JPH11199730A - 非移行性軟質塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

非移行性軟質塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH11199730A
JPH11199730A JP79898A JP79898A JPH11199730A JP H11199730 A JPH11199730 A JP H11199730A JP 79898 A JP79898 A JP 79898A JP 79898 A JP79898 A JP 79898A JP H11199730 A JPH11199730 A JP H11199730A
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JP
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plasticizer
vinyl chloride
resin
chloride resin
weight
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JP79898A
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Masayuki Honda
雅之 本多
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 成形上の問題点を解決するとともに、PS樹
脂、ABS樹脂、PC樹脂、PE樹脂、PP樹脂、AS
樹脂、PU樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂など
の種々の樹脂への可塑剤の非移行性に優れた軟質塩化ビ
ニル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、ポ
リエステル系可塑剤75〜98重量%及びトリメリト酸
トリエステル2〜25重量%からなる可塑剤50〜13
0重量部と、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛から選
ばれる少なくとも一種の滑剤とを含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可塑剤の移行によ
る接触部材や塗膜の劣化を防止することができ、また加
工性、特には押出機でのエアーの巻き込み防止性に優れ
た多種類の樹脂部材として有用な非移行性軟質塩化ビニ
ル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】軟質塩化ビニル系樹脂からなる部材は、
車装、建材、電線の各分野で、接続、複合化、装飾など
を目的とし、通常、他の樹脂と接触して使用される。例
えば、インターフェイス用ケーブルシール部材の場合、
PS(ポリスチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、AS(アクリ
ロニトリル・スチレン共重合体)樹脂などのハウジング
に、使用中に接触したり、ケーブルコネクターがPC
(ポリカーボネート)樹脂製であったり、PE(ポリエ
チレン)樹脂被覆線を直接被覆して用いられる。このた
め、軟質塩化ビニル系樹脂からなる部材は、異種樹脂に
対して可塑剤の非移行性が求められる。また、自動車や
建材分野で使用されるパッキンも同様に、ABS樹脂、
AS樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、PU(ポリウ
レタン)樹脂、アクリル樹脂などの部材や、ポリエステ
ル系、ポリウレタン系、アクリル系樹脂による印刷や塗
装が施された面への浸透劣化防止が求められている。従
来、非移行性の要求される用途の場合、ポリエステル系
可塑剤が通常単独で使用されている。中でも2,2−ジ
メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール
などの分岐グリコールと、2−エチルヘキサノール、イ
ソノリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアル
コール、ラウリン酸などのC8 (炭素数8)以上の末端
停止成分と、アジピン酸とのポリエステルで、分子量1
000〜3000のポリエステル系可塑剤が、比較的多
数の樹脂に対し、非移行性を示すため、広く使用されて
いる。特に分子量や粘度が高い、分子量1500〜30
00、粘度(25℃)2500〜7000cpsのポリ
エステル系可塑剤を使用すると、PS樹脂、ABS樹
脂、PC樹脂、PE樹脂、PP樹脂に対して非移行性に
することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな上記ポリエステル系可塑剤を単独で用いた場合、A
S樹脂、アクリルニトリル成分の多いABS樹脂、PU
樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系塗膜、ポリウレタ
ン系塗膜、アクリル系塗膜に対する移行性を防止するこ
とができず、用途が限定されるので、他の樹脂との接触
面間に非移行性のPE樹脂部材やアルミなどの金属部材
を挿入するなどの接触対策が必要であった。また、非移
行性を目的に使用されるポリエステル系可塑剤は、前記
のように粘度が高く、しかも粘着性があるため、塩化ビ
ニル系樹脂への相溶性や吸収性が悪く、造粒時や製品成
形時に、押出機内で表面に分離しやすく、粘着性と相ま
って脱気を阻害したり、空気を巻き込んだりして、製品
が発泡するという欠点があり、このような製品は、外観
不良、引張強度や引裂強度の低下を引き起こすという不
都合があった。
【0004】本発明は、上記従来の成形上の問題点を解
決するとともに、PS樹脂、ABS樹脂、PC樹脂、P
E樹脂、PP樹脂、AS樹脂、PU樹脂、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂などの種々の樹脂への可塑剤の非
