JPH09238642A - う蝕誘発性の低い菓子用組成物及びそれを用いた菓子の製造方法 - Google Patents

う蝕誘発性の低い菓子用組成物及びそれを用いた菓子の製造方法

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JPH09238642A
JPH09238642A JP8078088A JP7808896A JPH09238642A JP H09238642 A JPH09238642 A JP H09238642A JP 8078088 A JP8078088 A JP 8078088A JP 7808896 A JP7808896 A JP 7808896A JP H09238642 A JPH09238642 A JP H09238642A
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且明 大橋
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めぐみ 瀬川
Toru Kitajima
徹 北嶋
Kazuaki Kato
和昭 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な甘味質を有し、う蝕誘発性が極めて低
く、それを用いてキャンデー等を調製した場合には特に
顕著であるが、吸湿性が従来の糖アルコールにより調製
した品よりも低く、いわゆるコールドフローが起こら
ず、表面のベトつきが生じにくく、カリカリとした歯脆
さなどの従来品の好ましい食感の多くを備えた菓子を調
製する。 【解決手段】 エリスリトール、キシリトール、マンニ
トール、ソルビトール、キシロビイトール、パラチニッ
ト、マルチトール、ラクチトール、試験法Aによる酸産
生能が20%未満である還元澱粉糖化物または還元分岐
オリゴ糖若しくは還元キシロオリゴ糖から成る群から選
ばれる1種又は2種以上の混合物である糖アルコール1
0〜90重量%と、トレハロース90〜10重量%とを
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明は、う蝕誘発性の低い菓子用組成物
及びそれを用いた菓子の製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
【0004】キャンデーやチューインガムをはじめとす
る菓子は古来多くの人々に好まれ、その種類もカロリー
の高いものや低いもの、酸味や果実の味を強調したも
の、硬いガラス状の外観を有するものや柔らかなものな
ど、多種多様であるが、本発明で言う菓子とは、口腔内
に滞留する時間が比較的長いもの、具体的には、ハード
キャンデー、チューインガム、チューイングタブレッ
ト、グミ等のゼリー類を意味する。
【0005】キャンデーやチューインガムをはじめとす
る菓子は従来水飴や砂糖を甘味料として製造されてきた
が、近年の口腔衛生思想の普及に伴って、う蝕誘発性の
低い甘味料の使用が望まれている。
【0006】糖アルコール類は良好な甘味質を有し、う
蝕誘発性が低いものが多いことから、これを用いてう蝕
誘発性の低いハードキャンデー等の菓子を製造する試み
がなされて来た。
【0007】しかし、糖アルコール類を菓子の材料とし
て用いた場合に、キャンデー等の場合には特に顕著であ
るが、吸湿性が主に砂糖を用いた従来品よりも高いこ
と、いわゆるコールドフローが起こりがちで表面のベト
つきが生じること、カリカリとした歯脆さなどの従来品
の好ましい食感が損なわれて噛んだときに不快な硬い歯
ごたえになる場合が多いこと、噛んだときに歯に強く粘
着すること、弱く熱したときに形が崩れやすいこと、そ
の結果菓子同士や菓子と包装材との融解や付着が起こる
こと等の点が課題として残されていた。
【0008】糖類の中にはこのような糖アルコール類の
持っている欠点が少ないものが多いことから、このよう
な課題を解決しようとしてある種の糖類と糖アルコール
との混合使用も提案されているが、その場合には、パラ
チノース等のごく僅かの例外を除けばう蝕誘発性が極端
に増大してしまい、満足な性質を備えた菓子用組成物や
菓子の製造方法は得られていない。
【0009】従って、糖アルコール本来の特徴である良
好な味や非う蝕誘発性を損なわずに前記のようなコール
