JPH11197922A - スローアウェイチップおよび該スローアウェイチップを装着したスローアウェイ式ドリル - Google Patents

スローアウェイチップおよび該スローアウェイチップを装着したスローアウェイ式ドリル

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JPH11197922A
JPH11197922A JP808398A JP808398A JPH11197922A JP H11197922 A JPH11197922 A JP H11197922A JP 808398 A JP808398 A JP 808398A JP 808398 A JP808398 A JP 808398A JP H11197922 A JPH11197922 A JP H11197922A
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JP
Japan
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triangular
tip
throw
cutting edge
convex
Prior art date
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JP808398A
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English (en)
Inventor
Takeshi Inoue
武 井上
Nobuyuki Takagi
信行 高木
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Drilling Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実に表裏反転して使用可能であるととも
に、マージン部によるバニシング効果や工具案内性を確
保することができるスローアウェイチップを提供する。 【解決手段】 略三角形の平板状をなして、一対の三角
形面22,23とその周りに配置される第1、第2、第
3の側面24,25,26とを備えたスローアウェイチ
ップ21において、一方の三角形面22と第1の側面2
4との交差稜線部に第1の切刃27を形成するととも
に、他方の三角形面23と第2の側面25との交差稜線
部には第2の切刃28を形成し、さらに第1、第3の側
面24,26が交差する角部Aには第1の切刃27に交
差する第1の凸円弧面29を、また第2、第3の側面2
5,26が交差する角部Bには第2の切刃28の交差す
る第2の凸円弧面30を、それぞれ一対の三角形面2
2,23の間で湾曲するように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、略三角形平板状を
なして、その一対の三角形面のそれぞれ一の稜線部に切
刃が形成され、表裏反転させることによってこれらの切
刃を選択的に使用可能としたスローアウェイチップ(以
下、チップと称する。)、および該チップを装着したス
ローアウェイ式ドリル(以下、ドリルと称する。)に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】このようなチップおよびドリルとして、
本発明の発明者等は、特願平8−74893号におい
て、図9ないし図11に示すようなものを提案してい
る。このうち、図9および図10に示すチップ1は、略
三角形平板状をなして、一対の三角形面2,3と、その
周りに配置される第1、第2、第3の側面4,5,6と
を備えており、一方の三角形面2と第1の側面4との交
差稜線部には第1の切刃7が、また他方の三角形面3と
第2の側面5との交差稜線部には第2の切刃8がそれぞ
れ形成されるとともに、これら第1、第2の側面4,5
が交差する角部Eには、上記一方の三角形面2側に上記
第1の切刃7に交差する凸円弧面9が、また上記他方の
三角形面3側には上記第2の切刃8に交差する第2の凸
円弧面10が、それぞれ両三角形面2,3の間で湾曲す
るように形成されている。
【0003】しかるに、このようなチップ1は、図11
に示すように軸線O回りに回転されるドリルの工具本体
11の先端に、図示の例では上記一方の三角形面2を工
具回転方向に向けるとともに、第1の切刃7を工具先端
に突出させて、クランプネジ12により着脱自在に装着
される。そして、この装着状態において、第1の切刃7
に交差する上記第1の凸円弧面9は、工具外周側に位置
して上記軸線Oを中心とする凸円弧面とされ、上記第1
の切刃7により形成された加工穴の内周に摺接してバニ
シングし、また工具本体11を案内する当該ドリルのマ
