JP2017155100A - 粘着フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は空気や水などの抜けが良好であるとともに、透明性が良好な粘着フィルムを提供する。【解決手段】樹脂基材と、粘着剤層と、該粘着剤層に隣接して配置されてなる剥離シートと、を有し、前記粘着剤層の前記剥離シート側表面は、凹凸形状を有し、前記剥離シートの前記粘着剤層側表面は、粒子により形成される凸凹形状を有し、前記剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm以上である、粘着フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着フィルムおよびその製造方法に関する。
粘着フィルムは、基材シートと、その表面に形成された粘着剤層と、粘着剤層上に設けられる剥離シートから構成されており、使用に際しては、剥離シートを剥がし、粘着剤層を被着体に当接させて貼付する。
貼付の際には、粘着フィルムと被着体との間に空気が入らないように、被着体の貼り合わせ面や粘着フィルムの粘着剤層面に、水あるいは界面活性剤入りの水溶液等を噴霧し、双方を密着させて位置決めをした後、スキージを用いて粘着フィルム側より空気と一緒に水等を掻きだして貼り付ける、いわゆる水貼りが一般的に行われている。被着体と粘着フィルムとの間に水が介在することにより、粘着性が発揮されず、位置合わせが容易となり、水を掻き出すことにより、粘着性が発現するようになる。
水貼りの際に空気や水等が残らないように貼付するには、施行者の熟練した技術が必要とされ、また、施工面積が大きい場合や、曲面形状を有する被着体に貼付する場合には、施工時間に多大な時間を要する場合があった。また、空気や水が残存すると、貼付された粘着フィルムの外観が白濁したり、残存した水によって粘着剤層が柔らかくなり、施工時の押し痕が残ったりする場合があった。フィルムが透明である場合に、白濁や押し痕などが視認されるため、施工時の空気や水の残存は、透明性が希求されるフィルムにおいて特に深刻な問題となる。
上記のような問題点を解決するため、特許文献1では、粘着剤層およびプラスチックフィルムで構成される自動車用塗膜保護フィルムにおいて、プラスチック表面を中心線平均粗さが0.1〜100μmとなるように加工し、ロール状に搬送する際に、フィルム表面の凹凸を粘着剤層に転写して、粘着剤層の被着体貼付面に凹凸を形成することが開示されている。これにより、粘着剤層表面の適度な凹凸と車体表面との間に生じる隙間によって被膜時に空気が抜けやすくなるとしている。
また、特許文献2では、溝を有する剥離ライナー上に感圧接着剤溶液を塗布することによって凹凸を接着剤面に転写し、接着剤表面に溝を形成することで、空気や水を排出するための流路を形成することが開示されている。具体的には、エンボスロールをダイヤモンド工具で切削したり、レーザー加工を用いてエンボスロールにパターンを形成し、このエンボスロールを用いて剥離ライナーを浮きだし加工して微細構造を有する剥離ライナーを作製し、該剥離ライナー上に感圧接着剤溶液を塗布して、微細構造化表面を有する接着フィルムを形成している。
特開平7−89468号公報 特表2002−544364号公報
上記特許文献1のように基材および粘着剤の双方に凹凸を形成する方法や、特許文献2のように、エンボス加工などによって凹凸形状を有する剥離ライナーを用いて粘着剤層に凹凸を形成させる方法では、空気や水の排出性は良好であるものの、フィルム外観(透明性)が損なわれる場合があった。したがって、透明性と、空気や水などの抜け特性とを両立するフィルムが求められていた。
そこで、本発明は空気や水などの抜けが良好であるとともに、透明性が高い粘着フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、樹脂基材と、粘着剤層と、該粘着剤層に隣接して配置されてなる剥離シートと、を有し、前記粘着剤層の前記剥離シート側表面は、凹凸形状を有し、前記剥離シートの前記粘着剤層側表面は、粒子により形成される凸凹形状を有し、前記剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm以上である、粘着フィルムである。
本発明によれば、空気や水などの抜けが良好であるとともに、透明性が高い粘着フィルムを提供することができる。
図1は、本発明の粘着フィルムの一実施形態を示す断面模式図である。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性の測定等は、室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で行う。さらに、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。
