該二塩基酸の酸無水物基のうち少な
くとも一種の基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノ
マー(M2)とを必須成分として共重合して成る共重合
体粒子(J2)を有機溶剤又は水性媒体に分散せしめて
なることを特徴とする分散体(D2)である。
【0010】第3の発明は、ポリオレフィンに、グリシ
ジル基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノマー(M
1)を必須成分とする少なくとも一種以上のモノマーを
グラフト反応せしめてなるポリオレフィン変性重合体粒
子(J3)を有機溶剤又は水性媒体に分散せしめてなる
ことを特徴とする分散体(D3)である。
【0011】第4の発明は、ポリオレフィンに、一塩基
酸、二塩基酸もしくは当該二塩基酸の酸無水物基のうち
少なくとも一種の基とエチレン性二重結合とを併せ持つ
モノマー(M2)を必須成分とする少なくとも一種以上
のモノマーをグラフト反応せしめてなるポリオレフィン
変性重合体粒子(J4)を有機溶剤又は水性媒体に分散
せしめてなることを特徴とする分散体(D4)である。
【0012】第5の発明は、第2の発明に記載の共重合
体粒子(J2)の中の一塩基酸、二塩基酸もしくは当該
二塩基酸の酸無水物基のうち少なくとも一部を金属化合
物または塩基で、架橋または中和せしめてなる共重合体
粒子(J5)を有機溶剤又は水性媒体に分散せしめてな
ることを特徴とする分散体(D5)である。
【0013】第6の発明は、第4発明に記載のポリオレ
フィン変性共重合体粒子(J4)の中の一塩基酸、二塩
基酸もしくは当該二塩基酸の酸無水物基のうち少なくと
も一部を金属化合物または塩基で、架橋または中和せし
めてなるポリオレフィン変性重合体粒子(J6)を有機
溶剤又は水性媒体に分散せしめてなることを特徴とする
分散体(D6)である。
【0014】第7の発明は、第1の発明ないし第6の発
明いずれか記載の分散体(D1)〜(D6)を含有する
ことを特徴とする熱硬化性塗料である。
【0015】第8の発明は、第7の発明記載の熱硬化性
塗料を金属上または当該金属上に形成された被覆層上に
塗装し、熱硬化せしめてなることを特徴とする被覆金属
(1)である。
【0016】第9の発明は、第7の発明記載の被覆金属
(1)の被覆面の少なくとも一部にさらにオーバーコー
ト剤または補正剤を塗布してなることを特徴とする被覆
金属(2)である。
【0017】第10の発明は、第1ないし第6の発明い
ずれか記載の分散体(D1)〜(D6)を含有すること
を特徴とする接着剤である。
【0018】第11の発明は、第10の発明記載の接着
剤を用いて、金属とプラスチックフィルム、または金属
とプラスチックフィルム上に形成された印刷層とを接着
せしめる方法である。
【0019】第12の発明は、第10の発明記載の接着
剤を、プラスチックフィルム上、またはプラスチック形
成された印刷層上に塗装し、乾燥せしめてなることを特
徴とするフィルム積層体である。
【0020】第13の発明は、第12の発明記載のフィ
ルム積層体と金属とを貼りあわせてなることを特徴とす
る金属−フィルム積層体である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、共重合体粒子(J1、
J2、J5)またはポリオレフィン変性重合体粒子(J
3、J4、J6)(以下、両者を合わせて重合体粒子と
いう)のうちの少なくとも1種を塗料や接着剤中に含有
せしめることによって、滑り性と補正剤等に対する接着
性という相反する二つの特性を満足し得る塗膜を形成し
得る塗料、及び耐ブロッキング性と接着性という相反す
る二つの特性を満足し得る接着剤を得ることができるよ
うになったものである。即ち、その詳細な機構は未だ不
明ではあるが、塗料や接着剤に重合体粒子を含有せし
めることによって、塗膜や接着剤層の表面に重合体粒子
(J1〜J6)に由来する凹凸が生じ、係る凹凸がいわ
ゆる「コロ」としての機能を発揮し、塗膜上に補正剤
等を塗布した後硬化する際の熱や、フィルム積層体を金
属とを貼りあわせて金属−フィルム積層体とする際の熱
によって、重合体(J1〜J6)が軟化し、塗膜−補正
剤等の界面近傍、又は金属−接着剤層界面近傍を強固に
接着し得るようになったものと考えられる。
【0022】以下、本発明の共重合粒子(J1)ついて