ドフローなどの課題を解決することが要望されていたの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】本発明者等は、前記様々な課題を解決する
ため、鋭意糖アルコールと各種菓子用素材の性質を研究
した。
【0012】現代の科学では、口腔内の細菌が口腔内の
基質から粘質多糖や酸等の醗酵生産物を生成し、これに
より口腔内のpHが長時間低下し、エナメル質からの脱
灰等が起こり、これらが相互に関連しあってう蝕ができ
ると理解されているので、口腔内のpHや口腔内細菌を
用いて測定するpHが物質のう蝕性を判定するうえで重
要な指標になると考えられている。
【0013】う蝕誘発性を測定するには、ヒトの口に電
極を実際に稙え込んでpHを測定する電極内蔵法や、ヒ
トの口腔内細菌を取り出して基質と反応させ、pHを測
定する酸産生能(速度)測定法など各種の方法が提案さ
れているが、本発明者等は各組成物の試験法Aによる酸
産生能を測定してう蝕誘発性の目安とした。
【0014】糖類は試験法Aに供した場合に殆どが70
〜100%の数値を示すことが知られているが、意外な
ことにトレハロースは例外的に極めて低い数値を示すこ
とを本発明者等は発見した。
【0015】しかし、トレハロースをキャンデー等の菓
子用素材として単独で用いることが、結晶の晶出のしか
たなど、トレハロースの性質上困難であることが判明し
たので、特定の糖アルコールとトレハロースとの混合物
について性質を調べた結果、前記課題の殆どを解決でき
ることを見出し、且つ、試験法Aによれば、非う蝕性で
あることを発見した。
【0016】その結果、特定の糖アルコールとトレハロ
ースとを10:90〜90:10の範囲で用いることに
より、試験法Aで測定した酸産生能の低い菓子用組成物
を得ることに成功し、また、それを用いて良好な味や糖
アルコールの有する非う蝕性等の性質を損なわず、且
つ、糖アルコールの課題とされていたコールドフローや
歯ざわり等、多くのことがらが解決された菓子を製造す
ることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
【0017】以下に本発明で採用した試験法A(酸産生
能の試験法)を詳細に説明する。
【0018】1.用いる試薬類の調製
【0019】被検査物質水溶液:被検査物質1gあた
り脱イオン水10mlで溶解し(被検査物質が液状であ
る場合は、脱イオン水で濃度10%に調整する)、リン
酸緩衝液0.1mlを加えて被検査物質水溶液とする。
【0020】洗浄液:pH7.0に調整したKCl:
MgCl2=150mM:5mM混合水溶液を調製し、
洗浄液とする。
【0021】リン酸緩衝液:Na2HPO4及びKH2
PO4の1/15モル水溶液を各々調製し、Na2HPO
4とKH2PO4を61.1:38.9の割合で混合して
pHを7.0に調整し、リン酸緩衝液とする。
【0022】リン酸緩衝液入り洗浄液:KCl:Mg
Cl2=1.12g:0.048gをリン酸緩衝液4m
lと脱イオン水96mlで溶解し、リン酸緩衝液入り洗
浄液とする。
【0023】α−アミラーゼ液:α−アミラーゼ2m
gを洗浄液20mlに溶解し、0.1mg/ml溶液を
作り、α−アミラーゼ液とする。
【0024】歯垢液:採取前夜歯を磨かないで蓄積し
た歯垢を採取し、上記のリン酸緩衝液入り洗浄液に入
れて撹拌し、遠心分離により唾液等を除去し、歯垢を
のリン酸緩衝液入り洗浄液で数回洗浄する。その後、水
分を除き、歯垢重量の1.5倍ののリン酸緩衝液入り
洗浄液に懸濁させる。7人分の懸濁液を混合して歯垢液
とする。(操作中、保存中は氷冷する。)
【0025】2.pHの測定操作
【0026】温度35℃に調整した恒温器内に予め入れ
ておいたpH計の電極部に歯垢液8μlを滴下し、約1
分放置後、被検査物質水溶液5mlにα−アミラーゼ液
1mlを加えて調製した混合液の12μlを加えて合計
20μlを電極部に滴下して、滴下終了時を反応開始時
間として滴下した混合液を撹拌する。
【0027】操作中、約1分放置後、反応開始から1分
毎に20分間、更に撹拌終了後のpHをそれぞれ測定す
る。
【0028】3.酸産生能の計算
【0029】ショ糖10%水溶液を被検査物質水溶液と
同様に操作してpHを測定しておき、pHから求められ
るショ糖水溶液と被検査物質水溶液の水素イオン濃度を
それぞれ時間に対してプロットし、その傾き(酸の生成
