JP7291502B2 - 粘着フィルム - Google Patents

粘着フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP7291502B2
JP7291502B2 JP2019044894A JP2019044894A JP7291502B2 JP 7291502 B2 JP7291502 B2 JP 7291502B2 JP 2019044894 A JP2019044894 A JP 2019044894A JP 2019044894 A JP2019044894 A JP 2019044894A JP 7291502 B2 JP7291502 B2 JP 7291502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive film
pressure
sensitive adhesive
adherend
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019044894A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020147651A (ja
Inventor
大貴 福田
真人 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=72431761&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP7291502(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2019044894A priority Critical patent/JP7291502B2/ja
Publication of JP2020147651A publication Critical patent/JP2020147651A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7291502B2 publication Critical patent/JP7291502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、粘着フィルムに関する。
自動車車体の外装部材表面には、意匠性や防錆性を高めるために、塗装によって塗膜が形成されている。外装部材表面の塗膜は、走行時の擦り傷、砂塵・飛び石による傷、爪による引っ掻き傷、荷物による擦り傷などにより損傷を受けることが多い。このため、塗膜を保護するために自動車車体全体に粘着フィルムを施す場合がある。
粘着フィルムを自動車車体に施工する方法としては、いわゆる水貼りで貼り付ける方法が採用されていることがある。水貼りとは、粘着フィルムの粘着剤層面および/または自動車車体表面に、施工液(例えば界面活性剤水溶液)を噴霧し、フィルムを自動車車体に仮貼りした後、スキージというへらでフィルム表面に順次均一に擦り付けて、施工液を押し出して除去しながらフィルムを自動車車体に密着させ、水が蒸発することで粘着性を発現させる方法である。特許文献1には、このようなスキージ処理による傷の発生の防止を目的として、表面の摩擦係数が特定範囲にある粘着フィルムが開示されている。
特許第6340257号公報
本発明者らは、自動車車体など曲面形状を有する被着体に粘着フィルムを水貼りする際に、曲面形状に沿ってフィルムを延伸しながら貼ると、貼付後、外部から視認したときに粘着フィルム端部で粘着剤が露出する場合があることを知見した。
そこで本発明は、粘着フィルムを曲面形状を有する被着体に水貼りした場合にも粘着剤の露出を抑制できる粘着フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、ポリウレタン系基材と、粘着剤組成物から形成されてなる粘着剤層と、を有する粘着フィルムであって、粘着剤組成物がアクリル系共重合体および架橋剤を含み、アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマーを含むモノマー混合物を共重合して得られ、温度40℃、相対湿度80%RH環境下で1kgの荷重をかけて測定したずれ量が10mm以下である、粘着フィルムである。
本発明によれば、曲面形状を有する被着体に粘着フィルムを水貼りした場合にも粘着剤の露出を抑制でき、外観不良を抑制することができる。
本発明の一実施形態の粘着フィルムを示す断面模式図である。
本発明の第一実施形態は、ポリウレタン系基材と、粘着剤組成物から形成されてなる粘着剤層と、を有する粘着フィルムであって、粘着剤組成物がアクリル系共重合体および架橋剤を含み、アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマーを含むモノマー混合物を共重合して得られ、温度40℃、相対湿度80%RH環境下で1kgの荷重をかけて測定したずれ量が10mm以下である。
第一実施形態の粘着フィルムによれば、曲面形状を有する被着体に粘着フィルムを水貼りした場合にも粘着剤の露出を抑制でき、外観不良を抑制することができる。
第一実施形態の粘着フィルムがかような効果を奏する詳細なメカニズムは不明であるが、以下のように推定される。なお、本発明の技術的範囲は、下記メカニズムによって何ら制限されるものではない。
自動車車体などの曲面形状を有する被着体に粘着フィルムを貼付する際には、曲面形状に粘着フィルムが沿うように粘着フィルムを延伸しながら水貼りする。したがってポリウレタン系基材には延伸方向に力が働くが、フィルムが貼り付けられ、フィルムを延伸する力が取り除かれると、ポリウレタン系基材が延伸方向と逆方向に戻ろうとする力が粘着剤層に働く。この際、粘着剤層は水貼りの際に付与される水を含んでいる状態であるが、このような状態で粘着剤層が保持力を維持していないと、上記ポリウレタン系基材から働く力に耐えられず、粘着フィルムの端部で基材の端から粘着剤層が露出してしまう。これに対し、粘着フィルムの温度40℃、相対湿度80%RH環境下で1kgの荷重をかけて測定したずれ量が10mm以下である場合、水を含んだ状態であっても粘着剤層が保持力を維持できることで、粘着フィルム端部においても、粘着剤層がせん断方向に凝集破壊することがなく、ゆえに、外観不良を抑制することができる。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態の粘着フィルムを示す断面模式図である。図1の粘着フィルム10は、ポリウレタン系基材11、粘着剤層12、および剥離ライナー13から構成される。
