JPH11199374A - 単結晶の引き上げ装置および落下防止装置 - Google Patents

単結晶の引き上げ装置および落下防止装置

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JPH11199374A
JPH11199374A JP10001679A JP167998A JPH11199374A JP H11199374 A JPH11199374 A JP H11199374A JP 10001679 A JP10001679 A JP 10001679A JP 167998 A JP167998 A JP 167998A JP H11199374 A JPH11199374 A JP H11199374A
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single crystal
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JP10001679A
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Narutoshi Oji
成俊 大司
Yutaka Yoshinada
裕 吉灘
Kazuhiro Mimura
和弘 三村
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B15/00Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
    • C30B15/30Mechanisms for rotating or moving either the melt or the crystal
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    • Y10T117/10Apparatus
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】単結晶の倒れ(アームの開き)防止機構を不要
とするコンパクトな引き上げ装置を提供する。 【解決手段】単結晶6の被係合部8に係合し引き上げた
際に、単結晶6が倒れない形状の係合部材17を有し、
中心軸が単結晶6の鉛直中心軸6cと同軸上に位置する
アーム15を設ける。アーム15は、回動支点15aを
回動中心にして矢印E2方向に回動されることで、係合
位置まで姿勢変化する。単結晶6に被係合部8が形成さ
れると、アーム15が、矢印E2に示すように姿勢変化
し、アーム15の係合部材17が単結晶6の被係合部8
に係合し得る位置に到達し係合部材17が単結晶6の被
係合部8に係合された状態で、このアーム15が、単結
晶6の引き上げ動作に同期して、矢印J1方向に上昇す
る。アーム15の姿勢としては鉛直姿勢を維持したまま
上昇しアーム15から単結晶6が外れるようにアーム1
5の姿勢が変化することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、融液に種子結晶を
接触させてからこの種子結晶を融液から引き上げること
によって単結晶を成長させる際に使用される単結晶の引
き上げ装置または単結晶引き上げ時の落下を防止する落
下防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近年
の超LSIの進歩に伴い、超LSIを製造する際のコス
トダウンが要請されている。このコストダウンを実現す
るには、シリコンウエハの大口径化が不可欠である。大
口径のウエハを数多く効率よく採取するためには、半導
体シリコン単結晶を、いわゆるチョクラルスキー法(C
Z法)によって単結晶を引き上げ成長させる際に、結晶
径を太くすればするほど、長くすればするほどよいこと
がわかっている。
【0003】ただし、無転位の良質な単結晶を引き上
げ、成長させることが前提となる。
【0004】このために、通常、種子結晶から所望の結
晶径にシリコン単結晶を太らせる前に、種子結晶から成
長させた結晶の径を一度細く絞るネッキングと呼ばれる
操作が行われる。
【0005】ここで、無転位化を実現するためのネッキ
ングの太さ、つまりダッシュズネック部の太さには上限
があり、この上限の太さのダッシュズネック部の径をも
って単結晶を引き上げるには、引張り強度の点からいっ
て問題があった。
【0006】すなわち、大きな結晶径で大重量となって
いるシリコン単結晶を引き上げるときに、径が細く機械
的強度が不足しているダッシュズネック部(以下、適
宜、ネック部という)が破損してしまい、単結晶を引き
上げ、成長させるという所期の目的が達成できなくなる
虞がある。
【0007】そこで、こうした事態を回避するために、
図1に示すように、単結晶6のネック部7に下に、こぶ
状の部分を形成し、機械的強度として余裕のある、くび
れ形状の被係合部8を形成し、この被係合部8を、アー
ム先端に設けた係合部材で係合しつつ、このアームを引
き上げるという方法が、提案されている。
【0008】この場合、最初は、アームの係合部材は、
炉体内の融液面から離れた場所で待機しており、ワイヤ
先端の種子結晶が融液に接触してネック部が形成され、
ついで被係合部が形成された時点で、アームの係合部材
が単結晶の被係合部に係合されるように、アームが姿勢
変化される。こうしてアームによって単結晶が係合され
た後は、アームによって単結晶を把持しつつ、上記ワイ
ヤとともにアームを上昇させ、単結晶を引き上げるよう
にしている。
【0009】この種の装置として、特開平9−2893
号公報に開示されたものがある。
【0010】この公報記載の発明では、一対の互いに交
差したアームが使用される。アクチュエータによって一
対のアームを閉じさせ、アーム先端の係合爪によって単