速度に相当する)を求めてショ糖の場合と被検査物質の
場合との傾きを比較する。
【0030】同じpHの測定及び傾きの計算を同一の歯
垢液で3回行い、次の日には別の歯垢液を用いて同様に
3回測定し、最初の日の3回の平均と次の日の3回の平
均が共に、被検査物質の傾きがショ糖の傾きの20%以
下であるという結果になった場合に、酸産生能が低いと
判定した。
【0031】本発明の課題を解決する手段は以下の通り
である。
【0032】本発明は第一に、エリスリトール、キシリ
トール、マンニトール、ソルビトール、キシロビイトー
ル、パラチニット、マルチトール、ラクチトール、試験
法Aによる酸産生能が20%未満である還元澱粉糖化物
または還元分岐オリゴ糖若しくは還元キシロオリゴ糖か
ら成る群から選ばれる1種又は2種以上の混合物である
糖アルコール10〜90重量%と、トレハロース90〜
10重量%とを含有することを特徴とする、う蝕誘発性
の低い菓子用組成物である。
【0033】本発明は第二に、エリスリトール、キシリ
トール、マンニトール、ソルビトール、キシロビイトー
ル、パラチニット、マルチトール、ラクチトール、試験
法Aによる酸産生能が20%未満である還元澱粉糖化物
または還元分岐オリゴ糖若しくは還元キシロオリゴ糖か
ら成る群から選ばれる1種又は2種以上の混合物である
糖アルコール10〜90重量%と、トレハロース90〜
10重量%とを用いることを特徴とする、う蝕誘発性の
低い菓子の製造方法である。
【0034】また、本発明は、第三に、トレハロース
が、試験法Aによる酸産生能が20%未満である性質を
備えたものである第一の発明に記載のう蝕誘発性の低い
菓子用組成物である。
【0035】また、本発明は、第四に、トレハロース
が、試験法Aによる酸産生能が20%未満である性質を
備えたものである第二の発明に記載のう蝕誘発性の低い
菓子の製造方法である。
【0036】また、本発明は、第五に、エリスリトー
ル、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、キシ
ロビイトール、パラチニット、マルチトール及びラクチ
トールが、試験法Aによる酸産生能が20%未満である
性質を備えたものである第一又は第三の何れか一つの発
明に記載のう蝕誘発性の低い菓子用組成物である。
【0037】更に、本発明は、第六に、エリスリトー
ル、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、キシ
ロビイトール、パラチニット、マルチトール及びラクチ
トールが、試験法Aによる酸産生能が20%未満である
性質を備えたものである第二又は第四の何れか一つの発
明に記載のう蝕誘発性の低い菓子の製造方法である。
【0038】本発明に用いるトレハロースは、酵母から
の抽出法によるものであっても、澱粉からの酵素法によ
るものであっても、その由来や製造方法に特別の制約は
無く、純度が98%以上で、且つ、好ましくは試験法A
により、20%未満の結果が得られる品質を具備したも
のであればよい。
【0039】本発明者の知見によれば、グルコースやマ
ルトース、スクロース(砂糖)などの未還元糖または口
内微生物によって速やかに資化されたり、未還元糖を遊
離する糖がある程度含有されていると試験法Aによる結
果が20%以上になるので、トレハロース以外の糖類が
少ないものが好ましい。
【0040】試験法Aによって20%未満の結果が得ら
れないトレハロースは、多くの場合、糖アルコールと混
合することによって、20%未満の該試験結果を得るこ
とができるが、糖アルコールと混合しても20%未満の
結果が得られない場合には、トレハロースをそのまま
で、又は糖類と混合してトレハロース分子内のα結合が
加水分解されない程度の穏やかな条件で還元処理するこ
とにより、好ましい該試験結果を得ることができる。
【0041】具体的には、温度は110〜150℃の範
囲で、水素加圧下、ラネーニッケル等の糖類を還元する
ときに通常用いられる触媒を用いて、60〜120分程
度の還元反応に供することによって、本発明に有利に採
用できる品質を獲得することができる。
【0042】また、アルカリの添加、加熱処理、活性炭
若しくはイオン交換樹脂による脱色、脱臭、脱イオン処
理操作、分蜜操作、クロマト分離等によっても、う蝕性
が改善されて好ましい結果が得られる場合がある。