本発明の第一実施形態は、樹脂基材と、粘着剤層と、該粘着剤層に隣接して配置されてなる剥離シートと、を有し、粘着剤層の剥離シート側表面は、凹凸形状を有し、剥離シートの粘着剤層側表面は、粒子により形成される凸凹形状を有し、剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm以上である、粘着フィルムである。樹脂基材、粘着剤層および剥離シートはこの順に配置される。
図1は、本発明の粘着フィルムの一実施形態を示す断面模式図である。図1において、粘着フィルム10は、樹脂基材11、粘着剤層12および剥離シート13から構成される。剥離シート13は、剥離基材14および剥離剤層15から構成される。剥離シートは、剥離基材のみから構成されていてもよいが、剥離性を向上させるために剥離剤層を含むことが好ましい。
剥離シート13は粒子を含む。本実施形態においては、剥離シート13に存在する粒子が粘着剤層12側に突出して表面に凸凹を形成している。この際、剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm以上である。被着体に貼付する際には、剥離シートは粘着フィルムから剥離されるが、粘着剤層12の剥離シート面には剥離シート表面の粒子により形成された凸凹形状が転写して形成された凹凸形状が存在する。したがって、剥離シート表面の粒子によって形成される剥離シートの凸凹部が、粘着剤層の剥離シート側表面の凹凸部となる。剥離シート表面の粒子によって形成される剥離シートの凸凹部が、粘着剤層の剥離シート側表面の凹凸部となることは、電子顕微鏡などの観察手段で、剥離シート表面の凸部(凹部)と、粘着剤層表面の凹部(凸部)とが対応していることで判別することができる。
被着体にフィルムを貼付する際に、剥離シートは剥離され、凹凸形状を有する粘着剤層面が被着体に貼付される。上記第一実施形態の粘着フィルムとすることで、水貼りで被着体にシートを貼付した際にも空気や水などの抜けが良好であるとともに、透明性が良好な粘着フィルムとなる。
本実施形態の粘着フィルムがかような効果を奏するメカニズムの詳細は不明であるが、以下のように推定される。上記特許文献1や2のようにエンボス加工などの加工により形成された凹凸形状は深さ(高さ)方向に比較的均一となるため、水および空気の排出性を向上させようとすると凹凸の深さ(高さ)をある程度大きくする必要がある。一方で、凹凸の深さ(高さ)を大きくしようとすると、凹凸が形成された粘着剤層の透明性が低下し、フィルム全体の透明性が損なわれる場合があった。
一方、本実施形態のように剥離シート中の粒子が粘着剤層側に突出していることで、該粒子形状が粘着剤層側表面に転写される。粒子形状および粒子径、さらには粒子の分散性に応じて、剥離シート表面から突出している粒子の高さや、大きさ、ばらつきを不均一となるように制御できる。これによって、粘着剤層中に存在する凹凸形状の深さ(高さ)や密度は比較的不規則なものとなる。かような凹凸形状の不規則性により、気液双方の排出性を円滑に進めることができる。さらに、凹凸形状の表面粗さを比較的小さく制御することができ、空気や水などの抜けと透明性との双方の両立を図ることができるものと考えられる。なお、本発明は上記メカニズムによって制限されるものではない。
剥離シートを剥離した粘着フィルムのJIS K7374:2007によって規定されるくし幅0.125mmの光学くしを使った透過法での像鮮明度は、85%以上(上限100%)であることが好ましく、87%以上(上限100%)であることがより好ましく、90%以上(上限100%)であることがさらに好ましい。粘着フィルムの像鮮明度がかような範囲となることで、透明性の高い粘着フィルムを得ることができ、ウインドウフィルム、ディスプレイ保護フィルム、塗膜保護フィルムなど、高い透明性が求められる用途において有利となる。くし幅0.125mmはJIS規格で最も精細なくし幅であり、本発明における上記規定はこのように精細なくし幅においても高い鮮明度が得られることを意味する。
また、剥離シートを剥離した粘着フィルムのJIS Z8741:1997に準じて測定した60度鏡面光沢度は、透明性の観点から、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、剥離シートを剥離した粘着フィルムのJIS K7136:2000に準じて測定したヘーズは、透明性の観点から、1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。
以下、粘着フィルムを構成する各構成部材について説明する。
(剥離シート)
剥離シートは、粘着剤層を保護し、粘着性の低下を防止する機能を有する部材である。そして、剥離シートは、被着体に貼付する際に粘着フィルムから剥離される。