ージン部とされる。また、図11において第1の切刃7
に摩耗等が生じたときには、チップ1を表裏反転させ
て、他方の三角形面3を工具回転方向に向けるととも
に、第2の切刃8を工具先端に突出させ、上記第2の凸
円弧面10をマージン部とすることにより、一つのチッ
プ1で2回の使用が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成のチップ1および該チップ1を装着したドリルでは、
ドリルのマージン部となる第1、第2の凸円弧面9,1
0が、チップ1の1つの角部Eに形成されているので、
図11に示したように第1の凸円弧面9をマージン部と
して加工を行った際に、この第1の凸円弧面9に欠損や
著しい摩耗が生じたりして角部Eが損傷してしまうと、
チップ1を表裏反転させて第2の凸円弧面10をマージ
ン部として使用することができなくなってしまう。ま
た、このように一つの角部Eに第1、第2の凸円弧面
9,10が形成されることにより、個々の凸円弧面9,
10の大きさや形状は制限されざるを得ず、十分なバニ
シング効果や工具案内性が得られなくなるおそれもあ
る。
【0005】さらに、上記構成のチップ1を装着したド
リルにおいて、チップ1を表裏反転させて上記第1、第
2の凸円弧面9,10の双方をマージン部として使用す
るためには、これらの凸円弧面9,10は、上記三角形
面2,3に対向する方向から見て、上記第3の側面6に
平行に延びるように形成され、かつ、この第3の側面6
が軸線Oに平行となるようにチップ1が工具本体11に
取り付けられなければならない。従って、図11に示す
ように工具本体11の先端に一対の上記チップ1,1を
装着したドリルでは、これらのチップ1,1の第3の側
面6,6同士の間の間隔が、先端から後端側に向けて切
刃7,7同士の間の間隔と略等しくなってしまい、これ
ら切刃7,7の間隔を小さくしようとすると、上記第3
の側面6,6間における工具本体11の肉厚が確保でき
なくなって強度の劣化を招くおそれがある。
【0006】本発明は、このような背景のもとになされ
たもので、上述のような略三角形平板状のチップおよび
該チップを装着したドリルにおいて、このチップを確実
に表裏反転して使用可能とするとともに、マージン部に
よる十分なバニシング効果や工具案内性を確保すること
ができ、さらには工具本体先端部の強度も十分に確保す
ることが可能なチップおよびドリルを提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明のチップは、略
三角形の平板状をなして、一対の三角形面とこれらの三
角形面の周りに配置される第1、第2、第3の側面とを
備え、一方の上記三角形面と上記第1の側面との交差稜
線部に第1の切刃を形成するとともに、他方の上記三角
形面と上記第2の側面との交差稜線部には第2の切刃を
形成し、さらに上記第1の側面と第3の側面とが交差す
る角部には上記第1の切刃に交差する第1の凸円弧面
を、また上記第2の側面と第3の側面とが交差する角部
には上記第2の切刃の交差する第2の凸円弧面を、それ
ぞれ上記一対の三角形面の間で湾曲するように形成した
ことを特徴とする。
【0008】また、本発明のドリルは、このような構成
のチップを装着したドリルであって、軸線回りに回転さ
れる工具本体の先端部に形成されたチップ取付座に、上
記チップを、上記一対の三角形面のいずれかを工具回転
方向に向けるとともに、この三角形面の稜線部に形成さ
れた上記第1、第2の切刃の一方を工具先端に突出させ
て着脱自在に装着し、この第1、第2の切刃の一方に交
差する上記第1、第2の凸円弧面の一方を、工具先端外
周側に位置させてマージン部としたことを特徴とする。
【0009】従って、上記構成のチップおよび該チップ
を装着した上記ドリルによれば、チップの2つの角部
に、それぞれ第1、第2の切刃に交差する凸円弧面が形
成されるので、加工中にマージン部とされた一方の凸円
弧面に欠損や摩耗が生じても、これによって他方の凸円
弧面が影響を受けることはなく、確実にチップを表裏反
転使用可能として一対の切刃および凸円弧面の双方を利
用することができる。また、こうしてチップの2つの角
部にそれぞれ凸円弧面が形成されることにより、個々の
凸円弧面の大きさや形状を、互いに制限されることなく
自由に設定することが可能となり、従って、各凸円弧面
に十分な面積を確保してバニシング効果や工具案内性の
向上を図ったり、チップの取付姿勢も自由に設定したり
することが可能となる。
【0010】さらに、このようにチップの2つの角部の
それぞれにマージン部となる凸円弧面が形成されること
により、上記三角形面に対向する方向から見て、上記第
1の凸円弧面と第2の側面とが、平行ではなく、第1の
