JPH11199384A - シリコン単結晶の成長方法 - Google Patents

シリコン単結晶の成長方法

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JPH11199384A
JPH11199384A JP36829197A JP36829197A JPH11199384A JP H11199384 A JPH11199384 A JP H11199384A JP 36829197 A JP36829197 A JP 36829197A JP 36829197 A JP36829197 A JP 36829197A JP H11199384 A JPH11199384 A JP H11199384A
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crystal
diameter
single crystal
silicon single
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JP36829197A
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Akio Maeda
秋穂 前田
Nobuaki Mitamura
伸晃 三田村
Yukinobu Takeyasu
志信 竹安
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 絞り部の直径を太くし、強度を向上させるの
に、厄介な種結晶の特殊形状への加工をする必要がな
く、しかも簡単かつ短時間で確実にスリップ転位を消滅
させることができ、大直径で長尺な高重量のシリコン単
結晶を、極めて簡単に引上げることができる、シリコン
単結晶の成長方法を提供する。 【解決手段】 結晶方位が<100>または<111>
の種結晶をシリコン融液に接触させた後、種絞りを行っ
て無転位化し、次いで所望直径まで太らせて前記結晶方
位のシリコン単結晶棒を成長させるチョクラルスキー法
によるシリコン単結晶の成長方法において、前記種絞り
を、絞り部、拡径部を交互に形成するようにし、あるい
は少なくとも種結晶の2倍以上の太さの拡径部を形成す
るようにし、絞り部の最小径を5mm以上として種絞り
を行うことを特徴とするシリコン単結晶の成長方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(Czochralski Method=CZ法)によるシリコン単結
晶の成長方法において、種絞りの直径を太くして高重量
結晶を引き上げることが出来る種絞り(ネッキング)の
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チョクラルスキー法によるシリコ
ン単結晶の製造においては、単結晶シリコンを種結晶と
して用い、これをシリコン融液に接触させた後、回転さ
せながらゆっくりと引き上げることで単結晶棒を成長さ
せる。この際、種結晶をシリコン融液に接触させる時
に、熱衝撃により種結晶に高密度で発生するスリップ転
位を消滅させるためにいわゆる種絞り(ネッキング)を
行い、次いで、所望の直径になるまで結晶を太らせて、
シリコン単結晶を引き上げている。このような、種絞り
はDash Necking法として広く知られてお
り、チョクラルスキー法でシリコン単結晶棒を引き上げ
る場合の常識とされている。
【0003】このDash Necking法は、種結
晶をシリコン融液に接触させた後に、一旦直径を3mm
程度にまで細くする絞り部を形成し、種結晶に導入され
たスリップ転位から伝播する転位を消滅させ、無転位の
単結晶を得るものである。
【0004】しかし、このような方法では、ネッキング
条件を種々選択しても、無転位化するためには最低直径
3〜4mmまでは絞り込み、15cm程度以上の長さは
絞り部を形成する必要があり、近年のシリコン単結晶径
の増大にともない高重量化した単結晶棒を支持するには
強度が充分ではなく、結晶棒引き上げ中に、この細い絞