結晶を挟持するようにしている。
【0011】しかし、この一対の交差アームは、アクチ
ュエータによってアーム先端に力が付与されていなけれ
ば、単結晶を挟持することができない。
【0012】すなわち、仮にアクチュエータの作動を解
除して、アームを上昇させたとすれば、アームには曲げ
モーメントが、アームを開かせる方向に作用する。この
ため、この曲げモーメントに打ち勝つだけの逆向きの曲
げモーメントを、アクチュエータを介して付与し、アー
ム先端の係合爪によって単結晶を挟持しなければならな
い。
【0013】このように、従来のアームの形状は、アー
ム自体の自重で、アームの係合爪が、単結晶の被係合部
に係合できる姿勢に維持されない(アクチュエータによ
って力を加えていなければアームが開いてしまう)形状
となっており、単結晶の係合状態を維持したままアーム
を上昇させるためには、常にアームに対して係合させる
ための力(アームの開きを防止するための力)を伝達し
ていなければならなかった。
【0014】したがって、このようにアクチュエータの
作動に伴いアームに加わる力、つまりアームにかかる曲
げモーメントに対処するために、アームの機械的強度を
上げる必要があり、アーム部材として太く、大きくせざ
るを得ない。このため、重量が増大するとともに場積が
かさんでしまい、アームの製造コストが増大するととも
に、引上装置が大型化するという問題が招来する。
【0015】また、この種の一対の交差アームで、単結
晶を挟持するタイプのものは、両側から単結晶を挟持す
るという構造となっているため、アームの上昇に伴い、
アーム先端が容易に開いてしまい、単結晶が係合爪から
外れてしまうことが多い。
【0016】そこで、特開平9−183694号公報記
載の発明では、アーム先端が開いてしまうことを防止す
るために、アーム先端に、係合爪とは別に、アームの開
き止めの機構を設けるようにしている。つまり、アーム
の開き止め機構を、炉体内に設けるようにしている。
【0017】しかし、炉体内は、高温でほぼ真空に近い
状態であり、その中に、こうしたアームの開き止め機構
といった複雑な機構を設けることは、機構の信頼性、耐
久性の点で問題がある。
【0018】しかも、炉体内は、単結晶を成長させる場
所であるので、その中は環境的に清浄な状態を維持する
必要がある。
【0019】ここで、上記アームの開き止め機構といっ
た作動に伴い発塵の虞のある機構を設けることは、環境
的に清浄な状態を維持することができない虞があること
を意味する。
【0020】以上のように、単結晶を係合する従来のア
ームは、アクチュータが常に力を付与していなくては、
アーム上昇時に単結晶の係合状態を維持することができ
ない形状になっていた。
【0021】このため、アクチュータの作動に伴いアー
ムに作用する曲げモーメントに対処するために、アーム
の機械的強度を向上させる必要があり、アーム製作にか
かるコストが増大するとともに、アームが大きくなり引
き上げ装置のコンパクト化を図ることができなかった。
【0022】また、従来のアーム先端の係合爪は、その
ままアームを上昇させた場合には、単結晶が倒れてしま
う(アーム先端が開いてしまう)形状となっていた。
【0023】このため、アーム上昇時の単結晶の倒れ
(アームの開き)を防止するために、別途アームの開き
を防止するためのアーム開き防止機構を設ける必要があ
り、このアーム開き防止機構の作動に伴う発塵が、単結
晶成長時の清浄な環境に悪影響を与え兼ねないことにな
っていた。また、炉体内に複雑な機構を設ける必要があ
るために、信頼性、耐久性の点でも問題があった。
【0024】本発明は、こうした実状に鑑みてなされた
ものであり、これらの問題を解決し、アームに要求され
る機械的強度を小さくできるようにして、アーム製造の
コスト低下、引き上げ装置のコンパクト化を図ることが
できるようにするとともに、単結晶の倒れ(アームの開
き)を防止するための機構を別途設けることを不要とし
て、単結晶成長時の清浄な環境に悪影響を及ぼさないよ
うにし、信頼性、耐久性を高くすることを解決課題とす
るものである。
【0025】
【課題を解決するための手段および効果】そこで、この
発明の第1発明では、融液に種子結晶を接触させてから
前記種子結晶を前記融液から引き上げることによって単
結晶を成長させる際に使用される単結晶の引き上げ装置
において、前記単結晶に被係合部を形成するとともに、
前記被係合部に係合され、前記単結晶を引き上げた際
に、前記単結晶が倒れない形状の係合部材を有し、前記
単結晶を引き上げた際に、中心軸が前記単結晶の鉛直中
心軸と同軸上に位置される形状のアームを設けるととも
に、前記アームの長手方向の所定位置に、当該アームの
係合部材が前記単結晶の被係合部に係合し得る位置まで
前記アームを回動させる回動支点を設け、前記アームの
係合部材が前記単結晶の被係合部に係合し得る位置ま
で、前記アームを姿勢変化させ、その後、前記アームの
係合部材を前記単結晶の被係合部に係合させた状態で、
前記アームを上昇させるようにしている。
【0026】すなわち、かかる構成によれば、図1に示
すように、単結晶6の被係合部8に係合され、単結晶6
を引き上げた際に、単結晶6が倒れない形状の係合部材
17を有し、単結晶6を引き上げた際に、中心軸15c
が単結晶6の鉛直中心軸6cと同軸上に位置される形状
のアーム15が設けられる。アーム15は、回動支点1
5aを回動中心にして矢印E2方向に回動されること
で、係合位置まで姿勢変化されるアームである。
【0027】そして、単結晶6に被係合部8が形成され
ると、アーム15が、矢印E2に示すように姿勢変化さ
れ、アーム15の係合部材17が単結晶6の被係合部8
に係合し得る位置までに到達する(図2参照)。そし
て、アーム15の係合部材17が単結晶6の被係合部8
に係合された状態で、このアーム15が、単結晶6の引
