JPH11187815A - 歯付き防止用組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯への付着を抑え、且つ保型性に優れ味質、
食感のよいソフトキャンデー類の歯付き防止用組成物及
びそれを配合したソフトキャンデー類の製造法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 砂糖、水飴、油脂及び乳製品を乳製品を
主要成分とするソフトキャンデー原料にガラクトマンナ
ン分解物を含有させることで上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はソフトキャンデー類
の歯付き防止用組成物及び歯への付着を低減したソフト
キャンデー類の製造法に関するものであり、詳しくはソ
フトキャンデー類の歯への付着を著しく抑え、且つ保型
性に優れ味質、食感のよいソフトキャンデー類の歯付き
防止用組成物及びそれを配合したソフトキャンデー類の
製造法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ソフトキャンデー類には様々な種類があ
るが、これらは咀嚼時に歯に付着しやすいという共通の
欠点を持っている。この欠点を改善するために特開平４
−８４８５８号には植物性油脂を増量添加する方法がま
た、特開平５−７４５９号には乳化剤による歯への付着
防止効果の検討の結果、ポリグリセリン脂肪酸エステル
を配合することによるその有効性について開示されてい
る。歯への付着防止効果をあげるために植物性油脂の添
加量を増加させるとソフトキャンデーの保型性が非常に
悪くなったり、油脂がソフトキャンデー表面に滲み出す
という欠点が生じる。また、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルの配合によりある程度の付着防止効果は認められる
が、充分とはいいがたく効果を増強するため、配合量を
増すと味に悪影響を及ぼす等の問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、歯への付着
を抑え、且つ保型性に優れ味質、食感のよいソフトキャ
ンデー類の歯付き防止用組成物及びそれを配合したソフ
トキャンデー類の製造法を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、ガラ
クトマンナン分解物をソフトキャンデー類に配合すると
歯への付着が著しく抑えられ、且つ保型性に優れ、味
質、食感が改良される利点があることを発見し、本発明
を完成したのである。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明によれば水飴、砂糖、果糖
練乳、硬化油、乳化剤、小麦粉、ガラクトマンナン分解
物（予め少量の水に溶解したもの）を手鍋に仕込み、以
下常法に従いこれを煮詰め、香料、着色料、その他を添
加後、冷却、成型する工程を経て歯への付着が著しく抑
えられ、且つ保型性に優れ、味質、食感のよいソフトキ
ャンデーを容易に製造することができる。以下、本発明
について更に詳しく説明する。

【０００６】本発明において、ソフトキャンデー類と
は、例えばフォンダン、キャラメル、タフィー、ヌガ
ー、ファッジ、チューイングキャンデーなどの砂糖、水
飴などを原料として比較的高温で溶解して製造される菓
子類の内水分が６重量％を越えて、２０重量％以下のも
のである。また、ガラクトマンナン分解物とはその原料
として例えば、ローカスト、タラ又はグアプラントの種
子があるが、好ましくはグア種子から得られるものが好
適で、その製法は例えばグア種子より水抽出、アルコー
ル沈殿等の方法でガラクトマンナンを抽出し、酸又は酵
素（例えばガラクトマンナーゼ）で分解したものでその
分子量が 5,000乃至50,000のもの、好ましくは10,000乃
至20,000のものをいい、その精製度は完全に純粋でなく
ても良く、水溶液の形態又は常法で乾燥したものが使用
できる。なお、分子量が50,000を越えると製品は非常に
粘性の強いものとなり食感が劣り、5,000 以下になると
その効果は少なくなる。また、その使用量は、好ましく
は０．５重量％以上５．０重量％以下であり、さらに好
ましくは１．０重量％〜２重量％である。すなわち、
０．５重量％未満であればその効果が少なく、また５．
０重量％より多いと製品は硬いものになり食感が劣る。
本発明の歯付き防止用組成物は、上記ガラクトマンナン
分解物を含有することを特徴とするものであり、その含
量、形状等を限定するものはない。ガラクトマンナン分
解物以外に使用される物質は、当該組成物の効果を阻害
しない物質であればいかなるものも使用でき、例えば、
多糖類、オリゴ糖類、多糖類を含む各種糖類、油脂、乳
化剤等が適宜選択される。組成物の形状は粉体、液体等
いずれの形状であってもよい。以下、本発明について実
施例によって具体的に説明する。