り部が破断して単結晶棒が落下する等の重大な事故を生
じる恐れがある上、時間もかかるので生産性の面からも
問題があった。
【0005】絞り部の強度を向上させるためには、絞り
部の直径を太くすれば良いのであるが、単に太くしたの
では種絞り効果が発揮されず、種結晶中に導入されたス
リップ転位を消滅させることができない。そこで、この
ような問題を解決するために、特開平4−104988
号、特開平5−139880号、特開平9−16529
7号、特開平9−235186号、特開平9−2554
85号のような種々の発明が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの発明は、いず
れも種結晶の先端部の形状を楔状、中空部を有する形状
あるいは円錐形状等の特殊な形状とし、種結晶がシリコ
ン融液に接触する時に入るスリップ転位をできるたけ低
減あるいは入らないようにすることによって、絞り部の
直径を比較的太くしても無転位化を可能とし、もって絞
り部の強度を向上させるものであったり、種絞り自体を
行わないようにするものである。
【0007】これらの方法では絞り部の太さをある程度
太くすることができるので、絞り部の強度の向上ができ
たり、あるいは種絞りを行わないので、絞り部の破断の
問題がなくなるけれども、いずれも特殊形状の種結晶を
用いるため種結晶の加工が容易ではなく、コストがかさ
む上に、特殊形状であることから種結晶自体の強度が不
足がちとなる場合がある。その上、種付けに時間がかか
り、無転位化の成功率も必ずしも高くなく、特に失敗し
た場合にはもはや種結晶先端部の形状は損なわれている
ため、再溶融してやり直すといったことも出来ないとい
う不利がある。
【0008】そこで、本発明は上記のような従来の問題
に鑑みてなされたもので、絞り部の直径を太くし、強度
を向上させるのに、厄介な種結晶の特殊形状への加工を
する必要がなく、しかも簡単かつ短時間で確実にスリッ
プ転位を消滅させることができ、大直径で長尺な高重量
のシリコン単結晶を、極めて簡単に引上げることができ
る、シリコン単結晶の成長方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に記載した発明は、結晶方位が<
100>または<111>の種結晶をシリコン融液に接
触させた後、種絞りを行って無転位化し、次いで所望直
径まで太らせて前記結晶方位のシリコン単結晶棒を成長
させるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の成長
方法において、前記種絞りを、絞り部、拡径部を交互に
形成するようにし、絞り部の最小径を5mm以上として
種絞りを行うことを特徴とするシリコン単結晶の成長方
法である。
【0010】このように、<100>または<111>
の結晶方位のシリコン単結晶を成長する場合に、種絞り
を、絞り部、拡径部を交互に形成するようにすれば、絞
り部の長さを短くかつ太くしても確実にスリップ転位を
消滅させることが出来る。従って、絞り部の最小径を5
mm以上とすることができ、高重量結晶の引上げが可能
となる。
【0011】この場合、請求項2に記載したように、種
絞りにおける、絞り部、拡径部の形成を、単位引上げ長
さ当りの直径変化量が0.5mm/mm以上とするのが
好ましい。また請求項3に記載したように、拡径部の最
大径と絞り部の最小径との比率を、2倍以上とするのが
好ましい。このような条件とすれば、絞り部、拡径部の
形成によって、効率よくスリップ転位を消滅することが
できる。
【0012】また、本発明の請求項4に記載した発明
は、結晶方位が<100>または<111>の種結晶を
シリコン融液に接触させた後、種絞りを行って無転位化
し、次いで所望直径まで太らせて前記結晶方位のシリコ
ン単結晶棒を成長させるチョクラルスキー法によるシリ
コン単結晶の成長方法において、前記種絞りで、少なく
とも種結晶の2倍以上の太さの拡径部を形成するように
し、絞り部の最小径を5mm以上として種絞りを行うこ
とを特徴とするシリコン単結晶の成長方法である。