以下、本発明の実施形態の構成について説明する。
なお、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等は、室温(20~25℃)/相対湿度45~55%の条件で測定する。本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタクリレート」を指し、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸またはメタクリル酸」を指す。
[粘着フィルム]
(ずれ量)
ずれ量は、10mm以下であり、好ましくは、5mm以下であり、より好ましくは、2mm以下である。なお、ずれ量の下限は0mmである。ずれ量が10mm以下であることで、粘着剤の露出が顕著に低減される。一方で、ずれ量が10mmを超えると、粘着剤の露出が顕在化する。これにより外観不良となる。
なお、ずれ量は、JIS Z0237:2009に規定される保持力に準じて測定する。具体的には幅25mm、長さ125mmに切断した粘着フィルムの粘着剤層表面25mm×25mm分のみを、それ以外の表面部分がSUS板(SUS304鋼板)に接しないようにSUS板に貼付し(粘着フィルムの非貼付部分がSUS板からはみ出すように貼付する)、その後、SUS板を地面に垂直に、かつ上記粘着フィルムがSUS板にぶら下がるように配置して、40℃、相対湿度80%RHで15分間放置する。その後、粘着フィルムに1kgの荷重をかけながら40℃、相対湿度80%RHで24時間放置し、24時間放置する前後の粘着フィルムのずれ量を測定する。
ずれ量の制御は、粘着剤組成物における架橋剤と、アクリル系共重合体の架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマー由来の構成単位と、の含有比で調整することができる。
ここで、架橋剤と、架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマー由来の構成単位と、の含有質量比は、架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマー由来の構成単位100に対して架橋剤が0.2を超えることが好ましく、0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。なお、架橋剤と、架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマー由来の構成単位と、の含有質量比の上限は、粘着性の観点から、架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマー100に対して架橋剤が20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることが特に好ましい。なお、アクリル系共重合体に占める架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマー由来の構成単位の含有量(質量%)は、アクリル系共重合体を構成するモノマー合計量に占める架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマーの含有量(質量%)と実質的に同等である。
(ポリウレタン系基材)
ポリウレタン系基材を形成するウレタン樹脂は、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂などを用いることができる。破断伸度が大きいことから、ジイソシアネート、鎖延長剤である分子量500以下の低分子量ジオール及び分子量500~4000の高分子量ポリオールを重合することで得られる熱可塑性エラストマーであることが好ましい。高分子量ポリオールは、1種単独で用いても、2種類以上併用してもよい。
高分子量ポリオールは、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリウレタンポリオールなどのマクロポリオールが挙げられる。中でも、延伸性が高く、自動車車体に貼付する際の曲面追従性が高いことから、高分子量ポリオールがポリエステルポリオールであることが好ましい。すなわち、ウレタン樹脂は、ポリエステル系ウレタン樹脂であることが好ましく、すなわち、ポリウレタン系基材がエステル系ポリウレタンであることが好ましく、ポリカプロラクトン系ウレタン系樹脂であることがより好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量ポリオールと、多塩基酸、そのアルキルエステル、その酸無水物、および、その酸ハライドとの縮合反応またはエステル交換反応により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量ポリオールを開始剤として、例えば、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトンなどのラクトン類を開環重合により得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオールなどのラクトン系ポリオールなどが挙げられ、さらには、それらポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオールなどに上記の2価アルコールを共重合させることにより得られるラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの数平均分子量400未満の低分子量の多価アルコール、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2-メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの低分子量のポリアミン化合物、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなどの分子内に水酸基を有するジアミン類;メチレンジヒドラジン、エチレンジヒドラジン、プロピレンジヒドラジン等のアルキレンジヒドラジン類や、アジピン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の飽和または不飽和ジヒドラジン類;ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等を例示できる。また、これら鎖延長剤はプレポリマー中のイソシアネート基に対して過剰に使用することで鎖長停止剤とすることができる。
