JP2001065602A - トルクリミッタ - Google Patents

トルクリミッタ

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JP2001065602A
JP2001065602A JP23708599A JP23708599A JP2001065602A JP 2001065602 A JP2001065602 A JP 2001065602A JP 23708599 A JP23708599 A JP 23708599A JP 23708599 A JP23708599 A JP 23708599A JP 2001065602 A JP2001065602 A JP 2001065602A
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JP
Japan
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inner ring
torque
torque limiter
outer diameter
coil spring
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JP23708599A
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Seiichi Takada
声一 高田
Makiko Hasegawa
麻記子 長谷川
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部部材の内部に内輪を嵌合し、上記内輪と
外部部材との間にトルク伝達部材を介在し、上記内輪と
外部部材の相対回転時に該内輪と上記トルク伝達部材と
の間に所要のトルクを生じさせるようにしたトルクリミ
ッタにおいて、これを軸に組付ける際に、内輪が抜け出
すことを防止することである。 【解決手段】 トルクリミッタの内輪1を内輪本体22
と内輪補助部材23との組合わせにより構成し、上記内
輪補助部材23に弾性レバー28を設け、該弾性レバー
28に抜止め爪29を設けた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、プリン
タ等の事務機における紙搬送部などに用いられるトルク
リミッタに関するもである。
【0002】
【従来の技術】上記のごとき事務機において、従来から
用いられているばね式トルクリミッタとして、図9
(a)から(c)に示すごときものが知られている(特
開平5−26256号公報参照)。
【0003】このトルクリミッタは、内輪1の外径面に
所要の緊縛力をもってコイルばね2を装着し、そのコイ
ルばね2の外側に嵌合される外部部材3の一端部に端壁
4を設け、他端部を開放している。端壁4には軸挿通穴
5が設けられ、その軸挿通穴5の内側に嵌合凹所6が設
けられる。
【0004】上記の嵌合凹所6に上記内輪1の一端部を
嵌合させると共に、該内輪1の他端部外径面と上記外部
部材3の開放側端部の内径面との間に環状の蓋7を嵌着
して、外部部材3の開放部分を閉塞している。また、内
輪1の他端部を蓋7の外部に突き出し、その突き出した
端部に切欠き部16を設けている。蓋7はその外径面に
設けられたリブ8が外部部材3の内径面の嵌合溝9に嵌
合され、これにより周方向に所要の摩擦抵抗を持って締
付けられる。
【0005】上記のコイルばね2は、小径部2aと大径
部2bを有する。小径部2aが内輪1に対し所要の緊縛
力を持つことによりトルク発生部となる。大径部2bは
内輪1に接触することなく、上記小径部2aにねじり力
を伝達するトルク調整部となる。上記コイルばね2の両
端のフック11、12は、それぞれ該コイルばね2の中
心線と平行かつ外向きに屈曲形成され、小径部2a側の
フック11は外部部材3の端壁4の内面に設けられた係
合穴13に係合される。また、大径部2b側のフック1