【0013】このように、<100>または<111>
の結晶方位のシリコン単結晶を成長する場合に、種絞り
で、少なくとも種結晶の2倍以上の太さの拡径部を形成
するようにすれば、一層短い種絞りの長さでも確実にス
リップ転位を消滅させることが出来る。従って、絞り部
の最小径を5mm以上とすることができ、高重量結晶の
引上げが可能となるとともに、種絞り時間の短縮にも寄
与する。
【0014】この場合、請求項5に記載したように、種
絞りにおける、種結晶の2倍以上の太さの拡径部の形成
を、種結晶を融液に接触した後、直ちに行うようにする
のが好ましい。このように、種結晶の直下に種結晶の2
倍以上の太さの拡径部を形成すれば、特に種絞りの長さ
を短くできる。また、請求項6に記載したように、種絞
りにおける、絞り部、拡径部の形成を、単位引上げ長さ
当りの直径変化量が2mm/mm以上とするのが好まし
い。このように、急激に縮径、拡径することにより、ス
リップ転位の消滅が一層確実で、種絞りの長さも短くで
きるからである。さらに、請求項7に記載したように、
種絞りにおける、種結晶の2倍以上の太さの拡径部の形
成を、2度以上行うようにすれば、スリップ転位の除去
効果がきわめて大きいので、絞り部の最小径を一層太く
しても無転位化が可能である。
【0015】また、請求項8に記載したように、本発明
では、種絞りの長さを、10cm以下とすることができ
る。種絞りの長さを10cm以下とすることによって、
従来より種絞りに要する時間が確実に短縮され、単結晶
の生産性を向上せしめることが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本
発明者らは、結晶方位<110>のシリコン単結晶の無
転位化方法として報告されている方法を、結晶方位<1
00>または<111>の成長に応用し、さらにこの場
合に必要な諸条件を精査して本発明を開発したものであ
る。すなわち、前述のDash Necking法のよ
うに単に絞り込むだけでは、結晶方位<110>の単結
晶の成長では転位を消滅させることが難しいことから、
種絞り中に絞り部と拡径部を形成することによって、<
110>の単結晶を成長できることが見いだされた(Jo
urnal of Crystal Growth 47 (1979)533-540,Lawrence
D.DYER ., Journal of Crystal Growth 52 (1981)391-3
95,M.R.L.N.MURTHY and J.J. AUBERT参照 )。
【0017】一方、今日チョクラルスキー法によって成
長されるシリコン単結晶の結晶方位は、ほとんど<10
0>または<111>である。これは集積回路等の半導
体装置の製造には、結晶方位が<100>または<11
1>のもの、あるいはこれらから若干の角度を付けて切
り出されたものが用いられることがほとんどだからであ
る。このような結晶方位<100>または<111>の
単結晶成長においては、Dash Necking法に
より確実にスリップ転位を除去することが可能であるた
め、従来<100>または<111>の成長に、上記<
110>における方法を用いるという発想はあり得なか
った。なぜならば、スリップ転位を消滅させるには、<
100>または<111>では単に絞り部のみを形成す
れば良く、拡径部をも形成したのでは単に時間と材料を
無駄にするだけであるし、上記結晶方位<110>の問
題は、その結晶方位からくる特有の問題だからである。
【0018】ところが、近年のシリコン単結晶棒の高重
量化により、絞り部の直径を太くする必要が生じ、前記
単純な絞り部のみのDash Necking法では、
スリップ転位を確実に消去することが難しくなった。そ
こで、本発明者らがはじめて、結晶方位<100>また
は<111>の単結晶の成長において絞り部と拡径部を
交互に形成する方法を適用することを想到したのであ
る。そして、実験的研究を重ね、無転位化、短時間化等
に最適条件を見いだしたものである。以下、これを更に
詳細に説明する。
【0019】本発明は、結晶方位が<100>または<
111>のシリコン単結晶である種結晶を用い、これを