移行性に優れた軟質塩化ビニル系樹脂組成物を提供する
ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル
系可塑剤にトリメリト酸トリエステルを特定量併用した
可塑剤を採用することによって、ポリエステル系可塑剤
単独では不可能であったAS樹脂、ABS樹脂、PU樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂への非移行性が付
与されることを知見するとともに、ステアリン酸および
/またはステアリン酸亜鉛を特定量添加することによっ
て、ポリエステル系可塑剤を使用した軟質塩化ビニル系
樹脂組成物の欠点である成形時の粘着発泡を防止できる
ことを見いだし、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対し、ポリエステル系可塑剤75〜98重
量%及びトリメリト酸トリエステル2〜25重量%から
なる可塑剤50〜130重量部と、ステアリン酸及びス
テアリン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種の滑剤とを
含有してなる非移行性軟質塩化ビニル系樹脂組成物であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の非移行性軟質塩化
ビニル系樹脂組成物について詳細に説明する。本発明に
用いられる塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビ
ニル単独重合体、50重量%以上の塩化ビニル単量体
と、これと共重合可能なビニル系単量体との共重合体、
またはこれら以外の重合体に塩化ビニルをグラフト重合
させたグラフト共重合体などが例示されるが、これらの
内では塩化ビニル単独重合体が好ましい。
【0008】本発明に用いられる可塑剤は、ポリエステ
ル系可塑剤とトリメリト酸トリエステルとから構成され
ている。上記ポリエステル系可塑剤は、通常用いられて
いるものであれば特に制限はないが、例えば、これに用
いられる多価アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖グリコール、
1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ
ール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ
ールなどの分枝グリコールなどが挙げられる。また、そ
の他として小割合のグリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなど
の多価アルコールを用いることもできる。
【0009】また、多塩基酸成分としては、例えば、ア
ジピン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、セバシン
酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族
二塩基酸を主成分とするものであり、この他に、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリト酸などの
芳香族多塩基酸、あるいはブタントリカルボン酸、トリ
カルバリル酸、クエン酸などの脂肪族多塩基酸を用いる
こともできる。その他、さらに上記多塩基酸成分および
/または上記多価アルコール成分の一部を、1,2−ヒ
ドロキシステアリン酸、カプロラクトンなどに置き換え
ることができる。
【0010】これら例示したポリエステル系可塑剤の中
でも、特に25℃における粘度が2500〜7000c
psの範囲内のものが好ましく採用される。この粘度が
2500cps未満であると十分な非移行性が得られ
ず、逆に7000cpsを超えると塩化ビニル系樹脂へ
の相溶性が悪く、発泡やベタ付きやゲル化不良およびブ
リードなどの問題が生じる。
【0011】また、トリメリト酸トリエステルは、例え
ば、トリメリト酸と反応するアルコール成分として、n
−ヘキシルアルコール、イソヘキシルアルコール、n−
オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、
イソノニルアルコール、イソデシルアルコールなどのC
5 〜C11のアルコール及びこれらの混合物などが挙げら
れる。具体的なトリメリテート類としては、トリ−n−
オクチルトリメリテート、トリ−2−エチルヘキシルト
リメリテート、トリデシルトリメリテート及びこれらの
混合物などが例示される。
【0012】本発明に用いられる上記可塑剤は、前記ポ
リエステル系可塑剤75〜98重量%及び前記トリメリ
ト酸トリエステル2〜25重量%の配合割合で構成され
ている。このトリメリト酸トリエステルが2重量%未満
ではAS樹脂、ABS樹脂、PU樹脂、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂への非移行性が付与できず、しかもポ
リエステル系可塑剤の粘着性を防止できず、逆にトリメ
リト酸トリエステルが25重量%を超えるとPS樹脂へ
の非移行性が付与できない。
【0013】このような上記可塑剤は、塩化ビニル系樹
脂100重量部に対し、50〜130重量部、好ましく
は80〜110重量部の範囲で添加される。この添加量
が50重量部未満では、柔軟性が乏しく、パッキン部材
としての変形追従性や被覆部材としての伸び特性が不十
分であり、逆に130重量部を超えると発泡、ベタ付
き、ゲル化不良やブリードが発生するので好ましくな
い。
【0014】本発明において、ポリエステル系可塑剤に
トリメリト酸トリエステルを特定量配合した可塑剤を併
用することが発泡対策として有効であるが、十分な効果
を得るためには、さらにステアリン酸及びステアリン酸
亜鉛から選ばれる少なくとも一種の滑剤を添加すること
が重要である。この添加量は、特に制限はないが、好ま
しくは塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.05
〜2.0重量部の範囲内で添加される。この範囲が0.
