JPH11189151A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JPH11189151A
JPH11189151A JP36002697A JP36002697A JPH11189151A JP H11189151 A JPH11189151 A JP H11189151A JP 36002697 A JP36002697 A JP 36002697A JP 36002697 A JP36002697 A JP 36002697A JP H11189151 A JPH11189151 A JP H11189151A
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slip
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浩司 平井
隆三 ▲鶴▼原
Ryuzo Tsuruhara
Hirozumi Eki
啓純 益
Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車輪速センサ6,6,…からの出力信号に基づ
いてABS制御及びTCS制御を行う第1のCPU5a
と、ヨーレイトセンサ8や舵角センサ9等の複数のセン
サからの出力信号に基づいて、車両の各車輪21FR,2
1FL,…に制動力を分配付与しかつエンジン出力を低下
させて車両の挙動を制御するSCS制御を行う第2のC
PU5bとを備えた車両のスリップ制御装置において、
センサ系統の故障判定が終了するまでの間のSCS制御
の誤制御の抑制と車両の操縦安定性の確保とを図る。 【解決手段】センサ故障を判定する故障判定部5cと、
故障判定部5cによるヨーレイトセンサ8や舵角センサ
9等の故障判定が終了するまで第2のCPU5bによる
SCS制御を抑制するとともに、第1のCPU5aによ
るABS制御及びTCS制御の制御感度を増大させる制
御補正部5dとを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の前後左右の
各車輪のスリップ状態を制御するとともに車両の挙動を
制御して操縦安定性を高めるようにした車両のスリップ
制御装置に関し、特に、センサ系統のの故障判定が終了
するまでのフェールセーフ技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両のスリップ制御
装置として、例えば、特開平6−87421号公報に開
示されるように、車両の左右両側車輪に対する制動力を
それぞれ異なる大きさに分配して車体重心回りにヨーモ
ーメントを発生させることで、車両のヨーレイトを制御
目標値に一致させて、制動時の車両の操縦安定性を高め
るようにしたものが知られている。このものでは、各種
センサにより車両の姿勢状態を含む走行状態を検出する
ようにしており、該センサの断線や短絡或いは制御装置
自体の故障等が発生すると制御不能になってしまうこと
から、上述の如き故障が検出されたときには、挙動制御
を禁止することが行われている。そして、その際、制御
を実行中であれば、制御中の各車輪の制動力を無制御の
状態まで次第に変化させるようにして、ヨーレイトの急
変による車両の挙動変化を防止しつつ挙動制御を中止す
るようにしている。
【0003】また、特開平9−109855号公報に
は、車輪速度センサに異常が生じたときに挙動制御を実
行中であれば、制御を中止する前に、異常な車輪速度セ
ンサによる検出値に依存しない代替の挙動制御を所定時
間だけ行うことで、制御の中止に伴う車両の挙動変化を
防止するようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば車両
に作用する横加速度を検出する横加速度センサやヨーレ
イトを検出するヨーレイトセンサ等は、車両が例えば旋
回状態等の所定の走行状態になるまでは、検出値が正常
か否かの正確な故障判定を行うことができない。このた
め、上記従来のスリップ制御装置においては、車両が旋
回状態等になるまでは横加速度センサやヨーレイトセン
サ等が故障していてもその故障を検出できないので、故
障したセンサからの出力信号に基づいて誤った挙動制御
が行われてしまう虞れがある。この場合には、車両がド
ライバの運転操作や意志とは無関係な挙動を示すので、
ドライバが著しく大きな違和感を感じるという不具合が
生じるばかりでなく、さらに、上記の誤った挙動制御に
起因して車両の旋回姿勢が崩れてしまう虞れもある。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、全てのセンサの故障判
定が終了するまでの制御手順に工夫を凝らすことで、セ
ンサが故障していたとしても誤った挙動制御を防止し得
るようにし、併せてその間の車両の操縦安定性の確保を
図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の解決手段では、車両が所定の走行状態にな
って、検出手段の故障判定が終了するまでの間、その検
出手段からの出力信号に基づく車両の挙動制御を抑制
し、かつ各車輪のスリップ制御により車両の操縦安定性
を確保するようにした。
【0007】具体的には、請求項1記載の発明では、車
両の各車輪の車輪速をそれぞれ検出する車輪速センサか
らの出力信号に基づいて各車輪のスリップに関する値を
所定以下に制御する第1制御手段と、車両の所定の走行
状態量を検出する検出手段からの出力信号に基づいて車
両の挙動を制御する第2制御手段とを備えた車両のスリ
ップ制御装置を対象とする。そして、上記検出手段の故
障を判定する故障判定手段と、上記故障判定手段による
故障判定が終了するまで、上記第1制御手段による制御
を行いつつ上記第2制御手段による制御を抑制する制御
補正手段とを設ける構成とする。
【0008】ここで、上記車両の所定の走行状態量と
は、例えば車両の旋回状態に対応して変化する旋回状態
量であって、車両の走行開始後直ちにその値が変化しな
いような走行状態量である。また、車輪のスリップに関
する値は例えば車輪スリップ率や車輪スリップ量とすれ
ばよい。
【0009】上記の構成によれば、車両の走行開始から
例えば旋回状態等の所定の走行状態になるまでの間は、
検出手段からの出力値が変化せず、故障判定手段による
検出手段の故障判定が終了しないので、その間、第2制
御手段による車両の挙動制御が抑制される。このこと
で、上記検出手段が故障していたとしても、故障判定が
終了するまでの間の第2制御手段による誤った挙動制御
を抑制することができるので、ドライバが感じる違和感
を低減させるとともに、誤制御に起因する車両の旋回姿
勢の崩れを防止することができる。
【0010】また、上述の如く第2制御手段による車両
の挙動制御が抑制されていても、第1制御手段により各
車輪のスリップ状態を所定以下に制御して各車輪のロッ
ク状態や空転状態を防止することができるので、車両の
操縦安定性を確保することができる。その際、車輪速セ
ンサの故障判定は車両の走行開始後直ちに終了するの
で、該車輪速センサの故障に起因して上記第1制御手段