き上げ動作(ワイヤ10による巻き上げ動作)に同期さ
れて、矢印J1方向に上昇される。このとき、アーム1
5の姿勢としては鉛直姿勢を維持したまま、アーム15
が上昇される(アーム15から単結晶6が外れるように
アーム15の姿勢が変化することはない)。具体的に
は、図2に示すように、アーム15の中心軸15cが、
単結晶6の鉛直中心軸6cに一致しているので、アーム
15の中心軸15c上に、単結晶6の重心が位置された
状態で、単結晶6が引き上げられる。
【0028】このように、第1発明では、単結晶6を係
合するアーム15は、アーム15を上昇させたとしても
(アーム15に単結晶6による力が作用しても)、中心
軸が単結晶6の鉛直中心軸6cと同軸上に位置される形
状になっているので、アクチュータ14が、係合させる
に必要な力を付与していなくても、単結晶6の係合状態
を維持したままアーム15を上昇させることができる。
【0029】このため、アーム15の上昇時に、アーム
15にかかる力は、単結晶6の重量に応じた引張り力だ
けであり、アームには、過大な曲げモーメントはかから
なくなる。この結果、アームに要求される機械的強度は
小さく、アーム製作にかかるコストを抑えることができ
るとともに、アームを小さく軽量にでき、単結晶引上装
置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0030】また、アーム15の係合部材17を、単結
晶6の被係合部8に係合し、単結晶6を引き上げた際
に、単結晶6が倒れない形状にしたので、アーム上昇時
の単結晶アーム15の倒れ(アームの開き)を防止する
ために、別途アーム15の開きを防止するためのアーム
開き防止機構を設ける必要はなくなる。つまり、可動部
を有しない係合部材17だけで、単結晶6を確実に係合
でき、引き上げ時の倒れを防止できる。
【0031】このように、係合部材17に可動部を設け
る必要がないので、係合の際に発塵が発生することな
く、単結晶成長時の清浄な環境を維持することができ
る。また、炉体内に複雑な機構を設ける必要がないの
で、信頼性、耐久性を向上させることができる。
【0032】また、第2発明では、第1発明において、
前記アームに接続されたアクチュエータを作動させるこ
とにより、前記アームの係合部材が前記単結晶の被係合
部に係合し得る位置まで、前記アームを姿勢変化させる
ようにしている。
【0033】第2発明によれば、アーム15は、アクチ
ュエータ14の作動によって、矢印E2に示すように係
合位置まで姿勢変化される。
【0034】また、第3発明では、第1発明において、
前記アームに作用する重力によって、前記アームの係合
部材が前記単結晶の被係合部に係合し得る位置まで、前
記アームを姿勢変化させるようにしている。
【0035】第3発明によれば、図8に示すように、ア
ーム15が、アーム15に作用する重力によって、矢印
E2に示すように係合位置まで姿勢変化される。
【0036】また、第4発明では、第1発明において、
アーム15を、一体形成されたアームであるとしてい
る。
【0037】また、第5発明では、第1発明において、
前記アームの長手方向の所定位置に、当該アームの係合
部材が前記単結晶の被係合部に係合し得る位置まで前記
アームを回動させる回動支点を設け、この回動支点を、
前記単結晶の引き上げ動作に同期させて上昇させるよう
にしている。
【0038】第5発明によれば、アーム15は、回動支
点15aを回動中心にして矢印E2方向に回動されるこ
とで、係合位置まで姿勢変化される。そして、回動支点
15aが、矢印J1に示すように、単結晶6のワイヤ1
0による引き上げ動作に同期して上昇され、単結晶6が
引き上げられる。
【0039】また、第6発明では、第2発明において、
前記アームは、2つのアーム部材からなり、上側のアー
ム部材は、前記アクチュータに接続されており、下側の
アーム部材は、前記係合部材を有しており、かつ、下側
のアーム部材は、前記単結晶の被係合部に係合し得る位
置に姿勢変化された状態で、自重で鉛直姿勢を維持し得
るように、前記上側のアーム部材に対して揺動自在に吊
り下げられるようにしている。
【0040】第6発明によれば、図8に示すように、下
側のアーム部材15Tは、揺動自在に上側のアーム部材
15Uに吊り下げられているので、アクチュエータの制
御力を要することなく自重だけで、鉛直姿勢を維持する
ことができる。
【0041】また、第7発明では、第1発明において、
前記係合部材は、前記単結晶の被係合部を、直径方向に
2点支持することで係合する形状となっている。
【0042】第7発明によれば、図3(a)に示すよう
に、単結晶6の被係合部8は、係合部材17によって、
直径方向に2点支持されている。このため、係合時に、
最適な係合位置に対するずれがあったとしても、上記2
点の係合点を通る軸を揺動中心にして、単結晶6が揺動
され、そのずれが矯正される。
【0043】また、第8発明では、第1発明において、
前記係合部材は、前記単結晶の被係合部を、3点以上で
支持することで係合する形状となっている。
【0044】第8発明によれば、図3(b)に示すよう
に、単結晶6の被係合部8は、係合部材17によって、
3点以上で支持されている。このため、単結晶6は係合
部材17によって確実に係合され、単結晶引き上げ時
に、単結晶6の姿勢が安定する。
【0045】また、第9発明では、第1発明において、
前記係合部材は、前記単結晶の被係合部を、対向する2
つの部材によって係合するものであり、前記単結晶を引
き上げる際に、これら対向する2つの部材の間隔が開か
ないように、これら対向する2つの部材を連結する部材
を設けるようにしている。
【0046】第9発明によれば、図3(a)に示すよう
に、係合部材17の対向する2つの部材17R、17L
の間隔が、単結晶6引き上げ時に、開かないように、こ