05重量部未満では、粘着発泡を防止しにくく、逆に
2.0重量部を超えるとブルームやプレートアウトが発
生しやすくなる。
【0015】本発明の非移行性軟質塩化ビニル系樹脂組
成物は、上記各成分に加えて、さらに必要に応じて、塩
化ビニル系樹脂に一般に使用される安定剤、充填剤、着
色剤、加工助剤、改質剤、難燃剤などの各種添加剤を、
本発明の目的を損なわない範囲で添加・配合し、ヘンシ
ェルミキサーなどの混合機を用いて、混合することによ
って所望の組成物とすることができる。
【0016】本発明は、ポリエステル系可塑剤単独配合
の塩化ビニル系樹脂組成物に比べて、対象となる非移行
性樹脂が広く、その移行性制御力も高く、またポリエス
テル系可塑剤とトリメリト酸トリエステルの粘度差が大
きいほど抑制効果は高くなる。粘度差やぬれ性差がトリ
メリト酸トリエステルの迅速な材料表面移動性やその局
在性を発現し、トリメリト酸トリエステルが侵食しない
樹脂を非移行性の対象に加えることができ、かつ高分子
量のポリエステル系可塑剤にバルキーなトリメリト酸ト
リエステルが絡まり合ってしまい、トリメリト酸トリエ
ステル単独では侵食する樹脂に対しても非移行性が維持
される。
【0017】押出機や射出成形機のバレル、スクリュー
でも同様の現象が起こり、ポリエステル系可塑剤特有の
粘着性を抑制している。例えばポリエステル系可塑剤5
0重量%及びトリメリト酸トリエステル50重量%から
なる可塑剤を90重量部添加したものは、ステアリン酸
やステアリン酸亜鉛が0.05重量部に満たなくとも十
分発泡を抑制できる。言い換えれば、トリメリト酸トリ
エステル2〜25重量%を併用することによって、滑剤
をブルームやプレートアウトの弊害を出さない少量添加
で、高速押出や射出成形のハイサイクル化が可能とな
る。使用する滑剤は、ステアリン酸やステアリン酸金属
塩の中でステアリン酸亜鉛が最も効果的であり、ポリエ
チレンワックス、鉱油系合成ワックス、アクリル系外部
滑剤にはほとんど効果が認められず、高分子複合エステ
ルでは2重量%でも発泡に対して不十分であり、ブルー
ムや印刷不良といった弊害も発生した。このように両可
塑剤の相乗効果及びステアリン酸やステアリン酸亜鉛を
添加することにより、移行性及び加工性が大きく改善さ
れる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例及び比較
例により説明する。なお、実施例及び比較例に使用する
ポリエステル系可塑剤とトリメリト酸トリエステル(以
下、各表中の記載をTETMと略称する)は、[表1]
に示すとおりである。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例1〜11)実施例1〜11は、粘
度2500〜7000cpsのポリエステル系可塑剤と
トリメリト酸トリエステルを併用した例である。[表
2]に示すような基本配合と、ステアリン酸0.8重量
部及びステアリン酸亜鉛0.2重量部を共通とし、[表
3]に示すポリエステル系可塑剤及びトリメリト酸トリ
エステルを変更させ、また変量させた処方の各成分(重
量部)を、容量150リットルのヘンシェルミキサーに
投入し、130℃まで昇温しながら撹拌し、50℃以下
まで冷却して配合物を得た。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】次いでこの配合物をダイス及びバレルを1
50〜155℃に設定したφ45mmコニカル二軸押出
機に供給し、溶融混練し、ホットカットによりカッティ
ングして造粒(ペレット)し、直ちにアルミ袋に梱包し
た。発泡要因になりうる吸湿の影響を除外するために、
ペレットは、予じめ窒素で置換したアルミ袋に入れ、湿
気が入らないよう溶着によって封をした。次にダブルフ
ライト型スクリューのφ30mm単軸押出機にクロスヘ
ッドダイスを設置し、得られたペレットを投入し、外形
φ12mm、肉厚1mmの筒状に押し出した。この筒状
成形体の発泡状況や各種樹脂への移行性評価試験の詳細
を下記の基準によって評価した。
【0024】[発泡]φ30mm単軸押出機やクロスヘ
ッドダイスの温度条件を[表4]に示す条件1〜3で成
形し、筒状成形体の任意の場所の断面を10箇所カット
し、発泡の有無を拡大鏡(8倍)で確認する。空孔が1
0箇所当たり5個未満の場合、発泡しないと判定する。
条件1→条件2→条件3の順に、シリンダー温度が高
く、材料の粘着性が現れやすい厳しい条件になる。な
お、押出機及びダイスの温調は、シリンダー部4点(C
1 ,C2 ,C3 ,C4 )、押出機先端部(H)とダイス
への接続部(N)を共用温調1点、ダイス1点の計6点
で行った。条件1〜3を[表4]に示す。条件1で発泡
するものを×、条件1では発泡しないが条件2で発泡す
るものを△、以下同様に条件2をクリヤーするものを
○、条件3をもクリヤーするものを◎として評価した。
【0025】
【表4】
【0026】[移行性]各種樹脂の平板2枚に筒状成形
体を挟み、[表5]に示す雰囲気下及び荷重条件で放置
後、樹脂平板への移行痕跡を観察した。痕跡がないもの
や、エタノールを含浸したガーゼで拭いて痕跡が消える