ウレタン化反応は、プレポリマー法、ワンショット法などの公知の方法を採用することができる。また、プレポリマー法またはワンショット法により、上記各成分(ポリイソシアネート、高分子量ポリオールなど)を反応(重合)させる方法としては、特に制限されず、公知の重合方法、より具体的には、例えば、溶液重合、水中懸濁重合、非水分散重合、溶融重合(バルク重合)などが挙げられる。好ましくは、溶液重合、非水分散重合、溶融重合が挙げられる。
ウレタン樹脂は、架橋されていても非架橋であってもよい。
また、ポリウレタン系基材には、ウレタン樹脂の他、必要に応じて、安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、加工助剤、軟化剤、金属粉、防曇剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難撚剤等を適宜に含有していてもよい。
ポリウレタン系基材の厚みは、塗膜の保護性などを考慮すると、20μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、曲面追従性を考慮すると、500μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
(粘着剤層)
粘着剤層は粘着剤組成物から形成され、粘着剤組成物はアクリル系共重合体および架橋剤を含む。
アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、および架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマー(以下、架橋性官能基含有ビニルモノマーとも称する)を含むモノマー混合物を共重合して得られる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基の炭素数が1~20であることが好ましく、1~12であることがより好ましい。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル中のアルキル基は直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、粘着性能の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチル、および(メタ)アクリル酸ブチルであることが好ましく、(メタ)アクリル酸ブチルであることがより好ましく、アクリル酸ブチルであることがさらにより好ましい。
モノマー混合物中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は60~99.9質量%であることが好ましく、80~99.7質量%であることがより好ましい。
架橋性官能基含有ビニルモノマーにおける官能基は、選択される架橋剤により異なるが、例えば、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。中でも、高い凝集力を確保できることから、架橋性官能基含有ビニルモノマーが、カルボキシル基含有ビニルモノマーおよび水酸基含有ビニルモノマーの少なくとも一方から選択される架橋性官能基含有ビニルモノマーであることが好ましく、好適な架橋剤がエポキシ系架橋剤であり、該架橋剤と反応しうるカルボキシル基含有ビニルモノマーであることがより好ましい。すなわち、好適な形態は、架橋剤がエポキシ系架橋剤であり、架橋性官能基(架橋剤と反応しうる官能基)がカルボキシル基である。
架橋性官能基含有ビニルモノマーは1種単独であっても、2種以上併用してもよい。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、およびオレイン酸などが挙げられる。中でも、重合性の観点から、(メタ)アクリル酸であることが好ましく、アクリル酸であることがより好ましい。
水酸基含有ビニルモノマーは、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有し、かつ水酸基を有するものであれば特に限定されない。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合性の点からは、水酸基含有ビニルモノマーは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであることが好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、および(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルなどが挙げられる。中でも、架橋性の観点からは、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、および(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルを用いることが好ましく、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルを用いることがより好ましく、アクリル酸2-ヒドロキシエチルを用いることがさらに好ましい。
アミド基含有ビニルモノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
グリシジル基含有ビニルモノマーとしては、特に限定されないが、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アミド基含有単量体としては、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミドなどが挙げられる。
ニトリル基含有ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
