JP4026694B2 - 単結晶保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CZ法による半導体単結晶の製造に用いられ、特に大重量の単結晶の引き上げに好適な単結晶保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
単結晶シリコンは一般にCZ法を用いて製造されている。CZ法では、単結晶製造装置内に設置した石英るつぼに多結晶シリコンを充填し、石英るつぼの周囲に設けたヒータによって前記多結晶シリコンを加熱溶解して融液とする。そして、シードホルダに取り付けた種結晶を融液に浸漬し、シードホルダおよび石英るつぼを互いに同方向または逆方向に回転させながらシードホルダを引き上げて単結晶シリコンを所定の直径および長さに成長させる。
【0003】
種結晶には、融液に浸漬したときの熱衝撃で転位が発生する。この転位を除去するため、ダッシュネック法を用いて直径3〜4mm程度のネック部を種結晶の下方に形成し、転位をネック部の表面に逃がす。そして、無転位化が確認された後、肩部を形成して単結晶を所定の直径まで拡大させ、次いで直胴部形成に移行する。
【0004】
近年、半導体デバイス生産の効率化、歩留り向上等を目的とした単結晶の大径化あるいは軸方向長さの増大に伴ってその重量が増大し、ネック部の強度が限界に近づいている。そのため、従来の結晶引上げ方法ではネック部が破断するおそれがあり、安全な単結晶育成ができない。この対策として、単結晶育成中にその荷重をネック部から保持装置へ移し換える引上げ装置や引上げ方法が提案されている。このような装置、方法によれば単結晶重量の大部分を保持装置で支えるため、ネック部の破断が防止され、ネック部が破断した場合でも保持装置により単結晶の落下を防止することができる。
【0005】
上記単結晶保持装置を用いる各種の単結晶製造装置のうち、特公平7−515で開示された結晶引上げ装置は、シードホルダに連結された引上げ軸に沿って上下動可能な把持ホルダの下端に、下方への回転が一定角度で停止する複数の爪を設け、これらの爪を単結晶のくびれ部に掛止させて前記単結晶を保持する構成である。把持ホルダを引上げ軸に沿って下降させることにより、前記爪の先端が単結晶の拡径部に接触しながら上方に開き、拡径部を通過すると爪の自重で閉じ姿勢に戻るようにしている。一方、特公平5−65477で開示された単結晶成長装置は、くびれ部をクランプアームによって保持するもので、クランプアームを開閉する手段として機械的方法、油圧シリンダまたは電気的方法を用いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記結晶引上げ装置には、それぞれ次のような問題点がある。
(1)特公平7−515による結晶引上げ装置は、把持ホルダの下端に取着された閉じ状態の爪を開かせるために育成中の単結晶に触れさせなければならず、その際の衝撃により単結晶を有転位化させるおそれがあり、好ましくない。また、爪が開いた状態で引っ掛かり、閉じなくなるおそれもある。
(2)特公平5−65477による単結晶成長装置は、クランプアームを開閉させる機構が別途必要であり、単結晶保持装置の構造が複雑化するとともに炉内を汚染するおそれがある。
【0007】
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたもので、育成中の単結晶に触れることなく単結晶保持装置の爪を開閉させることができ、かつ、簡素な構造の単結晶保持装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る単結晶保持装置の第1は、単結晶保持装置に開閉自在の複数の爪を設け、これらの爪を閉じることによって単結晶に形成したくびれ部を保持しつつ単結晶を引き上げる単結晶保持装置であって、育成中の単結晶に非接触状態で前記爪の開閉動作を行う手段を設けたことを特徴とする。
開閉自在の爪を用いて単結晶のくびれ部を保持する場合、くびれ部より上方に形成されていてくびれ部より大径の拡径部は、爪を開いた状態にしないと通過させることができない。また、拡径部が通過した後爪を閉じないとくびれ部を保持することができない。上記構成によれば、拡径部が通過する際の爪の開き動作とくびれ部を保持するための爪の閉じ動作のいずれにおいても単結晶に触れることがない。つまり、閉じた爪でくびれ部を保持する直前まで爪が単結晶に接触しないため、爪の開閉動作による振動や衝撃を単結晶に与えない。