2は、蓋7の内面に設けられた係合穴14に係合され
る。
【0006】上記のトルクリミッタは、軸15がコイば
ね2の巻き方向(図示の場合左巻き)に回転、即ち左回
転すると、コイルばね2が内輪1の回転方向に引き連れ
られる、いわゆる連れ回りを生じ、これにより小径部2
aに拡径方向の力が作用する。そのため、小径部2aの
緊縛力に緩みが生じ、内輪1は小径部2aとの摩擦によ
り一定のトルクを発生しながら回転する。
【0007】これに対し内輪1がコイルばね2の巻き方
向と逆方向に回転すると、その方向にコイルばね2の連
れ回りが生じ、小径部2aに縮径方向の力が作用するた
め、緊縛力が増大し、内輪1をロックさせる。
【0008】なお、トルク値の調整は蓋7を回転させ、
大径部2bのねじり力の変化を小径部2aに及ぼし、該
小径部2aの緊縛力を変化させることにより行う。
【0009】また、図10に示すように、上記と同様の
トルクリミッタをトルクリミッタ本体19となし、これ
に一方向クラッチ20を組み合わせることにより、一方
向には上述のトルクリミッタと同様に所定のトルクの伝
達を行うが、逆方向には一方向クラッチ20がオフにな
って軸15が低トルクで空転するようにした一方向空転
型トルクリミッタも知られている。この場合のトルクリ
ミッタ本体19の内輪1と一方向クラッチ20のケーシ
ングは、軸15の回りにおいて凹凸嵌合21により軸方
向にルーズに組み合わされている。
【0010】なお、図示の一方向クラッチ20はローラ
をクラッチ素子としたローラ式クラッチを示している
が、ばねをクラッチ素子としたばね式クラッチであって
も同様である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のいずれのトルク
リミッタにおいても、コイルばね2の小径部2aの緊縛
力は発生トルクが大きい場合は十分大きいが、発生トル
クが小さくなるに従いその緊縛力も小さくなるので、軸
15を軸挿通穴5から内輪1の内部に挿入する際、図9
(c)の一点鎖線で示すように、軸15にわずかの傾き
があるなどして内輪1に大きな抜け力が作用すると、上
記の緊縛力では支えきれず内輪1が抜け出すことがあり
得る。
【0012】内輪1の抜け出しを防ぐ一つの手段は、図
11の参考例に示すように、外部部材3の端壁4と蓋7
との間において、内輪1の外径面に蓋7の内径面より大
きい抜止め部18を設けることである。
【0013】しかし、上記のような抜止め部18を設け
ることは、内輪1の組立性が悪くなると共に、トルクリ
ミッタの廃棄処分時における分解が困難となって素材の
リサイクル使用や分別回収ができないという問題があ
る。
【0014】図10に示した一方向空転型トルクリミッ
タのトルクリミッタ本体19においても、上述のような
抜止め部を設けることが考えられるが、上記の場合と同
様の問題がある。更に、この場合は、トルクリミッタ本
体19と一方向クラッチ20の組合わせが凹凸嵌合21
によりルーズに組み合わされているので、組み立て時に
分離し易く取り扱い難い問題がある。また、その凹凸嵌
合21が圧入の場合は、衝撃が加わった時にトルクリミ
ッタ本体19と一方向クラッチ20が外れたり、位置が
ずれたりするする恐れがある。内輪1の肉厚が薄い場合
は、圧入嵌合ができないという問題もある。
【0015】以上のような問題は、コイルばねをトルク
伝達部材とするばね式のトルクリミッタに限らず、トル
ク伝達部材として摩擦板を用いその摩擦力を利用した摩
擦板式、永久磁石と磁性体を用いそのヒステリシストル
クを利用したヒステリシス式、永久磁石と鉄粉を用いた
パウダー式等の各種のトルクリミッタにおいて生じる問
題である。
【0016】そこで、この発明の課題は、トルクリミッ
タと軸との組付けに際し軸から抜け出すことなく製作が
容易であり、また廃棄処分時の分解が容易にできるよう
にすること、また一方向空転型トルクリミッタにおいて
は、トルクリミッタと軸との組付けに際し軸から抜け出