架橋性官能基含有ビニルモノマーは、モノマー混合物中、0.1~20質量%であることが好ましい。架橋性官能基含有ビニルモノマーがこのような範囲にあることで、架橋密度が適当となり粘着性が維持される。架橋性官能基含有ビニルモノマーは、モノマー混合物中、0.5~10質量%であることがより好ましく、1~8質量%であることがさらに好ましい。
アクリル系共重合体を形成するために用いられるモノマー混合物には、上記成分の他、他の共重合可能なモノマーを用いてもよい。他の共重合可能なモノマーの例としては、2-メタクリロイルオキシエチルジフェニルホスファート(メタ)アクリレート、トリメタクリロイルオキシエチルホスファート(メタ)アクリレート、トリアクリロイルオキシエチルホスファート(メタ)アクリレート等のリン酸基を有するアクリルモノマー;スルホプロピル(メタ)アクリレートナトリウム、2-スルホエチル(メタ)アクリレートナトリウム、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基を有するアクリルモノマー;ウレタン(メタ)アクリレート等のウレタン基を有するアクリルモノマー;p-tert-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレート等のフェニル基を有するアクリルビニルモノマー;2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエチル)シラン、ビニルトリアセチルシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン基を有するビニルモニマー;ビニルピリジン、(メタ)アクリロイルピペリジン、フラニルアクリレート、チオフェニル(メタ)アクリレートなどの複素環式基を有するモノマー;スチレン、クロロスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。これらその他のモノマーは、単独で使用してもよいし2種以上組み合わせて使用してもよい。
他の共重合可能なモノマーの含有量は、下記アクリル系共重合体のガラス転移温度などを考慮して適宜設定されるが、モノマー混合物に対して、0~20質量%であることが好ましく、0~15質量%であることがより好ましい。
アクリル系共重合体のガラス転移温度Tgは、-60~-20℃であることが好ましい。アクリル系共重合体のガラス転移温度Tgを-60~-20℃とすることで、粘着性を有するため好ましい。ガラス転移温度は、用いられるモノマー種、特に、主モノマーである(メタ)アクリル酸アルキルエステルの種類、含有量を適宜調整することにより、調整することができる。
アクリル系共重合体のガラス転移温度は、以下のフォックス式に従って、共重合体を構成する各構成ポリマーのTgnから計算したものを採用する。
フォックス式:1/Tg=Σ(Wn/Tgn)
Tg:重合体の計算Tg(K)
Wn:モノマーnの重量分率
Tgn:モノマーnのホモポリマーのガラス転移温度(K)
モノマーnのホモポリマーのTg値(Tgn)は、例えば、株式会社日本触媒、三菱ケミカル株式会社、東亞合成株式会社などのモノマーメーカーの技術資料や高分子データハンドブック(培風館発行、高分子学会編(基礎編)、昭和61年1月初版)、Polymer Handbook 4th edition(J.Brandrup, E.H.Immergut, E.A.Grulke, 1999年発行、Wiley-Interscience)に記載されている。
アクリル系共重合体の製造方法は、特に制限されず、重合開始剤を使用する溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法など従来公知の方法を用いることができる。また、重合開始剤により重合を開始させる方法の他に、放射線、電子線、紫外線等を照射して重合を開始させる方法を採用することもできる。中でも重合開始剤を使用する溶液重合法が、分子量の調節が容易であり、また不純物も少なくできるために好ましい。例えば、溶剤として酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンなどを用い、モノマーの合計量100質量部に対して、重合開始剤を好ましくは0.01~0.50質量部添加し、窒素雰囲気下で、例えば反応温度60~90℃で、3~10時間反応させることで得られる。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物;tert-ブチルパーオキシピバレート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-tert-ブチルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert-ブチルハイドロパーオキシド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過酸化物が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。
また、アクリル系共重合体の分子量を適切に制御する目的で、モノマー溶液中に連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n-ドデシルメルカプタン、2-メルカプトエタノール、β-メルカプトプロピオン酸、β-メルカプトプロピオン酸オクチル、β-メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス(β-チオプロピオネート)、チオグリコール酸ブチル、プロパンチオール類、ブタンチオール類、チオホスファイト類等のチオール化合物や四塩化炭素などのハロゲン化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。
アクリル系共重合体の分子量は、特に制限されるものではないが、粘着性の観点からは、重量平均分子量(Mw)が10万~150万であることが好ましく、凝集力がより高まることから、30万~150万であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により標準ポリスチレン換算分子量として測定されたものを用いる。