シリコン融液に静かに接触させた後、種絞りを行って接
触時に導入されたスリップ転位を除去することによって
無転位化し、次いで例えば直径8インチ以上の所望直径
まで太らせて、種結晶の結晶方位と同じ<100>また
は<111>のシリコン単結晶棒を成長させるチョクラ
ルスキー法によるシリコン単結晶の成長方法において、
上記種絞りを、絞り部、拡径部を交互に形成するように
し、絞り部の最小径を5mm以上として種絞りを行うシ
リコン単結晶の成長方法である。
【0020】このように、<100>または<111>
の結晶方位のシリコン単結晶を成長する場合に、種絞り
を、絞り部、拡径部を交互に形成するようにすれば、ス
リップ転位の除去効果が大きくなることの詳細な理論は
未だ不明であるが、単純に絞り部のみを形成する場合よ
りも、スリップ転位の伝播速度が拡径部の存在により遅
くなり、消滅するようである。したがって、例え絞り部
の長さを短くかつ太くしても確実にスリップ転位を消滅
させることが出来る。その結果、絞り部の最小径を5m
m以上とすることができ、直径8インチ以上、あるいは
12インチ以上で、150Kg以上の重量がある高重量
結晶の引上げが可能となる。
【0021】ここで、本発明でいう種絞りとは、種結晶
から育成させる所望直径の結晶棒を得るために太らせる
工程に入るまでの部分をいい、絞り部とは種絞り中の直
径が縮径される部分をいい、拡径部は種絞り中の直径が
拡径される部分を指し示している。
【0022】この場合、絞り部と拡径部の形成順序は、
何れを先に行ってもよく、同様にスリップ転位除去効果
を発揮する。拡径部を先に行った方が、種絞り全体の長
さを短くするのが容易である。また、本発明でいう絞り
部、拡径部を交互に形成するとは、図1、図2のよう
に、厳密な意味において絞り部2の次に拡径部3、拡径
部3の次に絞り部2が形成される場合のみを言うのでは
なく、図3のように、例えば急激な拡径部4の後、急激
に縮径する絞り部5、次いで徐々に絞り込む絞り部2を
形成するような場合も含む。また、図4のように絞り部
2、拡径部3の間に径直部6を形成させてもよい。
【0023】また、絞り部、拡径部の形成は、それぞれ
少なくとも1度行う必要があり、2度あるいは3度以上
行えばより確実にスリップ転位を除去することができ
る。ただし、余り回数を増加しても無駄であるので、絞
り部の最小径との兼ね合いから、絞り部、拡径部の繰り
返し回数を決定すれば良い。すなわち、繰り返し回数を
少なくする場合は、最小径を細くした方がよいし、繰り
返し回数を多くすればするほど、スリップ転位が抜けや
すくなるので、最小径を太くすることができる。
【0024】そして、絞り部の最小径は、5mm以上と
する。5mm未満としたのでは、従来のDash Ne
cking法と同様に、今後の高重量のシリコン単結晶
の引上げ成長に耐えることができず、本発明の所期の目
的を果たし得ないからである。
【0025】この場合、種絞りにおける、絞り部、拡径
部の形成を、単位引上げ長さ当りの直径変化量が0.5
mm/mm以上とするのが好ましい。また、拡径部の最
大径と絞り部の最小径との比率を、2倍以上とするのが
好ましい。効率よくスリップ転位を消滅させるには、こ
のような条件で絞り部あるいは拡径部を形成させるのが
望ましいためで、このような数値を下回ると、スリップ
転位の消去効果が不十分になることがある。一方、拡径
部の最大径と絞り部の最小径との比率を、余り大きくし
ても無駄であるので、15倍以下程度とすれば充分であ
る。
【0026】また本発明では、結晶方位が<100>ま
たは<111>のシリコン単結晶である種結晶を用い、
これをシリコン融液に静かに接触させた後、種絞りを行
って接触時に導入されたスリップ転位を除去することに
よって無転位化し、次いで例えば直径8インチ以上の所
望直径まで太らせて、種結晶の結晶方位と同じ<100
>または<111>のシリコン単結晶棒を成長させるチ
ョクラルスキー法によるシリコン単結晶の成長方法にお
いて、種絞りで、少なくとも種結晶の2倍以上の太さの
拡径部を形成するようにし、絞り部の最小径を5mm以