説明する。本発明の共重合粒子(J1)は、オレフィン
と、グリシジル基とエチレン性二重結合とを併せ持つモ
ノマー(M1)とを必須成分として共重合して成るもの
であり、本発明において用いられるオレフィンとしては
エチレン、プロピレン等が挙げられ、係るオレフィンと
共重合する必須成分であるグリシジル基とエチレン性二
重結合とを併せ持つモノマー(M1)としては、グリ
シジル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAもし
くはビスフェノールFタイプのエポキシ樹脂の片方の末
端をアクリル酸もしくはメタクリル酸などのカルボキシ
ル基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノマー、ある
いは酸無水物基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノ
マーとを反応せしめ(エステル化)、エチレン性二重結
合を片末端に持つ重合性オリゴマー、ノボラック型の
エポキシ樹脂の片末端もしくは側鎖のグリシジル基をア
クリル酸もしくはメタクリル酸などのカルボキシル基と
エチレン性二重結合とを併せ持つモノマー、あるいは酸
無水物基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノマーと
を反応せしめ(エステル化)、エチレン性二重結合を片
末端もしくは側鎖に持つ重合性オリゴマー、アリルグ
リシジルエーテル、脂環式グリシジル基とエチレン性
二重結合とを併せ持つ重合性モノマーなどが挙げられ、
グリシジルメタクリレートが好適に使用される。尚、グ
リシジル基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノマー
(M1)としては、グリシジル基を1個以上とエチレン
性二重結合とを併せ持つ化合物であれば上記以外のもの
も適宜使用することができる。
【0023】共重合に上記2成分の他に種々のモノマー
(M3)を使用することができ、係るモノマー(M3)
成分としては、芳香族ビニル単量体であるスチレン、α
−メチルスチレン等や、アルキル(メタ)アクリレート
であるメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ス
テアリルアクリレート、及び相当するメタクリレート
や、脂環式化合物であるシクロヘキシルアクリレート
や、ビニルエステル単量体である酢酸ビニル、その他の
カルボン酸ビニルや、ビニルアルキルエーテル類や、ア
ルキルアミノエチルアクリレート類等があり、水酸基を
有するエチレン性不飽和単量体としてはヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートであるヒドロキシエチルアク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキ
シアミルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート
及び相当するメタクリレートなどがあり、その他の官能
基を有するエチレン性不飽和単量体としてはアクリルア
マイドもしくはそのN−メチロール化物であるN−メチ
ロールアクリルアマイド、および前記N−メチロール化
物をアルキルエーテル化してなる化合物であるN−メト
キシメチルアクリルアマイド、N−エトキシメチルアク
リルアマイド、N−プロポキシメチルアクリルアマイ
ド、N−ブトキシメチルアクリルアマイド、及び相当す
るメタアクリルアマイド、さらにその誘導体が挙げられ
る。しかし、これらに限定されるものではなくエチレン
性二重結合を1個以上含むモノマーであれば適宜使用で
きる。なお、必要に応じこれらを併用することもでき
る。さらに好ましくは、共重合性や得られる共重合粒子
(J1)を塗料や接着剤に含有せしめた場合の塗膜や接
着剤層としての硬度調整の容易さ等を考慮すると、芳香
族系のスチレン、アルキル(メタ)アクリレートを使用
することが好ましい。
【0024】上記オレフィンとモノマー(M1)等とを
共重合して得られる共重合体としては、モノマー(M
1、M3)を2〜40重量%、融点20〜170℃、J
ISK6760で求めるメルトフローレート(190
℃)1〜100g/10分のものが好ましく、さらに融
点75℃〜110℃、メルトフローレート(190℃)