剥離シート中の粒子の少なくとも一部は粘着剤層側に突出している。このため、剥離シートは、粒子を含有する。粒子の剥離シート内における配置形態は、粘着剤層に凹凸を転写できるように、少なくとも剥離シートの粘着剤層側表面上に存在していればいずれの形態であってもよく、剥離シート全体に粒子が存在する形態;粘着剤層側に配置される粒子を含有する層と、粘着剤層と相対する側に配置される粒子を含有しない層との積層形態(例えば、粒子含有剥離剤層+粒子不含有剥離基材層)など、いずれの形態であってもよい。
剥離シートの表面の凸凹形状が粒子により形成されてなることは、剥離シートの断面写真により、粒子上に隆起した凸部が存在することにより確認することができる。
剥離シートに含まれる粒子としては、無機粒子および有機粒子のいずれであってもよい。無機粒子としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン、セリウム、銀等の金属;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物;水酸化アルミニウム等の金属水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸化物;窒化ケイ素等の金属窒化物;マイカ、硫酸バリウム、ケイ砂、ゼオライトなどが挙げられる。
有機粒子としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアマイド、ポリエステル、ワックスなどが挙げられる。
粒子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着剤層への凹凸形状形成の観点からは、粒子としては、無機粒子であることが好ましく、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライトであることがより好ましい。
粒子の形状としては、特に限定されず、球状、略球状、扁平状、不定形状、板状、針状、柱状、角状などが挙げられ、球状、略球状、扁平状であることが好ましい。
粒子の平均粒子径は、粘着剤層への凹凸形状形成の観点から0.5μm以上であることが好ましく、0.5〜5.0μmがより好ましい。粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。また、「粒子径」とは、粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味するものとする。
剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94は、0.6μm以上である。剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm未満であると、水抜けが低下したり、残痕が発生したりするなど、水貼り特性が低下する。水貼り特性の観点からは、剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94は0.8μm以上であることが好ましい。一方、フィルムの透明性の観点からは、剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94は3.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましい。粘着剤層への転写性およびさらなる透明性の観点からは0.8〜2.0μmであることがより好ましい。本明細書において、十点平均粗さRZJIS94は、JIS B0601:1994に準じて接触式表面粗さ計(たとえば、ミツトヨ社製;サーフテストエクストリーム SV−3000 CNC)で測定した値である。
また、剥離シートの粘着剤層側表面の算術平均粗さRaは、フィルムの透明性の観点からは500nm以下であることが好ましく、粘着剤層への転写性および透明性の観点からは200〜400nmであることがより好ましい。本明細書において、算術平均粗さRaは、JIS B0601:1994に準じて光学干渉式表面粗さ計(たとえば、Veeco社製、Wyko NT1100)で測定した値である。
剥離シートの粘着剤層側の表面粗さは、粒子の形状、粒子径、粒子の配合量、および剥離剤層の膜厚などを考慮して、上記範囲となるように調整することができる。また、表面粗さを調整するために、種々の形状の粒子を組み合わせてもよい。
剥離シートの粘着剤層側の表面粗さは、粘着フィルムから剥離シートを剥離した後の剥離シートの粘着剤層面の表面粗さを測定してもよいし、製造段階で剥離シートの粘着剤層形成面の表面粗さを測定してもよい。なお、粘着フィルムから剥離シートを剥離した後の粘着剤層面の表面粗さと、製造段階で剥離シートの表面粗さとは、実質的に同一である。
剥離シートにおける粒子の含有量は、剥離シート固形分に対して、表面粗さおよび転写性の観点から、0.5〜5.0質量%であることが好ましく、1.0〜5.0質量%であることがより好ましい。
剥離シートの平均厚みは、剥離のしやすさや、加工性の観点から、25〜100μmであることが好ましい。ここで、平均厚みは、10点の厚さの平均をとった値を採用する。