れら対向する2つの部材17R、17Lを連結する部材
17Mが設けられる。図3(a)のように部材17R、
17L、17Mは一体に構成してもよく、図10に示す
ように別体に構成してもよい。図10では、連結部材1
7Mにより、係合部材17近傍のアーム15R、15L
間が連結される。また、図9(a)に示すように、係合
部材17から離れたアーム15の根元部分を、連結部材
17Mと兼用してもよい。図9(a)で係合部材17の
代わりに図5(a)に示す対向部材17R、17Lが別
体の係合部材17´を使用することができる。
【0047】このため、単結晶6の引き上げ時に、係合
部材17の対向部材17R、17Lの開きが防止され、
単結晶6が係合部材17から外れてしまうことが防止さ
れる。
【0048】また、上記第1発明は、単結晶6をワイヤ
10によって引き上げるときに、落下してしまうことを
防止するための装置に適用することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る装置の実施形態について説明する。
【0050】図1は、本実施形態の単結晶引上装置1
(単結晶成長装置)の構成を示している。なお、本実施
形態では、単結晶として、シリコン(Si)単結晶を想
定している。
【0051】図1は、単結晶引上げ用のアームとして、
一体形成されたアームが使用される第1の実施形態を示
している。
【0052】同図1に示すように、本実施形態装置は、
大きくは、炉体2と、この炉体2に対して相対的に上下
方向位置が変化し得る架台3とから成っている。
【0053】炉体2内には、シリコン融液5が内部に満
たされているルツボ4が配設されている。なお、図面で
は、シリコン融液5を溶融するヒータ、ルツボ4を回転
させる機構等は省略している。そして、炉体2内は、数
10torr程度まで真空引きされており、アルゴンガスが
満たされている。このように、炉体2内は、ほぼ真空に
近く、高温の状態となっている。
【0054】この炉体2内で、単結晶6が成長される。
この単結晶6の中心軸6c(結晶中心軸)は、炉体2の
中心軸、あるいは架台3の中心軸に一致している。
【0055】この単結晶6は、索状体としてのワイヤ1
0によって引き上げられ、成長される。なお、このワイ
ヤ10の代わりに他の索状体、たとえばチェーンなどを
使用してもよい。
【0056】これに対して、架台3は、伸縮自在のベロ
ーズ19を介して炉体2に連結されている。
【0057】架台3内には、上記ワイヤ10を巻き取る
ワイヤ巻取部13が配設されている。
【0058】また、架台3内には、後述するアーム15
の回動姿勢を変化させるためのアーム回動用アクチュエ
ータ14が配設されている。
【0059】アーム15の全体形状を図9(a)に示
す。
【0060】この図に示すように、アーム15の長手方
向の所定位置には、回動支点軸15aが設けられおり、
この回動支点軸15aは、アーム支持部16に設けられ
た軸穴16aに回動自在に挿通されている。つまり、ア
ーム15は、アーム支持部16によって、回動支点15
a回りに、回動自在に支持されている。
【0061】このアーム支持部16は、架台3に接続さ
れており、シール部材18を介して炉体2に対して上下
方向(J1、J2方向)に移動自在に、また結晶中心軸6
c回りに旋回自在に(旋回方向B)に、配設されてい
る。
【0062】アーム昇降用アクチュエータ20は、アー
ム15を、上記アーム支持部16とともに、J1方向に
上昇させ、またJ2方向に下降させるためのアクチュエ
ータであり、そのロッド先端は、テーブル21に接続さ
れている。架台3は、このテーブル21に対して、図示
せぬ旋回機構によって、結晶中心軸6c回りに(旋回方
向B)、旋回されるようになっている。
【0063】したがって、かかる旋回機構が作動される
と、アーム支持部16は、架台3とともに旋回される。
【0064】また、ワイヤ10の先端には、種子結晶1
2を固定保持する保持治具であるシードチャック11が
吊り下げられている。
【0065】つぎに、アーム15の構造について、より
詳細に説明する。
【0066】アーム15の全体形状を示す図9(a)を
併せ参照して説明する。これら図に示すように、直動ア
クチュエータであるアーム回動用アクチュエータ14の
ロッド14a先端には、アーム15の上端が接続されて
いる。
【0067】そして、アーム15の下端は、単結晶6に
形成される被係合部8を係合することができる係合部材
17が備えられている。
【0068】アーム15と係合部材17は一体で形成し
てもよく、長手形状のアーム15と、係合部材17を固
着させることにより構成してもよい。
【0069】よって、アーム回動用アクチュエータ14
が作動し、ロッド14aが矢印D1方向(ロッド伸長方
向)に伸長されると、アーム15は、回動支点15a回
りに、矢印E1方向に回動されて、単結晶6の被係合部
8から離れるように姿勢変化される。逆に、ロッド14
aが矢印D2方向(ロッド縮退方向)に縮退されると、
アーム15は、回動支点15a回りに、矢印E2方向に
回動されて、単結晶6の被係合部8に係合し得る位置ま
で姿勢変化される。
【0070】ここで、図2は、アーム回動用アクチュエ
ータ14の作動がオフされた状態、つまり、アーム15
に重力だけが作用している状態のアーム姿勢を示してい
る。
【0071】すなわち、このアーム15は、自重によっ
てアーム15下端の係合部材17が、単結晶6の被係合
部8に係合し得る位置に位置される姿勢となり、さら
に、このままアーム15を上昇させてもそのアーム姿勢
が維持される形状となっている。
【0072】具体的には、アーム15に、重力のみが作
用しているとき、単結晶6の鉛直中心軸6cは、アーム
15の鉛直中心軸15cに一致している。つまり、アー
ム15の中心軸15c上に、単結晶6の重心が位置され