すことなく製作が容易であり、トルクリミッタのサイズ
がコンパクトで、かつその取り扱いが容易にできるよう
にすることを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、外部部材の内部に内輪を嵌合し、上記
内輪と外部部材との間にトルク伝達部材を介在し、上記
内輪と外部部材の相対回転時に該内輪と上記トルク伝達
部材との間に所要のトルクを生じさせるようにしたトル
クリミッタにおいて、上記内輪にその外径面に突き出し
た抜止め爪を設け、該抜止め爪に上記内輪の内外方向へ
の弾性を付与した構成としたものである。
【0018】上記のトルク伝達部材をコイルばねにより
構成し、該コイルばねを上記内輪の外径面に所要の緊縛
力をもって装着すると共に、該コイルばねの一端部を上
記の外部部材に係合した構成、上記の外部部材の一端部
に端壁を設けると共に他端部を開放し、上記の端壁に設
けた嵌合凹所に上記内輪の一端部を嵌合させ、上記内輪
の他端部外径面と上記外部部材の開放側端部の内径面と
の間に蓋を嵌着し、上記コイルばねの両端に設けた各フ
ックをそれぞれ上記外部部材の係合穴と、蓋の係合穴に
係合した構成、上記内輪を内輪本体と内輪補助部材との
組合わせにより構成し、該内輪補助部材に上記の抜止め
爪を設けた構成をとることができる。
【0019】更に、上記の内輪本体を上記の内輪補助部
材の一部分の外径面に一体に嵌合することにより両者を
組み合わせた構成、上記の内輪本体と上記の内輪補助部
材とを、両方の端面の凹凸嵌合により組み合わせた構
成、上記の内輪補助部材に片持ち形の弾性レバーを設
け、該弾性レバーに上記の抜止め爪を設けた構成、上記
の外部部材の嵌合凹部の底壁の立上がり基部に脆弱部を
設けた構成をとることができる。
【0020】なお、上記の内輪に一方向クラッチのケー
シングを一体に設け、上記クラッチのトルク伝達の回転
方向を上記トルク伝達部材のトルク伝達方向と一致させ
た構成をとることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
を参照して説明する。図1(a)から(c)に示した第
1実施形態のトルクリッミタは、基本的な構成は図9に
示した従来のものと同様であるので、同一部分には同一
符号をもって説明する。即ち、このトルクリミッタは、
内輪1の外径面に所要の緊縛力をもってコイルばね2を
装着し、そのコイルばね2の外側に嵌合される外部部材
3の一端部に端壁4を設け、他端部を開放している。端
壁4には軸挿通穴5が設けられ、その軸挿通穴5の内側
に嵌合凹所6が設けられる。
【0022】上記の嵌合凹所6の底壁10は従来のもの
に比べ比較的薄く形成され、その立上がり基部の両側に
切込みによる脆弱部21を設けている。この脆弱部21
は、後述のように、トルクリミッタの廃棄処分時の分解
を容易にできるようにするために設けられる。
【0023】上記の嵌合凹所6に上記内輪1の一端部を
嵌合させ、該内輪1の他端部外径面と外部部材3の開放
側端部の内径面との間に環状の蓋7を嵌着し、更に内輪
1の他端部をその蓋7の内径面を貫通して外部に突き出
し、その突き出した端部に切欠き部16を設けている。
蓋7はその外径面に設けられたリブ8が外部部材3の内
径面の嵌合溝9に嵌合され、これにより周方向に所要の
摩擦抵抗を持って締付けられる。
【0024】上記のコイルばね2は、小径部2aと大径
部2bを有する。小径部2aが内輪1に対し所要の緊縛
力を持つことによりトルク発生部となり、大径部2bは
内輪1に接触することなく、上記小径部2aにねじり力
を伝達するトルク調整部となる。上記コイルばね2の両
端のフック11、12は、それぞれ該コイルばね2の中
心線と平行かつ外向きに屈曲形成され、小径部2a側の
フック11は外部部材3の内端面に設けられた係合穴1
3に係合される。また、大径部2b側のフック12は、
蓋7の内面に設けられた係合穴14に係合される。
【0025】上記の内輪1は焼結合金製の円筒状の内輪