剥離基材は、剥離剤層を支持する機能を有していれば特に制限されない。中でも、剥離基材は、粒子の分散性などの観点から、バインダーとして樹脂を含む樹脂フィルムであることが好ましい。剥離基材に含まれる樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネートなどが挙げられる。
剥離基材としては、市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、東レ株式会社製のルミラーX42、X43、X44;TORAY ADVANCED MATERIALS KOREA INC.製50XZ31、32;帝人デュポンフィルム株式会社製のU4などが挙げられる。
剥離剤層は、被着体にシートを貼付する際に、粘着剤層を剥離シートから容易に剥離できるように設けられる。剥離剤層に用いられうる剥離剤としては、具体的には、シリコーン系剥離剤、アルキルペンダント系剥離剤、縮合ワックス系剥離剤、フッ素系剥離剤、ゴム系剥離剤、ポリエステル系剥離剤などが挙げられる。なかでも、剥離性や剥離基材の凹凸を維持しやすいことから、シリコーン系剥離剤およびフッ素系剥離剤であることが好ましい。剥離剤層の厚みとしては、剥離シート上に粒子により形成された凸凹を維持しつつ、剥離剤としての機能を発揮させるために、50〜500nmであることがより好ましい。
剥離シートは、他の任意成分を含んでいてもよく、任意成分としては、例えば、難燃剤、帯電防止剤、レべリング剤、分散安定剤、粘度調整剤等が挙げられる。
(粘着剤層)
粘着剤層の剥離シート側表面が凹凸形状を有する。粘着剤層の剥離シート側表面が凸凹形状を有することは、剥離シートを剥離した後、粘着剤層面を観察することにより確認できる。この凹凸形状は、剥離シートの凸凹形状と対応して形成されるものである。剥離シートの粘着剤層側表面の凸凹形状と、粘着剤層の剥離シート側表面の凹凸形状とが、対応していることは、電子顕微鏡などの観察手段で、剥離シート表面の凸部(凹部)と、粘着剤層表面の凹部(凸部)とが対応していることで判別することができる。
粘着剤層に形成された凹凸形状は、剥離シート表面に突出している粒子によって形成されるため、高さ方向の凹凸形状は比較的不規則である。このため、空気および水の双方の排出性が円滑に進むため、特段表面粗さを大きくすることなく、空気や水などの抜けと透明性との双方の両立を図ることができるものと考えられる。また、粘着剤層に形成された凹凸形状は、剥離シート表面に突出している粒子によって形成されるため、凹凸形状は、粒子凸部と対応し、粒子形状にも依存するが、通常は、凹凸形状は、エンボス加工のような直方体状の溝ではなく、クレーター状の窪みとなる。
粘着剤層の剥離シート側表面の十点平均粗さRZJIS94は、剥離シートの表面粗さと同様に、水貼り特性の観点から、0.6μm以上であることが好ましく、0.8μm以上であることがより好ましい。一方、剥離シートの表面粗さと同様に、フィルムの透明性の観点から、3.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましい。水貼り特性およびさらなる透明性の観点からは0.8〜2.0μmであることがより好ましい。また、粘着剤層の剥離シート側表面の算術平均粗さRaは、剥離シートの表面粗さと同様に、フィルムの透明性の観点からは500nm以下であることが好ましく、水貼り特性およびさらなる透明性の観点からは200〜400nmであることがより好ましい。
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などを用いることができる。上記粘着剤は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
粘着剤としては、接着の信頼性の観点から、特にアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤を構成するアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより形成される。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能なアクリル共重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、アクリル酸2−(n−プロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)プロピルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体またはその無水物;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリルイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体;トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能基の共重合単量体(多官能基モノマー)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着剤は、アクリル系ポリマーの他、架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。架橋剤の添加量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.005〜0.5質量部であることがより好ましい。