2〜25g/10分のものが好ましい。又、共重合の方
法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊重合等
種々の方法が挙げられる。
【0025】共重合粒子(J1)を含有する本発明の分
散体は種々の方法で得ることができる。例えば、オレフ
ィンとモノマー(M1)との共重合体を得、係る共重合
体を粉砕した後、有機溶剤や水性媒体に分散せしめた
り、共重合体を有機溶剤や水性媒体中で粉砕したり、共
重合体をあらかじめ溶融又は溶剤中に溶解しておき、係
る溶融物又は溶液を細いノズルを通して、共重合体を溶
解しないような分散媒に注入分散する等種々の方法で得
ることができる。
【0026】共重合粒子(J1)は、1〜20μである
ことが好ましく、さらに5〜15μであることが好まし
い。1μより小さいと塗料や接着剤に含有せしめても塗
膜表面や接着剤層表面に「コロ」の機能を担う凹凸を形
成し難いので、滑り性や耐ブロッキング性の向上に対す
る寄与が小さく、一方、20μより大きいと塗膜や接着
剤層表面に生ずる凹凸が大きくなりすぎ、最終製品の表
面がマット状となり光沢を損ない易くなるので好ましく
ない。本発明の分散体(D1)に用いられる分散媒のう
ち有機溶剤としては、ブチルセロソルブ、イソプロピル
セロソルブ、イソブチルセロソルブ等のセロソルブ類、
ブチルカルビトール等のカルビトール類、プロピレング
リコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコール
ジアルキルエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、アルキルアルコール類、ケトン類等が挙げら
れ、水性媒体としては、水、及び水に自由混合若しくは
一部溶解可能な有機溶剤としてセロソルブ類、カルビト
ール類、ケトン類、アルキルアルコール類等が挙げられ
る。
【0027】次に第2の発明に係る、オレフィンと、一
塩基酸、二塩基酸もしくは当該二塩基酸の酸無水物基の
うち少なくとも一種の基とエチレン性二重結合とを併せ
持つモノマー(M2)とを必須成分として共重合して成
る共重合体粒子(J2)を分散せしめてなる分散体(D
2)について説明する。共重合体粒子(J2)に使用さ
れるオレフィンとしては、前記共重合体粒子(J(J
1)の場合に例示したものと同様のものが使用できる。
【0028】一塩基酸、二塩基酸もしくは当該二塩基酸
の酸無水物基のうち少なくとも一種の基とエチレン性二
重結合とを併せ持つモノマー(M2)としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、テトラ
ヒドロフタル酸などの化合物及びそれらの酸無水物など
がある。しかしこれらに限定されるものではなく、カル
ボン酸もしくは酸無水物基を1個以上とエチレン性二重
結合とを併せ持つ化合物であれば使用できる。これらは
必要に応じ併用することもできる。さらに好ましくは、
アクリル酸、無水マレイン酸が使用される場合が多い。
【0029】共重合に供されるその他のモノマー(M
3)、共重合の方法、及び分散体の製造方法等は、上記
共重合粒子(J1)の場合に例示したモノマー(M
3)、共重合の方法、分散体の製造方法と同様にものが
例示でき、また共重合体の融点・メルトフローレート、
共重合粒子(J2)の粒子径等も共重合粒子(J1)の
場合と同様の範囲のものが好ましい。
【0030】次に第3の発明に係る、ポリオレフィン
に、グリシジル基とエチレン性二重結合とを併せ持つモ
ノマー(M1)を必須成分とする少なくとも一種以上の
モノマーをグラフト反応せしめてなるポリオレフィン変
性重合体粒子(J3)を分散せしめて成る分散体(D
3)について説明する。ポリオレフィンとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、あるいはその共重合体、及
びこれら重合体又は共重合体を酸化させることにより−
COOHや>C=Oを生成せしめた、いわゆる酸化ポリ
オレフィン等が挙げられる。グラフト反応に供されるグ
リシジル基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノマー
(M1)、その他のモノマー(M3)としては、上記共
重合粒子(J1)の場合に例示したモノマー(M1)、
(M3)と同様のものが例示できる。ポリオレフィン変