【0043】本発明に用いる糖アルコールは、エリスリ
トール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、
キシロビイトール、パラチニット、マルチトール、ラク
チトール、試験法Aによる酸産生能が20%未満である
還元澱粉糖化物または還元キシロオリゴ糖若しくは澱粉
由来の還元分岐オリゴ糖からなる群から選ばれる1種又
は2種以上の混合物であるが、その由来や製造方法につ
いての特別の制限は無く、一般に食品又は食品添加物と
して製造されている程度の品質を備えているものであれ
ば、おおむね本発明に有利に用いることができる。
【0044】それらの糖アルコールの中でも、試験法A
による酸産生能が20%未満である品質を備えたものが
更に有利に採用することができるが、本発明者等の知見
によれば、糖アルコール中の未還元物成分の含有率が2
%未満であることが好ましく、0.5%未満であること
が更に好ましく、0.2%未満であることが最も好まし
い。
【0045】また、試験法Aによって20%未満の結果
が得られない糖アルコールの場合は、再度還元反応に供
したり、前記トレハロースの場合と同様にトレハロース
との混合やアルカリの添加、加熱処理、活性炭若しくは
イオン交換樹脂による脱色、脱臭、脱イオン処理操作、
分蜜操作、クロマト分離等によっても、う蝕性が改善さ
れて好ましい結果が得られる場合があるので、必要に応
じてこれらの操作を施してから本発明に採用することが
できる。
【0046】また、本発明の組成物は液状、粉末状、顆
粒状、塊状の何れかの形態をとることができるが、組成
物中に含有される糖アルコールの割合とトレハロースの
割合は、菓子類を製造した場合に要求される粘度、甘
味、硬さ、保形性、など、様々な性質を加味すると、両
者を合計した数値を100としたときに、糖アルコール
(重量%):トレハロース(重量%)=10:90〜9
0:10であることが必要であるが、好ましい割合は糖
アルコール(重量%):トレハロース(重量%)=3
0:70〜70:30、更に好ましい割合は40:60
〜60:40である。
【0047】糖アルコールの比率が10%未満の場合は
菓子類を製造した場合に甘味が不足しがちになり、粘度
が高くなって作業性に支障が出る場合があり、キャンデ
ーやゼリーなどの場合にはトレハロースの結晶が析出し
てしまい澄明な製品が得難いという現象があり、成形し
た後に脆くなる傾向が強いので、菓子用組成物として又
はこれを用いて製造した場合には菓子として、致命的な
課題を包含することになる。
【0048】また、糖アルコールの比率が90%を超え
る場合は、糖アルコールの結晶が析出する場合があり、
また、従来から糖アルコールを用いて菓子類を製造した
場合の課題の多く、即ち、吸湿性が高くなり、キャンデ
ー等の場合にはコールドフローが起こりがちで、表面が
ベトつき、歯つきが強く、熱したときに形が崩れやす
く、歯脆さに欠けるなど、の現象が出現する。
【0049】また、トレハロースの比率が10%未満の
場合は、従来から糖アルコールを用いて菓子類を製造し
た場合の課題の多くが出現し、トレハロースの比率が9
0%を超える場合は糖アルコールの比率が10%未満の
場合と同様の課題が発生する。
【0050】本発明の組成物やそれを用いて菓子を調製
する際に、トレハロース及び糖アルコールを含有させる
方法については特別な制約はないが、トレハロースや各
種還元オリゴ糖類を混合処理操作に供するなどの際に酸
の存在下であまり高い温度での長時間操作を採用すると
分子内の結合が切れてう蝕性が高くなる場合があるの
で、注意する必要がある。
【0051】また、本発明の組成物やそれを用いて菓子
を調製する際に、濃度が70%以上になると、成分がト
レハロースの割合が30%以上で糖アルコールの割合が
70%未満である場合には、成分の結晶が析出すること
があるので、液として用いる場合には、濃度を低くする
などの手段を採用することが適切である。
【0052】更に、本発明のう蝕誘発性の低い菓子用組
成物は、菓子製造の際に有利に用いられるだけでなく、
口腔内に滞留する時間の長い口腔衛生剤や舌下錠等の各
種医薬品に用いた場合にも、う蝕誘発性が低いという特
徴を利用することができる。
【0053】
【実施例及び比較例】
【0054】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の