【0009】
本発明に係る単結晶保持装置の第2は、上記第1の構成において、単結晶保持装置に設けた複数の爪に保持装置引上げワイヤを繋着し、保持装置引上げワイヤの下降または上昇に伴って爪を開閉させることを特徴とする。
上記構成によれば、複数の爪に繋着した保持装置引上げワイヤを昇降させるだけで、単結晶に接触させずに爪を開閉させることができる。従って、単結晶に形成した拡径部が通過するときは保持装置引上げワイヤを下降させて爪を開いた状態に維持し、拡径部が爪の位置を通過した後保持装置引上げワイヤを上昇させて爪を閉じた状態にすればよい。いずれの場合も爪が単結晶に触れることはない。また、爪の開閉動作と単結晶保持装置の昇降動作とが保持装置引上げワイヤのみによって行われるので、単結晶保持装置の構造が簡素化される。
【0010】
また、本発明に係る単結晶保持装置の第3は、上記第1の構成において、単結晶保持装置に設けた複数のカムに保持装置引上げワイヤを繋着し、保持装置引上げワイヤの上昇に伴ってカムが上昇して爪の閉じ動作を行うことを特徴とする。
上記構成は爪の開閉手段としてカム機構を用い、カムの上昇により爪を閉じるようにしたものである。カムを上昇させる手段として保持装置引上げワイヤを用いたので、爪の閉じ動作と単結晶保持装置の上昇動作とが単一の手段で行われ、構造が簡素化される。
【0011】
本発明に係る単結晶保持装置の第4は、上記第1の構成において、支持部材に複数の保持レバーを揺動自在に連結し、これらの保持レバーの一端と保持装置引上げワイヤの下端に繋着した円筒とを複数のリンクで連結し、前記円筒を下降または上昇させることにより、保持レバーの下端に形成した爪を開閉させることを特徴とする。
上記構成によれば、保持装置引上げワイヤにより昇降可能な円筒にリンクを介して保持レバーを連結したので、前記円筒を下降または上昇させると保持レバーが支持部材との連結点を中心として揺動し、これに伴って保持レバーの下端に形成した爪を単結晶に触れることなく開閉させることができる。
【0012】
本発明に係る単結晶保持装置の第5は、上記第2の構成において、単結晶保持装置の上昇動作の初期段階で、爪の閉じ動作を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、単結晶保持装置を上昇させようとすると、第1段階で爪が閉じ、第2段階で上昇を開始することになる。従って、単結晶保持装置が上昇するとき爪は閉じた状態にあり、単結晶のくびれ部を確実に保持しつつ引き上げることができる。
【0013】
更に、本発明に係る単結晶保持装置の第6は、上記第2乃至第4の構成のいずれかの一項において、くびれ部が所定の高さに引き上げられるまでの間、単結晶保持装置を炉内の所定位置に待機させる手段を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、単結晶保持装置が融液、ヒータ等による高温に曝されず、機能や材質の劣化による障害を回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態および実施例】
次に、本発明に係る単結晶保持装置の実施例について図面を参照して説明する。
図1に単結晶保持装置の第1実施例を示す。単結晶製造装置の図示しないプルチャンバ上方に設けられた真空容器1内に、結晶引上げワイヤ巻取り装置2と単結晶保持装置10を昇降させる複数のワイヤ巻取り装置11とが設置されている。結晶引上げワイヤ巻取り装置2から炉体中心に垂下する結晶引上げワイヤ3の下端にはシードホルダ4が繋着され、複数のワイヤ巻取り装置11から垂下する保持装置引上げワイヤ12の下端には単結晶保持装置10の爪13が繋着されている。また、図示しないメインチャンバ内に融液5を貯留するるつぼ6が回転ならびに昇降可能に設置され、るつぼ6の周囲には図示しないヒータ、断熱筒が設置されている。
【0015】