架橋剤は架橋性官能基と反応しうる官能基を有する。例えば、架橋性官能基が水酸基である場合には、架橋剤はイソシアネート系架橋剤であり、架橋性官能基がカルボキシル基である場合には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤であり、架橋性官能基がアミド基である場合には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤である。
イソシアネート系架橋剤としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプエート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;およびイソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;などのジイソシアネート化合物、ならびにジイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、ジイソシアネート化合物のビウレット体やイソシアヌレート体、ジイソシアネート化合物の二官能型などのイソシアネート誘導体が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、例えば、1,3-ビス(N,N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミンなどが挙げられる。
アジリジン系架橋剤としては、例えば、ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカーボキサミド)、トリメチロールプロパントリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカーボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル-1-(2-メチルアジリジン)、トリス-1-(2-メチルアジリジン)フォスフィン、トリメチロールプロパントリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネートなどが挙げられる。
金属キレート系架橋剤には、金属原子がアルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、鉄、スズなどのキレート化合物があるが、性能の点からアルミニウムキレート化合物が好ましい。アルミニウムキレート化合物としては、例えば、ジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテートなどが挙げられる。
本実施形態においては、架橋剤がエポキシ系架橋剤であることが好ましい。エポキシ系架橋剤は、耐加水分解性が高く、水貼りで粘着フィルムで被着体に貼付しても粘着性を発現しやすく、また、屋外環境下に粘着フィルムが暴露されても耐久性が高いため、好ましい。
上記架橋剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
架橋剤の添加量は、ずれ量の制御の点から、アクリル系共重合体100質量部に対して、0.01質量部を超えることが好ましく、0.02質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上が特に好ましい。また、架橋剤の添加量は、粘着性の観点から、アクリル系共重合体100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下がさらにより好ましく、0.2質量部以下が特に好ましい。
粘着剤組成物は、従来公知のその他の添加剤をさらに含みうる。かような添加剤としては、例えば、粘着付与剤、充填剤、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂などの天然樹脂、C5系、C9系、ジシクロペンタジエン系などの石油樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂などの合成樹脂などが挙げられる。充填剤としては、例えば、亜鉛華、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
上記粘着剤組成物を用いて粘着剤層が形成される。
粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、粘着性および薄膜化の観点から、10~100μmの範囲が好ましい。
粘着剤層の形成方法は特に限定されないが、通常粘着剤を紙基材上に塗布する方法が採られる。塗布方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。粘着剤を基材上に塗布後、乾燥処理を行うことによって、粘着剤層が形成される。この際の乾燥条件としては特に限定されず、通常60~150℃にて10~60秒の条件で行われる。
また、粘着剤を印刷して粘着剤層を形成させてもよい。この際、凸版印刷機、グラビア印刷機(凹版印刷機)、スクリーン印刷機、オフセット印刷機等の各種既知の印刷機を使用することができる。
(防汚層)
ポリウレタン系基材上の最表面に防汚層を設けてもよい。防汚層を形成する材料としては、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリアクリル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。防汚層の厚さは0.5~20μm程度である。
(剥離ライナー)
剥離ライナーは、粘着剤層を保護し、粘着性の低下を防止する機能を有する部材である。そして、剥離ライナーは、塗膜に貼付する際に塗膜保護シートから剥離される。このため、本発明における塗膜保護シートは、剥離ライナーを有していないものも包含される。
剥離ライナーとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム;上質紙、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙などの紙が挙げられる。
剥離ライナーの厚みは、通常10~400μm程度である。また、剥離ライナーの表面には、粘着剤層の剥離性を向上させるためのシリコーンなどから構成される剥離剤からなる層が設けられてもよい。かような層が設けられる場合の当該層の厚みは、通常0.01~5μm程度である。