による誤った車輪スリップ制御が行われることはない。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明における制御補正手段は、故障判定手段による検出
手段の故障判定が終了するまで、第1制御手段による車
輪スリップ制御の感度を増大させる構成とする。このこ
とで、第1制御手段による制御感度を高めて各車輪のス
リップ量を極めて小さく制御することで、各車輪のロッ
ク状態や空転状態を確実に防止して車両の操縦安定性を
高めることができ、しかも、車両の挙動が安定して、第
2制御手段による車両の挙動制御が行われないようにな
るので、第2制御手段による誤った挙動制御が確実に防
止される。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明における制御補正手段は、故障判定手段による検出
手段の故障判定が終了するまで、第1制御手段の制御開
始しきい値を小さくするものとする。このことで、第1
制御手段の制御開始しきい値を小さくすることで、車輪
のスリップ量が僅かなうちに早めに制御が開始されて制
御の頻度が高まり、よって、制御感度を増大させること
ができる。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項2記載の
発明における制御補正手段は、故障判定手段による検出
手段の故障判定が終了するまで、第1制御手段の制御ゲ
インを大きくするものとする。このことで、第1制御手
段の制御ゲインを大きくすることで、制御の応答性を高
めて制御感度を増大させることができる。
【0014】請求項5記載の発明では、請求項2又は4
記載の発明における制御補正手段は、故障判定手段によ
る検出手段の故障判定が終了し、かつ第1制御手段によ
る車輪スリップ制御が実行中であるとき、該車輪スリッ
プ制御が終了するまで制御感度の増大を継続する構成と
する。
【0015】このことで、故障判定手段による検出手段
の故障判定が終了したとき、第1制御手段による車輪ス
リップ制御の実行中であれば、その制御の終了まで制御
感度の増大が継続されるので、故障判定の終了と同時に
上記第1制御手段による車輪スリップ制御の制御量が急
変することを防止して、車両の挙動安定化を図ることが
できる。
【0016】なお、第1制御手段による制御感度の増大
を継続するとは、増大させた制御感度を保持するように
してもよく、また、増大させた制御感度を徐々に減少さ
せるようにしてもよい。
【0017】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
発明における検出手段は、車両の横加速度を検出する横
加速度センサ、車両のヨーレイトを検出するヨーレイト
センサ、ステアリング操舵角を検出する操舵角センサ又
はマスタシリンダ内のブレーキ圧を検出するマスタシリ
ンダ圧センサの少なくとも1つを含むものとする。
【0018】すなわち、横加速度センサ、ヨーレイトセ
ンサ及び舵角センサは、いずれも車両が旋回状態になる
までは出力値が略零の一定値になっていて、故障判定が
できないものである。また、マスタシリンダ圧センサ
は、ドライバによるブレーキ操作が行われて車両が減速
されるまでは出力値が変化せず、故障判定ができないも
のである。このように、検出手段の構成が具体化され、
これらの各センサの故障判定が終了するまで第2制御手
段による車両の挙動制御を抑制することで、車両の走行
直後に該第2制御手段により誤まった挙動制御が行われ
ることを防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0020】(全体構成)図1は、本発明の実施形態に
係る車両のスリップ制御装置を適用した車両を示し、1
は車体、2,2,…は、前後左右の4つの車輪21FR,
21FL,21RR,21RLに個別に配設された4つの液圧
式ブレーキ、3は上記各ブレーキ2に圧液を供給するた
めの加圧ユニット、4は該加圧ユニット3からの圧液を
上記各ブレーキ2に分配供給する液圧ユニット(Hudrau
lic Unit:以下HUという)である。また、5は各車輪
のスリップ状態及び車両の挙動を制御するメインコント
ローラであり、6は上記各車輪21の車輪速を検出する
電磁ピックアップ式の車輪速センサ、7は車両に作用し
ている左右方向の横加速度Gy を検出する横加速度セン
サ、8は車両に作用しているヨーレイトψ′を検出する
ヨーレイトセンサ、9はステアリングの操舵角θH を検
出する舵角センサである。上記車輪速センサ6,6,
…、横加速度センサ7、ヨーレイトセンサ8、舵角セン
サ9、及び後述の液圧センサ33によりそれぞれ検出手
段が構成されている。
【0021】さらに、10はドライバのブレーキ操作に
応じたブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)を発生するマ
スタシリンダ、11は複数の気筒を有するエンジンであ
る。図示しないが、このエンジン11の吸気通路には、
アクチュエータにより駆動されるスロットル弁が設けら
れ、このスロットル弁下流の吸気通路にエンジン11の
各気筒毎にインジェクタが設けられており、該スロット
ル弁の開度制御及びインジェクタの作動制御により、エ
ンジン出力を制御するようになっている。また、12は
エンジン11の出力回転を変速して図示しないドライブ
シャフト等により駆動輪側に伝達するオートマチックト
ランスミッション(AT)であり、13は、ドライバに
よるアクセル操作に応じて上記スロットル弁の開度制
御、インジェクタの作動制御及び点火時期制御を行っ
て、エンジン11の運転状態を制御するEGIコントロ
ーラである。
【0022】なお、上記車両には、図示しないが前後方
向に作用している加速度を検出する前後加速度センサが
設けられている。
【0023】図2に示すように、上記右側前輪21FRの
ブレーキ2と左側後輪21RLのブレーキ2とは、第1液
圧管路22aによりマスタシリンダ10に接続される一
方、左側前輪21FLのブレーキ2と右側後輪21RRのブ
レーキ2とは、上記第1液圧管路22aとは異なる第2
液圧管路22bによりマスタシリンダ10に接続されて
おり、所謂、X配管タイプの互いに独立した2つのブレ
ーキ系統が構成されている。そして、ドライバによるブ
レーキペダル14の踏み操作に応じて上記車輪21FR,
21FL,…にそれぞれ制動力が付与されるようになって
いる。
【0024】上記加圧ユニット3は、第1及び第2液圧
管路22a,22bにそれぞれ接続された液圧ポンプ3
1a,31bと、これらの液圧ポンプ31a,31b及
びマスタシリンダ10を断続可能なように上記第1及び
第2液圧管路22a,22bにそれぞれ配設されたカッ
トバルブ32a,32bと、これらのカットバルブ32
a,32bよりもマスタシリンダ10側の液圧を検出す
る液圧センサ(マスタシリンダ圧センサ)33とを備え
ている。そして、SCSコントローラ5からの信号に応
じて上記カットバルブ32a,32bが閉状態にされる
ことで、ドライバによるブレーキ操作とは無関係に、上
記液圧ポンプ31a,31bから吐出される圧液がHU
4を介してブレーキ2,2,…に供給される。