側面側から離間するに従い鋭角に交差する方向に延びる
ように、また上記第2の凸円弧面と第1の側面について
も、第2の側面側から離間するに従い鋭角に交差する方
向に延びるように形成することができる。このため、こ
のようなチップを、上記凸円弧面がマージン部となるよ
うに上記凸円弧面を軸線に平行として装着したドリルで
は、チップの内周側を向く側面が、軸線方向後方側に向
かうに従い外周側に向かって傾斜することとなり、従っ
て一対の上記チップを装着したドリルにおいて切刃の間
隔を小さくしても、両チップの間には軸線方向後端側に
十分な肉厚を確保することが可能となる。
【0011】なお、本発明のチップに関しては、上記ド
リルに装着して使用するほかに、例えばボーリングバー
等の他の種の穴加工工具や、これ以外のスローアウェイ
式工具に使用することも可能であるが、上述のドリルに
装着する場合のように、チップを表裏反転させた際に同
一の加工条件を再現するためには、上記第1、第2の切
刃および上記第1、第2の凸円弧面を、上記一対の三角
形面から等しい距離にあり、かつ上記第1、第2の側面
がなす交差角を二等分する直線に対して、線対称に形成
すればよい。また、上記第1、第2の切刃と第1、第2
の凸円弧面との交差部分における強度を確保するには、
これらがなす交差角を、鈍角に設定するのが望ましい。
一方、この交差部分とは反対側、すなわち第1、第2の
切刃の上記第1、第2の凸円弧面側とは反対側の端部に
おける強度を確保するには、この端部において上記切刃
を凸曲するように形成するのが望ましい。さらに、加工
時に生成される切屑の円滑な処理を図るとともに、各切
刃に鋭い切れ味を与えるには、上記一対の三角形面に、
上記第1、第2の切刃に沿って凹溝状のブレーカを形成
するのが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明のチッ
プの一実施形態を示すものである。本実施形態のチップ
21は、超硬合金等の硬質材料から略三角形平板状に形
成されて成り、すなわち一対の三角形面22,23と、
これらの三角形面22,23の周りに配置される第1、
第2、第3の側面24,25,26とを備えている。そ
して、一方の三角形面22と第1の側面24との交差稜
線部には第1の切刃27が形成されているとともに、他
方の三角形面23と第2の側面25との交差稜線部には
第2の切刃28が形成されており、さらに第1の側面2
4と第3の側面26とが交差する角部Aには、上記第1
の切刃27に交差する第1の凸円弧面29が、また第2
の側面25と第3の側面26とが交差する角部Bには、
上記第2の切刃28に交差する第2の凸円弧面30が、
それぞれ上記一対の三角形面22,23の間で湾曲する
ように形成されている。なお、切刃27,28にはホー
ニングが施されている。
【0013】ここで、このチップ21は、上記第1、第
2の切刃27,28に逃げ角が付された、いわゆるポジ
ティブチップであり、第1の切刃27の逃げ面となる上
記第1の側面24は、すくい面となる一方の三角形面2
2に切刃27を介して鋭角に交差するように、また第2
の切刃28の逃げ面となる上記第2の側面25は、すく
い面となる他方の三角形面23に切刃28を介して鋭角
に交差するように、それぞれ形成されている。さらに、
上記第3の側面26は、三角形面22,23に直交する
ように形成されている。さらにまた、上記一対の三角形
面22,23の中央には、当該チップ21を貫通する取
付穴31が形成されている。
【0014】また、上記第1の凸円弧面29は上記角部
Aにおいて一方の三角形面22側に形成されており、角
部Aの他方の三角形面23側は、この凸円弧面29に対
して凸状に交差する凸曲面32とされている。そして、
角部Aにおいては、これら凸円弧面29および凸曲面3
2が、上記一方の三角形面22に対向する方向からみて
図2に示すように、上記第1の側面24から第3の側面
26に亙って延びるように形成され、かつ第1の側面2
4側から第3の側面26側に向かうに従い、漸次上記第
2の側面25に鋭角に交差する方向に接近するように傾
斜して形成されている。なお、上記第1の切刃27と第
1の凸円弧面29とは鈍角に交差するようになされてお
り、すなわち、上記円弧面29の中心軸(後述する軸線
O)に沿って第1の側面24に対向する方向から見た場
合に、第1の切刃27と第1の凸円弧面29との交点P
における交差角θが鈍角となるように設定されている
(図7参照)。
【0015】さらに、上記第1の側面24と第2の側面
25とが交差する角部Cにおいて、上記一方の三角形面
22には、上記第1の切刃27側から、この一方の三角
形面22に切刃27上の点Qにおいて滑らかに接するよ
うに形成された凸円弧面33と、この凸円弧面33と上