[粘着フィルムの貼付方法]
本発明の第二実施形態は、上述した形態に係る粘着フィルムの粘着剤層面および被着体の粘着フィルム接触面の少なくとも一方に水系媒体を付与し(工程1)、粘着剤層面を被着体上に接触させ(工程2)ることを有する、粘着フィルムの被着体への貼付方法である。また、当該方法は、工程2の後に必要に応じて水系媒体を除去する(工程3)、工程3を有する。以下、第一実施形態の粘着フィルムを単に粘着フィルムとも称する。
工程1では、粘着フィルムの粘着剤層および被着体の粘着フィルム接触面の少なくとも一方に水系媒体を付与する。
水系媒体はいわゆる施工液として用いるものである。水系媒体とは水を50質量%以上(上限100質量%)含有されたものを指し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上であり、最も好ましくは水系媒体が水である。
水系媒体中に含まれる水以外の成分としては、水に溶解する有機溶剤;界面活性剤を挙げることができる。水に溶解する有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルセルソルブ、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
通常、水貼りの施工液には、被着体およびフィルム間の滑り性を向上させる目的で、界面活性剤が含有される。界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硝酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩などの陰イオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルジメチルベンジルアンモニウム塩、Nメチルビスヒドロキエチルアミン脂肪酸エステル・塩酸塩などの陽イオン系界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシドなどの両性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシドなどの非イオン系界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は1種単独で、または、2種以上を併用して用いることができる。界面活性剤の施工液中の含有量は、通常0.1~1質量%である。
水系媒体が付与されるのは、粘着フィルムの粘着剤層面および被着体の粘着フィルム接触面のいずれか一方であってもよいし、双方であってもよい。気泡抜けやしわ生成を抑制する観点からは、粘着剤層面および被着体の粘着フィルム接触面の双方に水系媒体を付与することが好ましい。粘着剤層面および/または被着体の粘着フィルム接触面に水系媒体を付与する方法としては、噴霧器を用いて水系媒体を接触面に噴霧する方法や、貯留してある水系媒体に接触面を接触させる方法などが挙げられるが、施工性を考慮すると、噴霧器を用いて水系媒体を接触面に噴霧する方法が好ましい。
工程2では、粘着剤層面を被着体上に接触させる。すなわち、被着体に粘着フィルムの粘着剤層面を合わせる。この際、剥離ライナーは除去される。水系媒体(施工液)を介して、被着体に対して粘着フィルムを滑らせながら、粘着フィルムの施工位置を調整することができる。
工程3では、水系媒体を除去して、被着体に粘着フィルムを貼付する。
被着体と粘着フィルムとの間に存在する水系媒体を除去する(排出する)方法としては、スキージでフィルム表面を順次均一に擦りつけて、水系媒体を押し出して除去する方法が挙げられる。この工程において、粘着フィルムと被着体の間に生じた気泡を押し出し、粘着フィルムに生じたしわを伸ばすことができる。
[用途]
第一実施形態の粘着フィルムは、好ましくは、塗装面を有する被着体に粘着剤層面が貼付されて用いられる。
第一実施形態の粘着フィルムの用途は水貼りで被着体に貼付する用途であることが本発明の効果が特に発揮されることから好ましい。具体的には、各種保護フィルム、ウインドウフィルム、装飾フィルムなどが挙げられる。また、第一実施形態の粘着フィルムは基材としてポリウレタン系基材を用いているため、曲面追従性が高く、曲面形状を有する被着体に対して貼付される用途であると、本発明の効果がより発揮されるという点で好ましい。かような用途としては移動体(特に車両)用粘着フィルムが挙げられる。移動体用粘着フィルムとしては、保護フィルム(塗膜保護フィルム、チッピングフィルムなど)、装飾フィルム、マスキングフィルムなどが挙げられる。
第一実施形態の粘着フィルムは曲面追従性が高く、耐傷性が高いことから、外部環境で使用されることが多い、移動体を被着体とすることが好ましい。すなわち、本発明の好適な一実施形態は、移動体(特に車両)用塗膜保護シートである。さらに、本発明の好適な一実施形態は、上記塗膜保護シートが貼付された移動体(特に車両)である。
移動体としては、特に限定されるものではないが、例えば、車両、航空機、船舶、ブルドーザ、ショベルカー、トラッククレーン、フォークリフト等の移動体が挙げられる。車両としては、ガソリンやバイオエタノール等を燃料とする自動車、二次電池や燃料電池を利用した電気自動車、ハイブリッド自動車等の四輪自動車(乗用車、トラック、バス等);二輪のバイク、自転車;鉄道車両(電車、ハイブリッド電車、機関車等)などが挙げられる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「重量部」あるいは「重量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
(実施例1)
(ポリウレタン系基材)
厚さ150μmのエステル系ポリウレタン樹脂フィルムを用いた。
(粘着剤層)
還流器および攪拌機を備えたフラスコに、アクリル酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部、過酸化物系開始剤およびトルエン(溶剤)を混合し、窒素置換を行いながら加温し、重合を行って、アクリル系共重合体を得た(重量平均分子量Mw=500,000)。