【０００７】

【実施例】実施例１ 歯付き防止を目的として数レベルのガラクトマンナン分
解物を添加したソフトキャンデーの配合例を表１に示
す。

【０００８】

【表１】

【０００９】表１に示した配合の砂糖、水飴、加糖練
乳、植物性油脂、乳化剤、小麦粉、ガラクトマンナン分
解物（少量の水に溶解したもの）をオープンパンに仕込
み、攪拌加熱し、得られた混合物を１２０℃になるまで
水分蒸発を行い、これを冷却、成型してソフトキャンデ
ーを得た。得られた製品のうち食感に優れた配合例２〜
３、配合例５〜６及び配合例８〜９につき以下の試験を
行った。

【００１０】試験例１ ガラクトマンナン分解物による流れ防止効果 配合例１〜３及び配合例５〜６の製品を裸で１０日間室
温（夏）に放置し、流れ状態を観察する。 結果 配合例１：キャラメルの底面積が、１２８％に増加し流れが見られ る。 配合例２：わずかに流れがみられる。 （底面積 １０７％） 配合例３：ほとんど流れが見られない。（底面積 変わらず） 配合例５：わずかに流れがみられる。 （底面積 １０５％） 配合例６：ほとんど流れが見られない。（底面積 変わらず） 以上より明らかなように配合例２〜３及び５〜６は保型
性が良好であった。

【００１１】試験例２ ガラクトマンナン分解物添加による歯つき防止効果 配合例１〜３、配合例５〜６及び配合例８〜９の製品を
試食し、歯つき具合を評価した結果を表２に示す。

【００１２】

【表２】

【００１３】表２の結果から明らかなように配合例２〜
３、配合例５〜６及び配合例８〜９は歯つき防止効果を
有していたが、特に配合例３と６が効果が強かった。

【００１４】本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙
げると以上のようなことが考えられる。 （１）ガラクトマンナン分解物を含有することを特徴と
するソフトキャンデー類の歯付き防止用組成物。 （２）ガラクトマンナン分解物の分子量が 5,000〜50,0
00である前記（１）記載のソフトキャンデー類の歯付き
防止用組成物。 （３）ガラクトマンナン分解物の分子量が10,000〜20,0
00である前記（１）記載のソフトキャンデー類の歯付き
防止用組成物。 （４）ガラクトマンナン分解物の由来がローカスト、タ
ラ及びグアプラントの種子から選ばれる１種又は２種以
上である前記（１）〜（３）いずれか記載のソフトキャ
ンデー類の歯付き防止用組成物。

【００１５】（５）ガラクトマンナン分解物と多糖類、
オリゴ糖類、多糖類を含む各種糖類、油脂、乳化剤から
なる群より選ばれる少なくとも１種を併用することを特
徴とする前記（１）〜（４）いずれか記載ソフトキャン
デー類の歯付き防止用組成物。 （６）前記（１）〜（５）いずれか記載の歯付き防止用
組成物を配合することを特徴とする歯への付着を低減し
たソフトキャンデー類の製造法。 （７）ソフトキャンデー類が、フォンダン、キャラメ
ル、タフィー、ヌガー、ファッジまたはチューイングキ
ャンデーである前記（１）〜（５）いずれか記載のソフ
トキャンデー類の歯付き防止用組成物。 （８）ソフトキャンデー類が、フォンダン、キャラメ
ル、タフィー、ヌガー、ファッジまたはチューイングキ
ャンデーである前記（６）記載の歯への付着を低減した
ソフトキャンデー類の製造法。

【００１６】

【発明の効果】本発明のガラクトマンナン分解物をソフ
トキャンデー類に配合すると歯への付着防止を著しく抑
え、且つ保型性に優れ、味質、食感のよいソフトキャン
デーを提供でき、産業上貢献大である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラクトマンナン分解物を含有すること
   を特徴とするソフトキャンデー類の歯付き防止用組成
   物。
2. 【請求項２】 ガラクトマンナン分解物の分子量が 5,0
   00〜50,000である請求項１記載のソフトキャンデー類の
   歯付き防止用組成物。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載の歯付き防止用組成
   物を配合することを特徴とする歯への付着を低減したソ
   フトキャンデー類の製造法。