本体22と、合成樹脂製又は金属製の内輪補助部材23
の組合わせにより構成される。
【0026】内輪補助部材23は、図1(b)に示すよ
うに、内輪1の全長と同じ長さをもった円筒体であり、
外径面の中央部分に段差部24が設けられ、その段差部
24により小外径部25と大外径部26に区分されてい
る。
【0027】上記の小外径部25の一端から上記の段差
部24を越え大外径部26に達するスリット27が長さ
方向に設けられ、大外径部26におけるスリット27の
一方の側縁に、該大外径部26の外径と同じ曲率をもっ
て他方の側縁近くまで片持ち式に延びた弾性レバー28
が一体に設けられる。この弾性レバー28は、大外径部
26の肉厚より薄い肉厚に形成され、大外径部26の内
径側に突き出すことはなく、材料自体の弾性力で内外方
向(径方向)に弾性変形する性質を有する。また、上記
の弾性レバー28の自由端側の外面に抜止め爪29が突
設される。この抜止め爪29は大外径部26の外径面よ
りも外方に突き出す。この抜止め爪29は小外径部25
側の面にテーパ31が付けられる。
【0028】内輪本体22は、その内径面にリブ27’
が設けられ、そのリブ27’を前記のスリット27に嵌
合させつつ小外径部25の外径面に嵌合一体化され、段
差部24に突き当てられる。内輪本体22を段差部24
に突き当てた状態で、内輪本体22の外径面と内輪補助
部材23の大外径部26の外径面は同一面内にある。
【0029】また、内輪本体22の端面と小外径部25
の端部も同一面内にある。その内輪本体22の端面が前
記の嵌合凹所6に嵌合され、底壁10の内面に当たる。
また大外径部26が蓋7の内径面を貫通し、その先端部
が外部に突き出す。その突き出した端部に前記の切欠き
部16が設けられる。
【0030】コイルばね2の小径部2aが、内輪本体2
2の外径面に緊縛され、また大径部2bが内輪本体22
の一部から段差部24を越えて弾性レバー28を含む大
外径部26を被う。
【0031】第1実施形態のトルクリミッタは以上のよ
うなものであり、従来の場合と同様に、軸15がコイば
ね2の巻き方向(図示の場合左巻き)に左回転すると、
コイルばね2の連れ回りを生じ、これにより小径部2a
に拡径方向の力が作用する。そのため、小径部2aの緊
縛力に緩みが生じ、内輪1は小径部2aとの摩擦により
一定のトルクを発生しながら回転し、外部部材3に対し
一定のトルクを伝達する。外部部材3に過大な負荷が作
用すると、内輪1は軸15と共に空転し、トルクの伝達
を遮断する。
【0032】これに対し内輪1がコイルばね2の巻き方
向と逆方向に回転すると、その方向にコイルばね2の連
れ回りが生じ、小径部2aに縮径方向の力が作用するた
め、緊縛力が増大し、内輪1をロックさせる。
【0033】なお、トルク値の調整は蓋7を回転させ、
大径部2bのねじり力の変化を小径部2aに及ぼし、該
小径部2aの緊縛力を変化させることにより行う。
【0034】また、上記のトルクリミッタと軸15との
組付けに際し、軸15は内輪補助部材23の内径面に挿
通されるが、このとき軸15により内輪1に抜け出し方
向の力が加えられたとしても、抜止め爪29が蓋7の内
面に係合するため、内輪1の抜け出しが防止される。
【0035】また、上記のトルクリミッタを廃棄処分す
る場合の分解時には、図2に示すように、外部部材3の
端部の位置決め段部32を治具受け台33上に載せ、内
輪1の切欠き部16側を上にして、ポンチ状の治具34
により内輪補助部材23の上端に衝撃を加えると、嵌合
凹所6の底壁10をその脆弱部21から破壊し、その破
壊された環状の底壁10を外部に排出させる。これによ
り、内輪本体22と内輪補助部材23とからなる内輪1
を外部部材3から抜き出すことができる。
【0036】この時、抜止め爪29はそのテーパ31の
部分が端壁4の内径面で押し下げられ、同時に抜止め弾
性レバー28が内方に撓むため外部に抜き出される。抜
き出された内輪1の内輪本体22は内輪補助部材23の