上記アクリル系共重合体固形分100質量部、およびエポキシ系架橋剤(商品名:TETRAD-X、三菱ガス化学社製)0.02質量部(アクリル酸由来の構成単位100に対して0.4(質量比))を混合して粘着剤組成物を得た。
粘着剤組成物を剥離紙(厚さ170μm)にナイフコーターを用いて乾燥後膜厚が25μmとなるように塗工した。ポリウレタン系基材に粘着剤層を貼付後、24時間静置して粘着フィルムを得た。
(実施例2)
粘着剤組成物中のエポキシ系架橋剤量を0.02質量部から0.1質量部(アクリル酸由来の構成単位100に対して2(質量比))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
(実施例3)
粘着剤組成物中のエポキシ系架橋剤量を0.02質量部から0.2質量部(アクリル酸由来の構成単位100に対して4(質量比))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
(実施例4)
粘着剤組成物中のエポキシ系架橋剤量を0.02質量部から1質量部(アクリル酸由来の構成単位100に対して20(質量比))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
(比較例1)
粘着剤組成物中のエポキシ系架橋剤量を0質量部(エポキシ系架橋剤を添加しない)としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
(比較例2)
粘着剤組成物中のエポキシ系架橋剤量を0.02質量部から0.01質量部(アクリル酸由来の構成単位100に対して0.2(質量比))に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
(ずれ量の測定)
ずれ量は、JIS Z0237:2009に規定される保持力に準じて測定した。実施例および比較例で得られた粘着フィルムを25mm×125mmのサイズに裁断し、剥離ライナーを剥がして、上記粘着フィルムの粘着剤層表面25mm×25mm分のみを、それ以外の表面部分がSUS板に接しないように上記SUS板に貼付した(粘着フィルムの非貼付部分がSUS板からはみ出すように貼付した)。その後、SUS板を地面に垂直に、かつ上記粘着フィルムがSUS板にぶら下がるように配置して、40℃、相対湿度80%RHで15分間放置した。その後、粘着フィルムに1kgの荷重をかけながら40℃、相対湿度80%RHで24時間放置し、24時間放置する前後の粘着フィルムのずれ量を測定した。なお、24時間の放置の間に落下したものについては「落下」とした。結果を表1に示す。
(評価:外観試験)
曲面部を有する自動車車体のフィルム貼付面および粘着フィルムの粘着剤層面に施工液(界面活性剤の濃度0.1質量%水溶液)を噴霧器を用いて噴霧した後、車体に粘着剤層面を貼付した。フィルムを延伸しながら曲面部に追従させ、位置決めを行った。位置決め後、スキージを用いて施工液をフィルム外に排出した。1日標準環境下に静置後、外観を目視により評価し、以下の評価基準にしたがって評価した。
◎:端部からの粘着剤のはみだしがない、
○:端部からごくわずかに粘着剤のはみだしがある、
×:端部から粘着剤のはみだしが観察される。
(評価:定荷重試験)
粘着フィルムから幅25mm、長さ100mmの試験片を切り出し、試験片の一方の端部から50mmの粘着剤層面をSUS板に対してローラ圧着しながら貼付し、貼付直後から24時間、23℃、50%RHの標準環境下に放置した後、SUS板を試験片が貼付された面を下側に向けて水平に配置し、試験片の他方の端部に、試験片が鉛直方向に剥離するように質量50gのおもりを取り付け、その状態を24時間維持した後、試験片がSUS板の表面から剥離される距離(剥離距離、mm)を測定した。
○:0~25mm以下、
△:25mmを超え49mm以下
×:49mm以上
Figure 0007291502000001
以上の結果より、実施例1~4の粘着フィルムは、被着体に水貼り後にも粘着剤層の露出が抑制され、外観に優れたものであった。
10 粘着フィルム、
11 ポリウレタン系基材、
12 粘着剤層、
13 剥離ライナー。

Claims (10)

  1. ポリウレタン系基材と、粘着剤組成物から形成されてなる粘着剤層と、を有する粘着フィルムであって、
    前記粘着剤組成物がアクリル系共重合体および架橋剤を含み、
    前記アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび前記架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマーを含むモノマー混合物を共重合して得られ、
    温度40℃、相対湿度80%RH環境下で1kgの荷重をかけて測定したずれ量(被着体:SUS板、貼付面積:25mm×25mm)が10mm以下であり、
    水貼りで被着体に貼付する用途である、粘着フィルム。
  2. 前記架橋剤がエポキシ系架橋剤である、請求項1に記載の粘着フィルム。
  3. 前記ポリウレタン系基材がエステル系ポリウレタンである、請求項1または2に記載の粘着フィルム。
  4. 前記ポリウレタン系基材の厚みが100μm以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
  5. 前記架橋剤と反応しうる官能基がカルボキシル基である、請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
  6. ポリウレタン系基材と、粘着剤組成物から形成されてなる粘着剤層と、を有する粘着フィルムの被着体への貼付方法であって、
    前記粘着剤組成物がアクリル系共重合体および架橋剤を含み、
    前記アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび前記架橋剤と反応しうる官能基含有ビニルモノマーを含むモノマー混合物を共重合して得られ、
    前記粘着フィルムの、温度40℃、相対湿度80%RH環境下で1kgの荷重をかけて測定したずれ量(被着体:SUS板、貼付面積:25mm×25mm)が10mm以下であり、
    前記粘着フィルムの粘着剤層面および被着体の粘着フィルム接触面の少なくとも一方に水系媒体を付与し、
    前記粘着剤層面を前記被着体上に接触させることを有する、粘着フィルムの被着体への貼付方法。
  7. 前記架橋剤がエポキシ系架橋剤である、請求項6に記載の粘着フィルムの被着体への貼付方法。