性重合体は、常法に従いポリオレフィンの存在下にモノ
マー(M1)、及び必要に応じて(M3)を過酸化物等
を用いて共重合することによって得ることができる。上
記共重合粒子(J1)の場合における共重合体の代わり
に得られたポリオレフィン変性重合体を用い、上記(J
1)の場合と同様にして分散体(D3)を得ることがで
きる。ポリオレフィン変性重合体の融点・メルトフロー
レートとしては(J1)の場合の共重合体と同様の範囲
のものが好ましく、ポリオレフィン変性重合粒子(J
3)の粒子径等も被覆粒子(H1)の場合と同様の範囲
のものが好ましい。
【0031】次に、第4の発明に係る、ポリオレフィン
に、一塩基酸、二塩基酸もしくは当該二塩基酸の酸無水
物基のうち少なくとも一種の基とエチレン性二重結合と
を併せ持つモノマー(M2)を必須成分とする少なくと
も一種以上のモノマーをグラフト反応せしめてなるポリ
オレフィン変性重合体粒子(J4)を分散せしめてなる
分散体(D4)について説明する。ポリオレフィン変性
重合体粒子(J4)は、上記(J3)の場合におけるグ
リシジル基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノマー
(M1)の代わりに、被覆粒子(H2)を得る際に用い
る一塩基酸、二塩基酸もしくは当該二塩基酸の酸無水物
基のうち少なくとも一種の基とエチレン性二重結合とを
併せ持つモノマー(M2)をポリオレフィンにグラフト
せしめてなるポリオレフィン変性重合体を使用する以外
は、(J3)の場合と同様にして得ることができる。ポ
リオレフィン変性重合体の融点・メルトフローレートと
しては(J3)の場合の共重合体と同様の範囲のものが
好ましく、ポリオレフィン変性重合粒子(J4)の粒子
径等も(J1)の場合と同様の範囲のものが好ましい。
【0032】次に第5の発明、及び第6の発明の係る共
重合粒子(J5)、ポリオレフィン変性重合粒子(J
6)を分散せしめて成る分散体(D5)(D6)につい
て説明する。(H5)、(H6)は、共重合体粒子(J
2)又はポリオレフィン変性共重合体粒子(J4)の中
の一塩基酸、二塩基酸もしくは当該二塩基酸の酸無水物
基のうち少なくとも一部を金属化合物または塩基で、架
橋または中和せしめてなるなるものである。架橋または
中和に供される金属化合物または塩基としては、ナトリ
ウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属の水酸
化物や塩化物、ジメチルアミノエタノール等のアルカノ
ールアミン、アンモニア、トリエチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、モルホリン等の一級、二級、三級のア
ミン化合物等が挙げられ、ポリオレフィン変性重合体の
融点・メルトフローレートとしては(J1)の場合の共
重合体と同様の範囲のものが好ましく、(D5)、(D
6)の粒子径等も(D1)の場合と同様の範囲のものが
好ましい。
【0033】上記の分散体(D1〜D6)を含有せしめ
て成る第7の発明に係る熱硬化性塗料を得る際に使用さ
れる樹脂成分としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フェノ
ール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、グアナミン樹
脂、尿素樹脂)、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、あるいはこれらの樹脂を変性してなる変性樹脂等が
挙げられ、第7の発明に係る接着剤を得る際に使用され
る樹脂成分としては、上記樹脂の他ポリオレフィン樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、天然ゴ
ム系樹脂、シアノアクリレート樹脂、セルロース系、ク
ロロプレンゴム系樹脂、二トリルゴム系樹脂等を挙げる
ことができる。又、その他に架橋成分としてイソシアネ
ート化合物、シランカップリング剤、ジシアンジアミ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、カルボジイミド類、ア
ジリジン類、ヒドラジン類、オキシム類、トリアジン類
等から、必要に応じ使用してもよい。
【0034】これらのうちからどれを使用するかについ
ては、熱硬化性塗料や接着剤の用途、又はその基材や被