【0025】また、上記HU4は、第1液圧管路22a
又は第2液圧管路22bを介して加圧ユニット3から供
給される圧液を各ブレーキ2のホイールシリンダ(図示
せず)に個別に供給して増圧させる加圧バルブ41,4
1…と、上記各ブレーキ2をリザーバタンク42に接続
し、圧液を排出させて減圧する減圧バルブ43,43…
とを備えている。そして、SCSコントローラ5からの
信号に応じて上記加圧バルブ41,41,…及び減圧バ
ルブ43,43,…の開度がそれぞれ独立に増減制御さ
れることで、上記ブレーキ2,2,…のホイールシリン
ダ圧が増減されて、各車輪21FR,21FL,…に付与さ
れる制動力がそれぞれ制御される。
【0026】上記メインコントローラ5は、図3に示す
ように、周知のABS(Anti-SkidBrake System)制御
及びTCS(Traction Control System )制御を行う第
1制御手段としての第1のCPU(Central Processing
Unit )5aを備えている。上記ABS制御は、各車輪
21FR,21FL,…のロック傾向が強まったとき、各ブ
レーキ2に供給される液圧を低下させることで、ブレー
キロックを阻止するものであり、また、上記TCS制御
は、駆動輪である左右の前輪21FR,21FLの空転傾向
が強まったとき、該左右の前輪21FR,21FLの駆動力
を抑制することで空転を阻止するものである。
【0027】また、上記メインコントローラ5は、後に
詳述するSCS(Stability Control System)制御を行
う第2制御手段としての第2のCPU5bを備えてお
り、このSCS制御は、車両の旋回姿勢が所定以上崩れ
たとき各輪毎の制動力の制御により車両にヨーモーメン
トを作用させるとともに、エンジン出力を低下させて、
その旋回姿勢が目標走行方向に向かって収束するように
車両の挙動を制御するものである。
【0028】さらに、上記メインコントローラ5には、
車輪速センサ6,6,…、横加速度センサ7、ヨーレイ
トセンサ8、舵角センサ9、液圧センサ33、及び前後
加速度センサの出力異常等の故障を判定する故障判定部
5cと、該故障判定部5cによる各センサの故障判定が
終了するまで、第1のCPU5aによるABS制御及び
TCS制御の制御感度を増大させるとともに、上記第2
のCPU5bによるSCS制御を抑制する制御補正部5
dとが設けられている。
【0029】(基本制御)まず、メインコントローラ5
による基本制御の手順を図4に示すフローチャート図に
基づいて説明する。この基本制御においては、ドライバ
が車両に乗り込んでイグニッションキーをオン状態にす
ると、ステップSA1でメインコントローラ5やEGI
コントローラ13の初期設定を行って、前回の処理で記
憶している演算値等をクリアする。次のステップSA2
では、車輪速センサ6,6,…等の原点補正を行った後
に、これらの各センサから上記メインコントローラ5に
対する信号入力を受け入れる。ステップSA3において
は、これらの入力信号に基づき、上記車両の車体速、車
体減速度、各輪位置での車体速等の共通車両状態量を演
算する。
【0030】続いて、ステップSA4、SA5及びSA
6で、後に詳述する如くそれぞれSCS制御の制御演
算、ABS制御の制御演算及びTCS制御の制御演算を
行い、その後、ステップSA7でこれらの3つの制御の
各演算結果を所定の方法により調停して、加圧ユニット
3、HU4及びEGIコントローラ13への制御出力量
を決定する。そして、ステップSA8で上記加圧ユニッ
ト3等へ制御出力して、車輪21FR,21FL…にそれぞ
れ所要の制動力を付与するとともに、車両の減速による
挙動安定化を図る場合には、EGIコントローラ13に
よりエンジン11の出力を低下させ、ステップSA9で
フェールセーフ判定及び処理を行った後にリターンす
る。
【0031】(SCS制御)次に、SCS制御の詳細に
ついて図5及び図6に基づいて説明する。
【0032】図5に示すフローチャートのステップSB
2においては、車輪21FRの車輪速v1 、車輪21FLの
車輪速v2 、車輪21RRの車輪速v3 、車輪21RLの車
輪速v4 、車両の横加速度Gy 、車両のヨーレイトψ′
及びステアリングの操舵角θH の各入力を受け入れる。
ステップSB4では、上記車輪速v1 ,v2 ,…に基づ
いて車体速Vscs を演算し、ステップSB6では、上記
車輪速v1 ,v2 ,…と横加速度Gy とに基づいて各輪
の垂直加重を演算する。また、ステップSB8では、上
記車体速Vscs 、車輪速v1 ,v2 ,…、横加速度Gy
、ヨーレイトψ′及び操舵角θH に基づいて車体横滑
り角βを演算する。
【0033】上記ステップSB8に続くステップSB1
0では、上記車輪速v1 ,v2 ,…、車体速Vscs 、車
体横滑り角β、ヨーレイトψ′及び操舵角θH に基づい
て車輪21FRのスリップ率s1 、車輪21FLのスリップ
率s2 、車輪21RRのスリップ率s3 、車輪21RLのス
リップ率s4 及びこれら各輪のスリップ角を演算する。
続いて、ステップSB12では、上記各輪の垂直加重、
スリップ率s1 ,s2,…及びスリップ角に基づいて、
車輪21FR,21FL,…のそれぞれについて、タイヤ2
3,23,…の発揮し得る全グリップ力に対する現在の
グリップ力の割合である車輪負荷率を演算する。そし
て、ステップSB14では、車輪負荷率と横加速度Gy
とに基づいて路面摩擦係数μscs を演算し、ステップS
B16では、路面摩擦係数μscs 、車体速Vscs 及び操
舵角θH に基づいて目標ヨーレイトψ′TR及び目標横滑
り角βTRをそれぞれ演算する。
【0034】なお、上記各ステップSB4〜SB16に
おける演算はそれぞれ第2のCPU5bにより周知の数
学的手法に基づいて行われる。
【0035】続いて、図6に示すフローチャートのステ
ップSB18では、ヨーレイトψ′と目標ヨーレイト
ψ′TRとの間のヨーレイト偏差量(|ψ′TR−ψ′
|)、及び、車体横滑り角βと目標横滑り角βTRとの間
の横滑り角偏差量(|βTR−β|)を、それぞれ後述の
ヨーレイト制御の介入判定のために予め設定された介入
判定しきい値Δψ′ST及びΔβST1 と比較する。そし
て、上記ヨーレイト偏差量(|ψ′TR−ψ′|)が介入
判定しきい値Δψ′ST以上であるか、又は上記横滑り角
偏差量(|βTR−β|)が介入判定しきい値ΔβST1 以
上である場合には、目標走行方向に対する車両の旋回姿
勢のずれが大きくなりつつあり、SCS制御介入が必要
であると判定してステップSB20に進む。一方、上記
ヨーレイト偏差量が介入判定しきい値Δψ′STよりも小
さい値であり、かつ横滑り角偏差量が介入判定しきい値
ΔβST1 よりも小さい値である場合には、SCS制御介
入の必要なしと判定してリターンする。
【0036】続くステップSB20では、横滑り角偏差
量(|βTR−β|)を、後述の横滑り角制御への切換え
の判定のために予め設定された切換判定しきい値ΔβST
2 (ΔβST2 >ΔβST1 )と比較する。そして、上記横
滑り角偏差量(|βTR−β|)が切換判定しきい値Δβ
ST2 よりも小さい場合には、ステップSB22に進ん