内容を更に具体的に説明するが、本発明の技術的範囲
は、以下の実施例によって制限されるものではない。
【0055】尚、各例中、%は、特に断らない限り全て
重量%を表わすものとする。
【0056】[実施例−1]
【0057】純度95%のマルチトール[東和化成工業
(株)製、アマルティ(登録商標)MR]固形分量700
gと純度99.8%のトレハロース[和光純薬工業(株)
製、試薬特級]固形分量300gを2リットルのステン
レス製容器に取り、水を加えて固形分濃度70%に調整
して本発明の菓子用組成物を得た。
【0058】次いで、前記菓子用組成物を撹拌しながら
加熱して、30分間で液温が180℃になるまで煮詰
め、その後120℃まで放冷してから1個約2gの大き
さのステンレス製型に流し込んで成形、固化し、本発明
に係る製造方法により菓子を得た。
【0059】[実施例−2]
【0060】マルチトールに代えて還元澱粉糖化物[東
和化成工業(株)製、PO−60]を500g、トレハロ
ースの量を500gとした他は実施例1と同様にして本
発明の菓子用組成物を得た。
【0061】次いで、実施例1と同様にして本発明に係
る製造方法により菓子を得た。
【0062】[実施例−3](組成物の調製)
【0063】マルチトールに代えてラクチトール[東和
化成工業(株)製、ミルヘン(登録商標)]を800g、
トレハロースの量を200gとした他は実施例1と同様
にして本発明の菓子用組成物を得た。
【0064】次いで、実施例1と同様にして本発明に係
る製造方法により菓子を得た。
【0065】[実施例−4](組成物の調製)
【0066】マルチトールに代えてパラチニット[三井
製糖(株)製]を用いた他は実施例1と同様にして本発明
の菓子用組成物を得た。
【0067】次いで、実施例1と同様にして本発明に係
る製造方法により菓子を得た。
【0068】[実施例−5](組成物を用いた食品の調
製)
【0069】トレハロース[和光純薬工業(株)製、試薬
特級]25.5g、純度95.2%のマルチトール[東
和化成工業(株)製、アマルティ(登録商標)MR]5
8.2g、アスコルビン酸[武田薬品工業(株)製]15
g、レモンパウダー0.3g[曽田香料(株)製]、滑沢
剤[三菱化学(株)製、リョートーシュガーエステルS2
70F]1gを十分に混合し、15mmの杵を用い、小
型打錠機[菊水製作所(株)製、8F−3B型回転式打錠
機]で1錠が約1gの、本発明に係る製造方法により圧
縮錠菓を調製した。
【0070】[実施例−6]
【0071】市販の板ガムベース[カネボウ化成(株)
製、味ガムベース]80gに、トレハロース[和光純薬
工業(株)製、試薬特級]100g、結晶マルチトール
[東和化成工業(株)製、レシス(登録商標)]150
g、還元麦芽糖水飴[東和化成工業(株)製、アマルティ
(登録商標)シロップ]53g、ソルビトール[東和化
成工業(株)製、商品名ソルビットL−70]12g、ス
トロベリーフレーバー3g、クエン酸2gを加え、55
℃で約25分間充分に混練し、室温で展延し、板状にし
た後冷却して、通常の板ガムの大きさに切断して包装
し、本発明に係る製造方法によりガム約400gを得
た。
【0072】[比較例−1]
【0073】用いるマルチトールの固形分量を1000
gとし、トレハロースを用いない他は実施例1と同様に
して菓子用組成物を得た。
【0074】次いでこの組成物を用いて、実施例1と同
様にして菓子を調製した。
【0075】[比較例−2]
【0076】用いるトレハロースの固形分量を1000
gとし、マルチトールを用いない他は実施例1と同様に
して菓子用組成物を得た。
【0077】次いでこの組成物を用いて、実施例1と同
様にして菓子を調製した。
【0078】[比較例−3]
【0079】還元麦芽糖水飴の固形分量を1000gと
し、トレハロースを用いない他は実施例2と同様にして
菓子用組成物を得た。
【0080】次いでこの組成物を用いて、実施例2と同
様にして菓子を調製した。
【0081】[比較例−4]
【0082】用いるトレハロースの固形分量を700g
とし、マルチトールに代えて砂糖を300g用いる他は
実施例1と同様にして菓子用組成物を得た。
【0083】次いでこの組成物を用いて、実施例1と同
様にして菓子を調製した。
【0084】[比較例−5]
【0085】実施例5のマルチトールを同量の砂糖に変