単結晶保持装置10は、リング状の板からなる保持装置本体14と、保持装置本体14の下面から突出する複数の支持部材15に揺動自在に取着された複数の爪13とを備えている。爪13は、揺動中心に対して内側部分すなわち炉体中心側の部分よりも外側部分が重くなるように製作され、前記外側部分に保持装置引上げワイヤ12の下端が繋着されている。また、メインチャンバ内には、保持装置本体14を担持するリング状の支持台16が設置され、この支持台16に取着したスラストベアリング17を介して保持装置本体14の外縁部を載置することができるようになっている。
【0016】
上記構成の単結晶保持装置10の動作について、図1、図2を参照して説明する。
通常の単結晶引き上げと同様に結晶引上げワイヤ3を巻き戻し、シードホルダ4に装着した種結晶7を融液5に浸漬してなじませた後、結晶引上げワイヤ3を巻き取ることによりネック部8が形成される。更に、単結晶9の拡径部9aとくびれ部9bとを形成した後、肩部9c及び直胴部9dの形成に移行する。この間、保持装置本体14はスラストベアリング17を介して支持台16に担持され、保持装置引上げワイヤ12によって結晶引上げワイヤ3と同一の回転速度で同じ方向に回転している。保持装置引上げワイヤ12の下端は下限位置に固定されているので、図1に示すように爪13の外側部分は揺動中心に対して下降し、内側部分先端は開いた状態を保っている。従って、拡径部9aは爪13の内側部分先端に触れることなく通過することができる。
【0017】
単結晶9の育成が進み、くびれ部9bが図1に示す高さに到達したときワイヤ巻取り装置11か駆動され、保持装置引上げワイヤ12が巻き取られる。これにより爪13の外側部分が引き上げられ、図2の左半分に示すように爪13の外側部分側面が保持装置本体14の下面に当接する。爪13の内側部分先端は下方に回転して閉じた状態となり、更に保持装置引上げワイヤ12が巻き取られると保持装置10が上昇を開始する。そして、保持装置引上げワイヤ12を結晶引上げワイヤ3より僅かに速い速度で巻き取ると、図2右半分に示すように閉じた爪13の内側部分先端が拡径部9aの下側円錐面に当接して単結晶9を保持する。保持装置引上げワイヤ12の巻き取り速度は、爪13が拡径部9aの下側円錐面に当接した時点で結晶引上げワイヤ3の巻き取り速度と一致するように制御され、以後は結晶引上げワイヤ3による単結晶引き上げから保持装置引上げワイヤ12による単結晶引き上げに移行する。
【0018】
単結晶保持装置10によって単結晶9を保持した後、単結晶9の重量の大部分を保持装置引上げワイヤ12によって保持し、一部を結晶引上げワイヤ3によって保持しつつ単結晶9の育成を継続する。前記両者の荷重負担割合は任意に定めるものとする。
【0019】
上記第1実施例において、保持装置本体14を支持台16に載置せず、真空容器1内にワイヤ巻取り装置11とは別に設けた複数のワイヤ巻取り装置から引上げワイヤを垂下し、これらの引上げワイヤによって保持装置本体14を吊り下げてもよい。このようにすると、単結晶保持装置10の待機高さを任意に調節することができる。
【0020】
図3に単結晶保持装置の第2実施例を示す。この単結晶保持装置20の保持装置本体21は、上端にリング状の天板21aを備えた円筒で、天板21aの中心には単結晶9の拡径部9aが容易に通過することができる穴21bを有し、天板21aの下面には複数のリンク22の一端が回動自在に取着されている。そして、リンク22の他端には爪23が揺動自在に取着されている。前記爪23は、揺動中心に対して内側部分すなわち炉体中心側の部分よりも外側部分が重くなるように製作され、前記外側部分の端部は保持装置本体21の内壁面に沿ってなめらかに摺動できるように、曲面に仕上げられている。また、図示しない真空容器内には、結晶引上げワイヤ巻取り装置と複数のワイヤ巻取り装置とが設置され、複数のワイヤ巻取り装置から垂下する第1ワイヤ24は保持装置本体21の天板21a上面に繋着されて保持装置本体21を吊り下げ、複数のワイヤ巻取り装置から垂下する第2ワイヤ25は天板21aを貫通して爪23の外側部分端部に繋着されている。
【0021】
上記構成の単結晶保持装置20の動作について、図3を参照して説明する。