で、目標ヨーレイトψ′TRをSCS制御目標値として設
定した後、ステップSB24に進み、ヨーレイト偏差量
(|ψ′TR−ψ′|)に予め設定された制御ゲインG1
を乗算してSCS制御量ψ′amt を演算する。
【0037】ψ′amt = G1 ×|ψ′TR−ψ′| つまり、車両の旋回姿勢の変化が比較的小さく安定した
状態にあると判定される間は、車両のヨーレイトψ′が
ドライバの運転操作に対応する目標ヨーレイトψ′TRに
収束するよう、上記ヨーレイト偏差量(|ψ′TR−ψ′
|)に比例する比較的小さなヨーモーメントを車両に作
用させるようにすることで、その車両の挙動をドライバ
の運転操作に追従するように滑らかに変更させるヨーレ
イト制御を行うようにする。
【0038】一方、上記ステップSB20で横滑り角偏
差量(|βTR−β|)が切換判定しきい値ΔβST2 以上
である場合には、ステップSB26に進んで目標横滑り
角βTRをSCS制御目標値として設定した後、ステップ
SB28に進み、横滑り角偏差量(|βTR−β|)に予
め設定された制御ゲインG2 を乗算してSCS制御量β
amt を演算する。
【0039】βamt = G2 ×|βTR−β| つまり、車両の旋回姿勢が崩れかかっていると判定され
たときには、車体横滑り角βが目標横滑り角βTRに収束
するよう、上記横滑り角偏差量(|βTR−β|)に比例
する比較的大きなヨーモーメントを車両に作用させるよ
うにすることで、その車両の旋回姿勢を迅速に修正する
横滑り角制御を行うようにする。
【0040】そして、上記ステップSB24又はステッ
プSB28に続くステップSB30では、各センサやH
U4等のフェールセーフ判定及び処理を行い、続くステ
ップSB32では、上記SCS制御、ABS制御及びT
CS制御の各演算結果を所定の方式により調停する。こ
の調停の概要について説明すると、SCS制御を行おう
とする際にABS制御が行われている場合には、そのA
BS制御の制御量をSCS制御量ψ′amt 又はβamt に
基づいて補正することにより、ABS制御を優先しつつ
SCS制御を行うようにする。また、SCS制御を行お
うとする際にTCS制御が行われている場合には、その
TCS制御のための加圧ユニット3及びHU4の作動を
中止してエンジン11の出力トルク低下の制御のみを行
うようにして、SCS制御を実行する。
【0041】続いて、ステップSB34において、SC
S制御量ψ′amt 又はβamt に基づき、SCS制御のた
めに制動力を付与する車輪21FR,21FL,…を選択す
るとともに、これらの選択された車輪21FR,21FL,
…にそれぞれ付与する制動力量を演算する。この車輪の
選択及び制動力量の演算について概説すれば、ヨーレイ
ト制御において車両のヨーレイトψ′を右回りに増加さ
せる場合、及び、横滑り角制御において車両の旋回姿勢
を右側寄りに修正しようとする場合には、右側前輪21
FRもしくは右側前後輪21FR,21RRに対し、上記SC
S制御量ψ′amt 又はβamt に対応する制動力を付与し
て、車両に右回りのヨーモーメントを作用させる。反対
に、車両のヨーレイトψ′を左回りに増加させる場合、
及び、車両の旋回姿勢を左側寄りに修正しようとする場
合には、左側前輪21FLもしくは左側前後輪21FL,2
1RLに対し、上記SCS制御量ψ′amt 又はβamt に対
応する制動力を付与して、車両に左回りのヨーモーメン
トを作用させる。
【0042】そして、上記ステップSB34に続くステ
ップSB36において、ステップSB34で選択された
車輪21FR,21FL,…に対しそれぞれ所要の制動力を
付与するための各ブレーキ2へのブレーキ制御量(ホイ
ールシリンダ圧)を演算し、さらにこれに対応するHU
4の加圧バルブ41,41,…及び減圧バルブ43,4
3,…のそれぞれのバルブ開度等を演算する。
【0043】続くステップSB38では、車両の減速に
よる挙動の安定化のために必要なエンジン出力の低下量
に対応するエンジン制御量を演算する。すなわち、エン
ジン11の出力トルク低下の制御では、EGIコントロ
ーラ13により、スロットル弁のアクチュエータを作動
させて、ドライバのアクセル操作に関係なくスロットル
弁開度を絞るとともに、燃料カット又は気筒カットを行
って、エンジン11の出力トルクを低下させる。上記燃
料カットとは、エンジン11の全気筒の燃料噴射を瞬間
的に停止させることであり、また、気筒カットとは、い
くつかの気筒の燃料噴射を同様に停止させることであ
る。
【0044】そして、ステップSB40で、上記ステッ
プSB36及びステップ38での演算結果に基づいて加
圧ユニット3、HU4及びEGIコントローラ13に制
御出力してSCS制御を実行し、しかる後にリターンす
る。
【0045】このようにして、前後左右の車輪21FR,
21FL,…のそれぞれに独立して制動力を付与するSC
Sブレーキ制御により車両の重心回りにヨーモーメント
を作用させるとともに、エンジン11の出力を所定量低
下させるSCSトルクダウン制御により車体速を低下さ
せて、車両の操縦安定性を高めるようにしている。
【0046】(ABS制御)次に、ABS制御の詳細に
ついて図7に示すフローチャート図に基づいて説明する
と、ステップSC1では、ブレーキペダル14に付設さ
れた図示しないブレーキオンオフセンサからの出力信号
に基づいて、ドライバによるブレーキ操作の有無を判定
し、ブレーキ操作がなされていないNOと判定されれば
ステップSC2に進んで、ドライバによるブレーキ操作
の有無を表すブレーキフラグFbrakeの値をFbrake =
0としてリターンする。一方、ブレーキ操作がなされて
いるYESと判定されればステップSC3に進み、各輪
21FR,21FL,…の車輪速v1 ,v2 ,…、車体速及
びマスタシリンダ圧から推定演算される路面摩擦係数μ
ABS に基づいて、車輪スリップ率s1 ,s2 ,…の制御
目標値である目標スリップ率sTRと、ABS制御の開始
しきい値sSTとをそれぞれ演算する。
【0047】続いて、ステップSC4では、後述の制御
補正フラグFcor の値に対応して、上記開始しきい値s
STを補正する。すなわち、各センサの故障判定が終了し
ていない間は(Fcor =1)、開始しきい値sSTの値を
小さく補正して、車輪スリップ率s1 ,s2 ,…が僅か
なうちにABS制御が開始されるようにする。
【0048】ステップSC5以降の制御は各車輪21F
R,21FL,…毎に個別に行われる。すなわち、まずス
テップSC5では、各輪の車輪スリップ率s1 ,s2 ,
…を個別に開始しきい値sSTと比較して、車輪スリップ
率s1 ,s2 ,…が開始しきい値sST以下のNOであれ
ばステップSC6に進む一方、車輪スリップ率s1 ,s
2 ,…が開始しきい値sSTよりも大きいYESであれ
ば、ステップSC7に進んでブレーキフラグFbrake =
1とし、ステップSC8に進む。また、上記ステップS
C6では、ブレーキフラグFbrake の値を判定し、Fbr
ake =1でブレーキ操作中のYESであればステップS
C8に進む一方、Fbrake =0でブレーキ操作中でない
NOであればリターンする。つまり、ABS制御は、一