ものは、移行しないと判定した。条件a→条件b→条件
cの順で、厳しい条件になっている。条件aで移行する
ものを×、条件aでは移行しないが条件bで移行するも
のを△、以下同様に条件bをクリヤーするものを○、条
件cをもクリヤーするものを◎として評価した。なお、
使用した各種樹脂を[表6]に示す。以上の結果から明
らかなように、実施例1〜11を評価すると、不足な点
(×)はなかった。
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】(実施例12〜24、比較例1〜11)実
施例12〜24は、粘度2500〜7000cpsのポ
リエステル系可塑剤とトリメリト酸トリエステルを併用
し、これら2種可塑剤の合計が50〜130重量部で、
その併用比率を75〜98重量%:2〜25重量%の範
囲内の例である。比較例1〜8は、トリメリト酸トリエ
ステルの併用比率を2重量%未満あるいは25重量%を
超えた場合の例である。比較例9〜11は、2種可塑剤
の合計が50〜130重量部の範囲外の場合である。ペ
レットの成形方法及びその評価方法は、前記実施例1〜
11と同様に実施し、その結果を[表7]及び[表8]
に示した。比較例1〜11が評価項目のいずれかに×が
発生するか、あるいはペレットの成形不良を起こすのに
対して、実施例12〜24に不足な点(×)はなかっ
た。
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】(実施例25〜35、比較例12〜21)
実施例25〜35は、移行性に不足な点を示さないポリ
エステル系可塑剤とトリメリト酸トリエステルを併用し
た配合系に、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛から選
ばれる少なくとも一種の滑剤を0.05〜1.5重量部
添加した例である。比較例12は、ステアリン酸及びス
テアリン酸亜鉛を添加しない例、比較例13〜21はス
テアリン酸及びステアリン酸亜鉛を添加せず、他の滑剤
を添加した例である。なお、比較例13〜21に使用し
た滑剤は、[表9]に示すとおりである。
【0033】
【表9】
【0034】[表2]に示す基本配合に、[表10]及
び[表11]に示すポリエステル系可塑剤、トリメリト
酸トリエステル及び滑剤を添加し、これまで説明してき
た実施例や比較例と同一方法で、ペレットを成形し、こ
れより筒状成形体を成形した。前記発泡評価に加え、筒
状成形中のプレートアウトとブルーム試験を実施した。
【0035】
【表10】
【0036】
【表11】
【0037】その評価方法は、次のとおりである。 [プレートアウト]φ30mm単軸押出機による筒状成
形の際、発生するプレートアウトを目視で観察する。プ
レートアウトは、筒状成形体表面に白色のスラリー状物
質の模様として現れたり、筒状成形体表面に液状物が付
着する現象が発生する。ここでは、基本配合を黒色の艶
消しとしているため、プレートアウトを目視で観察しや
すい状況にある。プレートアウトも発泡同様成形温度が
高いほど発生しやすい。上記発泡評価のための押出条件
1〜3で同時に評価し、プレートアウトの評価は[表1
2]に示すとおりである。
【0038】
【表12】
【0039】[ブルーム試験]筒状成形体を15℃恒温
槽に放置して、ブルーム物の有無を確認し[表13]に
従って、優劣を評価した。
【0040】
【表13】
【0041】実施例25〜35、比較例12〜21の発
泡、プレートアウト及びブルームを評価すると、比較例
12〜21がいずれかに×が発生するのに対して、実施
例25〜35に不足な点(×)はなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、PS樹脂、ABS樹
脂、PC樹脂、PE樹脂、PP樹脂、AS樹脂、PU樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などの種々の樹脂
への可塑剤の非移行性に優れ、しかもプレートアウト及
びブルームの発生のない良好な製品を得ることができる
実用上極めて望ましい非移行性軟質塩化ビニル系樹脂組
成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:09 5:12)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    ポリエステル系可塑剤75〜98重量%及びトリメリト
    酸トリエステル2〜25重量%からなる可塑剤50〜1
    30重量部と、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛から
    選ばれる少なくとも一種の滑剤とを含有してなることを
    特徴とする非移行性軟質塩化ビニル系樹脂組成物。
JP79898A 1998-01-06 1998-01-06 非移行性軟質塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH11199730A (ja)

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