図3の左半分に示すように、炉内の所定位置に待機している単結晶保持装置20の中に単結晶9の拡径部9aが進入するまでの間、保持装置本体21は第1ワイヤ24によって単結晶9と同一の回転速度で同じ方向に回転している。第2ワイヤ25の下端は下限位置に固定されているので、爪23の外側部分は揺動中心に対して下降し、内側部分先端は開いた状態を保っている。従って、拡径部9aは爪23の内側部分先端に触れることなく通過することができる。なお、爪23にはストッパ23aが突出していて、このストッパ23aがリンク22の側面に当接することにより爪23の開き姿勢を規制している。
【0022】
くびれ部9bが爪23の内側部分先端の高さとほぼ同一の位置に到達したとき、第2ワイヤ25が巻き取られ、爪23の外側部分が引き上げられる。爪23の外側端部は保持装置本体21の内壁面に沿って摺動し、爪23の外側端部側面が保持装置本体21の内側上部に形成されたストッパ21cに当接すると停止する。これに伴って爪23の内側端部は下方に回転し、爪23はほぼ水平に近い姿勢となる。この時点で爪23は閉じた状態となり、第2ワイヤ25を結晶引上げワイヤより速い速度で巻き取ることにより、図3の右半分に示すように爪23を拡径部9aの下側円錐面に当接させることができる。以後、第2ワイヤ25の巻き取り速度は結晶引上げワイヤの巻き取り速度と一致するように制御され、結晶引上げワイヤによる単結晶引き上げから第2ワイヤ25による単結晶引き上げに移行する。
【0023】
第2実施例の単結晶保持装置において、保持装置本体21を第1ワイヤ24で吊り下げず、メインチャンバ内に設けた支持台で担持する構成としてもよい。
【0024】
図4は単結晶保持装置の第3実施例を示す断面図である。この単結晶保持装置30は、リング状の保持装置本体31と、保持装置本体31に放射状に設けられた複数の切り欠き溝内を上下動可能なカム32と、カム32の上昇によって前記切り欠き溝内を水平に摺動し、保持装置本体31の中心方向に押し出される複数の爪33とによって構成されている。カム32の上面には図示しないワイヤ巻取り装置から垂下する複数の保持装置引上げワイヤ34の下端が繋着されている。また、図示しない単結晶製造装置のメインチャンバ内には、保持装置本体31を担持するリング状の支持台16が設置され、この支持台16に取着したスラストベアリング17を介して保持装置本体31の外縁部を載置することができるようになっている。
【0025】
上記構成の単結晶保持装置30の動作について、図4を参照して説明する。
単結晶9に形成された拡径部9aが単結晶保持装置30の中に進入するまでの間、単結晶保持装置30の保持装置本体31は図4の左半分に示すようにスラストベアリング17を介して支持台16に担持され、単結晶9と同一の回転速度で同じ方向に回転しながら待機している。保持装置引上げワイヤ34の下端は下限位置に固定されているので、カム32も下限位置に静止し、爪33の内側先端は開いた状態を保っている。従って、拡径部9aは爪33の内側先端や保持装置本体31、カム32の上端に触れることなく通過することができる。
【0026】
くびれ部9bが爪33の内側先端の高さとほぼ同一の位置に到達したとき、保持装置引上げワイヤ34が巻き取られ、カム32が上限位置まで引き上げられる。爪33はカム32により保持装置本体31の中心方向に押し出されて閉じた状態となり、保持装置引上げワイヤ34を結晶引上げワイヤより速い速度で巻き取ることにより、図4の右半分に示すように爪33を拡径部9aの下側円錐面に当接させることができる。以後、保持装置引上げワイヤ34の巻き取り速度は結晶引上げワイヤの巻き取り速度と一致するように制御され、結晶引上げワイヤによる単結晶引き上げから保持装置引上げワイヤ34による単結晶引き上げに移行する。
【0027】
上記第3実施例において、保持装置本体31を支持台16に載置せず、図3に示した第2実施例と同様に、保持装置引上げワイヤ34とは別に複数のワイヤ巻取り装置から引上げワイヤを垂下し、これらの引上げワイヤによって保持装置本体31を吊り下げるようにしてもよい。
【0028】
図5に単結晶保持装置の第4実施例を示す。この単結晶保持装置40は、円筒41と、円筒41の外周に一端を回動自在に取着された複数のリンク42と、リンク42の他端に回動自在に取着された保持レバー43と、保持レバー43を揺動自在に取着したリング状の支持部材44とを備えている。前記円筒41は複数の保持装置引上げワイヤ45によって吊り下げられ、結晶引上げワイヤ3、シードホルダ4、種結晶7、ネック部8は円筒41の内部を無接触で通過することができる。また、保持レバー43の上端は内側に屈曲してストッパ43aを形成し、下端は内側に屈曲して爪43bを形成している。図示しない単結晶製造装置のメインチャンバ内には、支持部材44を担持するリング状の支持台16が設置され、この支持台16に取着したスラストベアリング17を介して支持部材44を載置することができるようになっている。