るようになっている。
【0073】このため、アーム15の係合部材17を、
単結晶6の被係合部8に係合させた状態で、アーム15
を鉛直方向に上昇させたとしても、アーム15には鉛直
方向下向きの力しかかからず(係合部材17から単結晶
6が外れる方向に力は作用せず)、安定して単結晶6を
引き上げることが可能となる。
【0074】また、アーム15の下端に備えられた係合
部材17は、単結晶6の被係合部8に係合され、単結晶
6を引き上げた際に、単結晶6が倒れない形状になって
いる。
【0075】具体的には、図3(a)に示すように、係
合部材17には、2つの係合爪17aが設けられてお
り、これら2つの係合爪17aによって、単結晶6の被
係合部8が、直径方向に2点支持される。また、図3
(b)に示すように、係合部材17には、3つの係合爪
17aが設けられており、これら3つの係合爪17aに
よって、単結晶6の被係合部8が、円周均等位置で3点
支持される。なお、図3(b)は一例であり、3点支持
位置は任意に設定可能である。また、4点以上支持する
実施も可能である。
【0076】ここで、係合部材17の開口部は、単結晶
6の被係合部8のうち、少なくとも最小径となっている
最小径部8b(図2参照)が挿通され得るような幅を有
していることが必要である。
【0077】また、係合部材17に設けられた係合爪1
7aは、図3の矢視A図である図4に示すように、アー
ム15が上昇されると、係合爪17aが、最小径部8b
よりも上部にあるくびれ上部8aに接触、係合すること
になる。最小径部8bからくびれ上部8aにかけては逆
円錐形状になっている。
【0078】なお、係合部材17の形状は、任意であ
り、図3(a)、(b)に示す円弧状(馬蹄形状)の係
合部材17の代わりに、図5(a)に示す2本の棒状の
部材で構成された係合部材17´を使用してもよく、図
5(b)に示すV字状の係合部材17″を使用してもよ
い。
【0079】さて、アーム15の全体形状を図9(a)
として示すように、このアーム15は、一体形成された
アームであり、全体としてU字形状となっている。U字
の根元部分にアーム回動用アクチュエータ14のロッド
14aが接続されている。そして、この根元から2叉の
アーム部材15R、15Lが分岐されており、これら2
叉のアーム部材15R、15Lの先端が、係合部材17
に接続されている。
【0080】このようにアーム15を、2叉のアーム部
材15R、15Lで構成し、アーム部材15R、15L
間に空隙を設けているは、この空隙にワイヤ10を通す
ためである。ここで、仮に、アーム15を、1本のアー
ムで構成すると、ワイヤ10と同軸上となり、アームに
干渉してしまう虞があるからである。なお、ワイヤ10
とアーム15の干渉の虞がないのであれば、アーム15
を1本のアームで構成してもよい。
【0081】また、アーム15としては、U字形状では
なく、アーム回動用アクチュエータ14のロッド14a
接続位置から回動支点軸15aまでの部分を1本のアー
ム部材15Uとし、回動支点軸15aから係合部材17
接続位置までの部分を2本のアーム部材15R、15L
とする形状であってもよい。
【0082】この場合、回動支点軸15a中心には、ワ
イヤ10を挿通させるための穴15dが設けられてお
り、この穴15dにオフセットされて、1本のアーム部
材15Uが接続されている。
【0083】つぎに、かかる単結晶引上装置1で、単結
晶6を成長させる場合の処理について説明する。
【0084】まず、ワイヤ巻取部13によって、ワイヤ
10が巻き下げられ、ワイヤ10先端のシードチャック
11に保持された種子結晶12が、融液5に接触する位
置まで下降される。
【0085】つぎに、ワイヤ巻取部13によって、ワイ
ヤ10が巻き上げられ、種子結晶12が、融液5の表面
から上昇される。
【0086】なお、単結晶成長開始から単結晶成長終了
まで、架台3およびこれに接続されたアーム支持部16
は、図示せぬ旋回機構によって、結晶中心軸6c回りに
反時計方向Bに回転している。
【0087】したがって、ワイヤ10、アーム15、お
よびこれらに吊り下げられた単結晶6は、単結晶成長開
始から単結晶成長終了まで、同方向Bに回転される。
【0088】こうして、まず、ネック部7が形成され
る。ついで、このネック部7に下に、こぶ状の部分を形
成することで、ネック部7よりも、径が大きく機械的強
度の大きい、くびれ形状の被係合部8が形成される。
【0089】このくびれ形状の被係合部8は、図2ある
いは図4に示すように、くびれ部分のうち径として最小
となっている最小径部8bと、この最小径部8bの上部
にあるくびれ上部8aとからなっている。つまり、被係
合部8は、最小径部8bから上にいくほど徐々に径が大
きくなっていく逆円錐形状になっている。
【0090】いま、アーム回動用アクチュエータ14
は、ロッド14aを伸長させる方向D1に作動してお
り、アーム15の係合部材17は、単結晶6の被係合部
8から離れた位置に待避されている(図1参照)。
【0091】そこで、上述したように単結晶6に被係合
部8が形成された時点で、アーム回動用アクチュエータ
14は、ロッド14aを縮退させる方向D2に作動さ
れ、アーム15は、回動支点15a回りに、矢印E2方
向に回動されて、単結晶6の被係合部8に係合し得る位
置まで姿勢変化される。
【0092】このときのアーム姿勢を図2に示す。
【0093】つぎに、アーム昇降用アクチュエータ20
が作動され、アーム支持部16が、架台3とともに矢印
J1方向に上昇され、アーム15が上昇される。このと
き、アーム15は、ワイヤ巻取部13によるワイヤ10
の巻き上げ動作に同期して、上昇される。
【0094】したがって、アーム15の係合部材17の
係合爪17aは、図4の矢印Fに示すように、アーム1
5の上昇に伴い、被係合部8のくびれ上部8bに確実に