着体に応じて適宜選択すればよい。例えば、飲料や食品
を収容する缶の最外面に使用される熱硬化性塗料の場合
には、焼き付け条件、表面硬度、加工性、レトルト処理
耐性、未硬化のインキ層に対する濡れ性、コストなどを
考えて、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、アミノ樹脂、尿素樹脂、あるいはこれらの変性樹脂
が好適に使用できる。また、接着剤を用いてポリエチレ
ンテレフタレート系のプラスチックフィルムとスチール
ないしはアルミニウムとを積層する場合には、係る接着
剤にはポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、
ポリウレタン樹脂が好適に使用できる。
【0035】さらに第7の発明に係る接着剤又は熱硬化
性塗料には、上記の樹脂の他に、必要に応じ着色のため
の染料、顔料、及び硬化触媒、各種添加剤類、例えば、
フィラー類、レベリング剤、消泡剤、濡れ剤、難燃剤、
増粘剤、滑性付与剤、帯電防止剤、その他有機溶剤ない
し水を塗装媒体として含有せしめることができる。
【0036】第7の発明に係る熱硬化性塗料又は第10
の発明に係る接着剤は、金属、木材、ガラス、プラスチ
ック等種々の基材に使用できるが、接着剤を塗布する基
材としてはポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ルフィルム、ポリオレフィンフィルム等のプラスチック
フィルムが挙げられ、熱硬化性塗料を塗装する基材とし
ては金属、プラスチックフィルム被覆金属、下塗り塗装
された金属等が挙げられる。
【0037】金属としては、鉄、アルミニウム等が好適
に使用され、プラスチックフィルム被覆金属用のプラス
チックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリ
オレフィンフィルム等が挙げられ、好ましくはポリエス
テルフィルムが使用される。また、下塗り塗装に供され
る下塗り塗装剤としては、エポキシ系のクリア塗料、顔
料を含有するエポキシ系又はアクリル系の塗料等が挙げ
られ、装飾用インキとしては、ウレタン系、アクリル
系、ポリエステル系など基材に応じ様々の樹脂が使用さ
れている。
【0038】第7の発明に係る熱硬化性塗料又は第10
の発明に係る接着剤は、プラスチックフィルム、板状な
いし缶状の金属、プラスチックフィルム被覆金属、下塗
り塗装された金属に適用(塗装・硬化)されることが好
ましい。板状とは、比較的短いシート状のものであって
も、比較的長尺であってロール状に巻き取ったものであ
っても、平たい板状のものであれば良い。また、缶状と
は、底、蓋の有無を問わず、また2ピース、3ピースを
問わず、円形、方形を問わず筒状の側面を有する形状を
言う。
【0039】第7の発明に係る熱硬化性塗料又は第10
の発明に係る接着剤は、グラビアコーター、ロールコー
ター、リップコーター、ナイフコーター、カーテンコー
ター、リバースコーター等によって塗装される。また、
焼き付け(硬化・架橋)条件としては、接着剤の場合は
110〜230℃で数秒から5分程度が好ましく、熱硬
化性塗料の場合は150〜250℃で数秒から20分程
度が好ましい。膜厚は、接着剤の場合は0.5〜5μm
が好ましく、熱硬化性塗料の場合は5〜15μmが好ま
しい。
【0040】第9の発明に係る被覆金属(2)は、第7
の発明に係る熱硬化性塗料を金属上または当該金属上に
形成された被覆層上に塗装し、熱硬化せしめてなる被覆
金属(1)の被覆面の少なくとも一部にさらに補修イン
キ用下塗り剤または補正剤を塗布してなるものである。
【0041】修正インキ用下塗り剤とは、印刷インキを
印刷し、その印刷面上にいわゆるウエット・オン・ウエ
ット方式で上記の熱硬化性塗料を塗装し、熱硬化した後
に印刷層に不具合が生じていることが発見された場合
に、印刷の不具合を修正すべく、修正インキを再印刷す
る際に前記硬化塗膜上に塗布される下塗り剤であって、
無色透明のものや有色のもの、例えばシルバー色のもの
が挙げられる。
【0042】補正剤とは、円筒状の側面部と底部と蓋部
とからなるいわゆる3ピース缶の円筒状の缶側面部の金
属板の継ぎ合わせ部分(溶接法やナイロン等の接着剤を
用いる方法で継ぎ合わせた部分)を保護するために塗布
する塗料である。
【0043】また、第11の発明は、上記第10の発明
