JP4792201B2 - 粘着シート - Google Patents

粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP4792201B2
JP4792201B2 JP2004007163A JP2004007163A JP4792201B2 JP 4792201 B2 JP4792201 B2 JP 4792201B2 JP 2004007163 A JP2004007163 A JP 2004007163A JP 2004007163 A JP2004007163 A JP 2004007163A JP 4792201 B2 JP4792201 B2 JP 4792201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
monomer
copolymer
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004007163A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005200513A (ja
Inventor
久幸 高山
揮一郎 加藤
由美子 松林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2004007163A priority Critical patent/JP4792201B2/ja
Publication of JP2005200513A publication Critical patent/JP2005200513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4792201B2 publication Critical patent/JP4792201B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、粘着シートに関する。本発明による粘着シートは、特には、耐酸性雨塗膜を表面に有する被着体(例えば、自動車用の耐酸性雨上塗り塗膜)に対して優れた接着力を有する。
自動車の車体表面には、トップコートクリアーや上塗りソリッドなどの上塗り塗料を塗布して、車体を保護し、外観を維持している。この自動車用上塗り塗料は、1980年代において耐候性が最重要課題とされていたため、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、あるいはアルキッド樹脂をメラミン樹脂架橋剤によって焼付けて硬化させる方式が主に利用され、高品質の塗装が提供されていた。
しかしながら、1980年代後半から1990年代に入ると、酸性雨の出現により、メラミン樹脂硬化系塗膜にはシミやエッチングの被害が顕著に現れるようになり、その原因がメラミン樹脂の加水分解と考えられることから、自動車用上塗り塗料としては、加水分解を受けない架橋構造を有する塗膜を形成する塗料の研究が精力的に開始された。その結果、次々に新しい塗料が開発され、例えば、酸無水物ハーフエステル/水酸基/エポキシ樹脂系塗料(マックフロー:日本ペイント)や、エポキシ/シラノール基/水酸基系塗料(ESCA:関西ペイント)が実用化されている(非特許文献1)。
一方、自動車の車体表面には、従来から種々の粘着テープが貼着されている。例えば、ドアサッシュ用テープ、塗料テープ、マーキングテープ、エンブレム用粘着テープ、又はストライプテープなどの外装テープ、あるいは耐チッピングウレタンフィルムなどの車体や塗膜の保護テープである。
こうした粘着テープは、トップコートクリアーや上塗りソリッドなどの自動車用上塗り塗膜の上に粘着剤層を付着させて貼着され、粘着剤としては、1980年代から(メタ)アクリルエステル系粘着剤が使用されてきた。ところが、自動車用上塗り塗料として耐酸性雨塗料を用いて形成された耐酸性雨塗膜に対して従来の粘着テープを貼着すると、接着力が不充分なためボデーの曲面から浮き剥がれてしまう接着不良が観察されるようになった。これは、従来の粘着テープに使用されていた粘着剤では、耐酸性雨塗膜に対して充分な粘着力を示すことができないためである。
このような耐酸性雨塗膜に対して充分な接着力を示す粘着剤の提案は、従来は、ほとんど行われていない。わずかに、1993年の優先権主張日を有する特開2000−96012号公報(特許文献1)に、(メタ)アクリレートエステル〔例えば、n−ブチルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレート〕と、塩基性共重合性モノマー〔例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド〕と、場合により酸性モノマー〔例えば、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸〕と、架橋剤とから形成される共重合体を粘着剤として含むフォームテープが紹介されていた程度である。
従って、耐酸性雨塗膜に対して充分な接着力を示す種々の粘着剤の開発が、従来から望まれていた。
機能性塗料の新展開(編集:株式会社東レリサーチセンター調査研究部門,発行:株式会社東レリサーチセンター)第27−39頁 特開2000−96012号公報