旦開始されるとドライバのブレーキ操作が中止されか、
或いは各輪の車輪スリップ率s1 ,s2 ,…がそれぞれ
目標スリップ率sTRになるまで継続される。
【0049】続いて、ステップSC8及びSC9では、
ABS制御を実行する各車輪21FR,21FL,…への制
動力を制御するためのブレーキ制御量B(ホイールシリ
ンダ圧)を演算する。すなわち、ステップSC8では、
ベース制御量Bbaseを、各車輪21FR,21FL,…の車
輪スリップ率s1 ,s2 ,…及び目標スリップ率sTRの
間の偏差量と、該車輪スリップ率s1 ,s2 ,…の変化
量とに応じてマップから読み込む。このマップはメイン
コントローラ5のメモリに電子的に格納されたもので、
各車輪21FR,21FL,…の車輪スリップ率s1 ,s2
,…及び目標スリップ率sTRの間の偏差量が大きいほ
どホイールシリンダ圧が小さくなるように、また、上記
車輪スリップ率s1 ,s2 ,…の減少変化量が大きいほ
どホイールシリンダ圧が小さくなる一方、車輪スリップ
率s1 ,s2 ,…の増大変化量が大きいほどホイールシ
リンダ圧が大きくなるように設定されている。
【0050】続くステップSC9では、上記ベース制御
量Bbaseに予め設定された制御ゲインk1 を乗算してブ
レーキ制御量Bを演算する。その際、上記ステップSC
4と同様に、後述の制御補正フラグFcor の値に対応し
て制御ゲインk1 を補正する。すなわち、各センサの故
障判定が終了していなければ(Fcor =1)、制御ゲイ
ンk1 の値を大きく補正してブレーキ制御量Bを大きく
させることで、ABS制御の応答性を高めるようにす
る。
【0051】最後に、ステップSC10で、上記の演算
したブレーキ制御量Bに基づいてHU4への制御出力を
実行し、加圧バルブ41,41,…及び減圧バルブ4
3,43,…をそれぞれ開閉作動させて、ブレーキ2,
2,…のホイールシリンダ圧を増減させることで、車輪
21FR,21FL,…への制動力をそれぞれ制御する。こ
れにより、車輪21FR,21FL,…の車輪スリップ率s
1 ,s2 ,…がそれぞれ路面状況に応じた最適の目標ス
リップ率sTRにになるように制御されて、各車輪21F
R,21FL,…は最大の制動力を発生するようになる。
【0052】(TCS制御)次に、TCS制御の詳細に
ついて図8に示すフローチャートに基づいて説明する
と、ステップSD1では、ドライバによるアクセル操作
によりエンジン11のスロットル弁が開状態とされてい
るか否かを判定し、スロットル弁が開状態になっていな
いNOと判定されればステップSD2に進んで、ドライ
バによるアクセル操作の有無を表すアクセルフラグFac
c の値をFacc =0としてリターンする。一方、アクセ
ル操作がなされているYESと判定されればステップS
D3に進み、駆動輪である左右の前輪21FR,21FLの
車輪速度v1 ,v2 、車体速度及びエンジン出力から推
定演算される路面摩擦係数μTCS に基づいて、車輪スリ
ップ率s1 ,s2 ,…の制御目標値である目標スリップ
率sTRと、TCS制御の開始しきい値sSTとをそれぞれ
演算する。
【0053】続いて、ステップSD4では、後述の制御
補正フラグFcor の値に対応して開始しきい値sSTを補
正する。すなわち、各センサの故障判定が終了していな
い間は(Fcor =1)、開始しきい値sSTの値を小さく
補正して、車輪スリップ率s1 ,s2 ,…が僅かなうち
にTCS制御が開始されるようにする。
【0054】ステップSD5では、左右の前輪21FR,
21FLの車輪スリップ率s1 ,s2を個別に開始しきい
値sSTと比較して、車輪スリップ率s1 ,s2 が両方と
もに開始しきい値sST以下のNOであればステップSD
6に進む一方、車輪スリップ率s1 ,s2 のいずれかが
開始しきい値sSTよりも大きいYESであれば、ステッ
プSD7に進んでアクセルフラグFacc =1とし、ステ
ップSD8に進む。また、上記ステップSD6では、ア
クセルフラグFacc の値を判定して、Facc =1でアク
セル操作中であればステップSD8に進む一方、Facc
=0でアクセル操作中でなければリターンする。つま
り、TCS制御もABS制御と同様、一旦開始されると
ドライバのアクセル操作が中止されか、或いは左右の前
輪21FR,21FLの車輪スリップ率s1 ,s2 が目標ス
リップ率sTRになるまで継続される。
【0055】続いて、ステップSD8、SD9及びSD
10では、左右の前輪21FR,21FLへの駆動力をそれ
ぞれ制御するためのブレーキ制御量B(ホイールシリン
ダ圧)及びエンジン11の出力トルク低下の制御量すな
わちエンジン制御量Eを演算する。すなわち、ステップ
SD8では、ブレーキ制御量Bのベース制御量Bbase
を、左右の前輪21FR,21FLのそれぞれについて、車
輪スリップ率s1 ,s2及び目標スリップ率sTRの間の
偏差量と、該車輪スリップ率s1 ,s2 ,…の変化量と
に応じてマップから読み取る。このマップはメインコン
トローラ5のメモリに電子的に格納されたもので、上記
車輪スリップ率s1 ,s2 と目標スリップ率sTRとの偏
差量が大きいほどホイールシリンダ圧が大きくなるよう
に、また、上記車輪スリップ率s1 ,s2 ,…の減少変
化量が大きいほどホイールシリンダ圧が小さくなる一
方、車輪スリップ率s1 ,s2 ,…の増大変化量が大き
いほどホイールシリンダ圧が大きくなるように設定され
ている。
【0056】続くステップSD9では、上記ステップS
D8と同様に、EGIコントローラ13によるエンジン
制御量Eのベース制御量Ebaseを求める。このエンジン
ベース制御量Ebaseは、ブレーキ制御量Bのベース制御
量Bbaseと同様にメインコントローラ5のメモリに格納
されたマップから読み込むもので、このマップにおいて
は、上記車輪スリップ率s1 ,s2 と目標スリップ率s
TRとの偏差量が大きいほど出力トルクの低下量が大きく
なるように、また、上記車輪スリップ率s1 ,s2 ,…
の減少変化量が大きいほど出力トルクの低下量が小さく
なる一方、車輪スリップ率s1 ,s2 ,…の増大変化量
が大きいほど出力トルクの低下量が大きくなるように設
定されている。
【0057】そして、ステップSD10では、上記SD
8及びSD9で求めたブレーキベース制御量Bbase及び
エンジンベース制御量Ebaseにそれぞれ予め設定された
制御ゲインk1 ,k2 を乗算して、ブレーキ制御量B及
びエンジン制御量Eを演算する。その際、上記ステップ
SD4と同様に、後述の制御補正フラグFcor の値に対
応して制御ゲインk1 ,k2 を補正する。すなわち、各
センサの故障判定が終了していなければ(Fcor =
1)、制御ゲインk1 ,k2 の値を大きく補正してブレ
ーキ制御量B及びエンジン制御量Eを大きくさせること
で、TCS制御の応答性を高めるようにする。
【0058】最後に、ステップSD11で、上記の演算
したブレーキ制御量Bに基づいて、加圧ユニット3、H
U4及びEGIコントローラ13への制御出力を実行
し、左右の前輪21FR,21FLに付設された加圧バルブ