上として種絞りを行うようにしてもよい。
【0027】このように、<100>または<111>
の結晶方位のシリコン単結晶を成長する場合に、種絞り
で、少なくとも種結晶の2倍以上といった太い拡径部を
形成するようにすれば、その後の絞り部における絞り効
果が大きく、スリップ転位の消滅除去効果が大きいの
で、一層短い絞り部の長さでも確実にスリップ転位を消
滅させることが出来る。従って、種絞り時間の短縮にも
寄与する。そして、種絞りにおける、種結晶の2倍以上
の太さの拡径部の形成を、種結晶を融液に接触した後、
直ちに行うようにすれば、特に種絞りの長さを短くでき
るし、種絞りにおける、種結晶の2倍以上の太さの拡径
部の形成を、2度以上行うようにすれば、スリップ転位
の除去効果がきわめて大きいので、絞り部の最小径を一
層太くしても無転位化が可能である。
【0028】この場合、種結晶の2倍以上の太さとは、
種結晶形状が円柱であれば、その直径の2倍以上のこと
を言い、角柱形状であれば、その最長対角線の2倍以上
を意味する。そして、余り拡径部を太くしても無駄であ
るので、6倍程度の太さ以下とすれば充分である。
【0029】また、本発明では、種絞りにおける、絞り
部、拡径部の形成においては、単位引上げ長さ当りの直
径変化量が2mm/mm以上とすることができる。この
ように、急激に縮径、あるいは拡径することにより、ス
リップ転位の消滅効果が一層大きくなるとともに、種絞
りの長さも一層短くすることが可能となる。この場合、
余り直径変化量を大きくし過ぎると、新たに単結晶が乱
れて転位が発生することがあるので、引上げ軸に対して
垂直近くになるほど結晶を急激に縮径、あるいは拡径し
ない方がよい。
【0030】このように、本発明では種絞りの長さを短
くでき、例えば10cm以下とすることができる。種絞
りの長さを10cm以下とすることによって、従来、1
5cmあるいは20cm以上あった種絞りに対し、種絞
りに要する時間が確実に短縮され、単結晶の生産性を向
上せしめることが出来る。
【0031】なお、本発明の絞り部、拡径部を形成する
には、種結晶の引上げ速度、シリコン融液の温度を調整
することによって極めて簡単に実施することができる。
これらは同時に制御されるが、温度は応答特性が悪いの
で、主に引上げ速度を増減させることによって実施され
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)直径15mmの円柱形状で、結晶方位が<
100>の種結晶を用い、これをシリコン融液に静かに
接触させた後、図1のa)b)c)に示すように、種絞
りを、絞り部、拡径部をこの順序で交互に形成し、次い
で直径8インチまで太らせて、結晶方位<100>で、
結晶重量約150Kgのシリコン単結晶棒を成長させ
た。
【0033】図1において、a)は、種結晶1の下に、
絞り部2を形成した後、拡径部3を形成し、再び絞り部
2を形成した例である。b)は、a)に対しさらに拡径
部3、絞り部2を1度繰り返した例である。c)は、
b)に対し、もう1度拡径部3、絞り部2を繰り返し形
成した例である。何れの例においても、拡径部の最大径
を種結晶の直径とほぼ同一とし、絞り部の最小径を6〜
7mmとして行い、絞り部の長さ約3.5cm、拡径部
の長さ約1.5cmとなるようにした。
【0034】直径8インチの単結晶棒の成長終了後、種
絞りの最下端位置で成長結晶棒と種絞りを切断し、種絞
り付き種結晶を、フッ酸と硝酸の混酸エッチング液で表
面をエッチングして、スリップ転位の発生状況を調べ
た。
【0035】その結果、図1a)b)c)の何れの場合
も、2回目の絞り部でスリップ転位が消失していた。し
たがって、この方法では、絞り部の最小径が6〜7mm
と太いにもかかわらず、種絞りの長さが約8.5cmあ
ればスリップ転位を除去出来ることがわかった。そし
て、何れの場合でも、種絞りの後、直径8インチで15
0Kgといった高重量の単結晶棒を、結晶落下等の問題
を発生することなく成長させることができた。
【0036】(実施例2)次に、図2のa)b)c)に