小外径部25から分離される。
【0037】外部部材3内に残ったコイルばね2は、蓋
7を適宜な工具でこじ開けることにより外部に取り出さ
れる。
【0038】次に、図3(a)(b)に示した第2実施
形態のトルクリミッタは、外部部材3の蓋7をコイルば
ね2の小径部2a側に配置し、端壁4を大径部2b側に
配置している。上記の蓋7の内径面に嵌合凹所6を設
け、その底壁10の基部に脆弱部21を形成している。
また、コイルばね2の小径部2a側のフック11が蓋7
に設けられた係合穴13に係合され、大径部2b側のフ
ック12が端壁4の係合穴14に係合される。
【0039】上記の内輪1は焼結合金製の内輪本体22
と、合成樹脂製又は金属製の内輪補助部材23の組合わ
せにより構成されるが、この場合の内輪本体22と内輪
補助部材23は、同一外径、同一内径をもった筒状のも
のであり、長さ方向に芯を合わせて突合わされる。両者
の突合わせ端部において、内輪本体22には長さ方向に
切り込んだ係合凹部37が2ヵ所に設けられ、また内輪
補助部材23にはこれと係合する係合凸部38が2ヵ所
に設けられる。
【0040】また、上記の内輪補助部材23の上記2ヵ
所の係合凸部38の間に2ヵ所の凹所39が設けられ、
各凹所39の一方の側縁に内輪補助部材23の外径と同
じ曲率をもって他方の側縁近くまで片持ち式に延びた弾
性レバー28が一体に設けられる。この弾性レバー28
は、内輪補助部材23の肉厚より薄い肉厚に形成され、
内輪補助部材23の内径側に突き出すことはなく、材料
自体の弾性力で径方向に弾性変形する性質を有する。ま
た、その弾性レバー28の自由端側の外面に抜止め爪2
9が突設される。この抜止め爪29は内輪補助部材23
の外径面よりも外方に突き出す。この抜止め爪29は小
外径部25側の面にテーパ31が付けられる。
【0041】上記の内輪本体22と内輪補助部材23の
係合凹部37と係合凸部38を係合させ長さ方向に組合
わせた状態で、内輪本体22の外径面と内輪補助部材2
3の外径面は同一面内にある。内輪本体22の端面は前
記の嵌合凹所6に嵌合される。また内輪補助部材23が
端壁4の軸挿通穴5を貫通し、その先端部が外部に突き
出す。その突き出し端部に前記の切欠き部16が設けら
れる。
【0042】前記コイルばね2の小径部2aが内輪本体
22の外径面に緊縛され、また大径部2bが内輪本体2
2の一部から弾性レバー28を含む内輪補助部材23を
被う。
【0043】第2実施形態のトルクリミッタは以上のよ
うなものであり、前述の第1実施形態の場合と同じ作用
を行う。また、内輪1の抜け出しは、抜止め爪29の端
壁4に対する係合により防止される。また、その廃棄処
分時の分解の方法も同様である。
【0044】次に、図4から図6に基づいて第3実施形
態のトルクリミッタを説明する。このトルクリミッタ
は、前述のトルクリミッタをトルクリッミタ本体41と
なし、これに一方向クラッチ42を組み合わせた一方向
空転型トルクリミッタである。
【0045】トルクリッミタ本体41は、前述の各実施
形態と同様に、外部部材3の蓋7をコイルばね2の小径
部2a側に配置し、端壁4を大径部2b側に配置してい
る。上記の蓋7の内径面に嵌合凹所6を設けている。ま
た、コイルばね2の小径部2a側のフック11が蓋7に
設けられた係合穴13に係合され、大径部2b側のフッ
ク12が端壁4の係合穴14に係合される。
【0046】上記の内輪1は焼結合金製の円筒状の内輪
本体22と、合成樹脂製又は金属製の内輪補助部材23
の組合わせにより構成される。内輪補助部材23は、小
外径部43と、一方向クラッチ42のケーシング44を
構成する大外径部とからなる。小外径部43は内輪本体
22と同径であり、前記のトルクリミッタ本体41の構
成部材となる。
【0047】上記の内輪本体22と内輪補助部材23
は、長さ方向に芯を合わせて突合わされる。両者の突合
わせ端部において、図5及び図6に示すように、内輪本
体22には長さ方向に突き出した係合凸部45が2ヵ所
