JPH11193414A - 複数の転炉を用いる製鋼方法 - Google Patents
複数の転炉を用いる製鋼方法Info
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- JPH11193414A JPH11193414A JP36955597A JP36955597A JPH11193414A JP H11193414 A JPH11193414 A JP H11193414A JP 36955597 A JP36955597 A JP 36955597A JP 36955597 A JP36955597 A JP 36955597A JP H11193414 A JPH11193414 A JP H11193414A
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Abstract
能率よく行い、また、発生するスラグを最小にする製鋼
方法を目的とする。 【解決手段】 (a)一の転炉において溶銑のSiが
0.3wt%以下の溶銑を装入して脱燐精錬し、終点の
燐含有量([P]f wt%)が式[P]f wt%≦
[P]k wt%−Δ1 −Δ2([P]k wt%: 粗鋼で
要求されるP含有量(鋼の成分規格値)、Δ1:この溶銑
を脱炭精錬する他の転炉における先行する脱炭精錬後の
炉内に残留したスラグ量による燐の増加量(wt%)、
Δ2:取鍋における復燐量(wt%))に従うように精錬
し、 (b)前記脱燐精錬された溶銑を他の転炉に装入し、実
質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行い、 (c)前記脱炭精錬された溶鋼と、当該脱炭精錬中に増
加したスラグ量のみを必要に応じて前記他の転炉から出
鋼し、又は排出する、複数の転炉を用いる製鋼方法。
Description
炉において脱燐精錬を行い、この脱燐精錬された溶銑を
他の転炉において脱炭精錬を行い、円滑に連続した生産
性の高い溶銑からの製鋼方法に関する。
炉において高炉溶銑の脱燐精錬と脱炭精錬とを行なっ
て、製鋼作業を行っていた。しかし、近年の鋼材の品質
に対する要求が高くなる一方、連続鋳造の拡大や、真空
脱ガス、取鍋精錬等の溶鋼の二次精錬が普及するに伴
い、転炉における出鋼温度が上昇し、転炉に於ける脱燐
能力が低下してきた。この理由は、脱燐反応は高温ほど
不利に進行するからである。
て、特に燐(Pとも記述する)成分をある程度除去して
から転炉に装入する溶銑予備処理法が発展してきた。こ
の方法は例えば、溶銑鍋又は一の転炉等において溶銑の
脱燐精錬を行ない、この脱燐された溶銑を他の転炉に移
動して脱炭精錬を行なう製鋼法である。
5号公報、特公平2−14404号公報、特公昭61−
23243号公報の提案がある。また、本願の発明者も
既に従来の製鋼工場を改造し、複数の転炉のそれぞれの
炉前作業床に作業床開口部を設け、一の転炉で溶銑の脱
燐精錬をした溶湯を受湯鍋に受け、この受湯鍋を前記作
業床開口部を通して他の一の転炉に運搬し、この転炉に
装入し、ここで脱炭精錬を行なう精錬方法を開発してい
る(特開平6−41624号公報)。
て、一の転炉等で溶銑の脱燐精錬を行ない直ちに出湯
し、これを他の転炉等で少なくとも脱燐精錬時間以内で
の時間内で脱炭精錬することが円滑な製鋼作業上必要で
ある。
る脱燐精錬の概要を図9及び図10に示す。上記溶銑の
脱燐精錬は低温(1250〜1400℃)で行われてお
り、また、溶銑の脱燐精錬のためにスラグのFeO(5
〜10%)を高くするため、スラグがフォーミングして
おり、直ちに出湯すると、炉口からスラグが流出し、又
は受湯鍋に大量のスラグが流入するので、図に示す様に
鎮静時間が4分程度を要していた。そのため、脱燐処理
時間は、例えば平均約36分であった。
炭精錬時間は種々の改良により平均29分、スラグコー
テングをしない場合には27分である。従って、脱炭精
錬炉は少なくとも7分、最大9分遊び時間が発生し、従
ってその分製鋼能率が低下していた。この7分間の遊び
時間を短縮すると約20%の生産向上が得られる。ま
た、この遊び時間において脱炭精錬炉の炉内温度の低下
があり、煉瓦の損耗等も発生し、転炉寿命の低下ももた
らしていた。
せ、脱炭精錬炉の遊び時間を無くし、円滑な製鋼作業を
確保し、更に製鋼能率の向上を目的とする。上記脱燐精
錬において溶鋼のP含有量を脱炭精錬における復燐量と
粗鋼成分のP含有量(所謂規格値、通常0.02wt%
以下)を考慮して精錬し、脱炭精錬においては実質的に
脱燐精錬をせず、製鋼能率の向上を目的とする。
少しているが、更に減少することが望ましい。脱炭精錬