えた他は同様にして圧縮錠菓を調製した。
【0086】[比較例−6]
【0087】実施例6のマルチトールを同量の砂糖に置
き換え、還元麦芽糖水飴を同量の水飴に変えた他は同様
にしてガムを調製した。
【0088】[比較試験−1]
【0089】試験法Aにより、各例で調製した菓子用組
成物、及びそれを用いて調製した菓子を試料とし、その
酸産生能を測定した結果を表−1(1)〜(4)に示し
た。
【0090】
【表1】
【0091】表−1(1)〜(4)の結果から、本発明
の菓子用組成物及び本発明の菓子は、比較例の菓子用組
成物及び菓子に比べてう蝕性の目安となる酸産生能が極
めて低いことが判る。
【0092】[比較試験−2]
【0093】下記試験法により、各例で調製した菓子の
官能試験を行った結果を表−2(1)及び(2)に示し
た。
【0094】[味、歯もろさ、歯つきの判定] 年齢2
0歳〜55歳の訓練された成人10名をパネルとして、
各資料を食したうえで、好ましい味又は歯もろさがある
又は歯つきがない場合(各+1)、ふつうの場合(各
0)、好ましくない味又は歯もろさがなく硬い又は歯つ
きがある場合(各−1)の判定を受け、10人の判定を
合計し、味の、歯もろさ及び歯つきの判定結果とした。
【0095】[保存後べとつき] 各菓子5個を相対湿
度75%、温度75%のデシケーター中のシャーレに入
れ、72時間保存した後、親指と人差し指でつまみ、指
を開いたときに簡単に指から離れるものを保存後べとつ
きなし(+1)、指にべとつきは残るが指から取れるも
のを(0)、指に付着して取れないものをべとつきあり
(−1)として5人の判定を合計し、保存後べとつきの
判定結果とした。
【0096】尚、実施例5及び6の菓子については、味
の試験のみを実施した。
【0097】
【表2】
【0098】[比較試験−3]
【0099】下記試験法により、各例で調製した菓子用
組成物、及びそれを用いて調製した菓子の熱安定性試験
を行った結果を表−3に示した。
【0100】熱安定性試験
【0101】菓子3個を防湿製の包装材で包装し、一定
温度(40℃、50℃又は60℃)の恒温で14日間保
管し、その間に菓子同士の付着状態を観察した。観察の
結果を以下のような3段階に表現して表示し、5人の判
定を合計して熱安定性試験の結果とした。
【0102】[+1:変化なし、0:菓子同士が軽く付
着、−1:菓子同士が強く付着または菓子同士が融合]
【0103】
【表3】
【0104】
【発明の効果】
【0105】前記に説明したように、単独で用いた場合
に多くの課題を有するトレハロースと糖アルコールとを
特定範囲で組み合わせて菓子用組成物とすることによ
り、良好な甘味質を有し、う蝕誘発性が極めて低く、そ
れを用いてキャンデー等を調製した場合には特に顕著で
あるが、吸湿性が従来の糖アルコールにより調製した品
よりも低く、いわゆるコールドフローが起こらず、表面
のベトつきが生じにくく、カリカリとした歯脆さなどの
従来品の好ましい食感の多くを備えた菓子を調製するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エリスリトール、キシリトール、マンニ
    トール、ソルビトール、キシロビイトール、パラチニッ
    ト、マルチトール、ラクチトール、試験法Aによる酸産
    生能が20%未満である還元澱粉糖化物または還元分岐
    オリゴ糖若しくは還元キシロオリゴ糖から成る群から選
    ばれる1種又は2種以上の混合物である糖アルコール1
    0〜90重量%と、トレハロース90〜10重量%とを
    含有することを特徴とする、う蝕誘発性の低い菓子用組
    成物。
  2. 【請求項2】 エリスリトール、キシリトール、マンニ
    トール、ソルビトール、キシロビイトール、パラチニッ
    ト、マルチトール、ラクチトール、試験法Aによる酸産
    生能が20%未満である還元澱粉糖化物または還元分岐
    オリゴ糖若しくは還元キシロオリゴ糖から成る群から選
    ばれる1種又は2種以上の混合物である糖アルコール1
    0〜90重量%と、トレハロース90〜10重量%とを
    用いることを特徴とする、う蝕誘発性の低い菓子の製造
    方法。
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