  8. 前記ポリウレタン系基材がエステル系ポリウレタンである、請求項6または7に記載の粘着フィルムの被着体への貼付方法。
  9. 前記ポリウレタン系基材の厚みが100μm以上である、請求項6~8のいずれか1項に記載の粘着フィルムの被着体への貼付方法。
  10. 前記架橋剤と反応しうる官能基がカルボキシル基である、請求項6~9のいずれか1項に記載の粘着フィルムの被着体への貼付方法。
JP2019044894A 2019-03-12 2019-03-12 粘着フィルム Active JP7291502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019044894A JP7291502B2 (ja) 2019-03-12 2019-03-12 粘着フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019044894A JP7291502B2 (ja) 2019-03-12 2019-03-12 粘着フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020147651A JP2020147651A (ja) 2020-09-17
JP7291502B2 true JP7291502B2 (ja) 2023-06-15

Family

ID=72431761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019044894A Active JP7291502B2 (ja) 2019-03-12 2019-03-12 粘着フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7291502B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015151221A1 (ja) 2014-03-31 2015-10-08 リンテック株式会社 両面粘着シート
WO2016157921A1 (ja) 2015-03-31 2016-10-06 リンテック株式会社 表面保護フィルム
JP2017155100A (ja) 2016-02-29 2017-09-07 リンテック株式会社 粘着フィルムおよびその製造方法
JP2018045213A (ja) 2016-09-16 2018-03-22 リンテック株式会社 フレキシブルディスプレイ用粘着剤、粘着シート、フレキシブル積層部材およびフレキシブルディスプレイ
JP2018115278A (ja) 2017-01-19 2018-07-26 リンテック株式会社 粘着フィルムおよび粘着フィルムの被着体への貼付方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015151221A1 (ja) 2014-03-31 2015-10-08 リンテック株式会社 両面粘着シート
WO2016157921A1 (ja) 2015-03-31 2016-10-06 リンテック株式会社 表面保護フィルム
JP2017155100A (ja) 2016-02-29 2017-09-07 リンテック株式会社 粘着フィルムおよびその製造方法
JP2018045213A (ja) 2016-09-16 2018-03-22 リンテック株式会社 フレキシブルディスプレイ用粘着剤、粘着シート、フレキシブル積層部材およびフレキシブルディスプレイ
JP2018115278A (ja) 2017-01-19 2018-07-26 リンテック株式会社 粘着フィルムおよび粘着フィルムの被着体への貼付方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020147651A (ja) 2020-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5933940B2 (ja) 積層シート、積層シートを貼り付けた部品およびその製造方法
JP4969964B2 (ja) マーキング用粘着シート
JP4761428B2 (ja) 粘着テープ類
JP5434773B2 (ja) 装飾シート用粘着剤及び装飾シート
JP2012046723A (ja) アプリケーションテープ
KR20100039274A (ko) 편광판용 점착제 및 점착제층 부착 편광판
TWI732971B (zh) 黏著劑組成物及其利用
CN101233203A (zh) 保护玻璃用粘合片类及汽车玻璃用保护膜
JP2007246589A (ja) ガラス保護用粘着シートおよび自動車ガラス用保護フィルム
WO2007099851A1 (ja) 塗膜の保護シート
EP0741005A1 (en) Composite film and use thereof
JP2012158153A (ja) ガラス用保護シート
JP4869830B2 (ja) ガラス保護用粘着シート類および自動車ガラス用保護フィルム
JP6547358B2 (ja) フィルム用粘着剤および粘着シート
JP4945150B2 (ja) 自動車用ウレタン系塗膜の保護シート
JP2007138014A (ja) 粘着シート及びそれを用いた装飾方法
KR20060041812A (ko) 감압 접착제 조성물, 및 그것을 이용한 점착 시트 및점착성 광학 부재
KR101047384B1 (ko) 드라이 라미네이트용 수성접착제 조성물 및 그것을 이용한 적층체
JP7291502B2 (ja) 粘着フィルム
JP2006259324A (ja) マーキングフィルム用基材及びそれを用いたマーキングフィルム
JP4792201B2 (ja) 粘着シート
JP2019070078A (ja) 粘着シート
JP2007100040A (ja) 粘着シート及びそれを用いた装飾方法
JP4354726B2 (ja) ポリプロピレン樹脂マーキングフィルム
KR20110120752A (ko) 용제형 점착제 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7291502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150