記三角形面22とを結ぶ傾斜面34とが形成されてい
る。従って、このような凸円弧面33および傾斜面34
が形成されることにより、上記一方の三角形面22の角
部C側は、その先端に向けて他方の三角形面23側に凹
むように形成されるとともに、この角部C側における上
記第1の切刃27の端部27aは、上記凸円弧面33と
第1の側面24との交差稜線部に形成されることとなっ
て、図3に示すようにその先端に向かうに従い他方の三
角形面23側に向かって後退する凸曲線状に形成され
る。なお、上述のように当該チップ21がポジチップで
あるのに伴い、この第1の切刃27の端部27aは、上
記一方の三角形面22に対向する平面視においても、凸
曲線状に湾曲形成されることとなる。
【0016】さらにまた、本実施形態では、上記一方の
三角形面22に、第1の切刃27に沿って凹溝状のチッ
プブレーカ35が形成されている。このブレーカ35
は、図5に示すように切刃27に直交する断面において
凹円弧状をなすものであり、本実施形態では、第1の切
刃27の上記交点Pから点Qに亙って、等しい幅および
深さに形成されている。
【0017】そして、さらに本実施形態のチップ21
は、上記一対の三角形面22,23から等しい距離にあ
り、かつ上記第1、第2の側面24,25がなす上記角
部Cの交差角αを二等分する直線Lに対して、線対称と
なるように形成されている。従って、上述した一方の三
角形面22と、第1の側面24と、第1の切刃27およ
びその端部27aと、第1の凸円弧面29との間の相互
関係は、他方の三角形面23と、第2の側面24と、第
2の切刃28およびその端部28aと、第2の凸円弧面
30との間にも同様に適用される。また、上記取付穴3
1は、その中心軸が上記直線Lに直交するように形成さ
れるとともに、上記第3の側面26も直線Lに直交する
ように形成される。
【0018】次に、図6ないし図8は、上述した実施形
態のチップ21を装着した本発明のドリルの一実施形態
を示すものである。本実施形態のドリルは、軸線O回り
に回転される略円柱状の工具本体41の先端部外周に、
後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れる
一対の切屑排出溝42,42が軸線Oに関して対称に形
成されており、これらの切屑排出溝42,42の先端の
工具回転方向T側を向く壁面に形成されたチップ取付座
43,43に、それぞれ上記実施形態のチップ21が、
上記一対の三角形面22,23のいずれか(図示の状態
では一方の三角形面22)を工具回転方向T側に向ける
とともに、上記第1、第2の切刃27,28のいずれか
(図示の状態では第1の切刃27)を工具先端に突出さ
せて、上記取付穴31に挿通されたクランプネジ44に
よって着脱自在に装着された構成とされている。
【0019】そして、この装着状態において、上記チッ
プ21の第1の凸円弧面29は、工具外周側に位置して
工具本体41の外周面よりも僅かに突出し、上記軸線O
を中心とする円弧面に配設され、当該ドリルのマージン
部を形成するように設定されている。また、工具先端側
に突出させられた上記第1の切刃27は、上記一方の三
角形面22に対向する方向からみて、図6に示すように
工具外周側に向かうに従い後端側に向かうように配置さ
れ、さらにその上記端部27aは、図7に示すように工
具先端における軸線O上、すなわち工具先端における回
転中心の近傍から、工具回転方向T側に凸となるように
配置されている。
【0020】しかるに、上述のように構成された実施形
態のチップ21においては、三角形平板状をなす該チッ
プ21の側面24,25,26同士が交差する角部A,
B,Cのうち、第1、第3の側面24,26が交差する
角部Aと第2、第3の側面25,26が交差する角部B
とに、それぞれ第1、第2の切刃27,28に交差する
第1、第2の凸円弧面29,30が形成されており、す
なわち、該チップ21を装着した上記実施形態のドリル
などにおいて、チップ21を表裏反転させた際には、使
用される切刃27,28が変わるのに伴いマージン部と
される凸円弧面29,30も変わることとなる。従っ
て、本実施形態のチップ21によれば、これら凸円弧面
29,30の一方をマージン部とした場合に、欠損や著
しい摩耗等によって角部A,Bの一方が損傷したとして
も、これに影響を受けることなく、チップ21を表裏反
転させることにより、凸円弧面29,30の他方をマー
ジン部として使用することができ、当該チップ21を確
実に2回使い回すことが可能となって、チップ21の有
効利用を図ることできる。
【0021】また、このようにマージン部とされる第
1、第2の凸円弧面29,30がチップ21の異なる角