に係る接着剤を用いて、金属とプラスチックフィルム、
または金属とプラスチックフィルム上に形成された印刷
層とを接着せしめる方法であり、第10の発明に係る接
着剤をプラスチックフィルム上または当該プラスチック
フィルム上に形成された印刷層上に塗装し、乾燥せしめ
てフィルム積層体を得、係るフィルム積層体の接着剤層
面と金属とを接触せしめ、熱及び圧力を加えることによ
って、フィルム積層体と金属とを貼りあわせてもよい
し、第10の発明に係る接着剤を金属の方に塗装し、乾
燥せしめて金属積層体を得、係る金属積層体の接着剤層
面とプラスチックフィルム又はプラスチックフィルム上
に形成された印刷層とを接触せしめ、熱及び圧力を加え
ることによって、フィルム積層体と金属とを貼りあわせ
てもよい。フィルム積層体と金属とを貼り合わせる際に
は120〜240℃、1〜10Kg/cm2 、10秒〜
5分程度、加熱及び加圧せしめればよい。第12の発
明は、上記フィルム積層体であり、第13の発明は、第
12の発明のフィルム積層体と金属とを貼り合わせたも
のであり、第11の方法によって得られる金属−フィル
ム積層体である。
【0044】
【実施例】以下被覆粒子の製造方法を製造例として示
し、それらの被覆粒子を含有する接着剤の製造方法を実
施例A、比較例Aとして示し、それらの被覆粒子を含有
する熱硬化性塗料の製造方法を実施例B、比較例Bとし
て示し、その特性および係る接着剤ないしは熱硬化性塗
料の性能を、実施例A、Bとそれぞれ比較例A、Bに従
って表に示して比較評価する。なお、以下の例におい
て、特に断らない限り、「部」は、重量部を意味する。
【0045】製造例1(共重合体粒子JS、及びJ
Wの分散体の製造例) ディスパー型攪拌装置、温度計、窒素導入管、分留装
置、冷却管、ノズルを備えた加圧注入装置および該加圧
注入装置に導入すべき被分散成分を溶解するための加熱
加圧撹拌容器を備えた反応器に、表1−1、1−2に示
す分散媒を入れ冷媒により30℃以下に冷却しておく。
一方、加熱加圧撹拌容器に、エチレン/グリシジルメタ
クリレート/酢酸ビニル=83/12/5の共重合体
(ボンドファースト7B:住友化学(株)製、メルトフ
ローレート:7g/10分(190℃):JIS K6
760)100g、表1−1、1−2に示す溶解媒を入
れ115℃まで加温し溶解する。得られる溶融・溶解液
をノズル細孔から前記分散媒に2時間かけて徐々に注入
し、共重合体をカルナウバワックスで被覆してなる粗粒
子の分散体を得る。加温溶解したものを撹拌を続けなが
らノズルを介して、反応器中で冷却しながら撹拌された
溶剤に2時間かけて徐々に注入する。得られた粗分散物
をガラスビーズを充填したサンドミルを通して、最大粒
径20μ、平均粒径10μの共重合体粒子JS、及び
JWの分散体(固形分5%)を得た。
【0046】製造例2(共重合体粒子JS、及びJ
Wの分散体の製造例) 製造例1と同様の装置を使い、反応器に表1−1、1−
2に示す分散媒を入れる。同様に、加熱加圧撹拌容器に
は、エチレン/アクリル酸エステル及び無水マレイン酸
= 85/15の共重合体(ボンダインTX8030
(住化アトケム(有)製、メルトフローレート:3g/
10分(190℃):JIS K6760)100g、
及び表1−1、1−2に示す溶解媒を入れ120℃まで
加温し溶解する。製造例1と同様にして溶融・溶解液を
分散媒に注入し分散する。得られた粗分散物を、同様に
分散し、最大粒径20μ、平均粒径10μの共重合体粒
子JS、及びJWの分散体(固形分5%)を得た。
【0047】製造例3(M1、M2を含まない比較共重
合体JS、及びJWの分散体の製造例) 製造例1と同様の装置を使い、反応器に表1−1、1−
2に示す分散媒を入れる。同様に、加熱加圧撹拌容器に
は、分岐型低密度ポリエチレン:ミラソン11P(三井
石油化学(株)製、メルトフローレート:7.2g/1
0分(190℃):ASTM D1238)100g、
及び表1−1、1−2に示す溶解媒を入れ115℃まで
加温し溶解する。製造例1と同様にして溶融・溶解液を
分散媒に注入し分散する。得られた粗分散物を、同様に
分散し、最大粒径20μ、平均粒径10μのM1、M2
を含まない比較共重合体粒子JS、及びJWの分散
体(固形分5%)を得た。表1に、以上製造例1〜3で
得た分散体についてまとめる。
【0048】実施例A1〜4、比較例A1〜4 表2に示したような組成(固形分比)で、製造例で得た