示すように、実施例1に対し絞り部の長さを短くするこ
とによって、種絞り全体の長さを短くできるかテストし
てみた。すなわち、図2のa)b)c)は、絞り部2の
長さを約1.5cmとした他は、実施例1の図1a)
b)c)と同様にして、直径8インチ、重量150Kg
の結晶を成長させた例である。
【0037】直径8インチの単結晶棒の成長終了後、種
絞りの最下端位置で成長結晶棒と種絞りを切断し、種絞
り付き種結晶を、フッ酸と硝酸の混酸エッチング液で表
面をエッチングして、スリップ転位の発生状況を調べ
た。
【0038】その結果、図2a)の場合、単結晶棒を無
転位化することが出来ない場合が約50%の割合で発生
したが、図2のb)c)の場合は100%単結晶棒の成
長をさせることができた。単結晶棒の成長ができた図2
a)b)c)の何れの場合でも、2回目の絞り部では、
約2回に1回の割合でスリップ転位が残存し、3回目の
絞り部で確実にスリップ転位が消失していた。したがっ
て、この方法では、絞り部の最小径が6〜7mmと太い
にもかかわらず、種絞りの長さが約7.5cmあればス
リップ転位を確実に除去出来ることがわかった。
【0039】(実施例3)次に、図3のa)b)c)
d)に示すように、種絞りで、種結晶1の約3倍の太さ
の拡径部4を形成するようにし、そのスリップ転位除去
効果と、種絞りのより一層の短尺化ができるかテストし
た。この太い拡径部4を形成する種絞りの他は、実施例
1と同様にして直径8インチ、結晶方位<100>で、
結晶重量約150Kgのシリコン単結晶棒を成長させ
た。
【0040】図3において、a)は、種結晶1の下に、
長めの絞り部2を形成した後、拡径部4を急激に拡径さ
せて形成し、この拡径部4が種結晶径の約3倍径になっ
たところで、再び急激に縮径して種結晶径とほぼ同一と
する絞り部5を形成する。そして、そこからもう一度長
めの絞り部2を形成した例である。b)は、a)の最後
の絞り部2を短い絞り部とした例である。c)は、種結
晶1の下から、急激に拡径させて拡径部4を形成し、こ
の拡径部4が種結晶径の約3倍径になったところで、急
激に縮径して種結晶径とほぼ同一とする絞り部5を形成
する。そして、そこから長めの絞り部2を形成した例で
ある。d)は、c)の最後の絞り部2を短い絞り部とし
た例である。
【0041】何れの例においても、絞り部の最小径を6
〜7mmとして行い、長めの絞り部の長さ約3.5c
m、短い絞り部の長さ約1.5cm、拡径部4、絞り部
5の長さは、合わせて約1.5cmとなるようにした。
【0042】直径8インチの単結晶棒の成長終了後、種
絞りの最下端位置で成長結晶棒と種絞りを切断し、種絞
り付き種結晶を、フッ酸と硝酸の混酸エッチング液で表
面をエッチングして、スリップ転位の発生状況を調べ
た。
【0043】その結果、図3a)b)c)d)の何れの
場合も、2回目の絞り部2でスリップ転位が消失してい
た。したがって、この方法では、絞り部の最小径が6〜
7mmと太いにもかかわらず、種絞りの長さが約3〜
8.5cmあればスリップ転位を除去出来ることがわか
った。そして、何れの場合でも、種絞りの後、直径8イ
ンチで150Kgといった高重量の単結晶棒を、結晶落
下等の問題を発生することなく成長させることができ
た。またさらに、種結晶の2倍以上の太さの拡径部の形
成を、2度以上繰り返して形成させたところ、スリップ
転位の除去効果がきわめて大きく、絞り部の最小径を7
〜9mmにしても無転位化できることを確認した。
【0044】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0045】例えば、本発明は、通常のチョクラルスキ
ー法のみならず、シリコン単結晶の引上げ時に磁場を印
加するMCZ法(Magnetic field applied Czochralski
crystal growth method)にも同様に適用できることは言
うまでもなく、本明細書中で使用したチョクラルスキー
法という用語には、通常のチョクラルスキー法だけでな
く、MCZ法も含まれる。
【0046】
【発明の効果】本発明では、種絞りを、絞り部、拡径部