部A,Bに形成されることにより、上記チップ21で
は、これらの円弧面29,30の大きさや形状あるいは
切刃27,28に対する向きを、互いに干渉を受けるこ
となく比較的自由に設定することが可能となる。このた
め、上記構成のチップ21によれば、これらの凸円弧面
29,30の面積を大きくしてバニシング効果や工具案
内性の向上を図り、優れた精度の加工穴を形成すること
が可能となるとともに、チップ21の取付姿勢に合わせ
て凸円弧面29,30の形状を変えたりして、加工条件
に適した取付姿勢でチップ21を装着することも可能と
なり、より適用範囲の広いチップを提供することができ
る。
【0022】さらに、本実施形態のチップ21では、上
述のように一方の三角形面22に対向する方向からみ
て、第1の凸円弧面29が第1の側面24側から第3の
側面26側に向かうに従い、第2の側面25に鋭角に交
差する方向に傾斜して形成されており、逆に他方の三角
形面23に対向する方向から見た場合には、第2の凸円
弧面30は第2の側面25側から第3の側面26側に向
かうに従い、第1の側面24に鋭角に交差する方向に傾
斜することとなる。従って、図6に示すように、このよ
うなチップ21を、第1、第2の凸円弧面29,30の
いずれがマージン部となるように工具本体11に装着し
た場合でも、チップ21の工具内周側を向く側面(図6
においては第2の側面25)は、軸線O方向後端側に向
かうに従い外周側に傾斜するように配置されることとな
り、一対のチップ21,21を装着した上記ドリルにお
いて、使用される切刃(図6においては第1の切刃2
7)の内周側の端部27aを接近させたとしても、これ
らのチップ21,21の間に工具本体11の肉厚を確保
することが可能となるので、上記チップ21を装着した
本実施形態のドリルでは、工具本体11の先端部におけ
る強度を十分に維持してチップ21の取付剛性の向上や
工具寿命の延長を図ることが可能となる。
【0023】ところで、上記実施形態のチップ21は、
上述のように上記直線Lに関して線対称に形成されてお
り、従って第1、第2の切刃27,28と第1、第2の
凸円弧面29,30との位置関係も直線Lに関して対称
とされているが、本発明のチップでは、上述のように円
弧面29,30の大きさ、形状、あるいは向きを自由に
形成できることにより、これらを第1、第2の円弧面2
9,30同士で互いに異なるように設定することも可能
となる。例えば第1、第2の切刃27,28の切刃長を
互いに異なるように形成するとともに、これに合わせて
第1、第2の凸円弧面29,30の曲率半径も異なるも
のとした場合には、一つのチップ21で異なる穴径の加
工を行うことも可能となる。ただし、上記実施形態のド
リルに装着する場合のように、チップ21を表裏反転さ
せて取り付けたときに反転前と同じ加工条件を確実に再
現するには、本実施形態のチップ21のように、上記第
1、第2の切刃27,28および上記第1、第2の凸円
弧面29,30を、上記一対の三角形面22,23から
等しい距離にあり、かつ上記第1、第2の側面24,2
5がなす交差角αを二等分する直線Lに対して、線対称
に形成するのが望ましい。
【0024】また、本実施形態のチップ21では、上記
第1、第2の切刃27,28と第1、第2の凸円弧面2
9,30とが、その交点Pにおいて鈍角の交差角θで交
差するように形成されており、従って、この交点P周辺
におけるチップ21の強度を確保して欠損等の発生自体
も防止し、チップ21の寿命を延長せしめて一層の有効
利用を図ることができる。ただし、このように上記交差
角θを鈍角に設定した場合には、当該チップ21を装着
したドリル等においては、図7に示されるように切刃2
7が工具本体41の軸線Oに対して、いわゆる芯上がり
に配置されることとなり、切刃27の径方向すくい角は
負角に設定されることになる。また、一つの角部Eに2
つの凸円弧面9,10が形成された上記従来のチップ1
では、これらの凸円弧面9,10同士の干渉を避けるた
め、切刃7,8と凸円弧面9,10との交差角は必ず鈍
角とせざるを得ない。
【0025】しかしながら、本発明のチップでは、この
ような制限を受けることもなく、例えば上記交差角θを
直角あるいは鋭角として、切刃27,28を軸線Oの径
方向に配置したり、あるいは芯下がりに配置したりし、
切刃27,28の軸方向すくい角を0°あるいは正角側
に設定することも可能であり、これにより切削抵抗の低
減を図ることもできる。これは、特に本発明のチップを
ボーリングバー等の他のスローアウェイ式工具に用いる
場合に有効である。
【0026】一方、本実施形態のチップ21では、上記
第1、第2の側面24,25が交差する角部C側におい
て、一対の三角形面22,23に凸円弧面33と傾斜面