本発明者は、現在実用化されている耐酸性雨塗膜に対して充分な接着力を示し、三次曲面を有する自動車のボデー等に貼付しても、浮き剥がれを生じない粘着シートを提供することにある。
従って、本発明は、
基材と、少なくともその一方の表面上に設けた粘着剤層とを含む粘着シートであって、前記粘着剤層が、
(1)アクリルエステル系モノマーと
(2)カルボキシル基含有重合性モノマーと
(3)重合性酸無水物モノマーと
の共重合体を含有し、粘着付与性樹脂を含有しない粘着剤からなることを特徴とする、耐酸性雨塗膜を表面に有する被着体用である粘着シートに関する。
本発明の好ましい態様においては、前記共重合体として、前記カルボキシル基含有重合性モノマー及び前記重合性酸無水物モノマーの合計量が、その他のモノマー合計量100重量部に対して、1〜30重量部となる共重合体を用いる。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記カルボキシル基含有重合性モノマーと前記重合性酸無水物モノマーとを、重量比で1:0.01〜100の量で使用して前記共重合体を生成する。
更に、本発明の別の好ましい態様においては、前記共重合体の重量平均分子量が40万〜100万である。
更にまた、本発明の別の好ましい態様においては、架橋剤を加えて前記共重合体を生成する。
更にまた、本発明の別の好ましい態様の粘着シートは、耐酸性雨塗膜を表面に有する被着体用である。
本発明による粘着シートは、現在実用化されている耐酸性雨塗膜に対して充分な接着力を示す。
本発明による粘着シートは、前記の通り、基材と粘着剤層とを含み、前記粘着剤層は、
(1)アクリルエステル系モノマーと
(2)カルボキシル基含有重合性モノマーと
(3)重合性酸無水物モノマーと
の共重合体を含有する粘着剤からなる。
前記の粘着剤の形成に用いる「アクリルエステル系モノマー」には、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが含まれ、エステル部分は特に限定されないが、例えば、炭素原子数1〜18のアルキル基を挙げることができる。これらのアクリルエステル系モノマーを、1種又はそれ以上の組み合わせで用いることができる。
前記アクリルエステル系モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、又はn−ヘキシル(メタ)アクリレート、あるいは2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、又はn−オクチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記の粘着剤の形成に用いる「カルボキシル基含有重合性モノマー」は、重合性の炭素−炭素二重結合と、遊離カルボキシル基とを有するモノマーである。このようなモノマーとしては、具体的には、脂肪族不飽和モノカルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、又はイソクロトン酸、脂肪族不飽和ジカルボン酸、例えば、イタコン酸、マレイン酸、又はフマル酸、あるいは、脂肪族不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル、例えば、モノアルキルマレイン酸、又はモノアルキルフマル酸などを挙げることができる。これらの中でも、本発明においては、特にアクリル酸、又はメタクリル酸を用いることが好ましい。このようなカルボキシル基含有重合性モノマーは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記の粘着剤の形成に用いる「重合性酸無水物モノマー」は、重合性の炭素−炭素二重結合と、ジカルボン酸の酸無水物部分とを有するモノマーである。重合性酸無水物モノマーとしては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、又は無水シトラコン酸を挙げることができる。
本発明で粘着剤として用いる共重合体を構成するモノマーには、前記アクリルエステル系モノマー、前記カルボキシル基含有重合性モノマー、及び前記重合性酸無水物モノマー以外の共重合性モノマーとして、粘着剤に通常含まれている共重合性モノマー(以下、第4の共重合性モノマーと称する)を含むことができる。第4の共重合性モノマーとしては、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、メチロールアクリルアミド、ビニルピロリドン、ビニルメチルエーテル、エチレンオキサイド、(メタ)アクリル酸グリコシルオキシエチル、酢酸ビニル、又は側鎖に脂環式エポキシ基をもつ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本発明で用いる粘着剤を構成する前記共重合体は、前記カルボキシル基含有重合性モノマー及び前記重合性酸無水物モノマーを、それらの合計量で、その他のモノマー(すなわち第1のアクリルエステル系モノマーと第4の共重合性モノマー)100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜15重量部、もっとも好ましくは4〜12重量部の量で使用して生成することができる。前記カルボキシル基含有重合性モノマー及び前記重合性酸無水物モノマーの合計量が、前記アクリルエステル系モノマー100重量部に対して(第4の共重合性モノマーを含む場合には、前記アクリルエステル系モノマーと第4の共重合性モノマーとの合計量100重量部に対して)1重量部未満になると耐酸性雨塗装に対する接着力が不十分になることがあり、30重量部を超えると粘着剤層の造膜性が大きくなり、転写塗工による粘着シートでは基材と粘着剤層との密着性が不足し、被着体への貼り直しが困難になる。