【0029】
上記構成の単結晶保持装置40の動作について、図5を参照して説明する。
単結晶に形成されたくびれ部9bが保持レバー43の爪43bとほぼ同等の高さに到達するまでの間、単結晶保持装置40は図5の左半分に示すようにスラストベアリング17を介して支持台16に担持され、単結晶と同一の回転速度で同じ方向に回転しながら待機している。保持装置引上げワイヤ45の下端は下限位置に固定されているので、円筒41も下限位置に静止し、保持レバー43はほぼ垂直に近い姿勢を保っている。従って、爪43bは互いに開いた状態となり、拡径部9aは爪43bの先端に触れることなく通過することができる。
【0030】
くびれ部9bが保持レバー43の爪43bとほぼ同等の高さに到達したとき、保持装置引上げワイヤ45が巻き取られ、円筒41が上昇して各リンク42が図5の右半分に示す位置に変位する。これに伴って保持レバー43は支持部材44に設けられた揺動支点44aの回りに揺動し、リンク42の側面がストッパ43aに当接すると揺動を停止する。このとき爪43bは閉じた状態となり、保持装置引上げワイヤ45を更に巻き取ると単結晶保持装置40が上昇を開始する。
【0031】
爪43bを閉じた状態で保持装置引上げワイヤ45を結晶引上げワイヤ3より速い速度で巻き取ることにより、爪43bを拡径部9aの下側円錐面に当接させることができる。以後、保持装置引上げワイヤ45の巻き取り速度は結晶引上げワイヤ3の巻き取り速度と一致するように制御され、結晶引上げワイヤ3による単結晶引き上げから保持装置引上げワイヤ45による単結晶引き上げに移行する。
【0032】
上記第4実施例において、支持部材44を支持台16に載置せず、図3に示した第2実施例と同様に、保持装置引上げワイヤ45とは別に複数のワイヤ巻取り装置から引上げワイヤを垂下し、これらの引上げワイヤによって支持部材44を吊り下げるようにしてもよい。
【0033】
以上の各実施例では、単結晶保持装置の爪を開閉する手段としてワイヤを用いたが、ワイヤ以外の開閉手段を用いた単結晶保持装置を第5実施例として図6に示す。なお、第4実施例と同一の構成要素に対しては第4実施例と同一の符号を付して説明を省略する。
真空容器1内には結晶引上げワイヤ巻取り装置2のみが設置され、ボールねじ46の回転によって昇降する支持板47にベアリング48を介して円筒49が取着されている。この円筒49は結晶引上げワイヤ3を包囲するように設けられ、図示しない駆動装置により結晶引上げワイヤ3と同一の回転速度で同じ方向に回転することができる。円筒49の下端には第4実施例と同一の単結晶保持装置40が取着されている。また、図示しないメインチャンバ内には、単結晶保持装置40の支持部材44を担持するリング状の支持台16が設置されている。
【0034】
上記構成の単結晶保持装置40の動作は次の通りである。
単結晶保持装置40で単結晶9を保持するまでの間、支持部材44は支持台16上に載置され、静止している。円筒49は下限位置に固定されているので、保持レバー43の爪43bは開いた状態である。単結晶9の育成が進み、くびれ部9bが爪43bとほぼ同等の高さに到達すると、ボールねじ46が回転して支持板47とともに円筒49が上昇し、爪43bが閉じた状態となる。この状態で円筒49を回転させながら支持板47を結晶引上げワイヤ3より速い速度で上昇させることにより、爪43bを拡径部9aの下側円錐面に当接させることができる。以後、支持板47の上昇速度は結晶引上げワイヤ3の巻き取り速度と一致するように制御され、結晶引上げワイヤ3による単結晶引き上げから保持装置40の上昇による単結晶引き上げに移行する。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次の効果が得られる。