粘着剤層には、必要に応じ、着色剤、充填剤、帯電防止剤、タッキファイヤー、濡れ剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等を適宜添加することができる。
粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、粘着性および薄膜化の観点から、10〜100μmの範囲が好ましい。
(樹脂基材)
樹脂基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、アクリルウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ABS樹脂、アイオノマー樹脂、各種熱可塑性エラストマーなどから選ばれる少なくとも一種の樹脂からなるフィルム、またはそれらから選ばれる単一種又は複数種の積層フィルム等を使用することができる。
本発明においては、曲面形状を有する被着体に貼付した場合であっても、水貼り特性が良好で、透明な外観も維持されるといった観点からは、樹脂基材としては、曲面形状への追従性が高いポリウレタンを用いることが好ましい。
ポリウレタンは、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂などを用いることができる。破断伸度が大きいことから、ジイソシアネート、鎖延長剤である分子量500以下の低分子量ジオール及び分子量500〜4000の高分子量ジオールを重合することで得られる熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
樹脂基材は、延伸フィルムであってもよいし、無延伸フィルムであってもよく、工程材料を用いてキャスティング法等で形成したものであってもよい。
樹脂基材は、被着体を視認することが透明であることが好ましい。ここで透明とは、可視光領域における透過率が80%以上であることをいい、90%以上であることが好ましい。ここで、樹脂基材の透過率は、JIS K7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
上記樹脂基材の片面または両面には、隣接層の密着性向上を目的としてプライマー処理、酸化法、凹凸化法などによる表面処理を施すことができる。上記プライマー処理に使用し得る液剤としては、特に制限はされず、例えばアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、シリコーン系、ゴム系などの従来公知のものを用いることができる。一方、上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、樹脂基材の種類に応じて適宜選ばれる。
樹脂基材には、必要に応じて、安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、加工助剤、軟化剤、金属粉、防曇剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難撚剤等を適宜に含有していてもよい。安定剤としては、例えば、Ba−Zn系、Cd−Ba系、Sn系等のものが用いられ、或いはこれらがエポキシ化大豆油、エポキシ樹脂等と併用されていてもよい。また、軟化剤としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体やエチレン/酢酸ビニル/一酸化炭素共重合体等が用いられていてもよい。
樹脂基材の厚さは、用途によって適宜設定すればよいが、一例を挙げれば、上記ポリウレタン基材の場合、20〜500μm程度であることが好ましい。
樹脂基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、押出成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等、公知の方法で製造することができる。また、未延伸の樹脂基材から、一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法を用いて、延伸フィルムを作製することもできる。
(その他の層)
粘着フィルムは用いられる用途によって他の層が積層されていてもよい。
その他の層としては各種機能層が挙げられる。機能層としては、表面保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、赤外線吸収層、赤外線反射層、および紫外線反射層などが挙げられる。