に設けられ、また内輪補助部材23の小外径部43にこ
れと係合する係合凹部46が2ヵ所に設けられる。係合
凹部46の内側面には長さ方向のリブ47が形成されて
いる。
【0048】リブ47は、係合凸部45と係合凹部46
の圧入力の増加を緩和し、組立性を改善するものであ
る。
【0049】上記の2ヵ所の係合凹部46の間に2ヵ所
の凹所48が設けられ、各凹所48の一方の側縁に内輪
補助部材23の小外径部43の外径と同径で同じ曲率を
もって他方の側縁近くまで片持ち式に延びた弾性レバー
49が一体に設けられる。この弾性レバー49は、小外
径部43の肉厚より薄い肉厚に形成され、材料自体の弾
性力で径方向(内外方向)に弾性変形する性質を有す
る。また、その弾性レバー49の自由端側の外面に抜止
め爪51が突設される。この抜止め爪51は小外径部4
3の外径面よりも外方に突き出す。この抜止め爪51は
ケーシング44と反対側の面にテーパ52が付けられ
る。
【0050】上記の内輪本体22と内輪補助部材23の
係合凸部45と係合凹部46を係合させ長さ方向に組合
わせた状態で、内輪本体22の外径面と内輪補助部材2
3の小外径部43の外径面は同一面内にあり、その内輪
本体22の端面が前記の嵌合凹所6に嵌合される。また
内輪補助部材23の小外径部43が端壁4の軸挿通穴5
を貫通し、ケーシング44が端壁4の外部に突き出す。
【0051】前記コイルばね2の小径部2aが内輪本体
22の外径面に緊縛され、また大径部2bが内輪本体2
2の一部から弾性レバー49の部分を被う。
【0052】なお、トルクリミッタ本体41の組み立て
完了状態で、抜止め爪51の内端面と端壁4の間隙dは
0〜2mm程度に設定される。
【0053】一方向クラッチ42は、図7に示すよう
に、ローラ式であり、クラッチ輪53、ばね54、ロー
ラ55、前記のケーシング44及び蓋56により構成さ
れる。クラッチ輪53は軸15に適合する内径面に一定
間隔をおいてポケット57が該クラッチ輪53の両端間
にわたり形成される。各ポケット57の底面はトルク伝
達方向(当該一方向クラッチ42からトルクリミッタ本
体41の方向を見て左回転、図7(a)の矢印A参照)
の回転する方向に浅くなる傾斜面となり、くさび形空所
を形成する。
【0054】上記のポケット57にローラ55が挿入さ
れると共に、そのポケット57のくさび形空所の広い部
分の壁面の凹所59に前記のばね54のばね片61が挿
入され、そのばね片61によってローラ55がくさび形
空所の狭い方に付勢される。ローラ55はポケット57
の内周面に部分的に露出し、軸15に接触する。
【0055】ばね54は図8に示すように、環部62と
各ポケット57に対応した数のばね片61とにより構成
され、環部62はクラッチ輪53の内径とほぼ等しい内
径を有する。各ばね片61は環部62から切起こされ、
中程で2つ折り屈曲され、各ポケット57に挿入され
る。各ばね片61の先端部分がローラ55に押し当てら
れ、前記のように、ローラ55を一定方向に付勢する
(図7(b)参照)。
【0056】前記のケーシング44の内部には前記のク
ラッチ輪53の組立体が収納される。ケーシング44の
内周面に形成された軸方向の係合リブ63とクラッチ輪
53の外周面に形成された軸方向の係合溝64が相互に
係合して回り止めが図られる。また、ケーシング44の
内周面の開放端に周溝65が形成される。
【0057】蓋56はその中心に軸挿通穴66が形成さ
れ、外周面に抜止め用のリブ67が周方向に形成され、
ケーシング44の周溝65に係合される。
【0058】上記構成の一方向クラッチは、これに挿通
された軸15が、図7(a)の矢印Aの方向に回転する
と、ローラ55がポケット57のくさび形空所に噛み込
んでロック状態となり、トルクの伝達が行われる。軸1
5が上記と逆方向に回転すると、ローラ55がばね片6
1の付勢力に打ち勝ってくさび形空所の広い方に移動す
る。このため、軸15が低トルクで空転しトルクの伝達
が遮断される。