本発明で用いる粘着剤を構成する前記共重合体は、前記カルボキシル基含有重合性モノマーと前記重合性酸無水物モノマーとを、重量比で1:0.01〜100、より好ましくは1:0.1〜10、もっとも好ましくは1:0.2〜5の量で使用して生成することができる。重合性酸無水物モノマーの比率が過剰になると、粘着剤層の凝集力が不足気味になり粘着シートの貼り直しで糊残りが起こる可能性が出てくるとともに、粘着剤層の造膜性が大きくなり粘着剤層との密着性が劣るようになる。逆に比率が過小になると、耐酸性雨塗膜に対する接着力が不充分になることがある。
本発明で用いる粘着剤を構成する前記共重合体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは40万〜100万、より好ましくは45万〜90万である。前記の重量平均分子量が40万未満になるとタック力が大きくなり、貼付直後の剥離力が大きくなり貼り直し性に劣る場合があり、100万を超えると、強固な粘着力(剥離強度)が得られなくなる。
本発明で用いる粘着剤を構成する前記共重合体は、通常の粘着剤に通常含まれている任意の添加剤を含むことができる。添加剤としては、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、粘着剤の粘着力、凝集力、タック、分子量、分子量分布、弾性率、ガラス転移点、及び/又は耐水性等の調整のため、別の粘着性ポリマー、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、粘着付与性樹脂、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、フィラー、紫外線吸収剤、及び/又は防腐剤などを添加することができる。このような添加剤の添加量は、それぞれの成分を添加する目的により種々選択可能であるが、前記共重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部程度の割合で用いることができる。
本発明で用いる粘着剤を構成する前記共重合体においては、公知の架橋剤によって、前記カルボキシル基含有重合性モノマーを部分架橋させるのが好ましい。架橋剤としては、具体的には、例えば、トルイレン−2,4−ジイソシアネート、トルイレン−2,6−ジイソシアネート、トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアナート、トリメチロールプロパンアダクトキシリレンジイソシアナート、トリメチロールプロパンアダクトヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及びその水添体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ポリイソシアネートプレポリマー、若しくはオルトトルイレンジイソシアネートに代表されるイソシアネート架橋剤、あるいはアルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、若しくはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートに代表されるアルミニウムキレート化合物やチタンキレート化合物などの金属キレート化合物、N,N,N’,N’,テトラグリシジルメタキシレンジアミン、若しくは1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンに代表されるエポキシ架橋剤、トリメチロールプロパン−β−アジリジニルプロピオネートに代表されるアジリジン架橋剤を挙げることができる。
前記カルボキシル基含有重合性モノマーを架橋剤で部分架橋することにより、得られる粘着剤の剥離強度、凝集力及びタックを適当な強さに調節することができる。架橋剤は、前記のカルボキシル基含有重合性モノマーのカルボキシル基1モルに対して、好ましくは0.0001〜0.8モル、特に好ましくは0.001〜0.5モルの割合で用いることができる。
使用する架橋剤は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。ただし、無黄変粘着剤を形成させる場合には、芳香族基を含まない架橋剤、又は典型元素の金属キレート架橋剤を選定するのが好ましい。架橋剤の使用量は、対象となる共重合体の種類や、使用する架橋剤の種類によって適宜変化させることができ、例えば、架橋化基点間距離によって適宜選択することができる。なお、芳香族基を有さない架橋剤や、典型元素(非遷移金属元素)よりなる金属キレート架橋剤は経時劣化や加熱で黄変を起こしにくいため、着色を嫌う用途での使用が好ましい。このような用途としては耐チッピングウレタンフィルムなどが挙げられる。
本発明で用いる粘着剤を構成する前記共重合体は、任意の重合方法、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、又は乳化重合によって調製することができる。