係合された状態で上昇する。
【0095】ここで、アーム15は、当該アーム15の
中心軸15c上に、単結晶6の重心が位置された姿勢を
維持したまま上昇していく。このため、アーム15に単
結晶6の重量が作用したとしても、アーム15には鉛直
方向下向きの力(下向きの引張り力)しかかからない。
つまり、アーム15に対して、係合部材17から単結晶
6が外れる方向への力は作用することがないので、安定
して単結晶6を引き上げることができる。
【0096】また、アーム15の係合部材17の係合爪
17aによって、単結晶6の被係合部8を確実に係合し
た状態で、単結晶6が引き上げられる。したがって、単
結晶6の引き上げ時に、単結晶6が容易に倒れることは
ない。
【0097】とりわけ、図3(a)に示すように、係合
部材17の2つの係合爪17aによって、単結晶6の被
係合部8を、直径方向に2点支持した場合には、係合時
に、最適な係合位置(アーム15の中心軸15c上に、
単結晶6の重心が位置された状態)に対するずれがあっ
たとしても、上記2点の係合点を通る軸を揺動中心にし
て、単結晶6が揺動されることで、そのずれが矯正され
るという効果が得られる。
【0098】また、図3(b)に示すように、係合部材
17の3つの係合爪17aによって、単結晶6の被係合
部8を、3点支持した場合には、単結晶6は係合部材1
7によって確実に係合され、単結晶6の姿勢を固定位置
に安定させたままで、単結晶6を引き上げることができ
るという効果が得られる。
【0099】以上のように、アーム15は、当該アーム
15の中心軸15c上に、単結晶6の重心が位置された
姿勢を維持したまま上昇していく。このため、アーム1
5に単結晶6の重量が作用したとしても、アーム15に
は鉛直方向下向きの力(下向きの引張り力)しかかから
ない。つまり、アーム15上昇時に、アーム15には、
回動支点15a回りの回転モーメント(係合部材17か
ら単結晶6が外れる方向の回転モーメント)は作用しな
い。したがって、アーム回動用アクチュエータ14を作
動させて、この回転モーメントを打ち消し、係合状態を
維持するための回転モーメントを、アーム15に作用さ
せることは不要となる。よって、アーム15を上昇させ
る際には、アクチュエータ14の作動をオフしてもよ
い。
【0100】ただし、本実施形態では、アーム15を上
昇させる際に、単結晶6が揺動するので、その揺動を抑
制するために、アクチュエータ14を作動させて、アー
ム15の姿勢を制御している。この場合、アーム15に
作用する力はごく微小である。
【0101】こうして、アーム15の係合部材17が、
機械的強度の大きいくびれ形状の被係合部8に係合し
て、単結晶6が引き上げられるので、単結晶6に破損を
生じさせることなく、単結晶6を成長させることができ
る。しかも、アーム上昇中に、アーム15に過大な曲げ
モーメントを作用させる必要はないので、アームを小さ
く、軽量にでき、簡素な構造にすることができる。
【0102】なお、上記くびれ形状の被係合部8の形成
についで、肩付けがなされ、直胴部たる定径部9が形成
される。やがて、テール部絞りが行われ、単結晶6の引
き上げ処理が終了する(単結晶成長が終了する)。
【0103】なお、係合部材17は、少なくとも単結晶
6に接触する部分が当該単結晶6の品質に影響を与えな
い材料で構成されていることが望ましい。
【0104】係合部材17の材料としては、重金属のよ
うに、係合部材17が単結晶6に接触することで単結晶
6の材料であるシリコン側に染み込んでいくものは不適
合であり、ステンレスのように、係合部材17が単結晶
6に接触しても、単結晶6の材料であるシリコン側に染
み込んでいかないものが望ましい。
【0105】この場合、単結晶6の品質に悪影響は及ぼ
すことのない材料(ステンレス)は、係合部材17のう
ち、係合爪17aのみという具合に部分的に、使用して
もよく、係合部材17全体に使用してもよい。
【0106】さて、上述した実施形態では、アーム15
を一体形成しているが、アーム15を中折れ構造にして
もよい。
【0107】図6〜図8は、単結晶引上げ用のアームと
して、中折れ構造のアームが使用される第2の実施形態
を説明する図である。
【0108】図6は、この種の中折れ構造のアーム15
の構成を示す斜視図である。図1と同一符号は同様のも
のとして適宜説明を省略する。このアーム15は、図9
(b)に示す一体形成のアーム15と同様の形状であ
り、異なる点は、回動支点15aにおいて、中折れでき
るように構成したことである。
【0109】図6に示すように、この中折れ構造のアー
ム15は、2つのアーム部材15U、15Tとからな
り、上側のアーム部材15Uは、アーム回動用アクチュ
ータ14に接続されている。下側のアーム部材15T
は、2つのアーム部材15R、15Lとからなり、これ
ら2つのアーム部材15R、15Lは、回動支点軸15
aを回動中心に揺動自在に、コネクティングロッドであ
る上側のアーム部材15Uに連結されている。この場
合、図9(b)と同様に、回動支点軸15aの中心に
は、ワイヤ10を挿通させるための穴15dが設けられ
ており、この穴15dにオフセットされて、上アーム部
材15Uが連結されている(図7(a)参照)。
【0110】したがって、下アーム部材15Tは、単結
晶6の被係合部8に係合した状態で、自重で鉛直姿勢を
維持できるように、上アーム部材15Uに対して揺動自
在に吊り下げられていることになる。
【0111】ただし、アーム15が図8の矢印E1方向
に姿勢変化された場合に、上アーム部材15Uにアクチ
ュエータ14から加えられた力が、下アーム部材15T
に作用されるように、上アーム部材15Uには、下アー
ム部材15Tの動きを規制するストッパ15bが設けら
れている。すなわち、図7(b)に示すように、アーム
15が鉛直姿勢に位置された状態で、下アーム部材15