41,41及び減圧バルブ43,43をそれぞれ開閉作
動させて、ブレーキ2,2のホイールシリンダ圧を増減
させることで、上記左右の前輪21FR,21FLの制動力
をそれぞれ制御する。同時に、上記の演算したエンジン
制御量Eに基づきEGIコントローラ13によりスロッ
トル弁のアクチュエータを作動させてスロットル弁開度
を絞るとともに、燃料カット又は気筒カットを行って、
エンジン11の出力トルクを低下させる。これにより、
左右の前輪21FR,21FLのそれぞれへの駆動力が制御
され、該前輪21FR,21FLは最大の駆動力を発生する
ようになる。
【0059】(各センサの故障判定)次に、本発明の特
徴部分として、フェールセーフ判定及び処理におけるセ
ンサ系統、すなわち車輪速センサ6,6,…、横加速度
センサ7、ヨーレイトセンサ8、舵角センサ9、液圧セ
ンサ33、前後加速度センサの故障判定部5cによる故
障判定の詳細について図9、図10及び図11に基づい
て説明する。
【0060】図9に示すフローチャート図のステップS
E1では、まず、車輪速センサ6,6,…の故障判定を
行う。これは、車体速Vscs が所定値以上であるのに、
4輪のうちのいずれか1輪又は2輪の特定の車輪21F
R,21FL,…の車輪速v1 ,v2 ,…が、予め設定し
た所定時間以上継続して上記車体速Vscs よりも低い場
合に、該特定の車輪21FR,21FL,…の車輪速センサ
6,6,…が故障していると判定する。従って、車両の
発進後、直ちに判定結果が確定するので、上述のSCS
制御やABS制御が開始されるような状態になるるまで
に必ず故障判定が終了していると考えられる。そして、
ステップSE1で車輪速センサ6,6,…が故障してい
ないNOと判定されれば、ステップSE2に進んで車輪
速センサ6,6,…の正常確定をメモリに記憶する一
方、故障しているYESと判定されれば、ステップSE
3に進んで車輪速センサ6,6,…の異常確定をメモリ
に記憶する。
【0061】続いて、ステップSE4では、車輪速v1
,v2 ,…の変化率から車両の所定以上の減速状態を
判定する。すなわち、各車輪21FR,21FL,…の車輪
速v1,v2 ,…の変化率が小さく、ドライバのブレー
キ操作が行われていないNOと判定されたときは、図1
0に示すフローチャートのステップSF1に進む一方、
各車輪21FR,21FL,…の車輪速v1 ,v2 ,…が急
速に減少していて、ドライバのブレーキ操作によって車
両が所定の減速状態になっているYESと判定されたと
きには、ステップSE5に進む。
【0062】上記ステップSE5では、前後加速度セン
サにより検出された前後加速度が、車輪速v1 ,v2 ,
…の変化率から推定される所定範囲内の値になっている
か否かを判定する。つまり、車両に作用している前後加
速度が車両の制動による減速に対応するような大きな値
になっているか否かにより前後加速度センサの故障判定
を行って、所定範囲内のYESならばステップSE6に
進んで前後加速度センサの正常確定をメモリに記憶する
一方、所定範囲内にないNOと判定されれば、ステップ
SE7に進んで前後加速度センサの異常確定をメモリに
記憶する。
【0063】続いて、ステップSE8では、液圧センサ
33により検出されるマスタシリンダ10のブレーキ液
圧が、車輪速v1 ,v2 ,…の変化率から推定される所
定範囲内の値になっているか否かを判定する。つまり、
マスタシリンダ10に発生している液圧が車両の制動に
よる減速に対応するような大きな値になっているか否か
により液圧センサ33の故障判定を行い、所定範囲内の
YESならばステップSE9に進んで液圧センサ33の
正常確定をメモリに記憶する一方、所定範囲内にないN
Oと判定されれば、ステップSE10に進んで液圧セン
サ33の異常確定をメモリに記憶する。
【0064】上記図9のフローに続いて、図10に示す
フローチャート図のステップSF1では、従動輪である
左右の後輪21RR,21RLの車輪速v3 ,v4 の偏差量
(|v3 −v4 |)が、予め設定した所定値以上である
か否かを判定し、この偏差量が所定値よりも小さいNO
であれば、車両が略直進状態であると判定してステップ
SF2に進み、制御補正フラグFcor の値をFcor =1
として、しかる後にリターンする。この制御補正フラグ
Fcor =1のときには、上述のSCS制御における制御
の介入判定しきい値Δψ′ST,ΔβST1 及び切換判定し
きい値ΔβST2が予め設定された所定の割合だけ大きく
補正されて、SCS制御の介入が抑制される。同時に、
上記制御補正フラグFcor =1のときには、上述の如
く、ABS制御及びTCS制御において、それぞれ制御
の開始しきい値sSTが小さく補正されるとともに、制御
ゲインk1 ,k2 が大きく補正され、これにより、上記
ABS制御及びTCS制御の制御感度が増大する。
【0065】一方、上記ステップSF1において、左右
の車輪速偏差量(|v3 −v4 |)が所定値以上のYE
Sであれば、車両が所定以上の旋回状態になっていると
判定して、ステップSF3に進む。このステップSF3
では、舵角センサ9による検出値(操舵角)θH が、上
記車輪速偏差量(|v3 −v4 |)から推定される所定
範囲内の値になっているか否かを判定する。すなわち、
左右の後輪21RR,21RLの車輪速偏差量(|v3 −v
4 |)と操舵角θH との間には、車両の旋回半径をRと
して以下の関係式が成立する。
【0066】 1/R = |v3 −v4 |×m1 ・・・(式1) R = WB/tan(θH /m2 )+TD/2 ・・・(式2) 但し、 WB:車両のホイールベース TD:車両の後輪トレッド m1 ,m2 :操舵機構等の車両諸元によって定まる定数 そして、舵角センサ9による検出値θH が上記所定範囲
内の値でないNOであれば、ステップSF11に進んで
舵角センサ9の異常確定をメモリに記憶する一方、検出
値が上記所定範囲内の値のYESであれば、ステップS
F4に進んで舵角センサ9の正常確定をメモリに記憶す
る。
【0067】続いて、ステップSF5では、ヨーレイト
センサ8による検出値(ヨーレイト)ψ′が上記舵角セ
ンサ9の検出値θH 及び車体速Vscs から推定される所
定範囲内の値になっているか否かを判定して、所定範囲
内のYESならばステップSF6に進んでヨーレイトセ
ンサ8の正常確定をメモリに記憶する一方、所定範囲内
にないNOと判定されれば、ステップSF7に進んでヨ
ーレイトセンサ8の異常確定をメモリに記憶する。
【0068】続いて、ステップSF8において、上記ス
テップSF5におけるヨーレイトセンサ8の故障判定と
同様に、横加速度センサ7による検出値(横加速度)G
y が、舵角センサ9の検出値θH 及び車体速Vscs から
推定される所定範囲内の値になっているか否かを判定し
て、所定範囲内のYESならばステップSF9で正常確
定をメモリに記憶する一方、所定範囲内にないNOなら
ばステップSF10で異常確定をメモリに記憶し、しか
る後、図11に示すフローチャートのステップSG10
に進む。
【0069】つまり、舵角センサ9が正常確定すれば、
上述のステップSF5〜SF10のフローの如く、舵角