を交互に形成するようにし、あるいは少なくとも種結晶
の2倍以上の太さの拡径部を形成するようにしたので、
例え絞り部の最小径を5mm以上に太くし、従来より短
い種絞りとしてもスリップ転位を除去することができ
る。したがって、引上げるシリコン単結晶棒の落下の危
険なしに、近年求められている8インチ〜12インチ、
あるいはそれ以上といった高重量のシリコン単結晶棒
を、所望の長さで引上げることができるとともに、種絞
り時間が短縮され生産効率も上がる。しかも、本発明を
実施するあたっては、種結晶の引上げ速度とシリコン融
液の温度調整だけでできるし、厄介な種結晶の特殊形状
への加工等をする必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】a)〜c)は、実施例1で行った種絞りを説明
するための説明図である。
【図2】a)〜c)は、実施例2で行った種絞りを説明
するための説明図である。
【図3】a)〜d)は、実施例3で行った種絞りを説明
するための説明図である。
【図4】本発明の種絞りの他の例を説明するための説明
図である。
【符号の説明】
1…種結晶、 2…絞り部、
3…拡径部、 4…急激な拡
径部、5…急激な絞り部、 6…径
直部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶方位が<100>または<111>
    の種結晶をシリコン融液に接触させた後、種絞りを行っ
    て無転位化し、次いで所望直径まで太らせて前記結晶方
    位のシリコン単結晶棒を成長させるチョクラルスキー法
    によるシリコン単結晶の成長方法において、前記種絞り
    を、絞り部、拡径部を交互に形成するようにし、絞り部
    の最小径を5mm以上として種絞りを行うことを特徴と
    するシリコン単結晶の成長方法。
  2. 【請求項2】 前記種絞りにおける、絞り部、拡径部の
    形成を、単位引上げ長さ当りの直径変化量が0.5mm
    /mm以上とすることを特徴とする請求項1に記載のシ
    リコン単結晶の成長方法。
  3. 【請求項3】 拡径部の最大径と絞り部の最小径との比
    率を、2倍以上とすることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のシリコン単結晶の成長方法。
  4. 【請求項4】 結晶方位が<100>または<111>
    の種結晶をシリコン融液に接触させた後、種絞りを行っ
    て無転位化し、次いで所望直径まで太らせて前記結晶方
    位のシリコン単結晶棒を成長させるチョクラルスキー法
    によるシリコン単結晶の成長方法において、前記種絞り
    で、少なくとも種結晶の2倍以上の太さの拡径部を形成
    するようにし、絞り部の最小径を5mm以上として種絞
    りを行うことを特徴とするシリコン単結晶の成長方法。
  5. 【請求項5】 前記種絞りにおける、種結晶の2倍以上
    の太さの拡径部の形成を、種結晶を融液に接触した後、
    直ちに行うことを特徴とする請求項4に記載のシリコン
    単結晶の成長方法。
  6. 【請求項6】 前記種絞りにおける、絞り部、拡径部の
    形成を、単位引上げ長さ当りの直径変化量が2mm/m
    m以上とすることを特徴とする請求項4または請求項5
    に記載のシリコン単結晶の成長方法。
  7. 【請求項7】 前記種絞りにおける、種結晶の2倍以上
    の太さの拡径部の形成を、2度以上行うことを特徴とす
    る請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のシリ
    コン単結晶の成長方法。
  8. 【請求項8】 前記種絞りの長さを、10cm以下とす
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか
    1項に記載のシリコン単結晶の成長方法。
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