Tは矢印G方向に揺動することができるが、その揺動範
囲は、この下アーム部材15Tに設けられた突起部15
eが、上アーム部材15Uのストッパ15bに当接され
るまでの範囲(これをHにて示す)に限定される。
【0112】このアーム15が姿勢変化する様子は、図
8に示される。
【0113】単結晶6の被係合部8の係合を解除する場
合には、アーム回動用アクチュエータ14は、ロッド1
4aを伸長させる方向D1に作動される。
【0114】すると、アクチュエータ14から上アーム
部材15Uに加えられた力は、上アーム部材15Uのス
トッパ15b、下アーム部材15Tの突起部15eを介
して下アーム部材15Tに伝達され、下アーム部材15
Tは、矢印E1方向に姿勢変化され、アーム15の係合
部材17は、単結晶6の被係合部8から離れた位置に待
避される(図8の実線参照)。
【0115】そこで、単結晶6の被係合部8に係合させ
る場合には、アーム回動用アクチュエータ14は、ロッ
ド14aを縮退させる方向D2に作動される。
【0116】すると、上アーム部材15Uは、アクチュ
エータ14から加えられた力に応じて姿勢変化される
が、下アーム部材15Tの突起部15eは上アーム部材
15Uのストッパ15bに規制されなくなるので、自重
で、矢印E2方向に回動されて、係合部材17が単結晶
6の被係合部8に係合し得る位置まで姿勢変化される。
【0117】このときのアーム姿勢は、一体形成された
アーム15と同様に図2に示すような姿勢になってお
り、アーム15は、当該アーム15の中心軸15c上
に、単結晶6の重心が位置された姿勢を維持したまま上
昇していく。このため、アーム15に単結晶6の重量が
作用したとしても、アーム15には鉛直方向下向きの力
(下向きの引張り力)しかかからない。つまり、アーム
15に対して、係合部材17から単結晶6が外れる方向
への力は作用することがないので、安定して単結晶6を
引き上げることができる。
【0118】しかも、この中折れ構造のアーム15で
は、下アーム部材15Tは、揺動自在に上アーム部材1
5Uに吊り下げられているので、アクチュエータ14の
制御力を要することなく自重だけで、単結晶6の揺動を
吸収して鉛直姿勢を維持することができる。
【0119】なお、本実施形態では、アーム15を、直
動アクチュエータ14の作動に応じて単結晶6に係合さ
せる場合を想定したが、アーム15を回動動作させるた
めのアクチュエータを使用しないで、アーム15の自重
だけで、単結晶6に係合させるような実施も可能であ
る。
【0120】たとえば、図1に示す一体形成されたアー
ム15を姿勢変化させるに際して、アーム15を鉛直姿
勢から傾斜させた状態でロックするロック機構を設け、
ロック機構のロックを解除することで、アーム15を、
回動支点15a回りに、自重だけで、係合方向E2に姿
勢変化させる実施が考えられる。
【0121】ところで、係合部材として、図5(a)に
示すように、被係合部8を係合する2つの対向部材17
R、17Lが別体となっている係合部材17´を使用す
る場合は、強度不足などの理由で、これら対向する2つ
の部材17R、17Lの間隔が、単結晶6の引き上げ時
に、開いてしまう虞がある。
【0122】そこで、図10(図10(b)は図10
(a)の矢視A図である)に示すように、これら対向す
る2つの部材17R、17L間の開きを防止するため、
これら対向する2つの部材17R、17Lを連結する連
結部材17Mを設けるようにしてもよい。図10では、
連結部材17Mにより、係合部材17´近傍のアーム1
5R、15L間が連結される。このようにすることで、
単結晶6の引き上げ時に、係合部材17´の対向部材1
7R、17L間の開きが防止され、単結晶6が、係合部
材17´から外れてしまうことが防止される。
【0123】また、これら各部材17R、17L、17
Mは一体に構成してもよい。図3(a)に示す係合部材
17は、対向する部材17R、17Lとこれらを連結す
る部材17Mが一体に構成されており、対向する部材1
7R、17L間の開きが防止され、単結晶6が係合部材
17から外れてしまうことが防止される。
【0124】また、図9(a)に示すように、係合部材
17から離れたアーム15の根元部分を、連結部材17
Mと兼用してもよい。図9(a)で係合部材17の代わ
りに図5(a)に示す対向部材17R、17Lが別体と
なっている係合部材17´を使用したとしても、アーム
15の根元部分に、連結部材17Mを付加して強度を上
げることで単結晶6が係合部材17´から外れてしまう
ことが防止される。
【0125】なお、本実施形態では、アーム15を積極
的に単結晶6を係合させて、ワイヤ10よりもアーム1
5を主として、引き上げる場合を想定したが、本発明と
しては、ワイヤ10を主として、単結晶6を引き上げる
際に、単結晶6が落下してしまうことを防止するため
に、アーム15を使用してもよい。
【0126】すなわち、単結晶6は、ワイヤ10により
吊り下げられており、このワイヤ10を巻き上げること
によって、引き上げられる。この引上げ中に、たとえ
ば、単結晶6のネック部7が破損したとしても、そのネ
ック部7よりも下部の被係合部8を係合し得る位置に、
アーム15の係合部材17が位置されているので、ネッ
ク部7よりも下の部分が落下するようなことはなく、単
結晶6の被係合部8に、アーム15の係合部材17が確
実に係合されたまま引き上げを継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態の単結晶引上装
置の構成を示す図である。
【図2】図2はアームが単結晶が係合する様子を示す斜
視図である。
【図3】図3(a)、(b)はアームの係合部材の係合
する部分の断面図である。
【図4】図4は図3(a)、(b)の矢視A図である。
【図5】図5(a)、(b)はアームの係合部材の種類