センサ9による検出値θH を基準としてヨーレイトセン
サ8及び横加速度センサ7の故障判定を行うようにして
いる。
【0070】これに対し、上記ステップSF3で舵角セ
ンサ9が故障していると判定され、該異常確定をステッ
プSF11でメモリに記憶した後、ステップSF12で
は、上記(式1)に基づいて車両の旋回半径Rを演算
し、続くステップSF13で、上記の演算した旋回半径
R及び車体速Vscs に基づいて、車両に作用している横
加速度を推定演算する。そして、ステップSF14で
は、横加速度センサ7による検出値Gy が上記の横加速
度の推定演算値近傍の所定範囲内の値になっているか否
かを判定する。そして、所定範囲内のYESならばステ
ップSF15に進んで、横加速度センサ7の正常確定を
メモリに記憶し、しかる後、図11に示すフローチャー
トのステップSG1に進む一方、所定範囲内にないNO
ならばステップSF16で異常確定をメモリに記憶し、
しかる後、図11に示すフローチャートのステップSG
5に進む。
【0071】図11に示すフローチャート図のステップ
SG1では、横加速度センサ7による検出値Gy 及び車
体速Vscs に基づいて、車両に作用しているヨーレイト
を推定演算する。
【0072】 ヨーレイトの推定演算値 =Gy /Vscs −Vscs そして、続くステップSG2で、ヨーレイトセンサ8に
よる検出値ψ′が上記ヨーレイトの推定演算値近傍の所
定範囲内の値であるか否かを判定して、所定範囲内のY
ESならばステップSG3に進んで、ヨーレイトセンサ
8の正常確定をメモリに記憶する一方、所定範囲内にな
いNOならばステップSG4に進んで、ヨーレイトセン
サ8の異常確定をメモリに記憶し、その後、ステップS
G10に進む。
【0073】つまり、舵角センサ9が異常確定してい
て、かつ横加速度センサ7が正常確定していれば、上述
のステップSG1〜SG4のフローの如く、横加速度セ
ンサ7による検出値Gy を基準としてヨーレイトセンサ
8の故障判定を行うようにしている。
【0074】これに対し、上記図10のステップSF1
3で横加速度センサ7が故障していると判定され、該異
常確定をステップSF15でメモリに記憶した後に進ん
だ図11のステップSG5では、上記(式1)及び(式
2)により、左右の車輪速偏差量(|v3 −v4 |)に
基づいて操舵角を推定演算し、続くステップSG6で
は、この操舵角の推定演算値θHest及び車体速Vscs に
基づいて、ヨーレイトを推定演算する。
【0075】ヨーレイトの推定演算値=θHest×Vscs
×{(1−kVscs2)WB}そして、続くステップSG
7では、ヨーレイトセンサ8による検出値ψ′が上記ヨ
ーレイトの推定演算値近傍の所定範囲内の値であるか否
かを判定して、所定範囲内のYESならばステップSG
8に進んで、ヨーレイトセンサ8の正常確定をメモリに
記憶する一方、所定範囲内にないNOならばステップS
G9に進んで、ヨーレイトセンサ8の異常確定をメモリ
に記憶し、その後、ステップSG10に進む。
【0076】つまり、舵角センサ9及び横加速度センサ
7が両方共に異常確定していれば、車輪速センサ6,
6,…の検出値v1 ,v2 ,…に基づいて求められる左
右の車輪速偏差量(|v3 −v4 |)を基準として、ヨ
ーレイトセンサ8の故障判定を行うようにしている。
【0077】最後にステップSG10では、図9のステ
ップSE6,SE7,SE9,SE10、図10のステ
ップSF4,SF6,SF7,SF9,SF10,SF
15SF16、図11のステップSG3,SG4,SG
8,SG9の各ステップでメモリに記憶した各センサの
故障判定結果に基づいて、全てのセンサが正常であるか
否かを判定する。そして、全てのセンサについて正常確
定していれば、ステップSG11に進んで制御補正フラ
グFcor の値をFcor =0として、しかる後にリターン
する。この制御補正フラグFcor =0とすることで、上
述のSCS制御の介入抑制が解除され、正常に作動して
いる全てのセンサからの出力信号に基づいて抑制されて
いない通常のSCS制御が実行される。また、ABS制
御及びTCS制御の制御感度の増大はそれらの制御終了
まで継続され、このことで、センサ故障判定の終了と同
時にABS制御及びTCS制御の制御量が急変すること
が防止される。
【0078】尚、ABS制御及びTCS制御の制御感度
の増大を制御終了まで継続するにあたっては、大きい値
に補正した制御ゲインk1 ,k2 をそのままに保持する
ようにしてもよく、また、徐々に減少させるようにして
もよい。
【0079】一方、上記ステップSG10において、い
ずれかのセンサが故障していて異常確定していれば、ス
テップSG12に進んで、センサの故障により正常なS
CS制御が実行できないことを表すワーニングとして例
えば警告表示灯を点灯させてドライバの注意を喚起し、
しかる後にリターンする。その際、制御補正フラグFco
r =1とされたままになるので、上述のSCS制御の介
入抑制とABS制御及びTCS制御の制御感度の増大と
がイグニッションオフまで継続される。
【0080】なお、上記車輪速センサ6,6,…、横加
速度センサ7,ヨーレイトセンサ8、舵角センサ9,液
圧センサ33、及び前後加速度センサの他に、ブレーキ
オンオフセンサ等の断線等による故障のみを判定すれば
よいものについては、イグニッションオンと同時にメイ
ンコントローラ5へのパルス入力の有無に基づいて故障
判定が行われる。
【0081】上述の如く、この実施形態に係る車両のス
リップ制御装置によれば、車両の走行開始からしばらく
してドライバのステアリング操作により車両が旋回状態
になるまでは、横加速度センサ7、ヨーレイトセンサ8
及び舵角センサ9の出力が変化せず、これらのセンサの
故障判定が行えないが、その間、第2のCPU5bによ
るSCS制御が制御補正部5dにより抑制されるので、
上記各センサのいずれかが故障していたとしても、その
故障しているセンサからの出力信号に基づいた誤ったS
CS制御の実行を抑制することができる。このことで、
誤ったSCS制御によってドライバが感じる違和感を低
減することができ、また、誤まったSCS制御に起因す
る車両の旋回姿勢の崩れを防止することができる。
【0082】また、上記故障判定手段5cによる全ての
センサの故障判定が終了するまで、制御補正部5dによ
って上記ABS制御及びTCS制御の制御感度を増大さ
せるようにしたので、車体姿勢の崩れが僅かなうちに各
車輪21FR,21FL,…のロック状態や空転状態を確実
に防止することができ、これにより、第2のCPU5b
によるSCS制御が抑制されていても車両の操縦安定性
を確保することができる。しかも、車輪速センサ6,
6,…の故障判定は車両の走行開始後直ちに行うことが
できるので、該車輪速センサ6,6,…の故障に起因し
て誤ったABS制御や誤ったTCS制御が行われること
はない。
【0083】さらに、上記ABS制御及びTCS制御の
制御感度の増大は、故障判定手段5cによる故障判定が
終了しても制御終了まで継続するようにしたので、セン
サ故障判定の終了と同時にABS制御及びTCS制御の
制御量が急変して車両の挙動が急変することを防止する