【0059】第3実施形態のトルクリミッタは以上のよ
うなものであり、その組み立ては次のような手順によ
る。即ち、トルクリミッタ本体41にばね2及び蓋7を
組み込んだ後、内輪本体22と内輪補助部材23とを係
合凸部45と係合凹部46の圧入により一体化した内輪
1を組み込む。内輪1は抜止め爪51のテーパ52の部
分が端壁4の内周面で押し込まれるため、弾性レバー4
9が内方に撓みながら押し込まれる。
【0060】一方向クラッチ42の各構成部材は内輪1
を上記のように押し込んだ後に組み込んでもよいが、押
し込む前に組み込んでおいてもよい。トルク値の調節
は、外部部材3を固定し蓋7を回転することにより行
う。
【0061】上記の一方向空転型のトルクリミッタは、
軸15が前記の矢印Aの方向(左回転)に回転したと
き、一方向クラッチ42が前記のようにローラ55がく
さび形空所に噛み込み、トルク伝達状態となって、クラ
ッチ輪53、ケーシング44を経て、トルクリミッタ本
体41の内輪1にトルクが伝達される。
【0062】このため、内輪1の内輪補助部材22が左
回転し、コイルばね2の連れ回りを生じ、これにより小
径部2aに拡径方向の力が作用する。そのため、小径部
2aの緊縛力に緩みが生じ、内輪1は小径部2aとの摩
擦により一定のトルクを発生しながら回転し、外部部材
3に一定のトルクが伝達される。
【0063】軸15が上記と逆回転すると、一方向クラ
ッチ42のローラ55がくさび形空所から外れるので、
トルクの伝達が遮断され、軸15は空転状態となる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、トル
クリミッタの内輪に内外方向への弾性を有する抜止め爪
を設けたことにより、その抜止め爪が内輪を外部部材に
組み込む際の支障になることなく、軸への組み付け時に
内輪の抜け出しを防止することができる。
【0065】また、上記の内輪を内輪本体と内輪補助部
材との組合わせにより構成し、その内輪補助部材に上記
の抜止め爪を設けることにより、内輪本体を金属により
形成してトルク値を安定させることができ、また内輪補
助部材を合成樹脂により形成することにより、弾性を有
する抜止め爪を一体に成形でき、部品数を低減できる効
果がある。
【0066】更に、抜止め爪が弾性を有するため、上記
の内輪はトルクリミッタの組立ての最後に組み込むこと
ができる。このため、トルクリミッタの穴寸法は内輪と
一体の一方向クラッチ用ケーシングの外径寸法に無関係
に設計することができる。このため、トルクリミッタの
小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)第1実施形態の断面図 (b)同上の内輪補助部材の分解斜視図 (c)同上の内輪の断面図
【図2】第1実施形態の廃棄処分時の断面図
【図3】(a)第2実施形態の断面図 (b)同上の内輪の分解斜視図
【図4】第3実施形態の断面図
【図5】同上の内輪の分解斜視図
【図6】図4のVI−VI線の断面図
【図7】(a)図4のVII-VII 線の拡大断面図 (b)(a)図のb−b線の断面図
【図8】同上の一方向クラッチの分解斜視図
【図9】(a)従来例の断面図 (b)(a)図のb−b線の断面図 (c)同上の軸との組付け時の断面図
【図10】一方向空転型トルクリミッタの従来例の断面
【図11】トルクリミッタの参考例の断面図
【符号の説明】
1 内輪 2 コイルばね 2a 小径部 2b 大径部 3 外部部材 4 端壁 5 軸挿通穴 6 嵌合凹所 7 蓋 8 リブ 9 嵌合溝 10 底壁 11 フック 12 フック 13 係合穴 14 係合穴 15 軸 16、16’ 切欠き部 17 ピン 18 抜止め部 19 トルクリミッタ本体 20 一方向クラッチ 21 凹凸嵌合 22 内輪本体 23 内輪補助部材 24 段差部 25 小外径部 26 大外径部 27 スリット 27’ リブ 28 弾性レバー 29 抜止め爪 31 テーパ 32 位置決め段部 33 治具受け台 