を例示する図である。
【図6】図6は第2の実施形態の単結晶引上装置の部分
的な構成を示す図である。
【図7】図7(a)、(b)はそれぞれアームの中折れ
部分の構造を説明するために用いた拡大斜視図、拡大側
面図である。
【図8】図8は中折れ構造のアームが姿勢変化する様子
を説明する図である。
【図9】図9(a)、(b)は第1の実施形態のアーム
の形状を例示する図である。
【図10】図10(a)、(b)は係合部材の開きを防
止するための構造を例示する図である。
【符号の説明】
5 融液 6 単結晶 6c 結晶中心軸 8 被係合部 10 ワイヤ 12 種子結晶 13 ワイヤ巻取部 14 アーム回動用アクチュエータ 15 アーム 15a 回動支点 15c アーム中心軸 15U 上側のアーム部材 15T 下側のアーム部材 16 アーム支持部 17 係合部材 17a 係合爪 20 アーム昇降用アクチュエータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融液に種子結晶を接触させてから前
    記種子結晶を前記融液から引き上げることによって単結
    晶を成長させる際に使用される単結晶の引き上げ装置に
    おいて、 前記単結晶に被係合部を形成するとともに、 前記被係合部に係合され、前記単結晶を引き上げた際
    に、前記単結晶が倒れない形状の係合部材を有し、前記
    単結晶を引き上げた際に、中心軸が前記単結晶の鉛直中
    心軸と同軸上に位置される形状のアームを設けるととも
    に、前記アームの長手方向の所定位置に、当該アームの
    係合部材が前記単結晶の被係合部に係合し得る位置まで
    前記アームを回動させる回動支点を設け、 前記アームの係合部材が前記単結晶の被係合部に係合し
    得る位置まで、前記アームを姿勢変化させ、その後、前
    記アームの係合部材を前記単結晶の被係合部に係合させ
    た状態で、前記アームを上昇させるようにしたことを特
    徴とする単結晶の引き上げ装置。
  2. 【請求項2】 前記アームに接続されたアクチュエー
    タを作動させることにより、前記アームの係合部材が前
    記単結晶の被係合部に係合し得る位置まで、前記アーム
    を姿勢変化させるようにした請求項1記載の単結晶の引
    き上げ装置。
  3. 【請求項3】 前記アームに作用する重力によって、
    前記アームの係合部材が前記単結晶の被係合部に係合し
    得る位置まで、前記アームを姿勢変化させるようにした
    請求項1記載の単結晶の引き上げ装置。
  4. 【請求項4】 前記アームは、一体形成されたアー
    ムである請求項1記載の単結晶の引き上げ装置。
  5. 【請求項5】 前記アームの長手方向の所定位置
    に、当該アームの係合部材が前記単結晶の被係合部に係
    合し得る位置まで前記アームを回動させる回動支点を設
    け、この回動支点を、前記単結晶の引き上げ動作に同期
    させて上昇させるようにした請求項1記載の単結晶の引
    き上げ装置。
  6. 【請求項6】 前記アームは、2つのアーム部材か
    らなり、上側のアーム部材は、前記アクチュータに接続
    されており、下側のアーム部材は、前記係合部材を有し
    ており、かつ、下側のアーム部材は、前記単結晶の被係
    合部に係合し得る位置に姿勢変化された状態で、自重で
    鉛直姿勢を維持し得るように、前記上側のアーム部材に
    対して揺動自在に吊り下げられている請求項2記載の単
    結晶の引き上げ装置。
  7. 【請求項7】 前記係合部材は、前記単結晶の被係
    合部を、直径方向に2点支持することで係合する形状と
    なっている請求項1記載の単結晶の引き上げ装置。
  8. 【請求項8】 前記係合部材は、前記単結晶の被係
    合部を、3点以上で支持することで係合する形状となっ
    ている請求項1記載の単結晶の引き上げ装置。
  9. 【請求項9】 前記係合部材は、前記単結晶の被係合
    部を、対向する2つの部材によって係合するものであ
    り、前記単結晶を引き上げる際に、これら対向する2つ
    の部材の間隔が開かないように、これら対向する2つの
    部材を連結する部材を設けるようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の単結晶の引き上げ装置。
  10. 【請求項10】 融液に種子結晶を接触させてから
    前記種子結晶を前記融液から引き上げることによって単
    結晶を成長させる際に、当該単結晶の落下を防止する単
    結晶の落下防止装置において、 前記単結晶に被係合部を形成するとともに、 前記被係合部に係合され、前記単結晶を引き上げた際
    に、前記単結晶が倒れない形状の係合部材を有し、前記
    単結晶を引き上げた際に、中心軸が前記単結晶の鉛直中
    心軸と同軸上に位置される形状のアームを設けるととも
    に、前記アームの長手方向の所定位置に、当該アームの
    係合部材が前記単結晶の被係合部に係合し得る位置まで
    前記アームを回動させる回動支点を設け、 前記アームの係合部材が前記単結晶の被係合部に係合し
    得る位置まで、前記アームを姿勢変化させ、その後、前
    記アームの係合部材を前記単結晶の被係合部に係合させ
    た状態で、前記アームを上昇させるようにしたことを特
    徴とする単結晶の落下防止装置。
JP10001679A 1998-01-07 1998-01-07 単結晶の引き上げ装置および落下防止装置 Withdrawn JPH11199374A (ja)

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