ことができる。
【0084】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、その他の種々の実施形態を包含するもので
ある。すなわち、上記実施形態では、第1のCPU5a
はABS制御及びTCS制御の両方を実行するものとし
ているが、いずれか一方のみを実行するようにしてもよ
い。
【0085】また、第2のCPU5bはSCS制御を実
行するものとしているが、これに限らず例えば周知の後
輪操舵装置を制御するものとしてもよい。
【0086】また、上記実施形態では、センサ系統の故
障判定が終了するまでSCS制御介入を抑制するように
しているが、これに限らず例えばSCS制御を禁止する
ようにしてもよい。
【0087】さらに、上記実施形態では、車両が旋回状
態になって舵角センサ9等の故障判定が終了するまでS
CS制御を抑制するようにしているが、これに加えて、
ドライバのブレーキ操作が行われて車両が減速状態にな
るまでSCS制御を抑制するようにしてもよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における車両のスリップ制御装置によれば、車両の走
行開始から所定の走行状態になって故障判定手段による
検出手段の故障判定が終了するまでの間、第2制御手段
による誤った挙動制御を抑制するようにしたので、上記
検出手段が故障していたとしても、誤った挙動制御に起
因するドライバの違和感を低減させることができ、ま
た、誤制御に起因する車両の旋回姿勢の崩れを防止する
ことができる。加えて、第1制御手段による車輪スリッ
プ制御により各車輪のロック状態や空転状態を防止して
車両の操縦安定性を確保することができる。
【0089】請求項2記載の発明では、故障判定手段に
よる検出手段の故障判定が終了するまで、第1制御手段
による制御感度を増大させるようにしたので、車両の操
縦安定性を高めるとともに、第2制御手段による誤った
挙動制御を確実に防止することができる。
【0090】請求項3記載の発明によれば、第1制御手
段の制御開始しきい値を小さくすることで、制御の頻度
を高めて制御感度を増大させることができる。
【0091】請求項4記載の発明によれば、第1制御手
段の制御ゲインを大きくすることで、制御の応答性を高
めて制御感度を増大させることができる。
【0092】請求項5記載の発明によれば、故障判定手
段による検出手段の故障判定の終了と同時に制御量が急
変することを防止し、車両の挙動変化を抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスリップ制御装置を適用した車両を示
す概略構成図である。
【図2】ブレーキの液圧系統を示す構成図である。
【図3】メインコントローラの構成を示す機能ブロック
図である。
【図4】基本制御の概要を示すフローチャート図であ
る。
【図5】SCS制御の前半の制御手順を示すフローチャ
ート図である。
【図6】SCS制御の後半の制御手順を示すフローチャ
ート図である。
【図7】ABS制御の手順を示すフローチャート図であ
る。
【図8】TCS制御の手順を示すフローチャート図であ
る。
【図9】車輪速センサ、前後加速度センサ及び液圧セン
サの故障判定の制御手順を示すフローチャート図であ
る。
【図10】舵角センサ、横加速度センサ及びヨーレイト
センサの故障判定の前半の制御手順を示すフローチャー
ト図である。
【図11】上記図10の故障判定の後半の制御手順を示
すフローチャート図である。
【符号の説明】
5a 第1のCPU(第1制御手段) 5b 第2のCPU(第2制御手段) 5c 故障判定部(故障判定手段) 5d 制御補正部(制御補正手段) 6,6,6,6 車輪速センサ 7 横加速度センサ 8 ヨーレイトセンサ 9 舵角センサ 21FR,21FL,21RR,21RL 車輪 33 液圧センサ(マスタシリンダセン
サ) sST 制御開始しきい値(第1制御手段の
制御開始しきい値) k1 ,k2 制御ゲイン(第1制御手段の制御ゲ
イン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益 啓純 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 岡崎 晴樹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪の車輪速をそれぞれ検出す
    る車輪速センサからの出力信号に基づいて各車輪のスリ
    ップに関する値を所定以下に制御する第1制御手段と、
    車両の所定の走行状態量を検出する検出手段からの出力
    信号に基づいて車両の挙動を制御する第2制御手段とを
    備えた車両のスリップ制御装置において、 上記検出手段の故障を判定する故障判定手段と、 上記故障判定手段による故障判定が終了するまで、上記
    第1制御手段による制御を行いつつ上記第2制御手段に
    よる制御を抑制する制御補正手段とを設けたことを特徴
    とする車両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 制御補正手段は、故障判定手段による検出手段の故障判
    定が終了するまで、第1制御手段による車輪スリップ制
    御の感度を増大させるように構成されていることを特徴
    とする車両のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 制御補正手段は、故障判定手段による検出手段の故障判
    定が終了するまで、第1制御手段の制御開始しきい値を
    小さくするものであることを特徴とする車両のスリップ
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 制御補正手段は、故障判定手段による検出手段の故障判
    定が終了するまで、第1制御手段の制御ゲインを大きく
    するものであることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は4において、 制御補正手段は、故障判定手段による検出手段の故障判
    定が終了し、かつ第1制御手段による車輪スリップ制御
    が実行中であるとき、該車輪スリップ制御が終了するま
    で制御感度の増大を継続するように構成されていること
    を特徴とする車両のスリップ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 検出手段は、車両の横加速度を検出する横加速度セン
    サ、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ、ス
    テアリング操舵角を検出する操舵角センサ又はマスタシ
    リンダ内のブレーキ圧を検出するマスタシリンダ圧セン
    サの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする
    車両のスリップ制御装置。
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