各分散体を接着剤に添加混合し、試験用の接着剤を調製
した。接着剤は、固形分25%の有機溶剤溶液であっ
て、樹脂組成は、ポリエステル樹脂/変性エポキシ樹脂
/メラミン樹脂=55/25/20とし、溶剤組成は、
メチルエチルケトン/トルエン/プロピレングリコール
モノメチル=エーテル=50/40/10に調製し、触
媒としてジノニルナフタレンジスルホン酸を2phr添
加して、実施例A1〜4、比較例A1〜4の各接着剤
(S1〜S4)を得た。
【0049】得られた接着剤を、ポリエチレンテレフタ
レート基材にインキ装飾を施した貼着用フィルムに、バ
ーコーター#5で塗布し120℃−30秒乾燥し1μ厚
の塗膜を形成させたフィルム積層体(F1〜F4)を得
た。その後これを、貼着温度185℃、貼着速度1m/
min.、貼着圧力5kg/c に設定したラミネータ
ーを通して0.22mm厚のスチール板もしくはアルミ
板に貼着し、これをさらに215℃−2.5分焼き付け
て、金属ーフィルム積層体(KF1〜KF8)を得た。
これら、F1〜F4、KF1〜KF8に対して、下記に
示す試験をした。評価結果を表2に示す。
【0050】フィルム積層体(F1〜F4)の耐ブロッ
キング性 4cm×10cmの大きさに裁断したフィルム積層体を
2枚用意し、1枚のフィルム積層体の接着剤層面が他の
1枚のフィルム積層体の非接着剤層面に接触するように
重ね合わせた後、重ね合わせたフィルム積層体を15c
m×15cmの当て板で挟み、熱プレス上に30分静置
し温度が一定になるまで待つ。その後、温度40℃、圧
力1Kg/cm2 の条件で3時間圧着状態を維持する。
こうして得られたブロッキングしたサンプル片を精密ロ
ードセル装着の試験機にて剥離した時の引っ張り抵抗値
を測定した。
【0051】金属−フィルム積層体(KF1〜KF8)
の加工密着性 金属−フィルム積層体を、室温下でJTトーシ製絞り試
験プレス機にて10mmキャップ加工を行った後、以下
の3種類の評価を行った。 未処理加工密着性:上記加工後のフィルムの剥離あるい
はフィルムの収縮によるズレなどについて目視評価す
る。 耐熱加工密着性 :上記加工後、オーブンにて130℃
×5分の加熱処理を2回繰り返した後、フィルムの剥離
あるいはフィルムの収縮によるズレなどについて目視評
価する。 耐水加工密着性 :上記加工後、レトルト処理(130
℃×30分)した後、フィルムの剥離、あるいはフィル
ムの結晶性あるいは内部応力に起因する収縮よるズレな
どについて目視評価する。
【0052】実施例B1〜2、比較例B1〜2 表3に示したような組成(固形分比)で、製造例で得た
各分散体を熱硬化性塗料に添加混合し、試験用の熱硬化
性塗料を調製した。熱硬化性塗料は、水性塗料タイプの
ものを使い、樹脂組成は、アクリル樹脂/ポリエステル
樹脂/変性エポキシ樹脂/メラミン樹脂=35/20/
5/40とし、有機溶剤は、ブチルセロソルブを塗料中
に20%とし、かつ、ジメチルエタノールアミンにてp
Hが8.9、さらに固形分35%になるようにイオン交
換水にて調整した。さらに、触媒として、ジノニルナフ
タレンジスルホン酸のアミン中和塩を、0.4phr、
塗装助剤及び滑り剤としてシリコーン化合物KP−10
1(信越化学製)を0.5phr、滑り剤としてカルナ
ウバワックスの分散物をカルナウバ分として0.2ph
rを入れ、実施例B1〜2、比較例B1〜2の熱硬化性
塗料(N1〜N4)を調製した。
【0053】0.22mm厚のLTS鋼板(ローティン
スチール)にアクリルエポキシ系ホワイトコーティング
塗料(東洋インキ(株)製:W54−TA)を塗装し1
90℃−10分焼き付けし、約10μの塗膜とし、係る
塗膜の上に金属用オフセットインキのインキ層を設けた
後、上記熱硬化性塗料をロールコーターにて塗装し、1
85℃−8分の条件で焼き付けて、約7μの塗膜を形成
した被覆金属(HK1〜HK4)を得た。これら、HK
1〜HK4に対して、下記に示す試験をした。評価結果
を表3に示す。
【0054】熱硬化性塗料を塗装した被覆金属(HK1
〜HK4)、補正剤、補修インキ用下塗り剤に対する評
価方法を以下に示す。 被覆金属(HK1〜HK4)の表面状態:製造直後と4
0℃−1ヶ月の経時変化後の両方を目視評価する。
【0055】被覆金属(HK1〜HK4)の動摩擦係
数:被覆金属の動摩擦係数を、以下の条件にて測定す
る。ステンレススチール球3点支持、引っ張り速度1.