する溶銑が既に十分脱燐精錬されてれれば、更に脱燐す
る必要はないのでスラグ量を極小化できる。また、高価
なマンガン合金を節約するため、脱炭精錬において可能
な範囲でマンガン鉱石を装入し、これを還元して溶鋼の
Mn含有量を高めることが一部実施されているが、スラ
グを極小化することによりマンガン鉱石中のMnの溶鋼
への還元歩留りを極限まで向上させることが可能とな
る。
究した結果、下記の発明をするに至った。第1の発明
は、下記の工程を備えたことを特徴とする脱燐溶銑を使
用する複数の転炉を用いる製鋼方法である。 (a)一の転炉において溶銑の珪素(以下Siと記す
る)含有量が0.3wt%以下の溶銑を装入して脱燐精
錬するに際して、終点の燐含有量([P]f wt%)が
下式(1) に従うように精錬し、 [P]f wt%≦[P]k wt%−Δ1 −Δ2 ---(1) ここで、[P]k wt%: 粗鋼で要求されているP含有
量(鋼の成分規格値) Δ1:この溶銑を脱炭精錬する他の転炉において、先行す
る脱炭精錬後の炉内に残留したスラグ量による燐の増加
量(wt%)、 Δ2:取鍋における溶鋼の復燐量(wt%) (b)前記脱燐精錬された溶銑を他の転炉に装入し、実
質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行い、 (c)前記脱炭精錬された溶鋼と、脱炭精錬中に増加し
たスラグ量のみを必要に応じて前記他の転炉から出鋼
し、又は排出する。
式(2) に従うように脱燐精錬することを特徴とする複数
の転炉を用いる転炉製鋼方法である。 [P]f wt%≦ [P]k wt%−Δ1 −Δ2 −Δ3---(2) ここで、Δ3 : 当該脱燐精錬で発生したスラグが、前記
他の転炉に混入することによる復燐量(wt%)
0.3wt%を超える場合には、予め脱珪素処理を行
い、Si含有量を0.3wt%以下とすることを特徴と
する複数の転炉を用いる製鋼方法である。
錬を行う転炉でSi含有量を0.3wt%以下に精錬
し、生成したスラグを排出し、引き続いて脱燐精錬を行
うことを特徴とする複数の転炉を用いる製鋼方法であ
る。
おいて、更にマンガン鉱石を装入し、終点における溶鋼
のマンガン(以下Mnと記する)含有量を最大、粗鋼で
要求されているMn規格値の上限以内においてMn含有
量を高めることを特徴とする複数の転炉を用いる製鋼方
法である。
際し、マンガン鉱石に含まれているシリカ(SiO2 )
に対して所定の塩基度(CaOwt%/SiO2 wt
%)となるように更にCaOを含む造滓材を装入するこ
とを特徴とする複数の転炉を用いる製鋼方法である。
おいて、前記脱燐精錬された溶銑の装入に先立ち、スラ
グ固化剤を装入することを特徴とする複数の転炉を用い
る製鋼方法である。
ロマイト及び/又は生ドロマイトであることを特徴とす
る複数の転炉を用いる製鋼方法である。
に、溶銑を装入するに先立ちスクラップの全量を装入す
ることを特徴とする複数の転炉を用いる製鋼方法ある。
は全部を脱燐精錬及び/又は脱炭精錬で生成したスラグ
の磁選屑とすることを特徴とする複数の転炉を用いる製
鋼方法である。
精錬時間以内において行うことを特徴とする複数の転炉
を用いる製鋼方法である。
錬の概要を図9において説明する。図9は、例えば溶銑
340tonの転炉2における溶銑4の脱燐精錬の状況
を概念的に示す。溶銑装入後、ランス12から酸素を吹
錬し、所定量の焼石灰等を装入し、CaO、SiO2 、
FeO等を主成分とするスラグ6を生成させ、溶銑から
燐を除去する。
口8を介して取鍋に出湯を行う。従来例若しくは本発明
前の溶銑の脱燐精錬の概要を図10に示す。スクラップ
装入に続いて溶銑340tonを装入後、造滓材として
の焼石灰(6ton/ch)、ホタル石(0.6ton
/ch)、都合により生ドロマイト等を装入しながら、
酸素吹錬を約13分間行う。
ンスを3分間程度行う。その後、従来はスラグフォーミ
ングの鎮静化のため約4分を待ち、その後出湯する。図
に示すように脱燐精錬時間は約36分である。一方、こ
の脱燐精錬を脱炭精錬する時間は約29分であり、脱炭
精錬する転炉(以下、脱炭転炉という)は約7分間の非
稼働時間があった。
脱燐精錬の概要を図1に、また、Si含有量と全脱燐精
錬時間との関係を図3に、精錬時間配分を図4に示す。
図3に示すように、従来例においては高炉から出銑され
る溶銑のSi含有量は0.3〜0.5wt%程度であっ
たが、本発明では0.3wt%以下の溶銑を使用するの
で、脱燐精錬時間は約32分以下となり、従来の36分
に対して約10%の生産性の向上が得られる。
量は0.3wt%以下であるので、この問題はない。し
かし、非定常的な操業(高炉休風後等)ではSiが0.
3wt%を超えることがあるが、このような場合には鋳
床脱珪、溶銑鍋脱珪、更には脱燐精錬を行う転炉におけ
る脱珪精錬(酸素吹錬による)等で予め脱珪素を行なう
ことができる。
使用するため、スラグ量は図6に示すように、従来(4
0〜50kg/ton)より少なく(20〜30kg/
ton以下,図6参照)、精錬中におけるスラグフォー
ミングも少ないので鎮静時間(従来4分)を要せず、図
1に示すように、脱燐精錬時間は従来の36分から3
2.2分に短縮でき、脱炭精錬時間により近くなった。
は、他の転炉における脱炭精錬において下記の原因によ
り変化する。 (1)この溶銑を脱炭精錬する他の転炉において先行す
る脱炭精錬後の炉内に残留したスラグ量 (2)及び、出鋼後における取鍋における復燐量 (3)当該脱燐精錬で発生したスラグが他の転炉に混入
することによる復燐量
の考察に次の記号を使用する。 [P]f wt%:一の転炉における脱燐精錬の終点の燐
含有量 [P]k wt%:粗鋼で要求されているP含有量(鋼の
成分規格値) Δ1 :この溶銑を脱炭精錬する他の転炉において先行す
る脱炭精錬後に炉内に残留させたスラグ量による燐の増
加量(wt%) Δ2 :取鍋における復燐量(wt%) Δ3 :当該脱燐精錬で発生したスラグが、前記他の転炉
に混入することによる復燐量(wt%)
るスラグ量, [P]0 wt%:上記終点のP 含有量 (P)0 wt%:上記スラグのP 含有量 X1ton:脱燐溶銑の他の転炉への装入量 [P]1 wt%:脱燐溶銑のP 含有量 (P)1 wt%:脱燐精錬スラグのP含有量 X2 ton :脱炭炉の終点の溶鋼量 Y2 kg/ton:脱炭炉の終点のスラグ量 [P]2 wt%:脱炭精錬の終点P 含有量 (P)2 wt%:脱炭炉の終点のスラグのP 含有量
( 約200)、(P)2/[P]2 =k(約200)、脱炭精錬に
おける燐のマスバランスは、 入り側= 1000 *X1 *[P]1/100 + X1 *Y0 *
(P)0/100 出側 = 1000 *X2 *[P]2/100 + X2 *Y2 *
(P)0/100 上記式において*は乗算を意味する。ここで、溶銑量と
溶鋼量は略等しいのでX1 =X2 とすると、 [P]2 =(1000 *[P]1+Y0 *k*[P]0)/(1000
+Y2 *k) ここで、Y2 = 30 kg/ton , Y0 = 15 kg/ton,k=
200 の場合は、[P]2 = (0.14*[P]1+ 0.42 *
[P]0)
0 = 0.010wt%, 0.015 wt%,0.020 wt%の場合
には、kが一定であれば、それぞれ[P]2 = 0.018w
t%, 0.020 wt%, 0.022 wt%となる。なお、Y2
が0の場合には、[P]2 =0.014 wt%である。
残留スラグがない場合には、[P]2 = 0.014wt%で
あるが、残留スラグが 15 kg/ton である場合には
[P]2は大きな影響を受ける。この例においては、例
えば、[P]kwt%= 0.020wt%の場合には、
[P]f wt%は0.016 wt%以下、0.014 wt%以
下、0.012 wt%以下となる。即ち、Δ1 = 0.004wt
%、0.006 wt%、0.008 wt%である。このことか
ら、 脱燐精錬においてはΔ1に相当する量だけ低めに脱
燐精錬する必要がある。
に転炉から流出したスラグ組成、量、鋳造までの時間、
出鋼時に添加した保温材の種類と量等の影響により変化
するので、予め計算することはできないが、上記工程が
一定である場合には経験的に予想することができる。経
験上、Δ2 は0.002 wt%以下である。
前記他の転炉に混入することによる復燐量であるが、予
め推定することが困難である。しかし、一定の作業にお
いては経験上 0.002wt%以下である。以上の点を予め
考慮して、[P]f wt%を下式により定めて当該脱燐
精錬を行うことにより、本発明を実施することができ
る。
は脱炭炉における復燐を考慮して少なくとも通常粗鋼で
要求されている(規格値)0.02wt%以下に精錬さ
れる(図6参照)。このため脱炭精錬においてはPを精
錬する必要がない。
は、十分な脱燐精錬と精錬時間の短縮を確保するため、
スラグの塩基度を1.5〜5程度とする。必要によりス
ラグフォーミングを抑制するため、コークスを0.5t
on/ch程度装入する。その装入方法は、1回に全量
装入してもよいが、例えば1回の装入量を1〜4分間に
渡って分割して装入することが望ましい。
Pがスラグ中のFeOと反応してスラグに吸収される。
そこで、脱燐精錬を促進するためにはスラグ中のFeO
濃度を高くする。このため、吹錬中期に鉄鉱石或いはミ
ルスケールを装入する(図1参照)。また、スラグのF
eOが高いと、酸素吹錬終了後においてスラグフォーミ
ングが大きくなる。そこで、本発明においては、酸素吹
錬終了時刻の5分間以前において終了しているように鉄
鉱石装入を行う。
精錬においては主に脱炭精錬を目的とするため、吹錬す
る酸素量を多くする。溶銑のP含有量は少なくとも規格
値(0.02wt%)以下となっているため、従来多く
使用している焼石灰等の造滓材を一連の吹錬の最初のチ
ャージ以外は原則として装入しない。従って、炉内に生
成するスラグ量は図6に示すように10〜30kg/t
onと少ない。しかも、出鋼後において原則として炉内
に残留させるため排出するスラグ量は従来と比較し大き
く減少する(図6参照)。
ガン鉱石を可能な範囲で装入する。高炉溶銑のMn含有
量は通常0.2〜0.3wt%であり、脱燐精錬された
溶銑のMn含有量は、通常0.05〜0.15wt%で
ある。また、脱炭精錬においても同程度である。一方粗
鋼のMn含有量(規格値)は鋼種によるが、低炭素鋼で
は例えば0.40〜0.60wt%、高マンガン鋼では
例えば1.0〜1.2wt%である。そこで通常は出鋼
時において高価なマンガン合金を添加して規格値とす
る。
る必要がないのでスラグを極小化できる。そこで、本発
明ではマンガン鉱石(例えば、Mn約50wt%,Fe
約10wt%以下,SiO2 約10wt%以下)を装入
する。マンガン鉱石を精錬中に添加すると効率よく還元
され、溶鋼のMn含有量を最大、粗鋼のMn含有量の上
限値まで高めておくことができ、より経済的に製鋼作業
が可能となる。
しているので、これを溶解し、スラグの塩基度(CaO
wt%/SiO2 wt%)が1.5〜5となるようにC
aOを含む造滓材を装入する。マンガン鉱石はコストの
高いマンガン合金鉄の添加量を最小限とするように、可
能な範囲で多く装入する。スラグのMnO濃度が吹錬前
から高く維持されており、造滓材による希釈も少ないの
で、マンガン鉱石のMn分は、少なくとも約60%以上
溶鋼に還元される。
は、脱燐精錬された溶銑の装入に先立ち、スラグ固化剤
を装入する。この場合には、脱燐溶銑を装入した際に溶
銑の突沸現象を抑える作用があり、安全な操業を担保す
る。スラグ固化剤としては、煉瓦屑、焼石灰、軽焼ドロ
マイト、生ドロマイト等がある。上記スラグ固化剤のう
ち、軽焼ドロマイト、生ドロマイトは、溶解性、経済
性、更には炉体寿命を延長する点から望ましい。
予め軽焼ドロマイト及び/又は生ドロマイトを添加する
と、脱炭精錬中において十分スラグに溶解し、MgO濃
度を高める作用がある。このようなスラグはスラグ自体
がMgOを溶解度限まで含有しているため、マグネシヤ
(MgO)を主成分とする煉瓦からなる炉体煉瓦の損耗
を抑制し、炉体寿命を延長させる効果がある。
て炉体を傾動して炉内に残留したスラグを炉体内張り煉
瓦に付着させ、所謂スラグコーテングを行う。このスラ
グコーテングは炉体寿命の延長に大きく貢献し、脱燐精
錬炉と同程度の炉体寿命となる。従って、脱燐精錬時間
と脱炭精錬時間の時間的サイクルが同じとなるだけでな
く、双方の炉体寿命も同程度になり円滑な一貫した製鋼
作業が可能となった。
に、脱炭精錬炉から排出されるスラグは最大約10kg
/ton、少ない場合には全く排出しない。すでに述べ
た通り、脱燐精錬で発生するスラグ量も40kg/to
n以下であり、その一部はリサイクルできるので、粗鋼
1ton当たり外部に排出するスラグ量は約40kg/
ton以下である。
り短縮できるので、脱燐精錬を行う転炉に、溶銑を装入
するに先立ちスクラップの全量を装入することが時間的
に可能である。また、脱燐精錬は低い温度(1300〜
1400℃)で行われるが、溶銑の炭素量が高いため
に、スクラップを容易に溶解できるので、スクラップの
装入が可能である。スクラップの装入量は熱バランスの
点から溶銑量の約10wt%以内である。スクラップの
装入は、脱燐精錬溶銑の生産量を増加させる効果があ
る。
脱燐精錬及び脱炭精錬において発生したスラグの磁選屑
とすることができる。磁選屑とは、脱燐精錬及び脱炭精
錬において発生したスラグを磁選機にかけて選別した粒
鉄等の鉄分を多く(約50wt%以上)を含む部分であ
る。磁選屑は溶解したスラグを約50wt%含むので、
溶銑温度が低い場合でもスラグ生成が円滑に行われ、終
点のP含有量を安定して低くすることができる。
間以内において行うことができるので、脱燐精錬溶銑は
待ち時間なしに脱炭精錬を行うことができ、製鋼能率を
向上させることができる。また、本発明における転炉と
は、上吹き酸素転炉、底吹き酸素転炉、及び上底吹き酸
素転炉にいずれであってもよい。
と本発明の精錬方法をそれぞれ50チャージ実施して脱
燐精錬と脱炭精錬における鋼の成分組成の変化、及びス
ラグ量の変化を図6に示す。従来例においては脱燐精錬
の終点のP含有量は0.03から0.04wt%である
ため脱炭精錬において更に焼石灰を装入し脱炭精錬と脱
燐精錬もあわせて行い、P含有量を0.02wt%以下
とする。
%以下の溶銑を使用して脱燐精錬を行い、脱炭精錬にお
ける復燐を考慮して精錬を行った。その結果、原則とし
て造滓材を装入しなくても通常の燐の規格値(0.02
0wt%)以下に維持することができた。
満)、中炭素鋼(C:0.1〜0.2wt%)、高炭素
鋼(C:0.2wt%超え)をそれぞれ50チャ−ジ製
造した。その結果を表1を示す図7と表2を示す図8に
示す。脱燐精錬における成分組成の変化を図7に、脱炭
精錬における成分組成の変化を図8に示す。例えば高炭
素鋼においては、復燐量が多いので脱燐精錬においてこ
の点を考慮して精錬を実施した。
銑を使用することにより、粗鋼のP含有量はいずれも
0.02wt%以下に精錬されている。また、粗鋼のM
n含有量はマンガン鉱石の装入量に応じて高めることが
できた。その他の精錬データは図1から図6に示す通り
である。
wt%以下の溶銑を脱燐精錬し、この溶銑を脱炭精錬す
ることにより、従来、脱炭精錬時間より長かった脱燐精
錬を短縮でき、スラグコーテング時間を含めた脱炭精錬
時間により近づくことができる。従って全体として所謂
製鋼時間を約20%短縮することができる。
で溶銑の燐(P)含有量を、脱炭精錬における復燐量と
粗鋼で要求されているP含有量(鋼の成分規格値)を考
慮した量以下に精錬し、脱燐精錬された溶銑を転炉に装
入し、実質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行う。従っ
て、脱炭精錬を行う転炉において、マンガン鉱石を装入
し、粗鋼で要求されているMn規格値の上限以内におい
てMn含有量を高めることが可能となり、極めて経済的
な製鋼方法が実現できる。また、この製鋼方法は発生す
るスラグを最小に抑えることができるので、省資源の効
果もある。よって本発明の産業上の効果は著しい。
である。
ある。
時間を示す図である。
示す図である。
る脱燐精錬における溶銑とスラグの成分組成の変化を示
す図である。
る脱炭精錬における溶鋼及びスラグの成分組成の変化を
示す図である。
る。
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 下記の工程を備えたことを特徴とする複
数の転炉を用いる製鋼方法。 (a)一の転炉において溶銑の珪素(以下Siと記す
る)含有量が0.3wt%以下の溶銑を装入して脱燐精
錬して終点の燐含有量([P]f wt%)が下式(1) に
従うように精錬し、 [P]f wt%≦[P]k wt%−Δ1 −Δ2 ---(1) ここで、[P]k wt%: 粗鋼で要求されているP含有
量(鋼の成分規格値) Δ1:この溶銑を脱炭精錬する他の転炉における先行する
脱炭精錬後の炉内に残留したスラグ量による燐の増加量
(wt%)、 Δ2:取鍋における復燐量(wt%) (b)前記脱燐精錬された溶銑を他の転炉に装入し、実
質的に造滓材を装入せず脱炭精錬を行い、 (c)前記脱炭精錬された溶鋼と、当該脱炭精錬中に増
加したスラグ量のみを必要に応じて前記他の転炉から出
鋼し、又は排出する。 - 【請求項2】 前記[P]f wt%が、前記式(1) に代
えて下式(2) に従うように脱燐精錬することを特徴とす
る請求項1記載の複数の転炉を用いる転炉製鋼方法。 [P]f wt%≦[P]k wt%−Δ1 −Δ2 −Δ3---(2) ここで、Δ3 : 当該脱燐精錬で発生したスラグが、前記
他の転炉に混入することによる復燐量(wt%) - 【請求項3】 前記脱燐精錬を行う溶銑のSi含有量が
0.3wt%を超える場合には、予め脱珪素処理を行
い、Si含有量を0.3wt%以下としてから脱燐精錬
することを特徴とする請求項1又は2記載の複数の転炉
を用いる製鋼方法。 - 【請求項4】 前記脱珪素処理を、脱燐精錬を行う転炉
でSi含有量を0.3wt%以下に精錬し、生成したス
ラグを排出し、引き続いて脱燐精錬を行うことを特徴と
する請求項3記載の複数の転炉を用いる製鋼方法。 - 【請求項5】 前記脱炭精錬を行う転炉において、更に
マンガン鉱石を装入し、終点における溶鋼のマンガン
(以下Mnと記する)含有量を最大、粗鋼で要求されて
いるMn規格値の上限以内においてMn含有量を高める
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の複
数の転炉を用いる製鋼方法。 - 【請求項6】 前記マンガン鉱石の装入に際し、マンガ
ン鉱石に含まれているシリカ(SiO2 )に対して所定
の塩基度(CaOwt%/SiO2 wt%)となるよう
に更にCaOを含む造滓材を装入することを特徴とする
請求項5記載の複数の転炉を用いる製鋼方法。 - 【請求項7】 前記脱炭精錬を行う転炉において、前記
脱燐精錬された溶銑の装入に先立ち、スラグ固化剤を装
入することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
載の複数の転炉を用いる製鋼方法。 - 【請求項8】 前記スラグ固化剤が軽焼ドロマイト及び
/又は生ドロマイトであることを特徴とする請求項1か
ら7のいずれかに記載の複数の転炉を用いる製鋼方法。 - 【請求項9】 前記脱燐精錬を行う転炉に、溶銑を装入
するに先立ちスクラップの全量を装入することを特徴と
する請求項1から8のいずれかに記載の複数の転炉を用
いる製鋼方法。 - 【請求項10】 前記スクラップの一部又は全部を脱燐
精錬及び/又は脱炭精錬で生成したスラグの磁選屑とす
ることを特徴とする請求項9に記載の複数の転炉を用い
る製鋼方法。 - 【請求項11】 前記脱炭精錬を前記脱燐精錬時間以内
において行うことを特徴とする請求項1から10のいず
れかに記載の複数の転炉を用いる製鋼方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36955597A JP3924059B2 (ja) | 1997-12-29 | 1997-12-29 | 複数の転炉を用いる製鋼方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP36955597A JP3924059B2 (ja) | 1997-12-29 | 1997-12-29 | 複数の転炉を用いる製鋼方法 |
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1997
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