34とが形成されており、この凸円弧面33と側面2
4,25との交差稜線部に切刃27,28の端部27
a,28aが形成されることによって、この端部27
a,28aは、切刃27,28に滑らかに接し、かつ先
端側に向けて漸次後退する凸曲線状に形成されることと
なる。このため、本実施形態のチップ21によれば、こ
の切刃27,28の上記凸円弧面29,30とは反対側
の端部27a,28aにおける強度をも確実に確保する
ことが可能となり、従って切刃27,28の全長に亙っ
て高い強度を有するチップ21を提供することができ
る。
【0027】また、特に該チップ21を装着した上記実
施形態のドリルによれば、この凸曲線状に形成された端
部27a,28aが、切刃27,28において最も大き
な負荷の作用する工具先端の回転中心近傍に配置される
ため、より効果的に切刃27,28の欠損を防止できる
という利点を得ることができる。なお、本実施形態のチ
ップ21では、上述のように三角形面22,23にそれ
ぞれ凸円弧面33が形成されることにより、切刃27,
28の端部27a,28aは略円弧状に凸曲するように
形成されているが、例えば上記凸円弧面33の代わりに
複数の平面が多段状に凸曲する面を形成して、上記端部
27a,28aを凸状に曲折する複数の直線により形成
してもよく、また、凸円弧面33の代わりに、あるいは
凸円弧面33と傾斜面34との代わりに、三角形面2
2,23に鈍角に交差する方向に1の傾斜平面を形成し
て、切刃27,28の端部27a,28aを直線状に後
退するように形成してもよい。
【0028】さらに、本実施形態のチップ21では、上
記三角形面22,23に、切刃27,28に沿って凹溝
状のブレーカ35が形成されており、切刃27,28に
より生成される切屑が、このブレーカ35によって適宜
分断されることにより、その円滑な処理を図ることがで
きるとともに、実質的な切刃27,28のすくい角を正
角側に設定し得て、鋭い切れ味を確保し、切削抵抗の低
減を図ることができる。なお、本実施形態では、このブ
レーカ35を切刃27,28に沿って等しい幅および深
さに形成しているが、例えばこれを、切刃27,28の
上記点Q側から交点P側に向かうに従い、漸次幅広とな
るように形成したり、漸次深くなるように形成したりす
れば、特に上記ドリルなどにおいて、工具外周側で伸び
気味に生成される切屑に対し、より効率的な処理を図る
ことが可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のチップに
よれば、略三角形状のチップの2つの角部に、第1、第
2の切刃に交差する凸円弧面がそれぞれ形成されるの
で、本発明のドリルなどのように、この凸円弧面を当該
ドリルのマージン部とした際に、一方の凸円弧面に欠損
や著しい摩耗が生じてその角部が損傷したりしても、こ
れに影響を受けることなく、他方の角部の凸円弧面をマ
ージン部として使用することができ、確実にチップを表
裏反転させて使用することができる。また、こうして2
つの角部のそれぞれに凸円弧面が形成されることによ
り、各凸円弧面の大きさや形状、向き等を、互いに干渉
されることなく自由に設定することができ、加工条件に
適したマージン部を形成しうる凸円弧面を備えたチップ
を提供することが可能となる。さらに、チップの三角形
面に対向する方向から見て、第1の円弧面と第2の側面
とが上記第1の側面側から離間するに従い鋭角に交差す
る方向に延びるように形成したり、あるいは第2の凸円
弧面と第1の側面とが第2の側面側から離間するに従い
鋭角に交差する方向に延びるように形成したりすること
により、上記凸円弧面をマージン部として一対の当該チ
ップを装着したドリルにおいては、チップの工具内周側
を向く側面が軸線方向後端側に向かうに従い外周側に向
かうことになるので、工具本体先端部の肉厚を確保して
その強度を十分に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のスローアウェイチップ
21を示す斜視図である。
【図2】 図1に示すスローアウェイチップ21を一方
の三角形面22側から見た平面図である。
【図3】 図2におけるX方向視のスローアウェイチッ
プ21の側面図である。
【図4】 図2におけるY方向視のスローアウェイチッ
プ21の側面図である。
【図5】 図2におけるZZ断面図である。
【図6】 図1に示したチップを装着した本発明のスロ
ーアウェイ式ドリルの一実施形態を示す平面図である。
【図7】 図6に示すスローアウェイ式ドリルを工具先
端側から見た正面図である。
【図8】 図6に示すスローアウェイ式ドリルの先端部
の側面図である。
【図9】 従来の表裏反転使用可能な三角形平板状のス
ローアウェイチップ1の平面図である。