本発明による粘着シートにおいて、基材上に設けられる前記粘着剤層の層厚は、好ましくは1μm〜300μm、より好ましくは2μm〜150μm、もっとも好ましくは5μm〜100μmである。
本発明による粘着シートに用いる基材は、特に限定されず、通常の粘着シート用基材を用途に応じてそのまま使用することができる。従って、基材としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン樹脂、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、若しくはポリブチレンテレフタレートに代表されるポリエステル樹脂、あるいは、ポリ塩化ビニル、合成紙、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリオレフィン、エチレンメタクリル酸共重合体、アイオノマー、塩素化ポリプロピレン、フッ化エチレン−プロピレン共重合体、ポリエーテルイミドなどからなるシート材料を用いることができる。また、これらの単層品でも複層品でもよい。更に、これら基材に印刷・印字用の易接着コート、汚染防止コート、又はグロス調整用の表面コートなどを設けることもできる。
しかしながら、本発明による粘着シートは、耐酸性雨塗膜に対して優れた接着力を示すので、屋外で用いる被着体に貼着させる場合には、耐候性を有する基材、例えば、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリオレフィン、又はアイオノマーからなるシート材料を用いるのが好ましい。
本発明による粘着シートにおいては、粘着剤層を設ける基材表面に化学的又は物理的処理を施して、基材表面と粘着剤との接着力(キーイング力)を向上させることができる。前記の表面処理として、例えば、プライマー処理又はコロナ処理を実施する。例えば、基材としてポリウレタンを用いる場合にはポリカーボネイト系ウレタンプライマーで処理し、基材としてポリ塩化ビニルを用いる場合には一級アミングラフトポリマーでプライマー処理するのが好ましい。
基材の厚さも特に限定されず、本発明の粘着テープの用途によって適宜変化させることができる。例えば、本発明の粘着テープを自動車のエンブレム粘着テープとして用いる場合には、例えば、500μm〜1500μm、より好ましくは800μm〜1200μmとすることができる。エンブレム粘着テープ以外の自動車車体用粘着テープとして用いる場合には、例えば、10μm〜450μmとするのが好ましい。エンブレム粘着テープ以外の自動車車体用粘着テープとして用いる場合に、基材の厚さが薄いと、貼着適性が低下して基材単独ではしわ等が入りやすくなるので、他のアプリケーションテープとの複合化が必要になる場合があり、厚いと、3次曲面への追従性が悪化し、浮きが発生しやすくなる。
本発明の粘着シートの粘着剤層の保護や粘着シートの保管又は運搬のために、粘着剤層面に剥離シートを積層することができる。
剥離シートとしては、当業界において公知の任意のシートを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリアクリレートなどの各種樹脂からなるフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、又はグラシン紙等の各種紙材を支持体とし、この支持体の粘着剤層との接合面に、必要により剥離処理が施されたものを用いることができる。この場合、剥離処理の代表例としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、又はフッ素系樹脂等の剥離剤からなる剥離剤層の塗布や形成を挙げることができる。剥離シートの厚みは、特に制限されず、適宜選定すればよい。また、片面に剥離処理を施した基材を用い、その反対面に粘着加工を行って、粘着面と剥離処理面を密着させたロールタイプとすることもできる。
本発明の粘着シートが剥離シートを伴う場合、その剥離シートの厚みは、例えば、10μm〜300μmであることが好ましい。剥離シートの厚みが薄いと転写塗工時に熱収縮を起こしやすく、厚いとロール形状でトンネリングが発生し粘着剤面が荒れるほか、荷姿が大きくなって保管が困難になる上無駄なコストアップを招いてしまう。
本発明の粘着シートは、基材の一方の表面に粘着剤を直接に塗工する方法、あるいは、剥離シートの剥離表面に粘着剤を塗工してから、その粘着剤層側を基材の一方の表面に貼合して転写する転写塗工法によって製造することができる。ポリ塩化ビニルフィルムやウレタンフィルムなどの伸びやすいフィルムを基材とする場合は、通常転写塗工法が選択される。
基材表面あるいは剥離シート表面への、粘着剤の塗布は、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、又はカーテンコーターによって実施することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《剥離粘着力の測定》
以下の実施例及び比較例において、粘着シートの剥離粘着力は、以下の方法によって測定した。