34 治具 37 係合凹所 38 係合凸部 39 凹所 41 トルクリミッタ本体 42 一方向クラッチ 43 小外径部 44 ケーシング 45 係合凸部 46 係合凹部 47 リブ 48 凹所 49 弾性レバー 51 抜止め爪 52 テーパ 53 クラッチ輪 54 ばね 55 ローラ 56 蓋 57 ポケット 59 凹所 61 ばね片 62 環部 63 係合リブ 64 係合溝 65 周溝 66 軸挿通穴 67 抜止め用リブ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部部材の内部に内輪を嵌合し、上記内
    輪と外部部材との間にトルク伝達部材を介在し、上記内
    輪と外部部材の相対回転時に該内輪と上記トルク伝達部
    材との間に所要のトルクを生じさせるようにしたトルク
    リミッタにおいて、上記内輪にその外径面に突き出した
    抜止め爪を設け、該抜止め爪に上記内輪の内外方向への
    弾性を付与したことを特徴とするトルクリミッタ。
  2. 【請求項2】 上記のトルク伝達部材をコイルばねによ
    り構成し、該コイルばねを上記内輪の外径面に所要の緊
    縛力をもって装着すると共に、該コイルばねの一端部を
    上記の外部部材に係合したことを特徴とする請求項1記
    載のトルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 上記の外部部材の一端部に端壁を設ける
    と共に他端部を開放し、上記の端壁に設けた嵌合凹所に
    上記内輪の一端部を嵌合させ、上記内輪の他端部外径面
    と上記外部部材の開放側端部の内径面との間に蓋を嵌着
    し、上記コイルばねの両端に設けた各フックをそれぞれ
    上記外部部材の係合穴と、蓋の係合穴に係合したことを
    特徴とする請求項2に記載のトルクリミッタ。
  4. 【請求項4】 上記内輪を内輪本体と内輪補助部材との
    組合わせにより構成し、該内輪補助部材に上記の抜止め
    爪を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載のトルクリミッタ。
  5. 【請求項5】 上記の内輪本体を上記の内輪補助部材の
    一部分の外径面に一体に嵌合することにより両者を組み
    合わせたことを特徴とする請求項4に記載のトルクリミ
    ッタ。
  6. 【請求項6】 上記の内輪本体と上記の内輪補助部材と
    を、両方の端面の凹凸嵌合により組み合わせたことを特
    徴とする請求項4に記載のトルクリミッタ。
  7. 【請求項7】 上記の内輪補助部材に片持ち形の弾性レ
    バーを設け、該弾性レバーに上記の抜止め爪を設けたこ
    とを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のトル
    クリミッタ。
  8. 【請求項8】 上記の外部部材の嵌合凹部の底壁の立上
    がり基部に脆弱部を設けたことを特徴とする請求項3か
    ら7のいずれかに記載のトルクリミッタ。
  9. 【請求項9】 上記の内輪に一方向クラッチのケーシン
    グを一体に設け、該一方向クラッチのトルク伝達の回転
    方向を上記トルク伝達部材のトルク伝達方向と一致させ
    たことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の
    トルクリミッタ。
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WO2020195224A1 (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 株式会社オリジン 継ぎ手部材を備えたトルクリミッタ

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