【図10】 図9に示すスローアウェイチップ1の角部
Eに対向する方向から見た側面図である。
【図11】 図9に示すスローアウェイチップ1を装着
した従来のドリルの平面図である。
【符号の説明】
21 スローアウェイチップ 22,23 スローアウェイチップ21の三角形面 24 スローアウェイチップ21の第1の側面 25 スローアウェイチップ21の第2の側面 26 スローアウェイチップ21の第3の側面 27 第1の切刃 27a 第1の切刃27の端部 28 第2の切刃 28a 第2の切刃28の端部 29 第1の凸円弧面 30 第2の凸円弧面 35 チップブレーカ 41 工具本体 θ 切刃27,28と凸円弧面29,30との交差角 α 第1、第2の側面24,25の交差角 A 第1、第3の側面24,26が交差する角部 B 第2、第3の側面25,26が交差する角部 C 第1、第2の側面24,25が交差する角部 L 一対の三角形面22,23から等しい距離にあり、
かつ第1、第2の側面24,25がなす交差角αを二等
分する直線 O 工具本体41の軸線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略三角形の平板状をなして、一対の三角
    形面とこれらの三角形面の周りに配置される第1、第
    2、第3の側面とを備え、一方の上記三角形面と上記第
    1の側面との交差稜線部には第1の切刃が形成されると
    ともに、他方の上記三角形面と上記第2の側面との交差
    稜線部には第2の切刃が形成され、さらに上記第1の側
    面と第3の側面とが交差する角部には上記第1の切刃に
    交差する第1の凸円弧面が、また上記第2の側面と第3
    の側面とが交差する角部には上記第2の切刃の交差する
    第2の凸円弧面が、それぞれ上記一対の三角形面の間で
    湾曲するように形成されていることを特徴とするスロー
    アウェイチップ。
  2. 【請求項2】 上記第1、第2の切刃および上記第1、
    第2の凸円弧面は、上記一対の三角形面から等しい距離
    にあり、かつ上記第1、第2の側面がなす交差角を二等
    分する直線に対して、線対称に形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載のスローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 上記第1、第2の切刃と上記第1、第2
    の凸円弧面とがなす交差角が、鈍角に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスロー
    アウェイチップ。
  4. 【請求項4】 上記第1、第2の切刃の上記第1、第2
    の凸円弧面側とは反対側の端部が、凸曲するように形成
    されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    いずれかに記載のスローアウェイチップ。
  5. 【請求項5】 上記一対の三角形面に、上記第1、第2
    の切刃に沿って凹溝状のブレーカが形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    のスローアウェイチップ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のスローアウェイチップを装着したスローアウェイ式
    ドリルであって、軸線回りに回転される工具本体の先端
    部に形成されたチップ取付座に、上記スローアウェイチ
    ップが、上記一対の三角形面のいずれかを工具回転方向
    に向けるとともに、この三角形面の稜線部に形成された
    上記第1、第2の切刃の一方を工具先端に突出させて着
    脱自在に装着され、この第1、第2の切刃の一方に交差
    する上記第1、第2の凸円弧面の一方が、工具先端外周
    側に位置してマージン部を形成していることを特徴とす
    るスローアウェイ式ドリル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1278609A1 (en) * 1999-12-22 2003-01-29 Greenfield Industries, Inc. Indexable drill and cutting inserts therefor
JP2024009552A (ja) * 2022-07-11 2024-01-23 株式会社タンガロイ 切削インサート、及び切削インサートを備える切削工具

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