被着体としては、最表面に自動車用耐酸性雨クリヤー塗料が施してある塗装鋼板を用いた。この塗装鋼板に、以下の実施例及び比較例で得られた粘着シートを、接着幅10mmで、表面を硬質ゴムで覆われたロール(3kg)を一往復することにより圧着し、標準環境下(温度=23℃;相対湿度=50%)にて、万能型引張り試験機(TENSILON/UTM−4−100:株式会社オリエンテック)で180°剥離接着試験を200m/分の剥離速度により行った。剥離粘着力の測定は、貼付から1時間(hour)経過後及び168時間(1週間)経過後に行った。なお、自動車用耐酸性雨クリヤー塗料として、関西ペイント社製:KINO1200TW及び日本ペイント社製:O−1810を用いた。
なお、以下の実施例(特に、表1〜表3)において、略号は以下の意味である。
BA:n−ブチルアクリレート、
EA:エチルアクリレート、
VAc:酢酸ビニル、
AAc:アクリル酸、
M−ah:無水マレイン酸、
MA:メチルアクリレート、
MMA:メチルメタクリレート、
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート。
《実施例1〜8及び比較例1》
基材としてポリエステル系ウレタンフィルム(厚さ=300μm)の片面を予めポリカーボネイト系ウレタンプライマーで処理しておいた。一方、ポリエチレンラミネート紙よりなる剥離シート(リンテック社製:KPM−11グリーン:厚さ=180μm)上の剥離処理面に、表1に記載の共重合体100重量部に対し、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)0.2重量部(固形分比)を添加した粘着剤組成物を、乾燥後の塗布量が55g/mとなるように塗布乾燥し、その粘着剤面上に前記基材のプライマー処理面を貼り合わせ粘着シートを作成した。
耐酸性雨クリヤー塗料として関西ペイント社製、KINO1200TWを施した塗装鋼板に対する剥離粘着力を測定した。実施例6〜8については、日本ペイント社製、O−1810を施した塗装鋼板についても剥離粘着力を測定した。結果を表1に記載する。
Figure 0004792201
《実施例9及び比較例2》
基材を、予め1級アミングラフトポリマー(日本触媒社製:ポリメントNK−350)で片面をプライマー処理したポリ塩化ビニルフィルム(厚さ=100μm)とし、表2に示す共重合体100重量部に対し、イソシアナート系架橋剤(トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアナート)2.6重量部(固形分比)を添加した粘着剤組成物に用いたこと以外は、上記実施例1〜8及び比較例1と同様にして粘着シートを作成した。
耐酸性雨クリヤー塗料を施した塗装鋼板に対する剥離粘着力の結果を表2に記載する。
Figure 0004792201
本発明による粘着シートは、一般の粘着シーとして使用可能であることは勿論のこと、特には、耐酸性雨塗膜を表面に有する被着体(例えば、自動車用の耐酸性雨上塗り塗膜)に対して優れた接着力を有するので、耐酸性雨上塗り塗膜用の粘着テープとして有用である。

Claims (5)

  1. 基材と、少なくともその一方の表面上に設けた粘着剤層とを含む粘着シートであって、前記粘着剤層が、
    (1)アクリルエステル系モノマーと
    (2)カルボキシル基含有重合性モノマーと
    (3)重合性酸無水物モノマーと
    の共重合体を含有し、粘着付与性樹脂を含有しない粘着剤からなることを特徴とする、耐酸性雨塗膜を表面に有する被着体用である粘着シート。
  2. 前記共重合体として、前記カルボキシル基含有重合性モノマー及び前記重合性酸無水物モノマーの合計量が、その他のモノマー合計量100重量部に対して、1〜30重量部となる共重合体を用いる、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記カルボキシル基含有重合性モノマーと前記重合性酸無水物モノマーとを、重量比で1:0.01〜100の量で使用して前記共重合体を生成する、請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. 前記共重合体の重量平均分子量が40万〜100万である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。
  5. 前記粘着剤が、架橋剤により架橋されてなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着シート。
JP2004007163A 2004-01-14 2004-01-14 粘着シート Expired - Fee Related JP4792201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004007163A JP4792201B2 (ja) 2004-01-14 2004-01-14 粘着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004007163A JP4792201B2 (ja) 2004-01-14 2004-01-14 粘着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005200513A JP2005200513A (ja) 2005-07-28
JP4792201B2 true JP4792201B2 (ja) 2011-10-12

Family