(粘着フィルムの製造方法)
本発明の他の実施形態は、樹脂基材と、粘着剤層と、該粘着剤層に隣接して配置されてなる剥離シートと、を有する粘着フィルムの製造方法であって、粒子により形成される凸凹形状を有する剥離シート上に、該凸凹形状を転写させることによって、表面に凹凸形状を有する粘着剤層を形成する工程を含み、剥離シートの粘着剤層側形成面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm以上である、粘着フィルムの製造方法である。かような製造方法によれば、剥離シート表面上の凸凹を容易に粘着剤層側に転写することができ、所望の表面粗さを有する粘着剤層の凹凸形状が容易に形成できるため好ましい。
剥離シートは表面に粒子が突出しているが、この際、剥離シートの、粘着剤層形成面の十点平均粗さRZJIS94は、0.6μm以上である。剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm未満であると、水抜けが低下したり、残痕が発生したりするなど、水貼り特性が低下する。水貼り特性の観点からは、剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94は0.8μm以上であることが好ましい。一方、フィルムの透明性の観点からは、剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94は3.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以下であることがより好ましい。粘着剤層への転写性およびさらなる透明性の観点からは0.8〜2.0μmであることがより好ましい。また、剥離シートの粘着剤層形成面の算術平均粗さRaは、フィルムの透明性の観点からは500nm以下であることが好ましく、粘着剤層への転写性および透明性の観点からは200〜400nmであることがより好ましい。剥離シートの表面粗さは、粒子の形状、粒子径、粒子の配合量、および剥離剤層の膜厚などを考慮して、上記範囲となるように調整することができる。また、表面粗さを調整するために、種々の形状の粒子を組み合わせてもよい。
剥離シートの製造方法としては、特に限定されるものではないが、粒子が全体に分散されている剥離基材上に剥離剤を塗布する方法などが挙げられる。かような剥離基材は、バインダー樹脂および粒子の混合物をシート状に成形することによって製造することができる。また、上述したように、剥離基材としては市販品を用いてもよい。さらに、剥離シートの製造方法としては、樹脂剥離基材にシリカ、チタニアなどの無機粒子を用いて吹き付けによって剥離シート表面を粗面化処理してもよい。無機粒子の吹き付けは、圧縮空気を利用して行うことができる。この方法では、無機粒子の粒子径や吹き付け量を適宜調整することにより、所望のRZJIS94値が得られる。粒子を分散させるバインダーとして、剥離シート、特に剥離基材が樹脂を含むことが好ましい。
剥離剤を塗布する方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。
剥離剤を塗布した後は、通常乾燥処理を行う。この際の乾燥条件としては特に限定されず、通常60〜150℃にて1〜60秒の条件で行われる。
剥離シート上への粘着剤層の形成方法は特に限定されないが、例えば、粘着剤を剥離シート上に塗布する方法が挙げられる。剥離シート上に粘着剤を塗布、乾燥して粘着剤層を形成することで、剥離シート上の粒子による凸凹形状が効率的に粘着剤層に転写され、凹凸を有する粘着剤層を形成させることができる。
粘着剤の塗布方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。粘着剤の塗布量としては、固形分重量で、通常10〜100g/m、好ましくは20〜60g/mである。粘着剤を基材上に塗布後、乾燥処理を行うことによって、粘着剤層が形成される。この際の乾燥条件としては特に限定されず、通常60〜150℃にて10〜60秒の条件で行われる。
また、粘着フィルムは、上記実施形態で製造される形態に限定されず、樹脂基材上に粘着剤層を形成した後、剥離シートを貼り合わせて製造してもよい。この際、剥離シート表面上の凸凹を粘着剤層表面に転写させるために、プレスする方法や加熱されたロールに剥離シートおよび粘着剤層を沿わせて、対向するロールとの間で加圧する方法などを行ってもよい。
(用途および使用方法)
本発明の粘着フィルムは、水貼りにより被着体に貼付する用途に用いると、空気抜けおよび水抜けが良好であるため、好ましく、また、透明性も高いことから、フィルムに透明性が希求される用途で用いることが好ましい。かような用途としては、遮熱フィルム、飛散防止フィルム、UV遮蔽フィルムなどの各種ウインドウフィルム、車両などの塗膜面や液晶面を保護する各種保護フィルム、光沢性を付与するためのクリアフィルム、ラミネートフィルムなどが挙げられる。