5m/min.、垂直荷重1Kg。 評価:動摩擦係数にて評価 ○:0.08未満。 △:0.08以上〜0.12未満。 ×:0.12以上。
【0056】被覆金属(HK1〜HK4)上での補正剤
のレトルト前後の密着性:被覆金属上に、補正剤をバー
コーター#12にて塗布しオーブンにて200℃−3分
焼き付けした後、レトルト前後でのクロスカット後セロ
ハンテープ剥離試験をする。 評価:セロハンテープ剥離面積%で評価 (良好)0%←→100%(劣る)
【0057】被覆金属(HK1〜HK12)上での補修
インキ用下塗り剤のレトルト前後の密着性:被覆金属上
に、補修インキ用下塗り剤をインキ展色機にて所定膜厚
に塗布しオーブンにて150℃−10分焼き付けした
後、レトルト前後でのクロスカット後セロテープ剥離試
験をする。 評価:セロハンテープ剥離面積%で評価 (良好)0%←→100%(劣る)
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】本発明に係る共重合体樹脂粒子を含有す
る分散体を金属−プラスチックフィルム積層体用の接着
剤に含有せしめることにより、重要性能である耐ブロッ
キング性と接着性を高度に両立させることが可能にな
り、金属缶用の最外面塗料に含有せしめることにより、
係る塗料を硬化せしめて成る塗膜と補正剤や補修インキ
用下塗り剤との密着性及び係る密着性とは両立させるこ
とが困難な高度の滑り性とを共に満足することが可能と
なったものである。またこの分散体は、有機溶剤タイプ
と水性タイプの両方に利用できるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明の被覆金属(1)の断面図。
【図2】:本発明の被覆金属(1)の断面図。
【図3】:本発明のフィルム積層体の断面図。
【図4】:本発明の金属−フィルム積層体の断面図。
【符号の説明】
1:本発明の被覆金属(1) 2:本発明の被覆金属(1) 3:本発明のフィルム積層体 4:本発明の金属−フィルム積層体 (a):本発明の熱硬化性塗料を用いて形成してなる塗
膜 (b):インキ層 (c):金属 (d):下塗り塗料層(被覆層) (e):プラスチックフィルム (f):接着剤層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 151/06 C09D 151/06 163/00 163/00 C09J 123/02 C09J 123/02 133/14 133/14 151/06 151/06 163/00 163/00 // C08L 23:00 (72)発明者 石原 爾 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンと、グリシジル基とエチレン
    性二重結合とを併せ持つモノマー(M1)とを必須成分
    として共重合して成る共重合体粒子(J1)を有機溶剤
    又は水性媒体に分散せしめてなることを特徴とする分散
    体(D1)。
  2. 【請求項2】 オレフィンと、一塩基酸、二塩基酸もし
    くは当該二塩基酸の酸無水物基のうち少なくとも一種の
    基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノマー(M2)
    とを必須成分として共重合して成る共重合体粒子(J
    2)を有機溶剤又は水性媒体に分散せしめてなることを
    特徴とする分散体(D2)。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンに、グリシジル基とエチ
    レン性二重結合とを併せ持つモノマー(M1)を必須成
    分とする少なくとも一種以上のモノマーをグラフト反応
    せしめてなるポリオレフィン変性重合体粒子(J3)を
    有機溶剤又は水性媒体に分散せしめてなることを特徴と
    する分散体(D3)。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンに、一塩基酸、二塩基酸
    もしくは当該二塩基酸の酸無水物基のうち少なくとも一
    種の基とエチレン性二重結合とを併せ持つモノマー(M
    2)を必須成分とする少なくとも一種以上のモノマーを
    グラフト反応せしめてなるポリオレフィン変性重合体粒
    子(J4)を有機溶剤又は水性媒体に分散せしめてなる
    ことを特徴とする分散体(D4)。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の共重合体粒子(J2)の
    中の一塩基酸、二塩基酸もしくは当該二塩基酸の酸無水
    物基のうち少なくとも一部を金属化合物または塩基で、
    架橋または中和せしめてなる共重合体粒子(J5)を有
    機溶剤又は水性媒体に分散せしめてなることを特徴とす
    る分散体(D5)。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のポリオレフィン変性共重
    合体粒子(J4)の中の一塩基酸、二塩基酸もしくは当
    該二塩基酸の酸無水物基のうち少なくとも一部を金属化
    合物または塩基で、架橋または中和せしめてなるポリオ
    レフィン変性重合体粒子(J6)を有機溶剤又は水性媒
    体に分散せしめてなることを特徴とする分散体(D
    6)。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか記載の分散体
    (D1)〜(D6)を含有することを特徴とする熱硬化
    性塗料。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の熱硬化性塗料を金属上ま
    たは当該金属上に形成された被覆層上に塗装し、熱硬化
    せしめてなることを特徴とする被覆金属(1)。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の被覆金属(1)の被覆面
    の少なくとも一部にさらに修正インキ用下塗り剤または
    補正剤を塗布してなることを特徴とする被覆金属
    (2)。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし6いずれか記載の分散
    体(D1)〜(D6)を含有することを特徴とする接着
    剤。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の接着剤を用いて、金
    属とプラスチックフィルムム、または金属とプラスチッ
    クフィルム上に形成された印刷層とを接着せしめる方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の接着剤を、プラスチ
    ックフィルム上、またはプラスチックフィルム上に形成
    された印刷層上に塗装し、乾燥せしめてなることを特徴
    とするフィルム積層体。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のフィルム積層体と金
    属とを貼りあわせてなることを特徴とする金属−フィル
    ム積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003013031A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Nitto Denko Corp 熱反応性接着剤組成物および熱反応性接着フィルム
JP2010163579A (ja) * 2009-01-19 2010-07-29 Mitsui Chemicals Inc 接着剤組成物

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