(1)単結晶に形成した拡径部を通過させるために単結晶保持装置の爪を開くとき、くびれ部保持姿勢をとるため爪を閉じるときのいずれの場合においても、単結晶に触れずに爪を開閉させることができる。従って、爪を開閉する際に単結晶に触れることによって発生する衝撃等によって育成中の単結晶が有転位化する可能性は皆無となる。
(2)爪の開閉動作と爪閉じ後の単結晶保持装置の上昇動作とを同一の引上げワイヤで行う構成としたので、前記複数の引上げワイヤ巻取り装置の他に駆動機構を必要とせず、装置構成を極めて簡素化することができる。
(3)単結晶保持装置が一体構造でコンパクトであるため、取り扱いが容易であり、炉内上方の低温域で使用するので、熱による劣化の可能性が低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による単結晶保持装置の縦断面図で、爪を開いた状態を示す。
【図2】図1の単結晶保持装置の説明図で、左半分は爪を閉じた状態、右半分は単結晶のくびれ部を保持した状態を示す。
【図3】本発明の第2実施例による単結晶保持装置の説明図で、左半分は爪を開いた状態、右半分は単結晶のくびれ部を保持した状態を示す。
【図4】本発明の第3実施例による単結晶保持装置の説明図で、左半分は爪を開いた状態、右半分は単結晶のくびれ部を保持した状態を示す。
【図5】本発明の第4実施例による単結晶保持装置の説明図で、左半分は爪を開いた状態、右半分は単結晶のくびれ部を保持した状態を示す。
【図6】本発明の第5実施例による単結晶保持装置の縦断面図で、単結晶のくびれ部を保持した状態を示す。
【符号の説明】
2…結晶引上げワイヤ巻取り装置、3…結晶引上げワイヤ、9…単結晶、9a…拡径部、9b…くびれ部、10,20,30,40…単結晶保持装置、11…ワイヤ巻取り装置、12,34,45…保持装置引上げワイヤ、13,23,33,43b…爪、14,21,31…保持装置本体、15,44…支持部材、21c,23a,43a…ストッパ、22,42…リンク、24…第1ワイヤ、25…第2ワイヤ、32…カム、41,49…円筒、43…保持レバー。
Claims (5)
- 単結晶保持装置に開閉自在に設けた複数の爪を閉じることによって、単結晶(9)のくびれ部(9b)を保持し、該単結晶(9)を引き上げる単結晶保持装置であって、
単結晶保持装置 (10) に揺動自在に取着された複数の爪 (13) と、
前記爪 (13) に繋着した保持装置引上げワイヤ (12) と
を具備し、
前記保持装置引上げワイヤ (12) の上昇に伴って、前記単結晶保持装置 (10) との接点を中心に前記爪 (13) が揺動して閉じ動作を行う
ことを特徴とする単結晶保持装置。 - 単結晶保持装置に開閉自在に設けた複数の爪を閉じることによって、単結晶 (9) のくびれ部 (9b) を保持し、該単結晶 (9) を引き上げる単結晶保持装置であって、
単結晶保持装置(30)に設けた複数のカム(32)に保持装置引上げワイヤ(34)を繋着し、保持装置引上げワイヤ(34)の上昇に伴ってカム(32)が上昇して爪(33)の閉じ動作を行うことにより、育成中の単結晶 (9) に非接触状態に前記爪の開閉動作を行う手段を設けた
ことを特徴とする単結晶保持装置。 - 単結晶保持装置に開閉自在に設けた複数の爪を閉じることによって、単結晶 (9) のくびれ部 (9b) を保持し、該単結晶 (9) を引き上げる単結晶保持装置であって、
支持部材(44)に複数の保持レバー(43)を揺動自在に連結し、これらの保持レバー(43)の一端と保持装置引上げワイヤ(45)の下端に繋着した円筒(41)とを複数のリンク(42)で連結し、前記円筒(41)を下降または上昇させることにより、保持レバー(43)の下端に形成した爪(43b) を開閉させて、育成中の単結晶 (9) に非接触状態に前記爪の開閉動作を行う手段を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の単結晶保持装置。 - 単結晶保持装置の上昇動作の初期段階で、爪の閉じ動作を行うことを特徴とする請求項1記載の単結晶保持装置。
- 請求項1乃至3記載のいずれか一項の単結晶保持装置において、くびれ部(9b)が所定の高さに引き上げられるまでの間、単結晶保持装置を炉内の所定位置に待機させる手段を設けたことを特徴とする単結晶保持装置。
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