被着体としては金属、ガラス、プラスチックなどの各種の被着体が挙げられる。金属としては、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、クロムやその合金などが挙げられる。また、表面に金属メッキ層を有する複合材料にも適用でき、その場合のメッキの下地材は、メッキが可能な限り、特に限定されず、金属、ガラス、プラスチックなどの各種の材質であってもよい。ガラスとしては、アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラスなどが挙げられる。プラスチックとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体などのポリアミド系樹脂;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル系樹脂;ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリメタクリレート系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチルなどのポリニトリル系樹脂;酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体などのポリビニル系樹脂;などが挙げられる。
第一実施形態の粘着フィルムは、剥離シートを剥離した後、粘着剤層を被着体に接触させて貼付することが好ましい。この際、本発明の効果がより発揮されることから、いわゆる水貼りを用いることが好ましい。また、第一実施形態の粘着フィルムは、空気や水の排出性が非常に良好であることから、曲面形状を有する被着体に用いると、本発明の効果がより発揮されやすいため、好ましい。かような被着体としては、曲面形状の窓、移動体(特に車両)の塗装面などが挙げられる。移動体としては、特に限定されるものではないが、例えば、車両、航空機、船舶、ブルドーザ、ショベルカー、トラッククレーン、フォークリフト等の移動体が挙げられる。車両としては、ガソリンやバイオエタノール等を燃料とする自動車、二次電池や燃料電池を利用した電気自動車、ハイブリッド自動車等の四輪自動車(乗用車、トラック、バス等);二輪のバイク、自転車;鉄道車両(電車、ハイブリッド電車、機関車等)などが挙げられる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
(実施例1)
(剥離シート)
剥離基材として、東レ株式会社製のルミラー(登録商標)X44(粒子含有二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み50μm)を用い、該剥離基材上にシリコーン系剥離剤を乾燥後膜厚が200nmとなるようにグラビアコーターにより塗布し、90℃で30秒乾燥させて、片面のRZJIS94が1.0μmの剥離シートを得た。
(粘着剤層)
還流器および攪拌機を備えたフラスコに、アクリル酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部、過酸化物系開始剤およびトルエン(溶剤)を混合し、窒素置換を行いながら加温し、重合を行って、アクリル系ポリマーを得た(重量平均分子量Mw=500,000)。
上記アクリル系ポリマー固形分100質量部、およびエポキシ系架橋剤(商品名:TETRAD−X、三菱ガス化学社製)0.01質量部を混合して粘着剤組成物を得た。
粘着剤組成物を剥離シートのRZJIS94が1.0μmである表面にナイフコーターを用いて乾燥後膜厚が40μmとなるように塗工し、100℃で1分乾燥させた。
(樹脂基材)
厚さ150μmの透明ポリウレタン樹脂フィルム(ラツクスキンF9700ES−150C、セイコー化成社製)を樹脂基材として用いた。樹脂基材に粘着剤層を貼付して粘着フィルムを作製した。
(実施例2)
剥離基材として、東レ株式会社製のルミラー(登録商標)X42(粒子含有二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み50μm)を用い、該剥離基材上にシリコーン系剥離剤を乾燥後膜厚が200nmとなるようにグラビアコーターにより塗布し、90℃で30秒乾燥させて、片面のRZJIS94が1.9μmの剥離シートを得たこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
(実施例3)
剥離基材として、TORAY ADVANCED MATERIALS KOREA INC.製50XZ32(粒子含有二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み50μm)を用い、シリコーン系剥離剤を乾燥後膜厚が200nmとなるようにグラビアコーターにより塗布し、90℃で30秒乾燥させて、片面のRZJIS94が2.7μmの剥離シートを得たこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