ID=34820900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004007163A Expired - Fee Related JP4792201B2 (ja) 2004-01-14 2004-01-14 粘着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4792201B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007177125A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Lintec Corp 移動体外装部用粘着シート
JP2008266439A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Soken Chem & Eng Co Ltd 光学フィルタ用ネオンカット性粘着剤組成物、光学フィルタ用ネオンカット性粘着シート、プラズマディスプレイパネル用光学フィルタおよびプラズマディスプレイパネル
CN102388113B (zh) * 2009-04-10 2014-09-17 琳得科株式会社 粘结膜及使用该粘结膜的粘结标签
JP5530963B2 (ja) * 2011-03-03 2014-06-25 東洋モートン株式会社 接着剤組成物
JP7203624B2 (ja) * 2019-02-06 2023-01-13 バンドー化学株式会社 光学透明粘着シート、積層シート及び貼り合わせ構造物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3219461B2 (ja) * 1992-05-20 2001-10-15 積水化学工業株式会社 粘着剤組成物および粘着テープまたはシート
JPH06200225A (ja) * 1992-12-29 1994-07-19 Nitto Denko Corp 塗料用感圧性接着剤とその接着シ―ト類
CA2118960A1 (en) * 1993-03-16 1994-09-17 Albert I. Everaerts Pressure-sensitive adhesives having improved adhesion to acid-rain resistant automotive paints
JP2002194312A (ja) * 2000-12-15 2002-07-10 Three M Innovative Properties Co 粘着剤及びそれを用いた粘着シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005200513A (ja) 2005-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4763204B2 (ja) 改良された塗料代替アップリケ
US8501315B2 (en) High-gloss pressure-sensitive adhesive sheet
JP5933940B2 (ja) 積層シート、積層シートを貼り付けた部品およびその製造方法
JP6510192B2 (ja) 積層体、表面保護物品、積層体の製造方法
JPH09104850A (ja) 自動車塗膜保護用シート
JP2005511356A (ja) 保護ポリウレタン層を含む多層シート
JP2016102195A (ja) 粘着シート
JP5052503B2 (ja) 自動車ブレーキディスク用アンチラスト粘着フィルム
JP2008304672A (ja) 表面保護フィルム
JP6716222B2 (ja) ラッピング用フィルム及びラッピング加工品
JP4792201B2 (ja) 粘着シート
US20070231570A1 (en) High-gloss pressure-sensitive adhesive sheet
US20090017296A1 (en) Pressure-Sensitive Adhesive Sheet for Automobile Marking
JP7131176B2 (ja) 転写シート
JP2005023293A (ja) テープ状絶縁材、テープ状絶縁材が貼合された絶縁物品並びに感圧性接着テープ
JP4837311B2 (ja) 血液バック用粘着シート
JP2007084795A (ja) ガラス保護用粘着シート類および自動車ガラス用保護フィルム
JP5118355B2 (ja) 金属化粧板用積層粘着シート
KR20110120752A (ko) 용제형 점착제 조성물
JP2697930B2 (ja) 熱硬化性被覆用シート
JP3968836B2 (ja) 油面用粘着シート
JP7312629B2 (ja) 型板ガラス用飛散防止フィルム
JP7291502B2 (ja) 粘着フィルム
JP6974039B2 (ja) 両面接着テープ、接着キット、積層構造体及び設置表面の上に物品を貼り付ける方法
JP2010174260A (ja) 感圧性接着テープ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060330

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110628

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees