JPH11190368A - ばねクラッチ - Google Patents

ばねクラッチ

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JPH11190368A
JPH11190368A JP9361111A JP36111197A JPH11190368A JP H11190368 A JPH11190368 A JP H11190368A JP 9361111 A JP9361111 A JP 9361111A JP 36111197 A JP36111197 A JP 36111197A JP H11190368 A JPH11190368 A JP H11190368A
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JP
Japan
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coil spring
fitted
stop collar
cylindrical portion
ring member
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Application number
JP9361111A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kubo
久保  勉
Kozo Nishimura
興三 西村
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置又は機構の駆動及び停止を制御するため
に用いられるばねクラッチのストッパの位置調節を容易
にする。 【解決手段】 コイルばね20の第1係合部22を直接
ストップカラー部材50に係合させずに、ストップカラ
ー部材50のストッパ51に対して相対的に回転しうる
リング部材30の係合溝31に係合させる。また、スト
ップカラー部材50に長穴53を設け、ストッパ51の
位置又は位相を調節しながら、ねじ又はピン70により
リング部材30とストップカラー部材50とを固着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば複写機にお
ける給紙ローラ等のように回転及び停止を繰り返す装置
又は機構を制御するためのばねクラッチの構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平5−157128号公報に
記載された従来のばねクラッチを図4に示す。従来のば
ねクラッチは、コイルばね2、シャフト(出力軸)3、
ハブ4、リング部材5、ストップカラー部材6及びタイ
ミングプーリ(入力軸)7等で構成されている。
【0003】コイルばね2の先端部2aは軸方向に屈曲
され、また後端部2bは半径方向に屈曲されている。コ
イルばね2の巻回部分の先端側の約半分はシャフト3の
大径部3bに嵌装され、後端側の約半分がハブ4の外周
部に嵌装される。
【0004】シャフト3は軸方向に順に小径部3a、大
径部3b及び筒部3cが形成されている。大径部3bの
外径はコイルばね2の内径よりも若干大きくなるように
設定されており、コイルばね2が嵌装された状態では両
者は空転しないように構成されている。筒部3cには、
その断面が略D字状に形成された空転規制穴3fが設け
られている。なお、シャフト3に連結される回転軸(図
示せず)にも断面が略D字状に形成された突起が設けら
れており、両者を連結することにより、空転することな
く一体的に回転することが可能となる。また、シャフト
3の両端部近傍には溝3d及び3eが形成されており、
抜け止めのためのEリング等(図示せっず)が嵌入され
る。
【0005】ハブ4の外径は、上記シャフト3の大径部
3bと同様に、コイルばね2の内径よりも若干大きくな
るように設定されており、コイルばね2が嵌装された状
態では両者は空転しないように構成されている。また、
ハブ4の先端部には軸方向に突出した突起4aが形成さ
れており、後述するタイミングプーリ7の穴7dに嵌入
される。
【0006】リング部材5はシャフト3の大径部3bに
圧入嵌合されるものであり、その内周綿の一部には、コ
イルばね2の先端部2aが係合されるための切欠き5a
が形成されている。
【0007】タイミングプーリ7はハブ4が嵌装される
筒部7a、無端ベルト(図示せず)がかけられるベルト
受け部7b及びベルトの外れ防止のための鍔7c等で構
成されている。筒部7aと鍔7cとの間の段差部には穴
7dが形成されており、ハブ4の突起4aが嵌装される
ことにより、ハブ4とタイミングプーリ7とが一体的に
回転する。
【0008】ストップカラー部材6は筒部6a及び鍔6
b等で構成されている。筒部6aの軸方向の長さはコイ
ルばね2の軸方向の長さとほぼ等しく、その内径はシャ
フト3の大径部3b及びハブ4に嵌装された状態のコイ
ルばね2の外径よりも若干大きくなるように設定されて
いる。筒部6aと鍔6bとの間の段差部には、コイルば
ね2の後端部2bが係合されるための切欠き6cが形成
されている。また、鍔6bの外周部には、図示しない係
止レバー等が係合するための突起状のストッパ6dが形
成されている。
【0009】タイミングプーリ7及びハブ4は、図示し
ない駆動モータ及びタイミングベルトにより常時所定方
向に回転されている。上記係止レバー等がストッパ6d
と係合し、ストップカラー部材6の動きが規制されてい
る状態では、ハブ4が所定方向に回転すると、コイルば
ね2はその回転が規制されているため、相対的にハブ4
に対して巻きゆるむ方向に回転する。従って、タイミン
グプーリ7及びハブ4はその回転を規制されることなく
回転し続けることが可能である。このとき、シャフト3
はコイルばね2を介してストップカラー部材6に連結さ
れているため、回転しない。さらに、シャフト3に係合
している回転軸(図示せず)も回転しない。
【0010】一方、上記係止レバー等がストッパ6dと
係合せず、ストップカラー部材6の動きが規制されてい
ない状態では、コイルばね2はハブ4の外周部に嵌装さ
れ、かつ巻き締まった状態にあるので、コイルばね2及
びストップカラー部材6はハブ4及びタイミングプーリ
7と共に回転する。また、コイルばね2は、シャフト3
の大径部3bに対して巻き締まった状態にあるので、シ
ャフト3もコイルばね2と共に回転する。その結果、シ
ャフト3に係合している回転軸(図示せず)も回転す
る。
【0011】このように、ストップカラー部材6を係止
するか否かにより、シャフト3及びそれに連結された回
転軸の回転及び停止を制御することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ばねクラッチ
は特定の装置又は機構の起動及び停止のタイミングや停
止位置を制御するために用いられており、例えば上記ス
トップカラー部材6のストッパ6dとシャフト3の空転
規制穴3fのDカット面等との相対的な位置を厳密に調
節する必要がある。一方、部品には寸法誤差があるた
め、コイルばね2の先端部2aと後端部2bの相対的な
位置は、コイルばね2の内径、シャフト3の大径部3b
の外径及びハブ4の外径等の寸法誤差に支配され、一定
ではない。上記従来例では、コイルばね2の先端部2a
と後端部2bの相対的な位置誤差を吸収するために、コ
イルばね2の先端部2aを直接シャフト3に係合させず
に、シャフト3の大径部3bに圧入嵌合されたリング部
材5の溝5aに係合させている。
【0013】上記従来のばねクラッチを組み立てるに
は、まず、コイルばね2の後端側の略半分をタイミング
プーリ7に取り付けられたハブ4の外周面に嵌装し、切
欠き6cにコイルばね2の後端部2bを係合させながら
ストップカラー部材6をコイルばね2の先端側からコイ
ルばね2を内包するようにかぶせる。次に、空転規制穴
3fとストッパ6dの位置(位相)関係を調節しながら
シャフト3をコイルばね2の先端側からコイルばね2の
内径部に挿入する。さらに、リング部材5の溝5aをコ
イルばね2の先端部2aに係合させながら、シャフト3
の大径部3bに圧入嵌合させる。最後に、シャフト3の
溝3d及び3eにそれぞれEリング等の抜け止めを係合
させる。
【0014】ところが、前述のように、シャフト3の大
径部3bの外径の方がコイルばね2の内径よりも若干大
きいため、狭いストップカラー部材6の内部でコイルば
ね2の内径を広げながらシャフト3を挿入し、同時にシ
ャフト3の回転規制穴3fのDカット面とストップカラ
ー部材6のストッパ6dの位相を調節することは非常に
困難であるという問題点を有していた。また、シャフト
3の大径部3bにリング部材5を圧入嵌合させる際、一
旦調節したシャフト3とストップカラー部材6の相対的
な位相がずれる可能性があり、再調節が必要であるとい
う問題点を有していた。
【0015】本発明は、上記従来例の問題を解決するた
めになされたものであり、組立及び調節の容易なばねク
ラッチを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のばねクラッチは、自然状態において所定の
内径を有し所定数巻回された巻回部と、他の部材と係合
可能なように巻回部の両端から所定方向に突出した第1
係合部及び第2係合部とを有するコイルばねと、コイル
ばねの巻回部の略半分が嵌装され、外径が巻回部の所定
の内径よりも所定寸法だけ大きい第1筒状部と、第1筒
状部よりも外径の大きい第2筒状部とを有し、駆動源に
連結された入力軸と、コイルばねの第1係合部と係合
し、入力軸の第2筒状部に回転自在に嵌合されたリング
部材と、コイルばねの巻回部の残りの部分が嵌装され、
外径が巻回部の所定の内径よりも所定寸法だけ大きい第
3筒状部を有し、コイルばねの第2係合部と係合する出
力軸と、コイルばねの巻回部を第1筒状部及び第3筒状
部に嵌装した状態で、コイルばねの巻回部の外側に嵌装
され、前記巻回部の外径よりも所定寸法だけ大きい内径
を有すると共に、外周部に形成されたストッパが形成さ
れ、前記出力軸に対する前記ストッパの相対的位相を調
整可能なようにリング部材に固着された筒状のストップ
カラー部材とを具備する。
【0017】すなわち、本発明のばねクラッチの構成に
よれば、コイルばねの第2係合部を出力軸に設けられた
係合溝等に係合させながら、巻回部の出力側(第2係合
部側)の略半分を出力軸の第3筒状部に嵌装し、次に、
コイルばねの巻回部の入力側(第1係合部側)から入力
軸の第1筒状部を巻回部の残りの部分に嵌装することが
可能である。この時点で、コイルばねの第1係合部はフ
リーであり、かつ入力軸も出力軸及びコイルばねのいず
れに対しても位置調節は不要である。従って、組立は非
常に容易である。
【0018】さらに、コイルばねの巻回部の外側からリ
ング部材を嵌装し、入力軸の第2筒状部に嵌合させると
共に、コイルばねの第1係合部とリング部材に設けられ
た係合溝等とを係合させ、コイルばねの巻回部の外側か
らストップカラー部材を嵌装し、出力軸に形成されてい
る位置決め突起又はマーク等に対してストッパの位相
(又は位置)を調節することが可能である。このストッ
パの位相調節は筒状のストップカラー部材をその中心軸
に対して回転させるだけで良く、調節は非常に容易であ
る。最後に、リング部材とストップカラー部材とをねじ
又はピンにより固着して完成する。特に、リング部材と
ストップカラー部材とをねじ又はピンにより固着し、ス
トップカラー部材側のねじ又はピンが貫通する穴を長穴
とすることにより、調節したストッパの位置がずれる可
能性は非常に低く、再調節する必要性はほとんどなくな
る。あるいは、リング部材とストップカラー部材の対向
面にラチェット機構を設けても良い。この場合、リング
部材及びストップカラー部材の部品形状が複雑になるも
のの、ねじ又はピンによる結合工程を省略することがで
きる。
【0019】あるいは、別の組立手順として、入力軸の
第1筒状部に、コイルばねの巻回部の内、入力側(第1
係合部側)の略半分を嵌装させ、次に、コイルばねの巻
回部の外側からリング部材を嵌装し、入力軸の第2筒状
部に嵌合させると共に、コイルばねの第1係合部とリン
グ部材に設けられた係合溝等とを係合させ、さらに、コ
イルばねの巻回部の外側からストップカラー部材を嵌装
すると共に、コイルばねの第2係合部を出力軸に係合さ
せながら、巻回部の出力側(第2係合部側)の残りの略
半分を出力軸の第3筒状部に嵌装し、出力軸に形成され
ている位置決め突起又はマーク等に対してストッパの位
相(又は位置)を調節し、最後に、リング部材とストッ
プカラー部材とをねじ又はピンにより固着することも可
能である。この手順によっても、ストッパの位相調節は
組立工程の最終段階で行われ、かつ筒状のストップカラ
ー部材をその中心軸に対して回転させるだけで良く、調
節は非常に容易である。
【0020】また、入力軸の第1筒状部及び出力軸の第
2筒状部に焼結含油ハブ(ハブ形状に成型された焼結合
金の空隙部に潤滑油を含浸させたもの)を嵌装すること
により、ストップカラー部材が係止され入力軸が空転す
る場合、コイルばねとハブの表面との摩擦熱により、含
浸されている潤滑油が膨張してハブ表面を潤滑する。そ
の結果、コイルばね及びハブの摩耗が低減され、ばねク
ラッチを長寿命化することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のばねクラッチの一実施形
態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施
形態のばねクラッチの構成を示す断面図であり、図2は
その分解斜視図である。
【0022】各図に示すように、本実施形態のばねクラ
ッチは、入力軸10と、コイルばね20、リング部材3
0、2つのハブ40及び40’、ストップカラー部材5
0、出力軸60及びねじ又はピン70等で構成されてい
る。
【0023】コイルばね20は、自然状態において所定
の内径を有し所定数巻回された巻回部21と、リング部
材30と係合可能なように巻回部21の入力側端部から
軸Lに対して半径方向に突出した第1係合部22及び出
力軸60と係合可能なように巻回部21の出力側端部か
ら軸Lと平行に突出した第2係合部23とを有する。な
お、コイルばね20を形成するステンレス鋼線(SW
C)等の断面を、例えば正方形とする。
【0024】ハブ40及び40’は、それぞれ略筒状で
あり、その一端には軸Lと平行に突出する少なくとも1
つ(図では2つ)の突起41及び41’が設けられてい
る。ハブ40及び40’は、それぞれ粉末合金を筒状に
焼結成形し、焼結合金の空隙部に潤滑油を含浸させたも
の(焼結含油ハブ)である。ハブ40及び40’の筒状
部の外径は、自然状態におけるコイルばね20の巻回部
21の内径よりも所定寸法だけ大き区なるように設定さ
れている。一例として、ハブ40及び40’の外径を1
5mm(設計基準値)とすると、コイルばね20の巻回
部21の内径を14.85mm(設計基準値)とする。
実際には、これらの値に部品の寸法公差が加味される。
【0025】入力軸10は、図示しない歯車機構に連結
されモータ等の駆動源からの駆動力が入力される歯車部
11と、ハブ40がその外周部に嵌装される第1筒状部
12と、リング部材30が回転自在に嵌合する第2筒状
部13等が形成された、例えば樹脂製の部材である。ま
た、図1に示すように、入力軸10には、ハブ40の突
起41と係合するための凹部14が形成されており、ハ
ブ40が入力軸10の第1筒状部12に嵌装された状態
では、両者は実質的に一体となる。コイルばね20の巻
回部21の入力側の略半分は、入力軸10と一体となっ
たハブ40の筒状の外周部42に嵌装される。以下、説
明を簡単にするため、ハブ40を入力軸10の一部とみ
なし、入力軸10の第1筒状部と称する。
【0026】出力軸60は、ハブ40’がその外周部に
嵌装される第3の筒状部61と、コイルばね20の第2
係合部23と係合するための係合溝62と、所定の位置
決め用の突起64等が形成されたフランジ63と、図示
しない装置又は機構に連結される空転防止形状の断面を
有する連結穴65(図1参照)等が形成された、例えば
樹脂製の部材である。また、図2に示すように、出力軸
60にもハブ40’の突起41’と係合する凹部66が
形成されており、ハブ40’が出力軸60の第3筒状部
61に嵌装された状態では、両者は実質的に一体とな
る。コイルばね20の巻回部21の出力側の残りの略半
分は、出力軸60と一体となったハブ40’の筒状の外
周部42’に嵌装される。以下、説明を簡単にするた
め、ハブ40’を出力軸60の一部とみなし、出力軸6
0の第3筒状部と称する。
【0027】リング部材30は、上記入力事務10の第
2筒状部13と回転自在に嵌合する樹脂製のリングであ
り、コイルばね20の第1係合部22と係合するための
係合溝31及びねじ又はピン70が螺合又は圧入される
ための貫通穴32が形成されている。
【0028】ストップカラー部材50は、コイルばね2
0の巻回部21の外側に嵌装される第4筒状部52とリ
ング部材30の外周面に嵌合される第5筒状部54を有
する、例えば樹脂製の部材である。第4筒状部52の内
径は、コイルばね20の巻回部21を入力軸10の第1
筒状部及び出力軸60の第3筒状部に嵌装した状態で、
コイルばね20の巻回部21の外径よりも所定寸法だけ
大きい。また、第4筒状部52の外周面の所定の位置に
はストッパ51が形成されている。また、第5筒状部5
4の外周面には、例えば出力軸60の突起64に対する
ストッパ51の相対的位相を調整可能なように、長穴5
3が形成されている。
【0029】次に、本実施形態のばねクラッチの組立手
順について説明する。まず、入力軸10の第1筒状部1
2にハブ40を嵌装し、次に、コイルばね20の巻回部
21の内入力側の略半分をハブ40の外周部42に嵌装
させる。次に、コイルばね20の巻回部21の外側から
リング部材30を嵌装し、入力軸10の第2筒状部13
に嵌合させると共に、コイルばね20の第1係合部22
とリング部材30に設けられた係合溝31とを係合させ
る。さらに、コイルばね20の巻回部21の外側からス
トップカラー部材50を嵌装すると共に、コイルばね2
0の第2係合部23を出力軸60の係合溝62に係合さ
せながら、巻回部21の出力側の残りの略半分を出力軸
60の第3筒状部61に嵌装されたハブ40’の外周部
42’に嵌装する。次に、出力軸60に形成されている
位置決め突起64等に対してストッパ51の位相(又は
位置)を調節し、最後に、部字又はピン70をストップ
カラー部材50の長穴53を貫通させてリング部材30
の貫通穴32に螺合又は圧入し、リング部材30とスト
ップカラー部材50とを固着する。
【0030】次に、本実施形態の動作について説明す
る。前述のように、出力軸60の第3筒状部(ハブ4
0’)の外径は、自然状態におけるコイルばね20の巻
回部21の内径よりも若干大きいので、巻回部21の略
半分を第3筒状部に嵌装した状態では、コイルばね20
はその復元力により第3筒状部に密着する。また、コイ
ルばね20の第2係合部23は出力軸60の係合溝62
に係合しているので、実質的にコイルばね20と出力軸
60は一体となる。
【0031】同様に、入力軸10の第1筒状部(ハブ4
0)の外径も、自然状態におけるコイルばね20の巻回
部21の内径よりも若干大きいので、巻回部21の略半
分を第1筒状部に嵌装し、かつコイルばね20に負荷を
かけない状態では、コイルばね20はその復元力により
第1筒状部に密着する。入力軸10は歯車部11が図示
しない歯車機構を介して駆動源に連結され、常時回転し
ているので、コイルばね20に負荷をかけない状態で
は、出力軸60は入力軸10と一体となって回転するこ
とが可能である。
【0032】一方、コイルばね20の第1係合部22は
リング部材30の係合溝31に係合し、さらにリング部
材30はピン70によりストップカラー部材50に固着
されている。従って、(ハブ40’を含む)出力軸6
0、コイルばね20、リング部材30及びストップカラ
ー部材50は実質的に一体となる。ここで、ストップカ
ラー部材50のストッパ51を図示しない係止レバー等
で係止すると、リング部材30を介してコイルばね20
に負荷がかかる。入力軸10は連続的に所定方向に回転
しているので、コイルばね20が入力軸10の第1筒状
部(ハブ40)に対して相対的に巻きゆるむ方向に回転
する。従って、入力軸10はその回転を規制されること
なく回転し続けることが可能である。一方、出力軸60
はコイルばね20及びリング部材30を介してストップ
カラー部材50に一体的に連結されているので回転しな
い。すなわち、係止レバー等を用いてストップカラー部
材50の係止及びその解除を制御することにより、出力
軸60の回転及び停止を制御することが可能となる。な
お、コイルばね20の巻回部21とハブ40の表面との
摩擦熱により、含浸されている潤滑油が膨張してハブ4
0の表面を潤滑する。その結果、コイルばね20及びハ
ブ40の摩耗が低減され、ばねクラッチを長寿命化する
ことが可能となる。
【0033】なお、上記実施形態の組立手順では、出力
軸60にフランジ63及び位置決め用の突起64等が形
成されていたので、ストップカラー部材50を組み込ん
だ後に出力軸60を組み込むように構成したが、これに
限定されるものではなく、出力軸60にフランジや突起
の代わりに位置決めマークを設けても良い。この場合、
出力軸60の外側からストップカラー部材50を嵌装す
ることができるので、以下の手順で組立を行うことがで
きる。
【0034】まず、出力軸60の第3筒状部61にハブ
40’を嵌装しておき、コイルばね20の第2係合部2
3を出力軸60に設けられた係合溝62に係合させなが
ら、巻回部21の出力側の略半分をハブ40’の外周部
42に嵌装する。次に、コイルばね20の入力側から、
入力軸10の第1筒状部12に嵌装されたハブ40を、
巻回部21の残りの部分に嵌装する。
【0035】次に、コイルばね20の巻回部21の外側
からリング部材30を嵌装し、入力軸10の第2筒状部
13に嵌合させると共に、コイルばね20の第1係合部
22とリング部材30に設けられた係合溝31とを係合
させる。さらに、コイルばね20の巻回部21の外側か
らストップカラー部材50を嵌装し、出力軸60に形成
されている位置決めとっく64等に対してストッパ51
の位相(又は位置)を調節する。最後に、リング部材3
0とストップカラー部材50とをねじ又はピン71によ
り固着する。
【0036】この構成によれば、ストップカラー部材5
0を最後に組み込むことができ、上記実施形態における
組立手順よりもさらに組立が容易になる。
【0037】また、上記実施形態では、入力軸の駆動力
が入力される部分として歯車部11を形成したが、これ
に限定されるものではなく、タイミングベルト等と係合
するプーリ等であっても良い。
【0038】さらに、上記実施形態では、リング部材3
0とストップカラー部材50とをねじ又はピン70によ
り固着するように構成したが、これに限定されるもので
はなく、例えば図3に示すように、リング部材30とス
トップカラー部材50の対向面にラチェット機構を設け
ても良い。例えば、ストップカラー部材50の第5筒状
部54の内周面にラチェット歯55を所定ピッチで形成
し、リング部材30の筒状外周部にラチェット爪33を
形成する。リング部材30を脂成型品とし、樹脂の弾性
によりラチェット爪33をストップカラー部材50の第
5筒状部54の内周面、特にラチェット歯55の部分に
当接させる。このような構成により、リング部材30及
びストップカラー部材50の部品形状が複雑になり、部
品の成型精度が要求されるものの、ねじ又はピンによる
結合の場合と比較して部品点数が少なくなると共に、組
立工程を簡略化することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のばねクラ
ッチによれば、自然状態において所定の内径を有し所定
数巻回された巻回部と、他の部材と係合可能なように巻
回部の両端から所定方向に突出した第1係合部及び第2
係合部とを有するコイルばねと、コイルばねの巻回部の
略半分が嵌装され、外径が巻回部の所定の内径よりも所
定寸法だけ大きい第1筒状部と、第1筒状部よりも外径
の大きい第2筒状部とを有し、駆動源に連結された入力
軸と、コイルばねの第1係合部と係合し、入力軸の第2
筒状部に回転自在に嵌合されたリング部材と、コイルば
ねの巻回部の残りの部分が嵌装され、外径が巻回部の所
定の内径よりも所定寸法だけ大きい第3筒状部を有し、
コイルばねの第2係合部と係合する出力軸と、コイルば
ねの巻回部を第1筒状部及び第3筒状部に嵌装した状態
で、コイルばねの巻回部の外側に嵌装され、前記巻回部
の外径よりも所定寸法だけ大きい内径を有すると共に、
外周部に形成されたストッパが形成され、前記出力軸に
対する前記ストッパの相対的位相を調整可能なようにリ
ング部材に固着された筒状のストップカラー部材とを具
備する。
【0040】すなわち、入力軸を常時回転させた状態
で、コイルばねに負荷をかけない状態では、出力軸は入
力軸と一体となって回転する。また、ストップカラー部
材のストッパを係止レバー等で係止し、リング部材を介
してコイルばねに負荷をかけると、コイルばねが入力軸
の第1筒状部に対して相対的に巻きゆるむ方向に回転
し、入力軸はその回転を規制されることなく回転し続け
ると共に、出力軸はコイルばね及びリング部材を介して
ストップカラー部材に一体的に連結され、回転しない。
すなわち、係止レバー等を用いてストップカラー部材の
係止及びその解除を制御することにより、出力軸の回転
及び停止を制御することが可能となる。
【0041】また、上記ばねクラッチの組立工程におい
て、組立初期の段階においてはストップカラー部材のス
トッパ等の位置調節等は行う必要がなく、ストッパの位
相調節を組立工程の最終段階で行宇野で、組立を非常に
容易にすることが可能になる。さらに、筒状のストップ
カラー部材をその中心軸に対して回転させるだけで良い
ので、調節を非常に容易にすることが可能となる。
【0042】また、リング部材と前記ストップカラー部
材とをねじ又はピンにより固着し、ストップカラー部材
側のねじ又はピンが貫通する穴を長穴とすることによ
り、調節したストッパの位置がずれる可能性を非常に低
くすることができ、再調節する必要性はほとんどなくな
る。
【0043】または、あるいは、リング部材とストップ
カラー部材の対向面にラチェット機構を設けることによ
り、部品形状が複雑になるものの、ねじ又はピンによる
結合工程を省略することができる。
【0044】また、入力軸の第1筒状部及び出力軸の第
2筒状部に焼結含油ハブを嵌装することにより、ストッ
プカラー部材が係止され入力軸が空転する場合、コイル
ばねとハブの表面との摩擦熱により、含浸されている潤
滑油が膨張してハブ表面を潤滑することができ、コイル
ばね及びハブの摩耗が低減され、ばねクラッチを長寿命
化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のばねクラッチの一実施形態の構成を
示す断面図である。
【図2】 上記実施形態の構成を示す分解斜視図であ
る。
【図3】 本発明のばねクラッチの他の実施形態の構
成、特にリング部材とストップカラー部材との間に設け
られたラチェット機構を示す図である。
【図4】 従来のばねクラッチの構成を示す分解斜視図
である。
【符号の説明】
10 :入力軸 11 :歯車部 12 :第1筒状部 13 :第2筒状部 20 :コイルばね 21 :巻回部 22 :第1係合部 23 :第2係合部 30 :リング部材 31 :係合溝 32 :貫通穴 40 :ハブ 41 :突起 42 :外周部 40’:ハブ 41’:突起 42’:外周部 50 :ストップカラー部材 51 :ストッパ 53 :長穴 60 :出力軸 61 :第3筒状部 62 :係合溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然状態において所定の内径を有し所定
    数巻回された巻回部と、他の部材と係合可能なように前
    記巻回部の両端から所定方向に突出した第1係合部及び
    第2係合部とを有するコイルばねと、 前記コイルばねの巻回部の略半分が嵌装され、外径が前
    記巻回部の前記所定の内径よりも所定寸法だけ大きい第
    1筒状部と、前記第1筒状部よりも外径の大きい第2筒
    状部とを有し、駆動源に連結された入力軸と、 前記コイルばねの第1係合部と係合し、前記入力軸の第
    2筒状部に回転自在に嵌合されたリング部材と、 前記コイルばねの巻回部の残りの部分が嵌装され、外径
    が前記巻回部の前記所定の内径よりも所定寸法だけ大き
    い第3筒状部を有し、前記コイルばねの第2係合部と係
    合する出力軸と、 前記コイルばねの巻回部を前記第1筒状部及び第3筒状
    部に嵌装した状態で、前記コイルばねの巻回部の外側に
    嵌装され、前記巻回部の外径よりも所定寸法だけ大きい
    内径を有すると共に、外周部に形成されたストッパが形
    成され、前記出力軸に対する前記ストッパの相対的位相
    を調整可能なように前記リング部材に固着された筒状の
    ストップカラー部材とを具備するばねクラッチ。
  2. 【請求項2】 前記リング部材と前記ストップカラー部
    材とをねじ又はピンにより固着し、前記ストップカラー
    部材側の前記ねじ又はピンが貫通する穴を長穴とするこ
    とを特徴とする請求項1記載のばねクラッチ。
  3. 【請求項3】 前記リング部材と前記ストップカラー部
    材の対向面にラチェット機構を設けたことを特徴とする
    請求項1記載のばねクラッチ。
  4. 【請求項4】 前記入力軸の第1筒状部及び前記出力軸
    の第2筒状部にそれぞれ焼結含油ハブを嵌装したことを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のばねクラ
    ッチ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8137204B2 (en) * 2007-04-24 2012-03-20 Samsung Electronics Co., Ltd. Torque limiter
CN108533632A (zh) * 2017-03-01 2018-09-14 上海度邦精密机械有限公司 一种离合器及使用该离合器的脚踏器
CN111237355A (zh) * 2020-01-08 2020-06-05 廖远刚 一种柔性连接启动的离合机构

Cited By (4)

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