(比較例1)
剥離基材として、三菱樹脂社製ダイアホイル(登録商標)T−100(二軸延伸ポリエステルフィルム、厚み50μm)を用い、シリコーン系剥離剤を乾燥後膜厚が200nmとなるようにグラビアコーターにより塗布し、90℃で30秒乾燥させて、片面のRZJIS94が0.59μmの剥離シートを得たこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
(評価方法)
1.水貼り特性
剥離シートを剥離した25mm×300mmの粘着フィルムの粘着剤層および被着体(厚み3mmのガラス板)の片面に、0.1質量%の界面活性剤〔ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩〕水溶液を噴き付けた後、粘着フィルムを被着体に貼付し、スキージーで粘着剤層と被着体の界面に存在する水を掻き出して試験サンプルとした。
水抜けについては、残留した水を外観で目視し、水が全く残っていない場合を◎、水がごくわずか残存するが、実質的に問題ない場合を○、水が少量残存する場合を×とした。
また、残痕については、外観の変化がない場合には○、若干の残痕がある場合には×とした。
2.像鮮明度
実施例および比較例で得た粘着フィルムから剥離シートを剥離し、剥離後ガラス面に貼付し、24時間後、粘着剤層の粘着面側における、0.125mmのくし幅の光学くしによる像鮮明度を測定した。
ここで、像鮮明度は、試験体を透過した平行光線の光量を、透過部および遮光部を有する光学くしを通して測定されるものである。光学くしにおける透過部と遮光部との幅(櫛幅)が小さいほど、精細度の高い像の像鮮明度を表す。像鮮明度は、JIS K7374:2007の透過法に準じて測定され、本明細書では、写像性測定器(試験例ではスガ試験機社製のICM−1DP)を用いて測定した値とする。
3.60度鏡面光沢度
実施例および比較例で得た粘着フィルムから剥離シートを剥離し、剥離後、黒塗装板に貼付し、24時間後、JIS Z 8741:1997に準拠し、光沢度計(日本電色工業社製Gloss Meter VG7000)で粘着剤層表面の60度鏡面光沢度を測定した。
4.ヘーズ
実施例および比較例で得た粘着フィルムから剥離シートを剥離し、剥離後ガラス面に貼付し、24時間後、ヘーズメーター(日本電色工業社製,NDH2000)を用いて、JIS K7136:2000に準じてヘーズ(%)を測定した。
結果を下記表に示す。
以上により、実施例1〜3の粘着フィルムは、比較例1と同等の透明性の高いフィルムであり、かつ比較例1の粘着フィルムと比較して、水貼り特性に顕著に優れるフィルムであることがわかる。
10 粘着フィルム、
11 樹脂基材、
12 粘着剤層、
13 剥離シート。

Claims (8)

  1. 樹脂基材と、粘着剤層と、該粘着剤層に隣接して配置されてなる剥離シートと、を有し、
    前記粘着剤層の前記剥離シート側表面は、凹凸形状を有し、
    前記剥離シートの前記粘着剤層側表面は、粒子により形成される凸凹形状を有し、
    前記剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm以上である、粘着フィルム。
  2. 前記粒子によって形成される剥離シートの凸凹部が、前記粘着剤層の剥離シート側表面の凹凸部となる、請求項1に記載の粘着フィルム。
  3. 前記剥離シートの粘着剤層側表面の十点平均粗さRZJIS94が2.0μm以下である、請求項1または2に記載の粘着フィルム。
  4. 前記剥離シートを剥離した粘着フィルムのJIS K7374:2007によって規定されるくし幅0.125mmの光学くしを使った透過法での像鮮明度が、87%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
  5. 前記剥離シートが剥離基材を有し、該剥離基材が樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
  6. 樹脂基材と、粘着剤層と、該粘着剤層に隣接して配置されてなる剥離シートと、を有する粘着フィルムの製造方法であって、
    粒子により形成される凸凹形状を有する剥離シート上に、該凸凹形状を転写させることによって、表面に凹凸形状を有する粘着剤層を形成する工程を含み、前記剥離シートの粘着剤層側形成面の十点平均粗さRZJIS94が0.6μm以上である、粘着フィルムの製造方法。
  7. 前記剥離シートの、粘着剤層形成面の十点平均粗さRZJIS94が2.0μm以下である、請求項6に記載の粘着フィルムの製造方法。
  8. 前記剥離シートが樹脂を含む、請求項6または7に記載の粘着フィルムの製造方法。
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